JP2853829B2 - 振動貫入装置 - Google Patents

振動貫入装置

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JP2853829B2
JP2853829B2 JP7294554A JP29455495A JP2853829B2 JP 2853829 B2 JP2853829 B2 JP 2853829B2 JP 7294554 A JP7294554 A JP 7294554A JP 29455495 A JP29455495 A JP 29455495A JP 2853829 B2 JP2853829 B2 JP 2853829B2
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修一郎 古賀
信浩 下井
不二男 飯高
章弘 中山
智納 木村
昌嘉 宇野
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BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
Kawasaki Motors Ltd
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BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
Kawasaki Jukogyo KK
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁や地面などの物
体に棒状体を貫入させるための貫入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建築工事の際、基礎を支持する地盤が軟
弱な場合には一般に地盤にくいを打ち込む。くい打ち
は、一般にくい打ちやぐらにドロップハンマまたはディ
ーゼルハンマを装着し、くいを地中にたたき込むことに
よって行われる。
【0003】また、屋内の建築工事においても、壁や床
に釘などを貫入させる際には、一般にハンマなどで衝撃
を与えて打ち込む。
【0004】また、土質の硬軟などを調べるときには探
り(サウンディング)を行う。探りは地盤調査の1種
で、鋼棒を地中に貫入させ、硬い地層を探る方法であ
る。この方法では、鋼棒を軸線まわりに回転、または打
ち下げながら貫入させる。
【0005】また、地中に埋設された物質を探針によっ
て調査する方法があり、この方法では、操作者が探針を
埋設物に当接するまで貫入し、この探針を打針したとき
の感触や滑り具合、音などによって操作者が埋設物の種
類、形状、状態などを判断する。操作者が探針を貫入す
る代りにロボットによって貫入し、たとえばコンピュー
タによって識別する方法もある。
【0006】また、地中にパイルなどを貫入させる方法
としては、特開昭55−98527号公報に、延長方向
に振動するパイルの先端に土質破壊貫入用振動をさらに
与えてパイルを打ち込む方法が開示されている。また、
地中に埋設管を埋設する方法としては、特開昭58−8
0095号公報に、埋設管の先頭位置に設けられたヘッ
ドに横振動を与えつつ、軸方向の荷重を検出することに
よって、ヘッドに作用する土の抵抗力を検出する装置が
開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、ハンマ
でくいや釘などの棒状体を打ち込む際には非常に大きな
騒音が発生するという問題が生じる。
【0008】また、人間の手によって棒状体の貫入方向
に力をかけるか、または棒状体をこねりながら貫入させ
たとしても貫入できる深さは非常に小さい。また、人間
の代りにロボットまたは油圧式ジャッキやウインチを用
いて強制的に押し込み、騒音を少なくすることもできる
が、圧入時に大きな反力を要するため貫入できる深さは
ハンマなどの衝撃によって貫入させる場合に比べると小
さくなる。これらの問題は、貫入するくいや釘などの棒
状体とそれに対する土や壁との間に摩擦抵抗および粘着
抵抗が介在するために生じる。もしこれらの摩擦抵抗お
よび粘着抵抗を少なくすることができれば貫入させる
