JP2833636B2 - 棒鋼・線材の水冷却方法および水冷却装置 - Google Patents

棒鋼・線材の水冷却方法および水冷却装置

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JP2833636B2
JP2833636B2 JP3307150A JP30715091A JP2833636B2 JP 2833636 B2 JP2833636 B2 JP 2833636B2 JP 3307150 A JP3307150 A JP 3307150A JP 30715091 A JP30715091 A JP 30715091A JP 2833636 B2 JP2833636 B2 JP 2833636B2
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water
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water cooling
vortex
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芳久 大津
英興 木村
博 萩原
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B45/00Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
    • B21B45/02Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills for lubricating, cooling, or cleaning
    • B21B45/0239Lubricating
    • B21B45/0245Lubricating devices
    • B21B45/0248Lubricating devices using liquid lubricants, e.g. for sections, for tubes
    • B21B45/0257Lubricating devices using liquid lubricants, e.g. for sections, for tubes for wire, rods, rounds, bars

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所望の冷却能を安定し
て得ると共に、均一に棒鋼・線材(条鋼)を冷却できる
ようにする、水冷却方法および水冷却装置である。以
下、本発明の説明では、便宜的に線材を代表例として説
明する。
【0002】
【従来技術】線材圧延では、圧延ロール群の間に水冷却
装置を設け、所望の金属組織、機械的性質を得ることが
できるように線材を水冷却することは公知である。
【0003】この水冷却は、可能な限り均一に実施でき
るように考えられ、例えば以下に示す先行技術例があ
る。
【0004】これ等の先行技術例は、その時代において
最良の冷却方式であった筈であるが、圧延技術の進歩、
また需要家の品質要求の変化などに伴い、現代では必ず
しも充分とは言えない。
【0005】すなわち、スプレー旋回流ノズル方式は実
公昭55−41813号(冷却トラフ)、特公昭63−
58207号、特公昭63−58208号、特公昭63
−58209号(線材、棒鋼の浸漬冷却管)、特公昭6
3−45451号(鋼棒線材の冷却装置)等が属し、次
のような難点がある。
【0006】特公昭63−45451号(鋼棒線材の冷
却装置)に示される方式では、上流側に冷却能力の高い
直接噴射ノズルを配置し、下流側に均一冷却に優れた旋
回流ノズルを配置し、高い冷却能と均一冷却能を両立さ
せるための冷却方法であるが、上流側で発生した冷却ム
ラは下流側ユニットのみで消し難いという問題がある。
【0007】上流側の直接噴射ノズルは高冷却能を持つ
