JP2857778B2 - ゲル状ポリアクリルアミド板の乾燥保存法 - Google Patents
ゲル状ポリアクリルアミド板の乾燥保存法Info
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- JP2857778B2 JP2857778B2 JP1308564A JP30856489A JP2857778B2 JP 2857778 B2 JP2857778 B2 JP 2857778B2 JP 1308564 A JP1308564 A JP 1308564A JP 30856489 A JP30856489 A JP 30856489A JP 2857778 B2 JP2857778 B2 JP 2857778B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電気泳動用分子ふるい素材または電気泳動
後の試料分布支持体としてのゲル状ポリアクリルアミド
板を透明プラスチック平板となるように乾燥及び硬化す
る方法に関するものである。
後の試料分布支持体としてのゲル状ポリアクリルアミド
板を透明プラスチック平板となるように乾燥及び硬化す
る方法に関するものである。
従来の技術 ポリアクリルアミドゲルは生物学や化学あるいは医療
などの分野において、生体物質や化学物質を分離分析す
るための分子ふるい素材、特に電気泳動法による試料成
分の分布支持体として最もよく用いられている。
などの分野において、生体物質や化学物質を分離分析す
るための分子ふるい素材、特に電気泳動法による試料成
分の分布支持体として最もよく用いられている。
二次元電気泳動法における素材としてのポリアクリル
アミドゲルは通常厚さ1〜2mm程度、面積10数cm四方程
度の平板状のものが望まれる。この場合、分析のたびに
このような平板状ゲルを調製することは多大の労力と時
間とを要するものであるため、予め作成されたゲルを用
いると好都合であるが、市販のものは厚さ1mm程度のも
のが多い。
アミドゲルは通常厚さ1〜2mm程度、面積10数cm四方程
度の平板状のものが望まれる。この場合、分析のたびに
このような平板状ゲルを調製することは多大の労力と時
間とを要するものであるため、予め作成されたゲルを用
いると好都合であるが、市販のものは厚さ1mm程度のも
のが多い。
発明が解決しようとする課題 したがって、厚さ1mm以上の平板状ゲルを得るために
は、結局電気泳動の実施ごとに煩さな調製作業を行う必
要があった。
は、結局電気泳動の実施ごとに煩さな調製作業を行う必
要があった。
一方、電気泳動を行った後の平板状ゲルはこの面内に
分布した試料を染色して測定するものであるが、従来は
保存のため、いわゆるゲルドライヤの減圧チャンバ内に
おいて下面に濾紙などを貼り付け、減圧下において加熱
乾燥し、硬化させていた。しかしながら、この乾燥法に
おいては、ゲルは乾燥中収縮し、貼り付けられた濾紙
との関係で折れてしまうことを防止するため、厚さが約
1、2mmに制限されることになる。ゲルは濾紙などの
支持体に貼り付け、圧迫しながら乾燥するため、濾紙に
張り付いたままとなり、もとのゲル板形状に復元できな
い。ゲル板は乾燥時に平板型であっても、濾紙に貼り
付いている保存中に丸く撓むことが多く、不便である。
ゲルドライヤは、真空ポンプだけでなく、ヒータ及び
温度制御回路やタイマを必要とし、比較的高価となる。
等の欠点がある。
分布した試料を染色して測定するものであるが、従来は
保存のため、いわゆるゲルドライヤの減圧チャンバ内に
おいて下面に濾紙などを貼り付け、減圧下において加熱
乾燥し、硬化させていた。しかしながら、この乾燥法に
おいては、ゲルは乾燥中収縮し、貼り付けられた濾紙
との関係で折れてしまうことを防止するため、厚さが約
1、2mmに制限されることになる。ゲルは濾紙などの
支持体に貼り付け、圧迫しながら乾燥するため、濾紙に
張り付いたままとなり、もとのゲル板形状に復元できな
い。ゲル板は乾燥時に平板型であっても、濾紙に貼り
付いている保存中に丸く撓むことが多く、不便である。
