JP2856790B2 - 波動発電装置 - Google Patents

波動発電装置

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JP2856790B2 JP1308286A JP30828689A JP2856790B2 JP 2856790 B2 JP2856790 B2 JP 2856790B2 JP 1308286 A JP1308286 A JP 1308286A JP 30828689 A JP30828689 A JP 30828689A JP 2856790 B2 JP2856790 B2 JP 2856790B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、波によって上下動するフロートの運動を利
用して、電力を発生する波動発電装置に関する。
[従来の技術] 海上に設置したブイ等のフロートと波とが相対的に上
下動する運動を利用して発電する装置としては、特開昭
47−22099,54−59743,56−12064,58−183872,60−23056
7,61−226572,62−41974号公報等によって公知である。
ここで、上記公報によって提案されている波動発電装
置の代表例を、第5図,第6図に示す。
第5図では、下面を水中に開放した空気ピストン室20
0を海上に設置し、その上端開口部202にタービン204を
設けると共に、そのタービン204の回転により発電機206
を駆動するものである。この装置の発電原理は、空気ピ
ストン室200の内外の水位が、波によって落差Hを生ず
るので、この落差Hに起因して前記空気ピストン室200
内外の気圧が創意することを利用して、前記タービン20
4を駆動するものである。
一方、第6図に示す波動発電装置は、海底に打ち込ん
だ支柱210に対して、水面近傍にて上下動可能なブイ212
を設けている。発電機を内蔵する格納室214は、前記支
柱210の上端に固定され、スライドロッド216,216を介し
て前記ブイ212を上下動自在に支持している。前記スラ
イドロッド216,216と一体的に上下動可能なラック218,2
18が、前記格納室214内部に設けられると共に、このラ
ック218,218に対して噛合するピニオンギア220,220が設
けられている。そして、波によっては前記ブイ212が上
下動すると、この上下動はスライドロッド216,216を介
してラック218,218に伝達され、このラックの移動によ
ってピニオンギア220,220を回転することで、図示しな
い発電機を駆動するものである。
[発明が解決しようとする課題] 第5図に示す波動発電装置では、空気ピストン室200
内の圧力の変動を利用して動力を発生させるものである
が、原理的にも前記落差Hが1mの場合に0.1気圧の差圧
しか生じず、かつ、タービン204が配設される部分の径
が大きいとタービン204を回転駆動する圧力が少なくな
り、径が小さいと一サイクルにて空気ピストン室200内
の空気が抜けきらず、また、空気ピストン室200内に入
る際の水の抵抗,空気ピストンの慣性などに起因して、
装置が大がかりの割には発生するエネルギパワーが少な
いという問題があった。また、この波動発電装置を、津
波対策等に対処するため海上にて固定するためには、莫
大な費用がかかるという問題であった。
この点、第6図に示すようにブイ等のフロートを利用
する場合には、例えば1m3の海水を排除できるフロート
を設置した場合に、1.1tの浮力が生じ、このうちの有効
波動浮力を利用することにより、かなりの発電エネルギ
ーが得られる点で優れている。
しかしながら、第6図に示す波動発電装置にあって
は、ブイ212を海上に固定するために、海底に対して支
柱210を打ち込み固定しなければならず、このための作
業が大がかりとなり、費用が膨大となる問題を有する。
さらに、海上の水位は干潮,満潮により異なり、かつ
この際の波動をも考慮すると、海上の水位は年間で5mほ
ど相違することがある。この際、第6図に示す波動発電
装置において年間を通じて波動を利用した発電を行うた
