JP2830229B2 - 防波堤の構築方法及び防波堤の構造 - Google Patents

防波堤の構築方法及び防波堤の構造

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、海洋構造物の構築方法及び構造に関し、特
に高比重の異形コンクリートブロックを用いる防波堤の
構築方法及び構造に関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 従来、防波堤の1種として、第2図に示すような捨石
堤(傾斜堤)があり、地盤1の上に砕石を投入してグラ
ベルマツト層2を形成し、その上に割石又は異形コンク
リートブロックを略台形に積層して中核部3を形成し、
その表面をテトラポット等の異形コンクリートブロック
4で覆い、かつ天端Tにある幅をもたせ、両側を傾斜さ
せて全体形状を略台形に構成している。
また、第3図及び第6図に示すような混成堤があり、
下部に捨石堤を、上部に直立堤を設けた構成のもの、あ
るいは前面に、直立堤天端位置まで消波工を設けた構成
のもの等がある。
この混成堤は第3図図示のごとく、まず捨石を水中に
投じて基礎マウント10を形成し、その天端部Tにケーソ
ン11を据え付け、さらにケーソン11の前側に基礎マウン
トの前側傾斜面を覆うようにして異形コンクリートブロ
ック4を積層した消波工12を形成して構成される。そし
てまた、第6図図示のごとく、被覆コンクリートブロッ
ク5で覆われた基礎マウント10の上に築工されたケーソ
ン11の前側(図面左方)に消波用の異形コンクリートブ
ロック4を天端位置まで高く積層した消波工12を設けて
構成される。
これら防波堤の構築にあたっては、クレーン船を現場
近くに接近させて、資材を現場海中に投入あるいは現場
に積層する等の作業が行われる。また、港湾への船舶の
入・出航の際においては、船舶は防波堤の近くに接近す
る。
以上のようなクレーン船、船舶の接近の際に、従来の
防波堤におけるごとく、防波堤堤体の入水傾斜部の傾斜
角が緩いと、すなわち水深の浅い堤体の海中占有部が多
くなると、第2図図示のごとく、船舶・クレーン船Sの
船底が浅い水中堤体部4′に接触するので、防波堤近く
に接近することができず、その結果、堤体構築・荷役等
の作業がスムーズに実施できない。また、船舶が暴風、
台風時等にその船底を防波堤の浅い堤体部4′に接して
座礁する危険も多くなる。
ところで、第5図に点線Aで示すごとく、地盤が緩や
かに海中に延びている通常の場合での防波堤築工では、
傾斜堤の法面傾斜角がさほど問題にならないとしても、
同図の実線Bで示すごとく地盤が急峻に海中へ落ち込ン
でいる箇所で防波堤築工をしようとすれば異形コンクリ
ートブロック層は点線Cで示されるごとく際限なく海中
に延設すべきこととなり、結局従来ではそうした急峻な
箇所に傾斜堤・混成堤等の防波堤を築工することは不可
能とされていた。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、以上の課題を解決すべく研究の結果、
これを解決することに成功した。
すなわち本発明は、下記構成の防波堤の構築方法及び
防波堤の構造である。
(1)防波堤を構築する際に、高比重の異形コンクリー
トブロックを用い、かつ通常比重の異形コンクリートブ
ロックを用いる場合に比して、より大きな堤体法面の傾
斜角度にして構築することを特徴とする防波堤の構築方
法。
(2)防波堤が、傾斜堤であることを特徴とする前記
(1)項記載の防波堤の構築方法。
(3)防波堤が、混成堤であることを特徴とする前記
(1)項記載の防波堤の構築方法。
(4)異形コンクリートブロックの比重が2.7〜4.2であ
ることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項
に記載の防波堤の構築方法。
(5)異形コンクリートブロックが、粗骨材としての酸
化鉄鉱石及び細骨材としての砂鉄の総量70〜90重量%、
水/セメント比0.25〜0.7のセメントペースト5〜30重
量%、シリカヒューム/セメント比0.5〜20%のシリカ
ヒューム0.025〜3重量%とからなる重量コンクリート
製造用組成物により製造されたものであることを特徴と