ゲルドライヤは、真空ポンプだけでなく、ヒータ及び
温度制御回路やタイマを必要とし、比較的高価となる。
等の欠点がある。
本発明者は、先にゲル状ポリアクリルアミド平板の保
存における上記のような欠点を解消し、ゲル状ポリアク
リルアミド平板を簡単な方法において容易に乾燥及び保
存し、かつその原形を容易に復元させることができるよ
うにした乾燥及び保存法を開発し、すでに特許出願して
いる(特開平1−147356号)。
存における上記のような欠点を解消し、ゲル状ポリアク
リルアミド平板を簡単な方法において容易に乾燥及び保
存し、かつその原形を容易に復元させることができるよ
うにした乾燥及び保存法を開発し、すでに特許出願して
いる(特開平1−147356号)。
上記先願の方法は、電気泳動用分子ふるい素材または
電気泳動後の試料分布支持体としてのゲル状ポリアクリ
ルアミド平板を、有機溶媒を主成分とする液中に浸漬し
てゲル中の水分を溶離させ、次いで前記ポリアクリルア
ミド平板を液中から取り出し、減圧下において実質上そ
の全面の通気性を損なうことなく、平板形状を維持しつ
つ乾燥及び硬化させるものである。しかしながら、この
先願の方法により乾燥硬化させたポリアクリルアミド板
は、不透明白色又は半透明であり、電気泳動実施後に適
用した場合、板内に分布した試料成分をそのまま(ゲル
状に戻さずに)デンシトメータで濃度測定したり、投影
観察や焼付けを行ったりするという写真処理には不向き
である。
電気泳動後の試料分布支持体としてのゲル状ポリアクリ
ルアミド平板を、有機溶媒を主成分とする液中に浸漬し
てゲル中の水分を溶離させ、次いで前記ポリアクリルア
ミド平板を液中から取り出し、減圧下において実質上そ
の全面の通気性を損なうことなく、平板形状を維持しつ
つ乾燥及び硬化させるものである。しかしながら、この
先願の方法により乾燥硬化させたポリアクリルアミド板
は、不透明白色又は半透明であり、電気泳動実施後に適
用した場合、板内に分布した試料成分をそのまま(ゲル
状に戻さずに)デンシトメータで濃度測定したり、投影
観察や焼付けを行ったりするという写真処理には不向き
である。
本発明は、上記先願発明における比較的厚い(3mm以
上)板への適用性や、効率性及び安定保存性等を維持も
しくは、さらに高めた上で、ゲル状ポリアクリルアミド
平板を、透明なプラスチック平板として乾燥する方法を
提供しようとするものである。
上)板への適用性や、効率性及び安定保存性等を維持も
しくは、さらに高めた上で、ゲル状ポリアクリルアミド
平板を、透明なプラスチック平板として乾燥する方法を
提供しようとするものである。
課題を解決するための手段 上記の目的を達するにあたり、本発明は、 a) ゲル状ポリアクリルアミド板を、有機溶媒を主成
分とする液中に浸漬してゲル中の水分を溶離させ、 b) 前記ポリアクリルアミド板を液中から取出し、こ
れをその板面から剥離可能な一対の可撓性網シートによ
り挟んだ状態で、基台から所定の高さに維持された網状
又は格子状の通気性支持台上に横たえて支持することに
より乾燥・固化し、 c) 前記乾燥・固化後のポリアクリルアミド板を、数
10〜90℃に加熱して軟化させ、 d) 前記加熱を行った後のポリアクリルアミド板を、
一枚の金属平板上に横たえ、かつ延展してから、別の金
属平板をさらにそのバインダに乗せることにより直正
し、 e) これによって、分子ふるい素材又は試料分布支持
体としてのポリアクリルアミド板を、透明平板状におい
て保存できるようにするゲル状ポリアクリルアミド板の
乾燥保存法を構成したものである。
分とする液中に浸漬してゲル中の水分を溶離させ、 b) 前記ポリアクリルアミド板を液中から取出し、こ
れをその板面から剥離可能な一対の可撓性網シートによ
り挟んだ状態で、基台から所定の高さに維持された網状
又は格子状の通気性支持台上に横たえて支持することに
より乾燥・固化し、 c) 前記乾燥・固化後のポリアクリルアミド板を、数
10〜90℃に加熱して軟化させ、 d) 前記加熱を行った後のポリアクリルアミド板を、
一枚の金属平板上に横たえ、かつ延展してから、別の金
属平板をさらにそのバインダに乗せることにより直正
