JP2852788B2 - 静電塗装における塗料絶縁方法と装置 - Google Patents

静電塗装における塗料絶縁方法と装置

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JP2852788B2 JP2086470A JP8647090A JP2852788B2 JP 2852788 B2 JP2852788 B2 JP 2852788B2 JP 2086470 A JP2086470 A JP 2086470A JP 8647090 A JP8647090 A JP 8647090A JP 2852788 B2 JP2852788 B2 JP 2852788B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、静電塗装における塗装絶縁方法と装置に係
り、より詳細には、水系塗料等の導電性塗料を用いて静
電塗装を行うための該塗料の絶縁方法と装置に関する。
〔発明の技術的背景〕
従来、静電塗装においては、塗料の塗着効率等の観点
より有機溶剤系塗料(油性塗料)が用いられている。し
かし、該塗料の場合、大気汚染の問題の外に、毒性およ
び可燃性の性質を有することにより、消防法等で多くの
規制されているため、今日においては、その使用の是非
が再検討されている。
これに対して、水系(水性)塗料の場合、毒性や可燃
性という性質が少ないので、各種の塗料として好ましい
ものと言える。しかし、水系塗料は、導電性塗料である
ため、これを静電塗装するには、塗料供給系統の絶縁を
充分に行い、塗料噴射部における印加電圧を保ち、塗料
への荷電を充分にする必要がある。そこで、従来より、
この点について種々検討されているが、今日に到っても
有効な手段は提案されていない。
ただ、静電塗装における水系塗料の絶縁方法として、
『導電性塗料供給源から塗料を絶縁性密閉中空体の上端
部から該中空体に注入し、該中空体内の塗料を中空体内
壁に接触させることなく下方に滴下させることで、塗料
噴射の際に、電極に印加する高電圧が導電性塗料供給源
へ放電しないようにした絶縁方法』が提案(特公昭56−
3108号公報参照)されている。そして、具体的には、
『上端部に塗料流入孔を下端部に塗料流出孔を有する絶
縁性密閉中空体の内部に、その上端部に位置して中空体
中央部に向けて下方に傾斜すると共に中央部に孔を有す
る絶縁性環状邪魔板を上下方向に適宜間隔をおいて複数
個配設し、かつ、該邪魔板の孔の径を下段に行くに従い
小さくなるように形成し、しかも、最上段の邪魔板の上
部に、中央部から外周に向かって下方に傾斜する面を有
する天井板を設け、さらに、該天井板の外周部近傍に塗
料の流量を制御するための流下孔を穿設した構成』とさ
れている。
そして、上述した絶縁方法の場合、塗料を水滴状にし
て所定間隔で滴下するので、中空体内壁に滴下塗料が濡
れることがない限り、該塗料を絶縁状態に保持できる。
しかし、中空体の下方向になるに従い、該塗料が内壁
に接触する可能性が大きくなり、一旦、接触すると絶縁
性中空体の内壁が導通状態となって、滴下塗料が導通状
態となり、該滴下塗料が中空体内壁に全て付着し、その
高電圧の印加による静電効果を得られないという問題が
ある。
そこで、本発明者は、上述した絶縁方法・装置の有す
る問題点について、研究・検討した結果、その問題の生
じるメカニズムを究明した。そして、そのメカニズムに
ついて説明すると、次ぎの通りである。
まず、塗料を中空体内部に滴下し、該塗料の一部が飛
散等によって絶縁性中空体の内壁に付着すると、該中空
体内壁に塗料噴射部への印加高電圧による沿面絶縁破壊
が生じ、付着塗料も高電圧の印加状態になる。そうする
と、該滴下塗料は該高電圧充電状態にある部位に向かっ
て導電誘導によって引き寄せられ、該部位(充電部)に
接触する瞬間には、衝突の衝撃と高圧の作用とで、水滴
状のものが飛散、付着を行う。すると、新たに高電圧充
電部以外に付着した塗料へ再び沿面リーク電流が発生
