JP2847555B2 - シクロオレフィンポリマーの製造方法 - Google Patents

シクロオレフィンポリマーの製造方法

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JP2847555B2 JP2038518A JP3851890A JP2847555B2 JP 2847555 B2 JP2847555 B2 JP 2847555B2 JP 2038518 A JP2038518 A JP 2038518A JP 3851890 A JP3851890 A JP 3851890A JP 2847555 B2 JP2847555 B2 JP 2847555B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はシクロオレフィンポリマーの製造方法、さ
らに詳しくは、メタセシス触媒を用いてノルボルネン基
を有するシクロオレフィンモノマーを開環重合する方法
に関する。
〔従来の技術〕
ノルボルネン系モノマーの製法はよく知られている。
例えば、ジシクロペンタジエン(DCP)はシクロペンタ
ジエンをディールス・アルダー反応により二量化するこ
とにより得ることができ、ジヒドロジシクロペンタジエ
ンはシクロペンタジエンとシクロペンテンのディールス
・アルダー反応によって得ることができる。未置換又は
置換ノルボルネンはシクロペンタジエン所定のオレフィ
ンとのディールス・アルダー反応で合成可能であり、テ
トラシクロドデセン類はシクロペンタジエンとノルボル
ネン類とのディールス・アルダー反応によって得られ
る。対称型及び非対称型のシクロペンタジエン三量体や
シクロペンタジエン四量体は同様にしてシクロペンタジ
エンのディールス・アルダー反応によって又はDCPの熱
処理によって得られる。
ノルボルネン系モノマーの重合はメタセシス触媒及び
メタセシス共触媒を含有するメタセシス触媒系を用いる
開環重合によって行われる。メタセシス触媒は一般にモ
リブデン、タングステン及びタンタル化合物から選択さ
れ、メタセシス共触媒はアルキルアルミニウムやアルキ
ルアルミニウムハライドなどの有機金属化合物から選択
される。
クロジヴィックの米国特許第4,400,340号は、タング
ステンハライドやタングステンオキシハライドのような
タングステン含有触媒を開示している。この系ではまず
触媒を溶剤に懸濁させ、これにアルコール又はフェノー
ル化合物を加えてモノマーに溶解しやすくし、さらにル
イス塩基又はキレート化剤を加えてタングステン化合物
を含むモノマー溶液の事前の重合を防止している。タン
グステン化合物の量は溶剤1当たり0.1〜0.7モルであ
り、アルコール又はフェノール化合物に対するタングス
テン化合物の重量比は1:1〜1:3であり、ルイス塩基又は
キレート化剤の量はタングステン化合物1モル当たり1
〜5モルである。タングステン化合物の取り扱いは触媒
活性の失活を防ぐために水分及び空気の不存在下に行わ
れる。触媒をシクロオレフィンモノマーに溶解するため
には上記のごとき手順で取り扱われる。この特許におけ
る共触媒はテトラブチル錫及び炭素数1〜10のアルキル
基を有するアルキルアルミニウム化合物(例えば、アル
キルアルミニウムジハライド、ジアルキルアルミニウム
ハライドなど)から選択される。好ましいアルキル基は
エチル基であり、もっとも好ましい共触媒はジエチルア
ルミニウムクロライドである。これらの共触媒は空気や
水分に対し敏感であるが、シクロオレフィンモノマーに
は容易に溶解する。
ミンチャックらの米国特許第4,380,617号もシクロオ
レフィン重合用のメタセシス触媒系を開示している。こ
こで用いられる触媒は有機アンモニウムイソポリモリブ
デート及び有機アンモニウムイソポリタングステートで
あり、これらはシクロオレフィンに可溶性でかつ空気や
水分に対し安定である。共触媒は上記の米国特許第4,40
0,340号に開示されたものとはほゞ同様であり、一般に
有機金属化合物、とくにアルキルアルミニウムハライド
から選択される。やや効果は劣るが、アルミニウムの代
わりにリチウム、マグネシウム、ホウ素、鉛、亜鉛、
錫、珪素及びゲルマニウムであってもよく、また有機金
属化合物の全部又は一部に代えて金属ハイドライドを用
いることもできる。アルキルアルミニウム及びそれに対
応する有機金属化合物も共触媒として使用することがで
きる。
米国特許第4,426,502号はシクロオレフィン重合用の
メタセシス触媒系においてアルコキシアルキルアルミニ
ウムハライド又はアリールオキシアルキルアルミニウム
ハライドを用いることを開示している。この共触媒は有
機アンモニウムイソポリタングステート又はイソポリモ
リブデート触媒と組み合わせてノルボルネン系モノマー
の重合に用いるととくに有用であると記載されている。
アルキルアルミニウムハライド共触媒をアルコキシ又は
アリールオキシアルキルアルミニウムハライドに変性す