し、 e) これによって、分子ふるい素材又は試料分布支持
体としてのポリアクリルアミド板を、透明平板状におい
て保存できるようにするゲル状ポリアクリルアミド板の
乾燥保存法を構成したものである。
作用 本発明の方法においては、ポリアクリルアミドが本来
プラスチックであることを利用し、一定の有機溶媒を含
む溶液中に浸漬することによりゲル中の水分を溶離させ
ることにより、最終収縮寸法にかなり近い大きさまで平
板状の形態を維持して収縮させた後、さらに表面の通気
性を損なうことなくその平板形状を維持し、常温で乾燥
するとともに、最終的に加熱および軟化させて、板を直
正するものであり、これによって面積は約1/2、体積は
約1/3に収縮し、完全に硬化した平板状の保存用ゲル板
が形成される。
プラスチックであることを利用し、一定の有機溶媒を含
む溶液中に浸漬することによりゲル中の水分を溶離させ
ることにより、最終収縮寸法にかなり近い大きさまで平
板状の形態を維持して収縮させた後、さらに表面の通気
性を損なうことなくその平板形状を維持し、常温で乾燥
するとともに、最終的に加熱および軟化させて、板を直
正するものであり、これによって面積は約1/2、体積は
約1/3に収縮し、完全に硬化した平板状の保存用ゲル板
が形成される。
この場合、先願発明では、真空減圧下においてゲル板
の乾燥を促進していたが、本発明では脱水後のゲル板を
自然乾燥又は真横からの微風によって乾燥するため、ゲ
ルを構成するコロイド粒子の網目構造が分散媒である水
の急激な蒸発にともなって不自然に変形しないこと等が
透明性を維持しうる一因ではないかと考えられる。
の乾燥を促進していたが、本発明では脱水後のゲル板を
自然乾燥又は真横からの微風によって乾燥するため、ゲ
ルを構成するコロイド粒子の網目構造が分散媒である水
の急激な蒸発にともなって不自然に変形しないこと等が
透明性を維持しうる一因ではないかと考えられる。
実施例の説明 実施例においては、電気泳動後、染色した後脱色した
ゲル、又は単純にゲル化した状態のものであって、濃度
18%(モノアクリルアミド:ビスアクリルアミド=180:
5)のものを用い、次の手順に従ってプラスチック化し
たものである。
ゲル、又は単純にゲル化した状態のものであって、濃度
18%(モノアクリルアミド:ビスアクリルアミド=180:
5)のものを用い、次の手順に従ってプラスチック化し
たものである。
(i) 生ゲルの溶液中浸漬 第1図において、二次元電気泳動用素材または電気泳
動後の試料分布支持体としてのゲル状ポリアクリルアミ
ド平板(1)は有機溶媒、好ましくはエタノールからな
り、またはこの有機溶媒と水との混合液からなる溶液
(2)を収容したバット(3)内に浸漬される。この場
合、ポリアクリルアミド平板(1)はその平板形状を維
持した状態において全面がほぼ均等に溶液(2)に接す
るようバット(3)の底部に配置されたサラン網(4)
上に支持される。この状態において、ポリアクリルアミ
ドゲルはその水分を混合液中に放出し、若干の有機溶媒
を受け入れつつ収縮し、ゲル状を維持した比較的固い透
明板となる。
動後の試料分布支持体としてのゲル状ポリアクリルアミ
ド平板(1)は有機溶媒、好ましくはエタノールからな
り、またはこの有機溶媒と水との混合液からなる溶液
(2)を収容したバット(3)内に浸漬される。この場
合、ポリアクリルアミド平板(1)はその平板形状を維
持した状態において全面がほぼ均等に溶液(2)に接す
るようバット(3)の底部に配置されたサラン網(4)
上に支持される。この状態において、ポリアクリルアミ
ドゲルはその水分を混合液中に放出し、若干の有機溶媒
を受け入れつつ収縮し、ゲル状を維持した比較的固い透
明板となる。
(ii) 乾燥 上記のようにして形成された透明ポリアクリルアミド
平板(以下、“ゲル平板”と略称する場合がある。)は
バット(3)から取り出した後、その平板(1)の両面
に剥離可能な一対の可撓性網シート、この場合もサラン
網(4′)を重ね、このサンドイッチ状にしたものを、
第2図に示すような通気性支持台(5)上に横たえて支