し、同様の繰り返しを行い、密閉中空体内は、絶縁性環
状邪魔板等を設け、凹凸等の沿面破壊が生じにくい形状
をなしていたとしても、高圧の作用により、非常に短時
間に内部が導通状態となり、塗料絶縁が不可能になる塗
料を実質的に絶縁できなくなるように作用する。
そこで、本発明者は、以上のようなメカニズムを阻止
することで、塗料の絶縁が容易に行えることを究明し
た。
本発明は、上述したような観点に立脚して創案したも
のであって、その目的とする処は、導電性塗料供給源と
静電塗装のための高圧印加部を電気的に分解するための
絶縁性中空体の内壁面に該導電性塗料供給源から該絶縁
性中空体内に供給、滴下する導電性塗料が、前記高圧印
加部の高電圧によって付着するのを防止でき、連続して
良好な静電塗装ができ、また、導電性塗料供給源と静電
塗装のための高圧印加部を電気的に分離するするための
絶縁性中空体のメンテナンスが容易に行える塗料絶縁方
法と装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
そして、上記目的を達成するための手段としての本発
明の静電塗装における塗料絶縁方法は、導電性塗料供給
源から供給される塗料を絶縁性中空体内に注入、滴下し
た際、該絶縁性中空体内を滴下する導電性塗料が、静電
塗装のための高電圧印加部の高電圧によって該絶縁性中
空体の内壁面に付着するのを防止できる静電塗装におけ
る塗料絶縁方法であって、該絶縁性中空体壁の外部の一
部に、該絶縁性中空体壁の電位上昇を阻止するための電
位上昇阻止部を設け、また該電位上昇阻止部と前記高電
圧印加部との間には、該高電圧印加部の高電圧による該
絶縁性中空体の絶縁破壊を防げる沿面距離を保つ絶縁破
壊防止用絶縁部を有し、該絶縁破壊防止用絶縁部により
該絶縁性中空体の絶縁破壊を防ぐと共に、該電位上昇阻
止部より上部側の絶縁性中空体壁の電位を、該電位上昇
阻止部より下部側の高電位にある絶縁性中空体壁の電位
より低電位に保持して、該電位上昇阻止部の上部側の絶
縁性中空体壁の電位上昇を阻止し、該電位上昇阻止部の
上部側の絶縁性中空体壁の内面への導電性塗料の付着を
防止することを特徴とする。
また、本発明の静電塗装における塗料絶縁方法は、前
記発明において、前記電位上昇阻止部が、前記絶縁性
中空体壁の垂直方向に所定間隔で複数個設けてあるこ
と、前記電位上昇阻止部が、前記絶縁性中空体壁の外
部の一部に設けた電極と、該電極を接地する接地部から
なることをも、特徴とする。
また、本発明の静電塗装における塗料絶縁装置は、導
電性塗料供給源から供給される塗料を絶縁性中空体内に
注入し、滴下した際、該絶縁性中空体内を滴下する導電
性塗料が、静電塗装ための高電圧印加部の高電圧によっ
て該絶縁性中空体の内壁面に付着するのを阻止できる静
電塗装における塗料絶縁装置であって、該絶縁性中空体
の上部に導電性塗料を供給滴下する塗料滴下部を設け、
該絶縁性中空体の下部に該塗料滴下部から滴下した導電
性塗料を受ける滴下塗料流下部を設け、また該絶縁性中
空体壁の外部の一部に、該絶縁性中空体壁の電位上昇を
阻止するための電位上昇阻止部を設け、また該電位上昇
阻止部と前記高電圧印加部との間には、該高電圧印加部
の高電圧による該絶縁性中空体の絶縁破壊を防げる沿面
距離を保つ絶縁破壊防止用絶縁部を有し、該絶縁破壊防
止用絶縁部により該絶縁性中空体の絶縁破壊を防ぐと共
に、該該電位上昇阻止部より上部側の絶縁性中空体壁の
電位を、該電位上昇阻止部より下部側の高電位にある絶
縁性中空体壁の電位より低電位に保持して、該電位上昇
阻止部の上部側の絶縁性中空体壁の電位上昇を阻止し、
該電位上昇阻止部の上部側の絶縁性中空体壁の内面への
導電性塗料の付着を防止することを特徴とする。
また、本発明の静電塗装における塗料絶縁装置は、前
記発明において、前記電位上昇阻止部が、前記絶縁性
中空体壁の高さ方向に所定間隔で複数個設けてあるこ
と、前記電位上昇阻止部が、前記絶縁性中空体壁の外
部の一部に設けた電極と、該電極を接地する接地部から