めには、前記ラック218の有効歯部長さを5m付近まで確
保しなければならず、このような装置を構成することは
実用上不可能である。
そこで、本発明の目的とするところは、比較的小スペ
ースの装置でありながら、干潮時,満潮時にあっても波
動によるフロートの上下動を利用した発電を効率良く行
うことができ、しかも、水域への設置作業が容易であ
り、設置費用を大幅に低減することができる波動発電装
置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、フロートと、 下端が重りによって水域底部に配置され、前記フロー
トを水域内に牽引する紐状又は帯状の牽引部材と、 前記フロートに固定され、前記牽引部材の上端側を巻
き取るリールと、 このリールに対してその巻き取り方向に回転トルクを
付与するトルク付与手段と、 波による前記フロートの上下動に伴う前記リールの正
逆回転のうち、一方向の回転のみを伝達する一方向伝達
クラッチと、 この一方向伝達クラッチの出力段側に設けられたフラ
イホイールと、 このフライホイールの回転に基づいて発電する発電機
と、 を有し、 前記フライホイールは、前記一方向伝達クラッチから
伝達される回転力によって回転される回転筐体を有し、 前記発電機は前記回転筐体の内部に配置され、かつ前
記発電機の回転子が前記回転筐体の固定されて回転され
ることを特徴とする。
[作 用] 本発明によれば、フロートを水域に設置するための牽
引部材は、その下端が重りによって水域底部に配置さ
れ、上端側はリールに巻取られると共に、トルク付与手
段によって牽引部材の巻取り方向に常時回転トルクが付
与されているので、この牽引部材を所定のテンションで
張架することができる。そして、この牽引部材に支持さ
れたフロートが波動によって上昇する際には、前記トル
ク付与手段によってたるむことなく前記リールが巻戻さ
れ、このフロートが波動によって下降する際にも、同様
にたるむことなくリールより巻取られるので、このフロ
ートの上下動を前記リールの回転駆動として確実に伝達
できる。そして、このリールの正逆回転のうちの一方向
の回転が一方向伝達クラッチを介してその出力側のフラ
イホイールに伝達され、このフライホイールの慣性を利
用した一方向の安定した回転により、効率のよい波動発
電を実現することが可能となる。
ここで、この波動発電装置を水域に設置するに際して
は、水域底部に対する支柱の打ち込み作業等は一切要せ
ず、牽引部材の下端に固定されている重りを水域に投入
することによってのみ実現可能であるので、従来よりも
その設置作業が大幅に簡易化され、設置コストも大幅に
低減できる。
また、牽引部材はトルク付与手段によってテンション
が与えられているので、この牽引部材が鉛直方向に張架
される位置にてフロートを配設固定でき、しかも、仮に
波等によってフロートが転倒したとしても、牽引部材の
巻込み力によって元の状態に復帰できるという効果もあ
る。
さらに、水域の水位が、干潮,満潮あるいは津波等に
よって大幅に変化したとしても、予めこの分を見込んで
牽引部材長さを設定しておけば、余分の長さの牽引部材
はリールに巻取ることにより小スペース化が可能とな
り、しかも水域が上昇した場合には索引部材を巻戻すこ
とにより水域内部の所定位置にフロートを設置すること
が可能となる。
[実施例] 以下、本発明を適用した波動発電装置の一実施例につ
いて、図面を参照して具体的に説明する。
まず、この波動発電装置の全体構成について、第2図
を参照して説明する。
同図において、海等の水域10にはフロート12が設置さ
れている。また、このフロート12を水域10の下方に向け
て牽引し、かつ、波によってこのフロート12を上下動自
在に牽引支持するための牽引部材14が設けられている。
この牽引部材14の途中には中間フロート18が設けられ、
本実施例ではこの中間フロート18の上側の牽引部材をワ
イヤー14aとし、下側の牽引部材14を鎖14bとして構成し
ている。尚、この牽引部材14としては後述するワイヤー
リール30に巻取り可能な紐状または帯状のものであれば
よく、かつ、所定のテンションに耐え得る引張り強度を