ることによって共触媒の還元力が低下し、重合の開始と
その後の急速な重合に先立って室温において種々の成分
を混合したり、又は作業の中断に必要な充分なポットラ
イフが得られるようになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、炭化水素溶剤およびモノマーに完全
にまたは部分的可溶性であって、空気および水に対し敏
感でなく、取扱い性に優れたメタセシス触媒を用いてシ
クロオレフィンモノマーを開環重合する方法を提供する
にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係るシクロオレフィンポリマーの製造方法
は、メタセシス触媒とメタセシス共触媒から成るメタセ
シス触媒系の存在下にノルボルネン基を有するシクロオ
レフィンモノマーを開環重合する方法において、メタセ
シス触媒として有機ホスホニウムモリブデート、有機ホ
スホニウムタングステート、またはこれらに対応する有
機アルソニウム塩であって、かつモノマーに少なくとも
部分的に溶解するか又はモノマー中でエマルジョンを形
成可能な化合物を用いることを特徴とする。
本発明において使用する触媒は炭化水素溶剤及びシク
ロオレフィンモノマーに完全に又は部分的に可溶性であ
り、また酸素や水分に対して敏感でない、これらの触媒
はメタセシス共触媒、とくにアルコキシアルキルアルミ
ニウムハライドから選択される共触媒及び必要に応じて
他の成分と組み合わせてシクロオレフィンの溶液重合又
はバルク重合に用いられる。重合によって得られる生成
物は、分子内に不飽和側鎖を有している。
好ましい有機ホスホニウムモリブデート、有機アルソ
ニウムモリブデート及びこれらに対応するタングステー
トは次式によって示される。
ここで、Zはリン原子又はヒ素原子を表わし、Oは酸
素原子を表わし、Mはモリブデン原子又はタングステン
原子を表わし、x及びyは分子中のM原子及び酸素原子
の数であり、M原子に対しては原子価+6、酸素原子に
対しては原子価−2が与えられる。R及びR1は同一でも
異なっていてもよく、水素、炭素数1〜20のアルキル基
及びアルキレン基、炭素数5〜16の脂環式基から選択さ
る。R及びR1の全てが水素があったり炭素数の合計が小
さすぎると、炭化水素や多くの有機溶剤又はシクロオレ
フィンモノマーに溶解しなくなる。好ましい具体例は、
Rが炭素数1〜18のアルキル基から選ばれ、かつ全ての
Rの炭素数の合計が20〜72、とくに25〜48のものであ
り、またR1が炭素数1〜18のアルキル基から選ばれ、か
つ全てのR1の炭素数の合計が15〜54と、とくに21〜42の
ものである。
前記式〔I〕で示される触媒について好ましい条件と
して次のようなことが見い出された。全てのRが同一の
ときには、Rは炭素数を4〜18とすることが好ましい。
3個のRが同一でかつ炭素数7〜18のものであるときに
は残りのRの炭素数を1〜18とすることが好ましい。3
個のRが同一でかつ炭素数4〜6のものであるときには
残りのRの炭素数を4〜18とすることが好ましい。4個
のRのうち2つが同一でかつ炭素数12〜18のものである
ときには残りのRの炭素数は1〜18であれば同一でも異
なるものでもよい。全てのRが異なるものであるときに
は炭素数の合計は20〜72とすることができる。
前記式〔II〕で示される触媒についても同様に次のよ
うなことが見い出された。触媒が炭化水素溶剤及び/又
はノルボルネン系モノマーに可溶性であることが必要な
場合にはR1の炭素数をあまり小さくすべきではない。全
てのR1が同一のときにはRの炭素数を5〜18とすること
が好ましい。2個のR1が同一又は全てのR1が異なるとき
には各々の炭素数は1〜18であり、それらの合計は15〜
72であることが好ましい。R1の一つが水素のときには残
りの二つのR1は炭素数12以上、とくに12〜18とすること
が好ましい。
本発明における触媒の好ましい具体例としては、例え
ば、トリドデシルホスホニウムモリブデート及びタング
ステート、メチルトリカプリルホスホニウムモリブデー
ト及びタングステート、トリ(トリデシル)ホスホニウ
ムモリブデート及びタングステート、トリオクチルホス
ホニウムモリブデート及びタングステート、これらに対
応するアルソニウムモリブデート及びタングステートな
どが挙げられる。
これらの触媒は適当なメタセシス共触媒と組み合わせ
てノルボルネン系モノマーの開環重合に用いられる。好
ましい共触媒はアルキルアルミニウム及びアルキルアル
ミニウムハライド、とくに次式で示されるアルコキシア
ルキルアルミニウム化合物及びアリールオキシアルキル
アルミニウム化合物である。
(RO)▲R1 b▼AlXc 式中、Rは炭素数1〜18、好ましくは2〜4のアルキ
ル基又はフェニル(置換基をもっていてもよい)であ
り、R1は炭素数1〜18、好ましくは2〜4のアルキル基
であり、Xは塩素、沃素、臭素、弗素から選択されるハ
