JP2827582B2 - ガスクロマトグラフィ用金属キャピラリカラム及びその製造方法 - Google Patents

ガスクロマトグラフィ用金属キャピラリカラム及びその製造方法

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JP2827582B2 JP3147521A JP14752191A JP2827582B2 JP 2827582 B2 JP2827582 B2 JP 2827582B2 JP 3147521 A JP3147521 A JP 3147521A JP 14752191 A JP14752191 A JP 14752191A JP 2827582 B2 JP2827582 B2 JP 2827582B2
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metal capillary
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広明 岡野
利秀 徳永
亮一 伊東
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/50Conditioning of the sorbent material or stationary liquid
    • G01N30/56Packing methods or coating methods
    • G01N2030/567Packing methods or coating methods coating

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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスクロマトグラフィ
用金属キャピラリカラム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスクロマトグラフィ用金属キャピラリ
カラムは、ステンレス鋼キャピラリカラムの内面に、ポ
リジメチルシロキサン,ポリエチレングリコールなどの
固定相を設けたものである。この金属キャピラリカラム
は、1957年,Golayによって提案され、それま
での充填カラム(packed colum)に比較して優れた分離
能を持つことが分かった。しかし間もなくその内壁の表
面活性(表面が成分を吸着する性質)が決定的な欠点と
して指摘され、無極性成分の分析以外には使用すること
は難しいとされた。
【0003】一方、1979年に溶融石英キャピラリカ
ラム(FSCC)が発表された。FSCCは金属イオン
の含有率が極めて低く、表面のシラノール基も極端に少
ないという素質を持っている。その結果、今日は世界の
キャピラリカラムの大部分はFSCCである。このFS
CCは、不活性さの向上、特殊固定相のコーティングと
いう点に関しては未だ十分とは言えないが、キャピラリ
カラムの素材という見地から見るとFSCCが行きつい
た終点であるが如く思われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、FSC
Cは、意外に折損しやすく、将来の高温ガスクロマトグ
ラフィでは外側のポリイミド被覆の耐熱性に問題があ
る。現状のポリイミドの耐熱性から判断すると350℃
が限界と考えられる。また内径が大きくなると急に取り
扱いが難しく、カラム内径0.53mm以上のものは皆無
である。
【0005】将来の高温(350℃以上)ガスクロマト
グラフィに対応できるものとして、現在のFSCCにア
ルミニュウムなどの金属を10〜20μmコーティング
し、耐熱性を向上させることも考えられるが、金属と石
英ガラスとの線膨張係数の違いにより金属が石英ガラス
より剥離し折れやすい。
【0006】従ってキャピラリカラムの素材としては、
金属が最も良いことになるが、表面活性化が最大のポイ
ントとなる。
【0007】そこで、本発明の目的は、前記した従来技
術の欠点を解消し、金属キャピラリカラムの欠点であっ
た表面活性の問題を解消し、耐熱性に優れた高性能な金
属キャピラリカラム及びその製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のガスクロマトグラフィ用金属キャピラリカ
ラムは、金属キャピラリ内面にコーティングされた厚さ
0.05μm以上1.0μm以下のシリカガラス膜を設
け、該シリカガラス膜の内面に固定相を設けるようにし
た。上記シリカガラス膜のコーティングは、溶剤で希釈
した金属アルコキシド溶液と水とを反応させて得られた
ゲルを金属キャピラリの内面に接触させてゲルのコーテ
ィング膜を形成した後、該ゲルのコーティング膜を乾
燥、透明ガラス化することにより得られる。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、金属キャピラリ内面に
さ0.05μm以上1.0μm以下のシリカガラス膜を
設け、そのシリカガラス膜の内面に成分分離の機能を有
する固定相を設けたので、従来の金属キャピラリカラム
の欠点であった表面活性の問題解消でき、しかも従来
のFSCCの欠点も解消できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0011】本発明によるガスクロマトグラフィ用金属
キャピラリカラムの構造を図1に示した。図1におい
て、1は金属キャピラリ、2はシリカガラス膜、3は成
分分離機能を有する固定相である。
【0012】図2は本発明のガスクロマトグラフィ用金
属キャピラリカラムの製造工程を示したものである。図
2に示すように本発明の製造工程は、先ず金属アルコキ
シド,水,アルコール,酸の混合工程10,得られた金
属アルコシド溶液を放置して粘度を調整する工程11,
金属アルコキシド溶液を金属キャピラリ内にダイナミッ