する(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の防波堤
の構築方法。
(6)異形コンクリートブロックが、粗骨材としての酸
化鉄鉱石及び細骨材としての砂鉄の総量70〜90重量%、
水/セメント比0.25〜0.7のセメントペースト5〜30重
量%、シリカヒューム/セメント比0〜20%のシリカヒ
ューム0〜3重量%、超微粉高炉水砕スラグ0.01〜4重
量%とからなる重量コンクリート製造用組成物により製
造されたものであることを特徴とする前記(1)項〜
(4)項のいずれか1項に記載の防波堤の構築方法。
(7)粗骨材の一部として砂利を用い、また細骨材の一
部として砂を用いることを特徴とする(5)項又は
(6)項に記載の防波堤の構築方法。
(8)細骨材としての砂鉄が、酸化鉄鉱石の粉鉱である
ことを特徴とする(5)項〜(7)項のいずれか1項に
記載の防波堤の構築方法。
(9)防波堤の構築方法が、地盤が急峻に海中へ落ち込
んでいる箇所に採用されることを特徴とする(1)項〜
(8)項のいずれか1項に記載の防波堤の構築方法。
(10)防波堤の構造において、堤体法面が、高比重の異
形コンクリートブロックで被覆され、かつ通常比重の異
形コンクリートブロックを用いる場合に比して、より大
きな傾斜角度で構築されてなることを特徴とする防波堤
の構造。
(11)防波堤が、傾斜堤であることを特徴とする前記
(10)項記載の防波堤の構造。
(12)防波堤が、混成堤であることを特徴とする前記
(10)項記載の防波堤の構造。
(13)異形コンクリートブロックの比重が、2.7〜4.2で
あることを特徴とする(10)項〜(12)項のいずれか1
項に記載の防波堤の構造。
(14)防波堤が、地盤が急峻に海中へ落ち込んでいる箇
所に構築されてなることを特徴とする前記(10)項〜
(13)項のいずれか1項に記載の防波堤の構造。
上記においては特に、異形コンクリートブロックの比
重が2.7〜4.2であることが好ましく、その異形コンクリ
ートブロック製品として好ましいものは、異形コンクリ
ートブロックが、粗骨材としての酸化鉄鉱石及び細骨材
としての砂鉄の総量70〜90重量%、水/セメント比0.25
〜0.7のセメントペースト5〜30重量%、シリカヒュー
ム/セメント比0.5〜20%のシリカヒューム0.025〜3重
量%とからなる重量コンクリート製造用組成物により製
造されたものである。
なお、粗骨材の一部として砂利を、また細骨材の一部
として砂を用いることにより、異形コンクリートブロッ
クの比重を任意に調整することもできる。
さらに、粗骨材の酸化鉄鉱石として、酸化鉄鉱石の塊
鉱を、細骨材の砂鉄として、酸化鉄鉱石の粉鉱を用いて
もよい。
次に以上のごとく、本発明を構成した理由を述べる。
本発明者は、まず前記船底接触等が生ずる危険を解消
するための方策を種々思考した結果、防波堤堤体の水中
埋没部分を少なくすること、その方策と一つとして第1
図図示のごとく堤体傾斜角を大きくする(傾斜角α
ことに想到した。
ところで、傾斜角を大きくするといっても、単に傾斜
角を大きく設計したのでは、防波堤は台風時等の強力な
波力により堤体が破壊されてしまう。防波堤、護岸等の
構築には越波防止、波圧軽減のため堤体傾斜部に異形コ
ンクリートブロックが使用され、法面(傾斜面)の被覆
石の安定性の算出には、次式(ハドソン公式)が適用さ
れる。
ただし、 W:異形コンクリートブロック1個の安定所要重量(t) γγ:異形コンクリートブロックの空中比重 α:法面勾配の角度(゜) H:設計波高(m) ω0:海水の比重 Kd :被害係数、捨石の特性と移動の程度によって変わる
係数で捨石全個数に対する移動個数の比で示される。
本発明者らは該式から、法面の傾斜角度を大きくする
には、異形コンクリートブロックの比重を高めることが
非常に有効であることを想起し、該観点に基づいて、本
発明をなすに至ったものである。
本発明者はこうした観点から上記ハドソン公式を分析
した結果、異形コンクリートブロックの比重を高くすれ
ば法面傾斜角(すなわち、cotαの逆数)を大きくでき
ることに気付いた。
こうした思考から本発明をなすに至ったものである
が、従来は防波堤法面の傾斜角を大きくすることができ
