JP2840282B2 - イオン透過膜と該膜を利用したイオン輸送方法 - Google Patents

イオン透過膜と該膜を利用したイオン輸送方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光を吸収してイオンを輸送する物質群を利
用した光照射による選択的なイオン透過性膜とその膜を
利用したイオン輸送方法に関するものである。
〔従来の技術〕
現在、生体膜の機能の1つにイオン等の選択的透過が
あることは知られており、例えばそれを利用してイオン
能動輸送性をもつ物質を薄膜中に保持させるなどの方法
で生体膜類似の機能を付与した透析膜や種々のセンサー
を得る研究が進められている。また、上記の原理を利用
した膜は、該膜を横切るイオン濃度差をいわゆる膜電位
として、イオン感応電極などと組み合わせて、容易に電
気信号に変換する機能を有する素子に利用することがで
きるから、該膜を用いた素子は化学信号を電気信号に変
換する化学素子として、その応用が期待されている。蛋
白質をイオン能動輸送性の物質として使用するものとし
ては、例えば生体埋め込み用センサーのような生物化学
素子の構成が特開昭62−11158に開示されている。
ところで、イオン透過性制御を行わせるのに光照射を
用いるならば、単に外部制御法が容易になるだけでな
く、例えば光電変換を少ない発熱量で行わせる化学素子
が実現可能となる。容積効率とエネルギー効率が優れし
かも良好な制御性をもつイオン透過膜は、光通信分野の
変換素子としても今後有望である。
また、光入射により膜イオン透過性を制御する上で
は、与える入射光の波長を任意に設定しうることが望ま
しい。さらに、膜イオン透過性は一方向のみを制御する
のではなく、透過性の方向を選択でき、しかも与える入
射光の波長に応じてその選択が可能となることが望まし
いことは言うまでもない。
しかし、現在のところ光照射によるイオン透過性を充
分制御した素子は得られていない。
〔発明の目的〕
そこで、本発明は光照射によりイオン透過の制御が任
意に設定できるイオン透過膜の提供を目的とする。
〔目的を達するための手段及び作用〕
すなわち本発明は、相異なる波長領域の光照射によっ
てイオン能動輸送を行う(つまり異なる感応波長域をも
つ)2種類以上の物質群を、脂質膜中に担持させている
イオン透過膜に、さらに上記イオンの能動輸送によって
生じた濃度勾配を駆動力としてイオン輸送能をもつよう
になるイオノフオアを担持させたイオン透過膜を提供す
るものである。
さらに、本発明は上記イオン透過膜に対し、光の波長
を選択して照射することにより、該イオン透過膜のイオ
ン透過性を変化させるイオン透過膜のイオン輸送方法を
提供するものである。
本発明者らは、物理的あるいは化学的反応に比べて生
体内でみられる生化学的反応における反応の選択性(特
異性)や反応効率が極めて高いといった点に注目し、照
射波長域を任意に選定でき、また光照射エネルギーによ
って高感度で、また特定のイオンについて、膜のイオン
透過性を制御でき、しかも入射波長に応じてイオン透過
の方向性を選択できるイオン透過性膜とその制御方法の
検討を行ってきた。
その過程において、本発明者らは、動物の網膜等に存
在し、生体で可視光に対して非常に高感度、高解像度で
物質輸送を行って光感知を司る物質である光受容蛋白質
に着目し、それに類似の構造および機能を持ち、しかも
常温で比較的安定に存在し得る光受容蛋白質を脂質膜内
に保持させて用いること、及び微生物が産生する物質
で、イオン輸送能をもつ抗生物質に着目し、それら抗生
物質もしくはそれに類似の構造及び機能を持ち、天然も
しくは合成によって得られるイオン輸送性物質(イオノ
フオア)を脂質膜内に保持させ用いることを同一脂質膜
にて行うことにより上述の機能を実現できることを見い
出した。
