JP2843478B2 - 光学信号を制御するための装置および光学導波路中の光学信号を制御する方法 - Google Patents

光学信号を制御するための装置および光学導波路中の光学信号を制御する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】この発明は一般に光学導波路装置に関
し、より特定的には2モードの導波路中で光エネルギの
伝播を制御するために2モードの光学導波路を組み入れ
る装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
【0003】
【光ファイバ】光ファイバは外部被覆によって囲まれた
中心コアを有する光学導波路である。コアおよび被覆の
屈折率は光ファイバ中で伝播する光エネルギがファイバ
によってうまく案内されるように選択される。
【0004】当該技術分野で周知のように、1つの光フ
ァイバはある条件で1つ以上の伝播経路を提供し得る。
これらの伝播経路は普通、ファイバの通常モードと呼ば
れ、それはファイバを通る独立した光路として概念化さ
れてもよい。通常モードは独特の電界分布パターンを有
し、それは振幅を除いては光がファイバを通って伝播す
るときに変わらないままでいる。さらに、各通常モード
は独特の伝播速度でファイバを通って伝播する。
【0005】特定の光ファイバによって支持され得るモ
ードの数はそこを通って伝播する光の波長によって決定
される。もし波長が「2次モードのカットオフ」波長よ
りも長ければ(つまり光の周波数がカットオフ周波数よ
りも小さい)、ファイバは1つのモードのみを支持す
る。もし波長がカットオフよりも短ければ(つまり、光
の周波数がカットオフ周波数よりも大きい)、ファイバ
はより高次のモードを支持し始める。カットオフには近
いがファイバよりも短い波長については、基本つまり1
次モード、および次のつまり2次モードのみを支持す
る。波長が減少すると、ファイバは他のモードたとえば
3次、4次モード等を支持する。
【0006】通常モードの各々(たとえば、1次、2次
等)は直交している、つまり普通はこれらのモードの光
の間に結合がない。モードの電界ベクトルの配向はその
モードの光の偏光、つまり直線垂直または直線水平を規
定する。これらのモードのおよび対応する電界パターン
のより完全な議論が次になされる。
【0007】モード間に選択的結合を設けるために光フ
ァイバのモードの直交性を利用する多数の装置が作られ
てきた。たとえば、本発明の譲受人に譲渡された「ファ
イバ光学モードのカプラ(Fiber Optic Model Couple
r)」と題された同時係属中の米国特許出願連続番号第88
4,871 号は、1次モードから2次モードへおよびその反
対に光エネルギを結合する装置を説明する。本発明の譲
受人に譲渡された「ファイバ光学インターモード結合単
側波帯周波数シフタ(Fiber Optic Inter-Mode Couplin
g Single-Sideband Frequency Shifter)」と題された米
国特許出願連続番号第820,513 号および第909,503 号の
両方は、光エネルギの周波数をシフトする一方で1つの
伝播モードから他の伝播モードへ光エネルギを結合する
周波数シフタを開示する。本発明の譲受人に譲渡された
「ファイバ光学モード選択器(Fiber Optic Mode Selec
tor)」と題された米国特許出願連続番号第820,411 号
は、1次および2次伝播モードのうちの一方で伝播する
光エネルギを1次および2次伝播モードの他方から分離
する装置を開示する。
【0008】
【ネオジムおよびエルビウムドーピングされた光ファイ
バ】ドーピングされたファイバは光源および増幅器とし
て興味深く商業的に応用されてきた。近年、ドーピング
されたファイバ特にエルビウムドーピングされたファイ
バが可能な光源として、かつ増幅目的のために特に15
00nmでの低損失ファイバ通信ウィンドウにおいて注
目を集めてきている。エルビウムドーパントがファイ
バ、典型的にはシリカファイバに適切にドーピングされ
る場合、高利得を得ることが可能である。エルビウムド
ーピングされたファイバから発せられる光は同様のモー
ドサイズの他のファイバへ容易に結合する。エルビウム
ドーピングされたファイバはまた相対的に熱的に安定し
ている。さらに、エルビウムドーピングされたファイバ
はネオジムドーピングされたファイバよりも長い波長の
光を発し、その光は放射誘起された損失メカニズムに対
するファイバの感度を少なくする。
【0009】増幅された自然放出の理論的分析は、『光
波技術刊行物(Journal of Lightwave Technology)』第
7巻、No.5、835-845 頁(1989年5月)中のイー・デサ
ルビア(E. Desurvire) 他著の論文「エルビウムドーピ
ングされた1モードファイバの自然放出の増幅(Amplif
ication of Spontaneous Emission in Erbium-DopedSin
gle-Mode Fiber)」に記載される。1535nmで超蛍
光源としてかつ980nmでポンピングされるエルビウ
ムドーピングされたシリカファイバの動作はまた、スプ
リンガ−ベルラグ・ベルリン(Springer-Verlag Berli
n) 、ハイデルベルグ(Heidelberg) 1989年の『光
ファイバセンサ(Optical Fiber Sensors)』の『スピリ
ンガ物理予稿集(Springer Proceedings in Physics)』
第44巻中のピー・アール・モーケル(P. R. Morkel)
著の論文「ファイバジャイロスコープのためのエルビウ
ムドーピングされたファイバ超ルミネッセント光源(Er
bium-Doped Fiber Superluminescent Source for the F
iber Gyroscope) 」において報告される。この論文は超
蛍光出力パワーの種類をポンプパワーとファイバ長とを
用いて分析し、かつファイバ長、ポンプパワーおよびフ
ァイバ温度に対する超蛍光放出のスペクトルの依存を観
察する。
【0010】ネオジム対シリカは4レベルシステムで表
されるが、Er対シリカは3レベルシステムでより正確
に表される。Er対シリカの3レベル遷移はネオジムに
対応する4レベル遷移よりもかなり複雑である。エルビ
ウムにおいて、接地状態および下位レーザ状態は1つの
状態に組合わされる。したがって上位および下位レーザ
レベルはボルツマン統計に従って占有されたままであ
る。信号放出および信号吸収はともに可能である。これ
ら2つのプロセスは大抵放射および吸収断面を別個に規
定することによって分離され、それらの断面は各々の場
合において作用するレベルの占有の可能性によって重み
付けされる。放射は上位レーザ状態の占有された下位レ
ベルから下位レーザ状態まで発生し、一方吸収は下位レ
ーザ状態の占有された下位レベルから上位レーザ状態ま
で発生する。したがって放射断面のプロットは吸収断面
よりも低い周波数(より長い波長)へシフトされる。
【0011】
【ドーピングされたファイバの非線形光学応用】光源お
よび増幅器としての可能性に加えて、ドーピングされた
ファイバは非線形光学系に基づくあらゆる種類の新規の
活性装置についての興味ある媒質となれるようである。
【0012】
【光スイッチ】ローカルエリアネットワーク、センサア
レイおよび電気通信システムを含む多数の応用のため
に、ミリ秒からサブピコ秒の応答時間を有する全ファイ
バスイッチが必要とされる。この分野における研究の多
くは高速装置に焦点をおいてきた。『オプチカルレター
ズ(Optical Letters)』第13巻、No.9、776-778 、1
988年9月中のエイチ・ジー・パーク(H. G. Park)
他著の論文「楕円コア2モードファイバを使用する光学
カースイッチ(Optical Kerr switch using elliptical
core two-mode fiber) 」は、純粋シリカファイバ中の
ナノ秒スイッチを報告している。しかしながら、シリカ
は光学非線形性が弱いため、これは多量のポンプパワー
と長さとを必要とする。かなり大きな非線形性を示す半
導体ドーピングされたガラスはファイバ装置においてピ
コ秒応答を生み出し、これは『オプチカルレターズ(Op
tical Letters)』14、6、317-319 、1989年3月中
のデー・コター(D. Cotter)他著の「半導体ドーピング
されたファイバにおける光学非線形性のピコ秒ポンプ−
プローブ干渉計測定(Picosecond pump-probe interfer
ometric measurement of optical nonlinearity in sem
iconductor-doped fibers)」に示される。半導体ドーピ
ングされたガラスはまた『応用物理レターズ(Applied
Physics Letters)』、53、13、1144-1146 、1988年
9月中のエヌ・フィンリスン(N. Finlayson) 他著の
「非線形カプラにおける可飽和吸収により誘起されるピ
コ秒スイッチング(Picosecond switching induced by
saturable absorption in a nonlinear directional co
upler)」において示される。両方の場合ともこれらのガ
ラスはなお高いポンプパワーを必要としかつ信号のかな
りの吸収損失をもたらす。
【0013】したがってポンプソースに対するパワー要
求が低くかつ信号吸収損失が低い実用的にコンパクトで
信頼性のある非線形光学カプラに対する必要性がなお存
在する。
【0014】
【発明の概要】この発明の第1の局面に従って、光学信
号を制御するための装置が開示され、この装置は活性媒
質でドーピングされた光学導波路を含み、導波路は第1
および第2の空間伝播モードを有し、第1および第2の
モードはそれぞれ第1および第2の屈折率を有し、さら
にポンプ信号を空間モードの少なくとも1つに導入して
第1および第2の屈折率のうちの少なくとも1つを光学
的に摂動するように結合されるポンプソースを含み、ポ
ンプ信号は光学信号の空間強度分布を制御可能に変更す
る。
【0015】第2の空間モードは好ましくは第1の空間
モードよりも上位である。光学導波路は非円形断面を有
してもよく、断面の寸法は導波路が1つの安定強度パタ
ーンにおいてのみより上位のモードの光を案内するよう
に選択される。
【0016】有効屈折率のうちの少なくとも1つの摂動
は第1および第2のモードのうちの1つで伝播する光学
信号成分を位相シフトし得る。ポンプソースはパワーを
有し、かつポンプ信号の強度を変えて、約πであり得る
位相シフトを変更してもよい。
【0017】ポンプ信号の位相は好ましくは光学信号の
光エネルギを第1のモードから第2のモードへ反復的に
切換える。
【0018】ポンプ信号はPabs /(1−exp(σp
0 L+Pabs /AIp,sat )よりも大きいポンプパワ
ーを有してもよく、ここでPabs は式(24)によって
与えられ、σp はポンプソースについての吸収断面積で
あり、N0 は活性媒質についての全種の母密度であり、
Lは光学導波路の長さであり、Aはポンプ信号によって
照射された光学導波路の領域であり、かつIp,sat は式
(13)によって与えられる。光学導波路の長さは好ま
しくは式(27)によって与えられるLmin よりも長
い。
【0019】光学導波路は好ましくは第1および第2の
モードで伝播する光の間の位相関係に起因する光学強度
分布パターンを有し、光学強度分布パターンは少なくと
も2つのローブを有する。
【0020】活性媒質は好ましくはエルビウム等の希土
類である。これはまた半導体材料であってもよい。
【0021】光学信号は第1の波長を有しかつポンプ信
号は第2の波長を有する。第2の波長は好ましくは活性
媒質の吸収遷移に近い。第1の波長は活性媒質の他の吸
収遷移に近くてもよく、それにより特定の位相シフトの
ためにポンプソースのパワーを低減しかつ光学信号の損
失を増大する。吸収遷移および他の吸収遷移は同一であ
ってもよい。第1の波長はまた活性媒質の他の吸収遷移
から離れて選択されてもよく、それにより特定の位相シ
フトのためにポンプソースのパワーを増大しかつ光学信
号の損失を低減する。
【0022】光学導波路は好ましくはシリカを含む。活
性媒質は好ましくはシリカ中で高い溶解性限度を有す
る。光学導波路はエルビウムドーピングされたシリカ光
ファイバであってもよい。
【0023】光学信号は式(21)によって与えられる
信号損失を光学導波路中で受けるかもしれない。
【0024】活性媒質は発振器強度を有する。発振器強
度は好ましくは1以上である。この発明の第2の局面に
従って、光学信号を制御するための装置が開示され、こ
の装置は、少なくとも第1および第2の空間伝播モード
を支持する光伝播媒質を含む活性媒質でドーピングされ
た光学導波路を含み、光学導波路は第1の空間伝播モー
ドで伝播する光についての第1の有効屈折率と、第2の
空間伝播モードで伝播する光についての第1の有効屈折
率とは異なる第2の有効屈折率とを有し、その結果一方
のモードで伝播する光は他方のモードで伝播する光の位
相伝播速度とは異なる位相伝播速度で伝播し、さらにこ
の装置は第1の光学波長で第1の光学入力信号を光学導
波路に与える光学信号ソースを含み、第1の光学波長は
第1の光学入力信号が、第1の空間伝播モードで光学導
波路中で伝播する第1の空間モード成分と第2の空間伝
播モードで伝播する第2の空間モード成分とを有するよ
うに選択され、第1の空間モード成分は第1の光学入力
信号が光学導波路中で伝播するときに第2の空間モード
