JP2833391B2 - 波長変換素子および複数波長光源装置 - Google Patents
波長変換素子および複数波長光源装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒーレントな短波長
小型光源の実現を可能にする、半導体レーザ用波長変換
素子に関する。
小型光源の実現を可能にする、半導体レーザ用波長変換
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】波長変換素子とくに第2次高調波発生
(SHG)素子は、エキシマレーザなどでは得にくいコ
ヒーレントな短波長光を得るデバイスとして産業上極め
て重要である。
(SHG)素子は、エキシマレーザなどでは得にくいコ
ヒーレントな短波長光を得るデバイスとして産業上極め
て重要である。
【0003】半導体レーザは小型で高出力のコヒーレン
ト光を発振する光源として各種の光通信機器や光情報機
器に使用されている。現在この半導体レーザから得られ
る光の波長は0.63μm〜1.55μmの赤色から近
赤外領域の波長である。この半導体レーザをディスプレ
イ等、さらに広く機器に応用するために、緑色、青色
等、より短波長の光が求められているが、現在の技術で
はこの種の半導体レーザをにわかに実現するのは難し
い。半導体レーザの出力程度でも効率よく波長変換でき
る波長変換素子が実現できるとその効果は甚大である。
ト光を発振する光源として各種の光通信機器や光情報機
器に使用されている。現在この半導体レーザから得られ
る光の波長は0.63μm〜1.55μmの赤色から近
赤外領域の波長である。この半導体レーザをディスプレ
イ等、さらに広く機器に応用するために、緑色、青色
等、より短波長の光が求められているが、現在の技術で
はこの種の半導体レーザをにわかに実現するのは難し
い。半導体レーザの出力程度でも効率よく波長変換でき
る波長変換素子が実現できるとその効果は甚大である。
【0004】近年半導体レーザの製作技術が発達して、
従来にも増して高出力の特性が得られるようになってき
た。このため、光導波路型のSHG素子を構成すれば、
光の回折によるエネルギ密度の減少を回避でき、半導体
レーザ程度の光強度でも、比較的高い変換効率で波長変
換素子を実現できる可能性がある。その様な例として、
ニオブ酸リチウム結晶に光導波路を形成し、この光導波
路に近赤外光を透過し、これから結晶基板中に放射(チ
ェレンコフ幅射)される第2次高調波を得る方式のSH
G素子の発明がある(特開昭60−14222、特開昭
61ー94031)。
従来にも増して高出力の特性が得られるようになってき
た。このため、光導波路型のSHG素子を構成すれば、
光の回折によるエネルギ密度の減少を回避でき、半導体
レーザ程度の光強度でも、比較的高い変換効率で波長変
換素子を実現できる可能性がある。その様な例として、
ニオブ酸リチウム結晶に光導波路を形成し、この光導波
路に近赤外光を透過し、これから結晶基板中に放射(チ
ェレンコフ幅射)される第2次高調波を得る方式のSH
G素子の発明がある(特開昭60−14222、特開昭
61ー94031)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方式のSHG素子
は、基本波とSHG波との位相整合条件が自動的に取れ
ているため、精密な温度調節を行なう必要が無いという
特徴を持つ。しかしながら、導波光である基本波と放射
光であるSHG光とは電磁界分布が大幅に異なり、また
伝搬方向に角度差があるため、基本波からSHG光への
変換効率が低く、半導体レーザの出力レベル(最大百m
W程度)では、その効率が0.2%程度と実用的ではな
い。双方のポインティングベクトルの方向が同一である
コヒーレントな変換、すなわち導波された基本波から”
導波”された2次高調波へ変換が行なわれ、且、温度の
変化による屈折率の変動や、入射波長の変動に対して
も、絶えず位相整合条件が保たれ、安定した波長変換が
行なわれるデバイスの構成の発明が必要である。また、
従来実現または提案されている波長変換素子では、波長
毎に素子を設計しなければならず、同じ素子で異なる波
長の2次高調波を発生することができない。一つの素子
で、異なる基本波を注入しても、それぞれのSHG波や
和周波を発生できれば、極めて便利である。たとえば、
2つまたは3つの基本波を注入して、赤、緑、青のSH
G波を高速に任意に取り出せれば、ディスプレイやプリ
