JP2788963B2 - 静電塗装における塗料絶縁方法と装置 - Google Patents

静電塗装における塗料絶縁方法と装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、静電塗装における塗料絶縁方法と装置に係
り、より詳細には、水系塗料等の導電性塗料を用いて静
電塗装を行うための該塗料の絶縁方法と装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、静電塗装においては、塗料の塗着効率等の観点
より有機溶剤系塗料(油性塗料)が用いられている。し
かし、該塗料の場合、大気汚染の問題の外に、毒性およ
び可燃性の性質を有することより、消防法等で多くの規
制されているため、今日においては、その使用の是非が
再検討されている。
これに対して、水系(水性)塗料の場合、毒性や可燃
性という性質が少ないので、各種の塗料として好ましい
ものと言える。しかし、水系塗料は、導電性塗料である
ため、これを静電塗装するには、塗料供給系統の絶縁を
充分に行い、塗料噴射部における印加電圧を保ち、塗料
への荷電を充分にする必要がある。そこで、従来より、
この点について種々検討されているが、今日に到っても
有効な手段は提案されていない。
ただ、静電塗装における水系塗料の絶縁方法として、
『導電性塗料供給源から塗料を絶縁性密閉中空体の上端
部から該中空体に注入し、該中空体内の塗料を中空体内
壁に接触させることなく下方に滴下させることで、塗料
噴射の際に、電極に印加する高電圧が導電性塗料供給源
へ放電しないようにした絶縁方法』が提案(特公昭56−
3108号公報参照)されている。そして、具体的には、
『上端部に塗料流入孔を下端部に塗料流出孔を有する絶
縁性密閉中空体の内部に、その上端部に位置して中空体
中央部に向けて下方に傾斜すると共に中央部に孔を有す
る絶縁性環状邪魔板を上下方向に適宜間隔をおいて複数
個配設し、かつ、該邪魔板の孔の径を下段に行くに従い
小さくなるように形成し、しかも、最上段の邪魔板の上
部に、中央部から外周に向かって下方に傾斜する面を有
する天井板を設け、さらに、該天井板の外周部近傍に塗
料の流量を制御するための流下孔を穿設した構成』とさ
れている。
そして、上述した絶縁方法の場合、塗料を水滴状にし
て所定間隔で滴下するので、中空体内壁に滴下塗料が濡
れることがない限り、該塗料を絶縁状態に保持できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、中空体の下方向になるに従い、該塗料が内壁
に接触する可能性が大きくなり、一旦、接触すると絶縁
性中空体の内壁が導通状態となって、滴下塗料が導通状
態となり、該滴下塗料が中空体内壁に全て付着し、その
高電圧の印加による静電効果を得られないという問題が
ある。
そこで、本発明者は、上述した絶縁方法・装置の有す
る問題点について、研究・検討した結果、その問題の生
じるメカニズムを究明した。そして、そのメカニズムに
ついて説明すると、次ぎの通りである。
まず、塗料を中空体内部に滴下し、該塗料の一部が飛
散等によって絶縁性中空体の内壁に付着すると、該中空
体内壁に塗料噴射部への印加高電圧による沿面絶縁破壊
が生じ、付着塗料も高電圧の印加状態になる。そうする
と、該滴下塗料は該高電圧充電状態にある部位に向かっ
て静電誘導によって引き寄せられ、該部位(充電部)に
接触する瞬間には、衝突の衝撃と高圧の作用とで、水滴
状のものが飛散、付着を行う。すると、新たに高電圧充
電部以外に付着した塗料へ再び沿面リーク電流が発生
し、同様の繰り返しを行い、密閉中空体内は、絶縁性環
状邪魔板等を設け、凹凸等の沿面破壊が生じにくい形状
をなしていたとしても、高圧の作用により、非常に短時
間に内部が導通状態となり、塗料絶縁が不可能になる塗
料を実質的に絶縁できなくなるように作用する。
そこで、本発明者は、以上のようなメカニズムを阻止
することで、塗料の絶縁が容易に行えることを究明し
た。
本発明は、上述した点に対処して創案したものであっ
て、その目的とする処は、静電塗装において用いる水系
塗料等の導電性塗料を絶縁することができる塗料絶縁方
法と装置を提供することにある。
〔課題を解決しようとする手段〕
そして、上記目的を達成するための手段としての本発
明の静電塗装における塗料絶縁方法は、導電性塗料供給
源から供給される塗料を絶縁性中空体内に注入、滴下し