なること、前記絶縁性中空体が、中央部に塗料滴下用
孔を備えた有底容器を垂直方向に複数個重合して形成し
てあることも特徴とする。
ここで、上記構成において、通常、塗料滴下孔は歯車
状に形成している。また、絶縁性中空体の上部に、塗料
を分流滴下する塗料滴下部を設け、該塗料滴下部の平均
径より有底容器の塗料滴下用孔の孔径を大きく形成した
構成としてもよい。さらに、絶縁性中空体として、途中
に上段より大きい孔径の有底容器を設けた構成、絶縁性
中空体を密封状に形成した構成としてもよい。
〔作用〕
次に本発明の静電塗装における塗料絶縁方法と装置の
作用について説明する。静電塗装をする際、高電圧印加
部に高電圧が印加されると、導電性塗料供給源は絶縁性
中空体によって高電圧印加部の高電圧から電気的に分離
されているが、該高電圧により該絶縁性中空体は、微視
的には、該高電圧印加部側から徐々に電位上昇が生じ、
導電性塗料供給源から供給される塗料を絶縁性中空体内
に注入、滴下すると、その滴下間隔によって、該塗料は
絶縁状態とされているが、該塗料が中空体内壁に該塗料
の一部がいったん付着すると、前記電位上昇があるた
め、滴下する塗料が該中空体の内壁面に直ちに濡れ拡が
る。しかし、本発明の静電塗装における塗料絶縁方法と
装置にあっては、絶縁性中空体壁の外部の一部に、該絶
縁性中空体壁の電位上昇を阻止するための電位上昇阻止
部が設けてあるため、該電位上昇阻止部より上部側の絶
縁性中空体壁の電位が、該電位上昇阻止部より下部側の
高電位にある絶縁性中空体壁の電位より低電位に保持さ
れる。また、絶縁破壊防止用絶縁部により、該電位上昇
阻止部と前記高電圧印加部との間に該高電圧印加部の高
電圧による該絶縁性中空体の絶縁破壊を防げる沿面距離
を保たせているので、該絶縁性中空体の絶縁破壊を防ぐ
ことができる。
従って、該電位上昇阻止部の上部側の絶縁性中空体壁
の電位上昇が阻止されることになり、該電位上昇阻止部
の上部側の絶縁性中空体壁の内面へ導電性塗料の濡れ拡
がりによる付着を防止できる。
以上のように、本発明の静電塗装における塗料絶縁方
法と装置は、絶縁性中空体の外周壁を接地等の手段でも
って、該絶縁性中空体の内周壁における電圧降下を起こ
させ、該絶縁性中空体内部が高電圧に帯電するのを防止
するようにした点に特徴を有し、この点によって、滴下
塗料の絶縁化が簡単に、かつ連続して行えるという格別
な作用を奏する。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながら、本発明を具体化した実施
例について説明する。
ここに、第1〜9図は、本発明の実施例を示し、第1
図は静電塗装装置の概略構成図、第2図はブロックダイ
ヤグラム、第3図は塗料絶縁部の概略断面図、第4図は
塗料絶縁部を形成する有底容器の斜視図、第5図は塗料
絶縁部を形成する塗料流入部の斜視図、第6図は第5図
の正面図、第7〜9図は、他の実施例を示し、第7図は
塗料絶縁部の概略断面図、第8図、第9図はそれぞれ塗
料絶縁部を形成する有底容器の斜視図である。
本実施例は、本発明を具体化した静電塗装における塗
料絶縁装置であって、概略すると、塗料供給部1と塗料
絶縁部2および電源部3より構成され、塗料を絶縁状態
とし、高電圧印加部である塗料噴射部4でもって静電塗
装を行えるように構成されている。
塗料供給部1は、塗料タンク5と、塗料タンク5内の
混合塗料を撹拌するための撹拌機6および塗料タンク5
内の塗料を塗料絶縁部2に供給するための低圧ポンプ7
とより構成されている。低圧ポンプ7の駆動は、5相パ
ルスモータMを用いて塗料を定量供給できるようにして
いる。
塗料絶縁部2は、塗料を絶縁するためのアイソレータ
8により構成されている。アイソレータ8は、絶縁性密
封筒体(中空体)9によって形成され、その上端部の中
央部位に塗料流入部10、下端部に滴下塗料流下部11を備
えている。絶縁性密封筒体9は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート等の絶縁性
