JP2864181B2 - 放射性物質を含む硝酸水溶液の処理法 - Google Patents

放射性物質を含む硝酸水溶液の処理法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射性物質を含む硝酸水
溶液の処理方法に関する。より詳しくは、使用済み核燃
料の再処理工場等から廃液として排出される放射性物質
を含む硝酸水溶液の処理法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軽水炉等の原子炉において発生する使用
済み核燃料は、高放射性の核分裂生成物(FP)と未燃
焼の核燃料とを含んでおり、核分裂生成物は放射性廃棄
物として除去し、未燃焼の核燃料を回収する目的で再処
理が行なわれている。再処理方法としては乾式法なども
検討されているが、現在のところ、使用済み核燃料を硝
酸で溶解し、処理液をリン酸トリブチル(TBP)等の
溶媒と接触させてウラン(U)、プルトニウム(P
u)、セリウム(Ce)などの核燃料を回収する湿式法
が一般的である。このため核燃料の再処理工場からは、
放射性物質を含有する硝酸水溶液が廃液として排出され
る。同様の廃液は核燃料の精練工程等においても発生す
る。
【0003】このような核燃料の再処理や精練工程等に
おいて発生する硝酸水溶液は、放射性物質を含むので、
通常の酸性廃液のように中和処理等により無害化して廃
棄することはできない。しかし、放射性物質を無害化す
る方法は実用化されておらず、また廃液を放射性廃棄物
としてそのまま保管するのでは莫大な量となるため、従
来、図6に概略の構成を示すように放射性物質を含む硝
酸水溶液を蒸発缶1に導入して蒸留により濃縮し、減容
された硝酸水溶液を中和した後、放射性物質を含む濃縮
硝酸水溶液を液状のまま保管するか、または中和後に乾
燥して固体の放射性廃棄物として保管する方法により処
理が行なわれている。蒸発缶1は頂部にミスト除去用ト
レイ4と、底部にスチーム配管あるいは電熱ヒータ等の
加熱手段3を有する。蒸発缶1内に導入された放射性物
質を含む硝酸水溶液2は加熱手段3で所定温度に加熱さ
れ、非揮発性の放射性物質を同伴しない硝酸蒸気を発生
する。硝酸蒸気はミスト除去用トレイ4を経て缶頂部か
ら凝縮器5に送られて液化され、放射性物質を含有しな
い除染された硝酸水溶液8が回収される。回収された硝
酸水溶液8は再処理工場等において使用する硝酸の補給
用等に利用される。缶底部には非揮発性の放射性物質と
濃縮された硝酸が残る。
【0004】次いで放射性物質を含む硝酸水溶液を缶底
部から抜き出して中和槽6に送り、中和剤(一般的には
カセイソーダ)12を添加して中和する。中和処理した
放射性物質を含む硝酸水溶液は、所定の廃棄容器に入れ
て液状のまま保管するか、または乾燥機7に送って放射
性物質を含む固形分を乾固させた後、固体の放射性廃棄
物10として保管する。乾燥時に発生する蒸気9は蒸発
缶1に循環させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来法によれば放
射性物質を含む硝酸水溶液の減容と、除染された硝酸水
溶液の回収が可能であるが、濃縮後の缶底液は放射性物
質を含むので放射性廃棄物として保管が必要である。し
かし、従来法では缶頂部からの硝酸の回収量が少なく、
減容比が小さい。缶底の硝酸が廃液となるので中和剤の
使用量が多くなると共に、放射性廃棄物として保管する
廃液量が増大する。また除染された硝酸水溶液の回収量
が少ないので、補給用の硝酸が多量に必要となるという
問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
