JP2854473B2 - 可撓性継手構造 - Google Patents

可撓性継手構造

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JP2854473B2 JP4276035A JP27603592A JP2854473B2 JP 2854473 B2 JP2854473 B2 JP 2854473B2 JP 4276035 A JP4276035 A JP 4276035A JP 27603592 A JP27603592 A JP 27603592A JP 2854473 B2 JP2854473 B2 JP 2854473B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体、液体、粉体、粒
体を輸送する管体の継手部が存在する部分、即ち、空調
ダクト、ガス管、上下水道、蒸気配管、化学プラント配
管、製粉、充填剤製造工場の輸送配管等の接続を行うた
めの、可撓性継手構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、管体同士を接続する継手の剛性の
高い場合は、管体の芯ずれ等により、管体をつなぐ作業
が困難である。また、管自体の伸縮や振動により、振動
が増幅されたり、継手部への応力増大による破損等が生
じていた。これに対し、ゴムやプラスチックで作られた
可撓性継手は、供用開始当初はその柔軟さ故に非常に管
体のシール効果が優れ、好結果である。しかし、これを
埋設した場合は、土圧や管の伸縮に伴う応力により経時
と共に高分子素材特有のクリープ現象や圧縮永久歪が生
じ、次第にシール機能が失われたり、ジョイント自体が
破損したりする事故が続発するようになった。一方、金
属製可撓継手は、防食や埋設時の土砂や小石による継手
の凹凸部の動きの拘束により可撓性が失われ、金属疲労
により継手部の損傷が生じる欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、管体
のシール効果が優れ、地下に埋設してもシール機能が長
期に亘って失われず、耐食性が高く、可撓性を長期に亘
って保持できる可撓性継手構造を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属製の筒状
の継手本体と、前記継手本体の両端部にそれぞれ連結さ
れている2本の管とを具えている、可撓性継手構造であ
って、前記継手本体の内周面及び外周面において、凹部
と凸部とが長手方向に交互に形成されており、前記継手
本体の外周面が防食被覆層で被覆されており、前記防食
被覆層の外周が弾性体で覆われており、前記弾性体が、
最も薄い部分でも5mm以上の厚さを有し、液状ゴムを
含む主剤と硬化剤との反応物からなり、JIS−K−6
301に規定するA形硬度計で5以上、60以下の硬度
を有しており、前記継手本体が、元の長さを100とし
たときに、70以下の長さにまで圧縮可能であり、13
0以上の長さにまで伸張可能であり、前記2本の管の相
対的な位置の変位に追従する、可撓性継手構造に係るも
のである。
【0005】また、本発明は、金属製の筒状の継手本体
と、前記継手本体の両端部にそれぞれ連結されている2
本の管とを具えている、可撓性継手構造であって、前記
継手本体の内周面及び外周面において、凹部と凸部とが
長手方向に交互に形成されており、前記継手本体の外周
面が防食被覆層で被覆されており、前記防食被覆層の外
周が非加硫ゴム組成物からなる弾性体で覆われており、
前記弾性体の外周がシートで被覆されており、前記弾性
体及び前記シートが、最も薄い部分でも合計で5mm以
上の厚さを有し、液状ゴムを含む主剤と硬化剤との反応
物からなり、JIS−K−6301に規定するA形硬度
計で5以上、60以下の硬度を有しており、前記継手本
体が、元の長さを100としたときに、70以下の長さ
にまで圧縮可能であり、130以上の長さにまで伸張可
能であり、前記2本の管の相対的な位置の変位に追従す
る、可撓性継手構造に係るものである。
【0006】
