JP2865738B2 - プロセス制御方法 - Google Patents

プロセス制御方法

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JP2865738B2
JP2865738B2 JP1271678A JP27167889A JP2865738B2 JP 2865738 B2 JP2865738 B2 JP 2865738B2 JP 1271678 A JP1271678 A JP 1271678A JP 27167889 A JP27167889 A JP 27167889A JP 2865738 B2 JP2865738 B2 JP 2865738B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般プロセスの制御方法にかかわり、特
に、プロセス観測量を利用して先見的モデルにより制御
目標値を出力する操作をさらに高精度で労力少なく達成
する方法に関する。
〔従来の技術〕
従来のプロセス制御法として、プロセスの数学的モデ
ル化を行い、観測量に対して制御目標値を出力する方法
が広く用いられる。この方法が成功する決め手は、構築
した先見的モデルの善し悪しに依存する。また、対象プ
ロセスの挙動を厳密に表現しえるモデル化は通常困難で
あり、このため、先見的モデルの予測値と実測値との間
には誤差が発生する。誤差を小さくするために、先見的
モデルのパラメータを調整する方法や、コントローラの
パラメータを調整する方法などが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
先見的モデルの予測値と実測値との間に発生する誤差
を、さらに予測するための誤差予測モデルを構築するに
は、多量のデータ解析に立脚した現象論的考察に多大の
労力を要していた。また、得られた誤差予測モデルは経
時的に変化することもあり、このような場合には再度誤
差予測モデルを構築する手間があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、プロセスの観測量に基づき制御量の目標値
を出力するための先見的モデルを有する制御方法であっ
て、 該先見的的モデルの出力量と制御量の実測値との誤差
を計算し、 入力層、少なくとも1層の中間層、出力層及び教師層
からなる階層構造の神経回路モデルを備え、過去の複数
時点での前記観測量を入力層に入力し、かつ、対応する
前記誤差を教師層に入力することにより、前記観測量と
前記誤差との関係を学習し、学習済み神経回路モデル
に、任意時点での前記観測量を入力して対応する時点で
の誤差を予測させると共に、 前記先見的モデルの出力値の前記学習済み神経回路モ
デルの予測値とにより、制御量の目標値を出力するよう
にしたことを特徴とするプロセス制御方法にある。
また、前記制御量の目標値に応じてプロセス制御する
ことを特徴とするプロセス制御方法にある。
本発明では、誤差予測モデルをニューラルネットによ
り任意の時点で自動生成させることにより、労力を削減
し、制御システムを良好に作動させることができる。さ
らには、本発明の誤差予測モデルは自動的かつ自己組織
化的に変化させることができるので人間の介在を削減で
きる。
本発明は、まず、過去の複数時点での、先見的モデル
の予測値と制御量の実測値との誤差を計算しておく。ま
た、入力層、少なくとも1層の中間層、出力層、及び教
師層からなる階層構造のニューラルネットを有し、プロ
セスの観測量を入力層に入力する一方で誤差を教師層に
入力する。次に、入力層から計算して得られた出力層の
値と教師層から得られた値とを比較して、この誤差が小
さくなるように計算を繰り返す。具体的方法は公知の誤
差逆伝搬法(バックプロパゲーション法)により行な
う。これにより入力層の観測量と教師量の誤差との関係
を学習する。続いて、学習済みニューラルネットに任意
の時点での観測量を入力して誤差を予測し、この予測値
と、前述の先見的モデルの予測値とを用いて制御量の目
標値を決定する。
このようにして、先見的モデルの誤差の履歴をニュー
ラルネットにより学習し、これに基づき誤差を予測して
制御を行なう。
〔作用〕
本発明では、ニューラルネットによる学習・予測能力
を制御システムの誤差モデルの自動生成に適用した。
本発明では、先見的モデルでは予測できない誤差をニ
ューラルネットにより予測するようにしたので、先見的
モデルを用いる場合よりも制御量の目標値をさらに高精
度に決定することができる。ニューラルネットによる誤
差予測モデルは常時更新することができるので、常に適