有するものであれば、他の種々の部材にて構成すること
ができる。
前記鎖14bの下端側には、重りとしての碇16が接続さ
れ、牽引部材14の下端側は水底10bの一ヵ所にて固定さ
れることになる。
前記フロート12の上側には、前記ワイヤーリール30,
発電機等を搭載する格納室20が設けられ、さらにこの格
納室20の上側に波動発電によって点灯される電球22が設
けられている。
次に、前記フロート12および格納室20内部の構成につ
いて、第3図を参照して説明する。
前記フロート12は、高さh=20cm,直径d=90cmの円
筒形にて構成され、その中心部には下面側の口径を大と
し、上面側の口径を小とするテーパー状に連通する逃げ
部12aが形成され、前記中間フロート18を格納可能とし
ている。この中間フロート18の下面側に形成されたフラ
ンジ18aは、前記フロート12の逃げ部12aの下端周縁と当
接することにより、フロート12の下降移動時のストッパ
として作用することになる。
フロート12の上端側に設置される前記格納室20は、円
板状の基台20aを有するほぼ円錘形状にて形成され、前
記基台20aの中心部には前記ワイヤー14aを挿通する孔20
bを有すると共に、この孔20bを液密にシールするための
シール部材20cが設けられている。
次に、前記格納室20内部であって、基台20aの上方に
固定された発電ボックス32の詳細について第1図を参照
して説明する。
前記ワイヤー14aの上端側を巻取るためのワイヤーリ
ール30は、前記発電ボックス32に固定した軸34に対し
て、ベアリング36を介して回転自在に支持されている。
このワイヤーリール30は、その周面上に前記ワイヤー14
aの一端を固着することで、前記フロート12の上下動に
伴いこのワイヤー14aを巻取りあるいは巻戻し可能であ
る。さらに、ワイヤーリール30の両側には、巻取られる
ワイヤー14aの横方向のズレを防止するためのフランジ3
0a,30bが設けられている。
前記ワイヤーリール30は中空ドラム状に形成され、そ
の内部にゼンマイ40が設けられている。このゼンマイ40
の内側端40aは前記軸34に固定され、外側端40bは前記ワ
イヤーリール30に固定されている。このゼンマイ40は、
その巻き締め方向のスプリング力により前記ワイヤーリ
ール30をその巻取り方向に回転付勢するものであり、こ
の意味において、ゼンマイ40はワイヤーリール30に巻取
り方向の回転トルクを付与するトルク付与手段を構成す
るものである。
そして、本実施例では前記ワイヤリール30の回転を、
発電機80を内蔵した回転筐体70に伝達することによっ
て、波動発電を実現している。ここで、前記ワイヤリー
ル30と回転筐体70との間の回転伝達経路には、一方向伝
達クラッチ50が設けられ、前記ワイヤリール30の巻取り
時のみの回転をその出力段側である回転筐体70に伝達し
ている。
前記一方向伝達クラッチ50は、ワイヤリール30の一方
のフランジ30aに例えばねじ止め固定された回転駆動部5
2と、ベアリング58を介して前記軸34の周りに従動回転
可能な回転従動部56と、前記回転駆動部52および回転従
動部56とそれぞれ噛合し、回転駆動部52の一方方向の回
転のみを回転従動部56に伝達するクラッチギア54から構
成されている。尚、ワイヤーリール30のフランジ30aと
回転駆動部52との間に摩擦クラッチを設けてもよい。前
記回転従動部56の逆転を防止するため、前記発電ボック
ス32には固定片62,62がその内部に突出するように固定
され、この固定片62と前記回転従動部56との間に、回転
従動部56の逆転を防止するための逆転防止ギア64が設け
られている。
前記回転筐体70はフライホイールを兼ねるものであ
り、前記軸34の周りに回転可能となっている。この回転
筐体70を回転支持する機構として、回転筐体70の第1図
の左端側は前記回転従動部56との間に設けられたベアリ
ング72aによって支持され、その右端側は前記軸34に固
定された固定部34aの間に配置したベアリング72bによっ
て支持されている。前記回転従動部56と回転筐体70との
間は、ゼンマイ74によって凍結されている。すなわち、
