JP2825900B2 - 高精度四重極磁気レンズおよびその製造方法 - Google Patents
高精度四重極磁気レンズおよびその製造方法Info
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の分野において、高エネルギー荷電ビームを用いて微小
領域の物性・組成分析、微細加工等をする装置に使用さ
れる四重極磁気レンズを高精度のものにすることを可能
にする技術に関する。
容量を増大し処理速度を高速化することが求められる。
そのためICの高集束化がLSIからVLSIへ、また3次元IC
へと開発が進められている。これに伴って、個々の素子
やその配線等は極微小化および/または多層化し、また
表面から極めて浅い領域が使われつつある。このような
ICの開発、プロセス研究においては、ミクロな領域にお
ける原子分布の分析が極めて重要であり、そるためには
高エネルギー(MeV)の集束イオンビームを使った、1
μm以下の分解能を持つ、ラザフォード後方散乱法(RB
S)や粒子励起X線法(PIXE)などの分析手法が有効で
ある。
束には、普通の電子顕微鏡に較べて、1000倍以上の強い
レンズ系が必要となる。そのために四重極レンズのよう
に非軸対称レンズの利用が考慮される(たとえば、Nucl
ear Instrument and Methods 197(1982)p65〜77)。
極(a)を円筒形のリターンヨーク(b)に取り付けボ
ルト(c)により固定する構造である。第3図はその分
解された状態を示す。
は、 (ここに、e:イオンの電荷、E:ビームエネルギー、M:イ
オンの質量、N:コイル巻数、I:コイル電流、rB:ボーア
半径)で表わされ、ボーア半径rB、すなわち第2図に示
す4磁極の内接円の半径に反比例する。従って、ボーア
半径を小さくするほど、非常に強い集束力が得られる。
的で、高精度で集束力の強い、ボーア半径3mm以下の四
重極磁気レンズの必要が生じてきたのは最近であって、
第2図のような従来構造ではボーア半径10mm以上が一般
的な限界であった。
るため、リターンヨーク半径に較べて非常に小さなボー
ア半径にするには、次の問題がある。すなわち、第2図
の従来構造では、リターンヨーク半径は充分な起磁力す
なわちコイル断面積を与える必要から例えば150mm以上
のままでボーア半径だけ3mm以下にしようとすると、磁
極は細長い形状になってしまい、磁極の位置精度はリタ
ーンヨークとの接合精度に微妙に依存するようになるの
で、構図精度上、所定の磁極関係精度(半径方向±1μ
m、相対角度0.01°以下)を確保するのは困難である。
分布が双曲線分布よりずれ、収差が大きくなり、微小ス
ポットの形成が困難である。例えば2.5mmφのボーア半
径のレンズを用いて1μmのマイクロビームを得る光学
系においては、磁極先端の僅か数μmのずれがビームス
ポットを数μm以上ぼかしてしまう。
易で極めて精度良く磁極配置を定めることができ、従っ
て双曲線磁界に極めて近い磁場分布を形成し得る構造の
四重極レンズを創作することを目的とする。
次の諸手段により構成される。
・組成分析、微細加工等をする装置に使用され、磁極本
体を構成する4つの磁極部と、それらの外周を巡って磁
束路を閉成するリターンヨーク部とからなる四重極磁気
レンズを、 一体の同一磁性材料(純鉄、コバルト合金、バナジウ
ム・バーメンジュール合金等など一般の強磁性体金属)
より前記4つの磁極部と前記リターンヨーク部とを、双
曲線形状をなす前記磁極部の先端の仕上げ加工しろを残
して刳り抜き、 前記刳り抜きを行った後に熱処理により熱応力を除去
し、 前記熱応力の除去を行った後に、双曲線形状をなす前
記磁極部の先端を仕上げ加工することによって形成する
が、少なくとも、この磁極部の先端の仕上げ加工は、ワ
イヤー電極を用いた放電加工により行われる。
らの刳り抜きについても、ワイヤー電極を用いた放電加
工が行われる。
にあたり、前記リターンヨーク部と一体化されている前
記磁極部について、該磁極部の対向する磁極部の先端間
の距離であるボーア直径を10mm以下に形成する。
をμmオーダーの精度に形成する。
その磁極部とリターンヨーク部との接合面が存在しない
ので磁極部先端の相対位置精度を高精度に仕上げること
ができる。また従来構造において生じるボルトのゆるみ
等に起因する経年的な磁極のずれがないので、ボーア直
径が非常に小さい(〜5mmφ)にもかかわらず、安定に
精度のよい双曲線磁場(四重極磁場)を発生する四重極
磁気レンズとすることができる。
削面の磁性体の磁気特性を局所的に変化させるので、こ
のことは小さなボーア直径に切削加工し四重極磁気レン
ズの発生磁場分布に致命的な影響をもたらすことになる
が、本発明でワイヤー電極を用いた放電加工によってお
り、この加工は通常自動温度調整した水の中に浸漬した
状態で加工するので、磁極本体の温度変化が殆どなく、
また加工に伴う加工面の熱影響層も非常に薄い(〜1μ
m)。さらに通常の切削加工に較べ、加工面の残留応力
も非常に小さいという特徴をもっているので、加工精度
のみならず磁気特性を含めて高精度化された四重極磁気
レンズが得られる。
より刳り抜き加工は、磁極本体の軸方向について直線的
な切削加工が可能なため、レンズの厚み方向(40〜60m
m)の全域にわたって、同じ断面形状が確保でき、ボー
ア直径、磁極相対位置を等しくできるので、この点から
も理想的な四重極磁気レンズとなる。
径を10mm以下に形成できるので、荷電ビームに対して集
束力の強いものとなり、高エネルギーのマイクロイオン