に鑑みて鋭意検討の結果、放射性物質を含む硝酸水溶液
に蒸発助剤として硝酸マグネシウムを添加して蒸留する
と、溶液中の硝酸蒸気圧が上昇して液相から気相に移行
する硝酸量すなわち回収硝酸量が増大し、その結果、放
射性物質を含む硝酸水溶液の大幅な減容がはかれ、放射
性廃棄物の発生量を低減し得ることを見出した。この知
見に基き本発明者らは、放射性廃棄物の発生量をさらに
減少させるべく検討を重ねた結果、硝酸マグネシウムを
添加して減容させた蒸留残液から放射性物質を抽出し、
再生処理工場に循環することにより放射性廃棄物を排出
することなく放射性物質を含む硝酸水溶液の処理が可能
であることを見出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、放射性物質を含む硝酸水溶液を硝酸マ
グネシウムの存在下に蒸留した後、放射性物質と硝酸マ
グネシウムを含む蒸留残液に溶媒を添加して放射性物質
を抽出することを特徴とする放射性物質を含む硝酸水溶
液の処理方法を提供したものである。
【0007】以下、図面を参照しながら本発明を説明す
る。本発明の方法では、まず、放射性物質を含む硝酸水
溶液を蒸発助剤としての硝酸マグネシウム(Mg(NO
32 )の存在下に蒸留する。硝酸マグネシウムを存在
させることにより、溶液中の硝酸(HNO3 )蒸気圧が
上昇し、その結果、硝酸の回収量が増加する。硝酸マグ
ネシウムは水溶液あるいは固形(粒状、粉末)として添
加することができる。硝酸マグネシウムの量は放射性物
質を含む硝酸水溶液から硝酸を除いた水溶液基準で40
重量%以上が好ましく上限は特に制限はないが、より好
ましくは45〜55重量%の範囲である。この量は後述
する実験により得られたMg(NO32 −HNO3
2 O系の気液平衡線図(図3)に基くものであり、図
3から明らかなように硝酸マグネシウムの量が増大する
につれて蒸気中の硝酸濃度が増加し、液相から気相に移
行する硝酸が増大する。特に硝酸マグネシウム量が40
重量%以上になると気相の硝酸濃度の方が液相の硝酸濃
度より高くなり、45〜55重量%の範囲では気相の硝
酸濃度が液相の2倍以上になって、硝酸水溶液の大幅な
減容がはかられることが判明した。この硝酸マグネシウ
ムの添加効果は硝酸濃度が60重量%以下の水溶液にお
いて顕著である。
【0008】次に、上記の蒸留により硝酸分を除去した
蒸留残液に、溶媒(例えばリン酸トリブチル(TB
P))を添加し、蒸留残液と接触させて放射性物質を抽
出回収する。溶媒は特に制限はなく、使用しうるものと
して、TBPの他、ヘキソン(別名メチルイソブチルケ
トン)、ジブチルカルビトール(C49 OC24
24 OC49 )、ジブチルエーテル、ジブチルセ
ロソルブ(C49 OC24 OC49 )などがあげ
られるが、TBPが好ましく使用される。蒸留残液は、
放射性物質、硝酸マグネシウムおよび未回収の硝酸を含
有するが、溶液の大部分は硝酸マグネシウムおよび未回
収の硝酸からなる。本発明では、この蒸留残液を従来法
のように中和あるいは蒸発乾固の後に放射性廃棄物とし
て保管するのではなく、蒸留残液から放射性物質を抽出
分離するため、放射性廃棄物が発生しない。溶媒の添加
量は、蒸留残液1容量に対して1〜3容量の範囲が好ま
しい。放射性物質を含む蒸留残液に溶媒(例えばTB
P)を添加して撹拌した後、混合液を静置すると、有機
相(溶媒)と水相(蒸留残液)とに分離し、ウランある
いはプルトニウム等の放射性物質が有機相側に移行して
蒸留残液から放射性物質が除去される。一般に知られて
いるように、例えばTBPによってプルトニウム、ウラ
