JP2838166B2 - 第▲viii▼因子阻害剤産生の抑制のための医薬組成物および方法 - Google Patents

第▲viii▼因子阻害剤産生の抑制のための医薬組成物および方法

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【発明の詳細な説明】 本発明の背景 本発明は、第VIII因子抗原および第VIII因子阻害剤の
複合体を含んでいる医薬組成物と、第VIII因子阻害剤産
生の抑制におけるそれらの使用に関する。
血液凝固因子VIIIは通常血漿中の極めて低いがしかし
満足な濃度において循環し、そして血液凝固プロセスに
おいて重要な役割を果たす。第VIII因子の不満足な濃度
は、血友病Aとしても知られる古典的血友病に罹患して
いる人々において遅い血液凝固および重篤な出血合併症
を引き起こす。その結果、血友病患者は小さな外傷の後
でさえも出血を止めることができず、そして多くの関連
疾患に罹る。
血友病Aは、血液中の第VIII因子濃度を正常レベルへ
上昇させるために商業的に入手し得る第VIII因子を投与
することによって長年処置されて来た。通常この療法は
全く有効であり、そして血友病患者が正常な生活を享受
することを許容する。血友病患者の6ないし20%は第VI
II因子に対する阻害剤を発生する免疫系を持っており、
しかしながらこれらの個人は慣用の第VIII因子処置に対
して不満足にしか応答しない。このことは高応答者と呼
ばれる阻害剤を持っている患者の約2/3については特に
然りである。これら個人への第VIII因子の注射は阻害剤
レベルを非常に高い値へ上昇させる。
第VIII因子阻害剤は第VIII因子に対する同種抗体より
なる。これら抗体は典型的にはIgGクラスであり、そし
てまれにIgMまたはIgAクラスである。阻害剤は第VIII因
子の商業的補給を攻撃および中和し、それを血液凝固プ
ロセスにおいて無効にする。阻害剤のレベルはベセスダ
単位によって測定できる。
第VIII因子阻害剤に関連する出血合併症は血友病患者
に限らない。第VIII因子に対する自己抗体はリューマチ
性関節炎、全身紅斑性ろうそう、または薬物過敏症を持
っている非血友病患者に、経産婦に、そして外見上健康
な老人にさえも発生し得る。血友病に関連した症状に似
た症状がこれら個人に起こる。
第VIII因子阻害剤を持っている血友病患者およびその
他の第VIII因子に対する免疫学的応答に対抗するいくつ
かの療法が知られているが、これら療法は完全に満足な
ものではない。第VIII因子単独の非常に高投与量による
療法は患者の大部分において成功したが、しかし典型的
には長期であり、極めて費用がかかる。第VIII因子単独
の中程度の高投与量は患者のもっと低い割合に、そして
通常は阻害剤の最低力価を有する患者に有効であり得
る。第IX因子コンプレックスまたはいわゆるプロトロン
ビン複合体による療法は特異性アッセイの不存在下では
評価することが困難である。ヒト第VIII因子の代わりに
ブタ第VIII因子の使用は、それが高度に免疫原性である
ため一時的対策でしかない。静脈投与されるプールした
ガンマグロブリンの選択した製剤は阻害剤レベルの低下
に有効であるが、しかし一部の場合だけである。タンパ
クA−セファロース上の阻害剤の対外除去は手間がかか
る。阻害剤の対外除去と、免疫抑制剤、静脈内ガンマグ
ロブリンおよび第VIII因子の組合せは最近成功であるこ
とを示したが、しかし免疫系が他の理由で損傷される患
者に対しては有害であると考えられる。
従って本発明の目的は、第VIII因子阻害剤の産生を効
果的に抑制するための医薬組成物および方法を提供する
ことである。
本発明の他の目的は、安全で、比較的安価で、そして
比較的短期間に抑制を得る、第VIII因子阻害剤の産生を
抑制するための医薬組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、患者から第VIII因子阻害
剤を実質上完全になくすための医薬組成物および方法を
提供することである。
本発明のその他の目的は以上の詳細な説明から明らか
であろう。
本発明の概要 本発明は、第VIII因子抗原成分と、第VIII因子阻害剤
成分と、そして薬理学的に許容し得る担体または希釈剤
を含む医薬組成物を提供することによってこれらの目的
を満足させる。抗原および阻害剤成分は、抗原の関連し