【作用】前記問題点を解決する手段として、本発明者等
は次の方法により解決した。継手本体は土圧等で変形し
にくい金属製とし、前後の管体とは熔接等の物理的固定
で完全に管体がシールできる構成とした。継手本体に要
求される可撓性は、これを蛇腹状とすることで、強度が
ありながら可撓性をも備えた構成とした。
【0007】また、金属製継手の欠点である腐食を防止
する目的で、一次防食被覆層を設けた。更に継手本体を
凹凸蛇腹状とした時の欠点である、凸部の間に形成され
る凹部への土砂、小石で閉塞され伸縮機能が損われるこ
とを防止する目的で、防食被覆層の外周を弾性体で覆っ
た。
【0008】この弾性体に要求される機能としては、上
記の他に次の機能がある。特に埋設時に於ては、土砂や
小石による基管に達する傷付を防止し、前後に接続され
た管体を伝幡してきた、ポンプの振動や、管体の伸縮、
地上の交通機関等による振動の絶縁をすることによっ
て、凹凸蛇腹状継手本体に与える疲労を減少させる。更
に、防水材を設けることにより長期にわたり水を遮断
し、製造条件上どうしても特に腐食されやすい凹凸蛇腹
状の継手本体を保護することにより、防食効果を高める
機能がある。上記手段により、従来見られなかった長期
安定性の優れた複合継手構造が得られることを確認し、
本発明を達成した。
【0009】
【実施例】継手本体は、鉄、銅、アルミニウム、鉛等や
ステンレス、黄銅等の合金から成る金属製である。この
最大圧縮許容量が継手本体の元の長さを100 %としたと
き70%以下の長さまで圧縮でき、最大引張許容量が継手
本体の元の長さを100 %としたとき、130 %以上引張り
を行うことができるという条件を満足することが条件で
ある。つまり最大圧縮許容量が30%以下の場合や最大引
張許容量が30%以下の場合は、例えば地盤沈下等の極端
に大きな変位に追従できず、流出、噴出事故となるおそ
れがある。
【0010】凹凸蛇腹状金属製継手本体及びその前後に
接続する管は、特に素材面の制約はないものの、コスト
面、防食面、その他特に上水等に於ては有害物質が溶出
しない点で、鉄、ステンレスが好ましい。又、継手本体
の内面をポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、
その他のポリマーでライニングして、防食、その他の目
的で使用するものであってもよい。
【0011】又、コスト面、強度面、可撓性の面を考慮
して、凹凸蛇腹状金属製継手本体の部分に使用する板厚
は、その前後の管の板厚とは異なった厚みであって良
い。また、本発明でいう継手本体は、管の長手方向に凹
凸が交互にあって可撓性が発揮できるものであればよ
く、凹部、凸部が管の同一円周上に存在するものであっ
ても、螺旋状になって管の同一円周上に凹部及び凸部が
存在するものであってもよい。
【0012】次に防食被覆層について述べる。防食被覆
層は、上記の継手本体の防食を目的として設けるもので
あり、継手本体の最大圧縮変位時及び最大引張変位時に
継手本体に強固に接着し、外部の環境遮断能力の優れた
素材から成るものであればよい。その具体例を挙げる
と、エポキシ、ウレタン、不飽和ポリエステル等の熱硬
化性樹脂をベースとしたものと、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン等の熱可塑性のポリマーをベース
としたものとがあり、いずれも使用できる。又、継手本
体との接着をより強固に安定なものとする目的で、各種
接着助剤を併用することもできる。
【0013】次に、弾性体について述べる。継手本体は
凹凸部を有する故に、特に地中埋設で使用される場合に
は、土砂、小石等で凹部が覆われ、本来の期待される動
きができなくなり、特に圧縮に対しては、ほとんど可撓
性が発揮できなくなる。防食被覆層の外周を弾性体で覆
うことによって、継手本体に本来期待される動きが発揮
できるようになる。また、小石等による継手本体に達す
る損傷を防止できる。また、防食被覆層を保護すること
により、より長期的に安定な防食効果を発揮することが
できる。
【0014】また、継手本体がそのまま地中に埋設され