持する。この通気性支持台(5)は網状又は格子状の通
気性上面(6)を実験台、その他の基台面(7)から所
定の高さに維持し、ポリアクリルアミド平板(1)の下
面をも上面と同様な通気状態におくための支持構造であ
り、便宜的には試験管立て等を用いることができる。ゲ
ル平板の乾燥を促進するためには、扇風機、その他の送
風手段が用いられるが、これはヒータを用いない室温送
風手段であり、及び矢印(8)で示すように、ゲル平板
の真横からその板面に平行した風を送るものとする。こ
の風速は、いわゆる扇風機における“微風”もしくは
“弱風”モードに対応する程度でよく、その場合、乾燥
工程は数時間で終了する。
平板(以下、“ゲル平板”と略称する場合がある。)は
バット(3)から取り出した後、その平板(1)の両面
に剥離可能な一対の可撓性網シート、この場合もサラン
網(4′)を重ね、このサンドイッチ状にしたものを、
第2図に示すような通気性支持台(5)上に横たえて支
持する。この通気性支持台(5)は網状又は格子状の通
気性上面(6)を実験台、その他の基台面(7)から所
定の高さに維持し、ポリアクリルアミド平板(1)の下
面をも上面と同様な通気状態におくための支持構造であ
り、便宜的には試験管立て等を用いることができる。ゲ
ル平板の乾燥を促進するためには、扇風機、その他の送
風手段が用いられるが、これはヒータを用いない室温送
風手段であり、及び矢印(8)で示すように、ゲル平板
の真横からその板面に平行した風を送るものとする。こ
の風速は、いわゆる扇風機における“微風”もしくは
“弱風”モードに対応する程度でよく、その場合、乾燥
工程は数時間で終了する。
一方、上記のような送風を伴わない場合の自然乾燥に
おいては、ゲル平板(1)の厚さが1mm程度であれば約2
4時間、2mm程度であれば約2日間、3mm程度であれば約
3日間である。
おいては、ゲル平板(1)の厚さが1mm程度であれば約2
4時間、2mm程度であれば約2日間、3mm程度であれば約
3日間である。
(iii) 直正 上記の乾燥工程において、ゲル平板(1)はほぼ平坦
な形状で乾燥及び固化するが、通常は若干の歪みが生ず
ることは避けられない。したがって、これを直平板とし
て矯正(直正)するために適当な加温矯正が行われる。
すなわち、第3図において、ゲル平板(1)は平袋状の
ソフトバインダ(9)に収納し、かつこのバインダ中の
空気を実質的に排除した後、その開口部ファスナ(10)
を締結する。このバインダ(9)は適当なバット(11)
内に満たした数10〜90℃、好ましくは約70〜80℃の湯
(12)中に垂直に浸漬して、ゲル平板(1)が湯(12)
内に完全に没するようにする。この状態で1分〜数分間
放置すると、ゲル平板(1)は湯温により加熱されて柔
らかくなる。なお、湯温が90℃を越えると、ゲル中の溶
剤又は水分が沸騰もしくは急激に蒸発してゲル構造を変
形するおそれがある。
な形状で乾燥及び固化するが、通常は若干の歪みが生ず
ることは避けられない。したがって、これを直平板とし
て矯正(直正)するために適当な加温矯正が行われる。
すなわち、第3図において、ゲル平板(1)は平袋状の
ソフトバインダ(9)に収納し、かつこのバインダ中の
空気を実質的に排除した後、その開口部ファスナ(10)
を締結する。このバインダ(9)は適当なバット(11)
内に満たした数10〜90℃、好ましくは約70〜80℃の湯
(12)中に垂直に浸漬して、ゲル平板(1)が湯(12)
内に完全に没するようにする。この状態で1分〜数分間
放置すると、ゲル平板(1)は湯温により加熱されて柔
らかくなる。なお、湯温が90℃を越えると、ゲル中の溶
剤又は水分が沸騰もしくは急激に蒸発してゲル構造を変
形するおそれがある。
ここで、ソフトバインダ(10)を湯(12)中から引き
上げ、第4図に示すように、平坦な金属板(13)上に横
たえ、ゲル平板(1)をバインダ(9)の外側から手操
作により歪みを矯正して偏平状にし、この上からさら
に、おもし用の別の金属板(14)を乗せ、1分〜数分間
放置する。(なお、ゲル板の加熱を湯中でなく、空気中
で行う場合、ソフトバインダは不要であり、加熱後のゲ
