JP2846549B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JP2846549B2
JP2846549B2 JP5122212A JP12221293A JP2846549B2 JP 2846549 B2 JP2846549 B2 JP 2846549B2 JP 5122212 A JP5122212 A JP 5122212A JP 12221293 A JP12221293 A JP 12221293A JP 2846549 B2 JP2846549 B2 JP 2846549B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気調和機に関するもの
であり、更に詳しくは、室内側送風機制御に特徴を有す
る空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自然界における風の強さや向きは、一定
ではなく絶えずゆらいでおり、その周波数パワースペク
トルは、1/f(f:周波数)に比例しているといわれて
いる。そのため、一般に1/fゆらぎをもった外部から
の刺激に対して人は快適感を感じると言われており、例
えば自然のそよ風にはさわやかさを感じるものである。
【0003】かかる点から、空気調和機の室内側送風機
制御として、予めマイコン(microcomputer)に記憶され
ている制御パターンに従って送風機の回転数等を制御
し、それによって送風にゆらぎをもたせるものが提案さ
れている(特開平2−203147号等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
ゆらぎのある風を送ることにより送風状態を自然の風に
近づけようとしても、ゆらぎ制御は予めマイコンのメモ
リ(例えば、ROM)に記憶されている制御パターンに従
って行われるため、ゆらぎパターンはメモリ容量によっ
て制限されてしまう。そのため、このように制御された
風に長い時間あたっていると、同じゆらぎパターンが繰
り返されることによって刺激に対する馴化が起こり、人
工的な感じを受け、快適感が喪失してしまうといった問
題が生じる。また、制御パターンを前記馴化が生じない
程度の長い時間に対応させようとすれば、マイコンのメ
モリ容量がたくさん必要になるといった問題がある。
【0005】本発明は、これらの点に鑑みてなされたも
のであって、少ないメモリ容量で、長時間運転において
も快適感を喪失させることなく、より自然に近い風を送
ることができる空気調和機を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明に係る空気調和機は、自然の風からのサ
ンプリングによって得られた風量に関する複数のゆらぎ
データを記憶するメモリと,該メモリに記憶されている
前記複数のゆらぎデータから所望のゆらぎデータをゆら
ぎ制御の初期値として選択する初期値選択手段と,予め
自然の風のゆらぎを学習させたニューラルネットワーク
で、前記初期値選択手段によって選択された初期値を入
力値として、該初期値に続く風量を予測し、更に予測し
た風量に続く風量を、前回予測した風量を入力値に含め
て予測することによってゆらぎデータを生成し、該ゆら
ぎデータに基づいて室内側送風機からの風のゆらぎ制御
を行う制御手段と,を備えたことを特徴とする。
【0007】また、第2の発明に係る空気調和機は、自
然の風からのサンプリングによって得られた風量に関す
る複数のゆらぎデータを記憶するメモリと,室内環境を
測定する測定手段と,該測定手段によって測定された室
内環境に応じたゆらぎデータを前記メモリからゆらぎ制
御の初期値として選択し、該初期値を入力値として、予
め自然の風のゆらぎを学習させたニューラルネットワー
クで該初期値に続く風量を予測し、更に予測した風量に
続く風量を、前回予測した風量を入力値に含めて予測す
ることによってゆらぎデータを生成し、該ゆらぎデータ
に基づいて室内側送風機からの風のゆらぎ制御を行う制
御手段と,を備えたことを特徴とする。
【0008】また、第3の発明に係る空気調和機は、自
然の風からのサンプリングによって得られた風量に関す
