JP2838232B2 - 水族館水槽の自動清掃装置 - Google Patents

水族館水槽の自動清掃装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は水族館水槽のガラス等の壁面を水中で自動
的に清掃する装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、プール等の清掃を行う装置としてはブラシを回
転させて壁面の汚れを落し、これらの汚れをポンプで吸
収して濾過し、この吸引減圧によって壁面に張り付かせ
遠隔操作により車輪またはキャタピラを動かして移動さ
せる装置が知られている。(1989年8月19日付および同
年9月11日付日経産業新聞参照) 〔発明が解決しようとする課題〕 前記従来のプールの清掃装置は、清掃用ブラシの回転
用動力と走行用動力が別個のものであるため作動機構が
複雑となり、プール内の水を清浄にするための濾過と装
置を壁面への張り付けるための吸引に重量な大きな吸引
ポンプを必要とし装置の重量が増大し操作に強力な動力
を必要とし、また清掃ブラシの回転軸を傾斜させるもの
ではないので湾曲した側壁面に対して清掃ブラシを適合
させることができず湾曲した側壁面の清掃が行えない等
の問題点があった。
この発明は、前記の問題点を解消し、重量の大きな吸
引ポンプを必要とせず、かつ清掃用バフ円板の回転と走
行のための作動部分を共通のものとして機構が簡単で湾
曲した側壁面にもよく適合する水族館水槽の清掃装置を
提供することを課題とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は前記の課題を解決するため、4個のバフ円
板と、1組のバフ円板と他の1組のバフ円板の角度を湾
曲した側壁面に沿うように変換する機構と、バフ円板駆
動機構と、側壁面に対して前後または左右方向に水流を
変更可能としたプロペラと、バラストタンクと、これら
の操作の制御を行う制御部とからなり、また4個のバフ
円板の回転軸が各傾斜可能なように駆動軸に連結され、
隣接するバフ円板が互に逆回転するようにし、かつ4個
のバフ円板を縦または横方向に2個並んだ2組として、
1組の2個のバフ円板面をそろえて一方向へ傾斜させる
とともに、他の1組のバフ円板面をそろえてこれと反対
方向へ傾斜させて、バフ円板角度を湾曲した側壁面に沿
うように変換させるようにするとともに、4個のバフ円
板の回転軸を各任意の方向に傾斜可能なように駆動軸に
連結して、隣接するバフ円板の各半面を上下または左右
方向において側壁面に接触させ、バフ円板の回転によっ
て清掃装置を側壁面に対して上下左右いずれの方向にも
移動可能とした水族館水槽の自動清掃装置の手段を講じ
るものである。
〔作 用〕
水族館の水槽のガラス板またはアクリル板製の壁面に
付着した藻類は一定期間ごとに清掃する必要があり、特
に展示面となるガラス面やアクリル面は見学者によく見
えるようにするため、ネル等によって不着物を完全に清
掃することは欠くことができない作業である。
この作業をこの発明の自動清掃装置を用いて行うに
は、制御部10によってバラストタンク11の空気を増減し
タンク内の水量を加減して浮力を調整し、装置全体を浮
上位置から潜水状態に移行させた後、エアモータ7を作
動させてプロペラ6を回転させ、その水流の反力により
装置全体を適当な圧力で側壁面に押し付け、つぎにエア
モータ5を作動させて4個の隣接するバフ円板1を互に
反対方向に回転させ、移動方向に応じて例えば制御部10
によって伸縮シリンダ23を第4図の矢印方向に伸張させ
ると右方の角度変換レバー21aの下端は矢印のように右
方へ、上端は左方へ移動し、左方の角度変換レバー21c
ではその下端は左方へ上端は右方へ移動し、右方の角度
変換レバー21aの下方の回転軸3の下部は第3図に示す
ように外側に傾斜し、その他の回転軸3はそれぞれバフ
円板1が第9c図のように斜線部分が側壁面に接するよう
に傾斜し、装置全体は矢印のように上方へ移動するよう
になる。すなわち、伸縮シリンダ23を適宜伸縮させバフ
円板1の傾斜を変えることにより第9図に示すように上
下左右その他いずれの方向にも移動することができ、バ
フ円板1の回転により側壁面に付着した藻等の付着物の
すべてを完全に取除くことができ、取除かれた付着物は
水中に浮遊するが水槽内に設けられて水を清浄にするた
めに常時作動している濾過装置によって濾過される。
