JP2847341B2 - ソフト化紙、積層紙およびその製法 - Google Patents

ソフト化紙、積層紙およびその製法

Info

Publication number
JP2847341B2
JP2847341B2 JP16744494A JP16744494A JP2847341B2 JP 2847341 B2 JP2847341 B2 JP 2847341B2 JP 16744494 A JP16744494 A JP 16744494A JP 16744494 A JP16744494 A JP 16744494A JP 2847341 B2 JP2847341 B2 JP 2847341B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
water
softened
fibers
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16744494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0813381A (ja
Inventor
徹志 芦田
哲夫 佐藤
武光 梅木
裕 小林
重雄 原澤
政徳 宇尾野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HAIMO KK
NAKAMURATOKU SHOKAI KK
Nippon Seishi KK
Original Assignee
HAIMO KK
NAKAMURATOKU SHOKAI KK
Nippon Seishi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HAIMO KK, NAKAMURATOKU SHOKAI KK, Nippon Seishi KK filed Critical HAIMO KK
Priority to JP16744494A priority Critical patent/JP2847341B2/ja
Publication of JPH0813381A publication Critical patent/JPH0813381A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2847341B2 publication Critical patent/JP2847341B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はソフト化紙、積層紙およ
びその製法に関するものであり、更に詳しくは製紙用パ
ルプ、脱墨処理などを行って回収された古紙などの原料
から製造される、ソフトな感触を有すると共に水や油な
どの吸液性、水への分散性などに優れるソフト化紙、お
よびソフト化紙に水溶性高分子フィルムを積層した強度
などに優れる積層紙、およびその製法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ソフトな感触を有すると共に水や油など
の吸液性もある紙としては、クレープ紙、テッシュペー
パーなどが知られているが、これらは高価である上、吸
液性、強度、平滑性などが未だ充分でない。製紙業界で
は古紙をリサイクルして再使用する努力がなされている
が、古紙の利用率は未だ低いのが現状である。従来、紙
を利用した吸水材や吸油材の例が多数あるが、いずれの
場合も紙に高分子系吸収剤を多量に配合しているので、
高価となる欠点がある。果汁、牛乳などの紙容器の紙基
材は優れたパルプが使用されているにもかかわらず、パ
ルプとしての再生利用が難しく、トイレットロールにす
る程度の用途しかなかった。省資源、省エネルギーを計
り、リサイクル再利用して地球環境に負荷をかけないた
めに、これらの古紙から優れた特性を有する紙を回収す
ることが強く求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製紙
用パルプ、ミルクカートン古紙などを原料とし、ソフト
な感触を有すると共に水や油などの吸液性、水への分散
性、強度などに優れるソフト化紙を提供すること、およ
びソフト化紙に水溶性高分子フィルムを積層して強度な
どを更に改良した積層紙を提供すること、およびソフト
化紙や積層紙を容易に製造できる方法を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の点に
鑑み、鋭意研究した結果、製紙用パルプ、ミルクカート
ン古紙などの原料を乾式法で、あるいは湿式法で、繊維
の損傷をできるだけ抑えながら、繊維の解繊および繊維
の撚れを同時に起こして嵩高な繊維にすることにより上
記の課題を解決できることを見いだして本発明をなすに
至った。
【0005】本発明の請求項1の発明は、製紙用パルプ
および/または脱墨処理などを行って回収された古紙か
らなる原料を解繊し、繊維の撚れを起こして嵩高にした
ソフトな感触を有する紙であって、下記の(1)〜