る複数のゆらぎデータを記憶するメモリと,現在の時刻
や季節を判定する計時手段と,該計時手段によって判定
された現在の時刻や季節に応じたゆらぎデータを前記メ
モリからゆらぎ制御の初期値として選択し、該初期値を
入力値として、予め自然の風のゆらぎを学習させたニュ
ーラルネットワークで該初期値に続く風量を予測し、更
に予測した風量に続く風量を、前回予測した風量を入力
値に含めて予測することによってゆらぎデータを生成
し、該ゆらぎデータに基づいて室内側送風機からの風の
ゆらぎ制御を行う制御手段と,を備えたことを特徴とす
る。
【0009】また、第4の発明に係る空気調和機は、自
然の風からのサンプリングによって得られた風量に関す
る複数のゆらぎデータを記憶するメモリと,乱数を発生
する乱数発生手段と,該乱数発生手段によって発生した
乱数に基づき、前記メモリからランダムにゆらぎデータ
をゆらぎ制御の初期値として選択し、該初期値を入力値
として、予め自然の風のゆらぎを学習させたニューラル
ネットワークで該初期値に続く風量を予測し、更に予測
した風量に続く風量を、前回予測した風量を入力値に含
めて予測することによってゆらぎデータを生成し、該ゆ
らぎデータに基づいて室内側送風機からの風のゆらぎ制
御を行う制御手段と,を備えたことを特徴とする。
【0010】前記第1〜第4の発明において、予め自然
の風のゆらぎを学習させたニューラルネットワーク(neu
ral network)とは、例えば、階層型のニューラルネット
ワークに自然の風のゆらぎをバックプロパゲーション(b
ack-propagation)法で学習させることにより、風量に関
して自然の風のゆらぎに近いゆらぎパターンを予測し生
成するように構成されたものである。この場合、予測を
開始する初期値によって生成されるゆらぎパターンは異
なるため、好ましいと思われるようないくつかの初期値
データを予め求めておく。この初期値データとは、自然
の風からのサンプリングによって得られた風量に関する
複数のゆらぎデータであり、例えば時系列データから成
るものである。ニューラルネットワークに最初の入力と
して与えられる初期値データの複数セットを予めメモリ
に記憶しておく。ニューラルネットワークをソフトウェ
アで実現する場合には、ニューラルネットワークを構成
する結合荷重データ及びオフセットデータも予めメモリ
に記憶しておく。
【0011】前記初期値データは、ニューラルネットワ
ークに最初の入力として与えられるが、この初期値デー
タを選択するための手段として、次のようなものが設け
られている。前記第1の発明では、使用者の好みに応じ
たゆらぎパターンを生成する初期値データを選択すると
きに用いる初期値選択手段が設けられている。前記第2
の発明では、外部環境に応じて最適なゆらぎパターンを
生成するような初期値データを選択するときに用いる測
定手段が設けられている。外部環境とは例えば温度,湿
度等であり、測定手段はこれらの状態を判断するための
温度センサ,湿度センサ等である。第3の発明では、現
在の時刻や季節に応じて最適なゆらぎパターンを生成す
るような初期値データを選択するときに用いる計時手段
が設けられている。第4の発明では、ランダムに初期値
データを選択するときに用いる乱数発生手段が設けられ
ている。運転開始時に乱数発生手段によってランダム値
を得る。
【0012】ゆらぎ運転開始時に、メモリに記憶されて
いるいくつかの初期値データの中から上記のように初期
値データが選択され、ニューラルネットワークに最初の
入力として与えられると、制御手段はニューラルネット
ワークで初期値データに続く風量を予測する。所定の保
持時間ごとに、予測した風量に続く風量を、前回予測し
た風量を入力の一部として用いてニューラルネットワー
クで予測する。制御手段は、この予測された風量をゆら
ぎ制御用のゆらぎデータとして用い、これに基づいて室
内側送風機からの風のゆらぎ制御(例えば、室内側送風
機のモータの回転数のゆらぎ制御,送風口に設けられた
ルーバーの角度のゆらぎ制御等)を行う。尚、所定の保
持時間ごとに限らず、メモリ容量の制限内であれば、ゆ
らぎパターンの所定の範囲について予めまとめてゆらぎ
データの算出を行ってもよい。