た結合部位が阻害剤によってブロックされ、それにより
抗原は患者へ投与した時有害免疫学的反応を実質上発生
しないような比で存在する。組成物は第VIII因子阻害剤
の産生を抑制するために患者へ投与される。
好ましい具体例の詳細な説明 本発明は、第VIII因子に対する阻害剤の発生を制御す
るための先行技術療法にまさる多数の利益を達成する。
第1にそして最も基本的に、本発明は原因レベルにおい
て作用し、そして多くの場合阻害剤の体内生産を阻止す
る。多数の患者は比較的短期間の処置の後に有意義な改
善を示す。改善は急速に進み、阻害剤は大多数の場合最
終的に完全に排除される。
第2に、本発明は第VIII因子の低投与量を必要とする
のみである。商業的に調製される第VIII因子は比較的高
価であり、そして本発明の低減した要求量は該因子の高
投与量を必要とする療法にまさるコスト節減を許容す
る。本発明が阻害剤生産を停止した後、慣用療法におい
て第VIII因子の正常量の使用は効果的に血友病を制御す
る。
第3に、本発明の組成物は、その性質上もしあっても
毒性が殆どない。この免疫複合体は好ましくは患者中に
既に存在する成分で、または自己成分を密接に真似する
合成した成分で形成される。組成物の他の成分は薬理学
的に許容性であり、そして特定の個人に対して特異的で
あるかも知れない可能性ある副作用を回避するためかな
りの許容度をもって他のように変えることができる。組
成物の簡単性および大部分の自家性格は、有益であれば
本発明の療法を先行技術療法と安全にそして効果的に組
合せることを許容する。
第4に、本発明は慣用療法の他の欠点を回避するが、
なお匹敵し得るそして通常最上の成績を得る。本発明
は、例えば血漿搬出分離の場合のような過激な操作を必
要とせず、そして障害に関係しない抗原に対する生体の
免疫防禦を抑制しない。本発明のなお他の利益は当業者
には容易に明らかであろう。
本発明がその成功を達成する特定の作用モードは未知
であるが、しかし第VIII因子と阻害剤の混合物中に不可
避的に存在する第VIII因子/第VIII因子阻害剤免疫複合
体の出現から利益が誘導されるものと仮説される。この
免疫複合体は阻害剤に対する抗イディオタイプ抗体の産
生を刺激するものと信じられる。この抗イディオタイプ
抗体は細胞または多分液素性レベルにおいて阻害剤の産
生を抑制する。この仮説は本発明のより良い離解を許容
するために提供されるが、しかし特許請求の範囲を限定
するものと解してはならない。
ヒト第VIII因子は単離され、精製され、そしてイリノ
イ州ディヤフィールドのバクスター、ヘルスケア、コー
ポレイションのハイランド部門からのヘモフィルMのよ
うに産業的に入手し得る。1987年3月31日に出願された
米国特許出願第32,800号はこの抗原を製造するための好
ましい方法を記載する。阻害剤は第VIII因子のみと反応
するであろうから、第VIII因子の殆ど任意の製剤、それ
が毒性物質を含まない限り粗抽出物の形の第VIII因子さ
えも適当である。しかしながら第VIII因子の純粋または
比較的純粋な製剤は、投与量を制御するのに重要な存在
をする第VIII因子の量を評価し、そして制御するのがよ
り容易であるため好ましい。
一旦第VIII因子が得られたならば、阻害剤が(a)免
疫化した動物,(b)個々の血液ドナーまたは多人数ド
ナーからのプールした血漿,および(c)患者自身の3
種の可能性あるソースから誘導される。患者は通常血液
ドナーより多量の阻害剤を持っているという意味で、患
者からの阻害剤を使用するのが好ましい。他方、プール
した血漿からの阻害剤の使用は、それは患者が関与する
ことなしにあらかじめ包装された免疫複合体の製造を許
容するので、商業的に望ましい。それにもかかわらず、
血漿プール中に存在するような、種々の個々の血漿源か
らの阻害分子上に存在するイディオタイプの交差反応性
の程度は可変であり、そのため治療の有効性に影響し得
る。動物起源の阻害剤は望ましくない副作用の危険のた
めに一般に最低に望ましい。
阻害性はポリクロナールまたはモノクロナールであ
り、一具体例においてはF(ab′)のようなイムノグ
ロブリン分画の形で存在する。ポリクロナール抗体の使
用はマスクされない抗原決定基に対する抗原反応のリス
クを減少する。モノクロナール抗体を製造するための一
方法は、Langoneet al編、1986年Academic Press,Inc.