本発明で言う光を吸収して各種イオンを輸送する機能
をもつ物質として、光受容蛋白質を挙げることができる
が、このような機能を有するものであれば、各種の光受
容蛋白質あるいはその類似物が利用でき、その種類は限
定されるものではない。
光受容蛋白質の代表例としては、動物網膜に存在する
色素蛋白質、いわゆる視物質があり、これは、発色団
(例えばレチナール)部分と蛋白(例えばオプシン)部
分とからなり、動物の網膜視細胞外節において光を受容
し、それを何らかの膜イオン透過性変化に置き換える作
用を有するものである。そのようなものとして、例え
ば、ロドプシン、ポリフイロプシン、アイオドプシン等
が抽出精製されている。また、視物質と同様な機能を有
するものとして、好塩菌の細胞膜に存在するバクテリオ
ロドプシンおよびハロロドプシンがあり、これらは比較
的に取り扱いが簡便であり好ましい。
バクテリオロドプシンは、ハロバクテリウム(Haloba
cterium)属に属する高度好塩菌ハロバクテリウム ハ
ロビウム(Halobacterium halobium)等の細胞膜(紫
膜)の蛋白質の主成分であり、レチナールを発色団とし
て含み、可視光を受けて水素イオンを輸送する機能(プ
ロトンポンプ能)を有する[A.Danon,W.Stoeckenius;Pr
oc.Natl.Acad.Sci.,USA,71,1234(1974)]。
このバクテリオロドプシンは、例えば[D.Oesterhelt
およびW.Stoeckenius;Method in Einzymology,31,667
(1974)]の方法などを用いて、高度好塩菌から紫膜と
して抽出し、更に、[K−S.Huang,H.Bayley and H.
G.Khorana;Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,77,323(1980)]
に記載の方法などを用いて得られた紫膜から脂質を取り
除いて得ることができる。
また、ハロロドプシンは高度好塩菌の例えばR1mR,L33
などのバクテリオロドプシン欠損株から発見されたレチ
ナール蛋白質であり、可視光を受けてナトリウムイオン
を輸送する性質がある[A.Y.Matsuno and Y.Mukohat
a:Biochem.Biophys.Res.Commun.,78,237(1977);R.E.M
ac Donald,R.U.Greene,R.D.Clark,E.V.Lindley:J.Bio
l.Chem.,254,11831(1979)]。
このハロロドプシンは、高度好塩菌から例えば[Y.Mu
kohata,Y.Sugiyama and Y.Kaji,J.Usukura and E.Y
amada;Photochem.Photobiol.,33,539(1981)]に記載
の方法などを用いて得ることができる。
また、生体から分離した天然の光受容蛋白質の構造を
その機能を損なうことなく変化させて、感光波長を変化
させた誘導体を形成して、本発明に用いることもでき
る。
代表的には、レチナール部分を置換して光吸収波長を
変化させることが可能である。ロドプシンにおけるこの
ような誘導体の形成の具体例を挙げると、例えばレチナ
ール部分を a)全−trans−レチナールとすることによって吸収極
大波長を570nmとしたバクテリオロドプシン[P.Townor,
W.Gaerther,et.al.,Eur.J.Biochem.,117,353(198
1)]、 b)13−cis−レチナールとすることによって吸収極大
波長を550nmとしたバクテリオロドプシン[同上] c)5,6−ジヒドロレチナールとすることによって吸収
極大波長を475nmとしたバクテリオロドプシン[R.Mao,
R.Govindjee,et.al.,Biochemistry,20,428(1981)]、 d)レトロ−γ−レチナールとすることによって吸収極
