JP2872720B2 - 肺保存方法及びその装置 - Google Patents

肺保存方法及びその装置

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和彦 屋ケ田
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、肺または心肺移植を行う際に、摘出してか
ら実際に移植手術を行うまでの間、保存する方法とその
装置に関するものである。
〈従来の技術〉 肺の移植は全世界でもまだ120例に満たず、腎臓や心
臓の移植に比べると、その数は未だ少ない。この理由と
して、(1)他の臓器より感染や汚染の危険性が高いこ
と、(2)移植後も正常に機能する能力(バイアビリテ
ィViability)が十分である状態に保存できる時間が、
ドナー(提供者)の死後6時間程度しかないこと等が挙
げられる。
しかし、もし、肺保存時間の延長が可能となれば、現
在多くの場合一葉(片肺)しか使用されていなかった
り、6時間以内にレシーピエント(移植を受ける患者)
が見つからなかったために廃棄せざるを得なかった肺を
移植することが可能となる。
現在の肺保存の方法は、他の臓器の場合と同様に、摘
出した肺の血管系を生理食塩水、または乳酸リンゲル等
の等張液(血液と同じ浸透圧を持つ液)で灌流し血液を
洗い流した後、保存液中で低温保存している。ところ
が、肺は生体内では胸腔内という常に陰圧の環境下に置
かれており、この時は肺内圧が大気圧でも肺は膨張した
状態となっている。従って、肺を摘出して大気圧下で保
存する場合、肺は収縮した状態のまま保存されることに
なり、この事がViabilityの低下につながっていた。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は、肺保存のこのような現状の問題を解決する
ため、気道及び/または肺の内圧を肺の外部環境より10
〜20cmH2O程度高く保つことによって保存肺の収縮をお
さえ、保存時間を延長させることを目的としたものであ
る。
〈課題を解決するための手段〉 即ち本発明は、移植を目的として死体より摘出された
肺を、気道及び/または肺の内圧を肺の外部環境圧より
も高く保ちながら保存する方法で、さらには、保存肺の
外部環境(例えば、圧力や酸素濃度)をコントロールす
ることにより保存肺組織への酸素の供給を上昇させる方
法であり、これらを実現させるための少なくとも気管接
続部と肺保存容器からなる肺保存装置である。
本発明において、気道及び/または保存肺の内圧を保
存肺の外部環境圧よりも高く保つためには、気管に管状
の気管接続部を接続し、そこに空気または空気中より高
い酸素濃度を持つ気体により、肺の外部環境圧より高い
圧力をかける。その圧力差は1〜30cmH2Oの範囲である
が、特に好ましくは5〜15cmH2Oの範囲である。このよ
うに、気道及び/または肺の内圧を肺の外部環境圧より
高く保つことによって、気道及び肺胞が開いた状態、即
ちより生理的な状態で肺を保存することができる。従っ
て、さらに生理的な状態での保存を考えるならば、呼吸
時と同じように圧力の差を1〜30cmH2Oの間で変動させ
ればより好ましい。
また、肺組織への酸素供給を増加させる方法として
は、肺の外部環境に0.1〜2kg/cm2‐G程度の高圧をかけ
るか、肺内外の酸素濃度を空気中よりも高い濃度に保つ
ことが考えられる。しかし、あまり高圧の環境下に肺を
保存すると、肺の血管系が圧迫を受ける。従って、血管
系のためには逆に外部環境を−1〜−30cmH2Oとし、気
道及び/または肺の内圧と、肺の外部環境圧との圧差を
つけた方が良い。
以下、実施例をもとに本発明の肺保存方法を詳しく説
明する。
第1図は本発明の一実施例となる肺保存装置の構成を
示す図で、第2図は肺保存容器の構造を示す一部断面図
である。本装置は、保存液(23)と共に保存肺(20)を
収納する内容器(22)、内容器(22)を収納する外容器
(23)、及び容器内を密閉するための蓋(24)からなる
肺保存容器(2)と、保存肺(20)の気道及び/または
肺の内圧を肺の外部環境圧(肺保存容器(2)の内圧)
より高く保つための配管系(13)とから構成されてお
り、肺保存容器(2)と配管系(13)とは、肺保存容器
(2)の気体出入口となる入口(25)、出口(26)と、
保存肺(20)の気管に接続するための気管接続部(1)
とで接続されている。尚、肺保存容器(2)内の圧力を
大気圧と同じにして肺保存することも可能で、その場合
には、容器内を密閉せず、あるいは蓋(24)を付設しな
くても良い。また更には、入口(25)、出口(26)に接
続する配管系を省略した構成も可能である。
また、配管系(13)は、上流側は流量調節弁(4)及
びレギュレータI(5)を介して酸素ボンベ、空気ボン
ベ等に接続されており、その下流側は2つの管路に分岐
して、その一方はレギュレータIII(7)を介して肺保
存容器(2)の入口(25)に接続され、他方はレギュレ
ータII(6)を介して気管接続部(1)に接続されてい
る。さらに、肺保存容器(2)の出口(26)に接続され
た管路と、気管接続部(1)の手前側で分岐し差圧バル
ブ(10)を設けたバイパスの管路とが合流し、末端部は
排気弁(9)を介して大気中に排気されるようになって
いる。
配管系(13)及び肺保存容器(2)は、酸素ボンベや
空気ボンベ等により、少なくとも空気と同じかそれ以上
の酸素濃度で満たすのが望ましい。従って、空気より酸