切な誤差予測ができる。これらのことにより、制御シス
テムのソフトウェアメンテナンスを省力化することがで
きる。
〔実施例〕
本発明は、プロセスの観測量に基づいて先見的モデル
により制御目標値を出力する方法に関する。本実施例で
の先見的モデルとは、対象プロセスについて予め既知の
プロセルモデルや制御モデルをいう。本発明は、先見的
モデルから出力される誤差を予測するための「誤差予測
モデル」を自動生成する方法を含む。本モデルは共にオ
ペレータが補正するものであることから、本実施例では
本モデルを「オヘレータモデル」と言う。
第1図は本発明を浄水プロセスの凝集剤注入制御に適
用した実施例である。まず、清浄場のフローを説明す
る。第1図において着水井9に河川や湖沼(図示せず)
から原水が導かれる。急速混和池10は着水井9の水を受
けて、凝集剤タンク11の凝集剤が凝集剤注入ポンプ12で
注入され、撹拌翼14が撹拌器13により撹拌される。フロ
ック形成を促進するアルカリ剤が注入される場合もある
が省略する。フロック形成池15は急速混和池10の水を受
けてフロック(微粒子の凝集塊)を成長させる。フロッ
ク形成池15(通常複数池あるが本実施例では省略する)
に撹拌パドル17が設置され緩やかに回転する。フロック
は沈殿池16で沈降して上澄み液がろ過池17でろ過され
る、なお、殺菌のために塩素容器25の塩素が塩素注入機
26により着水井9と浄水池(図示せず)に適量注入され
る。
次に計測器について説明する。原水の水質を計測する
ために、着水井9に計測器9Mが設置される。計測項目
は、水温、濁度、アルカリ度、pH、電気伝導度、残留塩
素濃度、塩素要求量、水量、水位などである。フロック
形成池15には計測器15Mが設置される。計測器15Mは前記
計測器9Mで計測する項目に加えて水中カメラなどの水中
映像撮像手段や画像処理手段を含む。沈殿池16には計測
器16Mを設置する。必要に応じて急速混和池10に計測器1
5Mと同様の計測器10Mを設置し、ろ過池17に計測器17Mを
設置する。これらの計測項目は、前記計測器9M,15Mと同
様である。以上の計測項目と、操作因子(凝集剤注入ポ
ンプ12、撹拌機13、撹拌パドル17)、並びにオペレータ
モデル構成量(後述する予測誤差と先見的モデルのパラ
メータを含む)を本発明では観測量という。
続いて、運転制御装置80の構成と動作の概要を説明す
る。運転制御装置80はコンピュータシステムであり本発
明の説明を容易にするために第1図には処理のフロー図
を示してある。先見的モデル計算工程65は、観測量(計
測器9M,15M,16M、凝集剤注入ポンプ12、撹拌機13、撹拌
パドル17、予測誤差En(t)、先見的モデルのパラメー
タPi)のデータを受けて信号Scを制御量計算工程67に出
力する。他方、履歴パターンデータファイル71Fは観測
量のデータを順次記憶する。オペレータモデル63では、
まず学習用ニューラルネット71が履歴パターンデータフ
ァイル71Fの選択されたデータ列を受けて学習を行う。
予測用ニューラルネット72は学習用ニューラルネット71
から信号71S1と71S2を受けて信号En*(t)を出力す
る。制御量計算工程67は信号En*(t)またはオペレー
タ101の補正量En(t)と、信号Scとを受けてStを出力
する。運転制御工程75はStを受けて信号75Sを出力し、
凝集剤注入ポンプ12、撹拌機13、撹拌パドル17を制御す
る。交信手段46はオペレータ101の介在により履歴パタ
ーンデータファイル71F、先見的モデル計算工程65、学
習用ニューラルネット71、予測用ニューラルネット72、
及び運転制御工程75と交信する。なお、学習用ニューラ
ルネット71、予測用ニューラルネット72の構造は第4
図、第7図に各々示す。
次に、第1図を用い運転制御装置80の動作を詳細に説
明する。説明には第2図以降を用いる。
まず、先見的モデル計算工程65は観測量のデータを受
けてフィードフォワード制御モデル(以下「FFモデル」
と省略する)65Fとフィードバック制御モデル(以下「F
Bモデル」と省略する)65Bに信号を入力する。ここで、
FFモデル65F及びFBモデル65Bは先見的モデルの例示であ
って、フィードバック/フィードフォワード以外の先見
的モデルでも良いことはいうまでもない。FFモデル65F
及びFBモデル65Bは、観測量Xi(t)を得て凝集剤注入
制御のための信号を各々出力する。FFモデル65Fの一般
式は(1)式で示される。
Sf=ff(Xi(t),Pi) …(1) ここで、Sf:FFモデル65Fの出力信号,Xi(t):時刻
tの観測量,Pi:FFモデルのパラメータである。
