JP2839127B2 - 枝分かれ人工血管 - Google Patents
枝分かれ人工血管Info
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- JP2839127B2 JP2839127B2 JP15050693A JP15050693A JP2839127B2 JP 2839127 B2 JP2839127 B2 JP 2839127B2 JP 15050693 A JP15050693 A JP 15050693A JP 15050693 A JP15050693 A JP 15050693A JP 2839127 B2 JP2839127 B2 JP 2839127B2
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- Japan
- Prior art keywords
- blood vessel
- artificial blood
- inner diameter
- tube
- branched
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、分岐人工血管に関し、
特に大動脈弓の病変部を置換するために用いられる分岐
人工血管に関する。
特に大動脈弓の病変部を置換するために用いられる分岐
人工血管に関する。
【０００２】
【従来の技術及びその問題点】心臓から拍出される血液
は心臓の大動脈弁を経て拍出し、大動脈を通って全身に
導かれる。大動脈は肺動脈幹の後ろで右方へ向かって上
行し上行大動脈へ入り、これは弓状になって（この部分
は大動脈弓とよばれている）左の肺根を越えて後方に向
かい第４胸椎の左のすぐそばを通って、その後は背椎の
前を下行に走る下行大動脈に通じ全身の動脈群に通じて
いる。（図１） この大動脈弓は全身に血液を送る基幹部分であって、こ
の部分の分岐は頭部へ通じる総頸動脈（左右２本）と腕
部へ通じる鎖骨下動脈（左右２本）へと分岐する。生体
において大動脈弓よりの直接の分岐は３本である。この
分岐部分の近傍において病変が発生するとこの複雑に分
岐した生体血管の分岐部分を人工血管で置換することに
よって治療するが、このとき生体構造にマッチしたもの
が当然良いと考えられる。
は心臓の大動脈弁を経て拍出し、大動脈を通って全身に
導かれる。大動脈は肺動脈幹の後ろで右方へ向かって上
行し上行大動脈へ入り、これは弓状になって（この部分
は大動脈弓とよばれている）左の肺根を越えて後方に向
かい第４胸椎の左のすぐそばを通って、その後は背椎の
前を下行に走る下行大動脈に通じ全身の動脈群に通じて
いる。（図１） この大動脈弓は全身に血液を送る基幹部分であって、こ
の部分の分岐は頭部へ通じる総頸動脈（左右２本）と腕
部へ通じる鎖骨下動脈（左右２本）へと分岐する。生体
において大動脈弓よりの直接の分岐は３本である。この
分岐部分の近傍において病変が発生するとこの複雑に分
岐した生体血管の分岐部分を人工血管で置換することに
よって治療するが、このとき生体構造にマッチしたもの
が当然良いと考えられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】図２に、大動脈瘤を例
にとって人工血管の置換例を図示した。施術者は生体血
管の病変部を切除し、人工血管を縫い合わせてこの病変
部を人工血管に置換して手術を完了することになる。一
方、この病変部が更に分岐部に及ぶ場合、すなわち、図
３のようになると予め分岐した人工血管が入手出来れば
手術の省力性に力を発揮し、手術時間を短縮することが
可能で、開心術という極めて危険を伴い、高度練達した
施術者をもってしても困難を極めるこの種の手術に抜群
の効果を発揮することができる。
にとって人工血管の置換例を図示した。施術者は生体血
管の病変部を切除し、人工血管を縫い合わせてこの病変
部を人工血管に置換して手術を完了することになる。一
方、この病変部が更に分岐部に及ぶ場合、すなわち、図
３のようになると予め分岐した人工血管が入手出来れば
手術の省力性に力を発揮し、手術時間を短縮することが
可能で、開心術という極めて危険を伴い、高度練達した
施術者をもってしても困難を極めるこの種の手術に抜群
の効果を発揮することができる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、３本の側管が
分岐してなるポリエステル人工血管であって、側管の内
径が異なっており、最も大きい内径を有する側管の内径
と他の任意の側管の内径の比が１．１〜１．７の範囲内
にあることを特徴とする分岐人工血管に関する。さら
に、３本の側管を派生してなるその分岐人工血管におい
て、最も大きい内径を有する側管とそれに隣接する側管
との間の間隔が１８ｍｍ以下であることが好ましい。
分岐してなるポリエステル人工血管であって、側管の内