ロゲン、好ましくは塩素または沃素であり、aはアルコ
キシ基又はアリールオキシ基(RO−)の当量数であっ
て、約1/2〜2・1/2、好ましくは約1〜1・3/4であ
り、bはアルキル基(R1)の当量数であって約1/4〜
2、好ましくは約1/2〜1であり、Cはハロゲン(X)
の当量数であって0〜2、好ましくは約3/4〜1・1/4で
あり、a,b,cの合計は3である。cの定義においてcが
0のときはハロゲンを含まない触媒を意味する。
前記のごとく、アリールオキシアルキルアルミニウム
ハライドも好ましい共触媒である。この場合のアリール
オキシ基は、好ましくは立体障害のないフェノール類や
置換又は非置換のレゾルシン類から誘導される。とくに
2位及び6位に置換基をもたないフェノール類から誘導
されたフェノキシ基が好ましい。アリールオキシ基の形
成に用いる化合物の好ましい具体例としては、例えば、
フェノール、二個の水酸基の一方がエステル化された非
置換レゾルシン誘導体などが挙げられる。
好ましい共触媒には、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、モノエチルアルミニウムジクロライド、エチルアル
ミニウムセスキクロライド、プロピルアルミニウムジク
ロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、メチ
ルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウ
ムイオダイド、エチルアルミニウムジイオダイド、プロ
ピルアルミニウムジイオダイドなどから誘導されるアル
コキシアルキルアルミニウムクロライド及びイオダイド
が含まれる。
アルミニウムはアルキルアルミニウムハライド共触媒
において好ましい還元剤であるが、他の有機金属ハライ
ド還元剤も同様に使用することができる。適当な有機金
属共触媒を形成する金属はリチウム、マグネシウム、ホ
ウ素、鉛、亜鉛、錫、珪素及びゲルマニウムなどであ
る。また、金属ハイドライドも有機金属共触媒の全部又
は一部に代えて用いることができる。
本発明においてはモリブデート又はタングステート触
媒が全モノマー1モル当たりモリブデン又はタングステ
ンが0.01〜50ミリモル、好ましくは0.1〜10ミリモルと
なるような割合で用いられる。触媒に対する共触媒のモ
ル比は臨界的ではなく、モリブデン又はタングステンに
対しアルミニウム又はそれに対応する金属が約200:1〜
1:10、好ましくは約50:1〜2:1である。
本発明で使用可能なノルボルネン系モノマー、すなわ
ち多環シクロオレフィンは次式(I)で示されるノルボ
ルネン基の存在によって特徴づけられる。
好ましいノルボルネン系モノマーの具体例としては、
例えば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒド
ロジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン三量体、
テトラシクロドデセン、これらの置換体(例えば、炭素
数1〜6の低級アルキル基を有するノルボルネンやテト
ラシクロドデセンなど)が例示される。
次式(II)及び(III)で示されるものは好ましいノ
ルボルネン系モノマーである。
式中、R及びR1は各々独立に水素、炭素数1〜20のア
ルキル基、R及びR1が環中の2個の炭素原子とともに形
成する炭素数4〜7の飽和及び不飽和の炭化水素環状基
から選択される。好ましいR及びR1は各々独立に水素、
炭素数1〜3のアルキル基、R及びR1と環中の2個の炭
素原子とで形成する炭素数5のモノ不飽和炭化水素環状
基から選択される。式(III)のR2及びR3は各々独立に
水素、炭素数1〜20、好ましくは1〜3のアルキル基か
ら選択される。
好ましい多環シクロオレフィンの具体例としては、例
えば、ジシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンの
オリゴマー(とくにシクロペンタジエンの三量体及び四
量体)、メチルテトラシクロドデセン、エチルテトラシ
クロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、2−
ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,6−
ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボ
ルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル
−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネ
ン、5−ドデシル−2−ノルボルネン、ビニルノルボル
ネン、エチリデンノルボルネンなどが例示される。
ノルボルネン系モノマー又はモノマー混合物は約20重