大波長を430nmとしたバクテリオロドプシン[K.S.Huan
g,H.Baylay,et,al.,Fed.Proc,.40,1659(1981)]、 e)3,4−ジヒドロレチナールとすることによって吸収
極大波長を593nmとしたバクテリオロドプシン[F.Tokun
aga,T.Ebrey,Biochemistry,17,1915(1978)]、 等がある。
更に、バクテリオロドプシンのアミン酸配列は、既に
明らかとなっており[Yu.A.Ovchinnikov,N.G.Abdulaev,
et.al.,Bioorg.Khim,,1573(1978)]、また好塩菌の
バクテリオロドプシン遺伝子の塩基配列も[R.J.Dunn,
J.M.Mccoy等、Proc.Natl.Acad.Sci.,78,6744(1981)]
によって明らかとなっている。これらの知見から、組換
え体DNAを構成して、バクテリオロドプシンのアミノ酸
配列を置換した蛋白類類似体の合成も可能となっており
[N.R.Hackett,L.J.Stern,et.al.,J.Biol.Chem.,262,92
77(1987)]、このような光受容蛋白質類似物質もまた
本発明に用いることができる。光吸収波長域の異なる2
以上を所望とする膜イオン透過膜の構成に応じて、上記
の光受容蛋白質から選択して用いれば良い。
本発明において光受容蛋白質を保持する脂質膜は、イ
オン不浸透性を示し、膜内部は疎水性で膜の表面は親水
性を示す。該脂質膜の材料としては、単分子膜、あるい
は多分子膜を構成できる公知の両親媒性化合物が利用で
きる。これらの膜形成能を持つ脂質分子は炭素が8個以
上の長鎖アルキル基と親水基とを有して構成され、親水
基が これらの脂質材料のうち、ホスフアチジルコリン(レ
シチン)やホスフアチジルエタノールアミン、ジホスフ
アチジルグリセロールなどのグリセロリン脂質;スフイ
ンゴミエリンやセラミドシリアチン等のスフインゴリン
脂質;セレブロシド、スルフアチド、セラミドオリゴヘ
キソシド等のスフインゴ糖脂類;および親水基として炭
水化物を含むグリコシルジアシルグリセロール等のグリ
セロ糖脂質は生体膜を構成している脂質であるため、上
述した光受容蛋白質を取り込ませて光受容蛋白質を保持
した脂質膜を形成させ、該蛋白質を効率良く機能させる
にに特に適した材料といえる。
代表例として大豆リン脂質レシチンがある。これは
[Y.Kagawa and E.Racker,J.Biol.Chem.246,5477(19
71)]に基づいて調整することができる。脂質として上
述のような機能を有するものであれば、各種の脂質が利
用でき、その種類は限定されない。
なお、本発明でいう脂質膜としては、上述のような脂
質材料から形成され、脂質の単分子膜層からなるもの、
あるいは脂質の単分子膜が2層積層された構成のもの
(脂質二重層膜)や脂質の単分子膜が3層以上積層され
た構成のもの(脂質多重層膜)などが利用できる。但し
各単分子層はUV照射あるいは紫外線照射などによって重
合化したものでもよい。
なかでも、脂質二重層膜内に光受容蛋白質を保持させ
ると、感光色素蛋白質を生体内での構造に近い形に再構
成することができ、その機能を有効に利用できるので都
合が良い。また、前述したバクテリオロドプシンは、好
塩菌内では紫膜と呼ばれる脂質層との複合体で存在して
おり、この脂質−蛋白複合体の断片を抽出することが可
能なので便利である。
バクテリオロドプシンのような光受容蛋白質と脂質の
複合体を形成するには、例えば[E.Packer and W.Sto
eckenius,J.Biol.Chem.,249,662(1974)]及び[K−
S.Huang,H.Bayley and H.G.Khorana,Proc.Natl.Acad.