が、均一冷却能は旋回流ノズルに比較して劣る。
【0008】また、この旋回流発生ノズルの方式は、二
重管構造で、冷却管の内管の内壁の接線方向に冷却水噴
出孔を設けた構造である。従って上記内壁で噴射された
冷却水は管壁に沿って流れるため、冷却管の中心にある
線材に直接当たりにくく、冷却管の中心方向に充満しに
くいため、冷却能が低いばかりか、所望する冷却能を安
定して得難い。
【0009】また内壁に噴射された冷却水の旋回速度・
進行速度が減衰すると冷却管下方の流れを害し新陳代謝
を阻害し滞留をはじめると線材の冷却ムラが発生し易く
なる欠点があった。
【0010】また、管内フィン付冷却管方式は、実公昭
53−19122号(連続冷却用ジャケット)が属し、
次のような難点がある。この方式は二重管構造で、冷却
水噴射口は被冷却材の進行方向に直角な噴射孔と、内管
の接線方向に開口した孔とで構成し、管内内壁に渦流維
持のためのフィンを設けて構成される。
【0011】従って、冷却管の内壁に設けたフィンのた
め、現在の高速化した圧延スピードでの通材性には問題
があり、これが原因で安定した冷却は期待し難い。また
構造の複雑さに伴い加工性、設備費用の点でも難点があ
る。
【0012】特公昭63−58207号(線材、棒鋼用
の浸漬冷却管)に示される浸漬冷却管の方式では、排水
口の形状が管の円周全部が開口していないため、管内冷
却水流速が不均一になり易く、均一冷却性に問題があ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
従来方式の支障を解決し、所望する冷却能を安定して得
ると共に、棒鋼・線材の外周表面長手方向へ連続する衝
突状態を呈する渦流状の冷却水を供給するに際し、該渦
流状態の条件選択ができ、また水冷却装置も比較的安価
・簡便で保守も容易にでき、そして線材の長手方向外周
表面を安定して均一冷却できる棒鋼・線材の水冷却方法
および水冷却装置を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成を要
旨とする。
【0015】その1は、水冷却装置内に誘導した棒鋼又
は線材に対し、その外周表面長手方向へ連続する衝突点
を有する(衝突状態を呈する)渦流状の冷却水を、棒鋼
又は線材の進行方向と、該進行方向とは反対方向へ対向
して供給し、該対向供給によって衝突する上記渦流状の
冷却水を系外へ排水しつつ冷却する棒鋼・線材の水冷却
方法である。
【0016】その2は、連続する衝突点を有する渦流状
の冷却水を棒鋼又は線材の進行方向と進行方向とは反対
方向へ対向して供給し、該対向供給によって衝突する渦
流状の冷却水を系外へ排水しつつ、多段冷却する棒鋼・
線材の水冷却方法である。
【0017】その3は、水冷管2の一方の端部に、冷却
水供給孔3と嵌合室4を有する雌嵌合要素5を設け、一
方、外周に同一方向に旋回するフィン7を設けると共
に、中空状の誘導孔8を設けて雄嵌合要素6を形成し、
此の雄嵌合要素6を雌嵌合要素5に嵌合して構成する水
冷要素10を準備し、更に水冷管13の一方の端部に前
記水冷要素10と同様の嵌合部分を有する前記水冷要素
10と同様に構成した水冷要素12を準備し、棒鋼又は
線材の進行方向と、該進行方向とは反対方向に水冷管2
の他方の端部11と水冷管13の他方の端部14とを排
水用間隙口15を形成するように対向して設けて構成し
た棒鋼・線材の水冷却装置である。
【0018】その4は、排水用間隙口15の開口率を調
整自在に設ける上記記載の棒鋼・線材の水冷却装置であ
る。
【0019】その5は、水冷要素12を棒鋼又は線材の
進行方向と該進行方向とは反対方向に水冷管2の端部1
1と、水冷管13の端部14を排水用間隙口15を形成
するように対向して設けて構成した水冷却装置1を、棒
鋼又は線材の誘導ラインに多段に設けて構成する上記記
載の棒鋼・線材の水冷却装置である。
【0020】
【作用】本発明の水冷却装置においては、冷却水を、水