発行の“Immunochemical Techniques−PatrI−Hybridom
a Technology and Monoclonal Antbodies",Methods in
Enzymology,vol.121に記載されている。
阻害剤は好ましくは種々の既知技術によって精製され
る。精製は治療的に関連しない物質を除去する利益を有
する。一つの適当な精製技術は、固相へカップリングに
よって固定化した第VIII因子上の特異性吸着を含んでい
る。阻害剤は次に極端なpHの条件のような、免疫複合体
を解離する条件下での溶離により、またはケイオトロピ
ック剤の使用によって回収される。第VIII因子の治療製
剤は、フォンウイルブランド因子として知られる巨大タ
ンパクの少量を含み得るので、この態様で製造した阻害
剤は、本発明の有効性へ影響することなくこの関連タン
パクに対する抗体の少量を含んでもよい。
本発明の組成物は、選択された特定の投与モードに適
した形において第VIII因子を阻害剤と混合することによ
って製造される。阻害剤がそれに対して特異的である第
VIII因子の利用し得る結合部位の実質上全部をブロック
するのに十分な阻害剤を使用し、そのため組成物を投与
した時第VIII因子による抗原高価が実際上皆無でなけれ
ばならない。阻害剤の最低量は通常第VIII因子との反応
に対してモル当量であり、そして阻害剤は好ましくはモ
ル過剰に存在する。阻害剤の量には最高は存在しない
が、しかし安全のため約100までのモル過剰が使用され
る。もっと多量の阻害剤過剰さえ使用できるが、価値あ
る物質の無駄である。このため適当な第VIII因子対阻害
剤モル比は、約1:1ないし1:100,そして好ましくは少な
くとも約1:13ないし1:100の範囲である。
第VIII因子または阻害剤の精製の必要性を避ける、第
VIII因子と阻害剤の混合物を調製するための簡単な方法
は免疫沈澱の使用である。一具体例においては、沈澱は
患者の血漿または血清からのイムノグロブリンの粗製物
を第VIII因子とインキュベートし、次に遠心することに
よって調製される。この沈澱プロセスはポリエチレング
リコールおよびデキストランのようなポリマー、または
リューマチ因子または補体のClq因子のような生物学的
試薬の添加によって増強される。これらの技術はこの分
野では良く知られている。
本発明の組成物は、第VIII因子および阻害剤に加えて
他の成分を含有する。注射剤の場合は、適当な追加成分
は阻害剤の変性を防止するヒトアルブミンと、フェノー
ルのような防腐剤と、そしてペプチドグリカンのような
アジュバントを含む。
注射可能な形にある時の組成物のための適当な液体担
体は、水、またはもっと好ましくは食塩水もしくは緩衝
化食塩水である。好ましい具体例においては、組成物は
リットル当り塩化ナトリウム9gの食塩水担体か、または
pH7.4を有する緩衝化食塩水を含む。適当な液体担体
は、例えば中性pHおよび生理学的イオン強度の低刺激の
ものである。組成物に使用のため他の薬理学的に許容し
得る担体の選択は当業者の技倆の範囲内である。
本発明の組成物は投与形態に応じて種々の形に調製さ
れる。それらは無菌の注射形に、遅放性移植形に、また
は保護された腸溶性カプセルその他として適当に調製さ
れる。他の適当な剤形は当業者には容易に明らかであろ
う。
組成物が液体形に調製される時、液体は適当に溶液ま
たは懸濁液である。液体はアンプル中に貯蔵されるか、
または凍結乾燥され、使用直前に復元される。本発明組
成物はかなり安定であり、無菌アンプル中通常4℃にお
いて限られた時間、または−20℃において長期間貯蔵す
ることができる。第VIII因子はタンパク分解消化を高度
に受け易いので、タンパク分解阻害剤の添加は貯蔵寿命
を著しく増加することができる。凍結乾燥も貯蔵寿命を
増加する。
本発明の注射し得る組成物は皮内、皮下、筋肉内およ
び静脈内注射される。皮内ルートは治療している患者の
免疫系へ組成物を提供する適当な方法を提供するので好
ましい。注射の頻度は病気の重篤度および治療の段階に
応じて非常に広く、例えば日数から毎年まで変化する。
組成物の強度は、好ましくは第VIII因子濃度と、そし
て第VIII因子対阻害剤比で表される。組成物の第VIII因
子抗原成分の適当な投与量範囲は、体重キログラム当り
約1国際第VIII因子単位から、キログラム当り約100単
位までであり、そして第VIII因子対阻害剤比は、第VIII