Sci.,USA,77,323(1980)]に記載された方法などを用
いて、上述したような脂質を適当な塩濃度の溶液に懸濁
し、必要に応じて超音波処理しつつリポソームを形成す
る際に、所望の感光色素蛋白質を溶液中に加えておき、
形成される脂質膜内にこれを取り込ませる方法を用いて
得ることができる。
なお、このようにして得られた生成物からは、例えば
カラムクロマトグラフイー法、[C.Lind,B.Hojeberg a
nd H.G.Khorana,J.Biol.Chem.,256,8298(1981)]に
記載されたシヨ糖濃度勾配法による超遠心法などを用い
て感光色素蛋白質が取り込まれたプロテオリポソームを
分離精製することができる。
このようにして精製されたプロテオリポソームをあら
かじめ形成した脂質2分子膜層を適当な溶媒中に浸漬し
て、この膜内に吸着融合させ、光応答イオン透過膜を形
成する。
また、紫膜などで公知のように、プロテオリポソーム
をラングミユアの水槽に展開し、脂質2分子膜層の面に
付着させることにより、蛋白脂質2分子複合膜を形成で
きる。この場合、水平付着により基盤に付着させれば、
基盤側に親水面を、また垂直浸漬法で付着させれば、基
盤側に疎水面を形成する平面膜を得ることができる。こ
のようにして構成した複合膜を適当な溶媒中に浸漬し、
膜内の蛋白質と異なる蛋白質を保持したプロテオリポソ
ームを吸着融合することが可能である。この方法によれ
ば、1層の膜内にイオン透過方向を逆にする光受容蛋白
質を組み込ませた複合膜(光応答イオン透過膜)を形成
することができる。すると、該複合膜は種類の異なる光
受容蛋白質をそれぞれ同種ごとに方向性をそろえて脂質
膜中に取り込ませることができる。
第5図及び第6図に2つの異なる光受容蛋白質を保持
させたイオン透過膜の構成を示す模式的断面図を記載す
る。
図中、符号1はイオン透過膜、1aおよび1bは2つの異
なる光受容蛋白質を示す。
次に、このように構成された光応答イオン透過膜の制
御方法を図面を用いて説明する。
(第5図参照)上記で示した方法によって、異なる波
長域にそれぞれ反応する2つの光受容蛋白質1aおよび1b
を脂質2分子内に同一方向に配向した光応答透過膜1を
形成する。異なる2つの光受容蛋白質1aおよび1bは、そ
れらの吸収極大波長が、例えば1aが短波長側λに、1b
が長波長側λに位置するように選ばれる。図中a,bは
それぞれ短波側入射光,長波側入射光を示す。この膜の
イオン透過能は、1aあるいは1bが単独に存在する場合に
比べて拡大された広波長域で実現される。また、この構
成によれば各波長に応じて透過するイオン量を制御する
ことができる。
第6図(A)及び(B)は他の構成例を示した模式的
断面図である。
この例の透過膜1は異なる波長域にそれぞれ反応する
2つの光受容蛋白質1aおよび1bのイオン透過方向が逆向
きになるように異なる方向に配向されている。この膜で
は、イオン輸送の方向性が、例えば入射光波長をλ
らλに切り換えることにより、任意に選択できる。ま
た、この方向性の相違を利用し、さらに1aおよび1bの光
吸収帯が適度に重なり合うように光受容蛋白質1aおよび
1bを選択することによりλあるいはλの近辺の波長
の光に対する波長選択性を大幅に改善することもでき
る。
そこで本発明では、前述のイオン透過膜(脂質膜中に
異なる波長域にそれぞれ感応する2種以上の光受容蛋白
質を保持させたイオン透過膜)にイオノフオアを組込ん
で複数種のイオンを移動させることができるイオン透過
膜を形成させる。
本発明でいうイオノフオアとは、上記光受容蛋白質が
光照射によりイオンを輸送した際、それによって生じた
濃度勾配を駆動力として別の種類のイオンを同時に輸送
する(イオン受動輸送タイプ)物質をいう。
具体的にイオン輸送能を持つイオノフオアの例として
は、グラミシジン類,バリノマイシン,ノナクチン,モ
ナクチン,ナイジエリシン,アラメチシン,モネンジ
