JP2844702B2 - 模擬体験用シミュレーション装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主として老人，身体障害者などの体の不自
由な人を対象に、スポーツ，旅行などを模擬体験させる
ためのシミュレーション装置に関する。

〔従来の技術〕

現代では高齢化社会への移行に伴う老人の余暇活動対
策，および身体障害者の福祉対策が大きな社会問題とな
っている。これらの人々の中には精神活動が旺盛である
にもかかわらず、身体のハンデキャップから自分自身で
スポーツ，旅行など実体験することができず、このこと
が無為，孤独感を招き、ひいては欲求不満，ストレスを
生む大きな原因にもなっている。

このような問題の対策として、ホビー的な要素を加味
したケアシステムの開発が一部で進められているが、現
在では環境映像，カラオケなどで代表される映像，音響
システムが主流であり、自分の身体を動かして活動した
いと云う老人，身体障害者の欲求を十分に満足できるも
のは開発されてないのが現状である。

〔発明が解決しようとする課題〕 前記のような従来のケアシステムは、映像，音響を主
体としてものであって身体活動の要素がないために、自
分自身が体を動かして例えばスポーツ，旅行などを体験
したい欲求を満たすことができない。

本発明はこのような問題に対処してなされたものであ
り、老人，身体障害者などの身体が不自由な人を対象
に、選択メニューに合わせてスポーツ，旅行などが模擬
体験できるようにしたインテリジェント機能を備えた模
擬体験用シミュレーション装置を提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために、本発明のシミュレーショ
ン装置は、被体験者を収容するカプセルに映像システ
ム，音響システム，空調システム，映像に合わせて被体
験者の身体を動かす介添ロボットシステム，およびこれ
ら各システムを連係して制御するコンピュータを装備
し、スポーツ，旅行などの選択された体験メニューに基
づき前記各システムを稼動するよう構成したものであ
る。

〔作用〕

上記の構成で、被体験者が体験したいメニューを選択
してコンピュータに入力すると、その選択メニューに合
わせてカプセル内の映像ディスプレイに映像が写し出さ
れ、かつ効果音，音楽、温度，湿度，香りを含めたカプ
セル内部の空気調和で臨場感を高めると同時に、映像に
合わせて介添ロボットシステム（知能ロボット）が被体
験者の胴体，手足を動かす。これにより被体験者は映像
に合わせてあたかも自分自身が運動しているような体験
感に浸ることができる。

〔実施例〕

第１図，第２図は本発明の実施例を示すものであり、
第１図はシミュレーション装置全体の概要構成図、第２
図はその制御システム図である。

まず、第１図において、１は被体験者２を収容するカ
プセルであり、カプセル１の内部には天井面をスクリー
ン３としてここに映像を写し出す映像機器４の他、効果
音，音楽などを流す音響機器５、カプセル内に温度，湿
度，臭りを調節した空気を送り込む空調ユニット６、被
体験者２の身体を支え、スクリーン２に写し出された映
像に合わせて体全体，手足を動かす多関節式の介添ロボ
ット7,および介添ロボット７ト連動してスキー，ラケッ
ト，ゴルフクラブなどの道具などを動かす補助ロボット
８、およびこれら各種機器のシステムを運転制御するコ
ンピュータ９などを装備して構成されている。

ここで、体験メニューには、スキー，テニス，ゴルフ
などのスポーツ分野、登山，旅行の分野、楽器演奏など
の芸術分野、冒険，探検のアドベンチャー分野、討論会
などのその他分野の各種メニューが用意されており、か
つそのメニューに対応して映像，音響，空気調和，ロボ
ットの各システムを運転制御するソフトがあらかじめ組
み込まれている。なお、映像システムには映像を三次元
的に再現する立体映像システムが、また介添ロボット７
には感覚，認識機能により行動決定のできる知能ロボッ
トを採用するものとする。

そして、被体験者が体験したいメニューをコンピュー
タに入力すると、コンピュータからの指令で各種システ
ムが稼動し、その選択メニューに合わせてシミュレーシ
ョンを行う。一例として、例えば体験メニューの中から
スキー（スポーツ）を選択したとすると、カプセル１内
の天井スクリーン３には雪山，スキー場のゲレンデの映
像が写し出され、さらに臨場感を高めるように効果音，
音楽の演奏，およびカプセル内の温度，湿度，匂いなど
を含めた空気調和がなされとともに、補助ロボット８が
スキーの板を被体験者２の足に添え、この状態で介添ロ
ボット７の動作により映像に合わせて被体験者２がゲレ
ンデを実際に滑っているように体，手足を動かす。これ
により被体験者は恰も自分自身の手足を動かしてスキー
をしている実感に浸ることができる。また、スクリーン
の映像を見ながら被体験者の自由意思でスキーを操縦す
ることにより、この操縦に合わせて両面の映像を変える
ような制御機能を持たせることも可能である。

また、他のメニューを選択した場合にも同様であり、
そのメニューの内容に合わせて映像，音響，空気調和，
および介添ロボットの各システムが稼動し、被体験者は
模擬体験することができる。

なお、このようなシミュレーション装置は、例えばケ
ア付き養護施設などに備えることで不特定多数の老人，
身体障害者などが余暇活動の一端として利用できる。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明の模擬体験用シミュレーシ
ョン装置により次記の効果を奏する。

（１）老人，身体障害者などように身体の不自由な人で
も、恰も自分自身が手足を動かして活動しているような
感覚でスポーツ，旅行などを模擬体験できる。

（２）これにより、身体の活動にハンデキャップのある
人が自分自身で身体を動かして様々な体験したいと云う
欲求を十分に満たすことができ、身体障害者，ないし高
齢化社会への移行に伴う老人の余暇活動対策としての実
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例によるシミュレーション装置全体
の概要構成図、第２図は第１図の制御システム図であ
る。図において、 1:カプセル、2:被体験者、3:映像スクリーン、4:映像機
器、5:音響機器、6:空調ユニット、7:介添ロボット、8:
補助ロボット、9:コンピュータ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】身体の不自由な人を対象にスポーツ，旅行
   などを模擬体験させるためのシミュレーション装置であ
   って、被体験者を収容するカプセルに映像システム，音
   響システム，空調システム，映像に合わせて被体験者の
   身体を動かす介添ロボットシステム，およびこれら各シ
   ステムを連係して制御するコンピュータを装備し、選択
   された体験メニューの内容に基づいて前記各システムを
   稼動させることを特徴とする模擬体験用シミュレーショ
   ン装置。