ンター等に利用できる。
は、基本波とSHG波との位相整合条件が自動的に取れ
ているため、精密な温度調節を行なう必要が無いという
特徴を持つ。しかしながら、導波光である基本波と放射
光であるSHG光とは電磁界分布が大幅に異なり、また
伝搬方向に角度差があるため、基本波からSHG光への
変換効率が低く、半導体レーザの出力レベル(最大百m
W程度)では、その効率が0.2%程度と実用的ではな
い。双方のポインティングベクトルの方向が同一である
コヒーレントな変換、すなわち導波された基本波から”
導波”された2次高調波へ変換が行なわれ、且、温度の
変化による屈折率の変動や、入射波長の変動に対して
も、絶えず位相整合条件が保たれ、安定した波長変換が
行なわれるデバイスの構成の発明が必要である。また、
従来実現または提案されている波長変換素子では、波長
毎に素子を設計しなければならず、同じ素子で異なる波
長の2次高調波を発生することができない。一つの素子
で、異なる基本波を注入しても、それぞれのSHG波や
和周波を発生できれば、極めて便利である。たとえば、
2つまたは3つの基本波を注入して、赤、緑、青のSH
G波を高速に任意に取り出せれば、ディスプレイやプリ
ンター等に利用できる。
【0006】本発明の目的は、上述の従来の導波路型S
HG素子の持つ変換効率が低いという難点を取り除き、
しかも位相整合条件がゆるいという特徴を持つ新しい構
造の導波路型波長変換素子と、該素子を要素とした簡便
な構成の複数波長光を時間的に切り換えて出力すること
のできる光源とを提供することにある。
HG素子の持つ変換効率が低いという難点を取り除き、
しかも位相整合条件がゆるいという特徴を持つ新しい構
造の導波路型波長変換素子と、該素子を要素とした簡便
な構成の複数波長光を時間的に切り換えて出力すること
のできる光源とを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基本波
および2次高調波の光波に対して透過性の高い半導体材
料の表面に形成した光導波路の上に、前記基本波に対し
て透明であり、かつ該基本波における屈折率が前記導波
路の屈折率よりも高く、前記2次高調波に対しては金属
の特性を有する別なる半導体材料による薄膜を形成し、
前記導波路中にキャリアを注入するための電流印加手段
を有することによって、高効率で安定な波長変換素子が
得られる。また、該波長変換素子と該素子に基本波を注
入する複数のレーザ光源とによって複数波長を時間的に
切り換えて出力することのできる光源装置とが得られ
る。
および2次高調波の光波に対して透過性の高い半導体材
料の表面に形成した光導波路の上に、前記基本波に対し
て透明であり、かつ該基本波における屈折率が前記導波
路の屈折率よりも高く、前記2次高調波に対しては金属
の特性を有する別なる半導体材料による薄膜を形成し、
前記導波路中にキャリアを注入するための電流印加手段
を有することによって、高効率で安定な波長変換素子が
得られる。また、該波長変換素子と該素子に基本波を注
入する複数のレーザ光源とによって複数波長を時間的に
切り換えて出力することのできる光源装置とが得られ
る。
【0008】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき図面を用いて詳
細に説明する。図1は本発明の一実施例である導波路型
波長変換素子の構造を示す図である。1は2次非線形導
波層をエピタキシャル成長させる結晶基板であって、こ
こでは、ガリウム砒素(GaAs)結晶を用いており、
基板方位は、この実施例では2次非線形導波層として成
長させる後述の結晶の結晶学的な対称性を43m想定し
ているため、その非線形光学定数マトリクスの形から、
(110)に選んである。この結晶の表面に、青色光で
も透明度が高く、非線形光学定数の高い硫化亜鉛(Zn
S)層と、これより屈折率が僅かに大きく格子定数の近
いセレン化亜鉛(ZnSe)の薄層とを交互に積んだ導
波層2を設けてある。基板のGaAsは波長1μm以下
の光波を吸収する特性を有するため、導波層2を透過す
る基本波並びに2次高調波が基板によって吸収を受ける
ことのないように、基板との間にZnSの光学的なバッ
ファ層3を予め設けてある。これらの結晶層はMBE法
等で設けることが出来る。導波層2は基板面と平行方向
に光を閉じ込めるために、ここでは、導波路部分以外の
層を除去したメサ構造としてある。
細に説明する。図1は本発明の一実施例である導波路型
