JP2875651B2 - 異性体の分離方法 - Google Patents

異性体の分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラクトンおよびラクタ
ム誘導体の異性体の分離方法に関するものであり、本発
明の異性体分離方法は、医薬を中心とするファインケミ
ストリーの分野で利用することができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ラクト
ンおよびラクタム誘導体は、分子内に適当な炭素数をへ
てカルボニル基とヒドロキシル基またはアミノ基が存在
する化合物を用いれば容易に合成することができる。ま
た、これらのラクトンおよびラクタム誘導体、特に不斉
な化合物は医薬や農薬を中心とする各種ファインケミカ
ルの中間体として、工業的に重要な位置を占めている。
しかし、通常の化学合成においては異性体の混合物とな
ることが多い。特に、近年各分野で医薬、機能性物質の
原料として光学活性物質の需要が高いが、通常の化学合
成においては光学異性体の等量混合物、いわゆるラセミ
体を与え、光学活性体を得るには通常かなりの困難を伴
う。例えば、パントラクトンはイソブチルアルデヒドに
ホルムアルデヒドを縮合させた後、シアンヒドリンと
し、塩酸で加水分解するとラセミ体として得られるが、
この方法から光学活性体を得るためには、パントラクト
ンを比較的高価なキニンを用いて光学分割する必要があ
った。また、対応するケトンからロジウム触媒を用いて
選択的に還元する方法などもあるが、選択性はあまり高
くない。これらの例からもわかるように、ラクトンおよ
びラクタム誘導体の異性体、特に光学異性体を効率的に
分割できる方法が求められていた。
【0003】これまでにラクトンおよびラクタム誘導体
の異性体の分割方法として、トランス−4,5 −ビス(ジ
フェニルヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−1,3 −
ジオキサシクロペンタンを用いた分割方法が知られてい
る。しかし、このような化合物だけでは分割できる化合
物の範囲は限られていたり、得られる化合物の光学純度
が不十分な場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ラクトン
あるいはラクタム誘導体の分割に適したホスト化合物
(種々の他分子とクラスレート化合物を形成する性質を
持つ化合物)を探索した結果、トランス−4,5 −ビス
(ジフェニルヒドロキシメチル)−2,2 −ジメチル−1,
3 −ジオキサシクロペンタンの2位の2個のメチル基に
かえて、ペンタメチレン基等のメチレン鎖を導入し、ス
ピロ構造にした化合物をホスト化合物として用いること
により、さらに優れた分割能を示すことを見出し、本発
明を完成した。即ち、本発明は、ラクトン又はラクタム
誘導体の異性体の混合物をスピロ骨格を有するジオキソ
ラン誘導体を用いて分離することを特徴とする異性体の
分離方法を提供するものである。
【0005】本発明において、ホスト化合物として用い
られるスピロ骨格を有するジオキソラン誘導体として
は、下記一般式(I)で表わされる化合物が挙げられ
る。
【0006】
【化1】
【0007】上記一般式(I)で表される化合物におい
て、n は2〜7の数を示し、−(CH2)n−で示されるメチ
レン鎖上には、1個以上の置換基を有していてもよく、
またヘテロ原子や不飽和結合を含んでいても良い。ジオ
キソラン環に結合している Rは、分離対象とする化合物
と相互作用するための極性基、例えば水酸基やアミド結
合を含むことが望ましく、さらに好ましくは Rがジアリ
ールヒドロキシメチレン基である化合物である。分離の
対象が光学異性体である場合には、言うまでもなくジオ
キソラン誘導体は光学活性体でなければならない。光学
活性な該化合物はいかなる方法で得てもよいが、下記反
応式に示すように、酒石酸から誘導するのがその容易さ
と原料の入手し易さにおいてすぐれた方法である。
【0008】
【化2】
【0009】(一連の式中、n は2〜7、Phはフェニル
基を示す。)本発明にいうラクトン又はラクタム誘導体
とは、次の式(II) 又は(III)に示す骨格を有し、カル
ボニル基を除く炭素上に一個あるいは複数個の置換基を
有し、この置換基の位置あるいは立体化学にもとづく異
性体を有するものである。
【0010】
【化3】
【0011】本発明の方法においては、ラクトン又はラ
クタム誘導体と、ホスト化合物であるスピロ骨格を有す
るジオキソラン誘導体とのクラスレート化合物(廣川書
店刊,化学大辞典「クラスレイト化合物」の項参照)形
成を利用して、異性体を分離する。本発明の方法におけ
るクラスレート化合物の製造には、いかなる方法を用い
ても良い。最も一般的な方法は、分離対象となる化合物
(ラクトン又はラクタム誘導体)と、スピロ骨格を有す
るジオキソラン誘導体の適当量を溶媒に溶解し、温度変
化、溶媒蒸発、あるいは貧溶媒の添加などによってクラ
スレート化合物を析出させる。あるいは分離対象となる
混合物自体を溶媒として用いることもできる。また両者
が固体であっても、単に混合によってクラスレート化合
物を生成する場合もある。さらに両成分を無溶媒あるい
は、溶媒存在下に超高圧をかけて結晶化させることもで
き、このような場合には、常圧下とは異なった結晶を生
成することもあり得る。このようにして得られた固体
が、出発物質とは異なった物理的性状(融点や結晶形な
ど)を示し、両出発物質を含むものであれば、クラスレ
ート化合物を形成していることがわかるが、実用上は所
期の分離が達成されれば良く、該クラスレート化合物の
存在を確認する必要性はない。該クラスレート化合物か