ビームを得ることを可能にする。
分の双曲線形状がμmオーダーの精度に形成されるの
で、高精度のビームスポットのマイクロビームを得るこ
とを可能にもする。
工手順をさらに具体的に説明する。第1図は、円筒形磁
性材料(1)にワイヤー電極(2)を用いた放電加工を
行う状況を示す。
ウム・パーメンジュール合金等の強磁性体金属素材から
加工して四重極磁気レンズの磁極本体の厚さ、外周に仕
上げて円筒形磁性材料をつくる。これにワイヤーカット
加工で仕上げ加工代約1mmを残してコイル巻き空間を図
示のように刳り抜いて、4つの磁極部(3)とリターン
ヨーク部(4)とが一体となった中間加工品をつくる。
体の熱処理(焼鈍)を施す。
電極または磁極本体をNC位置制御して移動させて磁極部
先端を双曲線に仕上げ一体品の磁極本体を完成する。
コイルボビンを装着し、コイル巻線を行い本発明の高精
度四重極磁気レンズとする。
する四重極磁気レンズとして、その4つの磁極部の相対
位置精度が高く、ボーア直径を小さくすることができ、
また磁性体の磁気特性が一様で、安定に精度のよい双曲
線磁場を発生し、これらが相俟ってイオンビームの集束
力のすぐれた高精度四重極磁気レンズを得ることができ
る効果がある。
を用いた放電加工により刳り抜きを行う状況を示す斜視
図、第2図は従来の四重極レンズの1例を示す斜視図、
第3図はその分解状態の斜視図である。 (1)……円筒形磁性材料、(2)……ワイヤー電極、
(3)……磁極部、(4)……リターンヨーク部、
(a)……磁極、(b)……リターンヨーク、(c)…
…取り付けボルト、(rB)……ボーア半径。
Claims (3)
- 【請求項1】高エネルギー荷電ビームを用いて微小領域
の物性・組成分析、微細加工等をする装置に使用する四
重極磁気レンズにおいて、 その磁性材料からなる磁極本体を構成する4つの磁極部
と、それらの外周を巡って磁束路を閉成するリターンヨ
ーク部とが同一磁性材料により一体に形成され、 前記磁極部の対向する磁極部の先端間の距離であるボー
ア直径が10mm以下に形成されていることを特徴とする四
重極磁気レンズ。 - 【請求項2】前記磁極部の先端部分が双曲線形状に形成
され、該双曲線形状の部分がμmオーダーの精度に形成
されていることを特徴とする請求項1記載の四重極磁気
レンズ。 - 【請求項3】高エネルギー荷電ビームを用いて微小領域
の物性・組成分析、微細加工等をする装置に使用され、
磁極本体を構成する4つの磁極部と、それらの外周を巡
って磁束路を閉成するリターンヨーク部とからなる四重
極磁気レンズの製造方法であって、 一つの磁性材料より前記4つの磁極部と前記リターンヨ
ーク部とを、双曲線形状をなす前記磁極部の先端の仕上
げ加工しろを残して刳り抜く工程と、 前記刳り抜く工程の後に熱処理により熱応力を除去する
工程と、 前記熱応力を除去する工程の後に、双曲線形状をなす前
記磁極部の先端を仕上げ加工する工程とからなり、 少なくとも、前記磁極部の先端を仕上げ加工する工程
は、ワイヤー電極を用いた放電加工により行われる四重
極磁気レンズの製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1328490A JP2825900B2 (ja) | 1990-01-22 | 1990-01-22 | 高精度四重極磁気レンズおよびその製造方法 |
US07/524,432 US5063294A (en) | 1989-05-17 | 1990-05-17 | Converged ion beam apparatus |
EP90109351A EP0398335B1 (en) | 1989-05-17 | 1990-05-17 | Converged ion beam apparatus |
DE69026751T DE69026751T2 (de) | 1989-05-17 | 1990-05-17 | Ionenbündelfokussierungsvorrichtung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1328490A JP2825900B2 (ja) | 1990-01-22 | 1990-01-22 | 高精度四重極磁気レンズおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03216943A JPH03216943A (ja) | 1991-09-24 |
JP2825900B2 true JP2825900B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=11828901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1328490A Expired - Lifetime JP2825900B2 (ja) | 1989-05-17 | 1990-01-22 | 高精度四重極磁気レンズおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2825900B2 (ja) |
-
1990
- 1990-01-22 JP JP1328490A patent/JP2825900B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03216943A (ja) | 1991-09-24 |
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