JP2879027B2 - けい皮酸エステル誘導体の製造方法 - Google Patents

けい皮酸エステル誘導体の製造方法

Info

Publication number
JP2879027B2
JP2879027B2 JP9056727A JP5672797A JP2879027B2 JP 2879027 B2 JP2879027 B2 JP 2879027B2 JP 9056727 A JP9056727 A JP 9056727A JP 5672797 A JP5672797 A JP 5672797A JP 2879027 B2 JP2879027 B2 JP 2879027B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
acid ester
catalyst
cinnamic acid
fluoroform
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9056727A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10251202A (ja
Inventor
隆雄 碇屋
精二 岩佐
良治 野依
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan, Nippon Kokan Ltd filed Critical Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Priority to JP9056727A priority Critical patent/JP2879027B2/ja
Publication of JPH10251202A publication Critical patent/JPH10251202A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2879027B2 publication Critical patent/JP2879027B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、けい皮酸
エステル誘導体の製造方法に関するものである。さらに
詳しくは、この出願の発明は、二酸化炭素あるいはフル
オロホルムの超臨界状態での反応によって、従来の液相
反応では達成することのできない高い反応速度と高い収
率で、有機化学工業の原料あるいは香料の原料等として
有用なけい皮酸エステル誘導体を製造することのできる
新しい方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来より、けい皮酸誘導体
は有機化学工業における基礎原料として有用なものであ
り、各種化成品、香料、医薬品、農薬等の諸分野に広く
利用されていて、特にけい皮酸は香料および医薬品原料
として広く用いられている。この皮酸誘導体について
は、従来は、1)ベンズアルデヒドとマロン酸エステル
とをアルカリ金属触媒により合成する方法(Perkin反
応)、2)スチレンと水とを一酸化炭素の雰囲気下で金
属触媒により合成する方法、3)ベンゼンとα,β−不
飽和エステル化合物類またはカルボン酸やカルボン酸無
水物、カルボン酸ハロゲン化物さらにはカルボン酸のカ
ーバメートなどのカルボン酸誘導体との反応によって合
成する方法などが知られている。工業的には、けい皮酸
の製造については前記1)の方法が利用されている。
【0003】しかしながら、これら既存の方法の1)の
ものは多段階工程を含み、2)の方法は毒性の高い一酸
化炭素を高温、高圧で用いる必要があること、さらに
3)の方法では触媒効率が低く現在のところ実用化され
ていないという問題がある。触媒効率を向上させるため
のその他の方法としては、パラジウムのような遷移金属
触媒を用いて超高圧下で行う方法(Synlett, 1994, 18
9) 、(Journal of American Chemical Society, 1996,
118, 2087) や、新しい触媒系を用いる方法(Angewante
Chemie, International Edition in English, 1995, 3
4, 1844)、さらには界面活性剤の添加等(Tetrahedron L
etters, 1994, 35, 3051) 、の方法が知られている。
【0004】しかしこれら従来公知の方法の場合には、
そのいずれのものも多量の溶媒を用いて反応させること
が必要であることから、目的とする生成物と触媒および
溶媒との分離に煩雑な操作が避けられず、さらにいずれ
の方法においても反応速度および収率が十分でなく実用
には適さないという欠点があった。このため、より生産
性に優れ、しかも反応速度の大きな方法による新しいけ
い皮酸誘導体の製造方法の実現が求められていた。
【0005】この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであって、従来の方法の欠点を解消
し、反応速度が大きく、より生産性の高い、新しいけい
皮酸誘導体の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして第VIII族遷移金属に基づく触媒の
