JP2844969B2 - 電気集塵器のダスト飛散防止方法 - Google Patents

電気集塵器のダスト飛散防止方法

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JP2844969B2 JP16735491A JP16735491A JP2844969B2 JP 2844969 B2 JP2844969 B2 JP 2844969B2 JP 16735491 A JP16735491 A JP 16735491A JP 16735491 A JP16735491 A JP 16735491A JP 2844969 B2 JP2844969 B2 JP 2844969B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気集塵器のダスト飛散
防止方法に係り、特に火力発電所等の燃焼設備から排出
される塵埃ガスを通過させ、このガス中のダストを除去
する電気集塵器のダスト飛散防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に火力発電所等の燃焼設備から排出
される塵埃ガスは、公害防止上その状態で大気に排出す
ることができないので、電気集塵器に通過させダスト
(塵埃)濃度を規制値以下にして大気に排出している。
このような電気集塵器は複数の集塵室を有し、これらの
集塵室のガス入口、出口の両側に集塵室を密閉する区分
ダンパが取付けられる。前記区分ダンパを解放して塵埃
ガスを集塵室に導入すると、塵埃ガスは集塵室内に付設
された放電極からのコロナ放電によって帯電し、そして
集塵極に付着する。これによって、塵埃ガス中のダスト
濃度を低下することができ、そしてダスト濃度が低下し
たガスを集塵室のガス出口から大気中に放出している。
【0003】ところで、前記集塵極に大量のダストが付
着すると集塵率が低下するので、この不具合を防止する
為に、集塵極を槌打装置で間欠的にハンマリングして集
塵極に付着したダストを払い落とすようにしている。ま
た、ハンマリング時に塵埃ガスが集塵室内に導入しない
ように、前記区分ダンパを閉じて集塵室を密閉状態にし
ている。更に、前記放電極を支持している碍子が設けら
れた碍子室にエアーを供給し、このエアーを碍子室から
集塵室に向けて吹出してエアシールを形成し、ハンマリ
ング時に飛散したダストが碍子室に浸入するのを防止し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電気集塵器では、槌打装置によるダスト払い落とし時に
碍子室からエアーが継続して吹出しているので、集塵室
内の気圧が払い落とし時間に伴って上昇する。その上昇
量が区分ダンパの集塵室を密閉する押圧力以上になる
と、ガス入口、出口に隙間が生じ、この隙間から集塵室
内のエアーが勢い良く排出する。これにより、集塵室内
では落下中のダストが飛散するので、集塵率が低下する
という欠点がある。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、ダスト払い落とし時に於けるダストの飛散を防
止することできる電気集塵器のダスト飛散防止方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、複数に区分されると共に集塵極、放電極及び
槌打装置が設けられた複数の集塵室と、前記複数の集塵
室を集塵室毎に密閉するように集塵室の各ガス入口、出
口の両側に付設された区分ダンパと、前記放電極を支持
する碍子が設けられた碍子室と、前記集塵室内のダスト
が前記碍子室内に浸入しないように碍子室から集塵室に
エアーを吹出すエアシール供給装置とを有し、前記集塵
室を前記区分ダンパで密閉した後、前記集塵極に付着し
たダストを前記槌打装置で払い落とす際の電気集塵器の
ダスト飛散防止方法に於いて、ダスト払い落とし時に於
ける前記エアシール供給装置からのエアー供給量を、前
記区分ダンパが前記集塵室内の気圧で開かない量以下に
制限したことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、ダスト払い落とし時に於ける
エアシール供給装置からのエアー供給量を、区分ダンパ
が集塵室内の気圧で開かない量以下に制限する。即ち、
その方法として、前記エアシール供給装置からのエアー
供給を短時間停止したり減少したりする。これにより、
前記区分ダンパが集塵室内の気圧の上昇で開くのを防止
することができるので、ダスト払い落とし時に於けるダ
ストの飛散を防止することできる。
【0008】
【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る電気集塵
器のダスト飛散防止方法について詳説する。図1は本発
明に係る電気集塵器のダスト飛散防止方法が適用された
電気集塵器の実施例が示されている。
【0009】図1に示すように、電気集塵器本体10の
両側面には塵埃ガス入口12、出口14が形成されてい
る。また、前記電気集塵器本体10は図2に示すよう
に、図中点線で示す仕切板16、18、20によってA
室、B室、C室及びD室に集塵室が分割されている。前
記A室乃至D室の塵埃ガス入口12近傍には、それぞれ
入口側区分ダンパ22、24、26、28が取付けら
れ、また塵埃ガス出口14近傍には、それぞれ出口側区
分ダンパ30、32、34、36が取付けられている。
これらの入口側区分ダンパ22乃至28及び出口側区分
ダンパ30乃至36は、塵埃ガスをA室乃至D室に導入
する時に開放し、後述する集塵極40に付着したダスト
を払い落とす時に閉鎖するように個別に制御されてい
る。
【0010】前記A室、B室、C室及びD室には図1中
点線で示すように、それぞれ2対の放電極38、集塵極
40が配設される。放電極38は、電気集塵器本体10