ン,A23187,X−537A等微生物由来の天然オリゴペプチド
の他、人工合成された環状オリゴペプチド等でもよい。
また環状ポリコーラル類(クラウンエーテル類)やポリ
エーテルポリアミン類(クリプタンド類),サイクラム
類等の有機化合物が挙げられる。イオノフオアとして上
述のような機能を有するものであれば各種のイオノフオ
アが利用でき、その種類は限定されない。
第1図,第2図,第7図及び第8図に本発明のイオン
透過膜の構成を示す模式的断面図を示す。
図中符号1はイン透過膜、1aおよび1bは2つの異なる
光受容蛋白質、2は多孔性の支持基盤、3はイオノフオ
アを示す。該基板としては、コラーゲン,セルロース,
多孔性ガラス等が利用できる。
次にこのように構成された光応答イオン透過膜の制御
方法を図面を用いて説明する。
第3図に示すように、異なる2つの光受容蛋白質1aお
よび1b、イオノフオア3が脂質2分子内に配向したイオ
ン透過膜1を形成する。
異なる2つの光受容蛋白質1aおよび1bのイオン透過方
向は同一方向になるよう配向されている。
異なる2つの光受容蛋白質1aおよび1bは、それらの吸
収極大波長が、例えば1aが短波長側λに、1bが長波長
側λに位置するように選ばれる。図中a,bはそれぞれ
短波側入射光,長波側入射光を示す。この膜のイオン透
過能は、1aあるいは1bが単独に存在する場合に比べて拡
大された広波長域で実現される。
さらにイオノフオアが導入されていることにより、光
照射によって1aもしくは1bが行う第1のイオンの能動輸
送によって生じる濃度勾配を駆動力として第1のイオン
とは異なる第2のイオンの透過性も変化させることがで
きる。
第4図(A)及び(B)は本発明の他の構成例を示し
た模式的断面図である。
該図では異なる2つの光受容蛋白質1aおよび1bのイオ
ン透過方向が逆向きになるように配向されている。
この膜ではイオン輸送の方向性が、例えば入射光波長
をλからλに切り換えることにより、任意に選択で
きる。また、この方向性の相違を利用し、さらに1aおよ
び1bの光吸収帯が適度に重なり合うように光受容蛋白質
1aおよび1bを選択することにより、λあるいはλ
近辺の波長の光に対する波長選択性を大幅に改善するこ
ともできる。
さらにイオノフオアが導入されていることにより、1a
もしくは1bが行う第1のイオンの能動輸送によって生じ
る濃度勾配を駆動力として第1のイオンとは異なる第2
のイオンのイオン輸送の方向性を選択させることができ
る。
〔実施例〕
以下に実施例をもって本発明を詳細に説明するが、こ
れらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
(実施例1) 先に挙げたOesterheltらの方法によってHalobacteriu
m halobium R1株から抽出した紫膜を前述したHuangら
の方法に従って界面活性剤Triton X−100(和光純薬
工業社製)で処理し、得られた紫膜から脂質を取り除
き、光受容蛋白質であるバクテリオロドプシンを得た。
こうして精製したバクテリオロドプシンの一部を用いて
その発色団をTokunagaらの方法[F.Tokunaga and T.I
wasa,Membrane,,73(1984)]により、レチナールア
ナログの1種であるナフチルレチナールに置換した。バ
クテリオロドプシンの最大吸収波長が560nm付近である
のに対し、ナフチルレチナールを発色団とするアナログ
バクテリオロドプシンの最大吸収波長は、混合比に応じ
て442nmから503nmに分布するようになる。このアナログ
バクテリオロドプシンはバクテリオロドプシン同様に、
光照射によりプロトン能動輸送活性を示す。
上述のようにして得た、ナフチルレチナールを用いた
アナログバクテリオロドプシンと、先に挙げたY.Kagawa
らの方法で精製した大豆リン脂質とを、先に挙げたK.S.