【0013】
【作用】メモリに記憶されている風量に関する複数のゆ
らぎデータは、自然の風からのサンプリングによって得
られたものであり、また、ニューラルネットワークの入
力値は前記複数のゆらぎデータの中からゆらぎ制御の初
期値として選択されたものであるため、ニューラルネッ
トワークにより生成されるゆらぎデータは、自然の風の
ゆらぎに近似したゆらぎ制御パターンを構成する。
【0014】制御手段は、このゆらぎ制御パターンに従
って室内側送風機から吹き出す風のゆらぎ制御を行うの
で、室内側送風機から吹き出される風は、自然界におけ
る風と同様の1/fゆらぎを有し、その風によって絶え
ず新しい刺激を受けることができるようになる。そのた
め、長い時間風にあたっていても、刺激の馴化により快
適感が喪失してしまうということがない。
【0015】また、メモリにニューラルネットワークに
最初の入力として与えられる初期値を(必要に応じてニ
ューラルネットワークを構成する結合荷重データ及びオ
フセットデータの複数セットと共に)記憶させておくだ
けで、ニューラルネットワークで複数種類のゆらぎ制御
パターンが生成されるため、例えばテーブルルックアッ
プ方式を採用した場合と比べて少ないメモリ容量でも、
同じパターンの繰り返しがないゆらぎ制御を長時間続け
ることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しつつ
説明する。尚、かかる実施例によって本発明が限定され
るものではない。本実施例の空気調和機は、複数セット
用意された自然の風のゆらぎデータから、適当なものを
初期値データとして選択し、予め自然の風のゆらぎを学
習させたニューラルネットワークで、前記初期値に続く
風の状態を予測することによってゆらぎデータを得、そ
れに従って風量のゆらぎ制御を行うことによりゆらぎ運
転を行うものである。
【0017】まず、図1に基づいて本実施例の概略構成
を説明する。制御部101は、空気調和機全体を制御す
る制御手段であり、マイコン,その周辺回路等から成っ
ている。風量の制御は、室内側送風機108に室内側送
風機駆動信号を出力することによって、室内側送風機1
08のモータ(不図示)の回転数を制御することにより行
われる。尚、室内側送風機108の送風口に設けたルー
バー(不図示)の角度を制御することにより風量制御を行
うようにしてもよい。また、本実施例では、ニューラル
ネットワークは、ハードウェアではなくソフトウェアで
実現される。そのため、ニューラルネットワークを構成
する結合荷重データ及びオフセットデータは、メモリ1
02に蓄えられる。
【0018】メモリ102は、ニューラルネットワーク
を構成する結合荷重データ及びオフセットデータ並びに
ニューラルネットワークに最初の入力として与えられる
初期値データを複数セットを記憶させておくためのもの
である。この初期値データとは、自然の風からのサンプ
リングによって得られた風量に関する複数のゆらぎデー
タであり、時系列データから成っている。
【0019】初期値選択手段103は、メモリ102に
記憶されている複数のゆらぎデータから、所望のゆらぎ
データをゆらぎ制御の初期値として選択するための手段
である。つまり、使用者が好みのゆらぎパターンを選択
しうるように、ニューラルネットワークの初期値データ
を選択するのに用いられ、例えば、「強め」,「弱
め」,「飽きがこない」といったモードの切換えスイッ
チ等で構成される。「強め」モードとは、強めの風のデ
ータが多く出るゆらぎ制御パターンに従って風量制御を
行うモードである。「弱め」モードとは、弱めの風のデ
ータが多く出るゆらぎ制御パターンに従って風量制御を
行うモードである。「飽きがこない」モードとは、ゆら
ぎ量(変化量)を大きくすることによって、刺激に対する
馴化をより起こりにくくするモードである。
【0020】初期値選択手段103を用いて初期値の選
択を行う場合、制御部101は、予め自然の風のゆらぎ
を学習させたニューラルネットワークで、初期値選択手
段103によって選択された初期値を入力値として、こ
の初期値に続く風量を予測し、更に予測した風量に続く
風量を、前回予測した風量を入力値に含めて予測するこ