際、貫入力が小さくてすむため、ハンマで衝撃を与える
場合にはより少ない衝撃で貫入でき、またはハンマの代
わりに油圧式ジャッキやウインチによって貫入させるこ
とができ、ハンマの衝撃による騒音および振動を格段に
減少させることができる。
【0009】したがって本発明の目的は、棒状体と物体
との間の摩擦抵抗および粘着抵抗を軽減させることがで
きる振動貫入装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸線方向に物
体内に貫入される棒状体と、軸線方向に沿って、棒状体
に力を加えて貫入させる貫入手段と、前記棒状体の先端
が、棒状体の軸線に対して所定の角度をなす軸まわりで
円運動するように、棒状体に振動を与える貫入用加振器
とを含むことを特徴とする振動貫入装置である。本発明
に従えば、振動用加振器によって、棒状体の先端が円運
動するように振動を与えることによって、物体と棒状体
との間の瞬間的な接触面積を小さくし、粘着抵抗および
摩擦抵抗を効果的に減少させることができ、貫入力を低
減させることができる。
【0011】また本発明は、前記棒状体は、棒状体の軸
線方向に垂直な平面において、棒状体の先端が円運動す
ることを特徴とする。本発明に従えば、棒状体の先端
が、棒状体の軸線に垂直な平面において円運動するよう
に振動するので、粘着抵抗および摩擦抵抗をさらに効果
的に減少させ、貫入力をさらに低減させることができ
る。また本発明は、前記貫入用加振器は、回転軸を有す
るモータと、この回転軸に偏心して取付けられる錘とを
含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の振
動貫入装置である。本発明に従えば、モータの回転軸に
は錘が偏心して取付けられるので、回転軸の回転によっ
てモータはその回転軸の軸線に垂直な平面内で円運動す
るように振動する。この振動を棒状体に与えることによ
って、棒状体は、その先端が円運動するように振動する
ことになる。このように貫入用加振器は簡単な構成で、
棒状体の先端が円運動するように振動を与えることがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある振動貫入装置1を示す正面図である。振動貫入装置
1は、ロボットアーム3が移動自在の台車4に搭載さ
れ、ロボットアーム3の先端には探知部2が装着されて
構成される。ロボットアーム3は、台車4に対して軸線
L1まわりに回転自在に連結される基部5と、基部5に
対して軸線L2まわりに角変位自在に連結されるアーム
6と、アーム6に対して軸線L3まわりに角変位自在に
連結されるアーム7と、アーム7に対して軸線L4まわ
りに角変位自在に連結され、探知部2を軸線L5まわり
に回転自在に連結する回転部材8とから構成され、この
回転部材8にはロボットアーム3に印加される力を検出
する6軸力センサ14が設けられる。振動貫入装置1
は、台車4によって所望の地点まで移動し、探知部2の
貫入する位置決めをロボットアーム3によって行う。ロ
ボットアーム3は、6軸力センサ14の出力に基づいて
ロボット制御装置9によって制御され、探知部2を所望
の位置に所望の角度に位置決めする。探知部2は、発振
用探針10と、受振用探針11と、各探針10,11を
支持するケーシング37とリンク手段57と貫入用加振
器58とを含んで構成され、受振用探針11からのデー
タはデータ処理装置13によって処理される。
【0013】図2は、データ処理装置13を示すブロッ
ク図である。データ処理装置13は、信号処理回路1
6、識別回路17、表示処理回路18、表示装置19お
よびデータベース回路20を含んで構成され、受振用探
針11に連結される。
【0014】第1ハウジング35内に設けられた発振用
探針10の一方端部側には、埋設物25に衝撃を与える
ための衝撃発生器21が設けられる。この衝撃発生器2
1は制御装置15によって制御される。発振用探針10
の他方端部は、埋設物25に当接するまで地中26に貫
入され、衝撃発生器21によって加えられた衝撃は、発
振用探針10を伝播して埋設物25に伝わって、埋設物
25から物質に固有の弾性波が発生する。発振用探針1