材料よりなる複数個(図面においては、6個)の有底容
器9a、9b・・・を垂直方向に着脱自在に重合して形成し
ている。そして、有底容器9a、9b・・・の底面中央に
は、それぞれ塗料降下孔12a、12b・・・を備え、塗料降
下孔12a、12b・・・の中心が、同一軸線上に位置するよ
うに重合した構成とされている。ここで、塗料降下孔12
a、12b・・・の孔径は、上段の容器より下段の容器に行
くに従い小さし、途中に、孔径の小さい塗料降下孔を備
えた容器を介在させた構成となっている。しかし、必要
に応じて、途中に、孔径の小さい塗料降下孔を備えた容
器を介在させない構成等としてもよい(第7図参照)。
また、塗料降下孔12a、12b・・・は、通常、その孔端1
2′を平面波形状(第6、9図参照)としている。しか
し、円孔(第8図参照)等としてもよい。さらに、有底
容器9a、9b・・・9fの内部に(特に、有底容器の最下段
9f)リブ(あるいは、溝)9′(第9図参照)を設けた
構成としてもよい。また、各有底容器9a、9b・・・の外
周にはアルミ泊等の導電性材料よりなる電極13a、13b・
・・を添設し、該電極13a、13b・・・は、接地されてい
る。ここで、電極13a、13b・・・の間隔は、有底容器接
合部より高電圧が電極に放電しない間隔とする必要があ
り、通常、各容器の周面中央に帯状に配設した構成とな
っいる。また、電極9fと絶縁性中空体13の下方向の滴下
塗料流下部11との間には絶縁性中空体13の絶縁破壊を防
止するための沿面距離を保つ絶縁破壊防止用絶縁部30を
有する。すなわち、この絶縁破壊防止用絶縁部30には電
極が配置されていない。これによって、高電圧印加部の
高電圧による絶縁性中空体の絶縁破壊を防ぐことができ
る。塗料供給部1の低圧ポンプ7と絶縁管14は接続され
ており、その絶縁管14は、有底容器9aの塗料流入部10に
接続され、低圧ポンプ7によって定量移送される塗料を
絶縁性密封筒体9に滴下するようになっている。その塗
料流入部10は、塗料供給誘導部15と塗料滴下部16よりな
り、それぞれ、ポリエチレン、ポリプロピレン等の絶縁
性材料でもって構成されている。塗料供給誘導部15は、
水平部15aと立ち上がり部15bとを有するエルボ状の筒体
でもって形成され、水平部15aの端部に絶縁管14が接続
され、立ち上がり部15bに塗料滴下部16が形成されてい
る。立ち上がり部15bは大径部を有し、その上端面に中
央孔17より放射状に広がる塗料滴下溝18、18・・・を備
えた塗料滴下部16を形成した構成となっている。塗料滴
下溝18、18・・・は、始端18aより終端18bに下傾斜する
分散・分流溝として形成され、塗料を分散、分流させる
ようにしている。ここで、塗料滴下部16は、そのの直径
φを、有底容器9の塗料降下孔12の孔径より小さくする
と共に、滴下塗料が垂直に落下し、かつ有底容器9の塗
料降下孔12に接触しないようにが接触しないように配置
するようにしている。なお、塗料滴下溝18の大きさ(溝
幅)や溝間距離等は、塗料の粘度・流量によって規定す
るようにしている。そして、この塗料流入部10の構成
は、目詰まりの生じ難い形状で、かつメンテナンスの容
易な構成とすることが好ましい。これは、例えば、単
に、皿状の底に孔を設けた構成の場合、孔(溝)が少し
づつ詰まっても極端に圧損が変化しないため、塗料が数
カ所のの孔(溝)に集中し、滴下時に水滴状にならなく
て絶縁不良の原因となること等を考慮することの必要性
を考慮したことによる。なお、使用塗料が水性等で、一
度、造膜すると、再び溶けない塗料を使用する時に詰ま
りを生じ易い。また、滴下塗料流下部11は、絶縁性密封
筒体9を滴下してきた滴下塗料を、塗料噴射部3に供給
するためのものであって、最下段の有底容器9fの塗料降
下孔12fを兼ねている。また、絶縁性密封筒体9の滴下
塗料流下部11は、ドレン孔を兼ね、ドレンパイプ19によ
って、塗料を塗料供給部1の塗料タンク5に戻すように
