JP2861230B2 - 表面波速度分布測定方法および装置 - Google Patents

表面波速度分布測定方法および装置

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JP2861230B2 JP2091818A JP9181890A JP2861230B2 JP 2861230 B2 JP2861230 B2 JP 2861230B2 JP 2091818 A JP2091818 A JP 2091818A JP 9181890 A JP9181890 A JP 9181890A JP 2861230 B2 JP2861230 B2 JP 2861230B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、試料の表面波速度の分布を測定する方法お
よび装置に関し、特に、試料を伝搬する表面波速度の変
化から該試料の表面波速度の分布を測定する方法および
装置に関する。
(従来の技術) 試料の表面波速度を測定する方法として、いくつかの
測定方法が提供されている。圧電材料などの試料の表面
波速度測定方法として、前記試料に送波用すだれ状電極
および受波用すだれ状電極をそれぞれ蒸着し、前記送波
用すだれ状電極で前記試料に表面波を励振させ、前記受
波用すだれ状電極で前記表面波を受波し、前記表面波が
前記送波用すだれ状電極から前記受波用すだれ状電極に
到達するまでの表面波伝搬時間を計測し、該表面波伝搬
時間から表面波速度を測定するものがある。また、前記
表面波伝搬時間に代えて、表面波の位相差を計測し、該
位相差から表面波速度を測定するものがある。
これに対し、非圧電材料などの試料の表面波速度測定
方法として、前記試料にくさび形振動子を接触させ、該
くさび形振動子で前記試料に表面波を励振させ、該表面
波の伝搬時間または位相差を計測することにより表面波
速度を求めるものがある。
(発明が解決しようとする課題) しかし、圧電材料の表面波速度測定方法では、試料に
表面波を励振させるための送波用すだれ状電極および前
記表面波を受波するための受波用すだれ状電極を試料に
蒸着するから、各すだれ状電極の蒸着作業によって手間
が掛かり、測定作業に余分な時間が掛かる。
また、非圧電材料の表面波速度測定方法では、くさび
形振動子を用いていることにより、くさび形振動子のく
さび角はくさび形振動子からの波が非圧電材料の表面波
に変換される効率を決定するから、非圧電材料の材質な
どに応じてくさび形振動子のくさび角を選択する必要が
あり、所定のくさび角を有するくさび形振動子を選択し
または準備する作業に余分な時間が掛かる。
測定作業に掛かる余分な時間を削減するために、V
(f)曲線法が提案されている。V(f)曲線法は、液
体中に試料を置き、一方の面が前記液体の液面に接触し
ている圧電基板と該圧電基板に表面波を励振させる表面
波用すだれ状電極とを有する漏洩表面波発生器をその駆
動周波数を変化させながら駆動させ、前記漏洩表面波発
生器でそれに生じる漏洩表面波から変換される液体中バ
ルク液を前記試料に向けて放射することによって前記試
料に表面波を励振させ、前記液体との界面に配置されて
いる第1の受波手段で前記試料の表面波伝搬経路に位置
する第1の部位から液体中に放射される第1のバルク波
を受波し、前記液体との界面に配置されている第2の受
波手段で前記試料の表面波伝搬経路に位置する第2の部
位から液体中に放射される第2のバルク波を受波し、前
記第1の受波手段で受波されるバルク波と前記第2の受
波手段で受波されるバルク波との位相差の変化の周期か
ら表面波速度を求める。
しかし、上述のV(f)曲線法では、前記漏洩表面波
発生器に生じる漏洩表面波から変換される液体中バルク
波によって表面波を前記試料に励振させることにより、
前記液体中バルク波が前記試料に入射する角度は前記液
体中バルク波の伝搬速度と前記試料の表面波速度との比
によって決定されるレイリー臨界角の近傍の角度に一致
するから、前記試料の材質などの特性によって決定され
る表面波速度は前記液体中バルク波の前記試料への入射
角に制約を与え、表面波速度の測定可能な試料の範囲が
極めて狭い範囲に限定される。