の上面に設けられた碍子42、42…に懸架され、この
碍子42、42…は碍子室44、44…内に設置されて
いる。また、放電極38は、図示しない直流高圧電源に
接続され、直流高圧電源から直流高圧電圧が印加される
ことによりコロナ放電を発生する。前記集塵極40は放
電極38に対して並行で且つ所定の間隔を持って配設さ
れ、前記コロナ放電により帯電した塵埃ガス中のダスト
がその表面に付着する。
【0011】また、一対の槌打装置46、46が集塵極
40、40をハンマリング可能な位置に設置されてお
り、この槌打装置46、46で集塵極40、40をハン
マリングすることにより集塵極40、40の表面に付着
したダストを払い落とすことができる。払い落とされた
ダストはその重力で落下して、電気集塵器本体10の下
部に設けられたホッパ48に一時貯留され、排出装置5
0、50によって電気集塵器本体10の外部に排出され
る。
【0012】一方、前述した碍子室44、44…には、
A室乃至D室の集塵室毎にダクト52、54、56、5
8が連通され、これらのダクト52乃至58は電磁バル
ブ60、62、64、66を介してファン68に連通さ
れる。従って、前記ファン68を作動して電磁バルブ6
0乃至66を解放すると、ファン68で給気した外気が
ダクト52乃至58を通過して、各碍子室44、44…
に供給される。各碍子室44、44…に供給された外気
は、各碍子室44、44…内からA室乃至D室にむけて
吹出されている。
【0013】ところで、前記電磁バルブ60乃至66と
ファン68は、それぞれケーブルを介して制御装置70
に接続されている。この制御装置70は前記ファン68
の回転数を制御することができ、また前記電磁バルブ6
0乃至66の開閉量も個別に制御することができる。次
に前記の如く構成された電気集塵器でダスト飛散を防止
する方法について説明する。
【0014】例えば、集塵室のA室に設置した集塵極4
0にダストが充分に付着すると、このダストを払い落と
す為に、先ずA室の入口側区分ダンパ22と出口側区分
ダンパ30を閉鎖して塵埃ガスをA室に導入しないよう
にする。次に、前述した制御装置70でファン68を作
動すると共に電磁バルブ60を開放して外気を碍子室4
4、44…からA室に向けて吹出し、碍子室44、44
…とA室との間にエアシールを形成する。これと同時
に、槌打装置を作動して集塵極40をハンマリングしダ
ストを払い落とす。これにより、払い落とされたダスト
は前記エアシールで前記碍子室44、44…に浸入する
のが阻止され、そしてダストの重力で落下する。
【0015】また、前記碍子室44、44…からの外気
量(碍子エアシール量)が一定量を超えると、即ちA室
内の気圧が入口側区分ダンパ22と出口側区分ダンパ3
0の閉鎖押圧力より超えると、入口側区分ダンパ22と
出口側区分ダンパ30の隙間からA室内のエアー外部に
吹出して前記落下中のダストが飛散する。そこで、この
不具合を解消する為に、前記制御装置70で碍子エアシ
ール量を制限する。ここで、前記碍子エアシール量と飛
散ダスト量との関係は、図3に示すように比例関係にあ
るので、碍子エアシール量をダストが碍子室44に浸入
しない程度に減少する。この為の手段は制御装置70で
ファン68を短時間停止したり、電磁バルブ60開度を
小さくする。これによって、入口側区分ダンパ22と出
口側区分ダンパ30の隙間からダストが飛散するのを防
止することができる。
【0016】図4は集塵効率と、塵埃ガス処理時間の荷
電時間との関係が示されており、本実施例のファン68
を短時間停止した場合が実線で示され、また従来の電気
集塵器の場合が破線で示されている。図3に示すよう
に、本実施例では従来の電気集塵器を使用した場合より
も、短時間の荷電で集塵効率を向上させることができる
ことが判明した。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電気
集塵器のダスト飛散防止方法によれば、ダスト払い落と
し時に於けるエアシール供給装置からのエアー供給量
を、区分ダンパが集塵室内の気圧で開かない量以下に制
限し、区分ダンパが集塵室内の気圧の影響で開くのを防
止したので、ダスト払い落とし時に於けるダストの飛散
を防止することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気集塵器の実施例を示す側面図
【図2】電気集塵器の実施例を示す上面図
【図3】碍子シールエアー量と飛散ダスト量との関係を
示す説明図
【図4】荷電時間と集塵率との関係を示す説明図
【符号の説明】
10…電気集塵器本体 22、24、26、28…入口側区分ダンパ 30、32、34、36…出口側区分ダンパ 38…放電極 40…集塵極 60、62、64、66…電磁バルブ 68…ファン 70…制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数に区分されると共に集塵極、放電極
    及び槌打装置が設けられた複数の集塵室と、前記複数の
    集塵室を集塵室毎に密閉するように集塵室の各ガス入
    口、出口の両側に付設された区分ダンパと、前記放電極
    を支持する碍子が設けられた碍子室と、前記集塵室内の
    ダストが前記碍子室内に浸入しないように碍子室から集
    塵室にエアーを吹出すエアシール供給装置とを有し、前
    記集塵室を前記区分ダンパで密閉した後、前記集塵極に
    付着したダストを前記槌打装置で払い落とす際の電気集
    塵器のダスト飛散防止方法に於いて、ダスト払い落とし
    時に於ける前記エアシール供給装置からのエアー供給量
    を、前記区分ダンパが前記集塵室の気圧で開かない量以
    下に制限したことを特徴とする電気集塵器のダスト飛散
    防止方法。
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