0は、たとえば地表面に対して30°〜45°の角度で
挿入され、また0.1kg重〜0.3kg重の衝撃が加
振される。
【0015】第2ハウジング36に設けられた受振用探
針11の一方端部側にはセンサ27が取付けられる。受
振用探針11の他方端部は、埋設物25に当接するまで
地中26に貫入される。埋設物25で発生した弾性波は
受振用探針11で受振され、この受振用探針11を伝播
してセンサ27で弾性波信号に変換される。この弾性波
信号は、信号処理回路16の信号増幅器28、データベ
ース回路20および表示処理回路18に入力される。
【0016】信号処理回路16は、信号増幅器28、A
/D(アナログ/デジタル)変換器29、波形記憶回路
30、FFT(高速フーリエ変換)演算回路31および
入力ベクトル生成回路32を含んで構成される。信号処
理回路16では、受振した弾性波から地中埋設物を識別
するための識別信号が作成される。すなわち、センサ2
7で変換された弾性波信号は、信号増幅器28に入力さ
れて増幅される。また、必要に応じて、信号増幅器28
が備えるフィルタを用いて不要な信号が取除かれる。信
号増幅器28で処理された信号はA/D変換器29によ
ってデジタル信号に変換され、されに波形記憶回路30
に入力されて時間軸応答信号として記憶される。
【0017】波形記憶回路30に記憶された時間軸応答
信号は、FFT演算回路31でフーリエ変換されて周波
数応答信号が作成される。作成された周波数応答信号
は、入力ベクトル生成回路32で複数の周波数帯域毎に
分割された分割応答信号が作成される。たとえば、20
Hz〜5kHzの周波数帯域の信号が、10〜100の
範囲に分割される。たとえば50に分割される。これら
の分割信号は、予め学習し、データベース回路20に記
憶されるデータ中の各成分の最大値で割算され、0〜1
の値に正規化される。このようにして作成された分割応
答信号が前記識別信号である。
【0018】識別回路27は、ニューラルネットワーク
33および出力ベクトル判定回路34を含んで構成され
る。ニューラルネットワーク33としては、たとえばB
PNNが使用される。ニューラルネットワーク33に
は、入力ベクトル生成回路32からの分割応答信号が入
力され、この分割応答信号に基づく地中埋設物の種類毎
の出力信号を作成して出力ベクトル判定回路34に与え
る。出力ベクトル判定回路34を、ニューラルネットワ
ーク33からの出力信号レベルに基づいて、地中埋設物
の種類を判定する。波形記憶回路30、FFT演算回路
31、入力ベクトル生成回路32、ニューラルネットワ
ーク33および出力ベクトル判定回路34からの出力信
号は、表示処理回路18で画像処理され、たとえば液晶
表示装置で実現される表示装置19に表示される。
【0019】図3は発振用探針10と受振用探針11の
連結状態を示す簡略化した正面図であり、図4は探知部
2の断面図である。探知部2はケーシング37と発振用
探針10と受振用探針11とリンク機構57とを含んで
構成される。ケーシング37は第1ハウジング35と第
2ハウジング36を摺動自在に収納する。第1ハウジン
グ35内には衝撃発生器21からの衝撃を埋設物25に
伝達する発振用探針10が取付けられる。発振用探針1
0の中間部は約30度屈曲し、先端部は軸線L5に平行
な軸線L6を有する。
【0020】第2ハウジング36内には、センサ27が
固定された受振用探針11が取付けられる。この受振用
探針11は軸線L5と平行な軸線L7を有する。第1、
第2ハウジング35,36は中空の略直方体状に形成さ
れ、互いに隣接し、下方に開口する中空のケーシング3
7内に軸線L5方向に互いに独立して摺動自在に収納さ
れる。こうして発振用探針10と受振用探針11とは互
いに平行に直線方向に案内される。第1、第2ハウジン
グ35,36の一端部38,39には探針10,11が
それぞれ固定され、第1、第2ハウジング35,36の
他端部40,41とケーシング37の底部42との間に
は、ばね43,44がそれぞれ設けられる。
【0021】第1、第2ハウジング35,36およびケ
ーシング37はリンク機構57によって連結され、この
リンク機構57は一対の揺動部材46と一対の第1連結