存在下に超臨界状態にある二酸化炭素(scCO2 と表
記)あるいはフルオロホルム(scCHF3 と表記)中
で、アミン類塩基の共存下に、芳香族ハロゲン化合物と
α,β−不飽和カルボン酸エステル化合物を反応させる
ことを特徴とするけい皮酸エステル誘導体の製造方法を
提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記のとおり
の特徴を持つものであるが、この発明は、芳香族ハロゲ
ン化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステル化合物と
の反応を高効率で行なわせるための触媒の探索と反応系
の検討を行なった結果、二酸化炭素またはフルオロホル
ムを超臨界状態とし、この超臨界CO2 (scCO2
または超臨界フルオロホルム(scCHF3 )中で、ア
ミン類とともに同一反応槽で反応させることにより反応
速度の著しい向上を達成され、けい皮酸エステル誘導体
の高効率な製造方法が実現されるとの知見が見出された
ことから、この知見に基づいて完成されたものである。
そして、実際にもこの発明では、既存の製造方法の場合
には有機溶媒を大量に用いることが不可欠であり、得ら
れたけい皮酸エステル誘導体と溶媒との煩雑な分離操作
を必要としたが、このような不都合を解消すると同時に
著しく高い反応速度と収率の向上を達成することが可能
となる。さらに超臨界流体を媒体とするため、超臨界流
体の特性から温度あるいは圧力をわずかに変化させるだ
けで触媒と生成物あるいは媒体であるCO2 あるいはC
HF 3 とを容易に分離でき、結果として無溶媒でけい皮
酸誘導体を製造することができるという大きな利点があ
る。
【0008】反応原料としての芳香族ハロゲン化合物
は、Ar(X)n で表わされる化合物であって、ここ
で、Arは、反応を阻害することのない適宜な置換基を
有していてもよい単環または多環の芳香環、もしくは脂
環部を持つ芳香環、さらには複素芳香環を示すことがで
きる。また、Xはハロゲン原子を、nは正数である。各
種のものがこの発明において対象となる。
【0009】より具体的にはブロモベンゼン、2−ブロ
モトルエン、3−ブロモトルエン、4−ブロモトルエ
ン、2−ブロモベンズアルデヒド、3−ブロモベンズア
ルデヒド、4−ブロモベンズアルデヒド、2−ブロモア
ニソール、3−ブロモアニソール、4−ブロモアニソー
ル、1−ブロモ−2−ニトロベンゼン、1−ブロモ−3
−ニトロベンゼン、1−ブロモ−4−ニトロベンゼン、
2−ブロモピリジン、3−ブロモピリジン、4−ブロモ
ピリジン、2−ブロモフラン、3−ブロモフラン、2−
ブロモナフタレン、ヨードベンゼン、2−ヨードトルエ
ン、3−ヨードトルエン、4−ヨードトルエン、2−ヨ
ードアニソール、3−ヨードアニソール、4−ヨードア
ニソール、1−ヨード−2−ニトロベンゼン、1−ヨー
ド−3−ニトロベンゼン、1−ヨード−4−ニトロベン
ゼン、2−ヨードベンズニトリル、3−ヨードベンズニ
トリル、4−ヨードベンズニトリル等である。
【0010】また、α,β−不飽和カルボン酸エステル
化合物としては、R1 2 C=CR 3 −COOR4 の構
造を持つものとして示すことができる。ここで、R1
2,R3 は、各々、同一または異ったものとして、置
換基を有してもよい各種の炭化水素基や、反応を阻害す
ることのない各種の置換基であってよく、R4 は、置換
基を有していてもよい各種の炭化水素基を示すことがで
きる。
【0011】このようなα,β−不飽和カルボン酸エス
テル化合物については、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル等をはじめとする各種のものが対象とな
る。アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエス
テル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸イソプ
ロピルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル
酸ペンチルエステル、アクリル酸オクチルエステル、ア
クリル酸シクロヘキシルエステル、アクリル酸t−ブチ
ルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル
酸エチルエステル、メタクリル酸プロピルエステル、メ
タクリル酸イソプロピルエステル、メタクリル酸ブチル
エステル、メタクリル酸ペンチルエステル、メタクリル
酸オクチルエステル、メタクリル酸シクロヘキシルエス
テル、メタクリル酸t−ブチルエステル、メタクリル酸
無水物、アクリロニトリル等である。
【0012】この発明によって得られる生成物は、した
がって、一般式R1 ArC=CR2−COOR3 の構造
を持ち、Arは、前記Ar(X)n に由来する置換基を
示し、R1 、R2 、およびR3 はα、β−不飽和カルボ
ン酸エステル化合物の一般式R1 HC=CR2 −COO
3 に由来する置換基を示す。この発明の製造方法にお
いて使用することのできる第VIII族金属に基づく触媒と
しては、たとえば、パラジウム、ルテニウム、ロジウ
ム、白金等の第VIII族遷移金属の錯体炭素等に担持させ
たこれら金属あるいはコロイド状金属であって、これら
の触媒は、scCO2 中あるいはscCHF3 での反応