とによってゆらぎデータを生成し、このゆらぎデータに
基づいて室内側送風機108からの風のゆらぎ制御を行
う。
【0021】温度センサ104は温度を測定する測定手
段であり、湿度センサ105は湿度を測定する測定手段
である。これらの測定手段は、温度や湿度といった室内
環境の状態を測定する。前記制御部101は、これらの
センサ104,105による測定結果に応じた最適なゆ
らぎ制御パターンを生成するためのニューラルネットワ
ークの初期値データを選択する。
【0022】前記温度センサ104,湿度センサ105
のいずれか一方又は両方を用いて初期値の選択を行う場
合、センサ104,105によって測定された室内環境
に応じたゆらぎデータをメモリ102からゆらぎ制御の
初期値として選択し、この初期値を入力値として、予め
自然の風のゆらぎを学習させたニューラルネットワーク
でこの初期値に続く風量を予測し、更に予測した風量に
続く風量を、前回予測した風量を入力値に含めて予測す
ることによってゆらぎデータを生成し、このゆらぎデー
タに基づいて室内側送風機108からの風のゆらぎ制御
を行う。
【0023】計時手段106は、現在の時刻や季節を現
在の年月日時等から判定するものである。前記制御部1
01は、計時手段106で判定された現在の時刻や季節
に応じて最適な制御パターンを生成するためのニューラ
ルネットワークの初期値データを選択する。例えば、現
在時刻が一日のうちの朝昼晩のいずれに属するか、今日
が一年のうちの春夏秋冬のいずれに属するかを判断し
て、それに最適なゆらぎ制御パターンを生成するのであ
る。
【0024】計時手段106によって判定された現在の
時刻や季節に応じたゆらぎデータをメモリ102からゆ
らぎ制御の初期値として選択し、この初期値を入力値と
して、予め自然の風のゆらぎを学習させたニューラルネ
ットワークでこの初期値に続く風量を予測し、更に予測
した風量に続く風量を、前回予測した風量を入力値に含
めて予測することによってゆらぎデータを生成し、この
ゆらぎデータに基づいて室内側送風機108からの風の
ゆらぎ制御を行う。
【0025】乱数発生手段107は、乱数を発生するも
のである。制御部101は、ゆらぎ運転開始時にランダ
ムにニューラルネットワークの初期値データを選択す
る。
【0026】乱数発生手段107によって発生した乱数
に基づき、メモリ102からランダムにゆらぎデータを
ゆらぎ制御の初期値として選択し、この初期値を入力値
として、予め自然の風のゆらぎを学習させたニューラル
ネットワークでこの初期値に続く風量を予測し、更に予
測した風量に続く風量を、前回予測した風量を入力値に
含めて予測することによってゆらぎデータを生成し、こ
のゆらぎデータに基づいて室内側送風機108からの風
のゆらぎ制御を行う。
【0027】次に、ニューラルネットワークについて説
明する。ニューラルネットワーク(即ち、神経回路網)と
は、人間の神経ネットワークをまねた情報処理システム
である。ニューラルネットワークにおいて、神経細胞に
相当する工学的なニューロンのモデルをユニットと呼
び、ユニットには、多入力、1出力の素子が通常用いら
れている。信号は一方向にだけ伝わり、ある重み(結合
荷重)がつけられてユニットに入力される。この重みに
よって、ユニット間の結合の強さが表される。ユニット
間の結合の強さは、学習によって変化させることができ
る。重みがつけられたそれぞれの入力値の総和から閾値
を引いた値が、応答関数による変形を受けた後、出力さ
れる。この応答関数としてよく用いられるものがシグモ
イド(sigmoid)関数である。
【0028】次に、本実施例において階層型ニューラル
ネットワークを使ってゆらぎの時系列パターンを生成さ
せる方法の一例について説明する。尚、ニューラルネッ
トワークの非線形な演算系の再帰的な計算によって、時
系列を生成するような波形予測装置は、既に本出願人が
特願平5−41006号で提案しており、この波形予測
装置を本実施例に用いることができる。
【0029】図2は、風のゆらぎ予測に使う階層型ニュ
ーラルネットワークの構造を表したものであり、同図中
の○印がユニットを表している。階層型ニューラルネッ
トワークでは、各ユニットが、入力層L1,中間層L2