因子の適切な免疫原部位をマスクするように選定され
る。約1ナノグラムないし10マイクログラムの投与量が
適当である。当初の第VIII因子投与量は好ましくは比較
的少なく、そしてその後阻害剤の生産が十分に抑制され
るレベルへ必要なように増加される。このように、適当
な治療計画はキログラムあたり1国際第VIII因子単位の
当初の皮内投与と、一週間後キログラム当り10単位の2
回目投与を必要とする。必要に応じ追加の毎週投与量が
投与され、そしてもし第VIII因子阻害剤形成の抑制に必
要ならばキログラム当り100単位へ次第に増加される。
当業者には、現に記載する調製技術への修飾が本発明
の実施において適当であり、そして特許請求の範囲の本
発明の範囲内にあることは容易有に明らかであろう。本
発明はもっと完全に理解するため、以下の実施例はそれ
がどのように製造され、使用されるかを例証する。
実施例1 カリフォルニア州グレンデールのバクスター、ハイラ
ンド部門から商業的に入手し得るヘモフィルMを第VIII
因子抗原成分として使用する。この抗原は、Ultrogel A
cA 44およびまたはUltrogel Ac 54(LKB)上のゲルロ過
クロマトグラフィーにより、そしてある場合には固定化
ポリクロナールまたはモノクロナール特異性抗体上の特
異性免疫吸着によって精製される。
抗原は次にカルボキシル化アガロース(GH−セファロ
ース4B;ファルマシア、ファイン、ケミカルズ)ヘカル
ボジイミドにより結合される。この目的のため、抗原は
0.1Mカルボジイミドとカルボキシル化アガロースとpH4.
5で21℃において24時間インキュベートされる。
固相上の残存反応性基は、1Mグリシンとの21℃におけ
る3時間のインキュベーションによって不活性化され
る。免疫吸着剤は次に、両者とも0.5M NaClを含有する
0.1M酢酸緩衝液pH4.0と、そして0.1M炭酸塩緩衝液pH8.3
とで交替に洗浄される。関心ある抗体と共に望まない物
質の溶出を避けるため、ゲルは免疫吸着前に後で記載す
る溶出条件へ、そして3Mチオシアン酸アンモニウムによ
る追加旋洗浄へかけられる。
第VIII因子阻害剤成分は、以下のように患者の血漿か
ら調製される。患者の各自からのイムノグロブリン分画
(1〜2g)が免疫吸着体カラム(5ml;10×2cm;流量20ml
/h)へ適用され、そして特異性阻害剤抗体が適切な洗浄
の後回収される。洗浄は以下のように実施される。
1. 280nmにおける光学密度が0.02以下になるまでPBSに
よる洗浄。
2. 非特異性吸着を除去するため1M NaClを含有するPB
Sによる洗浄。
3. 9g/ NaCl50mlにより洗浄。
4・ クエン酸,pH2.7と、PBSの50mlの引き続く部分標
本による溶出。
流出液にタンパクが検出できなくなるまで、めいめい
の新たなMP洗浄および溶出ステップを続ける。
クエン酸およびPBSで溶出された分画を直ちにプール
し、2MトリスーHCl緩衝液の滴下添加により中和し、YM1
0限外ロ過膜上で濃縮し、そしてPBSに対して48時間透析
される。溶出液は次に0.22ミクロンフィルターを通って
ロ過され、無菌バイアル中4℃で貯蔵される。免疫吸着
剤は3Mチオシアン酸アンモニウムで、そして最後にPBS1
00mlで洗浄される。すべての緩衝液は0.22ミクロンフィ
ルターでロ過される。
阻害剤の中和能力は、第VIII因子の凝血促進活性を中
和するその能力によって決定される。ヘモフィルMと患
者由来抗体の複合体は、そのようにして得た中和能力情
報を使用して抗原対抗体重量比1:3で形成される。
抗原および阻害剤は、ヒト血清アルブミン0.3%およ
びフェノール0.4%を含有する食塩水9g/で混合され
る。すべての溶液は無菌0.22ミクロンフィルターを通さ
れ、そして無菌条件で取扱われる。最終容積は2mlであ
り、そして阻害剤300マイクログラムおよび抗原100マイ
クログラムを含有する。そのように調製した注射し得る
溶液は、使用まで4℃においてシールしたバイアル中に
保存される。
実施例2 混合物が抗原10マイクログラムを含み、そして抗原対
阻害剤比が1:3であることを除き、実施例1に従って組
成物を調製する。
実施例3 混合物が抗原1マイクログラムを含み、そして抗原対
阻害剤比が1:30であることを除き、実施例1に従って組
成物を調製する。
実施例4 混合物が抗原0.1マイクログラムを含み、そして抗原