素濃度の高い環境下で保存するためには、保存液(12)
を入れた後、保存肺を接続する前に配管系(13)内を完
全に置換しておく。そして、保存肺(20)の気管に気管
接続部(1)を接続し、肺全体を保存液(12)中に入
れ、肺保存容器(2)の蓋(24)を閉じる。
続いて、肺保存容器(2)中の置換を行うために、排
気弁(9)を開いた状態でしばらくガスを流す。この時
の流量は、流量調節弁(4)で行う。保冷用スペース、
即ち外容器(21)と内容器(22)の間に出来た空間に保
冷剤等を入れ、低温下で保存する場合には、保存肺の代
謝が低下し、特にガスを交換したり、常時流し続ける必
要はない。
従って、系内の置換が終了したら排気弁(9)を閉じ
て、系内の圧力を設定する。レギュレータI(5)は高
圧ポンプ等の圧力を必要とする圧力0.1〜2kg/cm2‐Gま
でに調節するので、気道及び肺内外の圧差は、肺保存容
器(2)の入口(25)側と気管接続部(1)側の2つの
管路間に設けられた差圧計(3)を見ながら、レギュレ
ータII(6)とレギュレータIII(7)で調節する。レ
ギュレータII(6)は、気道及び/または肺の内圧を微
調整し安定化させるもので、レギュレータIII(7)
は、肺保存容器(2)内の圧の微調整と安定化を行う。
気道及び肺内外の圧差をつけるには、差圧バルブ(10)
を閉じることによって行うことができ、陰圧をかける場
合には、排気弁(9)よりポンプで引いてやれば良い。
気道及び/または肺内の圧力は、圧力計(8)で見るこ
とができる。また、肺の外部環境圧、即ち肺保存容器
(2)内の圧力は、圧力計(8)の値から差圧計(3)
の値を差し引いた値となる。
尚、肺保存容器(2)に充填される保冷剤としては、
氷、ドライスイス等を使用すれば良く、また、保存液
(23)としては、従来から使用されている一般のものを
使用することができ、特に限定しない。
〈発明の効果〉 本発明の方法に従うと、従来6時間程度しか保存する
ことができなかった移植用肺の保存時間を延長させるこ
とが可能となり、従来保存時間が短かったために、レシ
ーピエントあるいは手術者の準備体制が間に合わず、本
来、左右両肺を移植できるのに、片肺しか移植できてか
ったり、場合によっては、両肺とも使用されないことが
多かった肺移植において、そのほとんど全ての肺を移植
に使用することができるようになり、医療産業上極めて
有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例となる肺保存装置の構成を示
す図で、第2図はその肺保存容器の構造を示す一部断面
図である。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移植を目的として死体より摘出された肺の
    保存方法において、気道及び/または保存肺の内圧を保
    存肺の外部環境圧より高く保つことを特徴とする肺保存
    方法。
  2. 【請求項2】移植を目的として死体より摘出された肺保
    存方法において、気道及び/または保存肺の内圧を1〜
    30cmH2Oの範囲で保存肺の外部環境圧より高く保つこと
    を特徴とする肺保存方法。
  3. 【請求項3】請求項(1)または(2)に記載の肺保存
    方法であって、同時に保存肺の外部環境圧を大気圧より
    高く保つことを特徴とする肺保存方法。
  4. 【請求項4】請求項(1)または(2)に記載の肺保存
    方法であって、同時に保存肺の外部環境圧を0.1〜2kg/c
    m2‐Gの範囲に保つことを特徴とする肺保存方法。
  5. 【請求項5】請求項(1)または(2)に記載の肺保存
    方法であって、同時に保存肺の外部環境圧を大気圧より
    低く保つことを特徴とする肺保存方法。
  6. 【請求項6】請求項(1)または(2)に記載の肺保存
    方法であって、同時に保存肺の外部環境圧を−1〜−30
    cmH2Oの範囲に保つことを特徴とする肺保存方法。
  7. 【請求項7】請求項(1)または(2)に記載の肺保存
    方法であって、同時に保存肺の外部及び/または内部の
    酸素濃度を、空気中の酸素濃度より高く保つことを特徴
    とする肺保存方法。
  8. 【請求項8】気管接続部を有し、保存液と共に保存肺を
    収納するための肺保存容器と、気管接続部に気体を供給
    するための配管系とから成ることを特徴とする肺保存装
    置。
  9. 【請求項9】請求項(8)に記載の肺保存装置であっ
    て、その肺保存容器に気体を供給、排出するための配管
    系を付設したことを特徴とする肺保存装置。
  10. 【請求項10】気管接続部と気体の入口及び出口を有
    し、保存液と共に保存肺を収納するための肺保存容器
    と、上流側は流量調節弁及びレギュレータを介して気体
    供給源に接続され、その下流側は2つの管路に分岐し
    て、その一方はレギュレータを介して肺保存容器の入口
    に接続され、他方はレギュレータを介して気管接続部に
    接続されると共に、肺保存容器の出口に接続された管路
    と、気管接続部の手前側で分岐し差圧バルブを設けたバ
    イパスの管路とが合流し、その末端部が排気弁を介して
    大気中に開放されるようになした配管系とから構成され
    ていることを特徴とする肺保存装置。
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