ク法又はスタティック法によりコーティングする工程1
2,コーティング膜中の水分やアルコールを除去すべく
を乾燥する工程13,コーティング膜をガラス化する工
程14,シリカガラス膜を不活性化する工程15、シリ
カガラス膜に固定相をコーティングする工程16からな
っている。
【0013】先ず内径0.25mm,長さ60mのステン
レス鋼キャピラリを準備する。次にシリカガラス膜コー
ティング用の金属アルコキシド溶液をつくる。金属アル
コキシドは、テトラメトキシシランSi(OC
3 4 ,テトラエトキシシランSi(OC
2 5 4 ,テトラプロポキシランSi(OC3 7
4 ,テトラブトキシシランSi(OC4 9 4 などが
適当である。本実施例ではテトラエトキシシランSi
(OC2 5 4 を用いて金属アルコキシド溶液をつく
った。この金属アルコキシド溶液の組成を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1に示した組成で混合した金属アルコシ
ド溶液を室温で良くかくはんする。このゾル液は室温で
放置すると加水分解及び重合反応によって粘度が徐々に
高くなる。ある粘度に達したら、このゲル液を金属キャ
ピラリ内に吸引或いは加圧によって満たし、次に約1〜
2cm/secの速さで、ゲル液を押出す。この段階で
金属キャピラリ内にはフィルム状のコーティング膜が形
成される。以上が『ダイナミック法』と言われるコーテ
ィング膜の形成方法である。なおこのガラス膜はスタテ
ィク法で形成してもよい。
【0016】次に、形成されたコーティング膜を乾燥さ
せる。コーティング膜には、H2 O,C2 5 OHが残
留している。これらを除去するには、金属キャピラリの
片側からHeガス又はN2 ガスを流し、加温することで
可能である。次に、コーティング膜の透明ガラス化を行
う。金属キャピラリの片側からHeガスを流し、恒温槽
内において500〜1200℃の温度まで上昇させ、透
明なシリカガラス膜とする。このとき、Heガスと同時
に塩素ガスなどのハロゲン化ガスを流しても良い。これ
は、光ファイバの製造技術で知られているように、シリ
カガラス中に存在するOH基を除去することが目的であ
る。以上のようにして金属キャピラリ内に膜厚0.05
〜0.5μm程度のシリカガラス膜が形成された。尚シ
リカガラス膜の膜厚をさらに増大させるには、以上のべ
た操作を繰り返せば良い。本実施例では、この操作を2
回行い、膜厚1.0μmのシリカガラス膜を形成した。
【0017】なお、これ以上の膜厚を形成することも可
能であるが、性能の面では特に向上は認められなく、条
件によってはガラス化の際にクラックを生ずることもあ
り、あまり好ましくない。
【0018】次に、形成されたシリカガラス膜の内表面
に対して通常の不活性化処理を行う。本実施例では、ヘ
キサメチルジシラザン(HMDS)を用いて不活性化処
理を行った。
【0019】次に、シリカガラス膜が形成された金属キ
ャピラリの内面に固定相を形成する。固定相としてはメ
チルシリコーン(OV−1、SE−30相当)をスタテ
ィク法により0.3μmコーティングした。
【0020】本実施例で得られた長さ60mの金属キャ
ピラリカラムの理論段数はC13(n−トリデカン)のピ
ークにおいて、4000段/m(コーティング効率90
%)であった。また、1−オクタノール,2,6−ジメ
チルフェノール,2,6−ジメチルアミンの極性成分に
関してもテーリングがないことも確認した。
【0021】また本カラムを350℃以上の使用におい
ても、破損することはなく、長期間高温で使用すること
ができる。
【0022】なお金属キャピラリ内面にシリカガラス膜
をコーティングする工程以降は、FSCCの製造工程と
全く同等であり、本実施例以外の固定相のコーティング
ももちろん可能である。
【0023】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、従来の金
属キャピラリカラムの欠点であった活性化の問題が解決
され、FSCCの性能と同等なものとすることができる
と共に耐熱性及び機械的強度は材質がステンレス鋼であ
るため極めて良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスクロマトグラフィ用金属キャピラ
リカラムの拡大断面図である。
【図2】本発明における製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1 金属キャピラリ 2 シリカガラス膜 3 固定相
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−144544(JP,A) 特開 昭64−46646(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 30/60 G01N 30/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属キャピラリと、該金属キャピラリの内
    面にコーティングされた厚さが0.05μm以上1.0
    μm以下のシリカガラス膜と、該シリカガラス膜の内面
    に形成された固定相からなることを特徴とするガスクロ
    マトグラフィ用金属キャピラリカラム。
  2. 【請求項2】溶剤で希釈した金属アルコキシド溶液と水
    とを反応させて得られたゲルを金属キャピラリの内面に
    接触させてゲルのコーティング膜を形成した後、該ゲル
    のコーティング膜を乾燥、透明ガラス化して、前記金属
    キャピラリの内面に厚さが0.05μm以上1.0μm
    以下のシリカガラス膜を形成し、該シリカガラス膜の内
    面に固定相を形成することを特徴とするガスクロマトグ
    ラフィ用金属キャピラリカラムの製造方法。
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