波長変換素子の構造を示す図である。1は2次非線形導
波層をエピタキシャル成長させる結晶基板であって、こ
こでは、ガリウム砒素(GaAs)結晶を用いており、
基板方位は、この実施例では2次非線形導波層として成
長させる後述の結晶の結晶学的な対称性を43m想定し
ているため、その非線形光学定数マトリクスの形から、
(110)に選んである。この結晶の表面に、青色光で
も透明度が高く、非線形光学定数の高い硫化亜鉛(Zn
S)層と、これより屈折率が僅かに大きく格子定数の近
いセレン化亜鉛(ZnSe)の薄層とを交互に積んだ導
波層2を設けてある。基板のGaAsは波長1μm以下
の光波を吸収する特性を有するため、導波層2を透過す
る基本波並びに2次高調波が基板によって吸収を受ける
ことのないように、基板との間にZnSの光学的なバッ
ファ層3を予め設けてある。これらの結晶層はMBE法
等で設けることが出来る。導波層2は基板面と平行方向
に光を閉じ込めるために、ここでは、導波路部分以外の
層を除去したメサ構造としてある。
【0009】前記導波層2の上には、電気的に導電性を
有し、波長0.7μm以上の近赤外光の基本波に対して
は高い屈折率を有する誘電体として振舞い、その2次高
調波に対しては金属的な振舞いをする材料として、燐化
ガリウム(GaP)の薄い層4を装荷してある。さら
に、導波層2中に電流を注入するための電極6と、基本
波が該電極による吸収を受けることを避けるために、前
記GaPの装荷層4と電極6との間に、導電性を有し、
かつ、基本波に対して透明で、しかも導波層2の材料で
あるZnSよりも屈折率が低い、光学的バッファ層5を
設けてある。ここに用いる材料としては、無機並びに有
機の導電性薄膜等を使用することができる。また、電極
6と基板1との間に電流を流すように電源7が接続され
ている。
有し、波長0.7μm以上の近赤外光の基本波に対して
は高い屈折率を有する誘電体として振舞い、その2次高
調波に対しては金属的な振舞いをする材料として、燐化
ガリウム(GaP)の薄い層4を装荷してある。さら
に、導波層2中に電流を注入するための電極6と、基本
波が該電極による吸収を受けることを避けるために、前
記GaPの装荷層4と電極6との間に、導電性を有し、
かつ、基本波に対して透明で、しかも導波層2の材料で
あるZnSよりも屈折率が低い、光学的バッファ層5を
設けてある。ここに用いる材料としては、無機並びに有
機の導電性薄膜等を使用することができる。また、電極
6と基板1との間に電流を流すように電源7が接続され
ている。
【0010】導波層2においてキャリアの注入による可
視光領域での屈折率の低下の効果を効率よく発現させる
ために、各層の電気的特性として、基板1、基板と導波
層3との間の光学的バッファ層3とをn型に、導波層2
の大部分をi型に、光学的装荷層4とこれに接した導波
層2の上部とをp型に形成してある。ZnSやZnSe
をp型にしたりn型にしたりは、上記の結晶成長法であ
るMBE法を用いることによって自在に可能であること
は、つとに知られている。
視光領域での屈折率の低下の効果を効率よく発現させる
ために、各層の電気的特性として、基板1、基板と導波
層3との間の光学的バッファ層3とをn型に、導波層2
の大部分をi型に、光学的装荷層4とこれに接した導波
層2の上部とをp型に形成してある。ZnSやZnSe
をp型にしたりn型にしたりは、上記の結晶成長法であ
るMBE法を用いることによって自在に可能であること
は、つとに知られている。
【0011】次に、この素子の原理動作を説明する。基
本波として、例えば波長0.83μmの近赤外光を発振
する半導体レーザ8の出力光を、偏光方向を基板に垂直
な方向にし、TM波として端面から前記導波路2に注入
する。導波路2の方向は、光の透過方向が基板の(00
1)軸に垂直な方向になるように設定してある。導波さ
れた基本波は非線形光学定数dX y を介して2次高調波
に変換されるが、効率良く変換されるには、基本波の位
相速度と2次高調波の位相速度とが等しくなる。いわゆ
る、位相整合が取れていることが必要である。多くの光
学的材料が、そうであるように、ZnSに於いても図2
に示すように、屈折率の波長分散があるために、何の工
夫もなければ位相整合を取ることが困難である。この課
題を解決するために本発明では、導波路2にGaP層を
数百オングストロームと薄く装荷してある。前述の如
く、GaPは波長約0.7μm以上の近赤外では、3.