成分に対して位相シフトされ、さらにこの装置は第2の
光学入力信号を第2の光学波長で光学導波路に与えるポ
ンプソースを含み、第2の光学波長は第2の光学入力信
号が少なくとも第1の空間伝播モードで光学導波路中で
伝播するように選択され、第2の光学入力信号は第1の
有効屈折率を第2の有効屈折率に対して摂動してその量
を変えるように選択可能な強度を有し、それにより第1
の光学入力信号の第1の空間伝播モード成分は、第1お
よび第2の空間伝播モード成分が光学導波路中で伝播す
るとき第1の光学入力信号の第2の空間モード成分に対
して位相シフトされる。
【0025】活性媒質は好ましくはエルビウム等の希土
類である。活性媒質はまた半導体材料であってもよい。
第1の波長は第2の波長よりも短かくてもよい。第1の
波長は活性媒質の第1の吸収共振に近くてもよく、かつ
第2の波長は活性媒質の第2の吸収共振に近くてもよ
い。第1の波長はたとえば約906nmであり、かつ第
2の波長はたとえば約1.48μmである。
【0026】第1の空間伝播モードは好ましくは基本L
01伝播モードであり、第2の空間伝播モードは2次L
11伝播モードである。光学導波路は楕円コアを有する
2モード光ファイバであってもよい。
【0027】この発明の好ましい実施例において、光学
導波路は2モードの光ファイバであり、導波路の第1の
空間モードは光ファイバの基本LP01空間伝播モードで
あり、かつ導波路の第2の空間モードは光ファイバの2
次LP11空間伝播モードであり、第2の光学入力信号の
実質的にすべての光は光ファイバの基本LP01空間伝播
モードで伝播し、さらに第1の光学信号の光は光ファイ
バの基本LP01空間伝播モードおよび2次LP11伝播モ
ードにおいて実質的に等しく伝播する。
【0028】第1の光学入力信号の第1の空間モード成
分と第2の空間モード成分との間の位相関係は少なくと
も第1および第2のローブを有する強度分布パターンを
生成するかもしれず、第1の波長での第1および第2の
ローブの光の強度は第1の空間モード成分と第2の空間
モード成分との間の位相関係に従って変化する。この発
明の装置は第1の波長での第1および第2のローブのう
ちの1つの光の強度を検出するための装置をさらに含ん
でもよく、強度は第2の光学入力信号の強度に従って変
化する。第1の波長での第1および第2のローブのうち
の1つの光を検出するための装置は好ましくは光学検出
器を含む。
【0029】光学導波路は好ましくは入力端部と出力端
部との間の長さを有し、その長さは出力端部で第1の光
学入力信号の第1の空間モード成分と第2の空間モード
成分とが相対的位相差Nπを有するように選択され、こ
こでNは整数(0、1、2、3、…)に等しく、その結
果第2の入力信号が第1の低強度を有する場合には第1
の波長の実質的にすべての光の強度が出力端部で光学強
度分布パターンの第1のローブに集中され、かつ第2の
入力信号の強度が増大すると第1のローブ中の光の強度
が減少する。
【0030】この発明の装置は第1および第2のローブ
のうちの選択された1つでの光の強度を検出するための
手段をさらに含んでもよい。
【0031】この発明の第3の局面に従って、光学導波
路中の光学信号を制御する方法が開示され、この方法
は、光学導波路がその中で伝播する少なくとも第1およ
び第2の空間伝播モードの光を支持するように選択され
た形状を有する、活性媒質でドーピングされた光学導波
路を与えるステップを含み、第1および第2の空間伝播
モードは第1および第2の有効屈折率をそれぞれ有する
ので、第1および第2の空間伝播モードのうちの一方で
伝播する光は第1および第2の空間伝播モードのうちの
他方で伝播する光の位相伝播速度とは異なる位相速度で
伝播し、さらにこの方法は第1の光学信号が導波路の第
1および第2の空間伝播モードで実質的に等しい光の強
度で光学導波路中で伝播するように、第1の波長を有す
る第1の光学信号を光学導波路中に入力するステップを
含み、第1の空間伝播モードで伝播する光は第2の空間
伝播モードで伝播する光の位相伝播速度とは異なる位相
速度で伝播し、それにより第1の空間伝播モードで伝播
する光と第2の空間伝播モードで伝播する光との間に光
学位相差を引き起こし、この光学位相差は光学導波路の
長さに沿って変化し、さらにこの方法は第2の波長を有
する第2の光学信号を光学導波路中に入力して第1の光
学信号を制御するステップを含み、第2の光学信号は第
1の空間伝播モードの光学導波路中で伝播し、さらにこ
の方法は、第2の光学信号が第1の空間伝播モードで伝
播する第1の光学信号の光の位相速度を変えるように第
1の有効屈折率を第2の有効屈折率に対して摂動するの
に十分大きい強度を有するように、第2の光学信号の強
度を選択的に調節するステップとを含み、それにより第
1の空間伝播モードで伝播する光と第2の空間伝播モー
ドで伝播する光との間に付加的光学位相差を導入し、こ
の付加的光学位相差は光学導波路の出力で光学強度分布
パターンの第1および第2のローブの強度に変化を引き
起こす。
【0032】この発明の方法は好ましくは光学導波路の
出力の光学強度分布パターンの第1および第2のローブ
の強度の変化を検出するステップを含む。強度の変化を
検出するステップは、光学強度分布パターンの第1およ
び第2のローブからの光を光学検出器へ向けるステップ
を含んでもよい。
【0033】この発明の方法はさらに、実質的にすべて
の光の強度が最初は光学強度分布パターンの第1および
第2のローブのうちの一方にあるように、第2の光学信
号を光学導波路に入力するステップに先行して、光学導
波路の長さを調節するステップを含んでもよい。第2の
光学信号の強度を選択的に調節するステップは第2の光
学信号の強度を選択するステップを含んでもよく、第1
の波長の実質的にすべての光の強度は光学強度分布パタ
ーンの第1および第2のローブのうちの他方にある。
【0034】この発明の他の局面に従って、活性媒質で
ドーピングされた光学導波路を含む光学モード結合装置
が開示され、この装置は導波路の伝播モード間で光学導
波路中で伝播する光学信号を結合し、光学信号はモード
について光学信号ビート長を有し、導波路は異なる屈折
率を有する材料で形成される案内構造を含み、かつ光学
信号のビート長に対して間隔ごとに空間を設けられた摂
動を有して、1つの伝播モードから他のモードへ光学信
号を累積的に結合させる。
【0035】光学導波路は、導波路が基本空間モードの
摂動信号の一部とより高次の空間モードの他の部分とを
案内するように、選択される断面寸法を有する非円形の
断面を有してもよく、導波路の断面寸法はさらに、より
高いモードの導波路によって案内される摂動信号が1つ
の安定強度パターンにおいてのみ伝播するように選択さ
れる。基本空間モードは2つの偏光モードを含んでもよ
く、コアの断面寸法はさらに基本モードの偏光モードが
縮退しないように選択される。
【0036】より高次の空間モードの1つの強度パター
ンは2つの偏光モードを含んでもよく、コアの断面寸法
はさらにこれらの偏光モードが縮退しないように選択さ
れる。
【0037】導波路のコアは楕円形の断面を有してもよ
い。導波路の屈折率摂動は好ましくは光学的カー効果に
よって作られる。伝播モードは好ましくは導波路の1次
および2次空間モードである。導波路は好ましくは非円
形の断面を有する。
【0038】この発明の他の局面に従って、光学導波路
中の光学信号を制御する方法が開示され、この方法は活
性媒質でドーピングされた光学導波路を与えるステップ
を含み、光学導波路は少なくとも第1および第2の空間
伝播モードを有し、第1および第2の空間伝播モードは
第1および第2の屈折率をそれぞれ有し、さらにこの方
法は第1の波長を有する光学信号を光学導波路に入力す
るステップと、第2の波長を有するポンプ信号を光学導
波路中に入力して第1および第2の屈折率のうちの少な
くとも1つを光学的に摂動するステップと、ポンプ信号
の強度を選択的に調節して光学信号の空間強度摂動を制
御可能に変えるステップとを含む。
【0039】この発明の方法はさらに、活性媒質が高い
発振器強度を有するように活性媒質を選択するステップ
を含んでもよい。この方法はさらに、第2の波長が活性
媒質の吸収遷移に近くなるように選択するステップを含
んでもよい。
【0040】この発明の方法は、第1の波長が活性媒質
の吸収遷移に近くなるように、または活性媒質の吸収遷
移から離れるように選択するステップを含んでもよい。
この方法はさらに、第1および第2の波長が活性媒質の
同一の吸収遷移に近くなるように選択するステップを含
んでもよい。この方法は、第2の波長が活性媒質の吸収
遷移に近くなるように選択するステップを含んでもよ
く、かつ第1の波長が吸収遷移から離れるように選択す
るステップをさらに含んでもよい。
【0041】この発明の方法は、第1および第2のモー
ドのうちの1つで伝播する光学信号成分を位相シフトす
るステップを含んでもよい。光学信号は光学導波路での
伝播の間に損失を経験するかもしれない。ポンプソース
はパワーを有し、かつ屈折率のうちの少なくとも1つの
摂動は第1および第2のモードのうちの1つの光学信号
の成分を位相シフトし得る。この方法はさらに、光学信
号の損失を最小限にしかつ特定の位相シフトのためのポ
ンプソースのパワーを最小限にするように第1の波長を
選択するステップを含み、第1の波長が活性媒質の吸収
遷移に近ければポンプパワーは低減されかつ信号の損失
が増大され、かつ反復的に第1の波長が活性媒質の吸収
遷移から離れて選択されればポンプパワーは増大されか
つ信号の損失が低減される。
【0042】光学導波路は長さを有しかつポンプソース
はパワーを有する。屈折率のうちの少なくとも1つの摂
動は第1および第2のモードのうちの1つの光学信号の
成分を位相シフトし得る。この方法はさらに、特定の位
相シフトのために光学導波路の長さとポンプソースのパ
ワーとの両方を最小限にするように光学導波路の長さと
ポンプソースのパワーとを選択するステップを含んでも
よく、最小の長さは式(27)を実証しかつ最小の電力
は式(26)を実証する。
【0043】
【好ましい実施例の詳細な説明】この発明は、好ましく
はカットオフより短い波長で動作する光学導波路を含
み、その結果この導波路は基本および2次案内モードの
両方を支持する。基本および2次案内モードは、光学導
波路を通る、2つの実質的に独立した経路を与えるので
この装置は2チャンネル光学伝播媒質として使用され得
る。この発明の実施例は好ましくは、2次モードのただ
1つの安定空間配向が導波路中で支持されるように選択
されたコアの形状を有する光学導波路を使用する。光学
導波路は活性材料を含み、かつ好ましい実施例において
はドーピングされた光ファイバを含む。
【0044】
【この発明の一般的原理】この発明の非線形光学カプラ
は、アール・エイチ・パンテル(R. H. Pantell)他著の
「量子エレクトロニクスの原則(Fundamentals of Quan
tum Electronics)」第2章および第5章、ウィリー(Wi
ley)、ニューヨーク、1969年において示されるよう
に、光学非線形性は吸収共振近くでかなり強調され得る
という原理を用いる。希土類ドーピングされたファイバ
は、多数の吸収遷移を提出し、かつ好ましくはこの発明
の好ましい実施例で用いられる。この発明の非線形カプ
ラは好ましくは、プローブ信号およびポンプ信号が同時
に注入される短いドーピングされたファイバを用いる。
ポンプ信号が電子をある励起された状態に励起すると、
それは電子分布を変化させ、これによりドーパントの吸
収共振近くの信号波長について案内領域の屈折率を修正
する。この率の変化は小さいが、十分に長いファイバに
おいては、何ミリワットかの量の低いポンプパワーでさ
えも実質的な位相シフトを生み出すことができる。
【0045】したがって、この発明の非線形光学カプラ
は好ましくは、波長が光学導波路中の共振遷移に近くに
中心決めされて光学プローブ信号によって経験される位
相シフトを修正するポンプ信号を用いる。共振は材料の
吸収放出においてピークが存在する波長である。共振は
共振電子遷移として説明される。活性媒質のスペクトル
は幾つかの共振遷移を含み得る。これから説明するよう
に、プローブ信号は光学導波路の活性媒質の共振遷移近
くに中心決めされてもよいが、共振遷移から離調されて
もよい。この発明のカプラは低いポンプパワーを用い、
信号波長で吸収を実質的に低減する。
【0046】この発明の原理は、共振近くの遷移を励起
する場合、電子分布が変化しかつこの遷移の材料の屈折
率に対するコントリビューションもまた変化するという
ことにある。上に述べたように、この効果は純粋シリカ
中に存在するが非常に弱く、ドーピングされていない純
粋シリカファイバには、高ポンプパワー(何10ワット
のオーダでの)と、長いファイバ(何10メートルのオ
ーダでの)とが切換えに必要とされる位相シフトπを誘
起するために必要とされる。この発明において、非線形
係数は共振近くでかなり強調される。例として、エー・
エム・グラス(A. M. Glass)著の「光学情報処理のため
の材料(Materials for optical information processi
ng) 」『サイエンス(Science)』、226 、657-662 (19
84年)と、デー・エフ・イートン(D. F. Eaton)著の
「非線形光学材料(Nonlinear optical materials)」
『サイエンス』、253 、281-287 、(1991年)と、ジー
・アイ・スティージマン(G. I. Stegeman) 他著の「3
次非線形集積光学系(Third order nonlinear integrat