Huangらの方法に基づいてプロテオリポソームとして再
構成した。このプロテオリポソームを0.15モル/濃度
のKCl溶液中で、水銀ランプ光をモノクロメータを通し
て単色化した可視光照射を行い、そのときのpH変化を調
べて、アナログバクテリオロドプシンを含まない通常の
バクテリオロドプシンのみによるプロテオリポソームの
pH変化と比較した。その結果、アナログバクテリオロド
プシンを組み込んだプロテオリポソームでは、440nm付
近から500nm付近にかけての入射光範囲にわたって同等
のプロトン能動輸送性を示し、通常のバクテリオロドプ
シンを用いた系と共存させることにより制御入射光の使
用範囲を大幅に広げられることが示された。
次に、先に挙げたK.S.Huangらの方法に従って精製し
たバクテリオロドプシンと、カリウムイオンに選択透過
性のある前記イオノフオアの1種バリノマイシンをバク
テリオロドプシン0.1mg/mlあたり2μM、また、先に挙
げたY.Kagawaらの方法に従って精製した大豆リン脂質ア
ゾレクチンをバクテリオロドプシン0.1mg/mlあたり8な
いし12mg/ml、以上3者を先に挙げたM.Montalらの方法
により平面膜として再構成した。
さらに、先に挙げたK.S.Huangらの方法で作製したア
ナログバクテリオロドプシンを含むプロテオリポソーム
を前述の方法で作製したバクテリオロドプシンとバリノ
マイシンを含む脂質平面膜に、プロトン輸送の方向性が
正反対になるよう融合吸着させた。この時プロトン輸送
の方向性は各々保持されたままであった。
第9図から第12図は本発明の第1の実施例の特徴を最
もよくあらわした模式図である。第9図において4はナ
フチルレチナールを用いたアナログバクテリオロドプシ
ン、5は4を含むプロテオリポソームである。第10図に
おいて6はバクテリオロドプシン、7はイオノフオアの
1種バリノマイシン、8は大豆リン脂質から成る脂質2
分子平面膜である。第9図の5を第10図の8の左側から
融合・吸着・開裂させたものが第11図である。同図にお
ける膜全体を光透過性の材質から成る溶槽11に静かに浸
し、静置したものが第12図である。同図においてバクテ
リオロドプシンは、プロトンを左から右へ、アナログバ
クテリオロドプシンはプロトンを右から左へ輸送する方
向で保持されている。同図において溶液に浸した膜10を
隔てて左側にはカリウムイオンを含有させ、右側には全
く含有させない。但10の両側の浸透圧は等しくしてお
く。10の両側にpH電極12,13及びカリウムイオン電極14,
15を浸しておく。
次に浴槽11の左側から560nmの可視光を照射したとこ
ろ、pH電極12の値は上昇し、5の値は下降した。一方、
イオン電極14の値は下降し、15の値は上昇した。
次に560nmの照射光を消燈し、pH電極の値が照射前に
戻った後11の左側から442nmの光を照射したところ、pH
電極12の値は下降し、13の値は上昇した。またイオン電
極14及び15の値は変化を続けた。
ここにおいて、相異なる波長の光照射によって、双方
向性のプロトン輸送を制御し、さらにプロトン輸送によ
る濃度勾配を駆動力にしたバリノマイシンによってカリ
ウムイオンの透過性も同時に変化することが示された。
(実施例2) 実施例2では先に実施例1で挙げた相異なる波長の光
照射による双方向性のプロトン輸送とカリウムイオン透
過性の変化を、カリウムイオンに限定せずナトリウムイ
オンの透過性の変化とすることを行った。
第10図においてイオノフオア7としてナトリウムイオ
ノフオアであるモネンジン2μM(バクテリオロドプシ
ン0.1mg/mlあたり)を用い実施例4の要領で平面膜を作
製した。第10図の平面膜8の左側からナフチルレチナー
ルを用いたアナログバクテリオロドプシンを含むプロテ
オリポソーム(第9図の5)を融合・吸着・開裂させた
ものが第11図である。同図における膜全体を光透過性の
材質から成る浴槽11に静かに浸し静置したものが第12図
