JP2864268B2

JP2864268B2 - 複合型セパレータ

Info

Publication number: JP2864268B2
Application number: JP4993690A
Authority: JP
Inventors: 泰利妹尾
Original assignee: MIURA KENKYUSHO KK
Current assignee: MIURA KENKYUSHO KK
Priority date: 1990-02-28
Filing date: 1990-02-28
Publication date: 1999-03-03
Anticipated expiration: 2014-03-03
Also published as: JPH03249962A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、例えば、ボイラーより発生する蒸気の乾
き度向上のための気水分離器として用い得る複合型セパ
レータに関するものである。

〔従来の技術〕

サイクロン式セパレータは、略円筒形状の分離筒内
に、接線方向から混相流体を導入し、これを内部で旋回
させることにより、液滴分や固形粒子を分離して、気相
流体を得るものである。

その使用例をボイラーについて第３図、第４図を参照
しながら説明する。

図面において、（１）は分離筒、（２）は分離筒
（１）の一側に接線状に接続した導入管、（３）は分離
筒（１）の上端中心部に取付けた蒸気出口管、（４）は
分離筒（１）の下端中心部に取付けた液滴出口管を示
す。

図示するサイクロン式セパレータにおいては、ボイラ
ーからの発生蒸気を導入管（２）から分離筒（１）内に
接線方向に導入し、分離筒（１）内で旋回させて、液滴
（飽和水）を遠心分離し、これにより蒸気の乾き度を向
上させている。その際、上記分離筒（１）内で分離され
た液滴分は、分離筒（１）の内壁を伝わって下方の液滴
出口管（４）から排水するが、一般には、この液滴分を
ボイラーに再供給することにより、ボイラー内の供給水
温度を上昇させ、熱効率の向上を図っている。

〔発明が解決しようとする課題〕

このタイプのセパレータでは、上述の如き蒸気と液滴
（飽和水）等のような気液混相流は、固液混相流よりも
分離性能が悪いとされているが、その理由の一つに、気
液混相流が導入管（２）から分離筒（１）内に流入する
際、液滴分のかなりの量は導入管（２）の管壁に沿って
流動し、一部分が蒸気（飽和蒸気：気体分）中に浮遊し
ながら流れていることが挙げられる。即ち、管壁を伝わ
って流れる液滴分の速度は、上述蒸気流の速度より著し
く遅いため、分離筒（１）内に流入したとしても、遠心
力による分離効果が小さく、分離筒（１）内壁から飛散
し、或いは管内を横断する等して、分離筒（１）内から
蒸気出口管（３）に向かう乾き度の高い（液滴分が分離
された）蒸気に再び混入してしまうことになる。

このため、従来のセパレータを通常の態様で用いるの
みでは高い乾き度の蒸気を得ることができない。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、導入
管と分離筒とで構成した単一構造のセパレータ中にそれ
らと同一の機能を生じるところの補助導入管と分離壁と
から成るセパレータ要素を内蔵した複合型のセパレータ
を要点としている。

〔作用〕

この発明によれば、主に壁面を伝わって流れる液滴分
を導入管と補助導入管との隙間から分離筒と分離壁との
間の間隙に流入させることにより、上記液滴分を早期に
比較的液滴分の少ない混相流主流により分離しておき、
この後、この混相流主流を更に気液分離することによ
り、分離性能を大幅に向上させることができる。

〔実施例〕

第１図、第２図は、この発明に係る複合型セパレータ
の一実施例を示すもので、第３図、第４図と対応する部
材には、同一参照番号を附してその詳細説明を省略す
る。

上記複合型セパレータは、それらの図面に示すよう
に、導入管（２）の内部に補助導入管（11）を実質上同
軸に設置し、この導入管（11）の先端部に、分離筒
（１）の内壁に沿って延設した分離壁（12）を取り付
け、相対する分離筒（１）の内壁と分離壁（12）との間
に所望の間隙（ｇ）を形成したものである。

この例では、補助導入管（11）は、短管で構成してあ
り、導入管（２）の内部において、それとの間に所定の
間隙を保持せしめた状態で、導入管（２）、分離筒
（１）の両者接続部分近傍位置に配している。

