JP2866224B2 - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JP2866224B2 JP18824391A JP18824391A JP2866224B2 JP 2866224 B2 JP2866224 B2 JP 2866224B2 JP 18824391 A JP18824391 A JP 18824391A JP 18824391 A JP18824391 A JP 18824391A JP 2866224 B2 JP2866224 B2 JP 2866224B2
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正彦 平野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排ガス通路内に配置され
る二次過熱器、再熱器、一次過熱器および節炭器などの
熱交換装置に係り、特に熱交換装置の熱吸収量を抑制す
る熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年急増する電力需要に応えるために大
容量の火力発電所が建設されているが、これらのボイラ
は部分負荷においても高い発電効率を得るために超臨界
圧から亜臨界圧へ変圧運転を行なうことが要求されてい
る。これは最近の電力需要の特徴として、原子力発電の
伸びと共に、負荷の最大、最小差も増大し、火力発電は
ベースロードから負荷調整用へと移行する傾向にあるか
らである。このように火力発電は部分負荷での運転が増
えた場合、負荷に応じて圧力を変化させて運転する、い
わゆる全負荷では超臨界圧力域、部分負荷では亜臨界圧
力域で運転する変圧運転ボイラとすることによって、部
分負荷での発電効率を数%向上させることができる。
【0003】一方、電力需要の急激な増加と原子力発電
や火力発電の立地用地難などから既に建設以来10万時
間以上運転された既設の火力発電用ボイラ(経年缶)を
最適なタイミングで、しかも現時点での燃料や運転事情
に合せて寿命延伸の工夫をこらし、予防保全を行なうこ
とによって経年缶を高効率発電用ボイラに改造して夏期
や冬期の電力需要時に運転を再開しようとする機運にあ
る。
【0004】図4はボイラの全体構造を示す縦断面図で
ある。図4において、1はボイラ火炉、2はボイラ火炉
1を囲繞した水冷壁、3はバーナ、4はボイラの排ガス
通路、5,6,7,8は排ガス通路4に配置された一次
過熱器、再熱器、二次過熱器および節炭器、9はバーナ
3へ燃焼用空気を供給する燃焼用空気ダクト、10は排
ガス再循環ファン、11はボイラの排ガス通路4からボ
イラ火炉1の炉底12へ排ガスを再循環する排ガス再循
環ダクト、13はペントハウス、14は天井壁である。
このような構造において、水冷壁2で構成されたボイラ
火炉1内に、バーナ3より燃料を、燃焼用空気ダクト9
から空気を投入して燃焼させ、主にバーナ3からの高温
火炎による輻射熱によって水冷壁2内を流れる内部流体
を加熱して蒸発させ、この内部流体をさらに排ガス通路
4の二次過熱器5、再熱器6、一次過熱器7へ導き、ボ
イラ火炉1からの高温燃焼排ガスによって所定の蒸気条
件になるように加熱する。
【0005】ところで、この種の発電用ボイラにおいて
は、その負荷のできるだけ広い範囲にわたって、二次過
熱器5、再熱器6および一次過熱器7の出口蒸気温度を
一定に保つことが、発電プラントの効率を維持するため
に必要である。それは、過熱器5、再熱器6および一次
過熱器7の蒸気温度制御を行なわない場合は、ボイラの
負荷が下がるにつれて排ガス通路4においては、高温燃
焼排ガス温度、流速が低下するために、過熱度が下がる
からである。このために、従来のボイラにおいては図4
に示す如く排ガス通路4から炉底12へ排ガス再循環フ
ァン10や排ガス再循環ダクト11が設けられている。
【0006】この排ガス再循環ダクト11からの排ガス
は節炭器8出口350〜430℃の排ガスを排ガス再
循環フアン10で吸引してボイラの火炉1の炉底12へ
供給するものである。一般的に低負荷条件になるとボイ
ラ火炉1の伝熱特性上、ボイラ火炉1での熱吸収量と排
ガス通路4に配置された二次過熱器5、再熱器6、一次
過熱器7および節炭器8での熱吸収量の割合が、高負荷
条件のときと比較して減少し、ボイラ火炉1での熱吸収
量が多くなる。そこで、低負荷条件になると排ガス通路
4から炉底12へ排ガス再循環ダクト11によって排ガ
スをボイラ火炉1内に投入することによって、ボイラ火
炉1内での熱吸収量を減少させると共に、排ガス通路4
内を流れる燃焼排ガス流速および温度を高め、これによ
って実質的に二次過熱器5、再熱器6、一次過熱器7お
よび節炭器8での熱吸収量を増加させて蒸気温度を一定
に保つのである。
【0007】この様にボイラ火炉1の排ガス通路4には
図示していない発電用蒸気タービンへの蒸気の熱エネル
ギー(エンタルピー)を増加させる目的で二次過熱器
5、再熱器6、一次過熱器7および節炭器8が配置され
ている。これらの二次過熱器5、再熱器6、一次過熱器
7および節炭器8の伝熱管は燃焼排ガス温度が高い領域
に配置されていることから、燃料の種類が重原油であっ
たり、微粉炭の場合には燃料中のバナジウム、ナトリウ
ムおよびいおう(S)等の含有量によって伝熱管の外面
が高温腐食されて減肉したり、高温クリープ疲労によっ
て破裂したり、さらには伝熱管(ステンレス鋼管)の内
面に発生する水蒸気酸化スケールによって停缶時、伝熱
管内が閉塞されることがある。このために運転時間が1
0万時間を越える経年缶の定期検査期間内に伝熱管の一
部を新設伝熱管に取り替えることが行なわれている。
【0008】この様に二次過熱器5、再熱器6、一次過
熱器7および節炭器8の伝熱管の一部を新設伝熱管と取
り替えると、新設伝熱管と既設伝熱管が混在するので新
設伝熱管では汚れが少ないために既設伝熱管に比べて熱
吸収量が多くなり、このために内部流体温度も高くなる
ので新設伝熱管のメタル温度も高くなる。例えば排ガス
通路4の二次過熱器5の一部の伝熱管を新設伝熱管に取
り替えた場合、二次過熱器5の新設伝熱管での熱吸収量