を実現させるために不可欠のものである。この金属触媒
は、いわゆる触媒、もしくは反応促進剤として考慮され
るものである。均一系または不均一系として使用される
が、より好ましくは均一系反応とするために、scCO
2 にあるいはscCHF3 に可溶であることが好まし
い。より具体的には、たとえば、MXY(Ln)で示さ
れる化合物を例示することができる。このMXY(L
n)においては、Mは、パラジウム金属等の第VIII族金
属を示し、X、Yは、1価の化合物が好ましい場合には
一般式としてはMXLnで示されるものとして、Xはハ
ロゲン酸塩、カルボキシ酸塩、炭酸塩、炭酸水素基、水
素基等が例示される。また、XとYがある場合には、こ
れらの基の、同一または異なったものとすることができ
る。また、Lは中性配位子を示している。
【0013】中性配位子としては、scCO2 にあるい
はscCHF3 に可溶な有機配位子であり、たとえば、
CO、シクロペンタジエニル配位子、有機窒素化合物配
位子、ホスフィン配位子PR1 2 3 (R1 ,R2
3 は同じであっても異なってもかまわないが、脂肪族
基、脂環族基、または芳香族基を示す)、さらには二座
配位のホスフィン配位子が例示される。より具体的に
は、たとえばトリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジフェニルメチ
ルホスフィン、トリフルオロホスフィン等の第3ホスフ
ィン、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイ
ト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイ
ト、トリフェニルホスファイト等の第3ホスファイト、
ビスジフェニルホスフィノエタン、ビスジフェニルホス
フィノメタン、ビスジフェニルホスフィノプロパン、ビ
スジメチルホスフィノメタン、ビスジメチルホスフィノ
エタン等の二座配位の第3ホスフィン化合物が例示され
る。
【0014】以上のような第VIII族遷移金属触媒におい
ては、なかでも、とりわけパラジウム錯体が高い活性を
有する。具体的にはPdCl2 〔P(CH3 3 4
PdCl2 (CH3 CN)2 、PdCl2 (PhCN)
2 、Pd(PPh3 4 、Pd(OAc)2 /2PPh
3 、Pd(OAc)2 /2P(o−Tol)3 、Pd/
C等が例示されるが、錯体がPd(0)またはPd(I
I)のものであれば、これらに何等限定されることはな
い。
【0015】第VIII族遷移金属触媒の使用量について
は、この発明が無溶媒であることを特徴とし、けい皮酸
誘導体の製造の生産性に依存するため厳密な意味での上
限および下限はなく、scCO2 等への溶解性、反応容
器の大きさおよび経済性などに規定される。一般的に
は、触媒もしくは反応促進剤としての濃度は重量基準で
50〜5,000ppm、好ましくは100〜1,00
0ppmとする。なお、パラジウム金属触媒は、有機溶
媒、例えば、DMF、DMSO、トルエン、ベンゼン、
THF、CH3 CN等に希釈溶解して使用することによ
り、より高い基質/触媒比が得られる。
【0016】また反応に用いられるアミン類塩基として
は、たとえば一般式R1 2 3 N(式中、R1
2 、R3 は、水素または炭素数1ないし10のアルキ
ル基、シクロアルキル基、およびアリール基から選ばれ
る同一または異なる基を示し、また、R1 、R2 および
3 のいずれかが窒素原子とともに環を形成してもよ
い)で表わされるものが例示される。
【0017】このようなアミン化合物の例としては、メ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミ
ン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、フ
ェニルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルア
ミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジシクロ
ペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジル
アミン、ジフェニルアミン、ジフェニルエチルアミン、
ピペリジン、ピペラジン、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ト
リペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチル
アミン、トリシクロペンチルアミン、トリシクロヘキシ
ルアミン、フェニルエチルアミン等があげられる。
【0018】これらの含窒素アミン類の量は、特に限定
されるものではないが、反応器のサイズにより規定され
る。一般的には、触媒または反応促進剤としての第VIII
族金属錯体に対し、100〜1,000,000当量で
あり、好ましくは1000〜500,000当量が好ま
しい。この発明の反応では、水やエタンなどの超臨界状
態になる他種の物質も媒体として用いることができる
が、好ましくはscCO2 またはscCHF3 中均一相
で行なわせる。そのために次の条件が採用される。
【0019】すなわち、二酸化炭素は一般に圧力72.