又、分離壁（12）は、補助導入管（11）との接続部分
から分離筒（１）の軸線方向上下に所定の長さで（例え
ば導入管の径の数倍に）形成するとともに、分離壁自体
の周方向長さを、分離筒（１）内に流入した混相流体の
旋回方向（第２図の反時計方向）側の端部（12a）が反
旋回方向（第２図の時計方向）側の端部（12b）よりも
長くなるように設定してある。この場合の分離壁（12）
の反旋回方向側の端部（12b）は、分離筒（１）におけ
る導入管（２）の開口部を十分に覆うようにして、そこ
から導入管（１）と補助導入管（11）との隙間を通って
流入する混相流体が、分離壁（12）より内周側に直接流
入しないようにする。

上記構成では、導入管（１）内に、ボイラーからの発
生蒸気等の気液混相流が流入すると、前述の如く、液滴
分のほとんどは、導入管（１）の管内壁に沿って流れ、
一部分が、蒸気（飽和蒸気：気体分）中に浮遊しながら
全体として湿り蒸気として流れる。このうち、管壁に沿
って流れるものは、導入管（２）と補助導入管（11）と
の間の間隙に流入し、この後、分離筒（１）と分離壁
（12）との間の隙間（ｇ）を上記反時計方向に旋回しな
がら流下し、下方の出口管（４）より流出する。

一方、残りの液滴分を含んだ蒸気（湿り蒸気）は、導
入管（２）から補助導入管（12）内に直接流入し、先ず
分離壁（12）内周面に沿って旋回しながら気液分離され
る。そして、上述蒸気が分離壁端部（12a）を通過した
後は、分離筒（１）内周壁に沿って旋回しながら流れ、
この旋回流れによる遠心力によって残りの液滴分が分離
され、更に乾き度を高められた蒸気は、上方の出口管
（３）に流入するのに対し、分離された液滴分は、分離
筒（１）内壁面に沿って流れ、出口管（４）に流入す
る。

従って、この発明に係る複合型セパレータによれば、
極めて乾き度の悪い蒸気（あるいは、液相分の多い気液
混相流体）であっても、壁面に沿って流れる液滴分（液
相分）を早期に分離した後、比較的乾き度の高い蒸気主
流を更に分離するため、一定して高い乾き度の蒸気を得
ることができる。

尚、上記実施例において、分離壁（12）の周方向の長
さは、分離筒（１）の略1/4周程度に設定してあるが、
各端部（12a）（12b）の少なくとも一方を更に延設して
もよく、両端部（12a）（12b）が互いに接合するまで延
設して筒形状としてあってもよい。更に、分離壁（12）
の軸方向の長さは、補助導入管（11）に対し、上下方向
に略等長としてあるが、これに限定されるわけではな
く、より気液分離性能を向上させるために、下方側を長
く設定することもできる。

この発明のセパレータは、ボイラー等からの発生蒸気
の乾き度を向上させるための気水分離器を例にあげて説
明したが、他の化学工業分野等において、気相流と液相
流とを分離するために用いられるセパレータであれば、
全て適用できるものである。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明は、気液混相流のう
ち、主に壁面を伝わって流れる液相分を、導入管と補助
導入管との隙間から分離筒と分離壁との間の間隙に導入
することにより、比較的液相分の少ない混相流主流から
上記液相分を早期に分離しておき、この後、この混相流
主流を、更に気液分離する構成であるので、液相分の多
い気液混相流であっても安定して効率よく気液分離が行
うことができ、しかも、その分離性能が極めて高い。

しかも、この発明の複合型セパレータによれば、上記
の如き極めて高い性能を有するにもかかわらず、従来形
状のセパレータに補助導入管と分離壁とから成る小型の
セパレータ要素を設けるのみであるから、製作が容易で
低コストで得られる等、大なる工業的効果を挙げること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、この発明に係る複合型セパレータの
一実施例を示すもので、第１図は側面図、第２図は要部
横断面図である。第３図、第４図は、在来のサイクロンセパレーターの一
例を示すもので、第３図は側面図、第４図は要部横断面
図である。（１）……分離筒（２）……導入管（11）……補助導入管（12）……分離壁（ｇ）……隙間

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】分離筒（１）に対し接線方向に導入管
（２）を接続した構成のサイクロンセパレータにおい
て、前記導入管（２）の内部に補助導入管（11）を実質上同
軸に設置し、この補助導入管（11）の内端部に、前記分
離筒（11）の内壁に沿って延設した分離型（12）を取付
け、相対する前記分離筒（１）の内壁と前記分離壁（1
2）との間に所望の間隙を形成したことを特徴とする複
合型セパレータ。