なく、前記のごとくその構築が容易でなく、船舶接近の
危険等もあった。
さて、異形コンクリートブロックとしては、比重が従
来の2.5以下の異形コンクリートブロックを使用するの
ではなく、本発明では従来よりかわり比重が高い、2.7
〜4.2の高比重の異形コンクリートブロックを使用する
ことが好ましい。
特に好ましくは、本出願人の特許に係る特許第269705
9号公報記載の重量コンクリート製異形コンクリートブ
ロックの使用が好ましい。これは例えば、粗骨材として
の酸化鉄鉱石及び細骨材としての砂鉄の総量70〜90重量
%、水/セメント比0.25〜0.7のセメントペースト5〜3
0重量%、シリカヒューム/セメント比0.5〜20%のシリ
カヒューム0.025〜3重量%とからなることを特徴とす
る重量コンクリート製造用組成物により製造される。
なお、上記においてはさらに超微粉の高炉水砕スラグ
を加配してもよく、この場合組成物組成比は、粗骨材と
しての酸化鉄鉱石及び細骨材としての砂鉄の総量70〜90
重量%、水/セメント比0.25〜0.7のセメントペースト
5〜30重量%、シリカヒューム/セメント比0〜20%の
シリカヒューム0〜3重量%、超微粉高炉水砕スラグ0.
01〜4重量%とからなるものが好ましい。
従来、重量コンクリートの製造においては、かんらん
石、各種鉄鉱石などの粗骨材に砂などの細骨材とセメン
ト、水とを混合して、これを打設施工していたが、粗骨
材の鉄鉱石は比重が高いため、施工時な下方へ沈んでし
まう分離現象が生じ、その結果不均質な組成の機械的、
化学的特性の劣化した重量コンクリート製品となってし
まう問題があった。上記特許第2697059号公報記載発明
では、細骨材に比重の高い砂鉄を使用し、そして混和剤
にシリカヒューム又は高炉水砕スラグ超微粉末を加える
ことにより、その分離現象の発生を阻止したものであ
る。
さらに、粗骨材に酸化鉄鉱石を用いることにより、
水、海水等の化学環境に対する安定性を高めることがで
きた。
骨材と水、海水との接触に際しては、骨材が硫化鉱で
あると、硫黄分が気、水中の酸素、水及びセメントから
生成する水酸化カルシウムと反応して (1)硫化鉄+酸素+水又は海水+水酸化カルシウ [膨張]:石膏+水酸化鉄 (2)石膏+アルミン酸カルシウム(セメント中の)+
水 [膨張]:エトリンガイト となり、組織内に膨張現象が生じる結果、重量コンクリ
ートの機械的強度が劣化し、化学的特性も劣化する。
これに対して、該発明では粗骨材及び細骨材の両者に
酸化鉄鉱石を用いるため、海水等の化学的環境下で優れ
た安定性を有するものとなる。
そして施工時に高比重骨材とセメントペーストとの比
重差による分離が阻止でき、ブリージング抵抗性も増
し、機械的強度、耐摩耗性の優れた重量コンクリートが
提供できる。該発明により得られた重量コンクリート
は、比重が2.7〜4.2と非常に高く、かつ機械的強度が優
れているため、砕波衝撃を受ける異形コンクリートブロ
ック(防波堤、離岸堤)などに好適に適用できる。
本発明によれば、第1図に実線で示するごとく、水中
堤体部4′法面を堤体側に退去させることができた(法
面傾斜角を大きくした)ため、船舶、クレーン船等Sが
防波堤に近付いても、船底が水中堤体4′に接触するこ
とがなくなる。
そしてまた、傾斜角が大きくなった結果、法面距離が
短くなったので、法面を構築するのに要する異形コンク
リートブロック量も大幅に削減されることとなった。
[実施例] 次に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第4図に示す傾斜堤の構築例について、従来法による
場合と本発明方法による場合を比較・検討する。
傾斜堤の堤体として、異形コンクリートブロック4の
多数個を築工し、法面を形成した。なお、法面傾斜角は
従来法をα1,本発明実施例法をαとする。なおこの場
合、水深hdは20m、堤体高さDは30m、とする。
そこで、従来の普通コンクリートで製造された異形コ
ンクリートブロックを使用して該傾斜堤を構築した場合
と、本発明の高比重コンクリートで製造された異形コン
クリートブロックを使用して傾斜堤を構築した場合にお
ける、所望異形コンクリートブロック数、所要型枠量、