である。同図においてバクテリオロドプシンはプロトン
を左から右へ、アナログバクテリオロドプシンはプロト
ンを右から左へ輸送する方向で保持されている。同図に
おいて、溶液に浸した膜10を隔てて左側にはナトリウム
イオンを含有させ、右側には全く含有させない。但し、
10の両側の浸透圧は等しくしておく。10の両側にpH電極
12,13及びナトリウムイオン電極14,15を浸しておく。
次に浴槽11の左側から560nmの可視光を照射したとこ
ろ、pH電極12の値は上昇し、13の値は下降した。一方、
イオン電極14の値は下降し、15の値は上昇した。
次に560nmの照射光を消燈し、pH電極の値が照射前に
戻った後11の左側から442nmの光を照射したところ、pH
電極12の値は下降し、13の値は上昇した。またイオン電
極14及び15の値は変化を続けた。
ここにおいて相異なる波長の光照射によって、双方向
性のプロトン輸送を制御し、さらにプロトン輸送による
濃度勾配を駆動力にしてモネンジンによってナトリウム
イオンの透過性も同時に変化することが示された。
(実施例3) 実施例3では先に実施例1で挙げた相異なる波長の光
照射による双方向性のプロトン輸送とカリウムイオン透
過性の変化を、カリウムイオンに限定せずマグネシウム
イオンの透過性の変化とすることを行った。
第10図においてイオノフオア7としてマグネシウムイ
オノフオアであるA23187を2μM(バクテリオロドプシ
ン0.1mg/mlあたり)を用い実施例4の要領で平面膜を作
製した。第10図の平面膜8の左側からナフチルレチナー
ルを用いたアナログバクテリオロドプシンを含むプロテ
オリポソーム(第9図の5)を融合・吸着・開裂させた
ものが第11図である。同図における膜全体を光透過性の
材質から成る浴槽11に静かに浸し静置したものが第12図
である。同図においてバクテリオロドプシンはプロトン
を左から右へ、アナログバクテリオロドプシンはプロト
ンを右から左へ輸送する方向で保持されている。同図に
おいて、溶液に浸した膜10を隔てて左側にはマグネシウ
ムイオンを含有させ、右側には全く含有させない。但
し、10の両側の浸透圧は等しくしておく。10の両側にpH
電極12,13及びマグネシウムイオン電極14,15を浸してお
く。
次に浴槽11の左側から560nmの可視光を照射したとこ
ろ、pH電極12の値は上昇し、13の値は下降した。一方、
イオン電極14の値は下降し、15の値は上昇した。
次に560nmの照射光を消燈し、pH電極の値が照射前に
戻った後11の左側から442nmの光を照射したところ、pH
電極12の値は下降し、13の値は上昇した。またイオン電
極14及び15の値は変化を続けた。
ここにおいて相異なる波長の光照射によって、双方向
のプロトン輸送を制御し、さらにプロトン輸送による濃
度勾配を駆動力にしてA23187によってマグネシウムイオ
ンの透過性も同時に変化することが示された。
〔発明の効果〕
本発明によれば、光を吸収してイオンを輸送する物質
群を利用して、光照射による選択的なイオン透過性を有
するイオン透過膜を構成することができ、また膜イオン
透過性を光照射によって制御するときに、入射可視光の
波長域を広範囲に設定することができ、有効波長域を拡
大することも可能となる。
さらに、イオノフオアを光を吸収してイオンを輸送す
る物質群と同一の膜内に保持することによって、光照射
により1種に限らずに複数種のイオンの透過性を制御で
きる。
さらに、本発明の透過膜のイオン透過の方向を、入射
波長に応じて切り換え、かつ可逆的に変化させることも
可能となる。このことにより、イオン透過性の波長選択
性を大幅に改善することも可能である。
イオン透過膜間のイオン濃度差は、イオン電極等によ
り容易に電気信号へ変換することが可能であるから、本
発明は、例えば光信号を電気信号へ変換する場合のよう
に、光情報処理産業あるいはオプトエレクトロニクス分
野において、光電変換素子を構成するのに貢献すること