対阻害剤比が1:10であることを除き、実施例1に従って
組成物を調製する。
実施例5 混合物が抗原0.1マイクログラムを含み、そして抗原
対阻害剤比が1:3であることを除き、実施例1に従って
組成物を調製する。
実施例6 混合物が抗原1000ナノグラムを含み、抗原対阻害剤比
が1:1であることを除き、実施例1に従って組成物を調
製する。
実施例7 混合物が抗原100ナノグラムを含み、抗原対阻害剤比
が1:60であることを除き、実施例1に従って組成物を調
製する。
実施例8 混合物が抗原10ナノグラムを含み、抗原対阻害剤比が
1:80であることを除き、実施例1に従って組成物とを調
製する。
実施例9 混合物が抗原1ナノグラムを含み、抗原対阻害剤比が
1:100であることを除き、実施例1に従って組成物を調
製する。
実施例10 混合物が抗原50ナノグラムを含み、抗原対阻害剤比が
1:20であることを除き、実施例1に従って組成物を調製
する。
実施例11 混合物が抗原10マイクログラムを含み、抗原対阻害剤
比が1:40であることを除き、実施例1に従って組成物を
調製する。
実施例12 混合物が抗原500ナノグラムを含み、抗原対阻害剤比
が1:5であることを除き、実施例1に従って組成物を調
製する。
実施例13 免疫吸着剤は実施例1に記載したように調製するが、
第VIII因子抗原は、Eaton,Rodriguez,Vehar,“Proteoly
tic Processing of Human Factor VIII",Biochemistr
y25,pp.505−512(1986)に教えている第VIII因子の
タンパク分解開裂によって発生した第VIII因子フラグメ
ントの形である。抗体はプールした正常血漿(プール中
少なくともドナー10人)から調製される。中和能力が決
定され、そして複合体は実施例2に記載したように形成
され、処方される。
実施例14 免疫吸着剤は実施例1に記載したように調製するが、
阻害剤はガンマーガード(カリフォルニア州グレンデー
ルのバクスター、ハイランド部門)である。中和能力が
決定され、そして複合体は実施例3に記載したように形
成され、処方される。
実施例15 抗体は実施例10に記載したように調製されるが、複合
体はToole et al.Nature312,342−348(1984)の教示
に従って組換えDNA技術によって製造した第VIII因子抗
原を使用して形成される。
実施例16 抗原−抗体複合体は実施例12に記載したように、しか
しヘモフィルMおよび第VIII因子に対するマウスモノク
ロナール抗体を使用して形成され、該抗体は1987年3月
31日出願の米国特許出願第32,800号に教えているように
調製される。マウスモノクロナール抗体はヘモフィルM
を精製するために使用した抗体である。ヒトを含む他の
哺乳類種からのモノクロナール抗体も使用し得る。
実施例17 抗原−抗体複合体は実施例1に記載したように、しか
し抗原はToole et al,Nature312,pp.342−348(198
4)に発表されたアミノ酸配列を使用し、そして次に標
準技術によって調製したF(ab′)抗体フラグメント
と結合し、有機合成技術によって合成的に調製される。
実施例18 上の実施例に記載したように調製した複合体を抗第VI
II因子抗体を持っている血友病A患者へ皮内注射する。
各ケースにおいて、1回目の投与量は患者の体重kgあた
り第VIII因子1国際単位に相当する第VIII因子抗原成分
量を含んでいる。1週間後に投与した2回目の投与量
は、患者の体重kgあたり第VIII因子10国際単位に相当す
る第VIII因子抗原成分を含んでいる。この2回目の投与
1週間後、患者の血漿は検出し得る抗第VIII因子抗体を
含んでおらず、静脈内注射した第VIII因子に対する応答
は血友病患者に通常期待されるものであり、そして患者
はその後第VIII因子で需要に応じ処置される。
実施例19 患者の最初の処置は実施例18に記載のとおりである。
2回目の投与1週間後、患者の血漿はなお抗第VIII因子
抗体を含有している。患者の体重kgあたり第VIII因子20
国際単位相当を含有している複合体を皮内注射する。同
様な態様で、後続週において、抗第VIII因子抗体がなお
患者の血漿中に検出し得るときは、増加する投与量(3
0,40,50等の国際単位)を含有する複合体が皮内投与さ
れる。使用する最高投与量は患者の体重kgあたり100国