径が異なっており、最も大きい内径を有する側管の内径
と他の任意の側管の内径の比が１．１〜１．７の範囲内
にあることを特徴とする分岐人工血管に関する。さら
に、３本の側管を派生してなるその分岐人工血管におい
て、最も大きい内径を有する側管とそれに隣接する側管
との間の間隔が１８ｍｍ以下であることが好ましい。
【０００５】本発明は、人工血管のうち、大動脈弓の病
変部を置換するための分岐人工血管に係り、人工血管の
主部に３本の側管が分岐しており、この側管のうち１本
は他の側管よりも内径が大きいことを特徴とする分岐人
工血管である。人工血管の主部の内径は、１８〜３６ｍ
ｍ、好ましくは２０〜３２ｍｍの間にある。この内径が
１８ｍｍより小さいときは、成人の場合生体大動脈とマ
ッチせず、また３６ｍｍより大きい場合には、また生体
血管の径との整合性がなく吻合困難又は不能となる。生
体血管は人によりその大きさは様々であるが、１８〜３
６ｍｍの中にほとんどの場合入ることになる。幼児、小
児の場合には更に小さい径のものが必要になるが、それ
程その例は多くない。なぜなら、この人工血管が適用さ
れる病変は通常成人の場合がほとんどであることによ
る。
変部を置換するための分岐人工血管に係り、人工血管の
主部に３本の側管が分岐しており、この側管のうち１本
は他の側管よりも内径が大きいことを特徴とする分岐人
工血管である。人工血管の主部の内径は、１８〜３６ｍ
ｍ、好ましくは２０〜３２ｍｍの間にある。この内径が
１８ｍｍより小さいときは、成人の場合生体大動脈とマ
ッチせず、また３６ｍｍより大きい場合には、また生体
血管の径との整合性がなく吻合困難又は不能となる。生
体血管は人によりその大きさは様々であるが、１８〜３
６ｍｍの中にほとんどの場合入ることになる。幼児、小
児の場合には更に小さい径のものが必要になるが、それ
程その例は多くない。なぜなら、この人工血管が適用さ
れる病変は通常成人の場合がほとんどであることによ
る。
【０００６】本発明の分岐人工血管において、側管は人
工血管の主部に３本派生するのであるが、そのうち１
本、殊に一方の端の管の内径が他の側管よりも大きいこ
とがその特徴である。その理由は、生体の大動脈におい
て、左側は首へ通じる総頸動脈と左腕へ通じる鎖骨動脈
が直接大動脈弓から独立して派生するのに対して、右で
はまず比較的太い腕頭動脈が大動脈弓から派生し、これ
が２つに分かれて総頸動脈と鎖骨下動脈に分かれるので
ある。換言すれば、大動脈弓より直接派生している分岐
動脈は比較的太い腕頭動脈とこれに比べて比較的細い鎖
骨下動脈と総頸動脈の計３本である。当然、腕頭動脈の
血液の流量は鎖骨下動脈と総頸動脈の血液流量の和に匹
敵すべきであることも理解される。
工血管の主部に３本派生するのであるが、そのうち１
本、殊に一方の端の管の内径が他の側管よりも大きいこ
とがその特徴である。その理由は、生体の大動脈におい
て、左側は首へ通じる総頸動脈と左腕へ通じる鎖骨動脈
が直接大動脈弓から独立して派生するのに対して、右で
はまず比較的太い腕頭動脈が大動脈弓から派生し、これ
が２つに分かれて総頸動脈と鎖骨下動脈に分かれるので
ある。換言すれば、大動脈弓より直接派生している分岐
動脈は比較的太い腕頭動脈とこれに比べて比較的細い鎖
骨下動脈と総頸動脈の計３本である。当然、腕頭動脈の
血液の流量は鎖骨下動脈と総頸動脈の血液流量の和に匹
敵すべきであることも理解される。
【０００７】本発明において、比較的内径の大きい側管
の内径と他の比較的細い任意の側管の内径の比は１．１
〜１．７の間にあり、更に好ましくは１．２０〜１．５
０で、更に好ましくは１．２５〜１．４５の間である。
この比が１．１未満だと人体の左右の血液量がアンバラ
ンスになり、人体の右側に充分な血液量を供給するのに
無理がかかり、１．７を越えて大きいと逆に右側への血
液の量が多くなってしまう。すなわち、生体の自然の姿
より乖離して不自然になり、これは生体にとって好まし
いことではない。
の内径と他の比較的細い任意の側管の内径の比は１．１
〜１．７の間にあり、更に好ましくは１．２０〜１．５
０で、更に好ましくは１．２５〜１．４５の間である。
この比が１．１未満だと人体の左右の血液量がアンバラ
ンスになり、人体の右側に充分な血液量を供給するのに
無理がかかり、１．７を越えて大きいと逆に右側への血
液の量が多くなってしまう。すなわち、生体の自然の姿
より乖離して不自然になり、これは生体にとって好まし
いことではない。
【０００８】また、生体とマッチするという点で重要な
ことは、人工血管の分岐側管の間隔である。人工血管の
生体血管との置換には、極めて狭い局所的なところに分
岐があるので、この間隔が適正でないと狭い場所にある
病変部の置換が実際に不可能となってしまう。ここで分
岐側管の間隔が極めて重要となる。本発明において、図