量%までの範囲内で少なくとも一つ以上の他の重合可能
なモノマーを含んでいてもよい。このようなモノマーの
好ましいものは炭素数4〜12、とくに4〜8の単環シク
ロオレフィンから選択され、その具体例としては、シク
ロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シク
ロヘプテン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエ
ン、シクロデセン、シクロドデセン、シクロドデカジエ
ン、シクロドデカトリエンなどが挙げられる。また、炭
素数7〜16、好ましくは8〜12で1〜4個、好ましくは
2〜3個の二重結合を有する二環シクロオレフィン(例
えばノルボルナジエン)も用いることができる。しか
し、開環重合性のないシクロオレフィン、すなわちシク
ロヘキセン及びその誘導体は溶剤として用いることはで
きるが、モノマーとしては用いることができない。
溶液重合を行う場合、まずシクロオレフィンモノマー
と炭化水素反応溶剤とを混合し、その混合物を反応器に
装入する。モノマーは一種でも二種以上であってもよ
い。次いで、非共役非環式オレフィンから選択される分
子量調節剤を加え、続いて少なくとも一つの有機金属共
触媒(例えば、アルキルアルミニウムハライド)と少な
くとも一つのモリブデート又はタングステート触媒を加
える。この触媒はモノマーに可溶性である。反応は通常
0〜100℃、好ましくは20〜80℃、又は室温で行われ、
2時間以内に終了する。重合はアルコールを添加するこ
とによって停止される。生成物は滑らかで粘稠なポリマ
ー溶液であり、溶剤を除去することによって熱可塑性の
固形ポリマーが得られる。
溶液重合には溶剤が不要であり、好ましい溶剤の具体
例としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロオ
クタンなどのごとき炭素数4〜10の脂肪族及び脂環族炭
化水素溶剤;ベンゼン、トルエン、ナフタレンなどのご
とき炭素数6〜14で液状もしくは容易に液化しうる芳香
族炭化水素溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム、クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのごとき不活性な置
換基を有する置換炭化水素溶剤などが例示される。これ
らのなかでシクロヘキサンは優れた溶剤であることが見
い出された。生成するポリマーは必ずしも溶剤に可溶で
ある必要はない。溶剤の添加時期はとくに制限されない
が、溶剤の一部、好ましくは全体の0.1〜10%は触媒を
溶解するために用いられ、残部は触媒溶液の添加に先立
って加えられる。一般にモノマー100g当たり0.5〜2
の溶剤が用いられる。
所望により、溶液重合の活性化剤を用いることもで
き、その具体例として例えば、水、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、
フェノール、エチルメルカプタン、2−クロロエタノー
ル、1,3−ジクロロプロパノール、p−ブロモフェノー
ル、エピクロルヒドリン、エチレンオキサイド、シクロ
ペンテン−2−ハイドロパーオキサイド、クミルハイド
ロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、空気又は酸素などが例
示される。なかでも空気、パーオキサイド、又はハイド
ロパーオキサイドは優れた活性化剤であり、とくにベン
ゾイルパーオキサイドのような有機パーオキサイドが優
れている。活性化剤は共触媒1モル当たり通常0〜約3
モル、好ましくは0〜約1モルの割合で用いられる。活
性化剤は反応液調製のどの時点で添加してもよいが、最
後又は触媒とともに添加することが好ましい。
分子量調節剤として、炭素数2〜12、好ましくは3〜
8で、かつ二重結合を形成する炭素原子の各々が少なく
とも1つの水素を有する非共役非環式オレフィンを用い
ることができる。残りの炭素原子は不活性な置換基を有
していてもよく、その具体例として水素、炭素数1〜8
のアルキル基が挙げられる。好ましい非環式オレフィン
の具体例としては、例えば、1−ブテン、3−メチル−
1−ブテンなどのごとき1−オレフィン;2−オレフィ
ン;3−オレフィン;非共役トリオレフィンなどが例示さ
れ、より好ましい非共役非環式オレフィンは1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、2−ペンテン、4−メチ
ル−2−ペンテンなどのごとき炭素数3〜8の1−オレ
フィン及び2−オレフィンから選択される二重結合を形
成する炭素原子に水素をもたない化合物は分子量調節剤
として不活性である。また、ブタジエン、イソプレンな
どのごとき共役オレフィンも活性な調節剤として使用す
ることができる。
非共役非環式オレフィンはモノマー1モル当たり約0.
