JP2859042B2 - セラミック回転体 - Google Patents

セラミック回転体

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JP2859042B2 JP4201155A JP20115592A JP2859042B2 JP 2859042 B2 JP2859042 B2 JP 2859042B2 JP 4201155 A JP4201155 A JP 4201155A JP 20115592 A JP20115592 A JP 20115592A JP 2859042 B2 JP2859042 B2 JP 2859042B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軸中心線上の両端面にセ
ンタ穴を有するセラミック回転体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の産業機械装置における超精
密回転体や高温雰囲気下で使用される回転体には、熱膨
張が小さく機械的強度および耐熱性、耐摩耗性に優れ、
かつ比重が小さいことから軽量化が実現できるセラミッ
クスの特徴を利用して、アルミナ(Al2 3 )、ジル
コニア(ZrO2 )、窒化珪素(Si3 4 )、サイア
ロン及び炭化珪素(SiC)等のセラミック焼結体を用
いたセラミック回転体が種々研究され提案されるように
なってきた。
【0003】一般に、この種のセラミック回転体、例え
ばターボチャージャーやガスタービン等に使用されるセ
ラミックローターやエアースピンドル等に代表される高
速回転体は、毎分数万〜十数万回転にも達する高速度で
回転することから、動バランスの良いことが要求されて
いる。
【0004】ところが、セラミック成形体は焼成収縮に
よる変形や寸法のバラツキを生じることから、焼成前後
でバランス調整を極めて厳密に行い、アンバランス量を
極力小さくしておく必要があった。
【0005】そこで、従来のセラミック回転体において
は、焼成後のセラミック回転体の回転軸両端面に金属等
の別部材を接着し、その略軸中心線上の前記別部材に穴
を穿設した後、該穴を結ぶ線を中心に回転させながらダ
イヤモンド砥石を使用して研削または研磨加工し、最終
のバランス調整を行うまでにアンバランス量を極力小さ
くすることが行われていた。
【0006】しかしながら、前記セラミック回転体では
最終のバランス調整を行う前に、接着した別部材をはず
したり、研削除去したりしなければならないために、逆
にアンバランス量が増加してしまいバランス調整ができ
ない場合を生じる他、ダイヤモンド砥石を使用する研削
または研磨加工が長時間に及ぶことから高コストになる
等、製造上に大きな問題があった。
【0007】そこで前記問題を解消せんとして、セラミ
ック成形体の軸中心線上の両端面に直径の異なる大小2
種類から成る穴を同軸状に穿設し、該穴で軸中心を固定
してセラミック成形体を回転させながら研磨加工するこ
とが提案されている(特開昭60−201003号公報
参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、極めて
脆いセラミック成形体を穿設加工して、その軸中心線上
の両端面に直径の異なる大小2種類から成る穴を同軸状
に設けた場合、特に前記小径の穿設加工時に該小径の穴
を起点とする微小なクラックが入り、焼成により大きな
割れに進展したり、焼成体を研削または研磨加工中に前
記穴からセラミック回転体が破壊したり、更にセラミッ
ク回転体として高速回転中に、残留する微小クラックや
割れからセラミック回転体自体が破壊したりして大事故
につながる恐れがあるため、予めセラミック成形体を静
水圧で加圧して成形体強度を向上させておくという極め
て複雑かつ大掛かりな前処理を施さなければならないと
いう課題があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は前記課題を解消せんとしてなさ
れたもので、その目的は、特別な前処理を施さなくとも
極めて脆いセラミック成形体にセンタ穴を穿設加工する
ことができ、該加工時にセンタ穴を起点とする微小なク
ラックが入ったりすることがなく、また、予め成形時に
センタ穴を一体的に形成しておいても、乾燥や仮焼、ま
たは焼成等の後工程でクラックが進展したり、焼成前後
の研削または研磨加工において、セラミック成形体やセ
ラミック焼結体が破壊したりする恐れがなく、高速回転
時においてもセンタ穴を起点とする破壊等の大事故につ
ながる恐れがないセラミック回転体を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミック回転
体は、軸中心線上の両端面に設けた先端が曲面を成すセ
ンタ穴の逃げ穴が2〜20°の逃げ穴角を持ち、該セン
タ穴の逃げ穴入口の直径dに対するセラミック回転体の
センタ穴を有する軸部の外径Dの比d/Dが0.2〜
0.3であり、更に前記端面から逃げ穴底部までの深さ
lに対する前記軸部の外径Dの比l/Dが0.3〜0.