４に示す比較的太い側管（Ａ，内径ｄ1 ）とそれに隣接
する側管（Ｂ，内径ｄ2 ）との距離(l1 ) は１８ｍｍ以
下、好ましくは１５ｍｍ以下、更に好ましくは１０ｍｍ
以下、３ｍｍ以上であり、比較的細い側管（Ｂ，Ｃ）間
の距離(l2 ) は０〜１０ｍｍであり、好ましくは０〜８
ｍｍ、更に好ましくは０〜６ｍｍである。そして、 l1
＞ l2 、 d1 ＞ d2 , d3 、 d1/ d2 = 1.1 〜1.7 で
あり、更に好ましくは d1/ d2 = 1.20〜1.50 である。
このように、寸法適合性がないと生体血管との吻合、場
所的な適合が不可能もしくは不自然となる。人工血管は
当然、生体血管の置換代用であり生体血管に無理なく自
然に適合することが大切である。これらの条件を満たす
ことは、施術者の手術のやりやすさ、手術時間の短縮に
通じ、患者にとっても術後の自然な血液循環に寄与する
ため、健常な状態に近くなり好結果をもたらすことにな
る。
ことは、人工血管の分岐側管の間隔である。人工血管の
生体血管との置換には、極めて狭い局所的なところに分
岐があるので、この間隔が適正でないと狭い場所にある
病変部の置換が実際に不可能となってしまう。ここで分
岐側管の間隔が極めて重要となる。本発明において、図
４に示す比較的太い側管（Ａ，内径ｄ1 ）とそれに隣接
する側管（Ｂ，内径ｄ2 ）との距離(l1 ) は１８ｍｍ以
下、好ましくは１５ｍｍ以下、更に好ましくは１０ｍｍ
以下、３ｍｍ以上であり、比較的細い側管（Ｂ，Ｃ）間
の距離(l2 ) は０〜１０ｍｍであり、好ましくは０〜８
ｍｍ、更に好ましくは０〜６ｍｍである。そして、 l1
＞ l2 、 d1 ＞ d2 , d3 、 d1/ d2 = 1.1 〜1.7 で
あり、更に好ましくは d1/ d2 = 1.20〜1.50 である。
このように、寸法適合性がないと生体血管との吻合、場
所的な適合が不可能もしくは不自然となる。人工血管は
当然、生体血管の置換代用であり生体血管に無理なく自
然に適合することが大切である。これらの条件を満たす
ことは、施術者の手術のやりやすさ、手術時間の短縮に
通じ、患者にとっても術後の自然な血液循環に寄与する
ため、健常な状態に近くなり好結果をもたらすことにな
る。
【０００９】
【発明の効果】本発明は大動脈弓の置換に用いられる分
岐人工血管であって、３本の側管を派生した大動脈用人
工血管であり、そのうち１本が他の２本より径が大き
く、かつ３本の側管の相互距離を規定したことにより、
生体との適合性を向上させ、手術の容易さ、的確さに威
力を発揮し、手術時間の短縮、術後の患者の血液循環の
適正化に寄与し、患者及び施術者への福音をもたらすも
のである。
岐人工血管であって、３本の側管を派生した大動脈用人
工血管であり、そのうち１本が他の２本より径が大き
く、かつ３本の側管の相互距離を規定したことにより、
生体との適合性を向上させ、手術の容易さ、的確さに威
力を発揮し、手術時間の短縮、術後の患者の血液循環の
適正化に寄与し、患者及び施術者への福音をもたらすも
のである。
【００１０】
実施例１ ポロシティ５０ｍｌのポリエステル製のウーブン人工血
管（内径２７．２ｍｍ、長さ５０ｃｍ）の側面を円形に
切りだし、これに内径１０ｍｍを１本、内径８ｍｍを２
本の同じ種類の人工血管を縫合した。この場合、比較的
太い側管（本例の場合１０ｍｍ）と比較的細い側管（本
例の場合８ｍｍ）で、この比は１．２５である。比較的
太い側管とそれに隣接する側管との間隔は１０ｍｍ、比
較的細い側管同志の間隔は３ｍｍであった。この分岐人
工血管で実際に大動脈弓の置換が臨床で行われたが、極
めて円滑に手術が行われ、予想以上に短時間に手術が的
確に終了できた。本例の患者の予後は極めて良好であっ
た。一方、太い側管と細い側管の間が１８ｍｍのものを
縫合しようとしたが、空間的に無理があり、分岐人工血
管として不適であった。
管（内径２７．２ｍｍ、長さ５０ｃｍ）の側面を円形に
切りだし、これに内径１０ｍｍを１本、内径８ｍｍを２
本の同じ種類の人工血管を縫合した。この場合、比較的
太い側管（本例の場合１０ｍｍ）と比較的細い側管（本
例の場合８ｍｍ）で、この比は１．２５である。比較的
太い側管とそれに隣接する側管との間隔は１０ｍｍ、比
較的細い側管同志の間隔は３ｍｍであった。この分岐人
工血管で実際に大動脈弓の置換が臨床で行われたが、極
めて円滑に手術が行われ、予想以上に短時間に手術が的
確に終了できた。本例の患者の予後は極めて良好であっ
た。一方、太い側管と細い側管の間が１８ｍｍのものを
縫合しようとしたが、空間的に無理があり、分岐人工血
管として不適であった。
【００１１】実施例２ 内径２５ｍｍのウーブン人工血管（７０ｃｍ）の側面に
円形の切りだし口をつくり、これに内径１０ｍｍの側管
１本、内径７．５ｍｍ及び８ｍｍの側管各１本を上記の
順に縫合し、３本の分岐をもつ分岐人工血管をつくっ