ル板はそのまま金属板に挟み込むことができる。) このようにすると、ゲル平板(1)は金属板(13)、
(14)により熱を奪われ、かつ偏平に維持された状態で
硬化する。
上げ、第4図に示すように、平坦な金属板(13)上に横
たえ、ゲル平板(1)をバインダ(9)の外側から手操
作により歪みを矯正して偏平状にし、この上からさら
に、おもし用の別の金属板(14)を乗せ、1分〜数分間
放置する。(なお、ゲル板の加熱を湯中でなく、空気中
で行う場合、ソフトバインダは不要であり、加熱後のゲ
ル板はそのまま金属板に挟み込むことができる。) このようにすると、ゲル平板(1)は金属板(13)、
(14)により熱を奪われ、かつ偏平に維持された状態で
硬化する。
以上の工程を実施することにより、ポリアクリルアミ
ドの透明なプラスチック平板が得られ、これはソフトバ
インダ(9)から取出して、ポリ袋などの包装手段に封
入して長く保存することができる。この場合、特に室温
下において、写真アルバム帳などのような厚紙冊子に挟
んでおくと、長期間安定に保存することができる。
ドの透明なプラスチック平板が得られ、これはソフトバ
インダ(9)から取出して、ポリ袋などの包装手段に封
入して長く保存することができる。この場合、特に室温
下において、写真アルバム帳などのような厚紙冊子に挟
んでおくと、長期間安定に保存することができる。
上記の各工程を実施するにあたって注意すべきこと
は、乾燥工程以降において、ゲル平板を湿らさないこ
と、乾燥中において、ゲル平板の上面と下面との通気
状態の相違、その他の誤操作、例えば第5図に示すよう
に、実質的に基台面(7)上で乾燥させたことにより顕
著な湾曲が生じた場合でも手で押さえる等外力により平
坦化しようとしてはならない。すなわち、この段階で
は、ゲル板は相当の硬さを有しているため、割れるおそ
れがあるからである。(次の直正工程において、十分に
矯正可能である。) 脱色したゲルの場合、直前に用いた脱色液が40〜45%
メタノール又はエタノールを含むものであれば、これを
第1工程における溶液浸漬と等価であると考えて、脱色
液から引き上げた後、直接第2工程の乾燥処理に入って
もよい。但し、その場合には、脱色液に含まれた若干量
の酢酸がゲル中に残存するため、厳密を期す場合には、
脱色後さらに第1工程(エタノール溶液への浸漬処理)
を施した方がよい。
は、乾燥工程以降において、ゲル平板を湿らさないこ
と、乾燥中において、ゲル平板の上面と下面との通気
状態の相違、その他の誤操作、例えば第5図に示すよう
に、実質的に基台面(7)上で乾燥させたことにより顕
著な湾曲が生じた場合でも手で押さえる等外力により平
坦化しようとしてはならない。すなわち、この段階で
は、ゲル板は相当の硬さを有しているため、割れるおそ
れがあるからである。(次の直正工程において、十分に
矯正可能である。) 脱色したゲルの場合、直前に用いた脱色液が40〜45%
メタノール又はエタノールを含むものであれば、これを
第1工程における溶液浸漬と等価であると考えて、脱色
液から引き上げた後、直接第2工程の乾燥処理に入って
もよい。但し、その場合には、脱色液に含まれた若干量
の酢酸がゲル中に残存するため、厳密を期す場合には、
脱色後さらに第1工程(エタノール溶液への浸漬処理)
を施した方がよい。
発明の効果 このようにして得られたポリアクリルアミド平板は、
前述したように、ポリ袋に密閉しておけば室温下におい
て格別の乾燥剤を用いることなく長期間保存することが
できる。そして、この保存中に歪みが生じたときは、前
記の直正工程を繰り返せばよいわけである。
前述したように、ポリ袋に密閉しておけば室温下におい
て格別の乾燥剤を用いることなく長期間保存することが
できる。そして、この保存中に歪みが生じたときは、前
記の直正工程を繰り返せばよいわけである。
プラスチック化したポリアクリルアミド平板は、水又
は40〜45%エタノール中に浸漬すると、再びゲル状に戻
る。このようなゲル−プラスチックの転移は可逆的に何
度でも行われる。
は40〜45%エタノール中に浸漬すると、再びゲル状に戻