本発明の目的は、表面波速度の測定可能な試料の範囲
を広くすることができ、測定作業に余分な時間が掛から
ない表面波速度分布測定方法および装置を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 本発明の表面波速度分布測定方法は、試料の表面に液
体の層を形成し、一方の面が前記液面に接触している圧
電基板および該圧電基板の他方の面に形成され、該圧電
基板にラム液を励振させる送波用すだれ状電極を有する
送波手段と第1の受波手段と第2の受波手段とを順次前
記送波手段の圧電基板に励振されるラム波の進行方向に
沿って配列し、前記送波手段でそれに生じる漏洩ラム波
から変換されるバルク波を前記液体中に前記試料に向け
て放射することによって前記試料に表面波を励振させ、
前記試料の表面波伝搬経路に位置する第1の部位から前
記液体中に放射される第1の再放射バルク波を前記第1
の受波手段で受波し、前記試料の表面波伝搬経路に位置
する第2の部位から前記液体中に放射される第2の再放
射バルク波を前記第2の受波手段で受波し、前記第1の
受波手段で受波される第1の再放射バルク波と前記第2
の受波手段で受波される第2の再放射バルク波との位相
差から前記第1の部位の表面波速度に対する前記第2の
部位の表面波速度の変化量を求める。
本発明の表面波速度分布測定装置は、試料の表面に形
成されている液体の層と、一方の面が前記液体の液面に
接触している圧電基板および該圧電基板の他方の面に形
成され、該圧電基板にラム波を励振させる送波用すだれ
状電極を有する送波手段と、該送波手段の圧電基板に励
振されるラム波の進行方向に沿って該送波手段と間隔を
おいて配列され、前記送波手段の漏洩ラム波から変換さ
れるバルク波によって表面波が前記試料に励振されると
きに該試料の表面波伝搬経路の第1の部位から前記液体
中に放射される第1の再放射バルク波を受波し、該受波
する第1の再放射バルク波に対応する第1の受波信号を
出力する第1の受波手段と、前記ラム波の進行方向に沿
って前記送波手段および前記第1の受波手段のそれぞれ
と間隔をおきかつ該第1の受波手段に隣り合う位置に配
列され、前記表面波が前記試料に励振されるときに該試
料の表面波伝搬経路の第2の部位から前記液体中に放射
される第2の再放射バルク波を受波し、該受波する第2
の再放射バルク波に対応する第2の受波信号を出力する
第2の受波手段と、前記第1の受波手段からの第1の受
波信号および前記第2の受波手段からの第2の受波信号
が与えられ、前記第1の受波信号と前記第2の受波信号
との位相差を検出し、該位相差に対応する位相差信号を
出力する位相差検出手段と、該位相差検出手段からの位
相差信号が与えられ、該位相差信号に基づき表面波速度
の変化量を算出し、該表面波速度の変化量に対応する速
度信号を出力する演算手段とを備える。
前記送波手段は前記第1および第2の受波手段を一体
的に含む漏洩ラム波素子からなり、該漏洩ラム波素子
は、前記圧電基板と、前記送波用すだれ状電極と、前記
圧電基板の他方の面に形成され、該圧電基板と共働して
前記第1の受波手段を規定する第1の受波用すだれ状電
極と、前記圧電基板の他方の面に形成され、該圧電基板
と共働して前記第2の受波手段を規定する第2の受波用
すだれ状電極と、前記圧電基板の一方の面に形成され、
前記送波用すだれ状電極と前記第1の受波用すだれ状電
極との間に配置されている第1の吸収体と、前記圧電基
板の一方の面に形成され、前記第1の受波用すだれ状電
極と前記第2の受波用すだれ状電極との間に配置されて
いる第2の吸収体と、前記圧電基板の他方の面に形成さ
れ、前記第1の吸収体に対向する第3の吸収体と、前記
圧電基板の他方の面に形成され、前記第2の吸収体に対
向する第4の吸収体とを有することが好ましい。
前記送波手段を前記第1および第2の受波手段ととも
に前記試料に対して相対移動させる走査手段を備えるこ
とが好ましい。
前記液体を収容し、該液体中に前記試料を保持してい
る槽を備えることが好ましい。
(作用) 前記送波手段を駆動するとき、該送波手段の送波用す
だれ状電極に周波数Fを有する交流信号を印加し、該送
波手段の圧電基板の各面に周波数Fのラム波を励振させ