際単位相当である。抗第VIII因子抗体がもはや患者の血
漿中に検出し得ないとき、需要に応じた静脈内第VIII因
子療法を実施例18に記載するように開始する。
実施例20 抗原−抗体複合体による治療を実施例19に記載するよ
うに実施する。しかしながら、第VIII因子による1回目
の静脈内注入処理において、注入した第VIII因子の半減
期および/または回復は血友病A患者に期待されるより
も小さいことが決定される。患者はその後注入に対する
応答が満足になるまで毎日体重kgあたり第VIII因子200
国際単位の静注で処置される。その後患者は、臨床応答
が記録されるように、週2回または3回、kgあたり50単
位で予防的に処置される。
実施例21 以前第VIII因子欠乏はなかったが、現在第VIII因子に
対する自己抗体によって出血病を持っている患者が実施
例18,19および20に記載したパターンに従って処置され
る。通常これらの患者はそのような処置に対して血友病
患者よりも一層容易に応答し、そして実施例20に記載し
た予防的第VIII因子維持療法はもし必要としてもまれで
ある。
実施例22 上の実施例に記載したように調製した複合体を患者の
体重kgあたり第VIII因子100国際単位相当の第VIII因子
抗原成分の量を含む投与量において皮内注射する。該投
与量を1日2回投与する。合計20回投与量を投与する。
実施例23 上の実施例に記載したように調製した複合体を、患者
の体重kgあたり第VIII因子20国際単位相当の第VIII因子
抗原成分の量を含む投与量において皮内注射する。該投
与量を1日3回投与する。合計15回投与量を投与する。
実施例24 上の実施例に記載したように調製した複合体を、患者
の体重kgあたり第VIII因子80国際単位相当の第VIII因子
抗原成分の量を含む投与量において皮内注射する。該投
与量を1日1回投与する。合計10回投与量を投与する。
実施例25 上の実施例に記載したように調製した複合体を、患者
の体重kgあたり第VIII因子60国際単位相当の第VIII因子
抗原成分の量を含む投与量において皮内注射する。該投
与量を毎日投与する。合計4回投与量を投与する。
実施例26 上の実施例に記載したように調製した複合体を、患者
の体重kgあたり第VIII因子40国際単位相当の第VIII因子
抗原成分の量を含む投与量において皮内注射する。該投
与量を1回だけ投与する。
実施例27 上の実施例に記載したように調製した複合体を、患者
の体重kgあたり第VIII因子50国際単位相当の第VIII因子
原稿成分の量を含む投与量において皮内注射する。該投
与量を3ケ月毎に投与する。合計2回投与量を投与す
る。
実施例28 上の実施例に記載したように調製した複合体を、患者
の体重kgあたり第VIII因子50国際単位相当の第VIII因子
抗原成分の量を含む投与量において皮内注射する。該投
与量を毎年投与する。合計5回投与量を投与する。
実施例29 治療は以前の実施例に記載したように進めるが、しか
しNilsson et al.,N.Eng.J.Med., 318,pp.947−950(198
8)に教えるような、当業者に既知の態様において静脈
内免疫グロブリンで補強される。
実施例30 治療は以前の実施例に記載したように進めるが、しか
しNilsson et al参照文献に教えるようなシクロフォス
ファミドによる慣用の処置によって補強される。
実施例31 治療は以前の実施例に記載したように進めるが、しか
し静脈内免疫グロブリンおよびシクロフォスファミドの
両者によって補強される。
以上の実施例はそれぞれ抗原および阻害剤成分を調製
するための多数の方法を記載し、そしてこれらおよび他
の方法は本発明の組成物を得るため種々の組合せにおい
て採用される。第VIII因子成分は、適当には(1)ヒト
血漿プールからの古典的濃縮,(2)ヒト血漿プールか
らの免疫吸着による精製,(3)遺伝子工学,(4)上
の方法(1)ないし(3)から製造した第VIII因子製剤
から得られたペプチドまたは小さいタンパクフラグメン
ト、および(5)合成的に製造したペプチドによって製
造し得ることが予見される。抗原成分を製造するための
これら方法の一つは、阻害剤成分について予見される以
下の形の任意の一つ,(1)個々のドナーの血漿からの
精製した阻害剤、(2)血漿プールからの精製阻害剤、
(3)精製した製剤のF(ab′)フラグメント、
(4)モノクロナール抗体、および(5)キメリック抗