ed optics)」『光波技術刊行物』、6、953-970 (1988
年)とを参照されたい。ポンプ波長はドーパントの吸収
共振に近くあるように選択され、その結果ファイバを下
って進むとき、それは徐々に吸収される。工程中でそれ
はドーパントの接地状態から幾分励起された状態に電子
を励起し、それによりこの遷移の電子のコントリビュー
ションおよび材料の屈折率を修正する。より低い強度の
信号については、1つの遷移からのχコントリビューシ
ョンは電子母集団の再分布の結果として生じる非線形効
果と同一である。デー・エフ・イートン著の「非線形光
学材料」『サイエンス』、253 、281-287 、(1991年)
を参照されたい。
【0047】この発明は好ましくは適切な不純物でドー
ピングされた光ファイバを用い、この光ファイバはこの
不純物の吸収共振近くで光学的に励起されて強く強調さ
れた非線形磁化率を生み出す。そのためポンプおよび長
さの要求を各々幾つかのオーダの大きさ分低減し、かつ
非常に低いポンプパワー(数ミリワットの量)でセンチ
メートル長さでπの位相シフトを生み出すことが可能で
あるとモデルは示す。
【0048】この非線形性効果は、イー・デサルビア著
の「エルビウムドーピングされたファイバ増幅器の複合
原子磁化率の研究(Study of the complex atomic susc
eptibility of erbium-doped fiber amplifier) 」『光
波技術刊行物』、8、10、1517-1527 、1990年10月にお
けるように、エルビウムドーピングされたファイバ増幅
器において最初にモデル化された。
【0049】この発明の光学カプラは好ましくは、エル
ビウムドーピングされたファイバから作られかつ1.4
8μmレーザダイオードでポンピングされた2モードの
ファイバ干渉計を含む。2モードファイバ干渉計は上記
のパークの引用文献およびビー・ワイ・キム(B. Y. Ki
m)他著の「2モードファイバ装置のための高度楕円コア
ファイバの使用(Use of highly elliptical core fibe
rs for two-mode fiber devices)」『オプチカルレター
ズ』、12、9、7290731 、1987年9月において説明され
る。信号波長を適切に選択することによって、強調され
た非線形性の利点を保持したままで信号の損失が無視で
きるほど小さくなる。
【0050】非線形係数と信号によって経験される誘起
された位相シフトとは、信号周波数のドーパントの遷移
周波数への近さに依存する。共振により近ければそれに
つれて非線形効果も強くなるが、また信号の吸収も強く
なる。したがって、どのくらいの量のパワーが位相シフ
トを生み出すために必要とされるかということと、どの
くらいの量の損失を信号が被るかということとの間にト
レードオフが存在する。
【0051】この発明の具体例を議論する前に、この発
明のより完全な理解を与えるために応用可能なモード理
論の概要が述べられる。以下はシリカガラス光ファイバ
に関連して説明されるが、当業者は与えられる概念はL
iNbO3 光ファイバ、集積光学系、半導体導波路等の
他の光学導波路に対しても応用可能であるということを
理解するであろう。モード理論はドーピングされていな
いシリカガラス光ファイバに関してなされる、なぜなら
これはモード伝播の理解を容易にするからである。光フ
ァイバがドーピングされているかまたはされていないか
ということはモード伝播の基礎的概念とは無関係であ
る。モード理論に関する詳細は本出願の譲受人に譲渡さ
れた米国特許第4,895,421 号にみられる。この特許はこ
こに引用により援用される。
【0052】
【モード理論】シリカガラス光ファイバ100の例示的
断面が図1に示される。ファイバ100は内部コア10
2および外部被覆104を含む。内部コア102は半径
rを有する。例示的ファイバ100において、コアは屈
折率ncoを有し、かつ被覆は屈折率nclを有する。当該
技術分野で周知のように、コア屈折率ncoは光ファイバ
100中で伝播する光学信号がうまく案内されるように
被覆屈折率nclよりも大きい。光ファイバ100によっ
て案内されるモードの数はファイバ形状およびそこを通
って伝播する光学信号の波長に依存する。典型的には、
光ファイバが基本モードつまり1次モードのみをその上
で伝播する波長は「2次モードカットオフ」波長λc
呼ばれ、これは次式:
【0053】
【数6】
【0054】を用いて円形コアファイバについて計算さ
れ得る。もし光学信号の波長が波長λc よりも長ければ
(つまり、光学信号の周波数がカットオフ周波数よりも
小さければ)、光学信号の1次つまり基本伝播モードの
みがファイバによってうまく案内され、かつファイバに
よって伝播される。もし光学信号の波長がλc よりも短
かければ(つまり、光学信号の周波数がカットオフ周波
数よりも大きければ)、2次モード等のより高次のモー
ドが伝播を始める。
【0055】円形コア光ファイバの真の1次および2次
モードと、そのそれぞれの電界振幅分布とが図2a−図
2hに示される。2つの1次モードは図2aの電界パタ
ーン10によって表される垂直に偏光されたHE11モー
ドと、図2bの電界パターン112によって表される水
平に偏光されたLP01モードとである。各図中の外円は
図1のファイバー100のコア102の境界を表わす。
【0056】図2cに示されるように、LP01モードは
コア102の中心線について実質的に対称である電界振
幅分布116を有する。電界振幅分布116はコア10
2の中心で集中し、かつコア102の中心からの距離が
増大すると減少する。電界振幅分布116の小部分はし
ばしばコアの境界を超えて拡張する。この拡張された電
界は通常、案内されたモードのエバネセントフィールド
と呼ばれる。
【0057】4つの真の2次モードが図2d−図2gに
示される。これらの4つの真のモードは図2d−図2g
の矢印の方向によって示される横電界の配向によって識
別され、通常、図2dの電界パターン120によって表
わされるTE01モード、図2eの電界パターン122に
よって表わされるTM01モード、図2fの電界パターン
124によって表わされるHE21偶数モード、および図
2gの電界パターン126によって表わされるHE21
数モードと呼ばれる。
【0058】2次モードで伝播する例証的光学信号につ
いての電界振幅分布130が図2hに示される。示され
るように、電界振幅分布130はコアの中心線で実質的
に0に等しく、かつコアの境界近くで2つの最大振幅1
32および134を有する。さらに示されるように、2
つの振幅最大値132および134は180°位相を異
にする。さらに、電界分布の大部分は2次モードのコア
の境界を超えて拡張するため、HE11モードについてよ
りも広いエバネセントフィールドを与える。
【0059】4つの真の2次モードの各々は互いに伝播
速度が僅かに異なる。したがって、1つ以上の真の2次
モードが2モードファイバ中でともに伝播する場合、2
次モードの強度分布は、4つのモードが伝播するときに
その4モード間の位相差の変化の結果としてのファイバ
の長さの関数として変化する。2次モードの断面強度分
布はほぼ縮退した4つのモード間で差動位相シフトを誘
起する環境の変化に応答して変化する。
【0060】2次伝播モードで伝播する光学信号の特性
をより容易に分析するために、モードの特性は、デー・
グロージ(D. Gloge) 著の「弱案内ファイバ(Weakly G
uiding Fibers)」『応用光学(Applied Optics) 』、第
10巻、No.10 、1971年10月、2252-2258 頁において規
定されかつ詳細に説明される、モードについてのLP近
似を用いて分析される。
【0061】図3a−図3fを参照して、光ファイバま
たは他の円形コア導波路中の光学伝播のモード理論のよ
り良い理解が得られ、第1および第2のモードはグロー
ジの論文によって説明されるLP近似に従って表わされ
る。各々の図の外円は再び図1の光ファイバ100のコ
ア102の断面を表わす。コアサークル内のアウトライ
ンは電界分布を表わす。矢印は内部アウトラインと共に
偏光の向きを表わす。
【0062】図3a−図3bはモードの基本LP01セッ
ト中の2つの偏光モードのフィールドパターンを示す。
図3aのフィールドパターン140はLP01基本モード
での垂直に偏光された光を表わし、かつ図3bのフィー
ルドパターン142は基本LP01モードでの水平に偏光
された光を表わす。
【0063】図3c−図3fは2次モードについてのL
11近似を示す。図3c−図3fに示されるように、各
々が電界分布について2つのローブを有する4つのLP
11モードがある。図3cでLP11モードパターン150
として、かつ図3dでLP11モードパターン152とし
て表わされる2つのモードはLP11偶数モードとここで
は呼ばれる。図3eでLP11モードパターン154とし
て、かつ図3fでLP 11モードパターン156として表
わされるその他の2つのLP11モードはLP11奇数モー
ドと呼ばれる。4つのLP11モードはローブパターンの
配向およびローブパターン内の電界ベクトルの配向(つ
まり偏光ベクトル)によって識別される。たとえば、第
1のLP11偶数モードフィールドパターン150(図3
c)は、水平のゼロ電界ライン160について対称であ
る2つのローブを有する。2つのローブ内で、電界ベク
トルはゼロ電界ライン160に平行かつそれについて反
対称である。簡便さのために、ローブパターン150に
よって表わされるLP11モードを水平に偏光されたLP
11偶数モードと呼ぶ。
【0064】第2のLP11偶数ローブパターン152
(図3d)は水平ゼロ電界ライン162について対称で
ある。フィールドパターン152の2つのローブ内で、
電界ベクトルはゼロ電界ライン162に垂直かつそれに
ついて反対称である。電界パターン152によって表わ
されるLP11モードは垂直に偏光されたLP11偶数モー
ドと呼ばれる。
【0065】第1のLP11奇数モードフィールドパター
ン154は、垂直に配向されたゼロ電界ライン164に
ついて対称である2つのローブを有する。2つのローブ
内で、電界ベクトルはゼロ電界ライン164に垂直かつ
それについて反対称であり、したがってそれらは水平に
配向される。フィールドパターン154によって表わさ
れるLP11モードはこうして水平に偏光されたLP11
数モードと呼ばれる。
【0066】第2のLP11奇数モードの電界パターン1
56は、垂直に配向されたゼロ電界ライン166につい
て対称な2つのローブを有する。2つのローブ内で、電
界ベクトルはゼロ電界ライン166に平行かつそれにつ
いて反対称である。こうして、電界パターン156によ
って表わされるLP11モードは垂直に偏光されたLP 11
奇数モードと呼ばれる。
【0067】LPモード近似において、図3a−図3f
の6つの電界パターンの各々、特に2つのLP01パター
ンおよび4つのLP11パターンは互いに直交している。
言い換えれば、光学導波路に対する摂動がない場合は、
フィールドパターンの1つから他のいずれのフィールド
パターンにも光エネルギの結合が実質的に存在しない。
こうして、6つの電界パターンは光学導波路を通る独立
した光路と考えられ、それらは普通は互いに結合しな
い。
【0068】光ファイバ100のコア102および被覆
104の率がほぼ等しければ、2つのLP01モードはほ
ぼ同じ伝播速度でファイバを通って進み、かつ4つの2
次LP11モードはほぼ同じ伝播速度でファイバを通って
進む。しかしながら、基本LP01モードのセットについ
ての伝播速度は2次LP11モードのセットについての伝
播速度よりも遅い。こうして、2つのモードのセット、
LP01およびLP11は、光がファイバを通って伝播する
ときに互いに対して同位相および異位相で移動する。3
60°(つまり、2πラジアン)分位相を異にするよう
に移動するために2セットのモードに必要な伝播の距離
は、通常ファイバのビート長と呼ばれ、それは数学的に
次式:
【0069】
【数7】
【0070】として表わされ、ここでLB はビート長、
λは真空の光学波長、Δnは2セットのモードの有効屈
折率の差、およびΔβは2セットのモードについての伝
播定数の差である。
【0071】2セットのモードLP01およびLP11間の
コヒーレントなパワー伝送は、2つのモードのビート長
に一致する周期的摂動を光ファイバ中に作ることによっ
て達成されることが先に示された。2モード間の光エネ
ルギの結合を制御して、光学信号の選択的結合、ろ波お
よび周波数シフトのために有用な装置を提供するように
多数の光学装置が構成されてきた。たとえばダブリュー
・ブイ・ソウリン(W.V. Sorin)他著の「2モード光フ
ァイバのための高選択的エバネセントモードのフィルタ
(Highly selective evanescent modal filter for two
-mode opticalfibers) 」『オプチックスレターズ』、
第11巻、No.9、1986年9月、581-583 頁、アール・シー
・ヤングキスト(R. C. Youngquist) 他著の「周期的結
合を使用する全ファイバ成分(All-fiber components u
sing periodic coupling) 」『IEEE予稿集(IEEE P
roceedings) 』、132 巻、Pt. J 、No.5、1985年10月、
277-286 頁、アール・シー・ヤングキスト他著の「2モ
ードファイバモードカプラ(Two-mode fiber modal cou
pler) 」『オプチックスレターズ』、第9巻、No.5、19
84年5月、177-179 頁、ジェイ・エヌ・ブレーク(J.