部材47と一対の第2連結部材48とによって構成され
る。第1ハウジング35の一端部38には発振用探針1
0を挟んで下方に突出する一対の突部52が設けられ、
同様に第2ハウジング36にも受振用探針11を挟んで
突出する一対の突部54が設けられる。リンク機構57
は探針10,11を挟んで複数の部材が対称に構成され
ており、図3および図4では正面から見た構成を示して
いるが、背面側にも同様の構成が設けられる。突部52
にはピン53を介して第1連結部材47の一端が角変位
自在に連結され、突部54にも同様にピン55を介して
第2連結部材48が連結される。第1連結部材47の他
端は、ピン51によって角変位自在に揺動部材46の一
端が連結され、同様に第2連結部材58はピン53を介
して揺動部材46の他端に連結される。揺動部材46の
中央部は、ケーシング37の開口端から下方に突出する
一対の突部50の一端にピン49によって角変位自在に
連結される。
【0022】第2ハウジング36に固定される受振用探
針11は軸線L5に平行な軸線L7を有する。第1ハウ
ジング35に固定される発振用探針10は、図4に示す
ように受振用探針11に近接する側へ屈曲し、受振用探
針11と距離Aをなす部位でさらに屈曲し、軸線L6を
有し受振用探針11の軸線L7と平行をなす方向に延び
る。したがって、受振用探針11と発振用探針10とは
互いに近接し平行に延びているため埋設物25の大きさ
や形の制限をあまり受けることはなく各探針10,11
の先端を埋設物25に当接させることができる。本実施
の形態では、たとえば距離Aは25mm程度に選ばれ、
第1、第2ハウジング35,36の下端から探針10,
11の先端までの距離Bは本実施の形態では、たとえば
400mmに選ばれる。ケーシング37の底部はロボッ
トアーム3の回転部材8に軸線L5まわりに回転自在に
連結される。探針10,11の中央部付近には後述する
貫入用加振器58が設けられる。
【0023】次に探知部2の動作について説明する。図
3に示すように、ロボットアーム3は各探針10,11
を所望の地点に所望の角度に配置し、ケーシング3を介
して各探針の軸線L6,L7方向に貫入力を加え貫入さ
せる。先に受振用探針25の先端が埋設物25に当接し
た場合は、まず受振用探針11の貫入が止まり、ケーシ
ング37を介して揺動部材46に伝えられるロボットア
ーム3の貫入力は、貫入の止まった受振用探針11に連
結される第2連結部材48のピン53を支点とし、ピン
49を介して揺動部材46の中央部とピン51とを押し
下げる。ピン51は第1連結部材47を介して発振用探
針10をさらに押下げ、発振用探針10の先端を埋設物
25に当接させる。こうして探針10,11の各先端が
埋設物に当接すると反力が急に大きくなり、この反力を
6軸力センサ14で検知することによって、各探針1
0,11の先端が埋設物25に当接したと判断し、ロボ
ットアーム3は貫入を止める。発振用探針10が先に埋
設物25に当接した時も同様の作用により両方の探針1
0,11が埋設物に当接し、貫入が止まる。その後、前
述のように発振用探針10を介して埋設物25に衝撃を
加え、埋設物25で発生した弾性波を受振用探針11で
受振し、センサ33を介してデータ処理装置13へ送ら
れ地中埋設物の種類を判定する。
【0024】第1、第2ハウジング35,36とケーシ
ング37の底部42とをそれぞれ連結するばね43,4
4は、探針10,11のうちの一方の探針が埋設物25
に当接したとき、この一方の探針側のばねは弾性力によ
って貫入力を吸収し埋設物25に過大な力をかけること
を防ぐ。また、ばね35,36は各探針10,11の貫
入量の差dを制限し、たとえば埋設物25の端部に一方
の探針のみ当接し、他方の探針が埋設物25を外れて貫
入することによって、リンク機構57を破損することを
防ぐ。
【0025】図5は、探針10,11にそれぞれ取付け
られる貫入用加振器58の各例を示す断面図であり、図
5(a)は探針10,11の各軸線L6,L7を含む平
面内で各探針10,11を振動させる貫入用加振器58
であり、図5(b)は各軸線L6,L7に垂直な平面内
で各探針10,11が円運動するように振動を与える貫
