JP2875376B2 - 含クロム溶銑の製造方法及び装置 - Google Patents

含クロム溶銑の製造方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、竪型炉を用いてクロム酸化物を溶融還元し
ながら含クロム溶銑を製造する方法及びこの方法の実施
に好適な装置に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、クロム成分を含有する特殊鋼やステンレス鋼
は、一旦溶製された含クロム溶銑を主要な出発原料と
し、これを精錬して製造されている。古くから行われて
きたこの含クロム溶銑の製造方法として、クロム鉱石か
ら一旦フエロクロムを造りそれから含クロム溶銑とする
方法がある。しかしながらこの方法は、電気炉や電気精
錬炉を使用するので原料の溶解やクロム酸化物の溶融還
元に多くの電力を費やして多大なエネルギーコストがか
かる欠点があつた。
これに対して近年、大電力を使用しない方法として、
上部に原料装入口をまた下部付近に上下2段の羽口を有
する竪型炉の原料装入口から鉄源,炭材及び造滓材から
主として成り更にクロム源の一部を加えることのある装
入原料を装入し、上下段の各羽口から高温空気又は高温
酸素富化空気を吹き込むと共に上段羽口からクロム酸化
物を含有する粉粒状のクロム原料を炉内へ供給し、この
様々なクロム原料中に含有されるクロム酸化物を溶融還
元しながら含クロム溶銑を出銑して製造する方法が、特
開昭60−162718号公報や、特開昭62−54007号公報や、
特開昭62−167808号公報や、特開昭62−167809号公報な
どに開示されているが、これらの従来技術には炉内温度
を所定範囲に維持して安定操業するための技術的手段に
ついて明確な開示が存在していない。
しかるにこのような竪型炉においては、上部の原料装
入口から装入する原料の品位,装入量の変動,炭材粒度
分布の変動,上段羽口から供給するクロム原料の品位及
びその供給量の変動,送風温度の変動,送風量の変動,
風湿の変動,炉内耐火物の溶損等の種々の要因により炉
内温度が変動すると、以下に示すような現象が生じる。
1.安定操業時: 炉内上下段羽口間の溶融還元領域では、コークス燃焼
熱,送風顕熱,上段羽口レベルから流下する溶銑顕熱,
溶滓顕熱等の入熱と、上段羽口から供給されるクロム原
料の溶融還元熱,羽口冷却水抜熱,上下段羽口間の炉体
放散熱,上段羽口レベルから流出する排ガス顕熱等の出
熱とがバランスしていて特別な問題はない。
2.炉内温度の上昇時: 前述した要因により入熱の増加や出熱の減少が発生し
た場合、炉内温度が上昇し、炭材灰分中等のSiO2がCに
よつて還元されてSiOガスが発生し、このSiOガスの一部
が炉内上方の低温部でSiO2となつて凝集・吸着するため
に局部的通気不良個所が発生して炉内圧力が上昇すると
共に、SiOガスの一部は更にCによつて還元されて溶銑
中にSiとして入るために溶銑中のSi濃度が増加する。
3.炉内温度の下降時: 逆に入熱の減少や出熱の増加が発生した場合、炉内温
度が低下し、出銑温度が低下してクロム酸化物の溶融還
元率の低下が生じ、また原料持込みSiの酸化等が発生す
るため溶銑中のSi濃度が低下する。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、以上に説明したように、上部に原料装入口
をまた下部付近に上下2段の羽口を有する竪型炉を用い
てクロム酸化物を溶融還元しながら含クロム溶銑を製造
する際に、炉内温度を所定範囲内に維持し安定して含ク
ロム溶銑を製造することを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上部に原料装入口をまた下部付近に上
下2段の羽口を有する竪型炉を用いて含クロム溶銑を製
造する場合の炉内温度変動の現象やその影響について検
討した結果、炉内温度が高くなると溶融還元率が向上し
てスラグ,含クロム溶銑の酸素量が低下し、逆に炉内温
度が低くなると溶融還元率が低下してスラグ,含クロム
溶銑の酸素量が高くなることを究明し、炉底部の出銑樋
から連続的に出銑する含クロム溶銑中の酸素量を測定
し、この測定酸素量が所定範囲の上限を外れた場合には