ンなどの放射性物質を抽出する場合、放射性物質の濃度
20%以下において、放射性物質の分配係数(=有機相
(TBP)/水相)は5〜10であり、放射性物質はT
BP相に移行する。また、硝酸濃度が高いほど分配係数
は大きくなる。この抽出の際、水相の硝酸マグネシウム
が一部有機相に移行するが、後述する実験に示すように
有機相を硝酸水溶液、好ましくはフリーの硝酸濃度が3
規定(N)以上、より好ましくは3〜5Nの範囲の硝酸
水溶液で洗浄することにより、有機相に含まれる微量の
硝酸マグネシウムを安定した分配比で水相に移行させる
ことができる。フリーの硝酸濃度によっても異なるが、
本発明者らの実験結果によれば、分配比(有機相中のマ
グネシウム濃度を水相中のマグネシウム濃度で除した
値)=1/100〜1/1000の割合で硝酸マグネシウム
が有機相から水相に移行する。抽出処理した放射性物質
を含む有機相は再処理工場に送り、硝酸マグネシウムを
含有する抽出残液(水相)は前記の蒸留工程で蒸発助剤
として再使用する。
【0009】本発明による放射性物質を含む硝酸水溶液
の処理は、図1に概略の工程を示すように、図6に示し
たと同様の蒸発缶1を使用して行なうことができる。す
なわち、缶底部にスチーム配管あるいは電熱ヒータ等の
加熱手段3と、缶頂部に泡鐘トレイ、多孔板トレイ等の
ミスト除去用トレイ4を備えた蒸発缶1を使用し、放射
性物質を含む硝酸水溶液2と硝酸マグネシウムを含む水
溶液(後述する抽出残液14)とをそれぞれの供給路か
ら蒸発缶1に導入し所定温度で蒸留して、非揮発性の放
射性物質を含有しない除染された硝酸を缶頂部から回収
し、硝酸マグネシウムと放射性物質とを含有する硝酸分
が除去された蒸留残液を缶底部に蓄積する。蒸留温度は
放射性物質の含有量等によっても異なり一概には言えな
いが、例えば常圧では120〜160℃程度、好ましく
は130〜150℃の範囲である。蒸留時に発生する硝
酸蒸気はミスト除去用トレイ4を経て缶頂部からほぼ全
量が回収され、凝縮器5において冷却・液化された後、
除染された硝酸水溶液8として再処理工場等において再
利用される。蒸留は、缶底部に蓄積される放射性物質と
硝酸マグネシウムを含む蒸留残液の量が缶容量の限界に
達するか、または放射性物質の蓄積量が許容限界(被バ
ク上、臨界上などの限界)に達するまで連続的に行なわ
れる。限界に達した時点で、缶底液の一部または全量を
抜き出し、フレッシュな、硝酸マグネシウムを含む溶液
と置換する。
【0010】続いて、蒸発缶1から抜き出した放射性物
質と硝酸マグネシウムを含む蒸留残液15を抽出器13
に送り、蒸留残液15から放射性物質を回収する。抽出
器13はミキサー・セトラ型等の抽出効率の高いものが
好ましい。抽出操作は以下のような手順で行なわれる。
すなわち、抽出器13に蒸留残液15、抽出溶媒(例え
ばTBP)16および洗浄用の硝酸水溶液17をそれぞ
れの供給路から導入し、まず、蒸留残液15と抽出溶媒
16とを接触させ、水相(蒸留残液15)に含有されて
いる放射性物質を有機相(抽出溶媒16)に吸収させ
る。その後、有機相を硝酸水溶液17で洗浄し、抽出時
に放射性物質とともに一部有機相に吸収される微量の硝
酸マグネシウムを有機相から除去する。こうして処理し
た放射性物質を含む抽出液(有機相)18は再処理工場
の主工程に送り、一方、放射性物質の除去により除染さ
れた硝酸マグネシウムを含む抽出残液(水相)14は蒸
発缶1に循環し、未使用の硝酸マグネシウムを適宜添加
して蒸発助剤として繰返し使用する。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。 実施例 1)Mg(NO32 −HNO3 −H2 O系の気液平衡 図2に示す蒸留装置(3つ口フラスコ23)を使用し、