冷管の一方の端部に設けた冷却水供給孔より供給し、そ
して該端部に設けた雌嵌合要素とこれに嵌合した雄嵌合
要素との間に形成した環状空間内を通過させ、このとき
該空間内において雄嵌合要素の外周に設けられた一方向
に旋回するフィンにより渦流状にする。
【0021】その後、該渦流状の冷却水を、該雌嵌合該
要素の該水冷管側端部と該雄嵌合要素の該水冷管側端部
との間に形成した環状スリット内を通過させて、該渦流
状の冷却水を該水冷管内の該雄嵌合要素軸心部を貫通し
て走行する棒鋼または線材に向けてその外周表面長手方
向から噴出せしめ、該棒鋼または線材に直接かつ連続し
て衝突させながら供給しつつ冷却する。
【0022】連続的に衝突させて供給した渦流状の冷却
水は、該水冷管内に充満し、棒鋼または線材を浸漬して
冷却する。
【0023】また連続的に衝突させて供給した渦流状の
冷却水は、フィン8のフィン角度θfを所定の角度にす
ることにより、所定の渦流ピッチに制御されて棒鋼また
は線材に接触して冷却する。
【0024】したがって、本発明の水冷却装置において
棒鋼または線材は、高い冷却能で冷却されかつ均一に冷
却される。
【0025】而して、上記渦流状態を呈する冷却水は、
棒鋼・線材の外周表面長手方向と充分に接触しながら冷
却するが、この接触する距離が冷却水の所望冷却能を左
右する。このため本発明の水冷却装置においては、対向
する一方の冷却水の渦流状態と同一条件の渦流状態の冷
却水を対向供給し、上記接触距離によって左右される冷
却水の冷却能の低下を抑制し、安定化を図っている。
【0026】そして、対向供給する上記渦流状態を呈す
る冷却水を互いに衝突させ、系外へ排水する。すなわ
ち、衝突した冷却水は一方の水冷管の端部と他方の水冷
管の端部を対向して設けた排水用間隙口より速やかに排
水する。
【0027】このように排出する理由は、斯かる冷却水
の同一方向への渦流状態を維持しつつ水冷却装置、特に
水冷却管内に順次新しい上記渦流状態を呈する冷却水を
充満させ、これによって、この新陳代謝を続ける充満し
た渦流状態の冷却水で棒鋼又は線材の外周表面長手方向
を完全に接触させ、所望の冷却能のもとで均一冷却を行
えるようにする状態を維持するためである。
【0028】換言すると、系外へ排水しなければ合理的
に冷却水の新陳代謝を図りつつ、冷却水を充満させ所望
の冷却能を安定維持し難い。
【0029】ここで本発明の構成における必須要件の限
定についてその理由を説明する。
【0030】その1の方法において、「棒鋼または線材
に対してその外周表面長手方向に連続する衝突点を有す
る(衝突状態を呈する)渦流状の冷却水」と限定する理
由について。
【0031】まず、連続する衝突点を有する(衝突状態
を呈する)渦流状の冷却水とは、水冷却装置内に棒鋼ま
たは線材が誘導されていく過程において、供給される冷
却水が棒鋼または線材に対して直接かつ連続して渦流状
態で噴出して衝突していく冷却水をいう。
【0032】棒鋼・線材の品質は、その断面方向は勿論
のこと長手方向においても均一であることが重要であ
る。従って、棒鋼・線材の外周表面長手方向へ、連続す
る衝突点を有する渦流状の冷却水を供給することが、上
記断面方向および長手方向の温度勾配のバラツキを抑制
し、結局は均一冷却でき、品質を均一化できるために必
要な条件である。
【0033】そして、連続する衝突点を有する渦流状の
冷却水は、水冷却装置内に誘導した棒鋼・線材の外周表
面長手方向と完全に接触して所望の冷却能を安定して得
るために必須の条件である。
【0034】換言すれば、渦流状の冷却水を供給して棒
鋼・線材の外周表面長手方向を冷却することは、前述し
た先行技術例にもみられるが、これらの先行技術例にお
ける渦流状の冷却水は、不連続な衝突点を有する渦流状
の冷却水である。
【0035】従って先行技術例では、この不連続の衝突
点が、棒鋼・線材の外周表面長手方向と非接触箇所を発
生し、所望の冷却能を安定して得られず不均一冷却とな
る。
【0036】従って、これらの先行技術例における不連