(1)式の具体的数式モデル例は(2)式である。
ここで、X1(t):原水の濁度,P1,P2,P3:パラメータ
である。
FBモデル65Bの一般式は(3)で示される。
Sb=fb(Xi(t),Pi) …(3) ここで、Sb:FBモデル65Bの出力信号,Xi(t):時刻
tの観測量,Pi:FBモデルのパラメータである。
(3)式の具体的数式モデル例は(4)式である。
Sb=P1・(X2(t)−X2(t−τ)) …(4) ここで、X2(t):時刻tの沈殿池出口濁度,X2(t
−τ)時刻t−τの沈殿池出口濁度,P1:パラメータであ
る。
(2)(4)式右辺にはX1(t)とX2(t)だけしか
例示されていないが、他の観測量を用いて良いことは言
うまでもない。
モデル出力値計算工程65Aは信号SfとSbを受けて信号S
cを制御量計算工程67に出力する。この一般式は(5)
式で示される。
Sc=fc(Sf,Sb) …(5) (5)式の具体的数式モデル例は(6)式である。
Sc=Sf+Sb …(6) したがって、先見的モデル65は観測量Xi(t)(i=
1〜n)に基づいて凝集剤注入量を予測する信号Scを出
力する。この予測値Scと過去の実績値(オペレータの補
正値En(t)を加算した値であり、先見的モデルの予測
より適正であることに注意されたい)とには食違いが生
ずるので、この「予測誤差」(オペレータの補正量)を
オペレータの替わりにニューラルネットで出力する。
次に、観測量を履歴パターンデータファイル71Fへ記
憶する方法について第2図を用いて説明する。時刻t=
0の観測量Xi(0)(i=1〜n)を履歴パターンデー
タファイル71Fに記憶する。これを繰り返してt=0,−
1,−2,…のXi(0)を順次記憶する。時間間隔は例えば
1時間であるが、この間隔設定により本発明の実施は制
約を受けない。
続いて、オペレータモデル63を以下に説明する。まず
学習工程における学習用ニューラルネット71の動作を以
下に説明する。学習用ニューラルネット71におけるデー
タ選択と学習方法を第3図を用いて以下に説明する。第
3図に示すように、Xi(t)(i=1〜n)について任
意の時刻t=t1を基準に過去にさかのぼってt1−1,t1
2,…をまず学習する。t1−kのk値は任意に選べる。同
様にt=t2(t2≠t1)を基準にしてt2−1,t2−2,…のパ
ターンデータを学習し、合計q個のパターンデータを学
習する。q個のパターンの選択は過去の代表的なパター
ンが望ましい。時刻t1は任意の時刻であるので常時学習
すれば状況変化に対応しやすくなる効果がある。
学習はこれら一群のデータを入力用データと教師用デ
ータとに分けて行なう。入力用データとは観測量の中で
凝集剤注入量予測誤差に影響する因子を指し、教師用デ
ータとは予測誤差En(t)を差す。また、入力用データ
はオペレータが判断根拠とする因子であり、教師用デー
タはオペレータが操作する因子(本実施例では凝集剤注
入量の先見的モデルの予測値と実測値との予測誤差En
(t))である。入力用データの値をXi(t)(i=1
〜n−1)とし、便宜的に教師用データがXn(t)すな
わち予測誤差En(t)だけであるとする。En(t)はオ
ペレータが先見的モデル予測値に対して補正した量であ
ることに注意されたい。なお、これら入出力データの組
合せは目的に応じて任意に設定できる。
第3図に示すように、教師層750には時刻t=t1の予
測誤差En(t1)を入力する。入力層710にはXi(t1
(i=1〜n−1)と、t=t1−1,t1−2,…におけるXi
(t1)(i=1〜n)を入力する。後述するように学習
は、入力層710、中間層720、出力層730、比較層740、教
師層750からなる構成の学習用ニューラルネット71で実
行する。このことは、時刻t=t1の予測誤差がその時点
と過去との観測量、及び過去の予測誤差の影響を受ける
ことを模擬するものである。学習は、任意の時刻t(た
だしt=t1,t2,…)において同様に行う。
学習の信号処理方法を以下に第4図を用いて説明す
る。第4図の構成と信号処理方法とは、前述した入力デ
ータと教師層750の設定法、並びに教師層では操作量の
ようなアナログ値を出力できることを除いて公知であ
る。すなわち、第4図の構成と信号処理方法の詳細につ
いてはRumelhartらによって考案された公知技術(詳細
は文献:Parallell Distributed Processing,MIT Press,
vol.1,(1986))を参照されたい。
第4図の構成と動作を説明する。第4図で○は、積和
演算とシグモイド変換機能を有するニューロン素子モデ
ル701であり、○と○とを連結する実線702はニューロン