入用加振器58である。
【0026】図5(a)で示す貫入用加振器58は、各
探針10,11が互いに平行をなす部位の上方に取付け
られ、中空のケーシング62内に固定され回転軸線L8
まわりに回転自在の回転軸63を有するモータ64と、
回転軸63から偏心した位置に重心を有し、回転軸63
に取付けられる発振錘65とを含んで構成される。回転
軸線L8は各探針10,11の各軸線L6,L7に対し
て垂直に交わる。発振錘65は回転軸63に偏心して取
付けられているため、発振錘65の回転によって回転軸
63の軸線L8に垂直な平面内で円運動するようにモー
タ64は振動し、さらにケーシング62を介して各探針
10,11を軸線L6,L7を含む平面内で振動させ
る。
【0027】図5(b)で示す貫入用加振器58は、ケ
ーシング62とモータ64と回転軸63と発振錘65と
によって構成され、回転軸63の回転軸線L9は各探針
10,11の各軸線L6,L7に平行に設けられる。し
たがって発振錘65の回転によってモータ64は、回転
軸線L9に垂直な平面内で円運動するように振動し、こ
の振動をケーシング62を介して各探針10,11を回
転軸線L9に垂直な平面、すなわち各探針10,11の
軸線L6,L7に垂直な平面内で円運動するように振動
させる。
【0028】探針10,11が地中に貫入する際、それ
ぞれ貫入用加振器58によって振動が与えられるため、
探針10,11が接する土粒子に振動を与えることによ
り、探針10,11と土との粘着抵抗および摩擦抵抗を
軽減させ、探針10,11を貫入さすのに必要な貫入力
を減少させることができる。また、図5(b)の貫入用
加振器58は各探針10,11が円運動するように振動
を与えるため、土と各探針10,11との瞬間的な接触
面積が小さくなり、さらに粘着抵抗および摩擦抵抗を軽
減させることができる。
【0029】探針10,11を貫入させる際、各探針1
0,11に振動を与える場合と与えない場合との違いを
比較するために実験を行った。
【0030】実験で使用した土壌は乾燥したローム土で
あり、地表から深さ12cmの位置に埋設物25を埋め
た。各探針10,11の貫入角度を45°とし、各探針
10,11の送り速度を毎秒2.5mmとして、各探針
10,11の先端の地表からの垂直深さHと、その時に
必要な貫入力Wとを調べた。各探針10,11の先端が
埋設物25に当接したか否かの判断は垂直深さH=12
cm以上になった時点を当接したと判断する。
【0031】この実験では比較するため4種類の貫入方
法A,B,C,Dの実験を行った。貫入方法Aは、各探
針10,11に振動を与えずに貫入を行う方法である。
貫入方法Bは、各探針10,11の先端を中心とし基端
部側をゆっくりとこじりながら力を加え、貫入を行う方
法である。貫入方法Cは、図5(a)の貫入用加振器5
8を用いて、軸線L6,L7を含む平面内で各探針1
0,11を振動させながら貫入を行う方法である。貫入
方法Dは、図5(b)の貫入用加振器58を用いて、各
探針10,11が軸線L6,L7に垂直な平面内で円運
動するように振動しながら貫入を行う方法である。貫入
方法Cおよび貫入方法Dにおいて、各貫入用加振器58
の振動数は122Hzに設定した。図6は、上述の実験
の結果を示すグラフである。縦軸は各探針10,11を
貫入さすのに必要な貫入力Wであり、横軸は各探針1
0,11の先端の地表からの深さを示す垂直深さHであ
る。
【0032】グラフからわかるように、貫入方法Aでは
垂直深さH=3cm付近から貫入力Wが上下に変動しつ
つ徐々に増加し、埋設物25が埋め込まれる垂直深さH
=12cmに近付くにつれて傾きが増し、貫入力Wが5
kgを超えてもH=12cmに達しない。貫入方法Bで
は、垂直深さH=3cmの辺りから貫入力Wはほぼ直線
状に上昇し、H=11.5cmの辺りから急に上昇し、
最終的に埋設物25に当接するのに約4.5kgの力が
必要である。貫入方法Cでは垂直深さH=6cmの辺り
まで貫入力はほぼ0kgであり、そこから上昇し、垂直
深さH=9cm、貫入力W=1kgの辺りで一旦下降し
た後、埋設物25に当接するまで貫入力Wは上昇し、最
終的に貫入力W=約4.5kgで埋設物25に当接す