2〜3.3の高屈折率の透明体である。このため、基本
波の等価屈折率をこの波長での材料固有の屈折率寄り高
くすることができる。一方、波長0.415μmの可視
域では、GaPは金属的な振舞いをする。そして2次高
調波はdX y を介してTE偏光として現れる。周知の如
くTE波の伝搬に対して金属装荷膜の影響はほとんど無
い。このため、2次高調波の等価屈折率は材料固有の屈
折率と大きく変わらない。このため、基本波の等価屈折
率と2次高調波の等価屈折率とを極めて近づけることが
出来る。
本波として、例えば波長0.83μmの近赤外光を発振
する半導体レーザ8の出力光を、偏光方向を基板に垂直
な方向にし、TM波として端面から前記導波路2に注入
する。導波路2の方向は、光の透過方向が基板の(00
1)軸に垂直な方向になるように設定してある。導波さ
れた基本波は非線形光学定数dX y を介して2次高調波
に変換されるが、効率良く変換されるには、基本波の位
相速度と2次高調波の位相速度とが等しくなる。いわゆ
る、位相整合が取れていることが必要である。多くの光
学的材料が、そうであるように、ZnSに於いても図2
に示すように、屈折率の波長分散があるために、何の工
夫もなければ位相整合を取ることが困難である。この課
題を解決するために本発明では、導波路2にGaP層を
数百オングストロームと薄く装荷してある。前述の如
く、GaPは波長約0.7μm以上の近赤外では、3.
2〜3.3の高屈折率の透明体である。このため、基本
波の等価屈折率をこの波長での材料固有の屈折率寄り高
くすることができる。一方、波長0.415μmの可視
域では、GaPは金属的な振舞いをする。そして2次高
調波はdX y を介してTE偏光として現れる。周知の如
くTE波の伝搬に対して金属装荷膜の影響はほとんど無
い。このため、2次高調波の等価屈折率は材料固有の屈
折率と大きく変わらない。このため、基本波の等価屈折
率と2次高調波の等価屈折率とを極めて近づけることが
出来る。
【0012】しかしながら、デバイス長十数mm以下で
数十%の高効率を実現するためには、位相不整合は10
-5以下、即ち基本波、2次高調波の等価屈折率の差を1
0-5以下に設定する事が必要である。現実的に此の精度
を得ることは困難である。例えば、GaP装荷層の厚み
で基本波の等価屈折率は変わるし、入射する波長もばら
つきや温度変動もある。これらを含めて10-5の精度を
確保する事は出来ない。
数十%の高効率を実現するためには、位相不整合は10
-5以下、即ち基本波、2次高調波の等価屈折率の差を1
0-5以下に設定する事が必要である。現実的に此の精度
を得ることは困難である。例えば、GaP装荷層の厚み
で基本波の等価屈折率は変わるし、入射する波長もばら
つきや温度変動もある。これらを含めて10-5の精度を
確保する事は出来ない。
【0013】この課題を解決するために、本発明では、
半導体のキャリア注入による、吸収端における10-2も
及ぶ大きな屈折率低下の減少を利用している。即ち、図
1の電源7からの電流の注入の大きさを変えることによ
って、基本波は吸収端から離れているために変化は小さ
いが、2次高調波は吸収端に近いために、大きく変化す
る。これによって、導波路の等価屈折率の設定が精度高
くなくても、注入する基本波の波長が多少ずれても、ま
た、温度によって半導体レーザの発振波長が揺れても、
印加電流を調節することによって、位相整合条件を10
-5より高精度に合わせることができる。
半導体のキャリア注入による、吸収端における10-2も
及ぶ大きな屈折率低下の減少を利用している。即ち、図
1の電源7からの電流の注入の大きさを変えることによ
って、基本波は吸収端から離れているために変化は小さ
いが、2次高調波は吸収端に近いために、大きく変化す
る。これによって、導波路の等価屈折率の設定が精度高
くなくても、注入する基本波の波長が多少ずれても、ま
た、温度によって半導体レーザの発振波長が揺れても、
印加電流を調節することによって、位相整合条件を10
-5より高精度に合わせることができる。
【0014】上記の実施例では、基本波をTM波、2次
高調波をTE波、利用する非線形光学定数をdxyの場合
を述べた。周知の通り、ZnSやZnSeではエピタキ
シャル成長させる条件、即ち、成長温度や基板によって
は、結晶系が43mの場合だけではなく、6mmをとる
こともできる。此の場合非線形光学定数の最大のものは