(4)の特性を有することを特徴とするソフト化紙であ
る。 (1)密度(g/) 0.25〜0.40 (2)吸水性 吸水倍率 15倍以上 (3)吸油性 吸油倍率 15倍以上 (4)水中への分散性(sec) 10以下
【0006】本発明の請求項2の発明は、古紙がミルク
カートン古紙である請求項1記載のソフト化紙である。
【0007】本発明の請求項3の発明は、吸水剤あるい
は吸油剤が付加されていることを特徴とする請求項1あ
るいは請求項2記載のソフト化紙である。
【0008】本発明の請求項4の発明は、請求項1ない
し請求項3記載のソフト化紙に水溶性高分子フィルムが
積層されていることを特徴とする積層紙である。
【0009】本発明の請求項5の発明は、製紙用パルプ
および/または脱墨処理などを行って回収された古紙か
らなる原料を用いて下記の(1)〜(4)の工程により
ソフト化紙を製造することを特徴とする請求項1記載の
ソフト化紙の製法である。 (1)該原料を流体とともに解繊機の吸い込み口に供給
する。 (2)該解繊機内で、相対するローターとステーターと
の間あるいは相対するローターとローターとの間で流体
により該原料にシェアーを与えて解繊するとともに繊維
の撚れを起こして嵩高繊維にする。 (3)該解繊機の吐出口より流体圧により該嵩高繊維を
吐出する。 (4)該嵩高繊維を原料として抄紙する。
【0010】本発明の請求項6の発明は、流体が空気あ
るいは水である請求項5記載のソフト化紙の製法であ
る。
【0011】本発明の請求項7の発明は、古紙がミルク
カートン古紙である請求項5記載のソフト化紙の製法で
ある。
【0012】本発明の請求項8の発明は、吸水剤あるい
は吸油剤を付加することを特徴とする請求項5ないし請
求項7記載のソフト化紙の製法である。
【0013】本発明の請求項9の発明は、製紙用パルプ
および/または脱墨処理などを行って回収された古紙か
らなる原料を用いて下記の(1)〜(5)の工程により
請求項1ないし請求項3記載のソフト化紙に水溶性高分
子フィルムが積層されている積層紙の製法である。 (1)該原料を流体とともに解繊機の吸い込み口に供給
する。 (2)該解繊機内で、相対するローターとステーターと
の間あるいは相対するローターとローターとの間で流体
により該原料にシェアーを与えて解繊するとともに繊維
の撚れを起こして嵩高繊維にする。 (3)該解繊機の吐出口より流体圧により該嵩高繊維を
吐出する。 (4)該嵩高繊維を原料として抄紙する。 (5)抄紙後、水溶性高分子フィルムを積層する。
【0014】図1は本発明のソフト化紙の繊維構造を示
す電子顕微鏡写真(倍率100倍)である。図2は本発
明のソフト化紙の原料をソフト化処理することなく抄紙
して得られた紙の繊維構造を示す電子顕微鏡写真(倍率
100倍)である。図2の電子顕微鏡写真によると繊維
は解繊されておらず、繊維は平坦に重なっているのに対
して、図1の電子顕微鏡写真によると本発明のソフト化
紙は繊維が痛められずに、解繊され、撚れを起こして、
嵩高で低密度になっていることが判る。
【0015】本発明のソフト化紙の密度(g/
は0.25〜0.40であり、好ましくは0.28〜
0.37である。密度が0.25未満ではソフトな感触
はあるものの強度が弱くなり、紙様にするのが困難とな
る。密度が0.40を超えるとソフトな感触が失われる
とともに、吸液性、水への分散性などが悪化する。本発
明のソフト化紙自身の吸水性(試験法は実施例参照)は
吸水倍率で約15倍程度以上である。本発明のソフト化
紙はそれ自身高い吸水性を有するが、合成品あるいは天
然品などの公知の吸水剤を付加することにより一層高い
吸水性を付与することができる。吸水剤の付加量を増加
すれば吸水性は向上するが、感触が悪化したり、強度が
低下するので吸水剤の付加量は全体の約0.1〜10重
量%程度、好ましくは0.5〜5重量%程度、特に好ま
しくは0.5〜1重量%程度にする。
【0016】本発明のソフト化紙自身の吸油性(試験法
は実施例参照)は吸油倍率で約15倍以上である。本発
明のソフト化紙はそれ自身高い吸油性を有するが、合成
品あるいは天然品などの公知の吸油剤を付加することに
より一層高い吸油性を付与することができる。吸油剤の
付加量を増加すれば吸油性は向上するが、感触が悪化し
たり、強度が低下するので吸油剤の付加量は全体の約
0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜5重量%
程度、特に好ましくは0.5〜1重量%程度にする。本
発明のソフト化紙の水中への分散性(sec)(試験法
は実施例参照)は10程度以下、好ましくは8程度以下
であり、水中への分散性に非常に優れている。本発明の
ソフト化紙の用途は特に限定されない。従来のクレープ
紙、テッシュペーパーなどの代替の他に、吸水材、吸油
材、紙おむつ、結露吸収シートなどを挙げることができ
る。
【0017】本発明のソフト化紙にポリビニルアルコー
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などの合成