上段羽口から供給する粉粒状のクロム原料の炉内供給量
を減量し、測定酸素量が所定範囲の下限を外れた場合に
はこの粉粒状のクロム原料の炉内供給量を増量すること
により前述の課題を達成できることを究明して本発明を
完成した。
以下、図面を用いて本発明に係る含クロム溶銑の製造
方法及び装置について詳細に説明する。
第1図は竪型炉の1例の概略断面図を含む本発明に係
る含クロム溶銑の製造装置の概略図である。
先ず、本発明方法が適用される含クロム溶銑の一般的
製造方法を第1図により説明する。
空気供給源1から送られてくる空気は、必要に応じて
酸素供給源2によつて酸素富化され、更に熱交換器3に
よつて高温(通常600〜1,200℃)に加熱された後、竪型
炉6の下部付近に上下2段に設けられている上段羽口4
と下段羽口5とから竪型炉6内へ吹き込まれる。一方、
竪型炉6の上部の原料装入口7からは種々の装入原料が
装入される。この装入原料は鉄源,炭材及び造滓材から
主として成り、更にクロム源の一部を加えることがあ
る。このクロム源の一部としては普通、クロムを含有す
る鉄源や高炭素フエロクロムが使用され、クロム源の全
部を次に説明する上段羽口4からのクロム原料供給に頼
る場合以外は上部の原料装入口7から装入され、むしろ
この方が一般的である。このように竪型炉6の上部の原
料装入口7から原料が装入されると共に、他のホツパー
8内からもクロム酸化物を含有する粉粒状のクロム原料
9が高温空気又は高温酸素富化空気と共に上段羽口4よ
り竪型炉6内へ吹き込まれる。そして、竪型炉6内が高
温状態となり、竪型炉6の上部から装入した諸原料の主
として溶解反応と竪型炉6の上段羽口4から吹き込まれ
た粉粒状のクロム原料9の溶融還元反応とが進行して、
竪型炉6の下部の出銑樋10から含クロム溶銑が連続的に
出銑され、出滓樋11から溶融スラグが連続的に排出され
るのである。
また、竪型炉6から発生する排出ガスは、燃焼装置12
で可燃成分を燃焼せしめられ、熱交換器3を通過した後
に集塵装置13を経て系外へ排出されるのである。
このような竪型炉6を用いて含クロム溶銑を製造する
場合に前述した如く、炉内温度が高くなると溶融還元率
が向上してスラグ,含クロム溶銑の酸素量が低下し、逆
に炉内温度が低くなると溶融還元率が低下してスラグ,
含クロム溶銑の酸素量が高くなるので、本発明において
は炉底部の出銑樋10から連続的に出銑する含クロム溶銑
中の酸素量を酸素量測定装置14で測定して炉内の温度変
化を間接的に把握するのである。この炉内の温度変化を
間接的に把握するのに、連続的に出銑する含クロム溶銑
中のSi量やスラグ中の酸素量を測定することも考えられ
るが、現状では長時間に亘つて出銑する含クロム溶銑中
のSi量やスラグ中の酸素量を測定する装置が存在しない
ので、本発明では炉底部の出銑樋10から連続的に出銑す
る含クロム溶銑中の酸素量を測定することに限定した。
この酸素量測定装置14としては、例えば「鉄と鋼第71年
第2号」(昭和60年2月1日,社団法人日本鉄鋼協会発
行)所載の「高炉スラグと溶銑中の酸素分圧の連続測
定」に記載されているようなプローブを使用して、起電
力を測定しこの起電力から溶銑中の酸素量を酸素分圧又
は酸素活量として求めるものを使用すれば良いのであ
る。制御装置15は、この酸素量測定装置14からの測定酸
素量信号16と、前記上段羽口4からの粉粒状のクロム原
料の炉内への供給量を測定するための例えば粉粒状のク
ロム原料供給用のホツパー8の経時的重量変化を測定す
るロードセルの如き粉粒状クロム原料供給量測定装置17
からの測定供給量信号18とを受けて溶銑の酸素量を所定
範囲内に維持するための粉粒状のクロム原料9の炉内供
給量変更信号19を粉粒状のクロム原料9の炉内供給量を
調節する粉粒状クロム原料供給量調節器20に発する。こ
の制御装置15からの粉粒状のクロム原料9の炉内供給量
変更信号19を受けて粉粒状クロム原料供給量調節器20は
ホツパー8内の粉粒状のクロム原料9を供給するための
供給装置21からの粉粒状クロム原料9の供給量を調節す
る。例えば、供給装置21がテーブルフイーダーの場合に
はその駆動源である電動機の回転速度を変更するのであ
る。
〔作 用〕
このように構成される本発明に係る含クロム溶銑の製