硝酸マグネシウム、硝酸および水の気液平衡関係を以下
のようにして求めた。すなわち、3つ口フラスコ23に
硝酸マグネシウムおよび硝酸を所定量投入し、リービッ
ヒ冷却器26の入口弁25を閉じた状態でマントルヒー
ター28により3つ口フラスコ23を加熱する。この
際、温度計20および21によりフラスコ底部の液温と
3つ口フラスコ23内の蒸気温度をモニターしつつ、ス
ライダック24によりマントルヒーター28への通電量
を調整して3つ口フラスコ23内の圧力が大気圧になる
ように制御する。この状態で一定時間保持した後、入口
弁25を開け、3つ口フラスコ23から排出される蒸気
をリービッヒ冷却器26により冷却し、凝縮液をメスフ
ラスコ27に回収する。この凝縮液の成分と3つ口フラ
スコ23内の残留液の成分を常法により分析する。
【0012】3つ口フラスコ23に仕込む硝酸水溶液の
濃度および硝酸マグネシウムの添加量を適宜変えて、凝
縮液および残留液の分析結果から得られた硝酸マグネシ
ウム、硝酸および水の気液平衡関係を図3に示す。図3
から明らかなように、硝酸マグネシウムの添加量が増え
るにしたがって蒸気中の硝酸濃度が増加し、特に添加量
が40重量%以上になると気相の硝酸濃度が液相の濃度
より高くなることが分る。硝酸マグネシウムの添加量が
さらに増え、45重量%以上になると気相の硝酸濃度は
液相の2倍以上になり、水溶液中に残留する硝酸量を無
添加のものより大幅に少なくできることが判明した。
【0013】2)マグネシウムの分配比 抽出溶媒(TBP)−硝酸マグネシウム水溶液の混合液
系におけるマグネシウムの分配比を以下のようにして求
めた。すなわち、溶媒(TBP)と硝酸マグネシウム
(水溶液)を試験管に1対1(容量比)の割合で投入す
る。振盪器により試験管を5分間振盪した後、約1時間
静置する。静置後、有機相および水相のマグネシウム濃
度を常法により分析し、分析結果から次式に基いて有機
相と水相のマグネシウムの分配比を算出した。 分配比=(水相中のマグネシウム濃度)/(有機相中の
マグネシウム濃度) 試験管に投入する硝酸マグネシウムの濃度およびフリー
の硝酸濃度を適宜変えて、分配比を求めた結果を図4お
よび図5に示す。
【0014】図4は硝酸マグネシウム濃度と分配比の関
係を示しており、硝酸マグネシウム濃度が0.1 〜20重
量%の範囲において、フリーの硝酸濃度が1Nの場合の
分配比は102 のオーダーにあり、3Nの場合の分配比
は103 のオーダーにあることが分る。図5は硝酸マグ
ネシウム濃度10重量%の水溶液におけるフリー硝酸の
濃度と分配比の関係を示しており、フリーの硝酸濃度が
3N以上で安定した高い分配比が得られた。以上の結果
から、溶媒(TBP)、硝酸マグネシウムおよび水の混
合液系において、フリーの硝酸濃度を3〜5Nの範囲に
保つことによって、硝酸マグネシウムを安定した分配比
で水相側に移行できることが判明した。従って、放射性
物質と硝酸マグネシウムを含有する蒸留残液の場合に
も、前述のように放射性物質はTBP相に移行するので
硝酸マグネシウムをTBPにほとんど移行させることな
く放射性物質の回収することができる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば放
射性物質を含む硝酸水溶液が放射性廃棄物を排出しない
クローズシステムで処理されるため、従来法のような放
射性廃棄物の保守・管理が不要となる。すなわち、本発
明では、まず放射性物質を含む硝酸水溶液を硝酸マグネ
シウムを蒸留助剤として使用することによって、前記水