た際、該絶縁性中空体内を滴下する導電性塗料が、静電
塗装のための高電圧印加部の高電圧によって該絶縁性中
空体の内壁面に付着するのを防止する静電塗装における
塗料絶縁方法であって、該中空体壁の外部の一部に外部
電極を設け、また該中空体壁の内壁面の該外部電極に対
向する部位に内部電極を設け、該外部電極を接地等の手
段でもって低電位とし、該中空体内部が高電圧に帯電す
るのを防止するようにしたことを特徴とする。
本発明の塗料絶縁方法は、前記発明において、前記絶
縁性中空体が、中央部に塗料滴下用孔を備えた有底容器
を垂直方向に複数個重合して形成され、各有底容器の外
周部を接地していることも特徴とする。
また本発明の静電塗装における塗料絶縁装置は、導電
性塗料供給源から供給される塗料を絶縁性中空体内に注
入、滴下した際、該絶縁性中空体内を滴下する導電性塗
料が、静電塗装のための高電圧印加部の高電圧によって
該絶縁性中空体の内壁面に付着するのを防止する静電塗
装における塗料絶縁装置であって、該絶縁性中空体の上
部に導電性塗料供給滴下する塗料滴下部を設け、該絶縁
性中空体の下部に塗料滴下部から滴下した導電性塗料を
受ける滴下塗料流下部を設け、該中空体壁の外部の一部
に外部電極を設け、また該中空体壁の内壁面の該外部電
極に対向する部位に内部電極を設け、該外部電極を接地
してなることを特徴とする。
本発明の塗料絶縁装置は、前記発明において、前記絶
縁性中空体が、複数個の中空体を垂直方向に重ねて形成
してなることも特徴とする。
〔作用〕
そして、本発明の静電塗装における塗料絶縁方法と装
置は、導電性塗料供給源から供給される塗料を絶縁性中
空体内に注入、滴下すると、その滴下間隔によって、塗
料は絶縁状態とされるが、該塗料が中空体内壁に該塗料
の一部が付着し、静電塗装機への印加高電圧による漏れ
電流によって導通状態となった場合、該中空体の外部と
内壁面に対抗電極が設けてあり、外部側の電極が接地電
位にあるため、漏れ電流がアース側に誘導等されて、そ
れより上側に位置する中空体の内壁は、絶縁状態が保持
され、滴下塗料に静電塗装機への印加高電圧が放電する
ことがないように作用する。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながら、本発明を具体化した好ま
しい実施例について説明する。ここに、第1図は静電塗
装装置の概略構成図、第2図はブロックダイヤグラム、
第3図は塗料絶縁部の概略断面図、第4図は塗料絶縁部
を形成する有底容器の斜視図、第5図は塗料絶縁部を形
成する塗料流入部の斜視図、第6図は第5図の正面図、
第7図は塗料絶縁部の概略断面図、第8図、第9図はそ
れぞれ塗料絶縁部を形成する有底容器の斜視図、第10図
は本発明の静電塗装装置の塗料絶縁部の概略断面図であ
る。
本実施例の静電塗装における塗料絶縁装置は、概略す
ると、塗料供給部1と塗料絶縁部2および電源部3より
構成され、塗料を絶縁状態とし、塗料噴射部4でもって
静電塗装を行えるように構成されている。
塗料供給部1は、塗料タンク5と、塗料タンク5内の
混合塗料を攪拌するための攪拌機6および塗料タンク5
内の塗料を塗料絶縁部2に供給するための低圧ポンプ7
とより構成されている。低圧ポンプ7の駆動は、5相パ
ルスモータMを用いて塗料を定量供給できるようにして
いる。
塗料絶縁部2は、塗料を絶縁するためのアイソレータ
8により構成されている。アイソレータ8は、絶縁性密
封筒体(中空体)9によって形成され、その上端部の中
央部位に塗料流入部10、下端部に滴下塗料流下部11を備
えている。絶縁性密封筒体9は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート等の絶縁性
材料よりなる複数個(図面においては、6個)の有底容
器9a、9b・・・を垂直方向に着脱自在に重合して形成し
ている。しかし、有底容器の個数は、1〜5個、あるい
は7個以上の構成(例えば、第10図に示す構成等)とし
てもよい。そして、有底容器9a、9b・・・の底面中央に
は、それぞれ塗料降下孔12a、12b・・・を備え、塗料降
下孔12a、12b・・・の中心が、同一軸線上に位置するよ
うに重合した構成とされている。ここで、塗料降下孔12
a、12b・・・の孔径は、上段の容器より下段の容器に行
くに従い小さく、途中に、孔径の小さい塗料降下孔を備
えた容器を介在させた構成となっている。しかし、必要