N. Blake)他著の「周期的マイクロベンディングを使用
するファイバ光学モードカプラ(Fiber-opticmodal cou
pler using periodic microbending)」『オプチックス
レターズ』、第11巻、No.3、1986年3月、177-179 頁、
ビー・ワイ・キム他著の「全ファイバ音響光学周波数シ
フタ(All-fiber acousto-optic frequency shifter)」
『オプチックスレターズ』、第11巻、No.6、1986年6
月、389-391 頁、およびジェイ・エヌ・ブレーク他著の
「2モードファイバを使用する全ファイバ音響周波数シ
フタ(All-fiber acousto-optic frequency shifter us
ing two-mode fiber) 」『SPIE予稿集(Proceeding
s of the SPIE)』、719 巻、1986年を参照されたい。こ
の発明はこれらの装置の多くのものに実質的な改良を提
供し、かつ光学信号をさらに制御するためにモード間の
結合を利用する多数の新規の装置を提供する。
【0072】4つのLP11モードは光ファイバまたは他
の導波路を通る光エネルギの伝播のために4つの直交す
るチャネルを提供するが、大抵4つのチャネルを独立的
に完全に利用することは困難であるとわかる。上に説明
されたように、LP11モードは実モードの近似であり、
かつ円形コアファイバ100中でほぼ縮退している。こ
のことは、曲げ、捩じりおよび横ストレス等の光ファイ
バ中の摂動によって引き起こされた結合に対してLP11
モードを非常に感応しやすくする。さらに、LP11モー
ドは実モードの近似にすぎないので、ファイバ100の
摂動がない場合でさえも少量の結合が存在する。実際の
結果では所与のモードでのLP11モードの電界パターン
の伝播は安定していない。同様に、2つのLP01偏光モ
ードの電界パターンもまた不安定である。
【0073】光ファイバまたは他の導波路において楕円
コア断面を使用することは複屈折を導入し、かつLP01
1次モードの2つの偏光についての伝播定数を分離する
ことができることが先に示されてきた。伝播定数の分離
は信号の偏光をコア断面の主軸に固定する。楕円コアは
またLP11モードパターンの伝播定数間の分離を増大さ
せることもまた示されてきた。これはモードの安定性を
高める。伝播定数β対光学導波路のコアの楕円性を表わ
す縮尺をあわせていない図が図4に示される。示される
ように、LP01伝播モードはLP11伝播モードよりも大
きい伝播定数を有する。式(b)より、伝播定数のこの
差は次式:
【0074】
【数8】
【0075】のようにLP01とLP11伝播モードとの間
のビート長に関連し、ここでΔβ01はLP01モードとL
11モードとの間の伝播定数の差であり、かつLB01
LP01とLP11モードとの間のビート長である。
【0076】図4の左部分に示されるように、光学導波
路のコアが実質的に円形の場合、LP11奇数およびLP
11偶数モードは実質的に同じ伝播定数を有する。しかし
ながら、光学導波路のコアが楕円の場合は、奇数LP11
モードおよび偶数LP11モードの伝播定数は異なる。こ
れは図4の右半分の伝播定数差Δβ11によって示され
る。示されるように、奇数LP11モードおよび偶数LP
11モードの伝播定数の差(Δβ11)は、楕円性が増大す
るにつれて増大する。楕円コアの光ファイバの使用はL
11モードの直交するローブ配向の縮退を回避する手段
として提案されてきた。たとえばジェイ・ブレイク他著
の「2モードファイバを使用する全ファイバ音響光学周
波数シフタ」「SPIE予稿集」第719 巻、1986年を参
照されたい。
【0077】光ファイバのコアが楕円の場合のLP01
ードと奇数および偶数LP11モードとの間の伝播定数の
上記の差はまた、カットオフ波長および対応するカット
オフ周波数の変化を結果として生じる。たとえば、円形
コア光ファイバについて、カットオフ波長は上記の式
(a)に説明されるようにファイバコアの半径に関連す
る。したがって、2次モードのカットオフ波長λc より
も上の波長(つまり、2次モードカットオフ周波数より
も低い周波数)を有する光学信号は、光ファイバ中で2
次モード以上で伝播しない。カットオフ波長λc よりも
短い波長を有する光学信号は2次モードで伝播する。も
し波長がさらに波長λc2へ低減されれば、3次以上のモ
ードは光学導波路によって支持される。円形コアの光学
導波路については、λc2は次式:
【0078】
【数9】
【0079】によって求められ、ここでr、ncoおよび
clは式(a)について上に説明される。当業者は前述
のものもまたカットオフ周波数によって表わされるとい
うことを理解するであろう。たとえば、第1のカットオ
フ波長λc は第1のカットオフ周波数fc に対応し、か
つ第2のカットオフ波長λc2は第1のカットオフ周波数
c よりも大きい第2のカットオフ周波数fc2に対応す
る。特に、円形コア光学導波路については、もし第1の
カットオフ周波数fc が2.405に正規化されれば、
第2のカットオフ周波数fc2は3.832に正規化され
る。言い換えれば、第2のカットオフ周波数は第1のカ
ットオフ周波数の1.59倍である(たとえば、fc2
c =3.832/2.405=1.59)。したがっ
て、2.405より小さい正規化された周波数を有する
光学信号はLP01モードにおいてのみ光学導波路中で伝
播する。2.405から3.832の範囲の正規化され
た周波数を有する光学信号はまた2次LP11モードで伝
播する。3.832よりも大きい正規化された周波数を
有する光学信号はより高次のモードで伝播する。
【0080】前述の関係はまた光学導波路のコアが楕円
またはある他の非円形形状を有する場合にあてはまる。
たとえば、アラン・ダブリュー・スナイダーおよびシュ
ー−ハング・ツェング(Allan W. Snyder and Xue-Heng
Zheng) 著の「任意断面の光ファイバ(Optical Fibers
of Arbitrary Cross-Sections) 」『アメリカ光学協会
刊行物(Journal of the Optical Society of Americ
a)』、第3巻、No.5、1986年5月、600-609 頁におい
て、多数の異なる導波路断面についての規定化ファクタ
が説明される。たとえば短軸の長さの2倍の長さの長軸
を有する楕円コア導波路は、短軸が同じ材料構成の対応
する円形コア光ファイバの直径と同じ長さを有する場
合、1.889の正規化されたカットオフ周波数を有す
る。言い換えれば、1.889の正規化された周波数よ
り下では1次LP01モードのみが伝播する。同様に、ス
ナイダーおよびツェングはLP11偶数モードは正規化さ
れたカットオフ周波数2.505を有し、かつLP11
数モードは正規化されたカットオフ周波数3.426を
有することを提案する。
【0081】スナイダーおよびツェングは、短軸の長さ
と長軸の長さとの間で変化する比率を用いて、楕円コア
光学導波路についての前述の概念を次のように一般化す
る:
【0082】
【数10】
【0083】ここでfc はLP01モードについての正規
化されたカットオフ周波数であり、それより下では光エ
ネルギは楕円コア光ファイバのLP01モードにおいての
み伝播し、fc2evenはLP11偶数モードで伝播する光エ
ネルギについての正規化されたカットオフ周波数であ
り、それより下で光エネルギはLP11奇数モードではな
くLP11偶数モードにおいてのみ伝播し、さらにf
c2odd はLP11奇数モードについての正規化されたカッ
トオフ周波数であり、それより下で光エネルギはLP11
奇数モードおよびLP11偶数モードで伝播するが、それ
より高次のモードでは伝播せず、bは楕円コアの短軸の
長さの2分の1であり、かつaは楕円コアの長軸の長さ
の2分の1である。式(e)、式(f)および式(g)
は短軸の長さ2bの2倍の長軸の長さ2aを有する楕円
コアファイバの数値を求め、上に説明されるように正規
化された周波数1.889、2.505および3.42
6を得る。式(e)、式(f)および式(g)はさらに
b=aについて(つまり円形コアについて)数値を求め
て、上に説明されるように奇数および偶数モードの両方
に対してLP01カットオフ周波数2.405およびLP
11カットオフ周波数3.832を得る。
【0084】楕円コア光学導波路の前述の特性は、LP
11奇数伝播モードを消去することによって光学導波路の
動作特性を改良するためにこの発明で有利に用いられ、
こうして2次モードの電界パターンに対してただ1つの
空間配向を与える。これは図5および図6a−図6gに
示される。
【0085】図5は楕円コア202およびそれを取り囲
む被覆204を有する例示的光ファイバ200を示す。
楕円コア202の寸法は、2次モードの2つの直交する
ローブパターンについてのカットオフ波長および周波数
がうまく分離されるように選択される。カットオフ周波
数fc2evenより上、かつカットオフ周波数c2odd より下
に選択された周波数範囲内の光学信号がファイバ200
に与えられる。たとえば1.889に正規化された第1
のカットオフ周波数fc および2.505の第2の周波
数fc2evenを有する例示的光ファイバにおいて、入力光
学信号の周波数は1.889から2.505の範囲の正
規化された周波数を有するように選択される。したがっ
て、光源は、光源によって作られた実質的にすべての光
が第2のカットオフ周波数fc2even' よりも実質的に少
ない正規化された周波数を有し、かつ光の実質的な部分
が第1のカットオフ周波数fc よりも大きい正規化され
た周波数を有するように選択される。波長については、
光源によって作られた実質的にすべての光は第2のカッ
トオフ波長λc2even' よりも大きい1つ以上の波長を有
し、実質的な光の部分は第1のカットオフ波長λc より
も小さい少なくとも1つの波長を有する。したがって、
光ファイバに入る光は1次LP01モードまたはLP11
数モードのいずれかでのみ伝播するようにされる。光学
信号の周波数はLP11奇数モードについてのカットオフ
周波数よりも少なく選択されるので、LP11奇数モード
において実質的に全く光が伝播しない。
【0086】前述のことは図6a−図6gに示される。
図6aおよび図6bにおいて、LP 011次モードについ
ての2つの偏光モードが示される。図6aの電界パター
ン210は垂直に偏光されたLP01モードについての電
界を表わし、かつ図6bの電界パターン212は水平に
偏光されたLP01モードについての電界を表わす。当業
者は光ファイバ200(図5)は1次LP01モードにつ
いて複屈折であり、かつ水平に偏光されたLP01モード
は垂直に偏光されたLP01モードよりも速く伝播すると
いうことを理解するであろう。LP01伝播モードについ
ての電界振幅分布214が図6cに示される。示される
ように、電界振幅分布214は円形コアファイバについ
ての図2cの電界振幅分布116と同様であり、コア2
02の中心線近くでピーク振幅216を有する。
【0087】図6dおよび図6eは楕円コアファイバ2
00についてのLP11偶数モードを示す。図6dおよび
図6eのそれぞれに示されるように、垂直に偏光された
偶数モード電界パターン220および水平に偏光された
偶数モード電界パターン222はともに光ファイバ20
0によってうまく案内される。図6fに示されるよう
に、LP11偶数モードは曲線224によって表わされる
電界振幅分布を有し、これはコアの1つの境界近くに第
1の最大値226を有し、かつコアの対向する境界近く
に第2の最大値228を有し、第1の最大値226およ
び第2の最大値228は180°位相を異にしている。
【0088】電界パターン230(図6g)によって表
わされるLP11奇数垂直偏光モードおよび電界パターン
232(図6h)によって表わされるLP11奇数水平偏
光モードは、光学波長が第2のカットオフ波長λc2even
よりも上に選択される場合、光ファイバ200によって
案内されない。したがって、フィールドパターン230
および232によって表わされるLP11奇数モードの光
エネルギは伝播しない。したがって、円形コア導波路ま
たは僅かに楕円コアの導波路によって与えられるような
4つの縮退光学通信チャンネルを提供するのでなく、光
ファイバ200の高度に楕円のコア202は2つのLP
01モード伝播チャンネルおよび2つのLP11偶数モード
伝播チャンネルのみを提供する。さらに、この通信チャ
ンネルはうまく規定されかつ安定しており、光ファイバ
200の摂動がない場合は4つのチャンネルのいずれの
間にも結合が存在しない。したがって、光学信号は2次
LP11モードで開始されることができ、LP11偶数モー
ドにおいてのみ伝播する。2次LP11モードの奇数ロー
ブパターンの励起を回避する必要はない、なぜならそれ
らのローブパターン中の光エネルギは伝播しないからで
ある。さらに、光エネルギは奇数ローブパターンに結合
されない。
【0089】LP01モードおよびLP11偶数モードの電
界強度パターンの安定性のために、2次LP11モードを
利用するために以前に開発されたファイバ光学装置の性
能が向上する。高度に楕円コアの導波路を利用する装置
の具体例を以下に説明する。
【0090】
【この発明の非線形光学カプラの説明】この発明に従う
光学装置300が図7に示される。装置300の最も興
味ある応用のうちの1つは光学信号処理システム、光学
通信システム等における光学スイッチとしての使用であ
る。しかしながら、装置300は他の応用にも用いられ
ることができるので、明細書全体を通じて非線形カプラ
と呼ばれる。非線形カプラ300は、位相シフトが値π
を有するように特定される場合スイッチとして作用す
る。
【0091】図7に表わされる光学カプラ300は実験
的性質のものである。同業者は商業的応用のための光学
カプラは異なる光学成分を有し、かつ異なる開始条件で
動作するということを認識するであろう。たとえば、こ
の発明の光学カプラは、信号ソースによって発せられる
信号またはポンプ信号が光ファイバに入る前に偏光され
るように、信号ソースとファイバとの間またはポンプソ
ースとファイバとの間に偏光器を含んでもよい。
【0092】図7の光学カプラ300はエルビウムドー
ピングされた光ファイバ302を含む。光ファイバ30
2は第1の端部部分304(入力部分とも呼ばれる)お
よび第2の端部部分306(出力部分とも呼ばれる)を
有する。ポンプ光源320が設けられ、これは波長λ1
を有する出力信号を発生する。図7に表わされる実施例
において、ポンプ光源320は光ファイバ302の第2
の端部部分306近くに有利に位置決めされる。したが
って、ポンプ光源320は後向きにファイバ302に結
合される。ポンプ光源320によって発せられたポンプ
信号は第2の端部部分306から第1の端部部分304
へ光ファイバ302中で逆方向に伝播する。図7に示さ
れる例示的実施例において、レンズ364(たとえば、
20倍の顕微鏡対物レンズ等)はポンプソース320と
光ファイバ302の出力端部306との間に置かれて、
光ファイバ302の内部コア上に信号の焦点を合わせ
る。ポンプ光源320は1.48μmで放射するレーザ
ダイオードであってもよい。例証的レーザダイオードは
InGaAsPレーザダイオードである。1.48μm
波長はEr3+4 15/2413/2 吸収と一致するの
で有利である。この波長は放射的に結合された遷移に近
く、かつ励起された状態からの吸収が実質的にない。λ
1 についてのこの波長の選択はポンプ効率を改良しかつ
所望されないファイバの加熱を最小限にする。1.48
μmで、ファイバはシングルモードである。実質的にす
べてのポンプ信号は光ファイバ302の対称的基本LP
01伝播モードに導入される。
【0093】信号ソース330もまた設けられ、これは
有利にはレーザ信号ソースである。信号ソース330は