続な衝突点を有する渦流状の冷却水に比較して、本発明
のこの連続する衝突点を有する渦流状の冷却水は、均一
および品質均一化の点で優れている。
【0037】本発明では、上記に限定する渦流状の冷却
水を棒鋼・線材の進行方向と該進行方向とは反対方向へ
対向して供給し、この対向供給により衝突する上記渦流
状の冷却水を系外へ排水しつつ冷却することも必須条件
である。
【0038】本発明のその2の方法で、その1の方法の
条件で多段冷却することを限定しているが、これは、高
い冷却能を安定して維持できる本発明方式においても棒
鋼・線材の規格(JIS)、また圧延速度によっては加
工発熱を吸収して次の圧延機への誘導が出来ない場合が
あるため、あるいは、棒鋼・線材の断面方向の温度勾配
を調整するため、その他棒鋼・線材の圧延条件から必須
である。
【0039】本発明のその3の装置で限定する構成条件
は、上記その1の方法で限定する理由によって必須条件
となる。また上記フィンの形状条件を選択する技術は、
水冷却装置の簡便化、低廉化、あるいは渦流条件の選択
実施を図るために有効である。
【0040】また本発明のその4の装置で排水用間隙口
に開口率(排水口断面積)を調整自在に設けることを限
定するが、これは水冷却装置の水冷管の中に、棒鋼・線
材の外周表面長手方向に連続する衝突点を有する渦流状
の冷却水を、新陳代謝を図りつつ充満する量を調整する
ために必須の条件である。これより所望する冷却能を安
定して維持でき初期の目的を達成する。
【0041】さらに本発明のその5の装置で水冷却装置
を棒鋼・線材の誘導ラインに多段に設けることを限定す
るが、これはその2の方法の限定理由と同一理由であ
る。
【0042】
【実施例】以下、本発明を図面に示す一実施例に基づき
説明する。
【0043】図1は本発明に係る水冷却装置1を多段に
配設する線材圧延工程の一例を示す説明図で、レイング
ヘッド18の前のピンチロール19に至る圧延機20
と、水冷却装置1を多段に配設する。この多段配設の条
件は圧延する棒鋼または線材21の規格、寸法、目標品
質等により決め、適正な冷却能力を維持する。
【0044】レイングヘッド18から振り捲いたルーズ
状の線材21は、熱処理装置22を経て収束装置23で
収束し、次の精整工程に搬送する。
【0045】さて図1における本発明に係る水冷却装置
1は図2、図3に一部断面で拡大示するように構成す
る。
【0046】すなわち水冷管2は、一方の端部に冷却水
供給孔3と嵌合室4を有する雌嵌合要素5を設けてい
る。
【0047】一方、雄嵌合要素6は、その外周に同一方
向へ旋回するフィン7を設け、且つ中空状の誘導孔8を
設けている。
【0048】そして該雄嵌合要素6のフィン7が、前記
の嵌合室4へ挿入し、冷却水9が漏洩しない状態で雌嵌
合要素5と嵌合して一つの水冷要素10を構成し、線材
21の進行方向へ水冷管2の端部11を向けて該水冷要
素10を移動調整自在に設ける。
【0049】一方、上記と同様に構成したもう一方の水
冷要素12を上記線材21の進行方向とは反対方向へ水
冷管13の端部14を向け、上記水冷要素10の水冷管
2の端部11と対向し、排水用間隙口15を構成すると
共に、移動調整自在に設け、一つの水冷却装置1を構成
する。
【0050】このように移動調整自在に水冷要素10,
12を対向して設けることは、上記の排水用間隙口15
を所望隙間に調整する役目を果たす。
【0051】この所望間隙口15の調整は、水冷管2,
13をセットする取付け部材16,17により行う。
【0052】この排水用間隙口15を調整することによ
り、水冷要素10と12から供給する、連続する衝突点
を有する渦流状の冷却水9,26は衝突しつつ排水用間
隙口15から調整しつつ系外へ排水する。
【0053】これによって、水冷要素10,12の水冷
管2,13の中に滞留する上記の冷却水9,26の充満
量を新陳代謝を図りながら所望量を維持できる。従っ
て、冷却水9,26の冷却能は高く、また所望の冷却能
