JP2850247B2 - 蓄冷材及び蓄冷方法 - Google Patents

蓄冷材及び蓄冷方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は−50℃以下の冷熱を畜熱するための蓄冷材、
蓄冷装置、蓄冷方法並びにこれらを応用する蓄冷冷却方
法に関する。
〔従来の技術〕
0℃附近での畜熱材としては水(氷)あるいはこれに
有機化合物あるいは塩類を添加したもの、有機化合物あ
るいは無機塩類の水和物など多数知られており、主とし
て建築物の冷暖房への応用が図られている。
0℃未満の蓄冷法としては空気液化分離装置などに用
いられている塔状の容器に金属充てん物を詰めた畜熱器
を用いる方法がある。しかしこの方法は畜熱器に用いら
れている金属充填物の比熱が小さいために蓄冷量が少い
ことが欠点となっている。
特許公開公報昭62−62192号には0℃未満で凝結する
プロセス冷媒の固−液潜熱を畜熱する蓄冷方法が記載さ
れている。この方法においてプロセス冷媒としてはハ
ロゲン化炭化水素、炭素数2〜10のアルコール、ケト
ン、エーテル、無機塩類の水溶液、低級アルコー
ル、エーテル、あるいはアセトン水溶液が示されてい
る。しかし上記、においては冷熱は氷の融解熱とし
て蓄冷されるために−50℃以下のごとき極低温において
は利用できない。また上記は一般に融解潜熱が小さい
うえに長期安定性、人畜に対する毒性および地球環境の
汚染の観点からも蓄冷材としては好ましくない。上記
は比較的好ましい蓄冷材と思われるが、発明の詳細の説
明によると融点が−31.2〜−6.5℃の高融点のアルコー
ル、ケトン、エーテルが例示されているに過ぎず、−50
℃以下の極低温での蓄冷材としての利用に関しては何も
示されていない。
特許公開公報昭63−202687号には連続相としての油
と、該油中の固−液変化をともなう分散相と、乳化剤お
よび/または乳化安定剤からなる液−液分散系からなる
畜熱剤が記載されており、LNG(液化天然ガス)の沸点
の約−160℃の低温から室温以上での巾広い温度範囲で
の利用が示されている。この畜熱剤による冷熱の蓄冷に
おいては畜熱剤をスラリー状態で輸送・貯蔵することが
可能であり、大規模蓄冷に好適であるが、乳化剤および
/または乳化安定剤の使用に伴うコストの上昇および−
50℃以下での取扱上の難しさを回避することができな
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の蓄冷材は比熱の小さい金属を用いるために蓄冷
容量がきわめて小さいか、高融点化合物の融解潜熱を用
いるために−50℃以下の極低温において利用することが
できない。また固液分散系の場合においては乳化剤およ
び/または乳化安定剤を使用するためにコストが高くな
り、かつ−50℃以下で安定な固液分散系を形成すること
が困難であった。
現在、−50℃以下、約−190℃までの極低温域で安全
かつ安価に利用することの可能な、蓄冷密度が大きく、
かつ蓄冷容量の大きい蓄冷材、蓄冷装置、蓄冷方法ある
いは蓄冷冷却法に対する需要が年々大きくなっている。
これらの需要の例としては−50℃以下の冷却が必要とさ
れる極低温倉庫、真空排気装置、各種超伝導応用機器な
どの冷熱源あるいは冷凍機のバックアップ用冷熱源が挙
げられる。さらに大規模な需要としては、LNGの需要増
加に伴いLNGの冷熱の蓄冷および蓄冷材または蓄冷装置
を用いた輸送などがある。
本発明は、上記のようにその開発等が要望されている
特に−50〜−190℃の極低温域での蓄冷材、蓄冷装置、
蓄冷方法及び蓄冷冷却法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、各々の融点が−50℃以下であって、
室温において相互に溶解して均一相を形成し、且つ、融
点差が15℃以上である炭素数が3〜12の低級炭化水素と
炭素数が1〜6の含酸素有機化合物との混合物からなる
ことを特徴とする蓄冷材が提供される。
さらに、各々の融点が−50℃以下であって、室温にお
いて相互に溶解して均一相を形成し、且つ、融点差が15
℃以上である炭素数が3〜12の低級炭化水素と炭素数が
1〜6の含酸素有機化合物との混合物を密閉容器に封入
してなることを特徴とする蓄冷装置及びその装置を用い