品あるいは天然品などの公知の水溶性高分子フィルムを
積層することにより強度や耐水性などを一層向上でき
る。水溶性高分子フィルムを積層したソフト化紙は一般
包装材、薬品の包装材などの用途に適する。
【0018】本発明のソフト化紙の製法には、乾式法と
湿式法がある。いずれの方法によっても容易に安価にソ
フト化紙を製造することができる。流体は特に限定され
るものではない。しかし、乾式法の場合は流体として空
気を用い、湿式法の場合は流体として水を用いるのが経
済的観点から好ましい。
【0019】ミルクカートン古紙などのように原料にア
ルミニウムなどの金属箔やプラスチックが積層されてい
る場合は、本発明者らの先の特許出願の方法(特願平5
−31205号の明細書に記載の方法)により脱墨剤、
剥離剤、浸透剤、脱気剤、クリーナーなどを用いてイン
キ、アルミニウム箔やプラスチックなどを除去したもの
を使用することが好ましい。原料の古紙などはそのまま
使用してもよく、また、繊維を痛めない範囲で、適宜、
裁断して細片状にして用いても差し支えない。裁断する
場合は公知の機械、装置、方法を使用することができ
る。
【0020】
【作用】本発明のソフト化紙は、製紙用パルプやミルク
カートン古紙などの原料の繊維を痛めずに、解繊すると
同時に繊維の撚れを起こして、嵩高で低密度にし、ソフ
トな感触にした新規な紙である。本発明のソフト化紙
は、引き裂き強度などが大きく、水や油などの吸液性に
優れ、水への分散性に優れる特性を有する。本発明にお
いては、相対するインペラーあるいは相対するスクリュ
ーなどを有する解繊機内に原料を流体とともに供給し、
該相対するインペラーあるいは該相対するスクリューな
どの間隙を制御して、また、インペラーあるいはスクリ
ューなどの形状や材質などの最適化を図るなどにより、
流体によって原料にシェアーを与えて繊維を痛めること
なく、解繊するとともに繊維の撚れを起こして嵩高繊維
にすることが肝要である。原料にシェアーを与え過ぎる
と繊維を痛めて、強度が低下するので好ましくない。逆
にシェアーが小さ過ぎると解繊が進行せず、また、繊維
に適度な撚れを起こすことができない。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明の主旨を逸脱しない限り実施例によって限定
されるものではない。
【0022】(実施例1)図3は解繊機1の説明図であ
る。解繊機1(電動機5.5KW−h、インペラー径3
14mm、回転数1500〜7000rpm)を用いて
図5に示す工程により乾式法で嵩高繊維を製造した。図
3において、2は原料吸い込み口(矢印は原料の進行方
向を示す)、3は吐出口(矢印は嵩高繊維の吐出方向を
示す)、4は相対するインペラー4A(ステーター)と
インペラー4B(ローター)からなるインペラー、5は
インペラー4Aと4Bとの間隙を調整するハンドル(矢
印は回転方向を示す)、6はケーシング、7は電動機を
示す。
【0023】図5において、1は解繊機、8はフィーダ
ー、9は粗大繊維分離機(サイクロンコレクター)、1
0は分離された粗大繊維などの取り出しライン、11は
嵩高繊維のチェスト(バグフィルター)、12は嵩高繊
維の取り出しライン、13はファン、14は空気出口を
示す。図4は図3のA−Aラインの断面を示す説明図で
ある。G、gはインペラー4Aとインペラー4Bの間隙
を示す。矢印は原料の進行方向および嵩高繊維の吐出方
向を示す。
【0024】細片状原料(脱墨処理などされたミルクカ
ートン古紙、約10cm×10cmの細片、紙匹水分1
0±3重量%)をフィーダー8から連続的に解繊機1の
吸い込み口2に供給した。原料は1500rpmで回転
するインペラー4Bと固定インペラー4Aとの間隙G、
gに入り、空気によりシェアーを受け、解繊および繊維
の捩れを起こして嵩高繊維となる。間隙G、gは繊維を
痛めることなく、解繊するとともに繊維の撚れを起こす
最適なギャップに制御されている。間隙Gはハンドル5
を回転させて4〜6mmに制御した。Gが6mmを超え
ると解繊は起こるが、繊維の捩れが発生せず、嵩高繊維
が得られない。Gが4mm未満では繊維が破断する。g
は2mmに固定した。嵩高にされた繊維を空気圧により
解繊機1の吐出口3から吐出し、サイクロンコレクター
9により粗大繊維などを除去し(10)、バグフィルタ
ー11で嵩高繊維を集め、取り出しライン12から取り
出す。ファン13により空気を吸引して空気出口14よ
り排出する。
【0025】得られた嵩高繊維を用いて公知の方法によ
り抄紙してソフト化紙を製造した。電子顕微鏡によりソ
フト化紙の繊維構造を観察した結果、繊維は痛められて
おらず、解繊されており、かつ繊維の捩れが起きてお
り、低密度で嵩高であることが判った(図1にその電子
顕微鏡写真を示す)。製造したソフト化紙について坪
量、紙厚、密度、平滑度、引裂強度、透気度、吸水性、
水中への分散性、吸油性を下記の試験法により測定し
た。結果をまとめて表1に示す。