構成されている。
電源部3は、通常、100V交流電源を用い、デジタルマ
ルチメーター21、塗料の供給量、供給速度をコントロー
ルするプログラマブルコントローラ22、塗料噴射部4の
塗料噴射器26、26に高電圧を印加するための高圧電源2
3、静電電圧計24およびマイクロアンペア計25を備え、
塗料供給部1のパルスモータMの駆動と、塗料噴射部4
への高電圧印加とを司るように構成されている。
そして、上記構成に基づく、実施例の静電塗装装置
は、次ぎのような作用をする。
まず、塗料タンク5に、水系塗料を入れ、電源を投入
して撹拌機6を駆動させて、塗料を充分に混合した後、
プログラマブルコントローラ22を作動させ、パルスモー
タM、低圧ポンプ7を駆動させて、塗料を塗料絶縁部2
に定量供給する。
そして、塗料絶縁部2に供給された塗料は、アイソレ
ータ8を構成する絶縁性密封筒体9の上端部に配設され
ている塗料供給誘導部15に供給され、その水平部15a、
立ち上がり部15bを通って塗料滴下部16に誘導される。
塗料滴下部16では、その中央孔17より塗料が溢出するよ
うにしてある。これは、水性塗料のように粘度が高いも
のは、水滴状にはなり難い。このため、塗料を確実に水
滴状にするには、一箇所より滴下量を少なくする必要が
あるので、放射状に掘設されている塗料滴下溝18、18、
・・・に分散、分流して落下する。ここで、塗料は定量
誘導され、また分散、分流して落下するように形成され
ているので、塗料詰まり等を生じさせることなく、水滴
状になって落下する。そして、該滴下塗料は、その滴下
間隔によって、絶縁状態とされるが、該塗料が絶縁性密
封筒体9の内壁に、該塗料の一部が付着した場合、塗料
噴射部4への印加高電圧による沿面絶縁破壊が生じ、付
着塗料も高電圧の印加状態になる。そうすると、滴下塗
料は高電圧充電部に向かって静電誘電によって引き寄せ
られ、充電部に接触する瞬間には、衝突の衝撃と高圧の
作用とで、水滴状のものが飛散、付着を行う。すると、
新たに高電圧充電部以外に付着した塗料へ再び沿面リー
クが発生し、同様の繰り返しを行い、密閉容器内は、凹
凸等の沿面破壊が生じにくい形状をなしていたとして
も、高圧の作用により、非常に短時間に内部が導通状態
となり、塗料絶縁が不可能になるが、絶縁性密封筒体9
を構成する各有底容器9a、9b、・・・の外周に設けられ
た電極13a、13b、・・・が独立して接地されていること
により、絶縁材料で作成された有底容器内への塗料付着
によって、高電圧充電部の進行が起こり、それに伴ない
絶縁材料の有底容器壁も徐々に高圧に帯電してくる。電
荷の移動速度は絶縁材料であるため遅いが、外周に設け
られた電極の徐々にリーク電流となって出て行く。この
ために接地電極の部分で徐々に電圧降下が起こり、静電
誘導による吸着、衝突現象が極端に少なくなり、接地電
極上部での絶縁状態が保持されるようになる。この時の
印加電圧は、60KV、上記リーク電流は、5〜7μA程度
である。有底容器はポリプロピレン製で厚さt=1.3mm
程度である。この時、放電電流は80μA、印加電圧は60
KVをしており静電塗装は十分に行われる状態である。該
漏れ電流がアース側に誘導されて、導通状態となった筒
体部位と上側に位置する筒体内壁は、絶縁状態が保持さ
れ、滴下塗料と短絡することがないように作用する。
また、絶縁性密封筒体9を構成する有底容器9a、9b、
・・・は、その底面に塗料降下孔12a、12b、・・・を有
し、塗料降下孔12a、12b、・・・が、下段に行くにつれ
て、その開口径を小さくしているが、途中に、下段側の
塗料降下孔12eより小さい開口径の塗料降下孔12dとなる
ようにし、これにより導通状態の広がりを防止するよう
に作用させている。
そして、絶縁状態を保持された塗料は、絶縁性密封筒
体9の下端部に形成されている塗料流下部11からは、水
性塗料の導電性のため、高電圧が印加された状態で、高
圧ポンプ20により塗料噴射部4に定量供給される。