このゼンマイ74の内側端74aは回転従動部56に固定さ
れ、その外側端74bは回転筐体70の内面に固定されてい
る。前記一方向伝達クラッチ50は、ワイヤリール30の両
方向の回転のうち一方のみを伝達するので、回転従動部
56は断続的に回転されることになる。しかし、その回転
従動部56の回転はゼンマイ74を介して回転筐体70に伝達
されるので、このゼンマイ74は回転筐体70を回転駆動す
るエネルギーが蓄積されることになり、かつ、回転筐体
70自体がフライホイールとして作用するので、回転従動
部46の断続回転にかかわらず、回転筐体70を安定した回
転にて一方向に駆動することが可能となる。
前記回転筐体70に内蔵される発電機80は、回転筐体70
の内面に固定されたマグネットとしての回転子82と、こ
の回転子82と対向する位置にて前記軸34に固定された固
定子84と、この固定子84より取出され、前記電球22に接
続される導線86とから構成される。
次に、作用について説明する。
本実施例の装置の特徴的構成としては、フロート12を
水域10に設定するために、ワイヤー14aおよび鎖14bから
なる牽引部材14を用いている。しかも、牽引部材14の上
端側のワイヤー14aは、ワイヤーリール30に巻回され、
かつ、このワイヤーリール30はゼンマイ40によってその
巻取り方向に常時回転付勢されている。従って、波によ
ってフロート12が上昇する際には、上記テンションによ
ってワイヤー14aはたるむことなく確実に巻戻れされ、
フロート12が波によって下降する際には、上記テンショ
ンによってワイヤー14aがたるむことなく巻取られるこ
とになり、フロート12の上下動をワイヤーリール30の回
転駆動として確実に伝達できる。
本実施例では、前記ワイヤーリール30の巻取りテンシ
ョンとして、ワイヤー14aを確実に巻取り,巻戻しでき
るテンション力に加えて、このフロート12が波動によっ
て水平方向に移動した場合にも、常に碇16の真上に垂直
復帰できるようなテンションをも与えている。この結
果、この波動発電装置を航行する船舶の航路ブイとして
用いた場合にも、その位置ずれを一定範囲に止めること
ができる。また、このようなテンションを与えることに
より、たとえフロート12が津波等によって横転したとし
ても、ワイヤー14aの巻取りテンションによりこれを元
の状態に復帰させるという作用も行うことができる。さ
らに、本実施例では上記ゼンマイ40の巻取りテンション
として、上記2つの作用を行うものに加えて、フロート
12を例えば静水状態で2/3だけ水没できるような張力を
与えるよう作用をさせている。すなわち、フロート12を
水域10の水面10a上に設置した場合には、このフロート1
2の自重によって排除できる体積に相当の海水の重量分
だけ浮力が作用することになるが、このフロート12をそ
れ以上水没させることにより、フロート12の2/3の体積
分の海水を排除できるので、その分後述する有効浮力を
多く確保できることになり、この結果波動発電エネルギ
ーを増大させることが可能となる。
そして、このような浮力による波動発電を行うに際し
て、フロート12の支持を牽引部材14を用いて行うことに
よる最大の効果は、下記の点にある。
すなわち、本実施例では、この波動発電装置を水域10
に設置するに際して、その下端に碇16を接続した牽引部
材14を海底に向けて投入するだけでよい点である。この
ように設置作業が簡易であるため、従来のように支柱を
海底にて打ち込みする作業等を一切要せず、しかもこの
ような波動発電装置を航路用ブイとして用いる場合に
は、波動発電装置を多数配設しなければならないため、
この数量をも考慮するとその設置費用の大幅なコストダ
ウンが実現できる。
さらに加えて、フロート12の支持として牽引部材14を
用いることにより、干潮,満潮の水位の差にかかわら
ず、常時確実な波動発電を行い得る。すなわち、海上の
水位は干潮,満潮を考慮すると年間を通じて3m程の差が
あり、しかも波の大きさをも考慮すると最大5mもの水位
の差が予想される。本実施例では、予め牽引部材14の長
さを干満潮,波の大小もを考慮して決定しておくことに