び出力層L3に階層化されており、この例では、入力層
1のユニット数をn個、中間層のユニット数をm個、
出力層のユニット数を1個としている。ユニット間の接
続は各層間での接続であり、同一層内での接続はなく、
また、信号は入力から出力への一方向にしか伝わらな
い。
【0030】まず、快適な自然の風の風速データを、例
えば草原,海辺等の快適な場所で測定する。その風速デ
ータから予め設定されたサンプリング間隔dでサンプリ
ングを行い、時系列データ(1セットの時系列データ
は、入力層L1の各ユニットに入力されるn個のデータ
から成っている)から成る風量に関する複数のゆらぎデ
ータを求め、メモリ102に蓄える。このゆらぎデータ
が前記初期値データである。
【0031】入力層L1のユニットに入力される値をxi
(i:ユニットの番号)とし、中間層L2のi番目のユニ
ットから入力層L1のj番目のユニットにつながる結合
荷重をwi,j、閾値をθiとすると、中間層L2の各ユニ
ットの入力値uiは、次の数1の式で表すことができ
る。
【0032】
【数1】
【0033】中間層L2の各ユニットに入力された値
は、シグモイド関数: f(x)=1/{1+exp(−x)} を通して出力されるので、中間層L2のユニットの出力
iは、式: hi=f(ui) (但し、1≦i≦mである。)で表される。
【0034】出力層L3のユニットから中間層L2のi番
目のユニットにつながる結合荷重をvi、閾値をδとす
ると、出力層L3のユニットの出力値oは、次の数2の
式で表すことができる。
【0035】
【数2】
【0036】次に、サンプリングされた時系列データを
ニューラルネットワークに学習させることによって、風
量に自然の風のゆらぎが再現されるニューラルネットワ
ークを構築する。上記階層型ニューラルネットワークの
学習アルゴリズムとしては、教師信号と出力信号との誤
差が最小となるように、中間層L2−出力層L3、入力層
1−中間層L2間の結合荷重及び閾値を順次変化させて
いくバックプロパゲーション法を用いる。
【0037】つまり、図2に示すように、時系列データ
の連続したn個のデータを入力データとしてニューラル
ネットワークに与え、その次のデータ(n+1個目)を教
師データとしてニューラルネットワークに学習させる。
例えば、サンプリング間隔dを15秒、ユニット数nを
20個(サンプリングされる入力データも20個)とする
と、最初のサンプリングから300秒後にサンプリング
される21個目のデータが教師データである。この学習
によって、ニューラルネットワークに入力されたデータ
の次のデータを予測するニューラルネットワークを形成
することができる。
【0038】学習が終了したら、ニューラルネットワー
クを構成する結合荷重データ及びオフセットデータ(即
ち、閾値)をメモリ102に記憶しておく。尚、上記ニ
ューラルネットワークの学習は、制御部101やメモリ
102の組み込み前に行われるので、空気調和機運転中
に結合荷重データやオフセットデータが変化することは
ない。
【0039】このニューラルネットワークで予めどのよ
うなゆらぎパターンが得られるかは、制御部101を構
成するマイコンでシュミレーションを行えば予測するこ
とが可能である。従って、このニューラルネットワーク
によって得られるゆらぎの予測パターンから適当な部分
を数パターン選び出し、その時系列データの連続するn
個のデータを、ニューラルネットワークに最初に入力さ
れる初期値としてメモリ102に記憶させておけば、生
成可能なゆらぎ制御パターンの種類を増やすことができ
る。
【0040】次に、空気調和機の実際の運転について説
明する。電源スイッチがONされ、メモリ102からの
初期値データの選択によりニューラルネットワークに最
初の入力が行われると、ゆらぎ運転が開始される。
【0041】複数セットあるニューラルネットワークの
初期値データの中から適当な初期値データを選ぶ方法と
しては、以下に挙げる方法がある。第1の方法は、運転
開始時に使用者が初期値選択手段103により「弱
め」、「強め」等の好みの運転パターンを生成する初期
値を選択する方法である。第2の方法は、温度センサ1