体、すなわち動物源から得た結合部位とヒト源から得た
フレームワークを有する組合せ抗体と適当に組合せるこ
とができる。特許請求の範囲において使用するように、
第VIII因子抗原成分とはそれらがつくられる態様に関係
なく、第VIII因子抗原決定基を含んでいる第VIII因子分
子またはフラグメントを意味する。第VIII因子阻害剤と
は、特許請求の範囲において使用するように、それらを
どのように製造したかに関係なく、第VIII因子に対する
免疫原的結合部位を含んでいる抗体およびフラグメント
を意味する。
本発明をいくつかの特定の具体例に関して例証した
が、当業者は第VIII因子投与量、第VIII因子対阻害剤
比、担体または希釈剤、第VIII因子阻害剤産生を抑制す
るのに適当な投与方法および周期のような本発明の要素
を変更し得ることを教えられる。当業者には、これらお
よび他の修飾は本発明の精神および範囲内であることが
明らかであろう。
フロントページの続き (72)発明者 ジャンマリー、サンレミ ベルギー国ビー5980、グレドアソー、リ ュー、デュラムベ79 (72)発明者 フィリップ、ルブラン ベルギー国ビー5000、ナムール、リュ ー、アルフレッドブケ 31 (72)発明者 セルジュ、ルベック ベルギー国ビー1200、ブリュッセル、リ ュー、エドウアルドスピーカエルト55 (72)発明者 ピエール、ルシアン、マソン ベルギー国ビー1200、ブリュッセル、ア ブニユ、エミールファンデルフェルデ 107 (72)発明者 ヘンリー、エス、キングダム アメリカ合衆国カリフォルニア州91103、 パサデナ、ランカスタープレース1545 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 39/395 A61K 39/00 A61K 38/37

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第VIII因子抗原成分と第VIII因子阻害剤成
    分とよりなる免疫複合体を含み、前記成分は前記阻害剤
    成分が前記抗原成分の実質上全部の関連する結合部位を
    ブロックするような比において存在し、そして薬理学的
    に許容し得る単体または希釈剤を含んでいることを特徴
    とする第VIII因子産生を抑制するためのヒトへ投与する
    のに適した医薬組成物。
  2. 【請求項2】前記抗原成分はヒト血漿から調製した第VI
    II因子である第1項の組成物。
  3. 【請求項3】前記抗原成分は組換えDNA技術によって製
    造した第VIII因子である第1項の組成物。
  4. 【請求項4】前記抗原成分は第VIII因子フラグメントよ
    りなる第1項の組成物。
  5. 【請求項5】前記阻害剤成分は単一の患者から得られた
    抗体である第1項の組成物。
  6. 【請求項6】前記阻害剤成分は多人数ドナーのプールし
    た血漿から得られた抗体である第1項の組成物。
  7. 【請求項7】前記阻害剤成分はF(ab′)抗体フラグ
    メントである第1項の組成物。
  8. 【請求項8】前記阻害剤成分はキメリック抗体である第
    1項の組成物。
  9. 【請求項9】前記阻害剤成分はモノクロナール抗体であ
    る第1項の組成物。
  10. 【請求項10】前記阻害剤成分は前記第VIII因子抗原成
    分に関してモル過剰に存在する第1項の組成物。
  11. 【請求項11】抗原対阻害剤成分モル比が約1:1ないし
    約1:100である第1項の組成物。
  12. 【請求項12】前記比が約1:3である第11項の組成物。
  13. 【請求項13】前記抗原成分は約1ナノグラムないし約
    10マイクログラムの投与量で存在する第1項の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7214785B2 (en) 2001-06-12 2007-05-08 Juridical Foundation The Chemo-Sero-Therapeutic Research Institute Human-type anti-blood coagulation factor VIII antibody

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