波長λ2 を有する相対的に低いパワー出力信号(プロー
ブ信号と呼ばれる)を発生する。図7の実施例におい
て、波長λ2 はEr3+4 15 /24 11/2吸収遷移を
調べるように選択される、すなわち908nmのあたり
である。例示的信号ソースはTi−サファイアレーザソ
ースである。プローブ信号は40dB減衰器324に向
けられる。可変減衰器424はプローブ信号の伝播経路
に有利に含まれて、光ファイバ302の入力端部304
に与えられる信号ソース330のパワーを選択的に減衰
させる。プローブ信号はそれから光ファイバ302の第
1の端部部分304に入力される。図7に示される例示
的実施例において、レンズ366(たとえば20倍の顕
微鏡対物レンズ等)が信号ソース330と光ファイバ3
02の入力端部304との間に置かれて、光ファイバ3
02の内部コア上にプローブ信号の焦点を合わせる。プ
ローブ信号は、第1の端部部分304に入射する実質的
にすべての光エネルギが基本(LP01)モードおよび2
次空間モード(LP11)で等しく伝播するように出され
る。信号ソース330からのプローブ信号は第1の端部
部分304から第2の端部部分306へ光ファイバ30
2中で順方向に伝播する。
【0094】ポンプモードとLP01信号モードとの空間
的重なりはLP11信号モードとのものよりも大きい。し
たがって、ポンプ誘起された位相シフトはLP11モード
についてよりもLP01についての方が大きく、かつファ
イバ出力において、2モード間の干渉の結果として生じ
る信号の空間分布はポンプパワーとともに変化する。差
動位相シフトΔθが2mπ(m=整数)に等しい場合、
LP11モードの2つのローブのうちの一方の近傍でパワ
ーが建設的に増大し、かつΔθ=(2m+1)πの場合
は他方のローブの近傍で増大する。位相シフトπはした
がって出力を一方のローブから他方のローブへ切換える
ために必要である。ファイバ中の信号パワーは、信号の
パワーおよび波長依存自己位相変調を避けるために、μ
Wレベル、つまり吸収飽和強度の十分下で有利に維持さ
れる。端部部分304で発せられる弱い信号はチョッパ
340によって機械的に1.7kHzあたりでチョップ
されかつロックイン増幅器350で分析される。
【0095】ポンプ信号は、電気スイッチ等でポンプ光
源320への電気的入力を選択的に可能化および不能化
すること、ポンプ信号を変調すること、または他の従来
的手段によってオンおよびオフに切換えられる。ポンプ
光源320からのポンプ信号はビームスプリッタ322
へ向けられる。レーザ出力信号の約50%の光エネルギ
がビームスプリッタ322を通過し、かつ光ファイバ3
02の第2の端部部分306へ入力される。
【0096】信号ソース330からの光エネルギは第2
の端部部分306から発せられ、かつビームスプリッタ
322、たとえばダイクロイックミラーによってλ2
出器360へ向けられる。ビームスプリッタ322は波
長λ2 で光学信号を反射するように選択され、その結果
信号ソース330から発せられたプローブ信号は好まし
くは大幅な減衰なくビームスプリッタ322を通って反
射される。ビームスプリッタ322はさらにポンプ波長
λ1 を実質的に通過させるように選択され、その結果、
ビームスプリッタ322上に入射された実質的にすべて
のポンプ信号はビームスプリッタ322を通過する。信
号ソース330は光ファイバ302の第1の端部304
と整列して位置決めされ、その結果プローブ信号は第1
の方向ライン342に沿ってビームスプリッタ322を
通過しかつ光ファイバ302の第1の端部304上に入
射される。ビームスプリッタ322は第1の方向ライン
342に対して45°の角度で配向される。ポンプ信号
は45°の角度でビームスプリッタ322上に入射さ
れ、かつ第1の方向ライン342に沿って光ファイバ3
02の出力端部306へ向かってそこを通過する。した
がって、ビームスプリッタ322はポンプ信号を光ファ
イバ302の出力端部部分306へ向け、かつプローブ
信号を検出器360へ向けるように動作する。放射され
た光エネルギは、スクリーン382上への投射によって
観察される図7の強度パターン380によって表わされ
る。光学検出器360はフォト検出器または類似のもの
であってもよい。これはビームスプリッタ322によっ
て反射された光学出力信号が光学検出器360上に入射
されるようにビームスプリッタ322に対して45°の
角度で位置決めされる。当該技術分野で公知のように、
光学検出器360は光学検出器360上に入射される光
学出力信号の強度に応答する電気出力信号を与える。電
気出力信号はたとえば増幅器(図示せず)によって有利
に増幅され、かつ増幅された出力信号は外部電子回路に
与えられる。たとえば、増幅器の出力はオシロスコープ
(図示せず)の入力に電気的に接続されてもよく、その
結果光学出力信号の検出された強度が測定できる。光学
的フィルタ(図示せず)もまたビームスプリッタ322
と光学検出器360との間に位置決めされてもよく、そ
の結果ビームスプリッタ322から出る光学出力信号
は、フィルタされた出力信号として光学検出器360上
に入射される前に光フィルタを通過する。好ましくは、
光フィルタはプローブ波長λ2 を有する、その上に入射
される実質的にすべての光を伝送する狭帯域パスフィル
タである。フィルタの帯域は、ポンプ波長λ1 を有する
実質的にすべての光をブロックするのに十分狭い。した
がって、プローブ波長λ2 を有する光学出力信号の成分
のみがフィルタ360を通過し、かつフィルタされた出
力信号として光学検出器360上に入射される。したが
って、光学検出器360の電気的出力はプローブ波長λ
2 を有する光学出力信号の成分のみの強度に応答する。
【0097】図7の実施例は幾つかの型のエルビウムド
ーピングされたファイバのうちの1つを有利に含み得
る。この発明の第1の例示的実施例において、光ファイ
バ302は6.7μmのコア直径と、0.13の開口数
(NA)と、約1.08μmのLP11モードのカットオ
フとを有する。コアはAl2 3 −P2 5 −SiO2
からできてもよく、かつ1.3×10+19 Er3+io
ns/cm3 でドーピングされてもよい。かかるファイ
バを用い、かつ研究所のテストによって課される制約内
で、入射ポンプパワーの約55%がファイバ中に出され
る。ポンプ320がない場合、ローブのうちの1つのパ
ワーが最小となるまで光ファイバ302を引張すること
により干渉計300を偏倚することができる。非線形位
相シフトΔθは、ポンプソース320によって発せられ
たポンプ信号が用いられる場合、このローブ中の相対的
パワーの変化として測定することができる。図7の実施
例において、上に説明された光ファイバ302と、上に
示されるように選択された波長λ1 およびλ2 を用い
て、干渉計コントラスト、つまり(Pmax −Pmin )/
(Pmax +Pmin )比が約0.5−0.7であると測定
され、ここでPmax およびPmin は(ファイバを引張る
ことによって観察されるように)ローブ中の最大および
最小パワーである。引張技術はジェイ・エヌ・ブレイク
他著の「高度楕円コア2モードファイバに対する抑制効
果(Strain effects on highly elliptical core two-m
ode fibers) 」『オプチカルレターズ』、12、9、732-
734 、1987年9月において説明される。このコントラス
トは開始条件が慎重に選択されれば増大可能であるとい
うことが理解されるであろう。
【0098】図8は3.4mの光ファイバと信号ソース
330によって発せられた906nmの光プローブ信号
とについて吸収されたポンプパワーPabs の関数として
測定された位相シフトを示す。ポンプ波長はなお1.4
8μmに選択される。図8に示される実線400はデー
タに対する線形の当てはめである。図8において、位相
シフトは0と2πとの間で変化し、一方吸収されたポン
プパワーはmWで表わされかつ0と15mWとの間で変
化する。出されたポンプパワーのうちの65%から98
%が飽和によるポンプパワーに依存して吸収される。位
相シフトは本質的には線形に進み、その傾斜Δθ/P
abs は0.20rad/mWである。位相シフトπはP
abs =15.5mW(約31mWが出力される)を必要
とし、これは105mW.mのファイバ長−出力ポンプ
パワー積PLπ(注:この明細書においてPLのあとの
小文字πは本来下付き文字とされるべきものである)に
対応する。この図はドーピングされていないシリカファ
イバと同一の形状について報告された53W.mのPL
πの積に対する500低減のファクタを表わす。
【0099】図7に表わされるこの発明の第2の例示的
実施例において、光ファイバ302は以下の特性を有す
る、つまり、より小さなコア半径(2.2μm)と、よ
り大きなNA(0.22)と、より高いドーパントの濃
度(4.3×1019ions/cm3 )とを有するよう
に選択される。より高いドーピングはより短いファイバ
(0.954m)の使用を許容する。ポンプ結合効率お
よび屈折吸収ポンプパワーは上に説明されたより長い光
ファイバ302と同様である。より高いエネルギの限界
のために、傾斜Δθ/Pabs は0.39rad/mWに
増加する。位相シフトπは僅か8mWの吸収されたポン
プパワーについて観察される(8.9mW出力)。ポン
プがない場合の信号の損失(冷たい損失(cold loss)と
も呼ばれる)は約0.25dBである。PLπ積は8.
5mW.mであり、これはドーピングされていない光フ
ァイバに対する6200低減のファクタである。
【0100】より高い性能にもかかわらず、第2のより
短い光ファイバ302は信号開始条件により左右されや
すい。奇数および偶数LP11モードは異なる位相シフト
を経験する。モードのうちの1つはカットオフにより近
く、かつより小さい絶対位相シフトを見ると推定する。
偏光ウォークオフは他のコントリビューションであり得
る。これらの困難さはLP11モードのみを保持する楕円
コアファイバを使用することにより容易に排除できる。
【0101】非線形位相シフトはプローブ信号と共振周
波数との間の離調に依存する。孤立した遷移について
は、離調δυが低減すると(プローブ信号が共振に近く
なる)、位相シフトは最大値に増大すると予想され、そ
れから共振で0に低減する。ローレンツの線形について
は、この最大値はδυ=Δυ/2で発生し、ここでΔυ
は遷移のFWHM(最大値の半分での全幅)である。ポ
ンプパワーの必要を最小限にするのでこの周波数で動作
することは有利である。しかしながら、固定位相シフト
については離調が小さくなればなるほどプローブ信号吸
収が高くなるということを認識されたい。この吸収は損
失メカニズムを表わす。実際の応用においては、このメ
カニズムは好ましくはポンプパワーと損失との間のトレ
ードオフを通じて最小限にされる。ローレンツの線形に
ついてかつ共振から遠く離れて、損失はδυ-2として低
減し、一方非線形位相シフトはδυ-1としてのみ低減す
る。信号周波数を適切に選択することにより損失および
ポンプパワーの両方が合理的に低レベルで維持されると
いうことが理解されるであろう。
【0102】図9において、非線形位相シフトがPabs
=10mWについての信号波長の関数としてプロットさ
れる。実線曲線500は978nmで中心決めされたガ
ウス線形への当てはめであり、線幅は24nmかつオフ
セットはπ/2ラジアンである。図10は図9と同じフ
ァイバについての吸収スペクトルを示す。実線600は
ガウス線形への当てはめであり(FWHM=29n
m)、中心線は278nmであり、かつオフセットは
0.26dB/mである。破線610はローレンツの線
形に対する当てはめである(FWHM=24nm、中心
線およびオフセット同じ)。図9および図10の両方に
おいて、測定は上に説明されたより長いファイバに対応
する。図10は978nmの外側の領域、つまり領域9
00−945nmおよび1015−1060nmにおい
て小信号吸収スペクトルを示す。位相シフトは吸収ピー
ク(978nm)近くでは信頼性をもって測定できな
い、なぜなら信号が非常に強力に吸収されるからである
(図10に示されるように約8dB/m)。データはL
11モードがカットオフに近づきかつ効果的に励起され
ない、遷移の長波長側では得られない。
【0103】図9は位相シフトが2つのコントリビュー
ション、つまり978−nm遷移に関連した共振条件
と、波長からほぼ独立しているオフセット条件とを有す
ることを示す。共振条件は978−nm共振ピークへ向
かって増大する。吸収スペクトルはFWHM29nmで
ローレンツ線形よりもガウス線形に最良に適合する(図
10参照)。図9において、位相シフトスペクトルは一
定のオフセットでガウス線形に適合する。この適合から
推量されるFWHMは24nmであり、これは測定され
た吸収線幅と一致する。965nm近くで発生する最大
の共振位相シフトは17.4dBの信号の冷たい損失に
ついて約0.9ラジアンである。共振から離れて、たと
えば916nmで、共振位相シフトは0.18ラジアン
だが、共振の冷たい損失は僅か0.25dBである。上
に議論されたように、位相シフト対冷たい損失の比率は
共振から離れてめざましく向上する。
【0104】波長独立位相シフトを説明するために、2
つの可能な起源が想像され、これは熱的効果と、他の遷
移から発生する共振から遠く離れた非線形効果とであ
る。熱的効果はポンプレベルから準安定レベルまでの非
放射緩和から予想され、これはファイバの温度を僅かに
上昇させる。計算によればPabs =10mWを用いて、
ファイバの断面にかかる安定状態の温度上昇は極めて均
一でありかつせいぜい0.2℃である。3.4m長のマ
ッハ−ツェンダーファイバ干渉計において、この温度上
昇は15πと推定される非常に大きな熱的位相シフトを
引き起こし得る。2モードファイバ干渉計において、温
度上昇は同じだが、それがあまりに均一なのでLP01
よびLP11モードの両方の位相を実質的に等しくしかつ
0.09ラジアンよりも少ないと計算されるとるに足ら
ない位相変化を引き起こす。2モード干渉計はしたがっ
てマッハ・ツェンダー干渉計に対して有利である、なぜ
ならこれは熱的効果に本質的に不感応であるからであ
る。マッハ・ツェンダー光ファイバにおいて、ポンプに
よる加熱は位相シフトの有力なソースである。この分析
はオフセットの起源が熱的ではないということを強く示
唆する。オフセットは、1つ以上の他の接地状態および
/または励起された状態のEr3+の吸収遷移による非線
形性から発生すると推定される。非共振および共振成分
の測定された大きさは、単純量子電子モデルによって合
理的に十分予期される。非共振位相シフトは僅か0.5
dBの非共振の冷たい損失について約π/2である(図
9および図10参照)ことは重要であり、これは共振か
ら遠く離れて実質的な位相シフトが最小の信号損失ペナ
ルティで観察されることを示す。
【0105】これらの結果は、希土類でドーピングされ
たファイバにおいて利用可能な強力に強調された非線形
性が切換えのために用いられる、という概念を確認す
る。共振から離れた動作は少しの信号の損失で実質的な
位相シフトを生み出すことができる。この効果は、図7
の例示的実証例で示されるように特に重要である。図7
の例示的レーザ−ダイオード−ポンピングされたファイ
バカプラは、非常に効果的かつコンパクトな光学スイッ
チとして使用されることが可能である。
【0106】他のドーパントも使用可能であるというこ
とを理解されたい。図7の実施例はドーパントとしてE
3+を用いる。実際エルビウムは迅速な切換えのために
は最適からは程遠い、なぜならその準安定的レベルは約
10msに応答時間を制限するからである。この応答時
間はより高いポンプパワーとブリーチパルス(bleaching
pulses)とによって低減することができ、これはエス・
シー・フレミングおよびテー・ジェイ・ウィトリー(S.