る。前記圧電基板の一方の面が前記液面に接触している
ことにより、前記ラム波は前記圧電基板を伝搬しながら
該ラム波の一部は前記液体中を伝搬するバルク波に交換
される。前記バルク波に交換される前記ラム波は漏洩ラ
ム波と呼ばれている。
前記バルク波の放射角度θω、該バルク波の速度Vω
および前記漏洩ラム波の速度VLは次の(1)式で示す関
係を満足し、 また、前記漏洩ラム波の速度Vωは該漏洩ラム波の波数
Kと前記圧電基板の厚さdとの積の関係で示され、前記
漏洩ラム波には、それぞれが異なる速度分散特性を有す
る複数のモードが存在するから、前記交流信号の周波数
Fを変化させることによって前記バルク波の放射角度θ
ωを制御することができる。
前記バルク波が前記試料に入射するとき、該バルク波
によって表面波が前記試料に励振されることにより、前
記バルク波の前記試料への入射角度は前記バルク波の液
体中の伝搬速度と前記試料の表面波速度との比によって
決定されるレイリー臨界角に一致するから、前記試料の
材質などの特性によって決定される表面波速度に応じて
変化する前記レイリー臨界角と前記入射角度とを前記バ
ルク波の放射角度θωの制御によって一致させることが
できる。
前記漏洩ラム波素子は前記送波手段、前記第1および
第2の受波手段をそれぞれ一体的に含むことにより、前
記送波手段、前記第1および第2の受波手段の位置関係
が予め決められているから、前記試料に対する前記送波
手段、前記第1および第2の受波手段の位置決めを容易
にすることができる。
前記走査手段を備えることにより、前記試料と、前記
送波手段、前記第1および第2の受波手段との相対移動
が前記走査手段で行われるから、前記試料の測定部位を
容易に変更することができる。
前記槽の液体中に試料を保持することにより、前記試
料と前記圧電基板との間に形成されている前記液体の層
が外乱などの影響を受け難いから、外乱などに起因する
前記液体の移動を未然に防止することができる。
(実施例) 第1図は本発明の表面波速度分布測定装置の一実施例
を示すブロック図、第2図は第1図の表面波速度分布測
定装置の表面波速度分布の測定原理を示す図、第3図は
第1図の表面波速度分布測定装置に用いられている漏洩
ラム波素子を示す平面図、第4図は第3図のA−A線に
沿って得られた断面図である。
表面波速度分布測定装置10は、第1図に示すように、
水12を収容し、該水12中に試料14を保持する槽16を備え
る。槽16は上方に開口する角槽からなる。槽16は固定台
18の滑動面20に沿って移動する移動台22に置かれてい
る。移動台22には、それを移動させる駆動部(図示せ
ず)が設けられている。前記駆動部は走査制御部24から
出力される制御信号に基づき移動台22を移動させる。走
査制御部24は前記駆動部および移動台22と互いに共働し
て走査手段を構成する。
走査制御部24から第1の制御信号100が前記駆動部に
与えられるとき、前記駆動部は移動台22を滑動面20に沿
ってそれに規定されるX軸方向に所定の移動量分移動さ
せる。第2の制御信号102が前記駆動部に与えられると
き、前記駆動部は移動台22を滑動面20に沿って前記X軸
方向と直交するY軸方向に所定の移動量分移動させる。
第3の制御信号104が前記駆動部に与えられるとき、前
記駆動部は移動台22を鉛直方向の軸線の周りに角度的に
所定の角度分回転させる。また、走査制御部24が第1、
第2および第3の制御信号100,102,104の内のいずれか
1つを出力するとき、該出力される制御信号が示す移動
方向および移動量に対応する走査位置信号106が走査制
御部24から出力される。
槽16内には、漏洩ラム波素子26が配置されている。漏
洩ラム波素子26は、第3図および第4図に示すように、
一方の面が水口に接触している圧電基板28を有する。圧
電基板28は長方形の形状を有するNEPEC−6(商品名、
東北金属製)からなる。
圧電基板28の他方の面には、送波用すだれ状電極30、
第1の受波用すだれ状電極32および第2の受波用すだれ
状電極34が形成されている。送波用すだれ状電極30、第
1および第2の受波用すだれ状電極32,34は電極対数が
5である正規形すだれ状電極からなり、その電極周期長
はlμmであり、その電極間距離はdmmである。送波用