【0026】(試験方法) 坪量:JIS P8124に準じて測定した。 紙厚:JIS P8118に準じて測定した。 密度:JIS P8118に準じて測定した。 平滑度(ベック):JIS P8119に準じて測定し
た。 引裂強度(エルメンドルフ):JIS P8116に準
じて測定した。 透気度(ガーレー):JIS P8117に準じて測定
した。 吸水性:試料を不織布製の袋に封入したものを30分間
水中に浸漬し、過剰の水を自然落下除去する方法により
吸水倍率を測定した(テイーパック法)。 吸油性:A重油、軽油、食用油をそれぞれ十分に入れた
ビーカー中に試料300gを5分間、浸漬し、5分間放
置後、5分間懸吊放置し、吸油倍率を測定した(浸漬倍
率法)。A重油、軽油および食用油について得られた値
の平均値で示した。 水中への分散性:JIS P8209に準じて行った。
攪拌されている25℃の水95gに試料5gを入れ、試
料が水中へ分散する状態を観察する。完全に水中へ分散
するまでの時間(sec)で水中への分散性を表す。
【0027】(実施例2)実施例1で使用した解繊機1
を用いて図6に示す湿式法により嵩高繊維スラリーを製
造した。湿式法では、製紙用パルプ、脱墨処理などされ
たミルクカートン古紙などを水に分散して濃度約10〜
40重量%のパルプスラリーとして、フィーダー8’
(商品名:ヘイシンモーノポンプ、兵神装備株式会社
製)から解繊機1の吸い込み口2に供給した。原料は1
500rpmで回転するインペラー4Bと固定インペラ
ー4Aとの間隙G、gに入り、水によりシェアーを受
け、解繊および繊維の捩れを起こして嵩高繊維となる。
間隙G、gは繊維を痛めることなく、解繊するとともに
繊維の撚れを起こす最適なギャップに制御されている。
ハンドル5を回転させて間隙Gを4〜6mmに制御し
た。Gが6mmを超えると解繊は起こるが、繊維の捩れ
が発生せず嵩高繊維が得られない。Gが4mm未満では
繊維が破断する。gは2mmに固定した。
【0028】嵩高にされた繊維を含むスラリーを水圧に
より解繊機1の吐出口3から吐出し、粗大繊維分離機
(ボージェクト)9’により粗大繊維などを除去し(1
0)、チェスト11’に集め、ポンプ15により嵩高繊
維スラリー16を得た。得られた嵩高繊維スラリーを用
いて公知の方法により抄紙してソフト化紙を製造した。
ソフト化紙の坪量、紙厚、密度、平滑度、引裂強度、透
気度、吸水性、水中への分散性などを実施例1と同様に
して測定した。結果をまとめて表1に示す。
【0029】(実施例3)実施例2とほぼ同様にして湿
式法により嵩高繊維スラリーを製造し、それを抄紙して
ソフト化繊維を製造した。ソフト化紙の坪量、紙厚、密
度、平滑度、引裂強度、透気度、吸水性、水中への分散
性などを実施例1と同様にして測定した。結果をまとめ
て表1に示す。
【0030】(実施例4)実施例1で得られた嵩高繊維
を抄紙した後、ウエットパートで市販のグラフト澱粉系
吸水剤を約1重量%付加させて、吸水剤を付加したソフ
ト化紙を製造した。ソフト化紙の坪量、紙厚、密度、平
滑度、引裂強度、透気度、吸水性、水中への分散性など
を実施例1と同様にして測定した。結果をまとめて表1
に示す。
【0031】(実施例5)実施例1で得られた嵩高繊維
を抄紙した後、ウエットパートで市販の高吸油性樹脂を
約1重量%付加させて、吸油剤を付加したソフト化紙を
製造した。ソフト化紙の坪量、紙厚、密度、吸水性、水
中への分散性、吸油性などを実施例1と同様にして測定
した。結果をまとめて表1に示す。
【0032】(実施例6)実施例1で得られたソフト化
紙に公知のドライラミネート方法により酢酸ビニル系バ
インダーを用いてポバール系水溶性高分子フィルム(商
品名:ポリグリーンフィルム、厚さ23μm、坪量23
g/m2 、日本製紙(株)製)を片面に積層して積層紙
を製造した。積層紙の坪量、紙厚、密度、引裂強度、吸
水性、水中への分散性、吸油性などを実施例1と同様に
して測定した。結果をまとめて表1に示す。
【0033】(比較例1)実施例1で用いた原料をソフ
ト化処理することなく抄紙して紙を製造した。電子顕微
鏡により紙の繊維構造を観察した結果、繊維は解繊され
ておらず、繊維は平坦に重なっているだけであることが
判った(図2にその電子顕微鏡写真を示す)。紙の坪
量、紙厚、密度、吸水性、水中への分散性、吸油性など
を実施例1と同様にして測定した。結果をまとめて表1
に示す。紙は密度が高く、ソフトな感触がないものであ
り、吸水性や吸油性が悪く、水中への分散性が悪かっ
た。
【0034】(比較例2)実施例1で用いた原料をソフ
ト化処理することなく抄紙した後、ウエットパートで市
販のグラフト澱粉系吸水剤を約1重量%付加させて、吸
水剤を付加した紙を製造した。その紙の坪量、紙厚、密
度、平滑度、引裂強度、透気度、吸水性、水中への分散
性、吸油性を実施例1と同様にして測定した。結果をま
とめて表1に示す。紙は密度が高く、ソフトな感触がな
いものであり、吸水倍率は向上したが、水中への分散性
が極めて悪かった。
【0035】(比較例3)実施例1で用いた原料をソフ
ト化処理することなく抄紙した後、ウエットパートで市