た蓄冷方法が提供される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明で用いられる融点が−50℃以下の炭素数3〜12
の低級炭化水素(以下、単に炭素水素とする。)は、飽
和、不飽和のいずれでもよい。好ましくは、融点が低
く、融解熱の大きい炭化水素がよく、低融点の前記炭化
水素としては分枝パラフィンあるいはオレフィンなどが
選らばれる。
本発明においては、炭素数5〜8の炭化水素がさらに
好ましい。これらは蒸気圧が低くて安全に取扱うことが
出来、さらに低融点または大きな融解熱を有するため
に、本発明における炭化水素として好適である。
具体的にはn−ペンタン、n−ヘキサン−、n−ヘプ
タン、シスおよびトランスペンテン−2、2−メチルブ
テン−1,2−メチルブテン−2、ヘキセン−1、シスお
よびトランスヘキセン−2、シスおよびトランスヘキセ
ン−3等が挙げられる。さらに好ましくは、天然ガソリ
ン、ガソリン、石油エーテル、軽質および重質ナフサ、
灯油、軽油、あるいはこれらからの分離製品、またはこ
れらの変成品をそのままあるいは組合せて用いてもよ
い。
本発明で用いる含酸素有機化合物としては、融点が−
50℃以下であり、炭素数が1〜6の含酸素有機化合物か
ら選らばれる。特にアルコール、エーテル、ケトンおよ
びエステル類が好ましい。
具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、アセトン、メチルエチルケトンおよびジエチルエ
ーテルが挙げられる。
本発明においては、上記炭化水素と含酸素有機化合物
とを各一種以上を組み合わせて混合物として用いる。
炭化水素と含酸素有機化合物との混合物からなる蓄冷
材を得るには、炭化水素と含酸素有機化合物相互の物理
的性状によって好適な組合せが決められる。即ちLNG等
の冷熱源の冷熱を畜熱するため、これらの混合物を冷却
した際に、炭化水素あるいは含酸素有機化合物を主成分
とする固体が析出するような組合せで選らばれる。
炭素数1〜6の含酸素有機化合物は、室温において炭
素数3〜12の低級炭化水素に溶解するが、一般に−50℃
以下の極低温においては溶解度が著しく低下することが
認められる。同様に、炭素数3〜12の低級炭化水素の炭
素数1〜6の含酸素有機化合物に対する溶解度も、極低
温において著しく低下する。
本発明における蓄冷材の特徴は、室温では相互に溶解
する上記炭化水素と含酸素有機化合物からなる混合物蓄
冷材において、高融点成分の低融点成分に対する溶解度
が極低温にして低減し、固体析出するような高融点成分
と低融点成分との組合せからなることである。
この場合、高融点成分と低融点成分との融点差が小さ
いと、両成分が共析するため融点差が大きいほど好まし
く、通常15℃以上の融点差を有するように組合せるのが
よい。
本発明における炭化水素及び含酸素有機化合物のいず
れかが、高融点成分または低融点成分を構成し、蓄冷材
は蓄冷状態において主成分が含酸素有機化合物または該
炭化水素からなる固体粒子が各々炭素水素または含酸素
有機化合物からなる液体に分散した固液分散系を形成す
る。
具体的には炭化水素としてのn−ヘキサンと含酸素有
機化合物としてのエタノールの混合物が挙げられる。こ
の系ではn−ヘキサンの融点(−95℃)がエタノールの
融点(−115℃)よりも高いので蓄冷時に液体エタノー
ル中に固体ヘキサンが分散したスラリーが得られる。こ
れと逆にn−ベンタン(融点−130℃)とメタノール
(融点−98℃)の組合せにおいては蓄冷時に炭化水素で
ある液体ペンタン中に含酸素有機化合物である固体メタ
ノールが分散したスラリーが得られる。
さらに本発明においては、炭化水素がn−ヘキサン、
n−ヘプタン、およびn−オクタンから選ばれた1つ以
上からなり含酸素有機化合物がこれより融点の低いメタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メ
チルエチルケトンおよびジエチルエーテルからなる組合
せによる混合物は、炭化水素の融解熱が大きく、かつ含
酸素有機化合物に対する溶解度が小さいので蓄冷密度が
大きく、安定なスラリー蓄冷材を形成できるので特に好
適である。同様の理由で、上記含酸素有機化合物と、こ
れらよりも融点の低い炭素数5〜7の炭化水素の組合せ
による混合物も、上記の含酸素有機化合物の融解熱が大
きく、かつ炭化水素に対する溶解度が小さいので蓄冷密