すだれ状電極30、第1および第2の受波用すだれ状電極
32,34は圧電基板28の長手方向に沿って順次間隔をおい
て配列されている。
圧電基板28の他方の面には、第1および第2の吸収体
36,38が形成されている。第1の吸収体36は送波用すだ
れ状電極30と第1の受波用すだれ状電極32との間に配置
され、第2の吸収体38は第1の受波用すだれ状電極32と
第2の受波用すだれ状電極34との間に配置されている。
これに対し、圧電基板28の一方の面には、第1の吸収体
36に対向する第3の吸収体40および第2の吸収体38に対
向する第4の吸収体42が形成されている。
漏洩ラム波素子26の送波用すだれ状電極30には、それ
を駆動するための無線周波パルス信号(以下、「RF信
号」と称する。)108が無線周波パルス発生器44から印
加される。無線周波パルス発生器44はRF信号108の発振
を開始すると同時に発振開始を指示する動作信号110を
出力し、RF信号108の発振を停止すると同時に発振停止
を指示する動作信号110を出力する。
漏洩ラム波素子26を駆動するとき、無線周波パルス発
生器44からのRF信号108が送波用すだれ状電極30に印加
される。圧電基板28には、ラム波励振され、該ラム波の
進行方向は圧電基板28の長手方向に一致する。前記ラム
波の内の第1の受波用すだれ状電極32に向うラム波は第
1および第3の吸収体36,40に吸収されることにより、
該ラム波は第1および第2の受波用すだれ状電極32,34
に入射されないから、第1および第2の受波用すだれ状
電極32,34の出力が前記ラム波に干渉されることを防止
する。
前記ラム波は、第2図に示すように、圧電基板28を伝
搬しながら該ラム波の一部は水12中を伝搬するバルク波
46に変換される。バルク波46に変換される前記ラム波は
漏洩ラム波と呼ばれる。
前記漏洩ラム波の速度をVLとし、バルク波46の速度を
ωとすると、バルク波46の圧電基板28の一方の面の法
線に対する放射角度θωは次の(1)式 を満足する。また、前記漏洩ラム波の速度Vωはファー
ネル(farnell)の手法を改良した数値解析法で求めら
れ、該漏洩ラム液の波数Kと圧電基板28の厚さdとの積
の関数で示される。
前記漏洩ラム波には、第5図に示すように、多数のモ
ードが存在する。第5図は漏洩ラム波の速度分散特性を
示す図である。第5図から明らかなように、前記漏洩ラ
ム波の速度は各モード毎に異なる。なお、図中のA
0,1,2,3は反対称モードを、S0,1,2,3は対称モードを示
し、それぞれの添字はモード次数を示す。これに対し、
図中の○印はすだれ状電極の電極周期長lが380μmで
あるときの漏洩ラム波の各モードにおける速度の実験値
を示し、●印はすだれ状電極の電極周期長lが210μm
であるときの漏洩ラム波の各モードにおける速度の実験
値を示す。第5図および(1)式から明らかなように、
送波用すだれ状電極30へ印加されるRF信号108の周波数
を変えることによって所定のモードの漏洩ラム波が得ら
れることがわかる。その結果、RF信号108の周波数を制
御することによってバルク波46の放射角度θωを制御す
ることができる。
前記漏洩ラム波が前記バルク波に変換される割合を示
す実効変換効率は、第6図に示すように、各モード毎に
異なる。第6図は第3図の漏洩ラム波発生器に励振され
る漏洩ラム波が水中バルク波に変換される割合である実
効変換効率を示す図である。
バルク波46は、第2図に示すように、圧電基板28の送
波用すだれ状電極30が形成されている面に対向する面か
ら試料14に向けて放射される。バルク波46の放射角度θ
ωは、バルク波46の試料14への入射角度θがバルク波
46の速度VLと試料14の表面波速度との比によって決定さ
れるレイリー臨界角に一致するように、RF信号108の周
波数によって制御されている。バルク波46が試料14の部
位48に到達するとき、バルク波46の試料14への入射角度
θがレイリー臨界角にほぼ一致するから、試料14には
漏洩表面波50が励振される。試料14で鏡面反射されるバ
ルク波46の一部は吸収体40に吸収され、吸収体40はバル
ク波46の一部が第1および第2の受波用すだれ状電極3