また、湾曲した側壁面を清掃するには、第8図におい
て押圧レバー26を矢印のように中心部から左右方向に伸
張させると、左右の角度変換レバー21c,21aは押圧部26a
によってそのままの状態で左右方向に移動するので、右
方の角度変換レバー21aの長孔20内に抱持された上下の
回転軸3,3は第7図においてユニーバーサルジョイント2
5から下方を鎖線で示すように右に傾斜させ、したがっ
てバフ円板1は右上りに傾斜し、左のバフ円板1は同様
の作用により左上りに傾斜し左右のバフ円板1,1は湾曲
した側壁面に沿った状態となる。
この状態でバフ円板1を移動させるには、押圧レバー
26を少し縮めた状態として角度変換レバー21a,21cから
後退させた後、伸縮シリンダ23のロッド24bを伸縮させ
ることにより各回転軸3を傾斜させてバフ円板1を第9
図A図〜D図のような状態とすることにより湾曲した側
壁面に沿って移動することができる。
1つの清掃面の作業を終了し他の清掃面に移るには、
プロペラ支持枠8の方向をモータ9で変え、プロペラ6
の推進力により移動するようにし、全体の作業を終了し
たときはバラストタンク11内に空気を供給して装置全体
を浮上させて回収する。
〔実施例〕
第1図および第2図において、1はネルのような布地
を表面に被覆した摩擦清掃円板(この明細書ではバフ円
板という)であって、バフ円板角度変換兼駆動部2の回
転軸3の先端に4個取付けられ、回転軸3の基部は防水
蛇腹4で被覆されており、エアモータ5で駆動される。
この場合、魚類の安全のためモータとしてエアモータを
使用したが絶縁を完全にすれば電動モータを使用しても
よい。
6はエアモータ7で駆動されるプロペラでプロペラ支
持枠8内に回転可能に支持され、モータ9でプロペラ支
持枠8を回転できるようになっている。
10はバフ円板角度変換兼駆動部2およびプロペラ6と
プロペラ支持枠8の制御をマイクロコンピュータ、セン
サーまたは目視により遠隔操作を行う制御部で、バフ円
板角度変換兼駆動部2の上部に取付けられたバラストタ
ンク11の後部とパイプで連結して空気の供給、排出をも
制御する。12は制御部10に連結したエア供給パイプおよ
び操作用電気コード、13は排気口である。
第3図はバフ円板角度変換兼駆動部2の機構の詳細を
示すもので、バフ円板1の駆動機構は中央部のエアモー
タ5の駆動軸5aが軸受5bで支承され、駆動軸5aの上下に
2個のスプロケット14,14が固着され、4個のバフ円板
1の回転軸3にスプロケット15,15が固着されて軸受16
に支承され、駆動軸5aの上下のスプロケット14,14を中
心としその両側のバフ円板1の回転軸3のスプロケット
15,15との間に第6図に示すようにチェーン17,17が交差
するようにアイドラ18を用いて掛け渡されて構成されて
いる。この方式では2本のチェーン17が交差し4個のア
イドラ18が用いられているが、第5図に示すように1本
のチェーン17を2個のアイドラスプロケット19を用いて
4個の隣接するスプロケット15が互に逆回転をするよう
にすると、さらに機構が単純化される。
第3図および第4図はバフ円板角度変換機構の1例を
示すもので、両端にバフ円板1の回転軸3を嵌合する長
孔20を有する4枚の角度変換レバー21a,21b,21c,21dを
その端部で交差させ、交差した長孔20内に回転軸3を抱
持するようにし、その中央ピン22で回動可能に軸支し、
角度変換レバー21a,21bについてみると、その一端に近
い位置に伸縮シリンダ23のロッド24が枢着されており、
回転軸3は角度変換レバー21aの上方においてユニバー
サルジョイント25でその上部の駆動軸3aと連結されて構
成されるので、伸縮シリンダ23を伸縮させることにより
回転軸3の位置を長孔20に沿って移動させることがで
き、したがってユニバーサルジョイント25から下方の回
転軸3を傾斜させることができるので第3図の右方およ
び第2図において鎖線で示すようにバフ円板1面を傾斜
させることができる。
また、第7図および第8図に示すように、角度変換レ
バー21の上方に角度変換レバー21の両端部の回転軸3,3
が同一方向に前後または左右に移動するように角度変換
レバー21a,21b,21c,21dの内側に当接する押圧部26aを有
する伸縮可能な2本の押圧レバー26を直交させて設け、
交差する押圧レバー26の交点は長孔27を介してピン28に
挿通されるとともに、伸縮シリンダ23の両端のロッドは