が多くなり、その結果排ガス温度が低くなるので下流側
に位置する再熱器6、一次過熱器7および節炭器8での
熱吸収量が少なくなり、特に再熱器6の出口蒸気温度が
低下し好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この様に従来技術の熱
交換器においては既設伝熱管の一部を新設伝熱管に取り
替えた場合、熱吸収量の差によって新設伝熱管の内部流
体温度は高くなり、また後流側に位置する既設伝熱管の
熱吸収量を低下させる欠点があった。本発明はかかる従
来の欠点を解消しようとするもので、その目的とすると
ころは、既設伝熱管の一部を新設伝熱管と取り替えても
熱吸収量が抑制できる熱交換器を得ようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の目的を達
成するために、新設伝熱管の外周に熱吸収量を抑制する
カバープレートを設けたのである。
【0011】
【作用】新設伝熱管の外周に位置するカバープレートに
よって新設伝熱管の熱吸収量を調整できるので、新設伝
熱管の内部流体温度の上昇は防止でき、新設伝熱管によ
る排ガス温度の低下も防止できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明の実施例に係る熱交換器の全体構成
図、図2は図1のA部を拡大した詳細図、図3は図2の
側面図である。図1において、符号4は排ガス通路、1
3はペントハウス、14は天井壁で従来のものと同一の
ものを示す。15は既設伝熱管、16は入口管寄、17
は出口管寄、18は新設伝熱管、19a,19b,19
c,19dは新設伝熱管18の外周に設けたカバープレ
ート、20はカバープレート19a,19b,19c,
19dを取り付けるボルト、21はカバープレート19
a,19b,19c,19dを支持するサポートラグで
ある。
【0013】この様な構造において、本発明の特徴とす
るところは図1に最もよく示されているように入口管寄
16と出口管寄17間の大部分の伝熱管は既設伝熱管1
5を流用し、既設伝熱管15の一部を新設伝熱管18に
取り替え、この新設伝熱管18の外周には図1、図2お
よび図3に示すようにカバープレート19a,19b,
19c,19d,19eを取り付けた点である。そし
て、カバープレート19a,19b,19c,19dお
よび19e同志は図3に示すようにボルト20で締め付
けられ、最下段のカバープレート19eは図2に示すよ
うにサポートラグ21によって支持されている。
【0014】この様にカバープレート19a,19b,
19c,19d,19eによって新設伝熱管18を被う
ことによって新設伝熱管18での熱吸収量を減少させ、
カバープレート19の一部を取り除くことによって新設
伝熱管18の吸収伝熱量を増加させるようにしたもので
ある。このカバープレート19a,19b,19c,1
9d,19eは新設伝熱管18の管壁メタル温度の上昇
を防ぎ、新設伝熱管18内の内部流体の蒸気温度を必要
以上に高めることを防ぐことにもなる。また、新設伝熱
管18での熱吸収量がカバープレート19a,19b,
19c,19d,19eによって調整できるので燃焼排
ガス通路4の排ガス温度の低下が防止でき、従来のよう
に直ぐ下流の再熱器などへの入口排ガス温度が低いため
に、再熱器での蒸気温度が低下してプラント効率が低下
することを防止できる。そして、やがて新設伝熱管18
の外表面などの汚れが進行した時は、停止期間などを利
用してカバープレート19a,19b,19c,19
d,19eを段階的に取外して新設伝熱管18での熱吸
収量を調整することもできる。
【0015】この様にボイラの延べ運転時間が10万時
間を経過した経年缶においては、オーステナイト系ステ
ンレス鋼管(例えばSUS−321)やクロムモリブデ
ン鋼管からなる二次過熱器や再熱器6の既設伝熱管1
5内には、水蒸気(H2 O)の解離によって生成する酸
鉄が酸化して形成される水蒸気酸化スケール(以下
SUSスケールと呼ぶ)が発生付着している。このSU
Sスケールは、ユニットの起動、停止に伴って、温度が
変化する時、伸縮率が異なる為、既設伝熱管15の内面
から剥離、脱落して飛散すると図示していないタービン
のノズルのエロージヨンを起すばかりでなく、二次過熱
の下部のUベンド部に脱落したスケールが堆積して
既設伝熱管15を閉塞させる。そして再起動した時蒸気
の流路を塞ぐ結果、熱ガスで既設伝熱管15が過熱され
て、短期クリープによって破壊しチューブクリープに至
るが、これらのSUSスケールによるトラブルも軽減で
る。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、既設伝熱管の一部を新
設伝熱管に取り替えても熱吸収量を調整することがで
き、しかもプラント効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る熱交換器の全体構成図で
ある。
【図2】図1のA部を拡大した詳細図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】ボイラの全体構造を示す断面図である。
【符号の説明】
4 排ガス通路 15 既設伝熱管 18 新設伝熱管 19 ガスプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 哲治 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F28F 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス通路内に設けられて、既設伝熱
    管の少なくとも一部を新設伝熱管に取り替えた熱交換
    において、 前記新設伝熱管の外周に熱吸収を抑制するカバープレー
    トを設けたことを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱交換器において、前記
    カバープレートを取外し可能に設けたことを特徴とする
    熱交換器。
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