9atm、温度31度が超臨界点であり、これ以上の圧
力、温度で超臨界状態となる。またフルオロホルムは一
般に圧力47.8atm、温度25.9度で超臨界点で
あり、これ以上の圧力、温度で超臨界状態となる。それ
によると二酸化炭素は75〜500atmの範囲で、好
ましくは75〜210atmが望ましい。またフルオロ
ホルムは60〜150atmが望ましい。しかし反応は
臨界点以下の条件でも、その状態に触媒が可溶であれば
用いることができるという特徴を持つ。例えば実施例に
示すがごとく二酸化炭素の圧力を10〜60atmで行
うこともできる。反応温度は反応系が超臨界状態を維持
する温度以上が必要であり、好ましくは40〜150℃
が望ましい。
【0020】反応は反応形式がバッチ式においても、連
続法においても実施することができる。反応時間は、そ
の反応形式によっても異なるが、たとえばバッチ式にお
いて実施される場合、1時間から24時間が好ましい。
以下実施例を示し、さらに詳しくこの発明方法について
説明する。
【0021】
【実施例】実施例1〜2 図1に例示した反応装置を用いて反応を実施した。反応
器(オートクレーブ)をあらかじめ所定の温度に加熱
し、表1に示したように、パラジウム触媒とトリエチル
アミン(2.5ミリモル)、ヨードベンゼン(1.0ミ
リモル)およびアクリル酸エチル(2.5ミリモル)を
入れ、二酸化炭素またはフルオロホルムを所定の圧力ま
で圧入し、反応を開始させた。反応終了後、反応器を低
温にし、反応器の内容物を液化し、その後の反応系を常
温、常圧にもどした後に生成したけい皮酸エチルエステ
ル誘導体はNMRを用いて定量した。表1に示したよう
に、反応はクリーンに進行し、生成物はけい皮酸エチル
が主生成物であることが確認された。後述の比較例に比
べても、はるかに高い反応速度による高効率でのけい皮
酸誘導体の生成が可能とされていることがわかる。実施例3 実施例1および2の条件に於てエントレーナーとしてH
2 O(50μL)を添加する以外は同様に反応を行なっ
た。結果は表1にあわせて示した。実施例4〜6 実施例1および2と同様にして、反応器(オートクレー
ブ)をあらかじめ所定の温度に加熱し、表1に示したよ
うに、パラジウム触媒とトリエチルアミン(2.5ミリ
モル)、ヨードベンゼン(1.0ミリモル)およびアク
リル酸エチル(2.5ミリモル)を入れ、二酸化炭素ま
たはフルオロホルムを所定の圧力まで圧入し、反応を開
始させた。反応終了後、反応器を低温にし、反応器の内
容物を液化し、その後の反応系を常温、常圧にもどした
後に生成したけい皮酸エチルエステル誘導体はNMRを
用いて定量した。表1に示したように、反応はクリーン
に進行し、生成物はけい皮酸エチルが主生成物であるこ
とが確認された。後述の比較例に比べても、はるかに高
い反応速度による高効率でのけい皮酸誘導体の生成が可
能とされていることがわかる。実施例7 実施例1および2の条件に於てBu4 NCl(1.0ミ
リモル)を添加する以外は同様に反応を行なった。結果
は表1にあわせて示した。実施例8 実施例1および2と同様にして、反応器(オートクレー
ブ)をあらかじめ所定の温度に加熱し、表1に示したよ
うに、パラジウム触媒とトリエチルアミン(2.5ミリ
モル)、ヨードベンゼン(1.0ミリモル)およびアク
リル酸エチル(2.5ミリモル)を入れ、二酸化炭素ま
たはフルオロホルムを所定の圧力まで圧入し、反応を開
始させた。反応終了後、反応器を低温にし、反応器の内
容物を液化し、その後の反応系を常温、常圧にもどした
後に生成したけい皮酸エチルエステル誘導体はNMRを
用いて定量した。表1に示したように、反応はクリーン
に進行し、生成物はけい皮酸エチルが主生成物であるこ
とが確認された。後述の比較例に比べても、はるかに高
い反応速度による高効率でのけい皮酸誘導体の生成が可
能とされていることがわかる。実施例9 実施例1および2の条件に於てフルオロホルムの圧力を
40atmにして行なう以外は同様に反応を行なった。
結果は表1にあわせて示した。実施例10 実施例1および2の条件に於て4−ヨードアニソール
(0.5ミリモル)を用いて行う以外は同様に反応を行
なった。結果は表1にあわせて示した。
【0022】
【表1】
【0023】比較例1〜2 表2の通りの態様において反応を実施した。表2の結果
と前記表1との対比からも明らかなように、触媒の存在
は必須であること、さらに溶液(DMF15mL)中に
おいて行った結果に比べてはるかに高い触媒効率を示し
ていることがわかる。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
り毒性の低い原料を用い、高い反応速度により高効率で
のけい皮酸エステル誘導体の製造が可能となる。また、
溶媒を使用しないため、分離操作も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の反応装置の一例を示した構成図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−223218(JP,A) 特開 平9−59205(JP,A) 特表 平7−500847(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/918 C07C 67/343 C07C 2/86

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第VIII族遷移金属に基づく触媒の存在下
    に、超臨界状態にある二酸化炭素またはフルオロホルム
    中で、アミン類を塩基として、芳香族ハロゲン化合物
    と、α,β−不飽和カルボン酸エステル化合物とを反応
    させることを特徴とするけい皮酸エステル誘導体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 超臨界状態の二酸化炭素またはフロオロ
    ホルムの均一相中で芳香族ハロゲン化合物とα,β−不
    飽和カルボン酸エステル化合物を反応させることを特徴
    とする請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 第VIII族遷移金属に基づく触媒がパラジ
    ウム金属錯体またはパラジウム金属であることを特徴と
    する請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】 パラジウム金属に基づく触媒が極性の高
    い有機溶媒中に溶解した状態であることを特徴とする請
    求項1の製造方法。