造装置を使用して本発明方法を実施する場合についてそ
の作用を以下に説明する。
先ず、上部に原料装入口7をまた下部付近に上下2段
の羽口4,5を有する竪型炉6の前記原料装入口7から鉄
源,炭材及び造滓材から主として成り更にクロム源の一
部を加えることのある装入原料を装入し、前記上下段の
各羽口4,5から高温空気又は高温酸素富化空気を吹き込
むと共に前記上段羽口4からクロム酸化物を含有する粉
粒状のクロム原料9を炉内へ供給し、この粉粒状のクロ
ム原料9を溶融還元しながら含クロム溶銑を出銑し製造
するに当り、炉底部の出銑樋10から連続的に出銑する含
クロム溶銑中の酸素量を酸素量測定装置14で酸素分圧又
は酸素活量として測定すると共に前記上段羽口4からの
粉粒状のクロム原料9の炉内への供給量を粉粒状クロム
原料供給量測定装置17で測定し、この酸素量測定装置14
からの測定酸素量信号16及び粉粒状クロム原料供給量測
定装置17からの測定供給量信号18を受けて測定酸素量が
所定範囲の上限を外れた場合には前記粉粒状のクロム原
料9の炉内供給量を減量し、測定酸素量が所定範囲の下
限を外れた場合には前記粉粒状のクロム原料9の炉内供
給量を増量するように、すなわち溶銑の酸素量を所定範
囲内に維持するように制御装置15が粉粒状のクロム原料
9の炉内供給量変更信号19を発する。この制御装置15か
らの粉粒状のクロム原料9の炉内供給量変更信号19を受
けて粉粒状クロム原料供給量調節器20はホツパー8内の
粉粒状のクロム原料9を供給するための供給装置21から
の粉粒状クロム原料供給量を調節する。
すると、上段羽口4から高温空気又は高温酸素富化空
気と共に炉内へ供給されるクロム酸化物を含有する粉粒
状のクロム原料9の供給量が変化し、この粉粒状のクロ
ム原料9の炉内での溶融還元反応は吸熱反応であるの
で、粉粒状のクロム原料9の炉内への供給量が増加すれ
ば所要とする溶融還元熱量を多量に要して炉内温度が低
下し、減少すれば融還元熱量の所要量が減少して炉内温
度が上昇して、竪型炉6は安定操業に戻り、竪型炉6の
炉底部の出銑樋10から連続的に出銑する含クロム溶銑中
の酸素量が所定の範囲内に維持されるようになるのであ
る。
このように酸素量測定装置14で測定した含クロム溶銑
中の酸素量に基づいて炉内に供給する粉粒状のクロム原
料9の供給量をどの程度増減するかについては、炉容,
様々な使用原料の種類や品位や配合割合や装入量等々の
構成,操業温度等々の種々な操業条件に合わせて経験的
に或いは学習して数学モデルを作成して定めれば良い。
〔実施例〕
比較例1 炉内径が1mで上下段に各3本づつの羽口4,5を有する
第1図と同様の含クロム溶銑の製造設備を用い、酸素量
測定装置14,制御装置15及び粉粒状クロム原料供給量調
節器20を作動させずに第1表に示す送風条件で約1500℃
の12%Crの含クロム溶銑を出銑し製造した。
炉の上部からの装入原料としては、第2表に示す原料
を使用し、上段羽口4からはステンレス鋼製造工程で発
生した転炉スラグが29wt%,スラジ33wt%及びダスト38
wt%の混合物であつて第3表に示す組成及び粒度のクロ
ム原料を炉内へ800kg/時間と一定にして供給した。
その結果、第2図(イ),(ロ),(ハ)及び(ニ)
に示す結果を得た。すなわち、操業開始後約3時間を経
過すると、第2図(イ)に示すように炉内圧力が上昇
し、第2図(ロ)に示すように含クロム溶銑の出銑温度
も上昇し、第2図(ハ)に示すようにスラグ中の%Cr2O
3が減少し、第2図(ニ)に示すようにクロム溶銑中の
%Siが増加したが、炉内温度を制御するための手段が存
在しないためにこの状態が長時間継続した。そして、操
業開始後約10時間を経過すると、第2図(イ)に示すよ
うに炉内圧力は下降傾向にあつたものが再び上昇傾向に
転じ、第2図(ロ)に示すように含クロム溶銑の出銑温
度が低下し、第2図(ハ)に示すようにスラグ中の%Cr
2O3が増加し、第2図(ニ)に示すようにクロム溶銑中
の%Siが減少したが、炉内温度を制御するための手段が
存在しないためにこの状態が長時間継続した。
このように炉内温度を制御するための手段が存在しな
い場合には、竪型炉6の上部の原料装入口7から装入す
る鉄源,炭材及び造滓材から主として成り更にクロム源