所要作業量等について比較、検討する。
なお、計算根拠は前掲と同じ下記ハドソン公式により
行う。
検討例1(従来例): 従来法の異形コンクリートブロック(比重2.3)を使
用した場合。
ただし、 W1 :異形コンクリートブロック1個の安定所要重量
(t) γγ:異形コンクリートブロックの比重=2.3 α1:法面勾配の角度(゜)18.43゜ cotα=cot18.43゜=3.0 H: 設計波高(m)12.5m ω0:海水の比重=1.03 Kd :被害係数(異形材、被害率によって定まる係数)=
10とした場合 すなわち、異形コンクリートブロック1個の所要重量
は約80tであり、この1個を製造するのに、いわゆる80t
用成形型枠を必要とする。
検討例2(本発明実施例): 本発明実施例の異形コンクリートブロック(比重3.
8)を使用した場合。
ただし、 W2 :異形コンクリートブロック1個の安定所要重量
(t) γγ:異形コンクリートブロックの比重=3.8 α1:法面勾配の角度(゜)33.69゜ cotα=cot33.69゜=1.5 H: 設計波高(m)12.5m ω0:海水の比重=1.03 Kd :被害係数(異形材、被害率によって定まる係数)=
10とした場合 ここで異形コンクリートブロック1個の成形に必要な
成形用型枠について計算すると、 比重2.3の異形コンクリートブロックの場合は80t型枠
が必要であるが、比重3.8の高比重異形コンクリートブ
ロックの場合は、 すなわち、所要型枠は16t用型枠で足りることとな
る。
この結果、本実施例によれば異形コンクリートブロッ
クを製造するに際し、従来例におけるごとき80t用の大
型の型枠を用いることなく、取り扱いの容易な汎用の小
型型枠(16t用型枠)が使用でき、作業性がよいものと
なる。
ここで、第4図に従来例と本発明実施例による傾斜堤
の構築における比較図を示す。
図において、 防波堤設置水深hd −20m 防波堤天端巾 T′ 10m 防波堤堤体高さD 30m 設計波高 H 12.5m ブロック安定係数Kd 10 海水の比重 1.03 普通コンクリート(従来例)の比重 2.3 高比重コンクリート(本実施例)の比重 3.8 l1:45m,l2:90m, L2:2l2+T′=190m, L1:2l1+T′=100m 以上においては、 (a)普通コンクリートブロック(比重2.3)使用の場
合 コンクリートブロックの堤体断面積Aa=3,000m2 法勾配1:3,傾斜角α=18.43゜ Aa=(T′+L2)×D/2 =(10+190)×30/2 =3,000m2 堤体1m当たりの使用コンクリート体積Va=1,500m3/
m 空隙率 0.5 Va=3,000×0.5=1,500m3/m 公有水面の堤長1.0m当たりの占有面積Sa Sa=L2m2/m=190.0m2/m (b)高比重コンクリートブロック(比重3.8)使用の
場合 高比重コンクリートの堤体断面積Ab=1,650m2 法勾配1:1.5,傾斜角α=33.69゜ Ab=(T′+L1)×D/2 =(10+100)×30/2 =1,650m2 堤体1m当たりの使用コンクリート体積Vb=825m3 空隙率 0.5 Vb=1,650×0.5=8250m3/m 公有水面の堤長1.0m当たりの占有面積Sb Sb=L1m2/m=100.0m2/m (c)高比重コンクリートブロック(比重3.03)使用の
場合 但し、 高比重コンクリートの比重 3.03 l3:60m,T′=10m, L3=2×l3+T′=(2×60)+10 130m 高比重コンクリートの堤体断面積Ac=2,100m2 法勾配1:2,傾斜角α=26.30゜ Ac=(T′+L3)×D/2 =(10+130)×30/2 =2,100m2 堤体1m当たりの使用コンクリート体積Vc=1,050m3/ 空隙率 0.5 Vc=2,100×0.5=1,050m3/m 公有水面の堤長1.0m当たりの占有面積Sc Sc=L3m2/m=130m2/m 以上の結果をまとめて第1表に示す。
第1表に示すごとく、従来法(比重2.3)による場合
に比し、本発明実施例(例えば比重3.8)による場合で
は、異形コンクリートブロック1個の所要重量も比重に
少なくすることができ、異形コンクリートブロック製造
のために使用する型枠も比重に小さなものでよいことと