ら、分離対象とする化合物を回収する方法はいかなるも
のであっても良いが、最も簡便なのは、減圧蒸留によっ
て沸点の低い成分のみを別の容器に分離することであ
る。こうした操作によって、目的とするラクトンおよび
ラクタム誘導体の中の特定の異性体の含量を高めること
ができる。また、純度をより高めたい場合には、クラス
レート化合物の段階で再結晶するのが良い方法である
が、回収されたラクトンあるいはラクタムそのものに再
結晶操作を適用できる場合もある。また、不要な異性体
をクラスレート化合物の形成によって除去することも可
能である。
【0012】
【作用】本発明の方法が、ラクトンおよびラクタム誘導
体の異性体の分離に適している理由は明らかではない
が、本発明で用いられるスピロ骨格を有するジオキソラ
ン誘導体がラクトン誘導体の環状エステルあるいはラク
タム誘導体の環状アミド結合部分と相互作用し易い大き
さと極性を持っており、クラスレート化合物を形成し易
いものと考えられる。また、トランス−4,5 −ビス(ジ
フェニルヒドロキシメチル)−2,2 −ジメチル−1,3 −
ジオキサシクロペンタンに比べてスピロ骨格を有するジ
オキソラン誘導体が好結果を示すのは、スピロ環構造を
とることにより、ジオキソラン化合物の立体構造がより
剛直に固定化され、その結果、ゲスト分子への選択性が
向上したと考えられる。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明がこれらに限定されるものではないこと
は言うまでもない。
【0014】実施例1 式(1) で表されるラセミ体のβ−ブチロラクトン1.75g
と、式(2) で表される化合物の(+)−体 5.0gをエー
テル10mlに溶解し、ヘキサン5mlを加えて、室温で12時
間放置した。生成した結晶についてエーテルから再結晶
を3回行って、無色プリズム状のクラスレート化合物2.
6 gを得た。これを減圧下、150 ℃に加熱することによ
り、(+)−β−ブチロラクトン0.38gを得た。このよ
うにして得られた化合物の旋光度は〔α〕D =26.1゜(C
0.98 、MeOH) であった。またHPLC(ダイセル化学
工業(株)製, Chiralcel OA) から光学純度は93.5%ee
であることがわかった。
【0015】
【化4】
【0016】実施例2 式(3) で表されるラセミ体のγ−バレロラクトン0.41g
と、式(2) で表される化合物の(+)−体 1.0gをエー
テル/ヘキサンの2:1(v/v) 混合液15mlに溶解し、12
時間放置して、(−)−γ−バレロラクトンと式(2) で
表される化合物の(+)−体との1:1クラスレート化
合物0.94gを得た。これを減圧下、200℃に加熱するこ
とにより、0.15gの(−)−γ−バレロラクトンを得
た。この旋光度は〔α〕D=−4.9゜(C 0.86 、MeOH) を
示し、光学純度は16.3%eeに相当した。
【0017】
【化5】
【0018】実施例3 式(1) で表されるラセミ体のβ−ブチロラクトン1.02g
と式(4) で表される化合物の(−)−体をエーテル/ヘ
キサンの2:1(v/v) 混合液15mlに溶解し、12時間放置
して、(+)−β−ブチロラクトンと式(4) で表される
化合物の(−)−体との1:1クラスレート化合物の結
晶を得た。この結晶を減圧下、 150℃に加熱することに
より、5.0 %eeの(+)−β−ブチロラクトン(0.47
g、〔α〕D=+1.4 (C 0.87 、MeOH) を得た。
【0019】
【化6】
【0020】実施例4 式(5)で表される化合物のラセミ体 0.4gと式(4) で表
される化合物の(−)−体 1.0gをエーテル/ヘキサン
の2:1(v/v) 混合液15mlに溶解し、12時間放置して、
式(4)で表される化合物の(−)−体と式(5)で表される
化合物の(+)−体の1:1クラスレート化合物の結晶
を得た。この結晶を減圧下、200 ℃に加熱することによ
り、式(5)で表される化合物の(+)−体 (0.12g、
〔α〕D =+0.95(C 1.1、MeOH) を得た。
【0021】
【化7】
【0022】実施例5 式(6) で表される化合物のラセミ体1.39gと式(2) で表
される化合物の(+)−体 3.0gをエーテル/ヘキサン
の2:1(v/v) 混合液15mlに溶解し、12時間放置して、
式(2)で表される化合物の(+)−体と式(6)で表される
化合物の(+)−体の1:1クラスレート化合物の結晶
を得た。この結晶を減圧下、200 ℃に加熱することによ
り、式(6) で表される化合物の(+)−体 (0.12g、
〔α〕D =+5.1゜(C 0.49 、MeOH) を得た。
【0023】
【化8】
【0024】
【発明の効果】本発明の方法に用いるスピロ骨格を有す
るジオキソラン誘導体は、例えば酒石酸などから簡単に
導くことができ、また繰り返し利用することができる。
従って本発明は工業的に有用なラクトンあるいはラクタ
ム誘導体を高い純度で多量に供給することを可能にする
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 305/12 C07D 309/30 D 307/33 317/72 309/30 205/08 317/72 307/32 F E

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクトン又はラクタム誘導体の異性体の
    混合物をスピロ骨格を有するジオキソラン誘導体を用い
    て分離することを特徴とする異性体の分離方法。
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