た。大、中、小の本例の３本の側管の径比は、大／中比
が１．３３で大／小比が１．４３である。側管の間隔は
大側管と中側管の間が１０ｍｍ、中側管と小側管の間が
４ｍｍであった。この人工血管は施術者より極めて高い
評価を受け、実用に問題なく供された。
円形の切りだし口をつくり、これに内径１０ｍｍの側管
１本、内径７．５ｍｍ及び８ｍｍの側管各１本を上記の
順に縫合し、３本の分岐をもつ分岐人工血管をつくっ
た。大、中、小の本例の３本の側管の径比は、大／中比
が１．３３で大／小比が１．４３である。側管の間隔は
大側管と中側管の間が１０ｍｍ、中側管と小側管の間が
４ｍｍであった。この人工血管は施術者より極めて高い
評価を受け、実用に問題なく供された。
【図１】人体における大動脈弓及び関連動脈の位置を示
す。
す。
【図２】弓部大動脈瘤を分岐のない人工血管で置換した
例を示す。
例を示す。
【図３】弓部大動脈瘤を分岐人工血管で置換した例を示
す。
す。
【図４】分岐人工血管の模式図
Claims (2)
- 【請求項１】３本の側管が分岐してなるポリエステル人
工血管であって、側管の内径が異なっており、最も大き
い内径を有する側管の内径と他の任意の側管の内径の比
が１．１〜１．７の範囲内にあることを特徴とする分岐
人工血管。 - 【請求項２】３本の側管を派生してなる人工血管におい
て、最も大きい内径を有する側管とそれに隣接する側管
との間の間隔が１８ｍｍ以下である請求項１記載の分岐
人工血管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15050693A JP2839127B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 枝分かれ人工血管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15050693A JP2839127B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 枝分かれ人工血管 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH078512A JPH078512A (ja) | 1995-01-13 |
| JP2839127B2 true JP2839127B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=15498361
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15050693A Expired - Lifetime JP2839127B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 枝分かれ人工血管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2839127B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6187033B1 (en) | 1997-09-04 | 2001-02-13 | Meadox Medicals, Inc. | Aortic arch prosthetic graft |
| US9125733B2 (en) | 2003-01-14 | 2015-09-08 | The Cleveland Clinic Foundation | Branched vessel endoluminal device |
| CA2512610C (en) | 2003-01-14 | 2008-12-23 | The Cleveland Clinic Foundation | Branched vessel endoluminal device |
| US9078780B2 (en) | 2003-11-08 | 2015-07-14 | Cook Medical Technologies Llc | Balloon flareable branch vessel prosthesis and method |
| US9707113B2 (en) | 2006-04-19 | 2017-07-18 | Cook Medical Technologies Llc | Twin bifurcated stent graft |
-
1993
- 1993-06-22 JP JP15050693A patent/JP2839127B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH078512A (ja) | 1995-01-13 |
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