次ぎに、本実施例による効果を確認するために、本実
施例装置と、従来例装置とを用いて、同一条件の下で、
被塗装物(セメント瓦)に、水性塗料でもって塗装を行
った。
そして、その試験結果によると、本実施例の場合は、
塗料の絶縁状態を連続2時間以上保持でき、かつその塗
着効率も90%を越え、また、塗料内の水分が少ないのも
反映して150〜300μmという上記塗料による静電塗装が
行えたのに対し、従来例装置にあっては、5〜15分程度
で滴下塗料が中空体内壁に付着し、塗料の絶縁状態を保
持できなくなり、その塗装を中断せざるを得ないという
結果を得た。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでな
く、本発明の要旨を変更しない範囲内で変形実施できる
ものを含む。因みに、次ぎのような変形を行ってもよ
い。
絶縁性筒体を、複数個の有底容器を重合して得た構
成とすることなく、一個の筒体の内部に所定間隔で、内
部に滴下塗料降下孔を形成する『環状ヒレ部(突出
部)』を設けた構成。
絶縁性筒体を、平面視円形とすることなく、例え
ば、平面視が四角形、楕円形等の中空容器とした構成。
電極を、絶縁性密封筒体に一体的に配設した構成。
絶縁性筒体の壁部の絶縁抵抗が部分的に変化した構
成。
〔発明の効果〕
以上の説明より明らかなように、本発明の静電塗装に
おける塗料絶縁方法と装置によれば、絶縁性中空体壁の
外部の一部に、該絶縁性中空体壁の電位上昇を阻止する
ための電位上昇阻止部が設けてあり、該電位上昇阻止部
より上部側の絶縁性中空体壁の電位が、該電位上昇阻止
部より下部側の高電位にある絶縁性中空体壁の電位より
低電位に保持されるので、該電位上昇阻止部の上部側の
絶縁性中空体壁の電位上昇が阻止されることになり、該
電位上昇阻止部の上部側の絶縁性中空体壁の内面へ導電
性塗料の濡れ拡がりによる付着を防止できるという効果
を有する。
また、電位上昇阻止部と前記高電圧印加部との間に絶
縁破壊防止用絶縁部を有し、該高電圧印加部の高電圧に
よる該絶縁性中空体の絶縁破壊を防げる沿面距離を保た
せているので、該絶縁性中空体の絶縁破壊を防ぐことが
できるという効果を有する。
更に、静電塗装には、元来、一旦、乾燥すると再び水
に溶けない水系塗料である導電性塗料を用いるが、該導
電性塗料は、絶縁性中空体壁に付着すると、これを除去
する等のメンテナンスに手数がかかり、連続塗装が行え
ないが、本発明においては、電位上昇阻止部の上部側の
絶縁性中空体壁の内面へ導電性塗料の濡れ拡がりによる
付着を防止できるので、該導電性塗料の付着を最小限度
におさえることができることから、メンテナンスが容易
となり、また連続塗装ができると共に、塗装性能を良好
に維持できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1〜9図は、本発明の実施例を示し、第1図は静電塗
装における塗料絶縁装置の概略構成図、第2図はブロッ
クダイヤグラム、第3図は塗料絶縁部の概略断面図、第
4図は塗料絶縁部を形成する有底容器の斜視図、第5図
は塗料絶縁部を形成する塗料流入部の斜視図、第6図は
第5図の正面図、第7〜9図は、他の実施例を示し、第
7図は塗料絶縁部の概略断面図、第8図、第9図はそれ
ぞれ塗料絶縁部を形成する有底容器の斜視図である。 1……塗料供給部、2……塗料絶縁部、3……電源部、
4……塗料噴射部、7……低圧ポンプ、8……アイソレ
ータ、9……絶縁性密封筒体、9a、9b〜9f……有底容
器、10……塗料流入部、11……滴下塗料流下部、12a、1
2b〜12f……塗料降下孔、12′……孔端、13a、13b〜13f
……電極、14……絶縁管、15……塗料供給誘導部、15a
……水平部、15b……立ち上がり部、16……塗料滴下
部、17……中央孔、18……塗料滴下溝、18a……塗料滴
下溝の始端、18b……塗料滴下溝の終端、19……ドレン
パイプ、20……高圧ポンプ、21……デジタルマルチメー
ター、22……プラグラマブルコントローラ、23……高圧