に応じて、途中に、孔径の小さい塗料降下孔を備えた容
器を介在させない構成等としてもよい(第7図参照)。
また、塗料降下孔12a、12b・・・は、通常、その孔端1
2′を平面波形状(第6、9図参照)としている。しか
し、円孔(第8図参照)等としてもよい。さらに、有底
容器9a、9b・・・9fの内部に(特に、有底容器の最下段
9f)リブ(あるいは、溝)9′(第9図参照)を設けた
構成としてもよい。また、各有底容器9a、9b・・・の外
周にはアルミ箔等の導電性材料よりなる電極13a、13b・
・・を添設し、該電極13、13b・・・は、接地されてい
る。また有底容器9a、9b・・・9fの内面には、内部電極
が設けてある。ここで、電極13a、13b・・・の間隔は、
有底容器接合部より高電圧が電極に放電しない間隔とす
る必要があり、通常、各容器の周面中央に帯状に配設し
た構成となっいる。塗料供給部1の低圧ポンプ7と絶縁
管14は接続されており、その絶縁管14は、有底容器9aの
塗料流入部10に接続され、低圧ポンプ7によって定量移
送される塗料を絶縁性密封筒体9に滴下するようになっ
ている。その塗料流入部10は、塗料供給誘導部15と塗料
滴下部16よりなり、それぞれ、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の絶縁性材料でもって構成されている。塗料供
給誘導部15は、水平部15aと立ち上がり部15bとを有する
エルボ状の筒体でもって形成され、水平部15aの端部に
絶縁管14が接続され、立ち上がり部15bに塗料滴下部16
が形成されている。立ち上がり部15bは大径部を有し、
その上端面に中央孔17より放射状に広がる塗料滴下溝1
8、18・・・を備えた塗料滴下部16を形成した構成とな
っている。塗料滴下溝18、18・・・は、始端18aより終
端18bに下傾斜する分散・分流溝として形成され、塗料
を分散、分流させるようにしている。ここで、滴下部16
は、そのの直径φを、有底容器9の塗料降下孔12の孔径
より小さくすると共に、滴下塗料が垂直に落下し、かつ
有底容器9の塗料降下孔12に接触しないように配置する
ようにしている。なお、塗料滴下溝18の大きさ(溝幅)
や溝間距離等は、塗料の粘度・流量によって規定するよ
うにしている。そして、この塗料流入部10の構成は、目
詰まりの生じ難い形状で、かつメンテナンスの容易な構
成とすることが好ましい。これは、例えば、単に、皿状
の底に孔を設けた構成の場合、孔(溝)が少しづつ詰ま
っても極端に圧損が変化しないため、塗料が数ケ所の孔
(溝)に集中し、滴下時に水滴状になって絶縁不良の原
因となること等を考慮することの必要性を考慮したこと
による。なお、使用塗料が水性等で、一度、造膜する
と、再び溶けない塗料を使用する時に詰まりを生じ易
い。また、滴下塗料流下部11は、絶縁性密封筒体9を滴
下してきた滴下塗料を、塗料噴射部3に供給するための
ものであって、最下段の有底容器9fの塗料降下孔12fを
兼ねている。また、絶縁性密封筒体9の滴下塗料供給部
11は、ドレン孔を兼ね、ドレンパイプ19によって、塗料
を塗料供給部1の塗料タンク5に戻すように構成されて
いる。
電源部3は、通常、100V交流電源を用い、デジタルマ
ルチメーター21、塗料の供給量、供給速度をコントロー
ルするプログラマブルコントローラ22、塗料噴射部4の
塗料噴射器26、26に高電圧を印加するための高圧電源2
3、静電電圧計24およびマイクロアンペア計25を備え、
塗料供給部1のパルスモータMの駆動と、塗料噴射部4
への高電圧印加とを司るように構成されている。
そして、上記構成に基づく、実施例の静電塗装装置
は、次ぎのような作用をする。まず、塗料タンク5に、
水系塗料を入れ、電源を投入して攪拌機6を駆動させ
て、塗料を充分に混合した後、プログラマブルコントロ
ーラ22を作動させ、パルスモータM、低圧パンプ7を駆
動させて、塗料を塗料絶縁部2に定量供給する。次に、
塗料絶縁部2に供給された塗料は、アイソレータ8を構
成する絶縁性密封筒体9の上端部に配設されている塗料
供給誘導部15に供給され、その水平部15a、立ち上がり
部15bを通って塗料滴下部16に誘導される。塗料滴下部1
6では、その中央孔17より塗料が溢出するようにしてあ
る。これは、水性塗料のように粘度が高いものは、水滴
状にはなり難い。このため、塗料を確実に水滴状にする
には、一箇所よりの滴下量を少なくする必要があるの