大径の中空ロッド24a中に小径のロッド24bが伸縮できる
ように挿通されてその長さを変更できるようにされてい
る。
なお、押圧レバー26および伸縮シリンダ23のロッド24
a,24bの伸縮には逆ねじを切ったねじ棒とナットを用い
ねじ棒を制御部10によってモータを遠隔操作して回転さ
せることによって自動的に行うことができる。
〔発明の効果〕
この発明は、水族館の水槽に用いるものであるため水
槽に備えられている水の清浄装置を利用し、清掃装置に
は吸水装置や濾過装置を必要とせず、したがって重量の
大きな吸引ポンプがないので装置全体が軽量で操作が容
易であり、また最初、装置全体をバラストタンクの浮力
の調節によって潜水状態とした後は、円板の回転のため
のモータの動力によって、隣接するバフ円板の各半面を
上下または左右方向において側壁面に接触させて互に逆
回転させることによって、装置全体を任意の方向に移動
させることができるので機構が簡単であり、コストを低
減でき、その上バフ円板を湾曲した側壁面に沿うように
傾斜させることができ、かつ湾曲した側壁面に沿ったま
ま上下左右に移動できるので側壁面が湾曲した水槽をも
清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は装置全体の斜視図、第2図はその側面図、第3
図はバフ円板角度変換兼駆動部の正面図、第4図はバフ
円板を省略したその平面図、第5図はバフ円板の駆動機
構を示す平面図、第6図は他の機構を示すこれと同様の
平面図、第7図は他のバフ円板角度変換兼駆動部を示す
正面図、第8図はバフ円板を省略したその平面図、第9
図A図〜D図はバフ円板の移動作用の説明図である。 1……バフ円板、2……バフ円板角度変換兼駆動部、3
……回転軸、3a……駆動軸、4……防水蛇腹、5……エ
アモータ、6……プロペラ、7……エアモータ、8……
プロペラ支持枠、9……モータ、10……制御部、11……
バラストタンク、12……エア供給パイプ、操作用電気コ
ード、13……排気口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪内 信朗 東京都江東区南砂2丁目5番14号 株式 会社竹工中務店技術研究所内 (72)発明者 佐藤 秀雄 東京都江東区南砂2丁目5番14号 株式 会社竹工中務店技術研究所内 (72)発明者 川島 哲文 東京都江東区南砂2丁目5番14号 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 杉本 正顕 大阪府大阪市中央区本町4丁目1番13号 株式会社竹中工務店大阪本店内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4個のバフ円板(1)と、1組のバフ円板
    (1)と他の1組のバフ円板(1)の角度を湾曲した側
    壁面に沿うように変換する機構と、バフ円板駆動機構
    (5)と、側壁面に対して前後または左右方向に水流を
    変更可能としたプロペラ(6)と、バラストタンク(1
    1)と、これらの操作の制御を行う制御部(10)とから
    なる水族館水槽の自動清掃装置。
  2. 【請求項2】4個のバフ円板(1)の回転軸(3)が各
    傾斜可能なように駆動軸(3a)に連結され、隣接するバ
    フ円板(1)が互に逆回転するようにした請求項1に記
    載の水族館水槽の自動清掃装置。
  3. 【請求項3】4個のバフ円板(1)を縦または横方向に
    2個並んだ2組とし、1組の2個のバフ円板(1)面を
    そろえて一方向へ傾斜させるとともに、他の1組のバフ
    円板(1)面をそろえてこれと反対方向へ傾斜させて、
    バフ円板角度を湾曲した側壁面に沿うように変換させる
    ようにした請求項1または請求項2に記載の水族館水槽
    の自動清掃装置。
  4. 【請求項4】4個のバフ円板(1)の回転軸(3)を各
    任意の方向に傾斜可能なように駆動軸(3a)に連結し
    て、隣接するバフ円板(1)の各半面を上下または左右
    方向において側壁面に接触させ、バフ円板(1)の回転
    によって清掃装置を側壁面に対して上下左右いずれの方
    向にも移動可能とした請求項1、請求項2、請求項3の
    いずれかに記載の水族館水槽の自動清掃装置。
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