2,34で受波されることを防止する。
試料14の漏洩表面波50は試料14を伝搬しながら、漏洩
表面波50の一部は試料14の表面波伝搬経路に位置する部
位から水12中に放射される再放射バルク波に変換され
る。図示の例によれば、第1の部位52から放射される再
放射バルク波54は第1の受波用すだれ状電極32で受波さ
れ、第2の部位56から放射される再放射バルク波58は第
2の受波用すだれ状電極34で受波される。第1の受波用
すだれ状電極32と第2の受波用すだれ状電極34との間に
は、第2および第4の吸収体38,42が配置されているこ
とにより、第1の受波用すだれ状電極32は再放射バルク
波58の影響を受けず、第2の受波用すだれ状電極34は再
放射バルク波54の影響を受けないから、第1および第2
の受波用すだれ状電極32,34のそれぞれは、対応する再
放射バルク波を確実に受波することができる。
第1の受波用すだれ状電極32が再放射バルク波54を受
波するとき、再放射バルク波54に対応する第1の受波信
号112が第1の受波用すだれ状電極32から出力される。
第2の受波用すだれ状電極34が再放射バルク波58を受波
するとき、再放射バルク波58に対応する第2の受波信号
114が第2の受波用すだれ状電極34から出力される。
第1の受波信号112および第2の受波信号114は位相差
検出手段60に与えられる。第1の受波信号112はそれが
波形整形回路62で整形された後、移相器64に与えられ
る。移相器64は第1の受波信号112をその位相に対して9
0°の差がある位相の参照信号116に変換し、出力する。
第2の受波信号114はそれが波形整形回路66で整形さ
れた後、位相比較器68に与えられる。位相比較器68は移
相器64から出力される参照信号116と第2の受波信号114
とに基づき参照信号116の位相と第2の受波信号114の位
相との基準位相差を検出し、該基準位相差から90°の位
相角を差し引いている位相差を算出し、該位相差に対応
する電圧値を有する位相差信号118を出力する。参照信
号116は第1の受波信号112の位相と90°の差がある位相
を有することにより、前記基準位相差の値が大きくなる
から、位相比較器68は前記基準位相差を精度良く比較す
ることができる。その結果、位相差信号118は第1の受
波信号112の位相と第2の受波信号114の位相との差に精
度良く対応している。例えば、位相差信号118の電圧値
は、第7図に示すように、第1の受波信号112の位相と
第2の受波信号114の位相との差に対して直線的に変化
する。第7図は位相差信号の電圧および第1の受波信号
の位相と第2の受波信号の位相との差の関係を示す図で
ある。
位相差検出手段60の位相比較器68から出力される位相
差信号118は演算手段70に与えられる。演算手段70が無
線周波パルス発生器44から発振開始を指示する動作信号
110を受けるとき、演算手段70は位相差信号118を取り込
み、位相差信号118の電圧値に基づき表面波速度の変化
量△Vを算出する。
位相差信号118の電圧値が示す位相差を△φとし、第
1の部位52から第2の部位56までの表面波伝搬方向に沿
う距離を△lとし、試料14の物性値から決定される定数
をkとするとき、位相差△φは次の(2)式、 △φ=k△l△V ……(2) を満足することにより、速度変化量△Vが求められる。
定数kおよび距離△lは演算手段70に予め設定されてい
る。
演算手段70が無線周波パルス発生器44から発振の停止
を指示する信号110を受けるとき、演算手段70は位相差
信号118の取り込みを停止するとともに前記速度変化量
△Vに対応する速度信号120を出力する。
演算手段70から出力される速度信号120は走査制御部2
4からの走査位置信号106とともに表示手段72に与えられ
る。表示手段72は走査位置信号106が示す移動方向およ
び移動量から予め設定されている基準位置に対する試料
14の測定部位の位置を算出し、該測定部位の位置と速度
信号120が示す速度変化量△Vを表示する。
次に、表面波速度分布測定装置10で試料の表面波速度
分布を測定するときの測定動作について説明する。
第8図は測定対象の試料の一例を示す斜視図、第9図
は第8図の試料のX軸方向の表面波速度分布の測定結果