の一部を加えることのある装入原料の品位及び装入量の
変動、炭材(コークス)の粒度分布の変動、上段羽口4
から供給する粉粒状のクロム原料9の品位及び供給量の
変動、上下段の各羽口からの送風温度,送風量及び風湿
の変動等々といつた様々に想定される原因で炉内温度が
変動して、炉内温度が上昇した場合には局部的通気性不
良個所の発生による炉内圧力の上昇の問題、逆に炉内温
度が低下した場合には出銑温度の低下及び溶融還元率の
低下(スラグ中の%Cr2O3が増加)の問題が発生した
が、炉内温度を制御してこれらの問題を有効に解決する
ことができなかつたのである。
実施例 酸素量測定装置14,制御装置15及び粉粒状クロム原料
供給量調節器20を作動させた以外は比較例1と同じ条件
で約1500℃の12%Crの含クロム溶銑を出銑し製造した。
酸素量測定装置14としては、固体電解質にち密なZrO2
・9mol%MgO焼結体一端閉管を用いた酸素センサーで、
出銑樋10から連続的に出銑する含クロム溶銑の温度と酸
素量を酸素分圧として連続測定し、含クロム溶銑の設定
酸素分圧P(atm)を 1.2×10-15−0.4×10-15≦P≦1.2×10-15+0.4×10
-15 とし、測定した出銑する含クロム溶銑の酸素分圧P(at
m)が上下限を外れた場合の粉粒状クロム原料供給量の
増減を次の通りとした。
上下限を外れた場合: 0.1×10-15atm当り、25kg/時間減量 上下限を外れた場合 0.1×10-15atm当り、25kg/時間増量 その結果、第3図(イ),(ロ),(ハ),(ニ),
(ホ)及び(へ)に示す結果を得た。すなわち、操業開
始後約3時間を経過すると、第3図(イ)に示すように
出銑する含クロム溶銑の酸素分圧P(atm)が上昇して
上限を外れたので、制御装置15からの粉粒状のクロム原
料9の炉内供給量変更信号19により粉粒状クロム原料供
給量調節器20を作動させて第3図(ロ)に示す如く炉内
への粉粒状クロム原料供給量を減少させた処、第3図
(ハ)に示すように炉内圧力は大きく変動することがな
く、第3図(ニ)に示すように含クロム溶銑の出銑温度
は低下した後に上昇し、第2図(ホ)に示すようにスラ
グ中の%Cr2O3は増加した後に低下し、第2図(ヘ)に
示すようにクロム溶銑中の%Siが減少した後に増加し
て、ほぼ初期の状態に戻つた。そして、操業開始後約10
時間を経過すると、第3図(イ)に示すように含クロム
溶銑の酸素分圧P(atm)が下降して下限を外れたの
で、制御装置15からの粉粒状のクロム原料9の炉内供給
量変更信号19により粉粒状クロム原料供給量調節器20を
作動させて第3図(ロ)に示す如く炉内への粉粒状クロ
ム原料供給量を増加させた処、第3図(ハ)に示すよう
に炉内圧力は大きく変動することがなく、第3図(ニ)
に示すように含クロム溶銑の出銑温度は上昇した後に低
下し、第2図(ホ)に示すようにスラグ中の%Cr2O3
低下した後に増加し、第2図(ヘ)に示すようにクロム
溶銑中の%Siが増加した後に減少して、ほぼ初期の状態
に戻つた。
このように炉底部の出銑樋10から連続的に出銑する含
クロム溶銑中の酸素量に基づいて炉内への粉粒状クロム
原料9の供給量を増減して炉内温度を制御することによ
り、竪型炉6の上部の原料装入口7から装入する鉄源,
炭材及び造滓材から主として成り更にクロム源の一部を
加えることのある装入原料の品位及び装入量の変動、炭
材(コークス)の粒度分布の変動、上段羽口4から供給
する粉粒状のクロム原料9の品位及び供給量の変動、上
下段の各羽口からの送風温度,送風量及び風湿の変動等
々といつた様々に想定される原因で炉内温度が変動して
も、急激な含クロム溶銑の出銑温度の低下や溶融還元率
の低下が防止できると共に急激な炉内圧力の上昇を防止
できて、円滑な操業の元に安定した含クロム溶銑の製造
が可能となつたことが判る。
〔発明の効果〕
以上に詳述した如く、本発明に係る含クロム溶銑の製
造方法及び装置は、竪型炉の上段羽口から粉粒状のクロ
ム原料を吹き込んで含クロム溶銑を製造するに当り、炉
内温度を所定範囲内に維持することが可能となるため以
下に述べる効果を有しており、その工業的価値の非常に
大きなものである。
1.炉内温度の上昇による通気性不良を防止できる。