販の高吸油性樹脂を約1重量%付加させて、吸油剤を付
加した紙を製造した。その紙の坪量、紙厚、密度、平滑
度、引裂強度、透気度、吸水性、吸油性などを実施例1
と同様にして測定した。結果をまとめて表1に示す。紙
は密度が高く、ソフトな感触がないものであり、吸油倍
率は向上したが、水中への分散性が極めて悪かった。
【0036】(比較例4)市販のテッシュペーパー(2
枚重ね)の坪量、紙厚、密度、吸水性、水中への分散
性、吸油性などを実施例1と同様にして測定した。結果
をまとめて表1に示す。密度が低く、ソフトな感触があ
り、吸水倍率や吸油倍率はある程度あるが、水中への分
散性が極めて悪かった。
【0037】(比較例5)市販の濾紙(定性)の坪量、
紙厚、密度、吸水性、水中への分散性、吸油性などを実
施例1と同様にして測定した。結果をまとめて表1に示
す。密度が高く、ソフトな感触がなく、吸水倍率や吸油
倍率はある程度あるが、水中への分散性が極めて悪かっ
た。
【0038】(比較例6)市販の吸い取り紙の坪量、紙
厚、密度、引裂強度、吸水性、水中への分散性などを実
施例1と同様にして測定した。結果をまとめて表1に示
す。密度がやや高くソフトな感触がなく、吸水倍率はあ
る程度あるが、水中への分散性が悪かった。
【0039】(比較例7)市販のトイレットペーパー
(2枚重ね)の坪量、紙厚、密度、吸水性、水中への分
散性などを実施例1と同様にして測定した。結果をまと
めて表1に示す。ソフトな感触があり、水中への分散性
がよく、吸水倍率が比較的に高いが、密度が本発明の範
囲外であり、強度が低かった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明のソフト化紙は、製紙用パルプや
ミルクカートン古紙などの原料の繊維を痛めずに、解繊
すると同時に繊維の撚れを起こして、嵩高で低密度に
し、ソフトな感触にした新規な紙である。本発明のソフ
ト化紙は、引き裂き強度などが大きく、水や油などの吸
液性に優れ、水への分散性に優れるので、従来のクレー
プ紙、テッシュペーパーなどなどの代替の他に、吸水
材、吸油材、紙おむつ、結露吸収シートなどの用途に好
ましく利用できる。本発明のソフト化紙はそれ自身高い
吸液性を有するが、公知の吸水剤あるいは吸油剤を付加
することにより一層高い吸液性を付与することができ
る。本発明のソフト化紙にポリビニルアルコール、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などの公知の水溶性
高分子フィルムを積層することにより強度や耐水性など
を一層向上できる。水溶性高分子フィルムを積層した積
層紙は一般包装材、薬品の包装材などの用途に適する。
本発明のソフト化紙の製法により容易に安価にソフト化
紙を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のソフト化紙の繊維構造を示す電子顕
微鏡写真である。
【図2】 比較例の紙の繊維構造を示す電子顕微鏡写真
である。
【図3】 解繊機の説明図である。
【図4】 図3のA−Aラインの断面を示す説明図であ
る。
【図5】 乾式法で嵩高繊維を製造する工程を示す説明
図である。
【図6】 湿式法で嵩高繊維スラリーを製造する工程を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 解繊機 2 吸い込み口 3 吐出口 4、4A、4B インペラー 5 ハンドル 6 ケーシング 7 電動機 8、8’ フィーダー 9、9’ 粗大繊維分離機 10 粗大繊維などの取り出しライン 11、11’ 嵩高繊維のチェスト 12 嵩高繊維の取り出しライン 13 ファン 14 空気出口 15 ポンプ 16 嵩高繊維スラリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 哲夫 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製 紙株式会社エンジニアリング研究所内 (72)発明者 梅木 武光 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製 紙株式会社エンジニアリング研究所内 (72)発明者 小林 裕 東京都千代田区神田東松下町28番地 株 式会社中村悳商会内 (72)発明者 原澤 重雄 東京都千代田区神田東松下町28番地 株 式会社中村悳商会内 (72)発明者 宇尾野 政徳 東京都中央区銀座7丁目13番15号 ハイ モ株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 1/02,15/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製紙用パルプおよび/または脱墨処理な
    どを行って回収された古紙からなる原料を解繊し、繊維
    の撚れを起こして嵩高にしたソフトな感触を有する紙で
    あって、下記の(1)〜(4)の特性を有することを特