度が大きく安定なスラリー蓄冷材を形成することができ
る。
本発明における炭化水素と含酸素有機化合物との2成
分系混合物からなる蓄冷材においては、蓄冷時の過冷却
を防止し、あるいは固体粒子サイズを調節するために、
析出固体成分と融点および溶解度の異る過冷却防止剤あ
るいは結晶サイズ調節剤を添加してもよい。
上記したように、本発明の蓄冷材を用いて蓄冷する場
合には、蓄冷材を冷熱源を用いて冷却せしめることによ
って炭化水素あるいは含酸素有機化合物のいずれかを主
成分とする固体を析出せしめ、他方の液体中に分散させ
ればよい。
本発明の混合物蓄冷材の蓄冷方法としては、蓄冷材に
用いる炭化水素と含酸素有機化合物とは、室温において
は少くとも部分的に相互に溶解するので、混合物蓄冷材
の均一相溶液を急速に冷却させることによって高融点成
分を固化析出させることができる。
また、飽和溶解度以上に高融点成分を分散させたエマ
ルジョンの場合には、冷却伝熱面への固体析出を防ぐた
めに激しくかくはん混合しながら急速に冷却させればよ
い。
さらに、高濃度スラリーとして蓄冷する場合は、上記
と同様にした均一相の冷却によって固化した高融点成分
を、比重差あるいはフィルター等の公知の方法で分離濃
縮した後、回収した低融点成分にさらに高融点成分を溶
解せしめ、再び冷却・固体析出工程に循環せしめる方法
がよい。この方法によれば、冷却伝熱面への固体の析出
を少くすることができ、好ましい。
また、本発明の混合物蓄冷材の蓄冷方法においては、
冷却伝熱面への固体の析出を少くする他の方法として、
混合物蓄冷材の低融点成分のみを予め高融点成分の融点
以下に充分に冷却し、融点以上に保たれた高融点成分と
急速混合し、高融点成分を固体析出した後固液分離し
て、低融点成分を冷却工程に循環使用してもよい。
本発明においては、上記のように蓄冷した冷熱を断熱
容器中に保持して、冷熱需要先に供給してもよいし、た
断熱保冷配管等により需要先にスラリー状で送入するこ
ともできる。
この場合の蓄冷熱の利用は、固液分散のスラリー蓄冷
材と被冷却体とを、直接または間接的に熱交換して被冷
却体を冷却することができる。間接的熱交換は、冷却材
または冷媒等の熱媒体を用いて行うことができる。
本発明の蓄冷装置は、上記の炭化水素と含酸素有機化
合物とを前記したように所定に組合せた混合物を密閉容
器に封入してなるものである。この場合、混合物を形成
する炭化水素及び含酸素有機化合物は、上記蓄冷材の混
合物に用いられるものと同一範囲の化合物であるが、蓄
冷装置の使用温度よりも融点の低い化合物が選ばれる。
具体的には融点が低く、融解熱の大きいものが好まし
く、実用的には蒸気圧の低いものが製造および使用上に
おいて取扱い易く、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−
ヘプタン、シスおよびトランスペンテン−2、2−メチ
ルブテン−1,2−メチルブテン−2、ヘキセン−1、シ
スおよびトランスヘキセン−2、シスおよびトランスヘ
キセン−3−メタノール、エタノール、アセトンが好適
である。
これらの各化合物の主要性状を表−1に示す。これら
の融点は−151℃以上であるが、いずれも同一融点レベ
ルの他の化合物に比較して融解熱が大きいことが特徴で
ある。
本発明の装置において、密閉容器の形状、大きさ、材
質は任意でよい。しかし封入物が容器外に漏れないよう
な構造と材質からなり、また冷却時にすみやかに固化す
るための充分な伝熱面積を有することが必要とされる。
具体的にはスチールあるいはアルミニウム製のパイプま
たは球であって、上記の炭化水素及び含酸素有機化合物
を封入し、外部から冷却するようにしたものでよい。
あるいはまた、容器の外部が、外気と充分に断熱され
ており、内部に封入する上記炭化水素等の封入物を冷却
固化させるために冷却材あるいはプロセス冷媒等の熱媒
体を通じるための管路と充分な伝熱面を有するものでも
よい。このような蓄冷装置は大量の冷熱の蓄冷および輸
送に便利である。この場合、装置において用いられる冷
却材あるいはプロセス冷媒としての熱媒体は、テトラク
ロロメタン、フレオン−12、フレオン−22、ブテン−
1、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、および
メタンから選らばれた1つ以上を用いることができる。
本発明による蓄冷装置は蒸気圧の高い化合物であって