ている場合には、この継手本体の幾つかの凹部や凸部の
うちの1つが局部的に地盤沈下等による応力を受ける
と、その部分に応力が集中する。本発明では、継手本体
の外周を弾性体で覆っているので、地盤沈下等による応
力や変位が、弾性体によって広範囲に分散される。
【0015】弾性体が、液状ゴムを含む主剤と硬化剤と
の反応物からなる場合は、JIS−K−6301に規定され
るA形硬度計で5〜60の硬度とする必要がある。また、
このゴム弾性体は、一番薄い部分でも5mm以上の厚さを
有していなければならない。これが5mm未満の場合に
は、地中の小石等によって、継手本体にまで達する傷の
つくことが多く、この部分が腐食開始点となる。
【0016】弾性体を非加硫ゴム組成物で形成した場合
には、非加硫ゴム組成物が地中に露出していると、クリ
ープや圧縮歪みが生じ易い。このため、弾性体の外周を
シートで被覆する。この場合、弾性体及びシートを、最
も薄い部分でも合計で5mm以上の厚さにする。
【0017】また、弾性体の材料としては、防食被覆層
と容易に剥離せず、この間から土砂、水が界面に入り込
まないこと、土中に長期間埋設しても変質しにくいこと
が要求される。
【0018】弾性体を構成する非加硫ゴム組成物として
は、非加硫ゴム、粘着付与樹脂、充填剤、可塑剤等を混
合したものがある。この非加硫ゴムとしては、ポリイソ
ブチレン、再生ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ブ
チルゴム、EPT、エチレンプロピレンゴム、イソプレ
ンゴム、BR、SBR、NBR、クロロプレンゴム、塩
素化ポリエチレン、クロルスルフォン化ポリエチレン、
アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム等を一種又は二
種以上用いることができる。この弾性体を被覆するシー
トは、非加硫ゴム、加硫ゴム、熱可塑性樹脂で形成する
ことができる。
【0019】常温で液状のゴムの具体例としては、シリ
コン、多硫化ゴム、シリコン変性ウレタン、ウレタン、
主鎖骨格をブタジエン、ブタジエン−ニトリル、ブタジ
エン−スチレン、水素添加ブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレンとした両末端に官能基を有するもの又は分子
内に二重結合を有するもの、アニリン誘導体、ポリオー
ル、ウレタンアクリルポリオール等を挙げることができ
る。これ等の官能基に応じて、硬化剤を選定する必要が
ある。液状ゴム側の官能基と硬化剤の官能基の組合せ例
を表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】上記の中でも、水酸基末端液状ゴムは、硬
化物のゴム弾性、耐水性、環境遮断性、耐久性に優れ、
主剤と硬化剤の混合性、使用可能時間のコントロールを
容易に行うことができ、常温での硬化反応性や貯蔵安定
性及び経済性に優れている。更に、主鎖骨格をブタジエ
ンやクロロプレン等にした場合は、アスファルト等の瀝
青物との相溶性に優れ、それに伴い、耐水性を初めとす
る環境遮断能力が一層向上し、かつ低コスト化にも有効
である。
【0022】上記理由から、例示した液状ゴムの中で
も、主鎖骨格中にエーテル結合やエステル結合を含まな
いものが、加水分解の原因をなくす意味に於て好適であ
る。又、1分子中に2個以上の水酸基を有する液状ゴム
と、イソシアネート基を1分子中に2個以上含む硬化剤
という条件は、液状ゴムとイソシアネートが反応して高
分子化したゴム弾性体を得るために必要な条件である。
【0023】次に硬化剤として一般に用いられるものと
しては、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジ
リジン化合物、ポリアミン、過酸化物、金属酸化物等が
例示できる。本発明に於ては前記の通り、特にイソシア
ネート化合物を用いた例が好適である。その具体例とし
ては、トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、末端イソシアネート基を