04と湿度センサ105の両方又はいずれか一方によ
り、外部環境の状態を判断し、気温や湿度の状態に対応
して最適な制御パターンを生成する初期値を自動的に選
択する方法である。
【0042】第3の方法は、計時手段106により現在
の時刻と季節を判断し、春夏秋冬等の季節や朝昼晩等の
時刻に対応して最適な制御パターンを生成する初期値を
自動的に選択する方法である。第4の方法は、乱数発生
手段107により運転開始時にランダムに初期値を選択
する方法である。乱数を得るために、計時手段106を
流用してもよい。例えば、現在の時刻を乱数として用い
たり、現在の時刻を加工して乱数として用いたりしても
よい。
【0043】ゆらぎ運転が開始されたら、制御部101
は、メモリ102から前記結合荷重データ及びオフセッ
トデータ並びに選択された初期値データを読み込んでニ
ューラルネットワークの順方向の計算を行い、図2に示
すように初期値データの次のゆらぎデータを算出する。
このゆらぎデータは予測風量を表す算出データであり、
学習時のn+1個目の教師データに相当する。そのゆら
ぎデータに応じて室内側送風機108のモータの回転数
を制御する。
【0044】その算出データに基づく運転開始から所定
の保持時間(=d)が経過したら、前回のニューラルネッ
トワークの入力に与えられたデータをひとつシフトし
(前回の2個目のデータを1個目,…,前回のn個目の
データをn−1個目とする)、前回のニューラルネット
ワークの出力値(算出データ)を入力の最後のデータとし
て(前回のn+1個目のデータをn個目とする)、ニュー
ラルネットワークの順方向の計算を行うことによって、
次のゆらぎデータを算出する。制御部101は、算出さ
れたゆらぎデータに応じて、室内側送風機108のモー
タの回転数を制御する。以下、この動作を繰り返すこと
により室内側送風機108のゆらぎ制御を行う。
【0045】上記ニューラルネットワークを応用したゆ
らぎ制御によって送られる風は、自然のそよ風と同じよ
うなゆらぎ(いわゆる1/fゆらぎ)をもつようになる。
また、最初に初期値データを与えるだけで、ニューラル
ネットワークによって順次ゆらぎデータが生成されるの
で、風のゆらぎは風量に関して同じパターンの繰り返し
にはならず、絶えず変化することになる。従って、使用
者は長時間運転においても快適感を喪失することなく、
より自然に近い風を受けることができる。また、従来よ
り一般的なテーブルルックアップ方式を採用した場合と
比べて、少ないメモリ容量でゆらぎ運転を行うことが可
能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、予
め自然の風のゆらぎを学習させたニューラルネットワー
クで、自然の風からのサンプリングにより得られたゆら
ぎデータから成る初期値に続く風量を予測し、更に予測
した風量に続く風量を、前回予測した風量を入力値に含
めて予測することによってゆらぎデータを生成し、この
ゆらぎデータに基づいて室内側送風機からの風のゆらぎ
制御を行うので、空気調和機から吹き出される風が自然
界における風と同様のゆらぎをもち、絶えず新しい刺激
を受けることができるようになる。そのため、長い時間
風にあたっていても刺激の馴化により快適感が喪失して
しまうということがなくなる。従って、長時間運転にお
いても快適感を喪失させることなく、より自然に近い風
を送ることができる空気調和機を実現することができ
る。
【0047】また、ニューラルネットワークに最初に入
力として与えられる初期値データの複数セットを、必要
に応じてニューラルネットワークを構成する結合荷重デ
ータ及びオフセットデータと共に、メモリに記憶させて
おくだけで、複数種類の制御パターンを生成することが
できるため、従来より知られているテーブルルックアッ
プ方式を採用した場合と比べて少ないメモリ容量で、長
時間のゆらぎ制御を実現することができる。
【0048】初期値設定手段を用いれば、使用者の好み
のゆらぎ運転を行うことができる。また、測定手段を用
いれば温度,湿度等の室内環境に対応可能であり、計時
手段を用いれば朝昼晩,春夏秋冬等に対応可能である。
つまり、空気調和機の使用状況に応じて最適なゆらぎパ