より、水位がいかに変化したとしても、波によるフロー
ト12の上下動をワイヤーリール30の回転駆動として利用
することが可能となる。この際、従来のようにラックの
長さを5m分確保するような大きなスペースを要せず、単
にワイヤ14aをワイヤーリール30に巻取るだけで対処で
きるため、この装置のスペースを従来よりも大幅に小型
化することができる。
次に、この波動発生装置により発生できる電力につい
て考案する。
(1)フロート容積 フロート12の直径dを90cmとし、その高さhを20cmと
した場合、フロート容積Aは下記の式より求められる。
A=π(0.9m/2)×0.2m=0.127m3 (2)フロート総浮力 フロート12の全高hが水没したと仮定し、海水基準を
1.1とすると、フロート総浮力Bは下記の式より求めら
れる。
B=A×1.1=0.135 t (3)総浮力への配分 波動発生装置の釣合い浮力=45kg スプリングチャージ浮力=45kg 有効波動浮力=45kg ここで、のスプリングチャージ浮力は、前記ワイヤ
ーリール30をゼンマイ40によってその巻取り方向に回転
付勢することにより消費される浮力である。
従って、前記総浮力Bのうち、自重釣合い浮力とスプ
リングチャージ浮力とが消費され、有効波動浮力による
上下動を波動発電エネルギーとして取り出すことが可能
となる。
(4)波動発電出力 上記の波動発電装置での発電出力は、簡易化された下
記の式によって換算できる。
一例として、最も小さい波動幅Cとして20cmの波動を
想定し、前記発電効率D=0.2,電力換算計数E=8.6と
した場合には、本実施例装置での出力は下記のようにな
る。
ここで、上記実施例装置での発電作用について説明す
ると、例えばフロート12が波によって上昇した場合に
は、ゼンマイ40によって巻取り方向に回転付勢されてい
るワイヤーリール30は、フロート12の上昇分だけワイヤ
ー14aを巻戻し、この結果ワイヤーリール30がその巻戻
し方向に回転されることになる。この際、ワイヤーリー
ル30の巻戻し方向の回転は、一方向伝達クラッチ50を介
在させることにより出力側の回転筐体70には伝達されな
い。また、ワイヤーリール30が巻戻し方向に回転するこ
とにより、ゼンマイ40はそのスプリングエネルギーを蓄
積するように巻きほぐされることになる。この後、波に
よってフロート12が下降すると、このフロート12の下降
駆動力およびゼンマイ40に蓄積されたスプリング力によ
り、ワイヤー14aはたるむことなくワイヤーリール30に
巻取られ、この結果フロート12の下降移動分だけワイヤ
ーリール30が巻戻し方向に回転することになる。そし
て、本実施例ではワイヤーリール30の巻取り方向の回転
を、一方向伝達クラッチ50の出力段である回転従動部56
に伝達する。この回転従動部56と回転筐体70とはゼンマ
イ74によって連結されているので、回転従動部56の回転
力はゼンマイ74を介して回転筐体70側に伝達されること
になるが、当初は前記ゼンマイ74に回転筐体74を回転駆
動するためのエネルギーとして蓄積されることになる。
ところで、フロート12が波によって上下動した際には、
ワイヤーリール30は両方向に回転することになるが、一
方向伝達クラッチ50を介在させることによって、ワイヤ
リール30の巻取り方向のみの回転が前記回転従動部56に
伝達されるので、この回転従動部56は断続回転すること
になる。しかしながら、回転従動部56の回転が停止され
た際には、前記ゼンマイ74に蓄積された回転エネルギー
を放出することにより、前記回転筐体70を同一方向に継
続して回転駆動することが可能となる。しかも、この回
転筐体70はフライホイールとして作用することになり、
慣性力を利用することで回転筐体70を安定して一方向に
回転駆動することが可能となる。この回転筐体70には、
発電機80の構成要素である回転子82が固定されているの
で、回転筐体70すなわち回転子82の一方向への安定回転
により、効率の良い波動発電を実現することが可能とな
る。
ここで、上記出力換算式の第2項において、波動幅を
2で除算している理由は、本実施例においてワイヤーリ