で、放射状に掘設されている塗料滴下溝18、18、・・・
に分散、分流して落下する。ここで、塗料は定量誘導さ
れ、また分散、分流して落下するように形成されている
ので、塗料詰まり等を生じさせることなく、水滴状にな
って落下する。そして、該滴下塗料は、その滴下間隔に
よって、絶縁状態とされるが、該塗料が絶縁性密封筒体
9の内壁に、該塗料の一部が付着した場合、塗料噴射部
4への印加高電圧による沿面絶縁破壊が生じ、付着塗料
も高電圧の印加状態になる。そうすると、滴下塗料は高
電圧充電部に向かって静電誘導によって引き寄せられ、
充電部に接触する瞬間には、衝突の衝撃と高圧の作用と
で、水滴状のものが飛散、付着を行う。すると、新たに
高電圧充電部以外に付着した塗料へ再び沿面リークが発
生し、同様の繰り返しを行い、密閉容器内は、凹凸等の
沿面破壊が生じにくい形状をなしていたとしても、高圧
の作用により、非常に短時間に内部が導通状態となり、
塗料絶縁が不可能になるが、絶縁性密封筒体9を構成す
る各有底容器9a、9b、・・・の外周に設けられた電極13
a、13b、・・・が独立して接地されていることにより、
絶縁材料で作成された有底容器内への塗料付着によっ
て、高電圧充電部の進行が起こり、それに伴ない絶縁材
料の有底容器壁も徐々に高圧に帯電してくる。電荷の移
動速度は絶縁材料であるため遅いが、外周に設けられた
電極に徐々にリーク電流となって出て行く。このために
接地電極の部分で徐々に電圧降下が起こり、静電誘導に
よる吸着、衝突現象が極端に少なくなり、接地電極上部
での絶縁状態が保持されるようになる。この時の印加電
圧は、60KV、上記リーク電流は、5〜7μA程度であ
る。有底容器はポリプロピレン製で厚さt=1.3mm程度
である。この時、放電電流は80μA、印加電圧は60KVを
しており静電塗装は十分に行われる状態である。該漏れ
電流がアース側に誘導されて、導通状態となった筒体部
位と上側に位置する筒体内壁は、絶縁状態が保持され、
滴下塗料と短絡することがないように作用する。
また絶縁性密封筒体9を構成する有底容器9a、9b、・
・・は、その底面に塗料降下孔12a、12b、・・・を有
し、塗料降下孔12a、12b、・・・が、下段に行くにつれ
て、その開口径を小さくしているが、途中に、下段側の
塗料降下孔12eより小さい開口径の塗料降下孔12dとなる
ようにし、これにより導通状態と広がりを防止するよう
に作用させている。
そして、絶縁状態を保持された塗料は、絶縁性密封筒
体9の下端部に形成されている塗料流下部11からは、水
性塗料の導電性のため、高電圧が印加された状態で、高
圧ポンプ20により塗料噴射部4に定量供給される。
次ぎに、本実施例による効果を確認するために、本実
施例装置と、従来例装置とを用いて、同一条件の下で、
被塗装物(セメント瓦)に、水性塗料でもって塗装を行
った。
その試験結果によると、本実施例の場合は、塗料の絶
縁状態を連続2時間以上保持でき、かつその塗着効率も
90%を越え、かつ、塗料内の水分が少ないのも反映して
150〜300μmという上記塗料による静電塗装が行えたの
に対し、従来例装置にあっては、5〜15分程度で滴下塗
料が中空体内壁に付着し、塗料の絶縁状態を保持できな
くなり、その塗装を中断せざるを得ないという結果を得
た。
本発明の静電塗装装置における絶縁性中空状筒体とし
ては、第10図に示すような構成としてもよい。すなわ
ち、2個の有底容器を縦方向に重合し、有底容器9a、9b
の外側に電極(導電材)13oa、13obを配設し、また、下
側に位置する有底容器9bの内側に電極13ibを外側電極13
obに対応する位置に配設し、さらに上側に位置する有底
容器9aの内側のほぼ全面に電極(導電材)13iaを配設
し、電極13iaを接地すると共に、電極13oa、13obを接地
して、有底容器9aの内部を零電位となるようにしてもよ
い。そして、塗料滴下部16より滴下した塗料は、有底容
器9a内が零電位にあるのえ、該容器内の落下距離に応じ
て加速度を増しながら落下(降下)し、該滴下塗料が下
側の電極13ibに引かれても加速度が大であるので、その
まま塗料流下部11に落下する。ここで、仮に、該滴下塗
料が、容器の側面に付着したとしても、電極13ib、電極
13obによる静電誘導、また高圧電源35が、通常、n倍電
圧整流回路を用いているので、該高圧電流が脈流となっ
ていることより接地側にスムーズに誘導され、有底容器