0001〜約1モルの割合で用いられる。かかる非共役非環
式オレフィンは直接又は溶液として反応液調製のどの時
点で添加してもよいが、モノマーとともに添加すること
が好ましい。もし最後に添加する場合には重合が始まる
前に加えることが好ましい。
モノマーの添加時期もとくに制限されないが、通常は
溶剤及び非共役非環式オレフィンとともに最初に反応器
に装入される。これらの各成分は別々に加えても混合物
として加えてもよい。次いで、共触媒及び触媒が別々に
加えられる。これらは通常上記のごとき炭化水素溶剤の
溶液として用いられる。添加順序を逆にして触媒、共触
媒の順にすることもできる。反応液中のモノマーをガス
クロマトクラフィーで検出し、それが消失すると重合反
応は完了したことになる。
バルク重合は、本発明のモリブデート又はタングステ
ート触媒を含むメタセシス触媒系を用いて溶剤の不存在
下にシクロオレフィンモノマーを重合することによって
行われる。重合をモールド中で行う反応射出成形(RI
M)によればモノマーから一段階で固形の成形品が得ら
れる。成形品の具体例は、例えば、事務機器のハウジン
グ、家具、窓枠、自動車及びレジャー用車両の部品など
である。
本発明で用いるメタレート触媒はノルボルネン系モノ
マーに可溶性であるため、溶液重合で用いられる溶剤や
他の添加剤の不存在下に重合を行うことができる。共触
媒もモノマー可溶性であり、そのためにバルク重合が容
易となり、RIMによるノルボルネン系モノマーの重合が
可能となる。
RIMのようなバルク重合においては、ハロゲン供給源
の存在下に95%以上の転化率(熱天秤法による測定)、
好ましくは98%以上の転化率が得られる。
共触媒がハロゲンを含んでいない場合やより多くのハ
ロゲンを含むことが望ましい場合には、ハロゲン供給源
が用いられる。好ましいハロゲン供給源はハロシランで
あり、これはシクロオレフィンモノマー1モル当たり通
常0.05〜10ミリモル、好ましくは0.1〜2ミリモルの割
合で用いられる。好ましいハロゲン供給源の具体例とし
ては、例えば、ジメチルモノクロロシラン、ジメチルジ
クロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラクロ
ロシランなどのクロロシランが例示される。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものでは
ない。
実施例1 この実施例は次式で示される方法によるホスホニウム
モリブデート触媒の調製を示す。
4[CH3(CH2)15]P[(CH2)3CH3]3Br+4(NH4)2M02O7+2H2SO4 →{[CH3(CH215]P[(CH23CH3]}4M08O26 まず、アンモニウムジモリブデート13.6g(0.04モ
ル)を脱イオン水150mlに溶解した。他方、ヘキサデシ
ル−トリ−n−ブチルホスホニウムブロマイド20.3g
(0.04モル)を脱イオン水100mlに溶解し、次いで濃硫
酸2.0mlを加え、得られた溶液を撹拌下に先のモリブデ
ート水溶液と混合した。
この混合物にメチレンクロライド200mlを加え、60分
間還流した。緑色のメチレンクロライド層を除去したの
ち、脱イオン水100mlで3回洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶剤をロートベーパーで50℃で除去したの
ち、真空オーブン中で90℃で乾燥し暗緑色の固体を得
た。
この生成物を赤外分析(IR)したところ、1000cm-1
600cm-1の領域にM08O26アニオンに基づく吸収が見られ
た。また、リンNMRではプロトンデカップリング後に、
参照用に用いた外部添加の85%リン酸に基づく鋭い一重
線が33.7ppmに見られた。さらにプロトンNMRでは2.3ppm
に8個のプロトンに基づく巾の広い一重線が認められ、
1.5〜0.9ppmの領域に52個のプロトンに基づく複雑なパ
ターンのシグナルが認められた。
実施例2 この実施例は次式で示される方法によるホスホニウム
タングステートの調製例を示す。
2CH3(CH215P[(CH23CH33Br+3Na2WO4+2H2SO4 10.5g(0.021モル) 20.4g(0.062モル)20g →{CH3(CH215P[(CH23CH32W6O19 1000mlの丸底フラスコに脱イオン水150mlを入れ、タ
ングステン酸ナトリウムを溶解して透明な溶液を得た
(A液)。一方、脱イオン水100mlにヘキサデシル−ト
リ−n−ブチルホスホニウムブロマイドを溶解し、次い
で濃硫酸を加えて白濁したエマルジョンを得た(B
液)。A液にB液を撹拌しながら混合し、二層から成る
白濁した混合物(C液)を得た。このC液にメチレンク
ロライドを加えたのち、無色のメチレンクロライド層を