    徴とするソフト化紙。 (1)密度(g/) 0.25〜0.40 (2)吸水性 吸水倍率 15倍以上 (3)吸油性 吸油倍率 15倍以上 (4)水中への分散性(sec) 10以下
  2. 【請求項2】 古紙がミルクカートン古紙である請求項
    1記載のソフト化紙。
  3. 【請求項3】 吸水剤あるいは吸油剤が付加されている
    ことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のソフ
    ト化紙。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載のソフト化
    紙に水溶性高分子フィルムが積層されていることを特徴
    とする積層紙。
  5. 【請求項5】 製紙用パルプおよび/または脱墨処理な
    どを行って回収された古紙からなる原料を用いて下記の
    (1)〜(4)の工程によりソフト化紙を製造すること
    を特徴とする請求項1記載のソフト化紙の製法。 (1)該原料を流体とともに解繊機の吸い込み口に供給
    する。 (2)該解繊機内で、相対するローターとステーターと
    の間あるいは相対するローターとローターとの間で流体
    により該原料にシェアーを与えて解繊するとともに繊維
    の撚れを起こして嵩高繊維にする。 (3)該解繊機の吐出口より流体圧により該嵩高繊維を
    吐出する。 (4)該嵩高繊維を原料として抄紙する。
  6. 【請求項6】 流体が空気あるいは水である請求項5記
    載のソフト化紙の製法。
  7. 【請求項7】 古紙がミルクカートン古紙である請求項
    5記載のソフト化紙の製法。
  8. 【請求項8】 吸水剤あるいは吸油剤を付加することを
    特徴とする請求項5ないし請求項7記載のソフト化紙の
    製法。
  9. 【請求項9】 製紙用パルプおよび/または脱墨処理な
    どを行って回収された古紙からなる原料を用いて下記の
    (1)〜(5)の工程により請求項1ないし請求項3記
    載のソフト化紙に水溶性高分子フィルムが積層されてい
    る積層紙の製法。 (1)該原料を流体とともに解繊機の吸い込み口に供給
    する。 (2)該解繊機内で、相対するローターとステーターと
    の間あるいは相対するローターとローターとの間で流体
    により該原料にシェアーを与えて解繊するとともに繊維
    の撚れを起こして嵩高繊維にする。 (3)該解繊機の吐出口より流体圧により該嵩高繊維を
    吐出する。 (4)該嵩高繊維を原料として抄紙する。 (5)抄紙後、水溶性高分子フィルムを積層する。
JP16744494A 1994-06-27 1994-06-27 ソフト化紙、積層紙およびその製法 Expired - Fee Related JP2847341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16744494A JP2847341B2 (ja) 1994-06-27 1994-06-27 ソフト化紙、積層紙およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16744494A JP2847341B2 (ja) 1994-06-27 1994-06-27 ソフト化紙、積層紙およびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0813381A JPH0813381A (ja) 1996-01-16
JP2847341B2 true JP2847341B2 (ja) 1999-01-20

Family

ID=15849824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16744494A Expired - Fee Related JP2847341B2 (ja) 1994-06-27 1994-06-27 ソフト化紙、積層紙およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2847341B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4599742B2 (ja) * 2001-03-30 2010-12-15 日本製紙株式会社 嵩高パルプを製造する方法
US10960577B2 (en) 2015-08-07 2021-03-30 Unicharm Corporation Method for recovering pulp fiber from used sanitary product and recycled pulp obtained thereby
JP6646924B2 (ja) * 2014-09-22 2020-02-14 ユニ・チャーム株式会社 使用済み衛生用品からパルプ繊維を回収する方法およびその方法により得られる再生パルプ