が大いに期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明のイオン透過膜の構成を示す
模式的断面図、 第3図及び第4図(A),(B)は本発明のイオン透過
膜の原理を説明するためのイオン透過膜の模式的断面
図、 第5図、第6図(A),(B)は本発明で利用するイオ
ン透過膜の原理を説明するために用いたイオン透過膜の
模式的断面図、 第7図及び第8図は本発明のイオン透過膜の構成を示す
断面図、 第9図〜第12図は実施例を説明する模式図である。 1……イオン透過膜 2……多孔性支持体 a……短波長側入射光 b……長波長側入射光 1a……短波長光受容蛋白質 1b……長波長光受容蛋白質 4……アナログバクテリオロドプシン 5……プロテオリポソーム 6……バクテリオロドプシン 7……イオノフオア 8……脂質平面膜 9……プロテオリポソームが融合・吸着・開裂した脂質
平面膜 10……プロテオリポソームが融合・吸着・開裂した脂質
平面膜 11……浴槽 12,13……pH電極 14,15……イオン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 49/00 G01N 27/30 351 (72)発明者 桜永 昌徳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭1−245810(JP,A) 特開 昭62−9228(JP,A) 特開 昭63−111428(JP,A) 特開 昭62−11158(JP,A) 特開 昭59−218956(JP,A) 特開 昭63−294967(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 69/00 B01D 71/00 G01J 1/00 H01L 49/00 C08J 5/22 G01N 27/30

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相異なる感応波長域を有し、イオン能動輸
    送を行う物質群2種類以上を、脂質膜中に担持してお
    り、さらにイオノフオアを脂質膜中に担持していること
    を特徴とするイオン透過膜。
  2. 【請求項2】前記イオン能動輸送を行う前記物質群が、
    光受容蛋白質及びその誘導体である請求項1に記載のイ
    オン透過膜。
  3. 【請求項3】前記光受容蛋白質がロドプシン、ポリフイ
    ロプシン、またはアイオドプシンのいずれかである請求
    項2に記載のイオン透過膜。
  4. 【請求項4】前記光受容蛋白質がバクテリオドプシン、
    またはハロロドプシンである請求項2に記載のイオン透
    過膜。
  5. 【請求項5】前記イオン能動輸送を行う物質がイオン透
    過方向が同一になるよう配向されている脂質膜に担持さ
    れている請求項1に記載のイオン透過膜。
  6. 【請求項6】前記イオン能動輸送を行う物質が異なる種
    類間でイオン透過方向が逆向きになるよう配向されて脂
    質中に担持されている請求項1に記載のイオン透過膜。
  7. 【請求項7】前記イオン透過膜が多孔性基板上に形成さ
    れている請求項1に記載のイオン透過膜。
  8. 【請求項8】前記多孔性基板がコラーゲン、セルロース
    あるいは多孔性ガラスである請求項7に記載のイオン透
    過膜。
  9. 【請求項9】前記イオノフオアがオリゴペプシド、ポリ
    コーラル類、ポリエーテル、ポリアミン類またはサイク
    ラム類から選ばれる請求項1に記載のイオン透過膜。
  10. 【請求項10】請求項1に記載のイオン透過膜に対し、
    光の波長を選択して照射することにより該イオン透過膜
    のイオン透過性を変化させることを特徴とするイオン透
    過膜のイオン輸送方法。
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