ール30の両方向の回転に基づき電力を発生するのではな
く、フロート12の下降移動による一方向の回転にのみ基
づき電力を発生させていることによる。また、第2項に
おいて で除算している理由は、繰返し生ずる波動の実効値を得
るためである。尚、実施例では、上記換算式において発
電効率を20%としているが、これは機械的効率が最悪の
場合を想定したものであり、この発電効率は50%付近ま
で改良可能である。
以上のように、本実施例によれば牽引部材14を使用す
ることにより小型化された波動発電装置でありながら、
波動幅を20cmと想定した場合にあっても、電極22を常時
点灯するに足る電力を発電することができる。
尚、このような波動発動を行うに際して、牽引部材14
の途中に中間フロート18を設けるものが好ましい。すな
わち、牽引部材14に付着物例えば昆布や貝などが付着し
た場合には、牽引部材14の重量が増加し、この増加によ
りワイヤー14aを他方に引っ張り、その分だけワイヤー
リール30に巻き取られているワイヤー14aが巻戻される
ことになってしまう。この結果、その戻された分に相当
する有効波動浮力が減少し、電力発生に損失が生ずるこ
とになってしまう。そこで、中間フロート18を上記牽引
部材14の途中に設け、牽引部材14の下端側の鎖14b等へ
の異物の付着による重量増加をこの中間フロート18によ
って打ち消すことによって、上述した発生電力の損失を
防止することが可能となる。従って、特に水深の深い場
所にこの波動発電装置を設置する場合に、上記の中間フ
ロート18を設けることが有用である。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上記実施例において発生される電力の一例を
示したが、この電力は、フロート12の容積を増大させる
ほど、あるいは上記換算式における発電効率Cを改善す
るほど大きくすることが可能であり、この発電装置によ
って単に電球22を点灯させること以外に、他の駆動用電
力として消費するものであってもよい。また、この波動
発電装置では、例えば電球22を点灯する場合にあって
は、その波動幅が最小の場合でも電球22を常時点灯でき
るだけのエネルギーが得られるように設計されるが、波
が大きい場合には、余剰の発生エネルギーを例えば蓄電
機などに蓄えておき、蓄えられたエネルギーを他の部材
の駆動の電力消費として用いるもののほか、波が静穏な
場合に、前記電球22に供給する予備のエネルギーとして
利用することも可能である。
また、本発明では、牽引部材を巻き取るリールに対し
て常時巻取方向に回転トルクを与えるトルク付与手段が
必要となるが、このトルク付与手段を付勢部材として構
成する場合には、上記実施例のようなゼンマイ40に限ら
ず、例えば第4図に示すような捩りコイルスプリング90
などを利用するものであってもよい。
第4図において、第1図〜第3図に示す部材と同一機
能を有する部材については同一符号を付してあり、前記
捩りコイルスプリング90の一端90aはワイヤリール30の
一方のフランジ30aに固定され、その他端90bは固定部側
に固定している。この結果、ワイヤーリール30を前記捩
りコイルスプリング90のスプリング力により常時その巻
取り方向に回転付勢することが可能となる。ワイヤリー
ル30の他方のフランジ30a側には、上記実施例と同様な
一方向伝達クラッチ50が設けられ、このクラッチ50の出
力段側にはギア付きフライホイール92が前記軸34に回転
可能に設けられている。そして、このギア付きフライホ
イール92を発電機94の入力ギア96と噛合させることによ
り、ギア付きフライホイール92の一方向への安定した回
転に基づき波動発電を可能としている。
尚、前記捩りコイルスプリング90としては、中空パイ
プに流体例えば油等を所定の圧力で封入することにより
ターンピッチを大きくするようにほぐした後、その後機
械的に前記ターンピッチを狭めるように巻締めることで
構成される回転エネルギー蓄積コイル(昭和62年5月30
日出願)を好適に採用することができる。
また、このトルク付与手段は必ずしも機械的エネルギ
ーの蓄積された付勢部材を用いるものに限らず、例えば