る。貫入方法Dでは、垂直深さH=9cm辺りで一旦貫
入力Wが若干上昇するものの、垂直深さH=11.5c
mまで貫入力Wはほぼ0kgであり、そこから急激に上
昇し、埋設物25に当接するときの貫入力Wは1.75
kgである。したがって貫入方法Dの埋設物25に当接
するときの貫入力は他の貫入方法A,B,Cに比べて半
分以下の力である。さらに、埋設物25が埋まる手前5
mmまで貫入力Wはほぼ0kgであり、そこから急激に
上昇するため、他の貫入方法A,B,Cに比べて埋設物
25に当接したか否かの判断が非常に容易である。
【0033】以上、本発明を埋設物の識別システムに適
用した形態を説明したが、他の形態としてくい打ちなど
の建築工事、土質の調査、および釘打ちなどにも適用で
きる。たとえば、貫入用加振器によってくいに上下振
動、または軸線に垂直な平面においてくいの先端が円運
動するような振動などを与えて、土とくいとの摩擦力を
減らし、ドロップハンマもしくはディーゼルハンマによ
る打撃、または油圧式ジャッキやウインチによる強制的
なくいの押し込み、または自重によってくいを貫入させ
る。また、前記くいの代りに鋼棒に貫入用加振器を取付
け、硬い地層を探る探り(サウンディング)などに利用
してもよい。
【0034】また釘などを打ち込む場合、たとえば貫入
用加振器によって釘に上下振動、または釘の軸線に垂直
な平面において釘の先端が円運動するような振動などを
与え、強制的に押し込むか、またはハンマによって打撃
を与えながら貫入させる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、棒状体は
貫入用加振器によって振動が与えられるため、物体と棒
状体との間の粘着抵抗および摩擦抵抗が減少する。した
がって、貫入力が小さくても容易に棒状体を貫入させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である振動貫入装置1を
示す正面図である。
【図2】データ処理装置13のブロック図である。
【図3】発振用探針10と受振用探針11の連結状態を
示す簡略化した正面図である。
【図4】探知部2の断面図である。
【図5】貫入用加振器58の各例を示す断面図である。
【図6】各探針10,11の貫入力Wと垂直深さHの関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 振動貫入装置 2 探知部 3 ロボットアーム 4 台車 9 ロボット制御装置 10 発振用探針 11 受振用探針 13 データ処理装置 25 埋設物 37 ケーシング 46 揺動部材 47 第1連結部材 48 第2連結部材 57 リンク機構 58 貫入用加振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 章弘 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (72)発明者 木村 智納 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (72)発明者 宇野 昌嘉 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線方向に物体内に貫入される棒状体
    と、 軸線方向に沿って、棒状体に力を加えて貫入させる貫入
    手段と、 前記棒状体の先端が、棒状体の軸線に対して所定の角度
    をなす軸まわりで円運動するように、棒状体に振動を与
    える貫入用加振器とを含むことを特徴とする振動貫入装
    置。
  2. 【請求項2】 前記棒状体は、棒状体の軸線方向に垂直
    な平面において、棒状体の先端が円運動することを特徴
    とする請求項1記載の振動貫入装置。
  3. 【請求項3】 前記貫入用加振器は、回転軸を有するモ
    ータと、この回転軸に偏心して取付けられる錘とを含む
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の振動貫
    入装置。
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