9の上方における電位アップが防げ、滴下塗料の絶縁が
保持できる。ここで、容器の内側への電極13ibは配設し
ない構成としてもよい。この場合、塗料が電極13obの位
置する容器の内側部位に付着し、電極の役割を果たすよ
うに作用する。
ところで、上述した絶縁性筒体の各構成において、接
地をするに際し、または接地の代わりに、途中に高抵抗
を介在させたり、またコンデンサを介在させて、有底容
器の内部の電位を落とすようにしてもよい。この場合、
電位を緩やかに起こすことができるという利点を有す
る。このように、有底容器内における電位を低下させる
ようにする構成であれば、他の構成であってもよいこと
は当然である。なお、電極としては、アルミ等を蒸着、
あるいは絶縁性を塗布等して形成するようにしたものが
好ましい。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでな
く、本発明の要旨を変更しない範囲内で変形実施できる
ものを含む。因みに、次ぎのような変形を行ってもよ
い。
絶縁性筒体を、複数個の有底容器を重合して得た構
成とすることなく、一個の筒体の内部に所定間隔で、内
部に滴下塗料降下孔を形成する『環状ヒレ部(突出
部)』を設けた構成。
絶縁性筒体を、平面視円形とすることなく、例え
ば、平面視が四角形、楕円形等の中空容器とした構成。
電極を、絶縁性密封筒体に一体的に配設した構成。
絶縁性筒体の壁部の絶縁抵抗が部分的に変化した構
成。
〔発明の効果〕
以上の説明より明らかなように、本発明の静電塗装に
おける塗料絶縁方法と装置によれば、絶縁性密封状筒体
の内壁面と外部に電極を設け、外部電極を接地している
ので滴下塗料への放電が防止できるという効果を有す
る。
従って、本発明の静電塗装における塗料絶縁方法と装
置によれば、静電塗装において用いる水形塗料等の導電
静塗料を絶縁することができるという効果を有する。
図面の簡単な説明 第1〜10図は、本発明の実施例を示し、第1図は静電
塗装装置の概略構成図、第2図はブロックダイヤグラ
ム、第3図は塗料絶縁部の概略断面図、第4図は塗料絶
縁部を形成する有底容器の斜視図、第5図は塗料絶縁部
を形成する塗料流入部の斜視図、第6図は第5図の正面
図、第7〜10図は、それぞれ他の実施例を示し、第7図
は塗料絶縁部の概略断面図、第8図、第9図はそれぞれ
塗料絶縁部を形成する有底容器の斜視図、第10図は塗料
絶縁部の概略断面図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性塗料供給源から供給される塗料を絶
    縁性中空体内に注入、滴下した際、該絶縁性中空体内を
    滴下する導電性塗料が、静電塗装のための高電圧印加部
    の高電圧によって該絶縁性中空体の内壁面に付着するの
    を防止する静電塗装における塗料絶縁方法であって、該
    中空体壁の外部の一部に外部電極を設け、また該中空体
    壁の内壁面の該外部電極に対向する部位に内部電極を設
    け、該外部電極を接地して低電位とし、該中空体内部が
    高電圧に帯電するのを防止するようにしたことを特徴と
    する塗料絶縁方法。
  2. 【請求項2】絶縁性中空体が、中央部に塗料滴下用孔を
    備えた有底容器を垂直方向に複数個重合して形成され、
    各有底容器の外周部を接地している請求項1に記載の塗
    料絶縁方法。
  3. 【請求項3】導電性塗料供給源から供給される塗料を絶
    縁性中空体内に注入、滴下した際、該絶縁性中空体内を
    滴下する導電性塗料が、静電塗装のための高電圧印加部
    の高電圧によって該絶縁性中空体の内壁面に付着するの
    を防止する静電塗装における塗料絶縁装置であって、該
    絶縁体中空体の上部に導電性塗料供給滴下する塗料滴下
    部を設け、該絶縁体中空体の下部に塗料滴下部から滴下
    した導電性塗料を受ける滴下塗料流下部を設け、該中空
    体壁の外部の一部に外部電極を設け、また該中空体壁の
    内壁面の該外部電極に対向する部位に内部電極を設け、
    該外部電極を接地してなることを特徴とする塗料絶縁装
    置。
  4. 【請求項4】前記絶縁性中空体が、複数個の中空体を垂
    直方向に重ねて形成してなる請求項3に記載の塗料絶縁
    装置。
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