も、容器に封入するこができ、プロパン、プロピレンあ
るいはブテン−1を封入して用いることによって、−18
8〜−185℃の冷熱の蓄冷に応用することもできる。
また、炭化水素として、天然ガソリン、ガソリン、ナ
フサ等の脱水素化物はオレフィンに富むため、融点が低
くなり、融解熱も大きいので、本発明による蓄冷装置へ
の封入物として好ましい。またナフサのリフォーミング
で得られる生成物から、融点が高く、融解熱の小さい芳
香族成分を除去した留分は分枝パラフィンに富むために
融点が低く、超低温において使用するための蓄冷装置用
の封入物として好適である。
本発明の上記装置を用いた冷熱の蓄冷およびその利用
は次のように行なうことができる。即ち、本発明の炭化
水素および含酸素有機化合物をパイプ等に封入した蓄冷
装置の場合には、LNG等の冷熱源を用いてこれを直接ま
たは間接冷却し、封入物を固化して蓄冷する。
蓄冷冷熱を利用する場合には蓄冷済の蓄冷装置を利用
サイトに運搬し、蓄冷操作と逆に間接あるいは直接に被
冷却体を冷却すればよい。
また、密閉容器内部に冷却材あるいはプロセス冷媒を
通じるための管路と伝熱面を有する蓄冷装置による冷熱
の蓄冷およびその利用も、基本的には上述の簡易型装置
による場合と同様に行われる。即ち、蓄冷時においては
冷熱源を用いてプロセス冷媒を介して封入物を冷却・固
化せしめ、蓄冷冷熱の利用においては蓄冷装置をプロセ
ス冷媒を介して被冷却体と連結して、これを冷却すれば
よい。
〔実施例〕
以下に、本発明について実施例によりさらに詳しく説
明する。但し、本発明は、本実施例に限定されるもので
ない。
実施例−1 低級炭化水素としてn−ヘプタンを、含酸素有機化合
物として無水エタノールを用いて、蓄冷状態において主
としてヘプタンからなる固体粒子が液体エタノールに分
散してなる固液分散系を製造した。
まず室温において無水エタノール100部に対してn−
ヘプタン30部を溶解させた。このn−ヘプタンのエタノ
ール溶液を用いて蓄冷を、次のように行った。即ち、こ
の溶液を激しく撹拌しながら約−100℃まで冷却すると
溶液中に雪状の主としてn−ヘプタンからなる固体粒子
が析出した。固体析出中においては溶液温度が−90〜−
95℃に上昇し、ほぼ一定温度に保たれた。エタノール中
のn−ヘプタンの析出が終了すると溶液の温度が再び下
降するので固体析出工程の終点を知ることが出来た。
上記の方法で得られた固液分散系からなる蓄冷体を、
そのまま被冷却体の冷却に用いてもよい。しかし、蓄冷
体の蓄冷密度(蓄冷材1gあたりの畜熱量、本実施例の場
合は融解潜熱量)を大きくするために上記の固液分散系
を静置しておくことによって固体ヘプタン粒子を浮上分
離するか、あるいは濾過分離して、固形分を濃縮したス
ラリー蓄冷体の蓄冷密度は10〜20kcal/kgにも達するこ
とが認められた。
また、本実施例によって得られた蓄冷体は流動性が大
きいため、大量に輸送、貯蔵することが可能であり、−
90℃以下の冷熱源に用いることが容易であることが認め
られた。
実施例−2 低級炭化水素としてイソペンタンを、含酸素有機化合
物としてアセトンを用いて、蓄冷状態において主として
アセトンからなる固体粒子が、液体イソペンタンに分散
してなる固液分散系を製造した。
まずイソペンタンを約−160℃に冷却し、これを−95
℃に冷却しておいたアセトンと激しく撹拌しながら急速
混合した。混合と同時に主としてアセトンからなるスラ
リー状の固体粒子が析出するのでこれを固液分離した。
分離した主にイソペンタンからなる液体部分を、再び約
−160℃に冷却しアセトンとの混合工程に用いた。この
ようにしてアセトンを約50%含むスラリー状のアセトン
−イソペンタン固液分散系からなる蓄冷体が得られた。
実施例−3 外径35mmφ、内径31mmφ、長さ50cmのアルミニウム製
パイプを加工して得られた容器にペンテン−2(シス、
トランス混合物)を約200g入れて密閉、封入し、本発明
による極低温用蓄冷装置を得た。本装置を用いて蓄冷し
た。先ず、本装置を−160〜−150℃に冷却し、封入物
(ペンテン−2)を固化せしめた。この固化工程(蓄冷
工程)の終了はこの蓄冷装置外壁温度の低下(冷各温度
付近まで低下する)ことによって知ることが出来た。
本蓄冷装置の冷却はLNG等の冷却材に直接接触させて
実施することもできるし、あるいはこれらの冷熱源を用