この波動発電装置によって発電される余剰エネルギーに
よってモータを駆動し、このモータによってワイヤーリ
ール30にその巻取方向に回転トルクを与えるよう構成し
てもよい。
さらに、本発明では、波によるフロー12の上下動に伴
うリール30の可逆回転のうち一方向回転が伝達されるフ
ライホイールに基づき、どのようにして発電を行うかは
任意に設計できる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、下記の効果を
奏することができる。
下端の重りによって水域底部に配置され、トルク付
与手段によって常時巻取り方向に回転トルクが与えられ
るリールにその上端が巻取られる牽引部材によって、フ
ロートを水域内に牽引するという構成により、所定のテ
ンション張架された牽引部材途中の前記フロートが、波
によって上下動した場合には、この移動をリールの回転
力として確実に伝達でき、このリールの両方向の回転の
うちの一方をフライホイールに伝達し、慣性を利用した
フライホイールの安定回転に基づき効率のよい波動発電
を行うことができる。
この波動発電装置の水域への設置は、下端に重りが
接続された牽引部材を水域に投ずるだけでよく、従来の
ように水域での支柱などの打ち込み作業を一切要せず、
設置コストを大幅に低減することができる。
牽引部材は所定のテンションにて張架されているの
で、波によってフロートが流されても牽引部材の張力に
より所定の位置に復帰させることができる。また、津波
などによってフロートが横転しても、前記牽引部材のテ
ンションによりこれを元の状態に復帰させることもでき
る。
干潮,満潮により水域の水位が大幅に変化しても、
牽引部材をリールに巻取り,巻戻すことにより、常時フ
ロートを水域の水位に対応した位置に設置でき、何らの
調整も要せずに年間を通してこの波動発電を実現するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を航行用のブイに適用した実施例装置
の主要部の概略断面図、 第2図は、上記実施例に装置におけるフロートおよび格
納室内部の断面図、 第3図は、実施例装置の全体構成を説明するための概略
説明図、 第4図は、トルク付与手段を捩りコイルスプリングにて
構成した変形例を示す概略断面図、 第5図,第6図は、それぞれ従来の波動発電装置を説明
するための概略説明図である。 10……水域、12……フロート、 14……牽引部材、16……重り、 18……中間フロート、20……格納室、 30……ワイヤーリール、 40,90……トルク付与手段(ゼンマイ,捩りコイルスプ
リング)、 50……一方向伝達クラッチ、 70,92……フライホイール、 80,94……発電機。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フロートと、 下端が重りによって水域底部に配置され、前記フロート
    を水域内に牽引する紐状又は帯状の牽引部材と、 前記フロートに固定され、前記牽引部材の上端側を巻き
    取るリールと、 このリールに対してその巻き取り方向に回転トルクを付
    与するトルク付与手段と、 波による前記フロートの上下動に伴う前記リールの正逆
    回転のうち、一方向の回転のみを伝達する一方向伝達ク
    ラッチと、 この一方向伝達クラッチの出力段側に設けられたフライ
    ホイールと、 このフライホイールの回転に基づいて発電する発電機
    と、 を有し、 前記フライホイールは、前記一方向伝達クラッチから伝
    達される回転力によって回転される回転筐体を有し、 前記発電機は前記回転筐体の内部に配置され、かつ前記
    発電機の回転子が前記回転筐体に固定されて回転される
    ことを特徴とする波動発電装置。
  2. 【請求項2】請求項(1)において、 一方向伝達クラッチの出力段と回転筐体とは、回転筐体
    の回転方向への弾性力を蓄積する弾性部材を介して凍結
    されたものである波動発電装置。
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