dzzであって、この定数を利用するように、基板方位を
選び、入射基本波も出射2次高調波も両方ともにTE波
とすることができる。此の場合には、高屈折率装荷Ga
P層と電極膜との間の光学的バッファ層は省略すること
ができる。
高調波をTE波、利用する非線形光学定数をdxyの場合
を述べた。周知の通り、ZnSやZnSeではエピタキ
シャル成長させる条件、即ち、成長温度や基板によって
は、結晶系が43mの場合だけではなく、6mmをとる
こともできる。此の場合非線形光学定数の最大のものは
dzzであって、この定数を利用するように、基板方位を
選び、入射基本波も出射2次高調波も両方ともにTE波
とすることができる。此の場合には、高屈折率装荷Ga
P層と電極膜との間の光学的バッファ層は省略すること
ができる。
【0015】次に、第2の発明の実施例について図3を
参照して説明する。図3の実施例は、図1の波長変換素
子と複数の波長の半導体レーザとを組み合わせた、多色
発振光源装置の構成の例である。図3は2つの半導体レ
ーザを基本波光源とした、赤、緑、青の光の3原色を発
光する装置であって、11は上記の説明に述べた波長変
換素子で、12,13は、それぞれ波長1.3μm、
0.84μmの、現在市場で最も入手し易い波長の半導
体レーザである。14,15は干渉フィルタを挟み込ん
だプリズムで、14は波長1.3μm付近の光のみを9
0゜に反射させ、他の波長の光を透過させる特性を有
し、15は波長0.84μm付近の光のみを90゜に反
転させ、他の波長の光を透過させる特性を有す。16,
17はそれぞれの波長で設計されたコリメートレンズ、
18はそれぞれの2次高調波の波長間、即ち、0.42
μm〜0.65μmの波長域で集束位置のずれの無い、
色収差の補正された集束レンズである。
参照して説明する。図3の実施例は、図1の波長変換素
子と複数の波長の半導体レーザとを組み合わせた、多色
発振光源装置の構成の例である。図3は2つの半導体レ
ーザを基本波光源とした、赤、緑、青の光の3原色を発
光する装置であって、11は上記の説明に述べた波長変
換素子で、12,13は、それぞれ波長1.3μm、
0.84μmの、現在市場で最も入手し易い波長の半導
体レーザである。14,15は干渉フィルタを挟み込ん
だプリズムで、14は波長1.3μm付近の光のみを9
0゜に反射させ、他の波長の光を透過させる特性を有
し、15は波長0.84μm付近の光のみを90゜に反
転させ、他の波長の光を透過させる特性を有す。16,
17はそれぞれの波長で設計されたコリメートレンズ、
18はそれぞれの2次高調波の波長間、即ち、0.42
μm〜0.65μmの波長域で集束位置のずれの無い、
色収差の補正された集束レンズである。
【0016】上述の第1の実施例で述べた如く、本発明
の波長変換素子は、2次高調波の波長に於ける等価屈折
率の大きさの制御に、電流注入による吸収端近傍の波長
領域の屈折率低下を用いているため、その変化量は10
-2の大きさが可能である。一方、吸収端から遠く隔たっ
た基本波の波長領域の近赤外領域では材料のZnSもG
aPも屈折率の電流注入による変化も小さい、従って、
0.84μm付近の基本波の等価屈折率も1.3μm付
近の基本波の等価屈折率も10-3の桁が異なる程度であ
る。従って、注入する電流値を変えることによって波長
0.84μmの基本波に位相整合させることも、波長
1.3μmの基本波に位相整合させることも可能であ
る。さらに、波長1.3μmと0.84μmの和周波で
ある0.51μmが位相整合するように等価屈折率を合
わせることも可能であることは、容易に推定できる。即
ち、電流値を制御することによって、青、緑、赤のコヒ
ーレント光を高速に、任意に発生させることが出来る。
更に、この光源と光走査装置とを組み合わせることによ
って、TVレートの高速なレーザディスクプレイやビデ
オプリンタ等が構成できる。
の波長変換素子は、2次高調波の波長に於ける等価屈折
率の大きさの制御に、電流注入による吸収端近傍の波長
領域の屈折率低下を用いているため、その変化量は10
-2の大きさが可能である。一方、吸収端から遠く隔たっ
た基本波の波長領域の近赤外領域では材料のZnSもG
aPも屈折率の電流注入による変化も小さい、従って、
0.84μm付近の基本波の等価屈折率も1.3μm付
近の基本波の等価屈折率も10-3の桁が異なる程度であ
る。従って、注入する電流値を変えることによって波長