る。このようなゲル−プラスチックの転移は可逆的に何
度でも行われる。
第1図はゲル板の溶液浸漬工程を示す容器断面図、 第2図は乾燥工程を示す断面図、 第3図は直正工程の第1段階を示す両側部破断正面図、 第4図は直正工程の第2段階を示す断面図、 第5図はゲル板乾燥工程において不所望な湾曲が生じた
場合の部分断面図である。 (1)……ポリアクリルアミド平板 (2)……浸漬溶液 (3)、(11)……バット (4)、(4′)……サラン網 (5)……通気性支持台 (6)……通気性上面 (7)……基台面 (8)……風向矢印 (9)……ソフトバインダ (10)……開口部ファスナ (12)……湯 (13)、(14)……金属板
場合の部分断面図である。 (1)……ポリアクリルアミド平板 (2)……浸漬溶液 (3)、(11)……バット (4)、(4′)……サラン網 (5)……通気性支持台 (6)……通気性上面 (7)……基台面 (8)……風向矢印 (9)……ソフトバインダ (10)……開口部ファスナ (12)……湯 (13)、(14)……金属板
Claims (2)
- 【請求項1】a) ゲル状ポリアクリルアミド板を、有
機溶媒を主成分とする液中に浸漬してゲル中の水分を溶
離させ、 b) 前記ポリアクリルアミド板を液中から取出し、こ
れをその板面から剥離可能な一対の可撓性網シートによ
り挟んだ状態で、基台から所定の高さに維持された網状
又は格子状の通気性支持台上に横たえて支持することに
より乾燥・固化し、 c) 前記乾燥・固化後のポリアクリルアミド板を、数
10〜90℃に加熱して軟化させ、 d) 前記加熱を行った後のポリアクリルアミド板を、
一枚の金属平板上に横たえ、かつ延展してから、別の金
属平板をさらにその上に乗せることにより直正し、 e) これによって、分子ふるい素材又は試料分布支持
体としてのポリアクリルアミド板を、透明平板状におい
て保存できるようにすることを特徴とするゲル状ポリア
クリルアミド板の乾燥保存法。 - 【請求項2】前記剥離可能な一対の可撓性網シートによ
り挟んだポリアクリルアミド板を、網状又は格子状支持
台に横たえて支持し、乾燥・固化する段階において、前
記ポリアクリルアミド板にその真横から板面に平行した
風を送り、乾燥を早めることを特徴とする請求項1記載
の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1308564A JP2857778B2 (ja) | 1989-11-27 | 1989-11-27 | ゲル状ポリアクリルアミド板の乾燥保存法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1308564A JP2857778B2 (ja) | 1989-11-27 | 1989-11-27 | ゲル状ポリアクリルアミド板の乾燥保存法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03167469A JPH03167469A (ja) | 1991-07-19 |
JP2857778B2 true JP2857778B2 (ja) | 1999-02-17 |
Family
ID=17982542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1308564A Expired - Lifetime JP2857778B2 (ja) | 1989-11-27 | 1989-11-27 | ゲル状ポリアクリルアミド板の乾燥保存法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2857778B2 (ja) |
-
1989
- 1989-11-27 JP JP1308564A patent/JP2857778B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03167469A (ja) | 1991-07-19 |
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