5であることを特徴とするものである。
【0011】本発明における軸中心線上の両端面に穿設
した逃げ穴の角度が2〜20°に特定されるのは、該逃
げ穴角が2°未満では、穿設加工時にセンタ穴ドリルに
よりセラミック成形体の軸部に穴を押し広げる応力が作
用して軸部に割れを生じ、また、予め成形時に一体的に
センタ穴を形成する場合、センタ穴の成形型を離型する
際に、微小なクラックを生じ易く、前記各種の後工程で
センタ穴からの割れを生じるため好ましくない。
【0012】一方、前記逃げ穴角が20°を越えると、
穿設加工時にセンタ穴ドリルによるセラミック成形体の
軸方向の位置安定性が悪くなり好ましくない。
【0013】次に、逃げ穴の先端を従来の円錐形状にす
ると、穿設加工する時やセンタ穴成形型を成形体から離
す時に、円錐先端部に微小なクラックを発生し易いこと
から曲面が望ましく、該曲面は逃げ穴壁面から滑らかに
続くことがより望ましい。
【0014】また、センタ穴の逃げ穴入口の直径dに対
するセラミック回転体のセンタ穴を有する軸部の外径D
の比d/Dは、0.2〜0.3であることが望ましく、
該比d/Dが0.2未満では、後の各種製造工程におい
てセンタ穴の内部に付着したセラミック屑等をはじめと
する異物の除去が困難となり、他方、前記比d/Dが
0.3を越えると、穿設加工する時やセンタ穴成形型を
成形体から離す時に、逃げ穴の内壁から軸部の外表面に
達する大きなクラックが生じ易くなる。
【0015】更に、セラミック回転体の軸部端面から逃
げ穴底部までの深さlに対するセンタ穴部の軸外径Dの
比l/Dは、0.3〜0.5であることが望ましく、該
比l/Dが0.3未満では、センタ工具を受けるテーパ
ー面が十分に形成できなかったり、センタ工具の先端が
逃げ穴低部に接触して軸中心よりズレを生じ易くなり、
また、前記比l/Dが0.5を越えると、穿設加工する
時やセンタ穴成形型を成形体から離す際、逃げ穴部にク
ラックを生じ易くなる。
【0016】
【作用】本発明のセラミック回転体は、軸中心線上の両
端面に穿設した先端が曲面を成すセンタ穴の逃げ穴に2
〜20°の角度を設けると共に、センタ穴の逃げ穴入口
の直径dに対するセラミック回転体のセンタ穴を有する
軸部の外径Dの比d/D、及びセラミック回転体の軸部
端面から逃げ穴底部までの深さlに対するセンタ穴部の
軸外径Dの比l/Dを、それぞれ0.2〜0.3及び
0.3〜0.5の範囲に特定することにより、穿設加工
時やセンタ穴成形時に軸部やセンタ穴先端及び内壁に不
必要な応力が集中的に加わらず、成形型の離型もし易く
なる様に作用する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。
【0018】図1は、本発明のセラミック回転体をセラ
ミックラジアルタービンローターに適用した断面図であ
り、図2は本発明のセラミック回転体の要部を拡大した
一部破断図である。
【0019】図1において、1はコーン形状のハブ部1
1の周りに窒化珪素質焼結体から成る翼部12を有し、
軸部9、10の軸中心線上の両端面2、3にセンタ穴
4、5を有するセラミックラジアルタービンローターを
成すセラミック回転体である。
【0020】前記セラミックラジアルタービンローター
を成すセラミック回転体1の成形体は、泥漿鋳込成形
法、射出成形法や粉末加圧成形法等周知の成形法で成形
することができるが、成形体の密度は各部で異なる不均
一なものとなっている。
【0021】そのために、本発明では成形体の軸中心線
上の両端面に設けたセンタ穴の逃げ穴に角度を設け、該
逃げ穴の先端を曲面にすると共に、センタ穴の逃げ穴入
口の直径dに対するセラミック回転体のセンタ穴を有す
る軸部の外径Dの比d/D、及びセラミック回転体の軸
部端面から逃げ穴底部までの深さlに対するセンタ穴部
の軸外径Dの比l/Dを特定することにより、欠陥のな
いセンタ穴を形成することができる。
【0022】かくして形成した二つのセンタ穴で軸中心
を固定し、成形体を回転させれば簡単に、ダイヤモンド
砥石でなくとも一般のグリーンコランダム砥石でも研削
・研磨加工することができ、加工時間の短縮と低コスト
が実現できる上、研削・研磨加工後の成形体は焼成して
もきわめて動バランスの良いセラミック回転体が得られ
る。
【0023】次に、泥漿鋳込成形法によりセンタ穴を一
体的に成形した窒化珪素質焼結体から成るセラミック回
転体を評価試料とし、センタ穴の形状について、図2に
基づき詳細に説明する。
【0024】図2において、セラミック回転体の一方の