0.84μmの基本波に位相整合させることも、波長
1.3μmの基本波に位相整合させることも可能であ
る。さらに、波長1.3μmと0.84μmの和周波で
ある0.51μmが位相整合するように等価屈折率を合
わせることも可能であることは、容易に推定できる。即
ち、電流値を制御することによって、青、緑、赤のコヒ
ーレント光を高速に、任意に発生させることが出来る。
更に、この光源と光走査装置とを組み合わせることによ
って、TVレートの高速なレーザディスクプレイやビデ
オプリンタ等が構成できる。
【0017】勿論、基本波の光源は2つに限るものでは
なく、求める2次高調波の波長に対応した基本波光源を
3つ以上の設けてもよい。この際、和周波の発生を嫌う
場合には、波長変換素子への設定電流と基本波レーザの
発振とを時間的に同期させればよい。
なく、求める2次高調波の波長に対応した基本波光源を
3つ以上の設けてもよい。この際、和周波の発生を嫌う
場合には、波長変換素子への設定電流と基本波レーザの
発振とを時間的に同期させればよい。
【0018】
【発明の効果】以上に説明のように、本発明によれば高
効率でしかも安定な導波路型波長変換素子と簡便な構成
の複数波長光を時間的に切り換えて出力することのでき
る光源とが得られる。
効率でしかも安定な導波路型波長変換素子と簡便な構成
の複数波長光を時間的に切り換えて出力することのでき
る光源とが得られる。
【図1】本発明の一実施例の導波路型波長変換素子の構
造を示す斜視図である。
造を示す斜視図である。
【図2】屈折率の波長分散特性を示す図である。
【図3】第2の発明である、簡便な構成の複数波長光を
時間的に切り換えて出力することのできる光源の構成図
である。
時間的に切り換えて出力することのできる光源の構成図
である。
1 GaAs基板 2 導波層 3 バッファ層 4 GaP層 5 バッファ層 6 電極 7 電源 8 半導体レーザ光 11 波長変換素子 12,13 半導体レーザ 14,15 波長フィルタ 16,17 コリメートレンズ 18 集束レンズ
Claims (2)
- 【請求項1】 基本波および2次高調波の光波に対して
透過性の高い半導体材料の表面に形成した光導波路の上
に、前記基本波に対して透明であり、かつ該基本波にお
ける屈折率が前記導波路の屈折率よりも高く、前記2次
高調波に対しては金属の特性を有する別なる半導体薄膜
を装荷し、前記導波路中にキャリアを注入するための電
流印加手段を配することを特徴とする波長変換素子。 - 【請求項2】 請求項1記載の波長変換素子と該素子に
前記基本波を注入する複数のレーザ光源とで構成するこ
とを特徴とする複数波長のコヒーレント光を時間的に切
り換えて出力する光源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33983592A JP2833391B2 (ja) | 1992-11-26 | 1992-11-26 | 波長変換素子および複数波長光源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33983592A JP2833391B2 (ja) | 1992-11-26 | 1992-11-26 | 波長変換素子および複数波長光源装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06160928A JPH06160928A (ja) | 1994-06-07 |
JP2833391B2 true JP2833391B2 (ja) | 1998-12-09 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|---|
JP2009071172A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Sony Corp | 半導体発光素子及びその製造方法、並びに、下地層の形成方法 |
-
1992
- 1992-11-26 JP JP33983592A patent/JP2833391B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06160928A (ja) | 1994-06-07 |
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