素子モデル701間の情報のやりとりがあることを示す。
ここで、各層は有限数のニューロン素子モデルからな
り、隣接する各層のニューロン素子モデル間が全て連結
される。中間層720は複数層あって良いが、本実施例で
は説明の簡単のため中間層の数が一つの例を示す。ま
た、第4図において出力層730、比較層740、教師層750
はXn(t)であるが、一般的な表現として複数の場合
(操作量が複数ある場合を指す)を図示した。第4図の
構成をニューラルネット(神経回路モデル)と称する。
次に、ニューロン素子モデル701の基本演算を第5図
で説明する。入力層710に入力するデータXi(t)(i
=1〜n)の各々の時系列を一括(全部でp個あるとす
る)して第5図に示すようにp個の変数値Y1〜Ypと記す
ことにする。入力された信号値Y1〜Ypの各々に重み係数
Wjiを乗じ、さらにこれらを加算する演算(積和演算)
を(7)式で計算する。
ここで、Yi(1):入力層(第1層)のYi値、Wji
(2←1):入力層(第1層)のi番目の変数から中間
層(第2層)のj番目のニューロン素子モデルへの重み
係数、Zj(2):中間層(第2層)のj番目のニューロ
ン素子モデルへの入力総和値である。
ニューロン素子モデル701では、Zj(2)の大小に応
じてここでの出力値が(8)式(シグモイド変換)で計
算する。
Yj(2)=1/(1−e-Zj(2)) …(8) (8)式の計算内容は第6図のような非線形変換であ
るが、線形変形を適用しても同等の効果がえられる。計
算値Yj(2)は、さらに出力層へ送られ、出力層でも同
様の計算を実行する。
次に、ニューラルネットでの計算方法の概要について
説明する。前述した変数値Yi(1)は第4図の入力層71
0に入力され、この信号値は中間層720のニューロン素子
モデルに出力される。中間層720のニューロン素子モデ
ルではこれら出力値Yi(1)と重み係数Wij(2←1)
との積和Zj(2)を(7)式で計算し、この大小に応じ
て出力層730への出力値Yj(2)を(8)式で決定す
る。同様にして、中間層720の出力値Yj(2)はさらに
中間層(第2層)720と出力層(第3層)730との重み係
数Wij(3←2)との積和Zj(3)を(9)式で計算す
る。
ここで、Yi(2):中間層(第2層)の値、Wji(3
←2):中間層(第2層)のi番目の変数から出力層
(第3層)のj番目のニューロン素子モデルへの重み係
数、Zj(3):出力層(第3層)のj番目のニューロン
素子モデルへの入力総和値である。
さらに、Zj(3)の大小に応じて出力層730への出力
値Yj(3)を(10)式で計算する。
Yj(3)=1/(1−e-Zj(3)) …(10) このようにして、出力層の計算値Yj(3)が得られ
る。Yj(3)は本実施例では凝集剤注入量の予測値Xn*
(t)である。ここで「*」は予測したことを表す。
次に、比較層740で出力層730の信号730Sと教師信号層
750の教師信号750Sとを比較する。例えば、出力信号730
SであるEn*(t)と教師信号750SであるEn(t)(実
測値)との大小が各々比較される。両者の誤差が小さく
なるように、重み係数Wji(3←2)及びWji(2←1)
の大きさを修正する。この修正値を用いて再度(7)−
(10)式の計算を実行し新たなEn*(t)値を得る。こ
の繰り返しにより誤差があらかじめ決められた値以下に
なるまで続ける。最初は重み係数は乱数の発生によりラ
ンダムに与えるので誤差は大きいが、出力信号値は次第
に教師信号値に近づく。この時、(7)−(10)式にお
いて値が変更されるのは重み係数値Wjiだけであるか
ら、学習結果はWji値の分布に反映していくこと、及び
予測工程ではこのWji値を用いることに注意されたい。
この学習予測方法は公知であるが、本発明は特に、異
なる複数時刻(t=t1,t2,t3,…tq)の履歴パターンデ
ータ群を学習させること、並びに教師層では操作量のよ
うなアナログ値を出力することが特徴である。この結
果、オペレータが脳の中に有する「過去の経験」に匹敵
するパターン把握と予測能力がニューラルネットの各重
み係数Wjiに記憶され、オペレータと同等の作用を持た
せるようにした。
複数時刻t=t1,t2,t3,…,tqにおける履歴パターンデ
ータ群の選択方法を以下に説明する。複数の履歴パター
ンデータ群は時刻tを任意に変え(t1,t2,t3,…tq)、
オペレータが選択する場合と、自動的に選択する場合と
があり以下に両者を説明する。
オペレータが選択する場合とは、後で運転に反映させ
たいと考えるような、変数値Y1〜Ypの代表的なパターン