溶液からほぼ全量の硝酸が回収される。回収された硝酸
は放射性物質を含まず、除染されたものとなる。従っ
て、再処理工場等において使用済み核燃料の溶解などに
そのまま利用できるので、これら用途に使用する補給用
の硝酸を大幅に削減できる。続いて、硝酸を除去して減
容した蒸留残液に溶媒を添加して、放射性物質を抽出す
る。この抽出液は再処理工程へ送られる。一方、放射性
物質の除去により除染された硝酸マグネシウムは水相側
に移行し、蒸発工程に送られ、再度蒸発助剤として使用
される。こうしてクローズドシステムが成立する。した
がって本発明では従来法のように放射性廃棄物として保
管する廃液が発生しない。また、補給用の硝酸及び中和
剤は不要であり、コストが低減される。また、蒸留残液
および抽出液ともに硝酸がほとんど除去されているため
腐食性が著しく減少しており、このためSUS 304
L相当の通常グレードのステンレス材で蒸発缶や抽出器
を構成することができ、設備費の大幅な削減が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放射性物質を含む硝酸水溶液の処
理方法の工程図である。
【図2】本発明の実施例に係る蒸留装置の概略構成図で
ある。
【図3】Mg(NO32 −HNO3 −H2 O系の気液
平衡線図である。
【図4】リン酸トリブチルを抽出溶媒とする抽出系にお
ける硝酸マグネシウム濃度と分配比との関係を示す。
【図5】リン酸トリブチルを抽出溶媒とする抽出系にお
けるフリーの硝酸濃度と分配比との関係を示す。
【図6】放射性物質を含む硝酸水溶液の従来の処理方法
の工程図である。
【符号の説明】
1 蒸発缶 2 放射性物質を含む硝酸水溶液 3 加熱手段 4 ミスト除去用トレイ 5 凝縮器 6 中和槽 7 乾燥機 10 放射性廃棄物 11 硝酸マグネシウム 12 中和剤 13 抽出器 14 抽出残液 15 蒸留残液 16 抽出溶媒 17 硝酸水溶液 18 放射性物質を含む抽出液

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性物質を含む硝酸水溶液を硝酸マグ
    ネシウムの存在下に蒸留した後、放射性物質と硝酸マグ
    ネシウムを含む蒸留残液に溶媒を添加して放射性物質を
    抽出することを特徴とする放射性物質を含む硝酸水溶液
    の処理法。
  2. 【請求項2】 硝酸マグネシウムを、放射性物質を含む
    硝酸水溶液から硝酸を除いた水溶液基準で40重量%以
    上含有する硝酸水溶液を処理する請求項1に記載の放射
    性物質を含む硝酸水溶液の処理法。
  3. 【請求項3】 硝酸マグネシウムを、放射性物質を含む
    硝酸水溶液から硝酸を除いた水溶液基準で45〜55重
    量%含有する硝酸水溶液を処理する請求項1に記載の放
    射性物質を含む硝酸水溶液の処理法。
  4. 【請求項4】 溶媒がリン酸トリブチルであり、その添
    加量が、蒸留残液1容量に対して1〜3容量である請求
    項1に記載の放射性物質を含む硝酸水溶液の処理法。
  5. 【請求項5】 溶媒を添加した蒸留残液をフリーの硝酸
    濃度が3規定以上の硝酸水溶液と接触させることを特徴
    とする請求項1に記載の放射性物質を含む硝酸水溶液の
    処理法。
  6. 【請求項6】 溶媒を添加した蒸留残液をフリーの硝酸
    濃度が3〜5規定の硝酸水溶液と接触させることを特徴
    とする請求項1に記載の放射性物質を含む硝酸水溶液の
    処理法。
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