有するプレポリマー及びそれらのブロック品を単独で若
しくは併用して使用する。尚、硬化剤はその配合比率や
粘度を考慮し、可塑剤と併用することもできるが、その
場合は可塑剤は脱水処理したものであることとイソシア
ネートと反応しないことが必要である。
【0024】硬化剤の量を決定する上に於ては、反応モ
ル比で0.6 NCO/OHモル以上、2.0 NCO/OHモ
ル以下であることが必要である。0.6 NCO/OHモル
未満の場合には、非常に柔らかくなり硬度の条件を満足
できなくなったり、ゴム弾性体の系の中で未反応の水酸
基が多くなりすぎるために、耐水性が劣ったり、硬化不
良原因となったりするために好ましくない。逆に、2.0
NCO/OHモルを越える場合には、硬度が高くなりす
ぎたり、引張時に元の長さの130 %以上伸びなくなった
り、コスト面でもコスト高となったりする不具合が生
じ、好ましくない。
【0025】なお、イソシアネート基のモル数を水酸基
のモル数で除した反応モル比(NCO/OH)とは、水
酸基末端液状ジエン系ゴム中の水酸基の重量百分率で示
す水酸基含有率と、イソシアネート系硬化剤のイソシア
ネート含有率によって決まる値である。これは、下式に
よって算出される。
【0026】反応モル比(NCO/OH)={(水酸基
末端液状ジエン系ゴムの重量×水酸基含有率)/(イソ
シアネート系硬化剤の重量×イソシアネート基含有
率)}×(NCOの分子量)/(OHの分子量)。 ここで、(NCOの分子量)/(OHの分子量)=42/
17=2.47である。
【0027】ここで主剤を構成する成分について若干説
明する。本発明でいう、常温で液状を呈するゴムを反応
して得られるゴム弾性体を達成する上に於ては、液状ゴ
ムとその硬化剤が必須成分とすれば、この必須成分のみ
で可能である。しかし、ゴム弾性体を形成する上での作
業性、経済性、ゴム弾性体にしてからの長期耐久性、硬
度、圧縮及び引張に対しての物性値等を考慮すると、瀝
青物、可塑剤は必須成分となる。更にゴム工業や塗料工
業等で一般に使用される充填剤、老化防止剤、触媒、粘
着付与樹脂、ワックス類、顔料、界面活性剤、カップリ
ング剤等は、用途や必要性能や機能を付与するために、
適宜使用すればよい。
【0028】又、弾性体と防食被覆層とをより確実にシ
ールするためには、防食被覆層の外周に非加硫ゴム粘弾
性体からなる防水材を弾性体の両端近傍に巻着した上
に、弾性体を形成させることが望ましい。
【0029】弾性体が、液状ゴムを含む主剤と硬化剤と
の反応物からなる場合には、弾性体の硬度をJIS−K
−6301のA形で5〜60とする。これが5以下の場合は、
柔らかすぎて損傷を受けやすく、又、土砂、小石に押さ
れて伸縮挙動の障害となりやすいために不適当である。
逆に60以上の硬い場合には、圧縮に対しては大きな応力
でないと挙動しなくなり、振動等の変位の少ない挙動に
対する緩和がなくなるので不適当であり、引張時にはゴ
ム弾性体の破断等が生じやすくなり、不適当である。
【0030】弾性体の外周面に周方向に向って溝を設け
ると、可撓性継手の伸張に対して弾性体が一層追随し易
くなる。ただし、継手本体の隣り合う凸部間の距離に対
する溝の深さの比が40%を超えると、この溝に土、砂、
小石が詰まり易くなり、溝が閉塞する。このため、弾性
体の伸縮挙動がさまたげられ易くなり、弾性体が有効に
機能しにくくなるため、不適当である。
【0031】図1、図2、図3は、いずれも本発明の実
施例に係る可撓性継手構造を示す断面図である。図1の
例においては、金属製の筒状の継手本体2の一方の端部
2aに管1Aが連結され、他方の端部2dに管1Bが連結されて
いる。この継手方向の内周面及び外周面において長手方
向に凹部と凸部とが交互に設けられており、継手本体2
は長手方向に伸縮可能である。外周面側からみると、リ
ング状の凸部2bと凹部2cとが、長手方向に向って交互に
設けられている。
【0032】継手本体2の外周面を被覆するように、防
食被覆層4が設けられている。更に、防食被覆層4の外
周を、弾性体5Aが覆っている。この弾性体5Aの外形は略