C. Fleming and T. J. Whitley)著の論文「エルビウム
ドーピングされたファイバ増幅器におけるポンプ誘起さ
れた屈折率変化の測定(Measurements of pump induced
refractive index change in Erbium doped fiber amp
lifier) 」『エレクトロニクスレターズ』、27、21、19
59−1961、1991年10月に示される。シミュレーションに
よれば半導体等の他のドーパントを用いれば、合理的な
ポンプパワーと信号損失の低さとの利点を保持しつつ、
応答時間をかなり短くすることが予測される。
【0107】図7の光学カプラ300は以下のように動
作する。信号ソース330によって発生した光エネルギ
は、光エネルギが基本LP01モードと2次LP11モード
との間で均等に分布される状態で、波長λ2 で光ファイ
バ302の第1の端部部分304に有利に入力される。
ポンプソース320がオフの場合、信号ソース330か
らの光エネルギはLP11モードからLP01モードまで実
質的に光エネルギの結合なく光ファイバ302を介して
伝播する。光エネルギは光ファイバ302の第2の端部
部分306から発せられ、かつλ2 検出器360は基本
および1次モードにおいて同量の光エネルギを検出す
る。反対に、ポンプソース320が活性化される場合、
ポンプモードとλ2 光学プローブ信号のLP01モードと
の空間の重なりは、λ2 光学プローブ信号のLP11モー
ドとのものよりも大きい。したがって、ポンプ誘起され
た位相シフトはLP11モードについてよりもLP01モー
ドについての方が大きく、かつファイバ出力において、
2モード間の干渉の結果として生じる信号の空間分布は
ポンプパワーとともに変化する。差動位相シフトΔθが
2mπ(mは整数)の場合、LP11モードの2つのロー
ブのうちの一方の近くでパワーが建設的に大きくなり、
かつΔθ=(2m+1)πの場合は他方のローブの近く
でパワーが大きくなる。位相シフトπはしたがって一方
のローブから他方のローブへの出力を切換えるために必
要である。ポンプのパワーに依存して、光ファイバ30
2の第2の端部部分306から発せられる光エネルギは
波長λ2でLP01またはLP11伝播モードであり、かつ
ダイクロイックミラー322によってλ2 検出器360
に向けられる。したがって、λ2 検出器360の信号出
力はポンプソース320の活性/非活性によって与えら
れるオン/オフ制御に応答する。光学信号処理システム
または光学通信システムにおいて、第2の端部部分30
6からのλ2 信号出力は、さらなる処理のために追加の
光学部品への入力として有利に与えられることができ
る。
【0108】図7の光学カプラの動作は図11a−図1
1iの組を参照することによってよりよく理解される。
上に説明されたように、光学カー効果は、光学導波路中
で伝播する高強度の光エネルギに応答して光学導波路の
有効屈折率を変化させる。この発明は光学カー効果を使
用して、光学ポンプ信号に応答してプローブ信号から導
出された光学出力信号をオンおよびオフに選択的に切換
えるためのダイナミックカプラを提供する。2つの空間
伝播モードで光学導波路を通って伝播する光学信号は、
2モード間の差動有効屈折率に依存する光学ビート長を
有する。光学ビート長は、光学信号に2つの空間伝播モ
ード間の位相差に従って変化する別個の光学強度分布パ
ターンを持たせる。光学強度分布パターンは基本LP01
モードおよび2次LP11モードで伝播するポンプ信号に
ついて図11a−図11iに示される。プローブ信号が
2モード中で伝播する場合に同様の分布パターンがまた
光ファイバ302中に発生する。しかしながら、この発
明ではプローブ信号の強度は十分低いレベルに維持され
るので、光ファイバ302の有効屈折率に対する強度の
効果はポンプ信号のものと比較すると大したことはな
い。
【0109】図7の例示的実施例において、ポンプ信号
が光ファイバ302の第2の端部部分306に与えられ
るとき、光エネルギは基本モードにおいてのみ出され
る。もし他のポンプ波長が選択されれば、光エネルギは
2モードファイバ302の楕円コア中の1次LP01モー
ドと2次LP11モードとの間で等しく分布されるであろ
う。この等しい励起は、2つの空間モードが異なる位相
速度で光ファイバ302で伝播するときに、光ファイバ
302の長さに沿って断面強度分布中に周期パターンを
作り出すであろう。これは光ファイバ302の部分を表
わす図12、および図12の場所11a−11a、11
b−11b等の光学強度分布パターンの断面を表わす図
11a−図11iにおいて示される。図11a−図11
iにおいて、強度分布における光エネルギの存在は強度
パターンの濃い部分によって表わされ、かつ光エネルギ
の存在しないことはパターンの薄い部分によって示され
る。図11a、図11c、図11e、図11gおよび図
11iは、2モード間の位相差がNπでありかつ光学パ
ワーのほとんどが楕円コアの2分の1に集中している場
所で発生する、非常に非対称的な強度分布を示す。たと
えば、図11aは位相差が0(つまり0π)のときの強
度分布を示し、図11cは位相差がπの場合の強度分布
を示し、かつ図11eは位相差が2πのときの強度分布
を示す。位相差が(N+1/2)πの場合、強度分布は
対称である。図11bは位相差がπ/2のときの対称的
な強度分布を示し、かつ図11dは位相差が3π/2の
ときの対称的強度分布を示す。図12および図11a−
図11iに示されるように、モードの強度パターンは周
期的であり、光ファイバ302の長さに沿ってビート長
B ごとに繰返す。
【0110】光ファイバ302等の光学導波路中に光学
パワーが存在することは、光学カー効果を介してガラス
媒質の屈折率を変える。この効果はガラス媒質の3次非
線形偏光のためであり、かつ光学パワーが小さいときに
も発生する。もしポンプソース320からのポンプ光が
基本LP01モードおよび2次LP11モードについてほぼ
等しい強度で光ファイバ302中へ出されると、光エネ
ルギと光ファイバ302のガラス媒質とのこの非線形相
互作用は、光ファイバ302の屈折率の周期的非対称摂
動を引き起こす。光ファイバ中の周期的摂動は、摂動の
周期性が2モードのビート長に一致する場合、光ファイ
バの2つの空間伝播モードの間に結合を引き起こすこと
ができる。周期的ストレスによって引き起こされるモー
ド結合の例は、ビー・ワイ・キム他著の「全ファイバ音
響光学周波数シフタ」『オプチックスレターズ』、第11
巻、No.6、1986年6月、389-391 頁、ジェイ・エヌ・ブ
レイク他著の「周期的マイクロベンディングを使用する
ファイバ光学モードカプラ」『オプチックスレター
ズ』、第11巻、No.3、1986年3月、177-179 頁、および
ジェイ・エヌ・ブレイク他著の「2モードファイバを使
用する全ファイバ音響光学周波数シフタ」『SPIE予稿
集』、第719 巻、1986年において示される。
【0111】この発明はまず第1の端部304と第2の
端部306との間の光ファイバ302の長さを調節する
ことによって動作し、第1の端部304にはプローブ信
号のみが入力として与えられる。光ファイバ302の長
さは、第2の端部306から出る出力光学信号の光学強
度分布パターンが、たとえばスクリーン382上または
光学強度分布パターンを観察するための他の手段で検出
されるような最大コントラストを有するように調節され
る。たとえば、光ファイバ302の短いセクション40
0は光ファイバ302の全体の長さを選択的に調節する
ように従来のバイアス技術によって引張されることがで
き、その結果光学出力信号は図11a、図11eもしく
は図11iにおいて上に示されるような光学強度分布パ
ターンか、または図11cもしくは図11gに示される
ような光学強度分布パターンを有する。これらの光学強
度分布パターンはプローブ信号Nπ(N=0、1、2、
…)の2つのモード間の光学位相差に対応する。上に説
明されるように、これらの高コントラスト光学強度分布
パターンが発生するのは、対称的LP01モードが放射パ
ターンの一方の半分上で反対称LP11モードへ建設的に
増大して、光学強度分布パターンのローブを明るくし、
かつ他方の半分上で破壊的に増大して光学強度分布パタ
ーンのローブを暗くするためである。したがって、2モ
ード間で差動位相シフトを変化することにより、明ロー
ブおよび暗ローブの位置が交換される。たとえば上の図
11cおよび図11eを参照すると、明ローブは実線楕
円で表わされかつ暗ローブは実線楕円のない部分で表わ
される。
【0112】光学強度分布パターンによって示されるよ
うな光ファイバ302のコアの長軸に対する明暗ローブ
の相対的位置は、上に説明した調節ステップの間に達成
されるように光ファイバ302の長さを変えることによ
って調節される。したがって、光ファイバ302の長さ
は2つのローブの強度をスタティックにバイアスするよ
うに調節される。この発明では、明暗ローブの位置はポ
ンプ信号によって制御されてダイナミックオン−オフ切
換え作用を与える。ポンプ信号はこうして摂動信号とし
て作用する。
【0113】上に説明されるように、ポンプ信号は基本
LP01空間伝播モードの光ファイバ302中で伝播す
る。ポンプ信号は光ファイバ302の有効屈折率を変化
させる光学カー効果が発生するのに十分高い強度を有す
る。しかしながら、ポンプ信号は光ファイバ302の基
本LP01モードにおいてのみ伝播するので、ポンプ信号
の光エネルギ分布は、それがプローブ信号のLP11モー
ドに重なるよりも多くLP01モードのプローブ信号に重
なる。こうして、光学カー効果は2次LP11モードの有
効屈折率に対してよりも基本LP01モードの有効屈折率
に対しての効果の方が大きい。2つのモードについての
有効屈折率に対するこの差動効果は、光ファイバ400
のLP11モードの伝播経路の長さに対してLP01モード
の伝播経路の長さを変えるのと同じ効果を有する。した
がって、プローブ信号432のLP 01モード成分とLP
11モード成分との間に追加の位相差が導入される。追加
の位相差の導入は、出力信号470の光学強度分布パタ
ーンを最初に調節される本来の高コントラストパターン
から、異なる光学強度分布パターンへ変えさせる効果を
有する。ポンプ信号の強度は好ましくは追加のπ差動位
相シフトを導入するように選択され、その結果ポンプ信
号が活性のときに明ローブと暗ローブとの位置が交換さ
れる。
【0114】もし光学強度がポンプソース320の活性
前には最初に下位ローブ中にあるように、光ファイバ3
02の長さが最初に調節されれば、ポンプ信号の活性は
光を下位ローブから上位ローブへ切換えさせるというこ
とが理解される。したがって、ポンプ信号がない場合に
2つのローブパターンのうちの明るい方を選択すること
により(つまり、光ファイバ302のスタティックバイ
アスを調節することにより)、ポンプ信号の活性により
検出器360によって検出される光学信号が「オン」か
ら「オフ」へまたは「オフ」から「オン」へ切換えられ
る。
【0115】これまで述べてきたこの発明のこの局面の
動作は、ポンプ信号がスタティック出力として与えられ
る実験的実施例に基づいていた。しかしながら、ポンプ
信号は一連のより短いまたはより長いポンプパルスとし
て与えられてより短いまたはより長い出力パルスを提供
できるということを理解されたい。この発明のこの局面
は、ポンプ信号は制御信号でありかつプローブ信号は制
御された信号であるような光学論理スイッチまたは他の
かかる装置において有利に用いられることができる。
【0116】
【数学的分析】この発明の上述の動作は以下の数学的分
析を参照して理解される。
【0117】A. ファイバモデル 電子エネルギレベルを有する材料で作られるコアを有す
るファイバは、2レベルシステムとして作られる。この
ファイバは周波数νp (波長λp )で光学的に端部ポン
ピングされ、かつポンプとともに共伝播する周波数νs
(波長λs )での信号によってプローブされ、これらは
両方共遷移周波数ν0 (波長λ0 )の近傍であると仮定
される。数字750によって示される誘導吸収は、図1
3に示されるように接地状態730(レベル1)から励
起状態740(レベル2)へ速度W12で発生する。上位
レベルの電子は図13に概略的に示されるように3つの
メカニズムを介して接地状態へ減衰して戻る。第1のメ
カニズムは寿命τf を特徴とする放射緩和700、また
は蛍光、または自然放出であり、第2のメカニズムは寿
命τnrの非放射緩和710であり、これはフォノン結合
を介して発生し、さらに第3のメカニズムは速度W21
特徴とする誘導放出720である。
【0118】レベル1およびレベル2はそれぞれ縮退g
1 およびg2 を有すると仮定される。この分析に従っ
て、どちらかのレベル内のすべての縮退レベルは同じ母
集団を有する、つまり本質的に互いからΔE=κTより
も小さい範囲内にあり、ここでκはボルツマン定数であ
りかつTは絶対温度である。この仮定の基に速度W12
よびW21は次式を満たす:
【0119】
【数11】
【0120】ここでσ12(ν)およびσ21(ν)はそれ
ぞれ遷移の誘導吸収断面および誘導放出断面である。
【0121】次にレベル2の自然寿命τをポンプまたは
信号がない場合の寿命として規定することが有用であ
り、この場合W12=W21=0でありかつ電子は次式:
【0122】
【数12】
【0123】によって与えられる速度τでレベル2から
レベル1へ減衰する。放射寿命τf は次式:
【0124】
【数13】
【0125】によって遷移の中心波長λ0 と発振器強度
fとの関数として表わすことができ、ここでeおよびm
はそれぞれ電子の電荷および質量であり、ε0 は真空の
誘電率であり、n0 は材料の屈折率であり、cは光の速
度であり、かつKはK=(n0 2 +2)2/9 によって与
えられるローレンツ訂正ファクタである。
【0126】吸収断面σ12(ν)は次式:
【0127】
【数14】
【0128】によってこの2レベルシステムの分光器パ
ラメータに関連し、ここでλは周波数νに関連する波長
であり、かつg″(ν)は遷移の線形の虚部分である。
【0129】2つの型の線形関数、ローレンツまたはガ
ウスが考えられ、第1の状況は純粋に均質に広げられた