ターンが生成されるため、快適感が向上するという優れ
た効果がある。また、乱数発生手段を用いれば、初期値
の選択がランダムに行われるため、室内環境や現在時刻
等に左右されることなく、運転開始のたびに新たなゆら
ぎパターンの風を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略構成を示すブロック
図。
【図2】本発明の一実施例に用いられている階層型ニュ
ーラルネットワークの構造を示す模式図。
【符号の説明】
101 制御部 102 メモリ 103 初期値選択手段 104 温度センサ 105 湿度センサ 106 計時手段 107 乱数発生手段 108 室内側送風機 L1 入力層 L2 中間層 L3 出力層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自然の風からのサンプリングによって得ら
    れた風量に関する複数のゆらぎデータを記憶するメモリ
    と,該メモリに記憶されている前記複数のゆらぎデータ
    から所望のゆらぎデータをゆらぎ制御の初期値として選
    択する初期値選択手段と,予め自然の風のゆらぎを学習
    させたニューラルネットワークで、前記初期値選択手段
    によって選択された初期値を入力値として、該初期値に
    続く風量を予測し、更に予測した風量に続く風量を、前
    回予測した風量を入力値に含めて予測することによって
    ゆらぎデータを生成し、該ゆらぎデータに基づいて室内
    側送風機からの風のゆらぎ制御を行う制御手段と,を備
    えたことを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】自然の風からのサンプリングによって得ら
    れた風量に関する複数のゆらぎデータを記憶するメモリ
    と,室内環境を測定する測定手段と,該測定手段によっ
    て測定された室内環境に応じたゆらぎデータを前記メモ
    リからゆらぎ制御の初期値として選択し、該初期値を入
    力値として、予め自然の風のゆらぎを学習させたニュー
    ラルネットワークで該初期値に続く風量を予測し、更に
    予測した風量に続く風量を、前回予測した風量を入力値
    に含めて予測することによってゆらぎデータを生成し、
    該ゆらぎデータに基づいて室内側送風機からの風のゆら
    ぎ制御を行う制御手段と,を備えたことを特徴とする空
    気調和機。
  3. 【請求項3】自然の風からのサンプリングによって得ら
    れた風量に関する複数のゆらぎデータを記憶するメモリ
    と,現在の時刻や季節を判定する計時手段と,該計時手
    段によって判定された現在の時刻や季節に応じたゆらぎ
    データを前記メモリからゆらぎ制御の初期値として選択
    し、該初期値を入力値として、予め自然の風のゆらぎを
    学習させたニューラルネットワークで該初期値に続く風
    量を予測し、更に予測した風量に続く風量を、前回予測
    した風量を入力値に含めて予測することによってゆらぎ
    データを生成し、該ゆらぎデータに基づいて室内側送風
    機からの風のゆらぎ制御を行う制御手段と,を備えたこ
    とを特徴とする空気調和機。
  4. 【請求項4】自然の風からのサンプリングによって得ら
    れた風量に関する複数のゆらぎデータを記憶するメモリ
    と,乱数を発生する乱数発生手段と,該乱数発生手段に
    よって発生した乱数に基づき、前記メモリからランダム
    にゆらぎデータをゆらぎ制御の初期値として選択し、該
    初期値を入力値として、予め自然の風のゆらぎを学習さ
    せたニューラルネットワークで該初期値に続く風量を予
    測し、更に予測した風量に続く風量を、前回予測した風
    量を入力値に含めて予測することによってゆらぎデータ
    を生成し、該ゆらぎデータに基づいて室内側送風機から
    の風のゆらぎ制御を行う制御手段と,を備えたことを特
    徴とする空気調和機。
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