を示す図、第10図は第8図の試料のY軸方向の表面波速
度分布の測定結果を示す図、第11図は測定対象の試料の
他の例を示す斜視図、第12図は第11図の試料の表面波速
度分布の測定結果を示す図、第13図は第11図の試料の表
面波速度分布の数値計算の結果を示す図である。
円板状の圧電セラミック74の表面波速度分布を測定す
るとき、第8図に示すように、圧電セラミック74はその
中心部76が槽16の底部に規定されているX軸およびY軸
が互いに交わる原点0に一致するように槽16の底部に配
置される。圧電セラミック74は、その厚さ方向(第8図
の印が示す方向)に伸びる分極軸を有する。圧電セラ
ミック74の直径寸法は50mmである。
漏洩ラム波素子26には、電極周期長lが210μmであ
るすだれ状電極が用いられている。
まず、無線周波パルス発生器44を駆動する。無線周波
パルス発生器44は、送波用すだれ状電極30がS0モードの
漏洩ラム波を発生可能な周波数を有するRF信号108を発
振すると同時に発振開始を指示する動作信号110を出力
する。
RF信号108は送波用すだれ状電極30に印加され、漏洩
ラム波が圧電基板28に励振される。S0モードの漏洩ラム
波の速度Vωは、第5図に示すように、約2.5km/sであ
る。S0モードの漏洩ラム波はバルク波46に変換され、バ
ルク波46はレイリー臨界角に等しい角度θで圧電セラ
ミック74に入射される。圧電セラミック74には、バルク
波46によって漏洩表面波50が励振され、該漏洩表面波50
の一部は再放射バルク波54,58に変換される。
再放射バルク波54は第1の受波用すだれ状電極32で受
波され、再放射バルク波58は第2の受波用すだれ状電極
34で受波される。第1の受波用すだれ状電極32から出力
される第1の受波信号112および第2の受波用すだれ状
電極34から出力される第2の受波信号114は位相差検出
手段60に与えられ、位相差検出手段60は第1の受波信号
112の位相と第2の受波信号114の位相との差に対応する
位相差信号118を出力する。
演算手段70には、発振開始を指示する動作信号110が
与えられていることにより、位相差信号118は演算手段7
0に取り込まれるから、演算手段70は位相差信号118の電
圧値に基づき部位76における表面波速度の変化量として
予め設定されている基準値からの速度変化量ΔVを算出
する。
次いで、無線周波パルス発生器44はRF信号108の発振
を停止し、発振の停止を指示する動作信号110を演算手
段70に与える。演算手段70は位相差信号118の取り込み
を停止し、速度変化量ΔVに対応する速度信号120を表
示手段72に与える。表示手段72は、速度信号120が示す
速度変化量ΔVを部位76の位置の座標とともに表示す
る。
無線周波パルス発生器44がRF信号108の発振を停止し
た後、移動台22の駆動部は第1の制御信号102に基づき
移動台22をX軸方向に0.5mm移動させることにより、圧
電セラミック74の測定部位は部位76から部位78に移動さ
れる。
走査動作完了後、漏洩ラム波素子26は駆動され、圧電
セラミック74の部位78での速度変化量ΔVが測定され
る。その結果、測定動作および走査動作を交互に繰り返
すことによって圧電セラミック74のX軸方向に沿う表面
波速度分布を測定することができる。圧電セラミック74
のX軸方向に沿う表面波速度分布の測定結果は第9図に
示されている。
圧電セラミック74のY軸方向に沿う表面波速度分布
は、第10図に示すように、圧電セラミック74のY軸方向
への走査動作を行うことによって得られる。なお、第9
図および第10図の縦軸が示す偏差値は原点(部位76)の
測定値を基準とする値である。
圧電セラミック82は、第11図に示すように、厚さ方向
に直交する分極軸(図中の印)を有する板材からな
る。圧電セラミック82の分極軸に平行な面に沿って伝搬
する表面波の速度分布を測定するとき、圧電セラミック
82はその中心部位84が槽16の底部に規定されている原点
0に一致するように、槽16の底部に配置される。
漏洩ラム波素子26には、電極周期長lが380μmであ
るすだれ状電極が用いられている。送波用すだれ状電極
30によって発生される漏洩ラム波のモードはA0モードで