電源、24……静電電圧計、25……マイクロアンペア計、
26……塗料噴射器、M……パルスモータ

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性塗料供給源から供給される塗料を絶
    縁性中空体内に注入、滴下した際、該絶縁性中空体内を
    滴下する導電性塗料が、静電塗装のための高電圧印加部
    の高電圧によって該絶縁性中空体の内壁面に付着するの
    を防止できる静電塗装における塗料絶縁方法であって、
    該絶縁性中空体壁の外部の一部に、該絶縁性中空体壁の
    電位上昇を阻止するための電位上昇阻止部を設け、また
    該電位上昇阻止部と前記高電圧印加部との間には、該高
    電圧印加部の高電圧による該絶縁性中空体の絶縁破壊を
    防げる沿面距離を保つ絶縁破壊防止用絶縁部を有し、該
    絶縁破壊防止用絶縁部により該絶縁性中空体の絶縁破壊
    を防ぐと共に、該電位上昇阻止部より上部側の絶縁性中
    空体壁の電位を、該電位上昇阻止部より下部側の高電位
    にある絶縁性中空体壁の電位より低電位に保持して、該
    電位上昇阻止部の上部側の絶縁性中空体壁の電位上昇を
    阻止し、該電位上昇阻止部の上部側の絶縁性中空体壁の
    内面への導電性塗料の付着を防止することを特徴とする
    塗料絶縁方法。
  2. 【請求項2】前記電位上昇阻止部が、前記絶縁性中空体
    壁の垂直方向に所定間隔で複数個設けてある請求項1に
    記載の塗料絶縁方法。
  3. 【請求項3】前記電位上昇阻止部が、前記絶縁性中空体
    壁の外部の一部に設けた電極と、該電極を接地する接地
    部からなる請求項1または2に記載の静電塗装における
    塗料絶縁方法。
  4. 【請求項4】導電性塗料供給源から供給される塗料を絶
    縁性中空体内に注入し、滴下した際、該絶縁性中空体内
    を滴下する導電性塗料が、静電塗装のための高電圧印加
    部の高電圧によって該絶縁性中空体の内壁面に付着する
    のを阻止できる静電塗装における塗料絶縁装置であっ
    て、該絶縁性中空体の上部に導電性塗料を供給滴下する
    塗料滴下部を設け、該絶縁性中空体の下部に該塗料滴下
    部から滴下した導電性塗料を受ける滴下塗料流下部を設
    け、また該絶縁性中空体壁の外部の一部に、該絶縁性中
    空体壁の電位上昇を阻止するための電位上昇阻止部を設
    け、また、該電位上昇阻止部と前記高電圧印加部との間
    には、該高電圧印加部の高電圧による該絶縁性中空体の
    絶縁破壊を防げる沿面距離を保つ絶縁破壊防止用絶縁部
    を有し、該絶縁破壊防止用絶縁部により該絶縁性中空体
    の絶縁破壊を防ぐと共に、該該電位上昇阻止部より上部
    側の絶縁性中空体壁の電位を、該電位上昇阻止部より下
    部側の高電位にある絶縁性中空体壁の電位より低電位に
    保持して、該電位上昇阻止部の上部側の絶縁性中空体壁
    の電位上昇を阻止し、該電位上昇阻止部の上部側の絶縁
    性中空体壁の内面への導電性塗料の付着を防止すること
    を特徴とする塗料絶縁装置。
  5. 【請求項5】前記電位上昇阻止部が、前記絶縁性中空体
    壁の高さ方向に所定間隔で複数個設けてある請求項4に
    記載の塗料絶縁装置。
  6. 【請求項6】前記電位上昇阻止部が、前記絶縁性中空体
    壁の外部の一部に設けた電極と、該電極を接地する接地
    部からなる請求項4または5に記載の塗料絶縁装置。
  7. 【請求項7】前記絶縁性中空体が、複数個の絶縁性筒体
    を垂直方向に重合して形成してあり、前記電位上昇阻止
    部を該各絶縁性筒体に設けてなる請求項4〜6のいずれ
    かの項に記載の塗料絶縁装置。
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