円筒形状であるが、端部5bにおいては徐々に直径が小さ
くなっている。本体5aの内側には、突起5cと溝5dとが交
互に設けられる。突起2bの部分が溝5dに挿入され、凹部
3の部分に突起5cが挿入される。防食被覆層4と弾性体
5Aとは隙間なく接合されている。
【0033】図2の例においては、弾性体5Bの本体5aの
外周面に、4個のリング形状の溝5eが等間隔に設けられ
ている。各溝5eの断面形状は、底の浅い台形状である。
各溝5eは、各凹部2cの位置に設けられている。また、端
部2aにおいて、防食被覆層4と端部5bとの界面に、リン
グ状の防水材6Aが設置されている。端部2dにおいて、防
食被覆層4と端部5bとの界面に、リング状の防水材6Bが
設けられている。図1、図2における弾性体5A,5Bは、
液状ゴムを含む主剤と硬化剤との反応物からなる。
【0034】図3に示す可撓性継手構造においては、弾
性体15が非加硫ゴム組成物からなる。弾性体15の本体15
a の外形は略円柱状であり、本体15a の両端に、端に行
くに従って直径の徐々に小さくなる端部15b が設けられ
ている。本体15a の内側に、突起15c と溝15d とが交互
に設けられている。弾性体15の外側面が、シート7によ
って被覆されている。
【0035】次に、可撓性継手の製造方法について、図
1、図3のものを例にとって述べる。 図1:継手本体2に防食被覆層4を形成する。次いで型
枠を組み、防食被覆層4と型枠との間に形成された空間
に、主剤と硬化剤との混合物を充填する。次いで、架橋
反応を進行させ、可撓性継手を脱型する。上記混合物を
作製するには、液状ゴムや瀝青物、可塑剤その他の充填
剤や老化防止剤等を混和し、インクロールを2回通過さ
せて主剤成分とし、硬化剤と混合する。
【0036】図3:ブチルゴム、再生ブチルゴム、ポリ
イソブチレン、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、
エピクロルヒドリンゴム等を一種又は併用して、例えば
加圧ニーダー等で粘着付与樹脂、充填剤、可塑剤等と混
練し、防食被覆層4と粘着、接着する非加硫ゴム組成物
を、押出機又はプレス機で成形して得る。その後、防食
被覆層4の上から、前記方法で得た成形体ゴムを、空気
が入らないように圧着して接着し、その上からシート7
を貼付け、弾性体15とすることができる。図4は、この
成形体15A を示す斜視図である。
【0037】次に、実験結果について述べる。 (試料の作製)図1〜図3に示す継手本体2を製造し
た。ただし、継手本体2の内径を100 mmとし、凸部2bの
数を5つとし、隣り合う凸部の頂点間の距離を30mmと
し、凹部2cの深さを25mmとした。この継手本体2の両端
に、直管1A,1Bをそれぞれ熔接し、全長を310 mmとし
た。この外周面に、厚さ2mmのポリエチレンライニング
4を設けた。
【0038】図4に示す成形体15A を、再生ブチルゴム
系の非加硫ゴム組成物で作製した。この成形体15A を上
記の継手本体2の上に、気泡が入らないように圧着しな
がら貼り付けた。この弾性体15の外周に、厚さ2mmの糊
付き加硫ブチルゴムシート7を貼り付け、図3に示す構
造体を得た。凸部2bの頂点部分における弾性体15の厚さ
(最も薄い部分の厚さ)が1mmのものを比較例1とし、
3mmのものを実施例1とし、13mmのものを実施例2とし
た。
【0039】また、液状ポリブタジエン系の液状物とイ
ソシアネート系硬化剤とを混合した。上記の継手本体1
に型枠を取り付け、上記混合物を型枠内の空洞部分に充
填し、これを硬化させ、図1又は図2に示す可撓性継手
を製造した。
【0040】イソシアネート基と水酸基との反応モル比
は、表2に示すように変更した。表2に示す例のうち、
実施例3,4、比較例2は、図1に示す構造体であり、
凸部2bの頂点における弾性体5Aの肉厚(最も薄い部分の
肉厚)を、3,5又は20mmとした。実施例5,6、比較
例3,4は、図2に示す構造体であり、凸部2bの頂点間
の距離に対する溝5eの深さの比率を30%又は50%とし
た。比較例5は、弾性体を全く設けなかった例である。