ある。A0モードの漏洩ラム波の速度Vωは、第5図に示
すように、約1.8km/sである。
走査は移動台22をZ軸の周りに2°の角度ピッチθで
回転させることによって行われることにより、圧電セラ
ミック82の測定部位は中心部位84とそれからの距離Δl
を半径とする円の周上に位置する部位となるから、圧電
セラミック82の中心部位84を中心とするZ軸周りの表面
波速度の変化量ΔVが求められる。第12図および第13図
から明らかなように、測定結果は数値計算の結果にほぼ
一致していることがわかる。その結果、表面波速度分布
測定装置10を異方性のある圧電セラミック82に適用する
ことができる。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、前記漏洩ラム波から変換され
るバルク波の放射角度は印加交流信号の周波数の制御に
よって制御されることにより、前記バルク波の放射角度
の制御によって前記バルク波の試料への入射角度は前記
試料の材質などの特性によって決定される表面波速度に
応じて変化するレイリー臨界角に一致されるから、前記
試料の特性に対応する表面波を前記試料に励振させるこ
とができ、表面波速度の測定可能な試料の範囲を大幅に
広くすることができる。
本発明の装置によれば、前記バルク波の放射角度の制
御によって前記バルク波の試料への入射角度はレイリー
臨界角に一致されるから、前記試料の特性に対応する表
面波を前記試料に励振させることができ、表面波速度の
測定可能な試料の範囲を広くすることができる。
前記漏洩ラム波素子は前記送波手段、前記第1および
第2の受波手段をそれぞれ一体的に含むことにより、前
記送波手段、前記第1および第2の受波手段の位置関係
が予め決められているから、前記試料に対する前記送波
手段、前記第1および第2の受波手段の位置決めを容易
にすることができる。
前記走査手段を備えることにより、前記試料と、前記
送波手段、前記第1および第2の受波手段との相対移動
が前記走査手段で行われるから、前記試料の測定部位を
容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の表面波速度分布測定装置の一実施例を
示すブロック図、第2図は第1図の表面波速度分布測定
装置の表面波速度分布の測定原理を示す図、第3図は第
1図の表面波速度分布測定装置に用いられている漏洩ラ
ム波素子を示す平面図、第4図は第3図のA−A線に沿
って得られた断面図、第5図は漏洩ラム波の速度分散特
性を示す図、第6図は第3図の漏洩ラム波素子における
漏洩ラム波と液中バルク波変換の割合である実効変換効
率を示す図、第7図は位相差信号の電圧および第1の受
波信号の位相と第2の受波信号の位相との差の関係を示
す図、第8図は測定試料の一例を示す斜視図、第9図は
第8図の試料のX軸方向の表面波速度分布の測定結果を
示す図、第10図は第8図の試料のY軸方向の表面波速度
分布の測定結果を示す図、第11図は測定試料の他の例を
示す斜視図、第12図は第11図の試料の表面波速度分布の
測定結果を示す図、第13図は第11図の試料の表面波速度
分布の数値計算の結果を示す図である。 10……表面波速度分布測定装置、12……水、14……資
料、16……槽、22……移動台(走査手段)、24……走査
制御部(走査手段)、26……漏洩ラム波素子、28……圧
電基板、30……送波用すだれ状電極、32……第1の受波
用すだれ状電極、34……第2の受波用すだれ状電極、3
6,38,40,42……吸収体、44……無線周波パルス発生器、
52……第1の部位、56……第2の部位、60……位相差検
出手段、70……演算手段、74,82……圧電セラミック。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料の表面に液体の層を形成し、一方の面
    が前記液面に接触している圧電基板および該圧電基板の
    他方の面に形成され、該圧電基板にラム液を励振させる
    送波用すだれ状電極を有する送波手段と第1の受波手段
    と第2の受波手段とを順次前記送波手段の圧電基板に励
    振されるラム波の進行方向に沿って配列し、前記送波手