や、後日参考にしたい異常時のパターンである。オペレ
ータによる時刻の設定は交信手段46を介するマンマシン
会話により行う。例えば、1月の代表的パターンから12
月の代表的なパターンまで12パターンを各々学習する。
特に、代表的な流入水質の時に、沈殿池16の計測器16M
で計測した濁度が低い時のパターンを学習する。つま
り、処理が良好な時にはどのような水質でかつどのよう
な操作が行なわれたかを学習する。なお、異常時のみを
選択的に学習することができることは言うまでもない。
異常時学習は異常診断に好適であることに注意された
い。
他方、自動的に行う場合には事前にデータ列の統計解
析を行う。すなわち、統計解析により最も発生頻度が高
いパターンを求めて正常時の代表例とみなしてこれを学
習させ、一方で、発生頻度が低い場合を異常時のパター
ンの代表例とみなしてこれらを学習させる。
なお、第1図の実施例ではニューラルネットは一つで
あるが、正常時用ニューラルネットと異常時用ニューラ
ルネットとに分けるなど複数ネット適用すればさらに効
果的である。
次に、予測用ニューラルネット72による予測工程を説
明する。予測用ニューラルネット72の構成を第7図に示
す。第1図に示したように、予測用ニューラルネット72
では学習用ニューラルネット71での学習結果、すなわ
ち、重み係数値Wji(3←2)及びWji(2←1)の値で
ある信号71S1と71S2とを受ける。なお、第1図では学習
用ニューラルネット71と予測用ニューラルネット72とは
処理フローの説明のために別々に記載されているが、実
施に当たっては同一のニューラルネットを用いて良く、
これはプログラムにより任意に行い得ることはいうまで
もない。
次に、予測用ニューラルネット72の動作を第7図を用
いて説明する。第7図に示すように、予測用ニューラル
ネット72は学習用ニューラルネット71から比較層740と
教師層750を除いた構成である。予測用ニューラルネッ
ト72では、まず入力層710に入力層パターンとして、現
時点(t=0)を基準に設定した変数値Yi(i=1〜
p)を入力層710に入力する。これらは全て実績値ある
いは既知のデータであることに注意されたい。これらの
値に基づいて前述の(7)−(10)式の計算を実行し、
t=0の予測誤差En*(0)が出力層730から出力され
る。つまりオペレータの予測誤差(補正量Et(0))に
替わってEn*(0)を出力する。
制御量計算工程67は、信号En*(0)と信号Scを受け
てStを(11)式で計算して出力する。
St=Sc+En*(0) …(11) つまり、先見的モデルの予測値Scにオペレータモデル
63(ニューラルネット)の予測誤差En*(0)を加えた
値を用いる。予測誤差En*(0)はオペレータの過去の
運転パターンを学習しているので、(11)式によりオペ
レータに匹敵する制御を行える。
続いて運転制御工程75を以下に説明する。運転制御工
程75では信号Stを受け信号75Sを出力して、凝集剤注入
ポンプ12、撹拌機13、撹拌パドル17を制御する。制御頻
度は本実施例では1時間毎であるが、この時間単位は任
意に設定できる。勿論、時間間隔が小さければ予測精度
は向上する。設定した時間間隔(本実施例では1時間)
が長いために短い時間(例えば1分間)を予測できない
場合には、数学的な補間を行う。
交信手段46はオペレータ101の介在により履歴パター
ンデータファイル71Fのファイリング方法、先見的モデ
ル計算工程65のモデル変更、学習用ニューラルネット71
及び予測用ニューラルネット72の経過と結果の表示、及
び運転制御工程75の信号75Sの補正を行う。
第1図の実施例の効果は、先見的モデルの誤差をニュ
ーラルネットの実績学習により、人間の介在なく常に少
なくすることができ、かつ、従来法に比べ制御精度を向
上させることができる。
以上説明した第1図の実施例では、先見的モデルの誤
差(オペレータ補正量)を予測するための誤差予測モデ
ルを、ニューラルネットで自動生成する方法を説明し
た。ここで、オペレータモデル63は誤差予測モデルであ
った。
以上、本発明を浄水プロセスを実施例に説明したが、
他のプロセスにも適用できることはいうまでもない。
〔発明の効果〕
本発明の効果について以下に述べる。一般のプロセス
も同様であるが、浄水プロセスの従来の制御方法は、科
学的根拠や経験則に基づく先見的モデルを使用してい
た。また、先見的モデルによる値を適正化するためにオ
ペレータは誤差(セットオフ値)を補正してプロセスを
制御していた。本発明では、ニューラルネットによりこ
の作業を自動化したもので、制御精度の向上とオペレー