を安定維持可能となり、線材21の外周表面長手方向の
均一冷却に機能を発揮する。
【0054】斯の様に構成する水冷却装置1は図1に示
す様に線材21の圧延ラインに所望数だけ多段設置す
る。
【0055】ところで、水冷却装置1の構成において、
上記条件の渦流状の冷却水9,26の冷却能、渦流状態
等を左右する要素は、雄嵌合要素6に設けたフィン7の
形状条件であり、図3に模式的に拡大示するように定義
する。 ここで θf : フィン角度 θs : スリット角度 ts : スリット幅
【0056】冷却水の物理的性質、供給条件を一定とし
た場合、本発明に係る水冷却装置1では図4(イ)、図
4(ロ)に示す水モデル試験のように理想的な渦流が発
生し、線材21を均一に冷却する。
【0057】図4(イ)は図4(ロ)のB−B′矢視断
面説明図であり、図4(ロ)は、図6の水モデル試験装
置24のA−A′矢視一部断面説明図である。
【0058】これ等の図のとおり、水冷却装置1の水冷
管2の中を通る線材21の外周表面長手方向へ連続する
衝突点を有する渦流状の冷却水9が供給される。
【0059】そして該渦流状の冷却水9は図4(イ),
(ロ)のように渦流状の冷却水9が次から次へと線材2
1の外周表面長手方向へ供給され、連続する衝突状態を
呈するため、先に至った上記冷却水と順次新陳代謝が行
われ、必要な冷却能が維持でき、しかも水冷管2の中に
所望量の冷却水9が充満するので線材21は均一冷却さ
れる。
【0060】図5に比較のため、前述した先行技術例の
中から、本発明出願人会社の水冷却装置25(特公昭6
3−45451号、鋼棒線材の冷却装置)を本発明の水
冷却装置1と同様に図6に示す水モデル試験装置24で
試みた状態を示す。
【0061】この比較例は冷却水26をスリット状のノ
ズル27より供給するため図5の通り冷却管28の内壁
方向へ噴射された冷却水26は内壁29に沿って渦流状
の冷却水26が供給されるため冷却管28内に充満しに
くくまた線材21の外周表面長手方向に非接触面が発生
し易い。
【0062】従って水冷却装置25の冷却管28の中に
所望量を充満できないため冷却水26は所望の冷却能も
得られ難く、また安定した均一冷却を実施し難い。
【0063】換言すると、比較例では、衝突点が不連続
な渦流状となるため線材21の外周表面長手方向の冷却
水26の冷却能がばらつき、冷却はムラが生じ、線材2
1の品質に影響を与え易い。
【0064】これに対し本発明に係る冷却方式は図4
(イ),(ロ)のとおり線材21の外周表面長手方向へ
連続する衝突点を有する渦流状の冷却水9で冷却できる
ことに特徴がある。
【0065】図6は本発明方式を試みた水モデル試験装
置24を示し、架台30の上に線材21の入口側から順
にガイドローラー31、電気炉32、ガイドローラー3
3、図示せぬ圧空装置とパイプを介して設ける水切りノ
ズル34、図示せぬ冷却水供給装置と流量計35、圧力
計36を介して設ける冷却要素10と排水用間隙口15
と図示せぬ冷却水供給装置と流量計35、圧力計36を
介して前記冷却要素10に対向して設けた冷却要素12
とから成る水冷却装置1、ガイドローラー37、図示せ
ぬ圧空装置とパイプを介して設ける水切りノズル38、
駆動装置39とベルト40を介して回転自在に設けるピ
ンチローラー41、上部サーモピュア42、下部サーモ
ピュア43、ガイドレール44、上記ガイドローラー3
3〜水切りノズル38を包囲する防水カバー45から構
成し、試料の線材21を用いて試験する。
【0066】この水モデル試験装置25を用いて本発明
に係る水冷却装置1のフィン7の形状特性調査試験を行
った。
【0067】この結果、図7に示すとおりの結果が得ら
れ、渦流ピッチはフィン角度θfに存在することが分か
る。ここで渦流ピッチとは、管内の渦の一周期のピッチ
をトレーサーを入れて高速ビデオカメラで測定した長さ
である。
【0068】図8の○−○線に本発明の水冷却装置、□