遷移に適用され、かつ第2のものは純粋に非均質に広が
る遷移に適用される。以下の分析はローレンツの遷移に
限定され、これは周波数ν0(波長λ0 )に中心決めさ
れ、かつδνに等しい最大値の半分での全幅(FWH
M)を有する。この場合、遷移の線形の実部分g′
(ν)および虚部分g″(ν)は次式:
【0130】
【数15】
【0131】によって与えられ、g″(ν)は周波数空
間にわたって単一であるように正規化され、ここでΔν
=ν−ν0 は線の中心ν0 からの離調である。
【0132】図14は線の中心Δν/δνからの正規化
された離調に対するこれら2つの関数の依存を示す。数
字800によって表わされる虚部分g″(ν)は線の中
心で最大であり、かつ1/Δν2 として線の中心から減
少する。数字820で表わされる実部分g′(ν)は線
の中心で0であり、これは離調Δν=δν/2について
最大値であり、かつ1/Δνとして線の中心から減衰す
る。これら2つの関数は非線形インデックス変化および
信号損失の周波数依存を含むので重要である。
【0133】B.非線形インデックス変化 ポンプがない場合、接地状態の母集団密度N1 は全種母
集団密度N0 に等しい。ポンプがオンにされると、接地
状態母集団のあるものが上位状態に励起され、それは屈
折率を変化させる。屈折率nに対する2レベル遷移のコ
ントリビューションは次式:
【0134】
【数16】
【0135】によって与えられる。式5aから、図14
に示されるように屈折率に対するコントリビューション
は線の中心で0でありかつ離調Δνs =δν/2につい
て最大値である。ΔNは次式:
【0136】
【数17】
【0137】として規定される母集団密度の差である。
式3のτf についての式を式6に代入すると、測定可能
な量の関数として屈折率についての新しい式が与えられ
る:
【0138】
【数18】
【0139】興味のある他のパラメータは信号によって
経験される損失であり、これは接地状態からの吸収から
発生する。この損失は吸収係数αs に関して次式:
【0140】
【数19】
【0141】によって特徴づけられ、ここでσ
12(νs )は信号周波数νs での吸収断面である。
【0142】式8はこの率がg′(νs )に比例すると
示し、かつ式9は信号吸収損失係数がg″(νs )に比
例すると示す。もし信号周波数がν0 の近くであれば、
g″(νs )は図14に示されるように大きく、かつ信
号は強力な損失を被る。またg′(νs )は線の中心で
0であり、信号は有限の率を得るために線の中心から離
調されなければならない。この率はΔνs =δν/2に
ついて最大であり、かつこれは信号の損失が線の中心の
半分になるので信号周波数の良好な選択であり得る。も
しさらなる信号損失の低減が所望されれば、図14に示
されるように1/Δνs として減衰するg′(νs
は、1/Δνs 2 として減衰するg″(ν s )よりもか
なり遅く減少するということを理解されたい。言い換え
れば、線の中心から遠く離れると、式9によって与えら
れる信号の損失に対する式8によって与えられるインデ
ックスの比率はΔνとして変化する。この単純な結果が
示すことは、線の中心から離れると、損失が率よりも速
く下がるということと、信号周波数の正しい選択は損失
と誘起された位相シフトとの相対的な大きさを制御する
方法であるということである。反対に、特定の位相シフ
トを得るために必要なポンプパワーと容認可能な信号の
損失の量との間で妥協がなされなければならないという
ことも意味する。
【0143】C.ポンプパワーおよび母集団変化 非線形インデックス変化を計算するために、母集団差Δ
Nは好ましくはファイバ中に出されたポンプパワーに関
連づけられる。これは変化率の式によってなされ、その
式は2レベルレーザシステムについて次式:
【0144】
【数20】
【0145】として表わされ、ここでW12およびW21
上に導入された誘導吸収速度および誘導放出速度であ
る。例として、ダブリュー・コーエクナ(W. Koechner)
著の「個体レーザ工学(Solid State Laser Engeneerin
g )」、『オプチカルサイエンス(Optical Science)』
第1巻、スプリンガ・ベルラグ・サービシズ(Springer
Verlag Services)、ニューヨーク、1976年、およびイ
ー・デサルビア他著の「高利得エルビウムドーピングさ
れた進行波ファイバ増幅器(High-gain erbium-doped t
ravelling wave fiber amplifier)」『オプチックスレ
ターズ』、12、888-990 (1987年)を参照されたい。一
定速度で、d/dtは0でありかつ式10aおよび式1
0bのN1 およびN2 についての解は:
【0146】
【数21】
【0147】である。式1および7から次式:
【0148】
【数22】
【0149】が導出され、ここでγ=1+g1 /g2
ある。この式は(1)ポンプパワーがない場合(W12
0)、母集団差はN0 /g1 に等しく、(2)ポンプが
用いられると、母集団差が減少し、かつ(3)非常に高
いポンプパワー(W12τ>>1)について母集団差は僅
かになるということを示す。
【0150】この点でポンプ飽和強度Ip,sat を、そこ
で母集団差ΔNがそのポンピングされない値の半分にな
る強度として規定することが有用である。特に式11か
らγW12τは1に等しい。2レベルシステムについて、
ポンピング速度W12は次式:
【0151】
【数23】
【0152】によって、遷移の吸収断面および材料中へ
出されたポンプパワー強度Ip に関連させることが可能
であり、ここでIp =Pp /Aであり、Pp はポンプパ
ワーであり、Aはポンプビームによって照射された領域
であり、σp =σ12(νp )はポンプについての吸収断
面であり、かつhはプランク定数である。ポンプフォト
ンの最大の吸収および最良の利用のために、ポンプは以
下において遷移上に中心決めされる、つまりνp =ν0
と仮定される。式12から次式が得られる:
【0153】
【数24】
【0154】この定義を用いて、式11によって与えら
れる母集団差は次式:
【0155】
【数25】
【0156】として表わされる。端部がポンピングされ
た光ファイバの場合は、z=0で出されたポンプパワー
はファイバに沿って徐々に吸収され、そのためPp はフ
ァイバに沿う位置zの関数である。母集団差ΔNおよび
率もまたしたがってzの関数である。z−依存を考慮に
入れることはファイバに沿うポンプパワーの展開を次
式:
【0157】
【数26】
【0158】として書くことにより達成され、ここで最
初の項は接地状態からの吸収から立上がり、かつ第2の
項は励起状態から接地状態へ戻る放射から立上がる。式
1、式14および式15から次式が導出される。
【0159】
【数27】
【0160】ここでαp =σp 0 は低ポンプレベルで
のポンプの吸収係数である。この最後の式は、吸収係数
は1/[1+Ip /Ip,sat ]として飽和するという周
知の結果を表わす。
【0161】式16のPp (z)についての解は次式:
【0162】
【数28】
【0163】として示される。ポンプ強度がポンプ飽和
強度よりもかなり低い場合(Pp <<Ip,sat A)、不
飽和状態で予想されるように、式17の左手の1次項は
無視でき、かつポンプパワーは長さとともに指数的に変
化する。飽和強度と比較可能またはそれよりも大きいポ
ンプ強度について、吸収係数は接地状態の大幅な減少の
ために低減し、かつポンプパワーのより小さなフラクシ
ョン(fraction) は吸収される。式17においてz=L
と設定すると、ファイバの出力端部でポンプパワーPp
(L)を与えられる。このモデルの重要な量は次式:
【0164】
【数29】
【0165】によって与えられる、ファイバによって吸
収されるポンプパワーの総量である。 D.位相シフト ファイバの長さに沿う位相シフトφは次式:
【0166】
【数30】
【0167】によって与えられ、その結果ポンプの存在
による位相の変化Δφは
【0168】
【数31】
【0169】であり、ここでΔN(z)=n(Pp )−
n(Pp =0)である。式8および式14から
【0170】
【数32】
【0171】が得られる。式13および式17−式19
を組合わせると、Δφについての所望される式は:
【0172】
【数33】
【0173】となる。この式は、非線形位相シフトはフ
ァイバによって吸収されるポンプパワーとコア領域の逆
数とに比例することを示す。ファイバは演算λs =λp
=λ0 の波長で本質的にシングルモードであるべきなの
で、コア領域Aはλ0 2 にほぼ比例し、これは位相シフ
トがλ0 とほぼ線形にスケールすることを意味する。位
相シフトに等しい他のすべてはスペクトルの赤外線部分
においてより大きい。
【0174】E.信号損失 上に指摘したように、共振近くの非線形インデックスの
強調は、接地状態吸収のために信号損失の増分を伴う。
ポンプがオンにされる場合、接地状態吸収は減少しかつ
信号損失もまた減少する。このことは幾つかの適用にお
いて問題を生み出す。実際、ポンプオフ信号の損失を最
小限に維持し、かつポンプによって誘起された信号吸収
の変化を最小限にすることが望ましい。この要求は、こ
の効果が強度変調された伝送システム中で使用されるス
イッチに実施される場合はより微妙となるが、一般には
主要な問題とは考えられない。次にポンプがオフの場合
の信号損失を分析する。
【0175】信号損失の係数は式9によって与えられ
る。その式における断面を式4によって与えられる式で
おき替えることにより、信号損失LdB=4.34αs
の次の式をdBの単位で得ることが可能である:
【0176】
【数34】
【0177】F.周波数応答 このシステムの最大の動作周波数は、ポンプがオフにな
った後に励起されたレベル中の電子がどれだけ速く接地
状態に戻るかによって限定される。この緩和時間Tは次
式:
【0178】
【数35】
【0179】によって与えられ、ここでτf は自然放出
の結果として得られ、かつτnrは非放射減衰の結果であ
る。近赤外線のシリカについて、n0 =1.45および
K=1.87であり、その結果式3はτf について次
式:
【0180】
【数36】
【0181】を与える。発振器強度1(f=1)を用い
て、非縮退遷移は(g2 =1)であり、かつλ0 =1μ
mであり、そのためτf =5.53nsとなり、これは
0.18Gbit/sのτf -1に等しいビット速度に対
応する。1μm波長で、もし自然放出が唯一の減衰機構
ならば、これは達成可能なほぼ最大のビット速度であ
る。1Gbit/sを超える速度を得るためには、非放
射減衰がなければならず、したがって以下に議論される
ようにこれはポンプパワーの増大を必要とする。こうし
て、速度とポンプパワーとの間で妥協がなされることと
なる。
【0182】G.π位相シフトのためのポンプパワー要
求および信号損失 大抵のスイッチの応用について、1つのチャンネルから
他のチャンネルへ干渉的にパワーを切換えるために、位
相シフトはπに等しくなければいけない。したがって、
それに対する位相シフトの大きさがπであるポンプパワ
ーを規定しかつ特徴づけることが有用である。このポン
プパワー要求は明らかにファイバ長に依存する。このシ
ステムに対する1つの優秀値はπ位相シフトについての
ポンプパワーとファイバ長との積である。
【0183】式20からの興味ある観察は、大きさπの
位相シフトを得るために必要とされる吸収されたポンプ
パワーはファイバ長から独立しておりかつ次式:
【0184】
【数37】
【0185】に等しい。必ずしもすべてのポンプパワー
がファイバによって吸収されるわけではないので、より
有用な量は出力されたまたは入力されたポンプパワーで
あり、それはレーザから必要とされるポンプパワーをよ
り良く表わしている。この量はファイバの端部でのポン
プパワーの等式から計算され(z=Lを用いる式1
7)、そこで差Pp (0)−Pp (L)は公知の量P
abs (式24)によってとり変えられる。式17によっ
て与えられるような、ポンプパワーについての非線形の
式はしたがって次式:
【0186】
【数38】
【0187】に単純化され、かつポンプパワーの要求は
【0188】
【数39】
【0189】となる。式26からPp (0)>0が必要
であるので、次の条件が導出される:
【0190】
【数40】
【0191】この条件は好ましくは満たされる。こうし
て位相シフトπを得るために、最小値Lmin が存在し、
これは式13および式24から次式:
【0192】
【数41】
【0193】であるとわかる。ポンプパワーについての
等式(式26)、信号損失についての等式(式21)、
および位相シフトについての等式(式20)はこの分析
の主要な結果である。これらの式は興味のある変数の遷
移およびファイバのパラメータに対する依存を提供す
る。
【0194】これらの等式において長さLは常に集中度
0 によって乗じられるということを理解することは興
味深い。このことは集中度を増大する効果は他のパラメ
ータが変わらないとすれば、同じ比率で長さを減らすこ
とを意味する。このモデルの結論のうちの1つはしたが
って、非常に短い装置をつくり出すために、シリカ中で
高い可溶性限度を有するドーパントを選択することが重
要であるということである。
【0195】この発明の様々な実施例を上に説明してき
た。この発明は具体例を参照して説明されてきたが、そ
の説明はこの発明を例示すると意図され限定的であると
は意図されない。たとえば図7を参照して、当業者は示
されたバルク光学部品以外の手段もこの発明の装置をつ
くるために用いられることができるということを理解す
るべきである。たとえば2モード光ファイバ302の光
学強度分布パターンの選択されたローブからの光をシン
グルモード光ファイバへ結合するために、オフセット光
ファイバ接続 (splice) を用いることができる。かかる
接続はたとえば1987年2月20日に出願されこの出
願の譲受人に譲渡された同時係属中の米国特許出願連続
番号第017,882 号に示される。さらに、プローブ信号お
よびポンプ信号は光学導波路の同じ端部部分を通って入
力されることができる。ポンプソースは光学導波路の基
本モードおよび2次モード中でほぼ等しい励起を与える
ように選択されてもよいが、プローブ信号は基本空間モ
ードまたは2次空間モードの一方または他方において伝
播するようにされてもよい。光学導波路はまたLP 11
ードストリッパ(stripper) をつくるためにきつく巻か
れたコイル状に形成されてもよい。最後に、図7の検出
システムは、検出されるべき光路の約半分をブロックす
るために光学マスクをさらに含んでもよい。かかるスト
リッパおよび光学マスクは1990年1月23日に発行
されこの発明の譲受人に譲渡された米国特許第4,895,42
1 号に説明される。この特許はここに引用により援用さ
れる。様々な他の修正および応用が当業者にとっては明
白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】例示的円形コア光ファイバの断面図である。
【図2】aは図1の円形コア光ファイバの垂直偏光HE
11(基本)伝播モードについての電界強度分布パターン
を示し、bは図1の円形コア光ファイバの水平偏光HE
11(基本)伝播モードについての電界強度分布パターン
を示し、cはaおよびbの強度分布パターンに対応する
電界振幅分布のグラフの図であり、dは図1の円形コア
光ファイバのTE01(2次)伝播モードについての電界
強度分布パターンを示し、eは図1の円形コア光ファイ
バのTM01(2次)伝播モードについての電界強度分布
パターンを示し、fは図1の円形コア光ファイバの偶数
HE21(2次)伝播モードについての電界強度分布パタ
ーンを示し、gは図1の円形コア光ファイバの奇数HE
21(2次)伝播モードについての電界強度分布パターン
を示し、さらにhは図1の光ファイバの2次モードにつ
いての電界振幅分布パターンのグラフの図である。
【図3】aおよびbは図1の光ファイバの1次伝播モー
ドについてのLP01近似を示す図であり、c、d、eお
よびfは図1の光ファイバの2次伝播モードについての
LP11近似を示す図である。
【図4】光学導波路の伝播定数対光学導波路のコアの楕
円性のスケール化されていないグラフの図である。
【図5】例示的楕円コアの断面図である。
【図6】aおよびbは図5の楕円コア光ファイバのLP
01(基本)伝播モードについての電界強度パターンを示
し、cは図5の楕円コア光ファイバのLP01伝播モード
についての電界振幅分布のグラフの図であり、dおよび
eは図5の楕円コア光ファイバの偶数LP11伝播モード
についての電界強度パターンを示し、fは図5の楕円コ
ア光ファイバの偶数LP11伝播モードについての電界振
幅分布のグラフの図であり、gおよびhは図5の楕円コ
ア光ファイバの奇数LP11伝播モードについての電界強
度パターンを示す図である。
【図7】ポンプソースからの光と信号ソースからの光と
がエルビウムドーピングされた光ファイバ中で対向して
伝播している、この発明の一局面に従って構成される光
学カプラを示す図である。
【図8】信号波長906nm、ポンプ波長1.48μ
m、およびファイバ長3.4mについての図7の光ファ
イバによって吸収されたポンプパワーに対する非線形位
相シフトの測定された依存度を示す図である。
【図9】位相シフトをPabs =10mWについての信号
波長の関数としてプロットする図である。
【図10】図7の光ファイバについての吸収スペクトル
を示し、かつ信号吸収を信号波長の関数としてプロット
する図である。
【図11】a−iは図12の場所11a−11a、11
b−11b等でとられた電界強度パターンの断面図であ
る。
【図12】図7の光学カプラからの光ファイバの一部を
示す図である。
【図13】2つのレベルを含む2レベルシステムを示
し、かつ図7の光ファイバの活性媒質中で発生する遷移
をモデル化する図である。
【図14】線中心Δν/δνからの規定化された離調に
対するローレンツの遷移線形の実部分g′(ν)および
虚部分g″(ν)の依存を示す図である。
【符号の説明】
300 光学装置 302 エルビウムドーピングされた光ファイバ 320、330 ポンプソース 360 検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード・エイチ・パンテル アメリカ合衆国、94025 カリフォルニ ア州、メンロー・パーク、ノース・バル サミナ・ウェイ、170 (72)発明者 ロバート・ダブリュ・サドウスキ アメリカ合衆国、94305 カリフォルニ ア州、スタンフォード、ビレッジ、エス コンディード、50−シィ (72)発明者 ミッシェル・ジェイ・エフ・ディゴネッ ト アメリカ合衆国、93406 カリフォルニ ア州、パロ・アルト、ハーバード・スト リート、2307 (72)発明者 ハーバート・ジェイ・シャウ アメリカ合衆国、94305 カリフォルニ ア州、スタンフォード、アルバラード・ ロウ、719 (56)参考文献 特開 平2−259732(JP,A) 特開 平2−298922(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/35 G02F 1/313

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学信号を制御するための装置であっ
    て、 性媒質を含む単一の光学導波路を含み、前記導波路は
    第1および第2の空間伝播モードを有し、前記第1およ
    び第2のモードはそれぞれ第1および第2の屈折率を有
    し、さらにポンプ信号を前記空間モードのうちの少なく
    とも1つに導入するように結合されて、前記第1および
    第2の屈折率のうちの少なくとも1つを光学的に摂動す
    るためのポンプソースを含み、前記ポンプ信号は前記光
    学信号の空間強度分布を制御可能に変える、装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の空間モードは前記第1の空間
    モードよりも高次のモードである、請求項1に記載の装
    置。
  3. 【請求項3】 光学導波路は、導波路が1つの安定強度
    パターンにおいてのみ光を高次のモードへ案内するよう
    に選択された断面寸法を有する非円形断面を有する、請
    求項2に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記有効屈折率のうちの少なくとも1つ
    は、前記第1および第2のモードのうちの1つで伝播す
    る光学信号成分を位相シフトする、請求項1に記載の装
    置。
  5. 【請求項5】 前記ポンプソースはパワーを有し、前記
    ポンプソースは前記ポンプ信号の強度を変えて前記位相
    シフトを変える、請求項4に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記位相シフトは約πである、請求項4
    に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記ポンプ信号の位相は前記光学信号の
    光エネルギを前記第1のモードから前記第2のモードへ
    反復的に切換える、請求項6に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記ポンプ信号はポンプパワーを有し、
    前記ポンプパワーはPabs /(1−exp(σp 0
    +Pabs /AIp,sat )よりも大きく、Pab s は式 【数1】 によって与えられ、σp は前記ポンプソースについての
    吸収断面であり、N0 は前記活性媒質についての全種母
    集団密度であり、Lは光学導波路の長さであり、Aはポ
    ンプ信号によって照射された光学導波路の領域であり、
    かつIp,sat は式 【数2】 によって与えられる、請求項6に記載の装置。
  9. 【請求項9】 光学導波路の長さは式 【数3】 によって与えられるLmin よりも長い、請求項8に記載
    の装置。
  10. 【請求項10】 前記光学導波路は前記第1のモードと
    前記第2のモードとの間で伝播する光の間の位相関係に
    よって引き起こされる光学強度分布パターンを有し、前
    記光学強度分布パターンは少なくとも2つのローブを有
    する、請求項8に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記光学信号は第1の波長を有し、か
    つ前記ポンプ信号は第2の波長を有し、前記第2の波長
    は前記活性媒質の第1の吸収遷移に近い、請求項1に記
    載の装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の波長は前記活性媒質の前記
    第1の吸収遷移とは異なる第2の吸収遷移に近く、それ
    により特定の位相シフトについて前記ポンプソースのパ
    ワーを低減しかつ前記光学信号の損失を増大する、請求
    項11に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の波長は前記活性媒質の前記
    第1の吸収遷移に近く、それにより特定の位相シフトに
    ついて前記ポンプソースのパワーを低減しかつ前記光学
    信号の損失を増大する、請求項11に記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記第1の波長は前記活性媒質の前記
    第2の吸収遷移から離れて選択され、それにより特定の
    位相シフトについて前記ポンプソースのパワーを増大し
    かつ前記光学信号の損失を低減する、請求項11に記載
    の装置。
  15. 【請求項15】 前記光学導波路はシリカを含み、かつ
    前記活性媒質はシリカ中に高可溶性限度を有する、請求
    項1に記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記光学導波路はエルビウムドーピン
    グされたシリカ光ファイバである、請求項1に記載の装
    置。
  17. 【請求項17】 前記活性媒質は発振器強度を有し、前
    記発振器強度は1以上である、請求項1に記載の装置。
  18. 【請求項18】 光学導波路中の光学信号を制御する方
    法であって、 活性媒質でドーピングされた単一の光学導波路を与える
    ステップを含み、前記光学導波路は少なくとも第1およ
    び第2の空間伝播モードを有し、前記第1および第2の
    空間伝播モードはそれぞれ第1および第2の屈折率を有
    し、さらに、 第1の波長を有する前記光学信号を前記光学導波路中に
    入力するステップと、 第2の波長を有するポンプ信号を前記光学導波路中に入
    力して、前記第1および第2の屈折率のうちの少なくと
    も1つを光学的に摂動するステップと、 前記ポンプ信号の強度を選択的に調節して、前記光学信
    号の空間強度分布を制御可能に変えるステップとを含
    む、方法。
  19. 【請求項19】 前記活性媒質が高発振器強度を有する
    ように活性媒質を選択するステップをさらに含む、請求
    項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記第2の波長を前記活性媒質の吸収
    遷移に近くなるように選択するステップをさらに含む、
    請求項18に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記第1の波長を前記活性媒質の吸収
    遷移に近くなるように選択するステップをさらに含む、
    請求項18に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記第1および第2の波長を前記活性
    媒質の同じ吸収遷移に近くなるように選択するステップ
    をさらに含む、請求項18に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記第2の波長を前記活性媒質の吸収
    遷移に近くなるように選択するステップをさらに含み、
    かつ前記第1の波長を前記吸収遷移から離れるように選
    択するステップをさらに含む、請求項18に記載の方
    法。
  24. 【請求項24】 前記第1および第2のモードのうちの
    1つで伝播する前記光学信号の成分を位相シフトするス
    テップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記光学信号は前記光学導波路中の伝
    播の間に損失を経験し、前記ポンプソースはパワーを有
    し、前記屈折率のうちの少なくとも1つの摂動は前記第
    1および第2のモードのうちの1つで前記光学信号の成
    分を位相シフトし、前記方法は前記光学信号の損失を最
    小限にしかつ特定の位相シフトについて前記ポンプソー
    スのパワーを最小限にするように前記第1の波長を選択
    するステップをさらに含み、前記第1の波長が前記活性
    媒質の吸収遷移に近い場合は前記ポンプパワーは低減さ
    れかつ前記信号の損失は増大され、さらに反復的に前記
    第1の波長が前記活性媒質の吸収遷移から離れて選択さ
    れる場合は前記ポンプパワーは増大されかつ前記信号の
    損失は低減される、請求項18に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記光学導波路は長さを有しかつ前記
    ポンプソースはパワーを有し、前記屈折率のうちの少な
    くとも1つの摂動は前記第1および第2のモードのうち
    の1つで前記光学信号の成分を位相シフトし、前記方法
    は、特定の位相シフトについて前記光学導波路の長さお
    よび前記ポンプソースのパワーの両方を最小限にするよ
    うに前記光学導波路の長さおよび前記ポンプソースのパ
    ワーを選択するステップをさらに含み、最小長は式 【数4】 を実証し、かつ最小パワーは式 【数5】 を実証する、請求項18に記載の方法。
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