【0041】各例の可撓性継手構造について、次の試験
を行った。 (圧縮試験) 各供試体を圧縮し、元の長さの50%の長さとし、剥離、
ゴム層の破断等異常発生の有無及び異常発生時の元の長
さからの比率を求めた。これを、「最大圧縮変形量」と
して、表2に示した。
【0042】(引張試験)各試験体を引張り、元の長さ
を100 %としたとき元の長さの150 %となるように引張
り、剥離、ゴム層の破断等の異常の有無を調査した。ま
た、異常発生時の元の長さからの比率を求めた。これ
を、「最大引張変形量」として、表2に示した。
【0043】(塩水噴霧試験)各供試体について、それ
ぞれ弾性体にステンレス板に達するクロスカットを入
れ、塩水を1000時間噴霧した。そして、目視により、異
常の有無を判定した。発錆等の異常が発生した場合は
「×」とし、異常がない場合は「○」とした。
【0044】(伸縮障害) 各例の構造体を箱の中に入れ、各直管1A,1Bを箱から出
した。箱の中に砂を充填し、元の長さの50%の長さにま
で圧縮した。試験後、箱から可撓性継手構造をとり出し
た。溝5e又は3へ砂がくいこみ伸縮の障害となったもの
を伸縮障害「有」とし、障害を受けなかったものを
「無」とした。
【0045】(耐久性試験)実施例1,2、比較例1で
用いた再生ブチルゴム系加硫ゴム組成物を2mm厚シート
に成形した。次いで実施例3,4、比較例2で用いた液
状ポリブタジエン系液状物とイソシアネート硬化剤とか
ら2mm厚シートを作製し、7日間室温養生、7日間50℃
養生を行った。何れのシートもJIS−K−6301の1号
ダンベル片に打抜いた。各々80℃×90%RHにて1カ
月、60℃水中にて3カ月、60℃気中にて3カ月又はウエ
ザー1000時間処理した。この後で常温での引張応力、伸
び率、硬度をn=4で測定した。各々元の物性の保持率
が70%以上あるか否かで判定し、保持率70%以上を
「○」,70%未満を「×」とした。
【0046】(1000回伸縮試験) 各例の可撓性継手本体について、元の長さの50%にまで
圧縮することと、150%の長さにまで伸張させることと
を1000回繰り返した。この結果、異常がなかった場合
「○」と表示した。
【0047】(振動減衰効果) 各例の可撓性継手本体の両端から10mmの所を吊し、一方
の端面から30mmの所にピックアップを取り付け、この一
方の端部を加振した。振動応答の各ピーク値の1/10に減
衰するまでの時間を計測した。
【0048】(騒音防止効果) 各例の可撓性継手本体の一端にフランジを取り付けた。
また、工場内のゴム粉末空気輸送管の一部にフランジを
取り付け、このフランジを可撓性継手本体のフランジに
ボルトで固定した。そして、ゴム粉末の空気輸送音を測
定した。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】ここで、上記の実験における各弾性体の配
合を示す。まず、弾性体15を構成する非加硫ゴム組成物
の配合を示す。
【0052】
【表4】
【0053】次いで、加硫ゴムシート7の配合を示す。
【0054】
【表5】
【0055】次いで、液状ゴムを含む主剤の配合を、下
に示す。
【0056】
【表6】
【0057】イソシアネート系硬化剤としては、日本ポ
リウレタン株式会社の「ミリオネートMTL」を用い
た。
【0058】実施例及び比較例で示したとおり、防食被
覆層に対して一番薄い部分のゴム弾性体の肉厚は5mm以
上が必要であり、5mm未満の場合は比較例1,2で示す
ように塩水噴霧性が悪くなる。つまり小石等による傷付
きを受け易く、その傷の部分から発錆が生じる危険性が
高いことを示すものである。従って、5mm以上であれば
傷も付きにくく、傷を受けたとしても容易に発錆しない
ために長期にわたって使用することができる。
【0059】最大圧縮変形量は50%の圧縮に対しても実
施例では何れも異常が生じておらず、比較例4で異常が
生じた。又、最大引張変形量は150 %引張に対しても実
施例では何れも異常は発生しなかった。比較例4では12
0 %引張時に異常が発生した。これは、反応モル比が2.