直径がDで示される軸部9の端面2に形成した深さlの
センタ穴4の断面を示し、センタ穴4は逃げ穴6が逃げ
穴角7を持ち、逃げ穴6の入口が直径dで、その先端が
曲面8を形成している。
【0025】評価試料として窒化珪素(Si3 4 )を
主成分とし、焼結助剤としてイットリア(Y2 3 )及
び酸化タングステン(WO3 )等を含有し、有機バイン
ダ、分散剤及び溶媒を添加混合した泥漿を、両端面に図
2に示した各部を表1の寸法に形成したセンタ穴形状の
凸部を有する外径15mm、長さ50mmの棒状成形型
に鋳込み、乾燥終了後、仮焼終了後及び焼成終了後に、
センタ穴を実体顕微鏡で目視検査するとともに、仮焼終
了後及び焼成終了後の評価試料には蛍光浸透探傷法でも
クラック等の欠陥の有無を検査した。なお、逃げ穴先端
の形状だけを約120°の円錐状に形成したものを比較
例とした。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】図3は、その他の実施例として本発明のセ
ラミック回転体をセラミック軸流型ローターに適用した
断面図であり、円板状のハブ部13の周りに窒化珪素質
焼結体から成る翼部14を有し、軸部9、10の軸中心
線上の両端面2、3に本発明の寸法形状のセンタ穴4、
5を形成したセラミック回転体1を成すセラミック軸流
型ローターであり、仮焼終了後及び焼成終了後のいずれ
においてもセンタ穴に異常は認められなかった。
【0028】また、図4はその他の実施例として本発明
のセラミック回転体を、エアースピンドルに適用した断
面図であり、アルミナ質焼結体又は炭化珪素質焼結体か
ら成る軸部9、10の軸中心線上の両端面2、3に、本
発明の寸法形状のセンタ穴4、5を有するセラミック回
転体1であるエアースピンドルであり、仮焼終了後及び
焼成終了後のいずれにおいてもセンタ穴に異常は認めら
れなかった。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のセラミッ
ク回転体は軸中心線上の両端面に逃げ穴が2〜20°の
逃げ穴角を持ち、その先端が曲面を成すセンタ穴を有
し、センタ穴の逃げ穴入口の直径dに対するセラミック
回転体のセンタ穴を有する軸部の外径Dの比d/Dを、
0.2〜0.3の範囲とし、端面から逃げ穴底部までの
深さlに対するセラミック回転体のセンタ穴を有する軸
部の外径Dの比l/Dを、0.3〜0.5の範囲とした
ことから、特別な前処理を施さなくとも極めて脆いセラ
ミック成形体にセンタ穴を起点とする微小なクラックが
入ったりすることなく穿設加工することができ、また、
予め成形時にセンタ穴を一体的に形成しておいても、乾
燥や仮焼、または焼成等の後工程でクラックが進展した
り、焼成前後の研削または研磨加工において、セラミッ
ク成形体やセラミック焼結体が破壊したりする恐れがな
く、高速回転時においてもセンタ穴を起点とする破壊等
の大事故につながる恐れがない信頼性の高いセラミック
回転体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック回転体をセラミックラジア
ルタービンローターに適用した断面図である。
【図2】本発明のセラミック回転体の要部を拡大した一
部破断図である。
【図3】本発明のセラミック回転体をセラミック軸流型
ローターに適用した断面図である。
【図4】本発明のセラミック回転体をエアースピンドル
に適用した断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック回転体 2、3 端面 4、5 センタ穴 6 逃げ穴 7 逃げ穴角 8 曲面 9、10 軸部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック回転体の軸中心線上の両端面に
    設けた研削・研磨用のセンタ穴が、2〜20°の逃げ穴
    角を有し、該逃げ穴入口の直径dに対するセンタ穴を有
    する軸部の外径Dの比d/Dが0.2〜0.3であり、
    かつ前記端面から先端が曲面を成す逃げ穴底部までの深
    さlに対する前記軸部の外径Dの比l/Dが0.3〜
    0.5であることを特徴とするセラミック回転体。
JP4201155A 1992-07-28 1992-07-28 セラミック回転体 Expired - Fee Related JP2859042B2 (ja)

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