−□線に本発明の冷却管単位のみで冷却した時の渦流ピ
ッチを示す。この結果、本発明の水冷却装置の渦流ピッ
チは冷却管単体で使用した場合より小さくなることがわ
かる。この小さい渦流ピッチによって均一冷却を可能と
している。
【0069】本発明の水冷却装置1は、斯の様にして最
適条件を求めて構成した結果、図9の○−○線に示すグ
ラフのとおり温度ムラを軽減することができた。すなわ
ち図9の点線は試験材としての線材サンプル放冷時のレ
ベルを示すが、本発明に係る方式では線材サンプル放冷
時の温度ムラと同等のレベルまで均一に冷却可能であ
る。
【0070】また図9において□−□線は、前述の先行
技術例のうち、特公昭63−45451号(新日鐵)の
旋回流ノズルを試みたもので、本発明と旋回流ノズルの
条件を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】図9から明らかなように、図5に示すスリ
ット状のノズル27を設けた方式では、温度ムラが発生
することがわかる。
【0073】また、本発明の水冷却装置の冷却能力を検
証した結果、図10の○−○線に示す通り、極めて高い
冷却能力を持つことが判明した。因みに図10の□−□
線には本発明の水冷装置のフィンを取り外した場合の熱
伝達係数を示す。これより管内に充満した渦流冷却水の
抜熱効果が大きい事が分かる。
【0074】
【発明の効果】本発明は以下のとおり、既述した初期の
目的とする技術的課題に加えて、産業上有益な効果を発
揮する。
【0075】本発明は、水冷却装置1の主要構成は水冷
管2の雌嵌合要素5にフィン7を設けた雄嵌合要素6を
嵌合する構成であるから、例えば該雄嵌合要素6の選択
嵌合によりフィン7の形状条件の選択もできるので、棒
鋼・線材の種類、目的とする品質要求に合わせた冷却条
件を構成維持できる。
【0076】特に、斯の様な雄嵌合要素6と雌嵌合要素
5の選択組合せによる適正な所望冷却条件の選択構成に
ついては、表1に列挙する先行技術例には見当たらない
固有効果である。
【0077】本発明は、水冷却装置1は水冷要素10,
12を対向させているので、排水用間隙口15の調整に
より、水冷却管2,13の中に供給する冷却水9,26
の新陳代謝を図りながら、その充満量を所望量に維持で
きる。
【0078】従って、棒鋼・線材の断面方向は勿論、外
周表面長手方向に亘っても高い冷却能を安定して得るこ
とができ、均一冷却を行えるので棒鋼・線材の品質を向
上できる。
【0079】本発明は、水冷却装置1は、水冷要素1
0,12の雌嵌合要素5と雄嵌合要素6とを嵌合する構
成であるから、取り外しが容易で、簡便、安価で保守も
容易である。
【0080】本発明は、水冷要素10,12を対向させ
るので、同一方向へ旋回する連続する衝突状態を呈する
渦流状の冷却水9は線材21の外周表面長手方向の所望
距離だけを減衰させることなく渦流状態を精整維持で
き、均一冷却条件の範囲を広げるのに役立つ。
【0081】本発明の水冷却装置は水冷要素10,12
を対向させているため、冷却管内に冷却水が充満する。
そのときの管内圧力は対向配置以外のものに比較して高
いため、特に膜沸騰領域での冷却において蒸気膜の剥離
を行い易く、冷却能力は極めて高い。
【図面の詳細な説明】
【図1】図1は本発明に係る水冷却装置を多段配置する
線材圧延工程の一例を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明に係る水冷却装置を模式的に一
部断面で示す概略説明図である。
【図3】図3は、図2の要素を模式的に一部断面で示す
概略説明図である。
【図4】図4(イ)は図4(ロ)のB−B′矢視説明図
であり、図4(ロ)は図6に示す本発明に係る水冷却装
置のA−A′矢視一部断面説明図である。
【図5】図5は、比較例における旋回流ノズルの冷却水
流を断面で示す説明図である。
【図6】図6は、本発明に係る水冷却装置および図5の
比較例を試みる水モデル試験機を示す説明図である。