0 モルを越え、硬度も63と高く本発明の範囲外になった
ためである。反応モル比は実施例5,6に示す如く0.6
NCO/OHモル〜2.0 NCO/OHモルの範囲では異
常なく、これは硬度も5〜60の範囲に入っている。又、
凸部頂点間長さに対する溝の深さの比も40%以下とな
り、伸縮障害も発生していない。
【0060】一方比較例3に示すように0.6 NCO/O
Hモル以下のときは硬度も低すぎて測定できず、伸縮障
害も受けている。又、ウエザーを始め80℃,90%RH×
1カ月,60℃温水×3カ月でも悪い結果となった。又、
伸縮障害は、柔らかいために受けるだけでなく、凸部間
の長さに対する溝の深さの比率が大きく影響し、比較例
4でも示す通り、硬度の大きい場合でも伸縮障害を受け
ている。
【0061】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明により、耐
久性に優れる金属製可撓性継手本体により充分な強度を
得、継手本体の腐食や損傷を一次防食被覆層及び充分な
肉厚を有する弾性体によって防止し、防食をより確実に
した。しかも、弾性体により継手本体の凹部をシールし
たために、土中埋設時には土砂等により伸縮を阻害され
ないという特徴も生じ、長期にわたり安定な伸縮継手と
しての機能を有すると共に、万一の地盤沈下に対しても
非常に安全である。又、弾性体により継手本体の凹凸部
を拘束しているために、ポンプからの振動、管体の伸
縮、地上の交通機関からの振動も吸収し、可撓性継手構
造の耐久性向上に役立つ。又、管内を粉体や粒体を通す
場合には、可撓継手部に衝突する音が著しく低減され、
工場騒音の防止にも有効である。
【0062】以上の如く、本発明の可撓性継手構造を、
気体、液体、粉体、粒体を輸送する管の継手部に使うこ
とにより、地盤沈下時の安全性のレベルアップ、埋設時
の可撓性確保、防食性の確保、振動減衰効果の高さ、騒
音低下等の機能を付与できるメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る可撓性継手構造を長手方
向に切ってみた断面図である。
【図2】可撓性継手構造を長手方向に切ってみた断面図
である。
【図3】可撓性継手構造を長手方向に切ってみた断面図
である。
【図4】成形体15A を示す破断斜視図である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の筒状の継手本体と、前記継手本
    体の両端部にそれぞれ連結されている2本の管とを具え
    ている、可撓性継手構造であって、 前記継手本体の内周面及び外周面において、凹部と凸部
    とが長手方向に交互に形成されており、前記継手本体の
    外周面が防食被覆層で被覆されており、前記防食被覆層
    の外周が弾性体で覆われており、前記弾性体が、最も薄
    い部分でも5mm以上の厚さを有し、液状ゴムを含む主
    剤と硬化剤との反応物からなり、JIS−K−6301
    に規定するA形硬度計で5以上、60以下の硬度を有し
    ており、前記継手本体が、元の長さを100としたとき
    に、70以下の長さにまで圧縮可能であり、130以上
    の長さにまで伸張可能であり、前記2本の管の相対的な
    位置の変位に追従する、可撓性継手構造。
  2. 【請求項2】 前記主剤が、瀝青物、水酸基を1分子当
    り2個以上有する液状ゴム及び可塑剤を必須構成成分と
    しており、前記硬化剤が、1分子当り2個以上のイソシ
    アネート基を有する硬化剤であり、イソシアネート基の
    モル数を水酸基のモル数で除した反応モル比(NCO/
    OH)が、0.6以上、2.0以下である、請求項1記
    載の可撓性継手構造。
  3. 【請求項3】 前記弾性体の外周面に周方向に向って溝
    が設けられ、前記継手本体の隣り合う凸部間の距離に対
    する前記溝の深さの割合が、40%以内である、請求項
    1記載の可撓性継手構造。
  4. 【請求項4】 前記弾性体の長さ方向の端部近傍におい
    て、前記防食被覆層と前記弾性体との界面に、非加硫ゴ
    ム系粘弾性体からなる防水材が設けられている、請求項
    1の可撓性継手構造。
  5. 【請求項5】 金属製の筒状の継手本体と、前記継手本
    体の両端部にそれぞれ連結されている2本の管とを具え
    ている、可撓性継手構造であって、 前記継手本体の内周面及び外周面において、凹部と凸部
    とが長手方向に交互に形成されており、前記継手本体の
    外周面が防食被覆層で被覆されており、前記防食被覆層
    の外周が非加硫ゴム組成物からなる弾性体で覆われてお
    り、前記弾性体の外周がシートで被覆されており、前記
    弾性体及び前記シートが、最も薄い部分でも合計で5m
    m以上の厚さを有し、液状ゴムを含む主剤と硬化剤との
    反応物からなり、JIS−K−6301に規定するA形
    硬度計で5以上、60以下の硬度を有しており、前記継
    手本体が、元の長さを100としたときに、70以下の
    長さにまで圧縮可能であり、130以上の長さにまで伸
    張可能であり、前記2本の管の相対的な位置の変位に追
    従する、可撓性継手構造。
  6. 【請求項6】 前記弾性体の長さ方向の端部近傍におい
    て、前記防食被覆層と前記弾性体との界面に、非加硫ゴ
    ム系粘弾性体からなる防水材が設けられている、請求項
    5記載の可撓性継手構造。
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