い、プロパン、フレオン等のプロセス冷媒を介して行う
ことも可能である。
上記のようにした本蓄冷装置における蓄冷は、蓄冷密
度が20kcal/kg以上と大きいので−140℃以下の冷熱源と
して、そのままで各種ガスおよび低融点液体の脱水乾燥
用、あるいは魚獲物の急速冷却用などの各種の用途に利
用することが可能である。
本実施例のようなパイプ内部に低級炭化水素等を封入
する代わりに、外気から充分に断熱した槽あるいはタン
ク内に低級炭化水素等を封入し、さらに冷却材あるいは
プロセス冷媒を通じるための配管と、封入物を固化析出
させるための充分大きい伝熱面をその内部に配置した装
置を用いることによって、冷熱をその装置内に蓄冷せし
めることが可能であることは本実施例から容易に理解さ
れる。
〔発明の効果〕
本発明による蓄冷材、蓄冷装置およびこれらによる蓄
冷方法は冷熱源のバックアップのみならず、LNG冷熱の
ごとき利用されずに廃棄されていた冷熱源の蓄冷・輸送
による有効利用の拡大にも応用することができ、エネル
ギー節約のうえにも大きな効果が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳岡 洋 神奈川県横浜市金沢区釜利谷町1917―33 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 5/00 - 5/06 WPI/L(QUESTEL)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々の融点が−50℃以下であって、室温に
    おいて相互に溶解して均一相を形成し、且つ、融点差が
    15℃以上である炭素数が3〜12の低級炭化水素と炭素数
    が1〜6の含酸素有機化合物との混合物からなることを
    特徴とする蓄冷材。
  2. 【請求項2】蓄冷状態において、前記炭化水素及び前記
    含酸素有機化合物のいずれか一方が固体粒子で、他方が
    液体であって、固液分散系を形成する請求項(1)記載
    の蓄冷材。
  3. 【請求項3】前記炭化水素が、天然ガソリン、ガソリ
    ン、石油エーテル、軽質および重質ナフサ、灯油若しく
    は軽油又はこれらからの分離製品若しくはこれらの変成
    品である請求項(1)または(2)記載の蓄冷材。
  4. 【請求項4】請求項(1)、(2)又は(3)記載の蓄
    冷材を冷却せしめ、前記混合物のうちのいずれかを主成
    分とする高融点の成分を固化せしめて他を主成分とする
    低融点成分の液体中に分散せしめて蓄冷することを特徴
    とする蓄冷方法。
  5. 【請求項5】前記混合物が均一相溶液であって、前記固
    化した高融点成分を分離濃縮し、前記低融点成分を回収
    し、回収した該低融点成分に更に高融点成分を溶解して
    再び冷却・固体析出工程に循環して蓄冷する請求項
    (4)記載の蓄冷方法。
  6. 【請求項6】前記混合物のうち低融点成分を高融点成分
    の融点以下に冷却せしめたのち、融点以上に保たれた高
    融点成分と急速混合せしめて該高融点成分を固化する請
    求項(4)記載の蓄冷方法。
  7. 【請求項7】各々の融点が−50℃以下であって、室温に
    おいて相互に溶解して均一相を形成し、且つ、融点差が
    15℃以上である炭素数が3〜12の低級炭化水素と炭素数
    が1〜6の含酸素有機化合物との混合物を密閉容器に封
    入してなることを特徴とする蓄冷装置。
  8. 【請求項8】前記容器の外部が外気と断熱されており、
    封入物を冷却固化させるための熱媒体を流通させる管路
    と伝熱面を内部に有する請求項(7)記載の蓄冷装置。
  9. 【請求項9】請求項(7)の装置において、前記容器を
    外部または熱媒体を介して内部から冷却することによっ
    て、封入されている前記混合物の少なくとも一部を固化
    せしめて蓄冷することを特徴とする蓄冷方法。
  10. 【請求項10】請求項(4)、(5)、(6)又は
    (9)の蓄冷方法によって蓄冷した冷熱を用いて直接又
    は熱媒体を介して被冷却物を冷却することを特徴とする
    蓄冷冷却方法。
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