JP9056727A 1997-03-11 1997-03-11 けい皮酸エステル誘導体の製造方法 Expired - Fee Related JP2879027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9056727A JP2879027B2 (ja) 1997-03-11 1997-03-11 けい皮酸エステル誘導体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9056727A JP2879027B2 (ja) 1997-03-11 1997-03-11 けい皮酸エステル誘導体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10251202A JPH10251202A (ja) 1998-09-22
JP2879027B2 true JP2879027B2 (ja) 1999-04-05

Family

ID=13035543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9056727A Expired - Fee Related JP2879027B2 (ja) 1997-03-11 1997-03-11 けい皮酸エステル誘導体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2879027B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096107A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Shigeo Okahata 含フッ素ポリマーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10251202A (ja) 1998-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Blaser et al. Industrial R&D on Catalytic C C and C N Coupling Reactions: A Personal Account on Goals, Approaches and Results
Neumann et al. Efficient carbonylation of aryl and heteroaryl bromides using a palladium/diadamantylbutylphosphine catalyst
EP0652202B1 (en) A method for producing formic acid or its derivatives
Schnyder et al. First Application of Secondary Phosphines as Supporting Ligands for the Palladium‐Catalyzed Heck Reaction: Efficient Activation of Aryl Chlorides
US7488698B2 (en) Microencapsulated metal catalyst
US6057456A (en) Transition metal-catalyzed process for preparing alpha-arylated carbonyl-containing compounds
Sarkar et al. Carbonylation of alkynes, alkenes and alcohols using metal complex catalysts
JP2879027B2 (ja) けい皮酸エステル誘導体の製造方法
JP4565927B2 (ja) 炭素−炭素結合を生成するHeck反応用パラジウム触媒
Head et al. Palladium catalysed synthesis of N and S heterocyclic esters
US4629809A (en) Process for selectively preparing acetic acid by carbonylation of methanol in the presence of a novel iodide-free catalyst system
US6291383B1 (en) Process for preparing aromatic olefins in the presence of palladium catalysts comprising phosphite ligands
US6326517B1 (en) Method of producing benzamides
JPH0148889B2 (ja)
CA1319702C (en) Process for the hydroformylation of certain acrylic acid derivatives
Mansour et al. Efficient heterogeneously catalyzed amidocarbonylation of bromoarenes based on a serinol-derived chelate diphosphine ligand
US4990657A (en) Process for the preparation of aromatic acid
US5268505A (en) Preparation of adipic acid by hydrocarboxylation of pentenic acids
JP5058288B2 (ja) 炭素−炭素結合生成反応用パラジウム触媒を使用するオレフィン基置換芳香族化合物の製造方法
JP2000191612A (ja) 安息香酸アミド類の製造方法
JP2548590B2 (ja) 共役ジエンの選択的酸化カルボニル化方法
US6444844B1 (en) Process for the preparation of a carboxylic acid
JPH0784406B2 (ja) 2−(置換アリ−ル)プロピオン酸またはエステルの製造方法
US4503232A (en) Method for the preparation of α-ketoamide imines
JP2866936B2 (ja) 含酸素芳香族化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees