JP2840735B2 - 赤外線検出素子 - Google Patents

赤外線検出素子

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    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/10Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry using electric radiation detectors
    • G01J5/20Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry using electric radiation detectors using resistors, thermistors or semiconductors sensitive to radiation, e.g. photoconductive devices

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は赤外線照射の温度による電気抵抗変化で赤
外線量を検出する半導体繊維を用いた赤外線検出素子に
関するものである。
(従来の技術) 従来の赤外線検出素子としては、焦電効果を利用した
焦電素子や熱電対を集積したサーモパイル等を用いたも
のがあり、これらの赤外線検出素子は、(イ)冷却を必
要としない、(ロ)感度の波長依存性がない、(ハ)他
の素子に比較して安価に製造できる、等の特徴を有して
いるため広く利用されている。
しかしかかる赤外線検出素子は応答時間にやや難点が
あり、早い応答速度の要求される用途には好適でなく、
又赤外線源の位置検出に限界があり、さらに、価格の点
での不利も免がれなかった。
先に発明者等は温度により電気抵抗が変化する半導体
繊維を用いた赤外線検出素子を提案した(特願昭63−22
2506号)。
そして上記半導体繊維は、比較的コスト安で得られ、
細いために熱容量が小さく熱に対する応答性が速い等の
上記諸問題の一応の解決を見た。
(発明が解決しようとする課題) しかし最近上記赤外線検出素子の各種の用途分野にお
ける赤外線検出機能に対する要求には非常に厳しいもの
があり、かかる要求に応ずるための研究開発が積極的に
行われているのが実情である。具体的には上述の応答速
度の向上及び温度に対する感度の向上等である。
(課題を解決するための手段) 発明者等は継続して上記赤外線検出素子に関して検討
を重ねていたところ、特定の半導体繊維、具体的には炭
化ケイ素を主成分とする繊維の比抵抗値を特定するこ
と、及びそれに加えて該繊維の組成の特定化、更にこれ
ら繊維の相互非接触配列を行うことにより上記検出機
能、特に応答性の向上が得られることを見出しこの発明
を完成したのである。
即ち本発明は、赤外線照射による炭化ケイ素を主成分
とする繊維の電気抵抗変化により赤外線量を検出する赤
外線検出素子であって、第1の発明は、常温での比抵抗
値が1.0×105〜1.0×103Ω・cmで、かつ繊維モノフィラ
メント直径3〜200μの炭化ケイ素を主成分とする繊維
のモノフィラメントを用いるものであり、又第2の発明
は、 Si:50〜70wt% C :28〜40wt% O : 0〜10wt% (Hおよび/又はTi又はZr):0〜10wt% の組成からなり、常温での比抵抗値が1.0×105〜1.0×1
0-1Ω・cmで、かつ繊維モノフィラメント直径3〜200μ
の炭化ケイ素を主成分とする繊維のモノフィラメントを
用い、両発明共に該フィラメントを互いに接触させるこ
となく電極間に配置して構成してなる赤外線検出素子で
ある。
この発明において用いられる炭化ケイ素繊維は、通常
ポリカルボシランなどの有機ケイ素化合物またはこれに
有機金属化合物(例えば、アルコキシチタン,アルコキ
シジルコニウムなど)、を添加して重合した化合物を溶
融紡糸し、空気中などの酸化雰囲気で100〜300℃で不融
化し、ついで不活性雰囲気で1000〜1600℃で焼成して繊
維フィラメント径(直径)3〜200μのものが得られ
る。
そしてその組成は一般に Si:40〜70wt% C :20〜40wt% O : 0〜20wt% 残(Hおよび/又はTi又はZr):0〜10wt% であり焼成温度により、数々の比抵抗のものが得られ
る。
後記実施例にもよる如く、発明者の検討結果によれ
ば、常温での比抵抗値が1.0×105〜1.0×103Ω・cmの範
囲にあるものの選択により、赤外線照射による比抵抗減
少割合すなわちサーミスタ定数が炭化ケイ素薄膜より優
れており、例えば熱時定数:10〜50msecを示すなど赤外
線検出性能に優れたものとなる。比抵抗値が前記範囲を
超えると流れる電流が微小となりすぎて検出不能であ
り、また、前記範囲未満ではサーミスタ定数が小となり
すぎて応答性に劣りいずれも好ましくない。
更に発明者等の他の知見によれば、上記炭化ケイ素繊
維の組成を以下のように限定することにより、前記比抵
抗値の下限を低くした範囲でも優れた検出能力を有する
ものとなる。
即ち、たとえば上記ポリカルボシランまたはこれに有
機金属化合物を添加した化合物に要すれば芳香族炭化水
素(例えばピッチ類)を添加して重合させるなどにより
Cの組成割合を増加させた、 Si:50〜70wt% C :28〜40wt% O : 0〜10wt% 残(Hおよび/又はTi又はZr):0〜10wt% の組成とする。繊維フィラメント径(直径)は3〜20μ
が好ましい。
このような特定の炭化ケイ素繊維とすれば、常温での
比抵抗値が1.0×105〜1.0×10-1Ω・cmの範囲でよい。
この繊維では低比抵抗領域でも優れた検出性能を示す
が特に繊維径が30μ以下の場合小径繊維の放熱性が加味
され、特に優れた検出性能を示す。次に繊維フィラメン
トの配列に関しては、該フィラメント相互が接触または
絡み合っていると赤外線の受光面積が減少し放熱性も悪
くなり、かつ、ノイズの原因になるので好ましくない。
かかる配列の具体例を図に示す。
第1図(a)は電極(A)(A)間にフィラメント
(F)を張り渡した図であって、その配列形態を同図
(b)の(1)及び(2)の如くして相互の接触を回避
したものである。
第2図は電極(A)(A)間及び(B)(B)間に同
様にフィラメント(F)を相互に交叉して張り渡した例
である。
この場合は同様に同図(b)の(1)(4)及び
(2)(3)の組合せ、更に(1)(2)及び(3)
(4)の組合せ等を行えば良い。
(作用) この発明においては、上述の炭化ケイ素フィラメント
の比抵抗値、及び/又は該フィラメントの組成の特定化
を行うこと、更にフィラメント相互の非接触配置により
赤外線検出素子の上述の熱時定数の向上が得られるので
ある。
(実施例) 以下実施例によりこの発明を具体的に説明する。
実施例1〜2及び比較例1〜2 ポリカルボシランを延伸率を変えて溶融紡糸し、2種
類の径の異なる紡糸フィラメントを得た。これを空気中
で200℃,60分不融化処理を行ったのち、不活性ガス中で
1000〜1400℃,30〜60分焼成して、次表−1に示す特性
の炭化ケイ素繊維フィラメント(組成:Si 54.5wt%,C 2
7.2wt%,O 17.9wt%,H 0.4wt%)を得た。
この繊維フィラメントを20mmに切断し、各々100本ず
つ互に接触させることなく平行に配列して8Vの直流電圧
を印加し、黒体炉を熱源として高速シャッターにより熱
線を断続させた際の出力、電圧の波形をオシロスコープ
によって調べ熱時定数を測定した。その結果を同表−1
に示す。
実施例3〜7及び比較例3〜4 ポリカルボシランに20wt%の石油ピッチを添加し、30
0℃で加熱して得たポリカルボシランを主成分とする有
機ケイ素高分子化合物を延伸率を変えて溶融紡糸し、3
種類の径の異なる紡糸フィラメントを得た。これを空気
中で200℃,60分不融化処理を行ったのち不活性ガス中で
1200〜1600℃,30〜60分焼成して、次表−2に示す特性
の炭化ケイ素繊維フィラメント(組成:Si 57.6wt%,C 3
3.1wt%,O 8.8wt%,H 0.5wt%)を得た。
この繊維フィラメントを用い実施例1の方法と同様に
して熱時定数を測定した。その結果を同表−2に示す。
比較例5 実施例3の繊維フィラメント250本を束ねてフィラメ
ントの一部を互いに接触させて熱時定数を同様に測定し
たところ、295msecであった。
上記の結果によれば、実施例品、即ち本発明は比較例
に比し熱時定数、即ち応答速度が著しく高いことが明ら
かであった。
(発明の効果) 以上の説明及び実施例の結果から明らかなように、本
発明赤外線検出素子はその特性、特に応答速度に著しく
優れたものであり、上記各種使用目的における要求に応
じ得るものであり、その工業的利用効果は著しく大き
い。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明における炭化ケイ素フィラメ
ントの配列態様の模式説明図である。 A,B…電極、F…フィラメント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 範雄 神奈川県相模原市宮下本町1―5―18 (72)発明者 梶原 貞次郎 東京都港区赤坂1丁目6番6号 綜合警 備保障株式会社内 (72)発明者 市川 宏 神奈川県横浜市栄区庄戸2―5―16 (56)参考文献 特開 平2−71121(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01J 1/02 G01J 5/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤外線照射による炭化ケイ素を主成分とす
    る繊維の電気抵抗変化により赤外線量を検出する赤外線
    検出素子であって、 常温での比抵抗値が1.0×105〜1.0×103Ω・cmで、かつ
    繊維モノフィラメント直径3〜200μの炭化ケイ素を主
    成分とする繊維のモノフィラメントを互いに接触させる
    ことなく電極間に配置して構成してなる赤外線検出素
    子。
  2. 【請求項2】赤外線照射による炭化ケイ素を主成分とす
    る繊維の電気抵抗変化により赤外線量を検出する赤外線
    検出素子であって、 Si:50〜70wt% C :28〜40wt% O : 0〜10wt% Hおよび/又はTi又はZr):0〜10wt% の組成からなり、常温での比抵抗値が1.0×105〜1.0×1
    0-1Ω・cmで、かつ繊維モノフィラメント直径3〜200μ
    の炭化ケイ素を主成分とする繊維のモノフィラメントを
    互いに接触させることなく電極間に配置して構成してな
    る赤外線素子。
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