除去し、脱イオン水100mlで2回洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶剤を50℃のロートベーパーで除去し
たのち、90℃の真空オーブン中で乾燥し、淡青色の固体
触媒を得た。
この生成物を赤外分析したところ、同一のタングステ
ートイオン、すなわち(W6O19-2を含む既知の有機ア
ンモニウムタングステートの吸収と同一であることが認
められた。
実施例3 この実施例は、実施例1及び2で得た触媒、ジエチル
アルミニウム(DEAC)及びシリコンテトラクロライド
(SiCl4)を用いる、ジシクロペンタジエン(DCP)とエ
チリデンノルボルネン(ENB)から成るモノマー混合物
(DCP/ENB=92.5/7.5重量比)の重合について示してい
る。各成分はDCP/ENBモノマー混合物の溶液として用い
た。配合は以下のとうりである。
まず、乾燥したボトル中に触媒を入れ、1時間窒素パ
ージしたのちモノマー混合物を加えた。ボトルに栓をし
たのち、数時間放置して触媒を溶解させた。次いで、窒
素雰囲気下でシリコンテトラクロライドとDEAC共触媒を
加え、再びボトルに栓をした。数分後にボトルをオーブ
ンに入れたところ反応が進行した。
配合Aの場合には、触媒とモノマーの混合液は淡緑色
のエマルジョンであった。この混合物にシリコンテトラ
クロライドを加えると黄褐色に変わり、さらにDEACを加
えると直ちに暗褐色に変わり、徐々に増粘して粒状の塊
りが生成した、10分後に140℃のオーブン中に入れ、反
応を促進させたところ暗褐色の固形ポリマーが得られ
た。
配合Bの場合には、触媒とモノマーの混合液は無色の
エマルジョンであった。DEACを加えると直ちに緑色に変
わり、次いで徐々に増粘しながら暗緑色に変わった。5
分後にボトルを140℃のオーブン中に入れ、その5分後
にボトルを取り出した。内容物はオリーブ様の淡褐色な
いし淡黄褐色の固形ポリマーであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 米国特許4418178(US,A) 米国特許4380617(US,A) 欧州公開269948(EP,A1) 欧州公開226957(EP,A2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 61/06 - 61/08 CA(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタセシス触媒とメタセシス共触媒から成
    るメタセシス触媒系の存在下にノルボルネン基を有する
    シクロオレフィンモノマーを開環重合する方法におい
    て、メタセシス触媒として有機ホスホニウムモリブデー
    ト、有機ホスホニウムタングステート、またはこれらに
    対応する有機アルソニウム塩であって、かつモノマーに
    少なくとも部分的に溶解するか又はモノマー中でエマル
    ジョンを形成可能な化合物を用いることを特徴とするシ
    クロオレフィンポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】触媒が次式で示される化合物から選択され
    る請求項1記載の方法。 〔R4Z〕(2y-6x)MxOy 〔R1 3ZH〕(2y-6x)MxOy 〔I〕 〔II〕 ここで、Zはリン原子又はヒ素原子を表わし、Oは酸素
    原子を表わし、Mはモリブデン原子又はタングステン原
    子を表わし、x及びyは分子中のM原子及び酸素原子の
    数であり、M原子に対しては原子価+6、酸素原子に対
    しては原子価−2が与えられる。R及びR1は同一でも異
    なっていてもよく、水素、炭素数1〜20のアルキル基及
    びアルキレン基、炭素数5〜16の脂環式基から選択さ
    れ、R及びR1の合計は触媒がシクロオレフィンモノマー
    に可溶性となる範囲で選択される。
  3. 【請求項3】共触媒がアルキルアルミニウム、アルキル
    アルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニウ
    ムハライド及びアリールオキシアルキルアルミニウムハ
    ライドから選択された請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】触媒、共触媒に加えてハロゲン供給源を用
    いる請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】触媒、共触媒及びモノマーを含む反応液を
    モールドに供給し、バルク重合を行って熱硬化性ポリマ
    ーを得る請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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