タの介在を少なくできる効果がある。したがって、本発
明の適用により、より少ない労力で、オペレータが実施
している「実績と前例に即した、しかしあいまいな運
転」を容易に行なうことができる。また実績の学習を随
時行なうことが可能であるので、状況の変化に迅速に追
随して学習しかつ制御することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の構成図、第2図は履歴パター
ンデータファイルの詳細を示す説明図、第3図は学習パ
ターンの説明図、第4図はニューラルネットの構成図、
第5図はニューロン素子モデルを示す図、第6図はニュ
ーロン素子モデルでの信号変換を示す特性図、第7図は
予測工程を説明する説明図である。 9……着水井、15……フロック形成池、16……沈殿池、
17……ろ過池、9M,15M,16M……計測器、46……交信手
段、101……オペレータ、63……オペレータモデル、65
……先見的モデル計算工程、67……制御量計算工程、71
F……履歴パターンデータファイル、71……学習用ニュ
ーラルネット、72……予測用ニューラルネット、75……
運転制御工程、710……入力層、720……中間層、730…
…出力層、740……比較層、750……教師層、701……ニ
ューロン素子モデル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢萩 捷夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 松崎 晴美 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 西谷 卓史 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株式会社日立製作所システム開発研究所 内 (72)発明者 原 直樹 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 依田 幹雄 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 金子 智則 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (56)参考文献 特開 平1−116869(JP,A) 特開 平3−118606(JP,A) 特開 平1−228001(JP,A) 鴇田正俊、外3名、「神経回路モデル によるロボットのハイブリッド制御(第 3報 多自由度マニピュレータのセット ポイント制御)」、ロボティクス・メカ トロニクス講演会講演概要集、社団法人 日本機械学会、平成元年6月2日、P. 20−21 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05B 13/00 - 13/04 G06F 15/18 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロセスの観測量に基づき制御量の目標値
    を出力するための先見的モデルを有する制御方法であっ
    て、 該先見的モデルの出力量と制御量の実測値との誤差を計
    算し、 入力層、少なくとも1層の中間層、出力層及び教師層か
    らなる階層構造の神経回路モデルを備え、過去の複数時
    点での前記観測量を入力層に入力し、かつ、対応する前
    記誤差を教師層に入力することにより、前記観測量と前
    記誤差との関係を学習し、学習済み神経回路モデルに、
    任意時点での前記観測量を入力して対応する時点での誤
    差を予測させると共に、 前記先見的モデルの出力値と前学習済み神経回路モデル
    の予測値とにより、制御量の目標値を出力するようにし
    たことを特徴とするプロセス制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記制御量の目標値に
    応じてプロセスを制御することを特徴とするプロセス制
    御方法。
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鴇田正俊、外3名、「神経回路モデルによるロボットのハイブリッド制御(第3報 多自由度マニピュレータのセットポイント制御)」、ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集、社団法人日本機械学会、平成元年6月2日、P.20−21

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