なり、さらに堤体傾斜角度を大きくすることができるた
め、堤体断面積も縮小(約1/2)することができる。そ
して、異形コンクリートブロックの使用量は大幅に縮減
でき、さらに堤体の水面占用面積(堤体の投影面積)も
格段に低減することができる。
こうした改善は従来に類例のない格別顕著なものであ
る。本発明方法による利点をまとめると下記のごときも
のである。
(1)堤体法面勾配が従来例より大きいので、ブームリ
ーチの短い作業クレーン船(すなわち、小型クレーン
船)による施工が可能となり、施工工期も短縮できる。
(2)堤体の水面占有投影面積が小さい(法面部分の水
深が深い)ため、船舶就航の阻害(座礁、船底損傷等)
を僅少にすることができる。
(3)第5図図示のごとく、通常の海底地盤勾配Aに比
して、海底地盤勾配Bが大きい場合には、一般コンクリ
ートの異形ブロックの場合は、法面傾斜角αaを例えば
18.43゜と小さく取らざるを得ないときには、堤体断面
積が非常に大きくなり、使用異形コンクリートブロック
の量は膨大なものとなり、かつ施工期間も非常に長期化
する。また、設計法面勾配が海底地盤勾配に近い場合に
は、実質上施工が不能であるところ、高比重の異形コン
クリートブロックを使用する本発明によれば、法面E傾
斜角αbを例えば33.69゜と大きくとることができ、海
底地盤勾配の急峻な個所でも施工地点として選定するこ
とが可能となり、築工選択地域範囲を広くすることがで
きる。
また、第6図に示すごとく、混成堤においても、本発
明方法によれば消波工の法面傾斜角を大きくとることが
できるため、従来法では不可能である急峻な海底地盤地
形の箇所にも混成堤を築工することができる。
(4)高比重異形コンクリートブロックの所要重量が小
さいために、築工に際して一般の異形コンクリートブロ
ックの取り扱い施工機械より小規模で汎用性のある機械
を用いて容易に施工ができる。
(5)高比重異形コンクリートブロックの堤体断面が大
幅に縮減されたものであるため、完成断面に至るまでの
施工工期が短縮できる。そのため、施工時における不時
の高波を受ける危険のチャンスが少なくなる。
[発明の効果] 以上のとおり本発明によれば、従来例に比較して格段
に優れた下記のごとき作用効果が得られる。
(1)堤体法面勾配が従来例より大きいので、ブームリ
ーチの短い作業クレーン船(すなわち、小型クレーン
船)による施工が可能となり、施工工期も短縮できる。
(2)堤体の水面占有当社面積が小さい(法面部分の水
深が深い)ため、船舶就航の阻害(座礁、船底損傷等)
を僅少にすることができる。
(3)従来、海底地盤勾配が急峻な個所では堤体施工が
実質上不能であったところ、本発明によれば、海底地盤
勾配の急峻な個所でも施工が可能となり、傾斜堤体施工
時点としての選択地域範囲を広くすることができる。
(4)高比重異形コンクリートブロックの所要重量が小
さいために、築工に際して一般の異形コンクリートブロ
ックの取り扱い施工機械より小規模で汎用性のある機械
を用いて容易に施工ができる。
(5)高比重異形コンクリートブロックの堤体断面が大
幅に縮減されたものであるため、完成断面に至るまでの
施工工期が短縮できる。そのため、施工時における不時
の高波を受ける危険のチャンスが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法による堤体の断面状態図と従来法に
おける堤体断面状態図、第2図は従来法における傾斜堤
断面状態図、第3図は従来法における混成堤断面状態
図、第4図は傾斜堤の従来法と本発明実施例法との比較
説明断面図、第5図は本発明実施例による急峻な海底地
盤に傾斜堤を築工した場合と、従来法による築工の場合
との比較説明図断面図、第6図は本発明実施例による急
峻な海底地盤に混成堤を築工した場合と、従来法により
築工した場合の比較説明断面図を各々示す。 1:地盤,2:グラベルマット層,3:中核部, 4:異形コンクリートブロック, 5:被覆コンクリートブロック, 4′:水中堤体部,10:基礎マウント, 11:ケーソン,12:消波工 A:急峻な地盤法面,B:緩やかな地盤法面, C:従来例法面,D:実施例法面, T:天端,S:クレーン船