    段でそれに生じる漏洩ラム波から変換されるバルク波を
    前記液体中に前記試料に向けて放射することによって前
    記試料に表面波を励振させ、前記試料の表面波伝搬経路
    に位置する第1の部位から前記液体中に放射される第1
    の再放射バルク波を前記第1の受波手段で受波し、前記
    試料の表面波伝搬経路に位置する第2の部位から前記液
    体中に放射される第2の再放射バルク波を前記第2の受
    波手段で受波し、前記第1の受波手段で受波される第1
    の再放射バルク波と前記第2の受波手段で受波される第
    2の再放射バルク波との位相差から前記第1の部位の表
    面波速度に対する前記第2の部位の表面波速度の変化量
    を求める表面波速度分布測定方法。
  2. 【請求項2】試料の表面に形成されている液体の層と、
    一方の面が前記液体の液面に接触している圧電基板およ
    び該圧電基板の他方の面に形成され、該圧電基板にラム
    波を励振させる送波用すだれ状電極を有する送波手段
    と、該送波手段の圧電基板に励振されるラム波の進行方
    向に沿って該送波手段と間隔をおいて配列され、前記送
    波手段の漏洩ラム波から変換されるバルク波によって表
    面波が前記試料に励振されるときに該試料の表面波伝搬
    経路の第1の部位から前記液体中に放射される第1の再
    放射バルク波を受波し、該受波する第1の再放射バルク
    波に対応する第1の受波信号を出力する第1の受波手段
    と、前記ラム波の進行方向に沿って前記送波手段および
    前記第1の受波手段のそれぞれと間隔をおきかつ該第1
    の受波手段に隣り合う位置に配列され、前記表面波が前
    記試料に励振されるときに該試料の表面波伝搬経路の第
    2の部位から前記液体中に放射される第2の再放射バル
    ク波を受波し、該受波する第2の再放射バルク波に対応
    する第2の受波信号を出力する第2の受波手段と、前記
    第1の受波手段からの第1の受波信号および前記第2の
    受波手段からの第2の受波信号が与えられ、前記第1の
    受波信号と前記第2の受波信号との位相差を検出し、該
    位相差に対応する位相差信号を出力する位相差検出手段
    と、該位相差検出手段からの位相差信号が与えられ、該
    位相差信号に基づき表面波速度の変化量を算出し、該表
    面波速度の変化量に対応する速度信号を出力する演算手
    段とを備える表面波速度分布測定装置。
  3. 【請求項3】前記送波手段は前記第1および第2の受波
    手段を一体的に含む漏洩ラム波素子からなり、該漏洩ラ
    ム波素子は、前記圧電基板と、前記送波用すだれ状電極
    と、前記圧電基板の他方の面に形成され、該圧電基板と
    共働して前記第1の受波手段を規定する第1の受波用す
    だれ状電極と、前記圧電基板の他方の面に形成され、該
    圧電基板と共働して前記第2の受波手段を規定する第2
    の受波用すだれ状電極と、前記圧電基板の一方の面に形
    成され、前記送波用すだれ状電極と前記第1の受波用す
    だれ状電極との間に配置されている第1の吸収体と、前
    記圧電基板の一方の面に形成され、前記第1の受波用す
    だれ状電極と前記第2の受波用すだれ状電極との間に配
    置されている第2の吸収体と、前記圧電基板の他方の面
    に形成され、前記第1の吸収体に対向する第3の吸収体
    と、前記圧電基板の他方の面に形成され、前記第2の吸
    収体に対向する第4の吸収体とを有する請求項2に記載
    の表面波速度分布測定装置。
  4. 【請求項4】前記送波手段を前記第1および第2の受波
    手段とともに前記試料に対して相対移動させる走査手段
    を備える請求項2または3に記載の表面波速度分布測定
    装置。
  5. 【請求項5】前記液体を収容し、該液体中に前記試料を
    保持する槽を備える請求項2,3または4に記載の表面波
    速度分布測定装置。
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