【図7】図7は、本発明に係る水冷却装置のフィンの形
状特性調査の試験結果を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明に係る水冷却装置のフィンの形
状特性調査の試験結果を示すグラフである。
【図9】図9は、図5に示す比較例の水冷却装置を試験
した結果を示すグラフである。
【図10】図10は、本発明と、本発明のフィンを取り
外した水冷却装置を試験した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 水冷却装置 2 水冷管 3 冷却水供給孔 4 嵌合室 4a 嵌合室の内壁 5 雌嵌合要素 6 雄嵌合要素 7 フィン 8 誘導孔 9 冷却水 10 水冷要素 11 水冷管2の端部 12 水冷要素 13 水冷管 14 水冷管13の端部 15 排水用間隙口 16 取付け部材 17 取付け部材 18 レイングヘッド 19 ピンチロール 20 圧延機 21 棒鋼または線材 22 熱処理装置 23 収束装置 24 水モデル試験装置 25 比較例の水冷却装置 26 冷却水 27 スリット状のノズル 28 冷却管 29 内壁 30 架台 31 ガイドローラー 32 電気炉 33 ガイドローラー 34 水切りノズル 35 流量計 36 圧力計 37 ガイドローラー 38 水切りノズル 39 駆動装置 40 ベルト 41 ピンチローラー 42 上部サーモピュア 43 下部サーモピュア 44 ガイドレール 45 防水カバー 46 トレーサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 45/02 C21D 9/573

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水冷却装置内に誘導した棒鋼又は線材に
    対し、その外周表面長手方向へ連続する衝突点を有する
    渦流状の冷却水を、棒鋼又は線材の進行方向と、該進行
    方向とは反対方向へ対向して供給し、該対向供給によっ
    て衝突する上記渦流状の冷却水を系外へ排水しつつ冷却
    することを特徴とする、棒鋼・線材の水冷却方法。
  2. 【請求項2】 連続する衝突点を有する渦流状の冷却水
    を棒鋼又は線材の進行方向と進行方向とは反対方向へ対
    向して供給し、該対向供給によって衝突する渦流状の冷
    却水を系外へ排水しつつ、多段冷却することを特徴とす
    る、請求項1記載の棒鋼・線材の水冷却方法。
  3. 【請求項3】 水冷管2の一方の端部に、冷却水供給孔
    3と嵌合室4を有する雌嵌合要素5を設け、一方、外周
    に同一方向に旋回するフィン7を設けると共に、中空状
    の誘導孔8を設けて雄嵌合要素6を形成し、此の雄嵌合
    要素6を雌嵌合要素5に嵌合して構成する水冷要素10
    を準備し、更に水冷管13の一方の端部に前記水冷要素
    10と同様の嵌合部分を有する前記水冷要素10と同様
    に構成した水冷要素12を準備し、棒鋼又は線材の進行
    方向と、該進行方向とは反対方向に水冷管2の他方の端
    部11と水冷管13の他方の端部14とを排水用間隙口
    15を形成するように対向して設けて構成した棒鋼・線
    材の水冷却装置。
  4. 【請求項4】 排水用間隙口15の開口率を調整自在に
    設ける請求項3記載の棒鋼・線材の水冷却装置。
  5. 【請求項5】 水冷要素12を棒鋼又は線材の進行方
    向と該進行方向とは反対方向に水冷管2の端部11と、
    水冷管13の端部14を排水用間隙口15を形成するよ
    うに対向して設けて構成した水冷却装置1を、棒鋼又は
    線材の誘導ラインに多段に設けて構成する請求項3また
    は4記載の棒鋼・線材の水冷却装置。
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