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−301549(JP,A) 特開 平1−201055(JP,A) 特開 昭49−34140(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02B 3/06 E02B 3/14 303

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防波堤を構築する際に、高比重の異形コン
    クリートブロックを用い、かつ通常比重の異形コンクリ
    ートブロックを用いる場合に比して、より大きな堤体法
    面の傾斜角度にして構築することを特徴とする防波堤の
    構築方法。
  2. 【請求項2】防波堤が、傾斜堤であることを特徴とする
    請求項1記載の防波堤の構築方法。
  3. 【請求項3】防波堤が、混成堤であることを特徴とする
    請求項1記載の防波堤の構築方法。
  4. 【請求項4】異形コンクリートブロックの比重が2.7〜
    4.2であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か1項に記載の防波堤の構築方法。
  5. 【請求項5】異形コンクリートブロックが、粗骨材とし
    ての酸化鉄鉱石及び細骨材としての砂鉄の総量70〜90重
    量%、水/セメント比0.25〜0.7のセメントペースト5
    〜30重量%、シリカヒューム/セメント比0.5〜20%の
    シリカヒューム0.025〜3重量%とからなる重量コンク
    リート製造用組成物により製造されたものであることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の防
    波堤の構築方法。
  6. 【請求項6】異形コンクリートブロックが、粗骨材とし
    ての酸化鉄鉱石及び細骨材としての砂鉄の総量70〜90重
    量%、水/セメント比0.25〜0.7のセメントペースト5
    〜30重量%、シリカヒューム/セメント比0〜20%のシ
    リカヒューム0〜3重量%、超微粉高炉水砕スラグ0.01
    〜4重量%とからなる重量コンクリート製造用組成物に
    より製造されたものであることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれか1項に記載の防波堤の構築方法。
  7. 【請求項7】粗骨材の一部として砂利を用い、また細骨
    材の一部として砂を用いることを特徴とする請求項5又
    は6に記載の防波堤の構築方法。
  8. 【請求項8】細骨材としての砂鉄が、酸化鉄鉱石の粉鉱
    であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1
    項に記載の防波堤の構築方法。
  9. 【請求項9】防波堤の構築方法が、地盤が急峻に海中へ
    落ち込んでいる箇所に採用されることを特徴とする請求
    項1ないし8のいずれか1項に記載の防波堤の構築方
    法。
  10. 【請求項10】防波堤の構造において、堤体法面が、高
    比重の異形コンクリートブロックで被覆され、かつ通常
    比重の異形コンクリートブロックを用いる場合に比し
    て、より大きな傾斜角度で構築されてなることを特徴と
    する防波堤の構造。
  11. 【請求項11】防波堤が、傾斜堤であることを特徴とす
    る請求項10記載の防波堤の構造。
  12. 【請求項12】防波堤が、混成堤であることを特徴とす
    る請求項10記載の防波堤の構造。
  13. 【請求項13】異形コンクリートブロックの比重が、2.
    7〜4.2であることを特徴とする請求項10ないし12のいず
    れか1項に記載の防波堤の構造。
  14. 【請求項14】防波堤が、地盤が急峻に海中へ落ち込ん
    でいる箇所に構築されてなることを特徴とする請求項10
    ないし13のいずれか1項に記載の防波堤の構造。
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