2.炉内温度の低下による含クロム溶銑の出銑温度の低下
や溶融還元率の低下が防止できる。
3.従つて炉内温度の変動幅を小さくすることができるの
で、全体として円滑な操業の元に含クロム溶銑の安定し
た製造が可能となる。
4.ステンレス鋼製造工程で副産物として発生するダス
ト,スラジ,スラグを円滑に処理できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は竪型炉の1例の概略断面図を含む本発明に係る
含クロム溶銑の製造装置の概略図、第2図は比較例のお
ける横軸を操業開始からの時間で示した操業結果を示す
もので(イ)は炉内圧力の、(ロ)は含クロム溶銑の出
銑温度の、(ハ)はスラグ中の%Cr2O3の、(ニ)は含
クロム溶銑中の%Siのそれぞれ経過を示す図、第3図は
実施例のおける横軸を操業開始からの時間で示した操業
結果を示すもので(イ)は含クロム溶銑の酸素分圧の、
(ロ)は粉粒状のクロム原料の供給量の、(ハ)は炉内
圧力の、(ニ)は含クロム溶銑の出銑温度の、(ホ)は
スラグ中の%Cr2O3の、(ヘ)は含クロム溶銑中の%Si
のそれぞれ経過を示す図である。 図面中 1……空気供給源 2……酸素供給源 3……熱交換器 4……上段羽口 5……下段羽口 6……竪型炉 7……原料装入口 8……ホツパー 9……粉粒状のクロム原料 10……出銑樋 11……出滓樋 12……排出ガス燃焼装置 13……集塵装置 14……酸素量測定装置 15……制御装置 16……測定酸素量信号 17……粉粒状クロム原料供給量測定装置 18……測定供給量信号 19……炉内供給量変更信号 20……粉粒状クロム原料供給量調節器 21……供給装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部に原料装入口をまた下部付近に上下2
    段の羽口を有する竪型炉の前記原料装入口から鉄源,炭
    材及び造滓材から主として成り更にクロム源の一部を加
    えることのある装入原料を装入し、前記上下段の各羽口
    から高温空気又は高温酸素富化空気を吹き込むと共に前
    記上段羽口からクロム酸化物を含有する粉粒状のクロム
    原料を炉内へ供給し、この粉粒状のクロム原料を溶融還
    元しながら含クロム溶銑を出銑し製造するに当り、炉底
    部の出銑樋から連続的に出銑する含クロム溶銑中の酸素
    量を測定し、この測定酸素量が所定範囲の上限を外れた
    場合には前記粉粒状のクロム原料の炉内供給量を減量
    し、測定酸素量が所定範囲の下限を外れた場合には前記
    粉粒状のクロム原料の炉内供給量を増量することを特徴
    とする含クロム溶銑の製造方法。
  2. 【請求項2】上部に鉄源,炭材及び造滓材から主として
    成り更にクロム源の一部を加えることのある装入原料を
    装入する原料装入口(7)を、また下部付近に高温空気
    又は高温酸素富化空気を吹き込むと共にクロム酸化物を
    含有する粉粒状のクロム原料(9)を炉内へ供給する上
    段羽口(4)と同じく高温空気又は高温酸素富化空気を
    吹き込む下段羽口(5)との上下2段の羽口(4,5)を
    有する竪型炉(6)と、この竪型炉(6)の炉底部の出
    銑樋(10)から連続的に出銑する含クロム溶銑中の酸素
    量を測定する酸素量測定装置(14)と、前記上段羽口
    (4)からの粉粒状のクロム原料(9)の炉内への供給
    量を測定する粉粒状クロム原料供給量測定装置(17)
    と、前記酸素量測定装置(14)からの測定酸素量信号
    (16)及び粉粒状クロム原料供給量測定装置(17)から
    の測定供給量信号(18)を受けて溶銑の酸素量を所定範
    囲内に維持するための粉粒状のクロム原料(9)の炉内
    供給量変更信号(19)を発する制御装置(15)と、該制
    御装置(15)からの炉内供給量変更信号(19)を受けて
    粉粒状のクロム原料(9)の炉内供給量を調節する粉粒
    状クロム原料供給量調節器(20)とを備えていることを
    特徴とする含クロム溶銑の製造装置。
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