EP3498146A1 (en) * 2016-08-10 2019-06-19 3M Innovative Properties Company Oil absorbing mat and thickening inhibitor for oil
CN107313300A (zh) * 2017-08-08 2017-11-03 山西强伟纸业有限公司 一种低定量防潮防水护面纸的生产工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0813381A (ja) 1996-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0586577B1 (en) Cellulose pulps of selected morphology for improved paper strength potential
EP0227853B1 (en) Non-woven composite material and process of preparing
JP5848330B2 (ja) セルロースナノフィラメント及びセルロースナノフィラメントを製造する方法
EP1339912B1 (en) Method of recycling bonded fibrous materials and synthetic fibers and fiber-like materials produced thereof
AU640264B2 (en) Battery separator
JP6637259B2 (ja) 農業用シート
HU176539B (en) Process for preparing aqeous suspensions containing vermicnlite lamellae and profilated bodies with a vermiculite base
US20090178774A1 (en) Office equipment for paper recycling
JPH10311000A (ja) パルプモールド及びその製造方法
JP2847341B2 (ja) ソフト化紙、積層紙およびその製法
NZ276881A (en) Process for separating ink particles from recycled waste paper using a higher and a lower rotational speed in different blending stages
KR20200057457A (ko) 종이용 해조류 펄프 제조 방법 및 해조류 펄프를 이용한 종이 제조 방법
Wang et al. Cellulose nanofibrils with a three-dimensional interpenetrating network structure for recycled paper enhancement
EP0109169A2 (en) Filter paper
EP0104905B1 (en) Process for manufacturing a calendered peat moss board
Salmon et al. Shear‐precipitated chitosan powders, fibrids, and fibrid papers: Observations on their formation and characterization
CA1330291C (en) Low density frothed mineral wool panel and method
JPH1154101A (ja) 電池用セパレータおよび電池
JP2004091957A (ja) 古紙配合新聞用紙およびその製造方法
JP3803206B2 (ja) 低発塵紙
JP6833008B2 (ja) 積層シート
JP2019167662A (ja) 炭素短繊維不織布
JPS58220899A (ja) キチン系抄造体の製造方法
JPH1170305A (ja) 濾材及びエアフィルタ−
JPH0343399B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081106

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091106

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101106

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101106

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111106

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111106

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees