JP2825834B2 - グラファイト分散自己潤滑性合金 - Google Patents

グラファイト分散自己潤滑性合金

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は流体潤滑が不可能な各種摺動部材や高温下で
使用される各種摺動部材において、その金属母材上に、
肉盛溶接などの方法により簡単に固体潤滑性を有するグ
ラファイトを均一に分散させた肉盛層を形成させるため
のグラファイト分散自己潤滑性合金に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
グラファイトや二硫化モリブデンは結晶構造上異方性
が強く、特定な結晶面間や原子間でその結合力が弱く、
せん断によって切れやすく、このため内部すべりを起こ
し、低摩擦を与えることから、固体潤滑剤として用いら
れる。特にグラファイトは熱安定性にも優れていること
から多用されている。
従来グラファイトを固体潤滑剤として用いる場合1)
母材表面に直接塗布するかスプレーした後乾燥させて用
いる方法、2)油や樹脂類などの中に懸濁又は分散させ
て用いる方法、3)金属や油脂と混合して複合材料の形
で用いる方法がある。しかしながら1)の方法ではグラ
ファイトを分散させた流体を部材表面に塗布(又はスプ
レー)し、乾燥させるため手間がかかり、かつ被膜が薄
いため長時間の潤滑効果は期待できない。2)の方法で
は、潤滑油に添加して用いるため、その粒度や表面物
性、油との密度差さらには他の添加剤との共存など、グ
ラファイトの安定した油中分散が得にくく、このためグ
ラファイト粒子表面にあらかじめ界面活性剤の吸着膜を
形成させるなど、親油化処理をして油に濡れやすくして
やることが必要である。また、3)の方法では部材内部
にグラファイトが分散しているため、長時間の潤滑効果
が期待できるが、グラファイトの分散性の問題や強度及
び作成の難しさなどの問題がある。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は摺動部にグラファイトを塗布又は油と共
に供給する方法ではなく、部材内部にグラファイトが分
散したものでしかも強度が大きく、製造も容易なものを
種々検討した結果、ある特定の合金組成においてはグラ
ファイトが均一に晶出し、潤滑が良好で耐摩耗性、耐食
性も良好な合金組成を見出した。
Co,Ni及びCo−Ni基については先に特許出願したが、
さらにこれらの基質にFeを含有させたものでも、グラフ
ァイトの晶出が見られ、本発明合金の目的である自己潤
滑性が得られることが判明し、本発明を完成した。
また本発明の合金は、肉盛溶接などの方法で肉盛層を
形成させると同時にこの肉盛層中に球状もしくは片状の
グラファイトを均一に分散させることも可能で作成が容
易であることも見出した。
〔問題を解決するための手段〕
即ち本発明は、重量%でC 1.0〜5.0%,B 0.1〜4.5%,
Si 0.1〜9.0%を含有し、さらに必要に応じてCr 1.0〜1
5.0%又は/およびCu 1.0〜5.0%を含有し残部がCo−Fe
又はNi−Fe又はCo−Ni−Feの一種(但しFeは45%以下)
及び不可避的不純物よりなる組成を有し、グラファイト
が分散していることを特徴とするグラファイト分散自己
潤滑性合金である。
〔作用〕
次に本発明合金の成分限定理由を説明する。
C CはCo−Fe,Ni−Fe又はCo−Ni−Feを主体とした基質
中に球状又は片状のグラファイトとして晶出し、固体潤
滑剤として働き耐摩耗性の向上に寄与する。C含有量が
重量%で1.0%未満では基質のCo−Fe,Ni−Fe又はCo−Ni
−Fe中に固溶し、ほとんどグラファイトとして晶出せ
ず、5.0%以上ではCo−Fe,Ni−Fe又はCo−Ni−Feに対す
る最大溶解度を越えるため、溶湯中に溶解しなくなる。
このためC含有量は1.0〜5.0%に定めた。
B BはCo−Fe,Ni−Fe又はCo−Ni−Feとの間で金属間化
合物を形成し、合金の硬さを上げる働きがある他、合金
に自溶性を与え肉盛溶接を容易にする働きを有する。B
含有量が重量%で0.1%未満では硬さの向上及び自溶性
が得られず、4.5%以上では硬さが高くなりすぎ肉盛層
に割れを生じるようになり好ましくない。また、4.5%
以上になるとCo−Fe,Ni−Fe又はCo−Ni−Feに対するC
の最高溶解度が下がり、グラファイトの晶出がほとんど
見られなくなる。このためB含有量は0.1〜4.5%に定め
た。
Si SiはBと同じようにCo−Fe,Ni−Fe又はCo−Ni−Feと
の間で金属間化合物を形成し、合金の硬さを上げる働き
がある他合金に自溶性を与え、肉盛溶接を容易にする働
きを有する。Si含有量が重量%で1.0%未満では、硬さ
の向上及び自溶性が得られず、9.0%以上では硬さが高
くなりすぎ、肉盛層に割れを生じるようになり好ましく
ない。また9.0%以上になるとCo−Fe,Ni−Fe又はCo−Ni
−Feに対するCの最高溶解度が下がり、グラファイトの
晶出がほとんど見られなくなる。このためSi含有量は1.
0〜9.0%に定めた。
Cr Crは添加しなくても摺動部材としての特定に影響はな
いが、耐食性を必要とする場合にはCrを添加する方が好
ましい。
Crは合金の耐食性を向上させる働きを有し、Cr含有量
が重量%で1.0%未満ではこの働きがほとんど見られ
ず、15.0%以上になるとCとの間で炭化物を形成するよ
うになり、グラファイトの晶出量が低下し自己潤滑性が
得られなくなる。また炭化物の形成にともない肉盛層の
割れ感受性が高くなる。このためCr含有量は1.0〜15.0
%に定めた。
Cu Cuは添加しなくても摺動部材としての特性に影響はな
いが、耐食性を要求される場合にはCrと同じくCuを添加
する方が好ましい。また、CrとCuを複合して添加すれば
より好ましい。
CuとCrと同じように合金の耐食性を向上させる働きを
有するが、Cu含有量が重量%で1.0%未満ではこの働き
がほとんどみられず、5.0%以上になると肉盛溶接時偏
析を起こし、肉盛層に割れを誘発する恐れがある。
なお、CrとCuを複合して添加する場合はそれぞれの下
限及び上限を添加すればよい。
Co,Ni,Fe Co,Ni,Feは本合金において基質となるもので、Co−F
e,Ni−Fe,Co−Ni−Feの組合せで用いられる。Co,Ni,Fe
の内FeはCo,Niと同族元素であり、しかもCo,Niに比べ安
価なため、経済性の面からCo,Niの代替元素としてでき
るだけ多く配合することが望ましい。但し、Fe含有量が
重量%で45%を越えると、FeがCとの間で炭化物を形成
するようになり、グラファイトの晶出がほとんど見られ
なくなり、自己潤滑性が得られなくなる。
また、耐食性も劣化する傾向が出て好ましくない。こ
のためFe含有量は上限を45%と定めた。
Co−Ni−Feの組合せで用いる場合のCo−Niについて
は、Coに対するNiの比率が高くなるとグラファイトの晶
出量が若干減少する傾向がある。しかしながらいずれの
比率におても、本発明合金の目的である自己潤滑性を得
るためのグラファイトの晶出は見られる。これはCoとNi
が同族元素でかつ全率固溶体を形成するためと考えられ
る。
〔実施例〕
次に本発明の合金を実施例により比較例と対比しなが
ら具体的に説明する。
アトマイズ法により、それぞれ第1表に示される成分
組成をもつ本発明の合金及び比較例合金を粉末化(粒子
径105〜177μm)し、これをプラズマ粉末肉盛装置を用
い、SS−41母材上に約2.5mmの厚みに肉盛を行った。こ
うして肉盛した試験片を所定の大きさに切断し、肉盛層
表面を耐水研磨紙及びバフ研磨により研磨し、ビッカー
ス硬さ計で肉盛層の硬さを測定後、摩耗試験に供した。
摩耗試験は第2図に示すように、肉盛した試験片を固定
側、白銑製リングを回転側にして行った。第2表にこの
摩耗試験条件を示す。
腐食試験は、それぞれ第1表に示される成分組成をも
つ本発明の合金及び比較例の合金をアルゴン気流中で溶
解しシエル鋳型に鋳造後、10mm×10mm×10mmに切断した
ものを試験片とし、5% H2SO4(沸騰中)に6時間浸
漬し、その時の腐食減量を測定した。
第1表は、この摩耗試験・肉盛試験及び肉盛層の測定
結果を示したものである。
また、第1図は摩耗試験の結果得られた試験片及び相
手材(リング)の摩耗減量を図示したものである。第3
図は、本発明の合金No.2及びNo.6における肉盛層断面の
X線写真で、組織からわかるように、合金基質中にグラ
ファイトが均一に分散していることがわかる。
第1表、第1図に示すように、本発明の合金は比較例
の合金に比べ摩耗が少なく、かつ相手の摩耗も少ない。
こうしたことから、無潤滑の状態において良好な潤滑性
を示していることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明によるグラファイト分散自己潤滑性合金は、金
属母材にプラズマアークやレーザービームなどの熱源に
より肉盛すると同時に、その肉盛層中に球状及び片状グ
ラファイトを均一に分散させようとするもので、こうし
て形成した肉盛層は、比較例の合金に比べて耐摩耗性に
優れ、かつグラファイトが肉盛層全体にわたり均一に分
散しているため、グラファイトを塗布(またはスプレ
ー)した場合に比べ長時間潤滑効果が得られる。
なお、上記実施例では、本発明の合金を金属母材上に
粉末肉盛して用いたが、これを鋳物として用いても肉盛
同様、優れた特性を示す。
上述のように、本発明の合金は、流体潤滑が不可能な
各種摺動部材に使用することで、潤滑の効果が得られる
とともに、装置の小型集約化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、摩耗試験後の試験片及び相手材の摩耗減量、
第2図は摩耗試験概略図、第3図は本発明の合金No.2及
びNo.6における肉盛層断面のX線写真で1−A,1−Bは
合金No.2で、2−A,2−Bは合金No.6である。また、A
は反射電子像でBはCKαの特性X線像である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 19/00 - 19/07 C22C 37/00 - 38/60 B23K 35/22 - 35/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC 1.0〜5.0%,B 0.1〜4.5%,Si
    0.1〜9.0%を含有し、残部がCo−Fe又はNi−Fe又はCo−
    Ni−Feの一種(但しFeは45%以下)及び不可避的不純物
    よりなる組成を有し、グラファイトが分散していること
    を特徴とするグラファイト分散自己潤滑性合金。
  2. 【請求項2】重量%でC 1.0〜5.0%,B 0.1〜4.5%,Si
    0.1〜9.0%を含有し、さらにCr 1.0〜15.0%を含有し、
    残部がCo−Fe又はNi−Fe又はCo−Ni−Feの一種(但しFe
    は45%以下)及び不可避的不純物よりなる組成を有し、
    グラファイトが分散していることを特徴とするグラファ
    イト分散自己潤滑性合金。
  3. 【請求項3】重量%でC 1.0〜5.0%,B 0.1〜4.5%,Si
    0.1〜9.0%を含有し、さらにCu 1.0〜5.0%を含有し、
    残部がCo−Fe又はNi−Fe又はCo−Ni−Feの一種(但しFe
    は45%以下)及び不可避的不純物よりなる組成を有し、
    グラファイトが分散していることを特徴とするグラファ
    イト分散自己潤滑性合金。
  4. 【請求項4】重量%でC 1.0〜5.0%,B 0.1〜4.5%,Si
    0.1〜9.0%を含有し、さらにCr 1.0〜15.0%とCu 1.0〜
    5.0%を含有し、残部がCo−Fe又はNi−Fe又はCo−Ni−F
    eの一種(但しFeは45%以下)及び不可避的不純物より
    なる組成を有し、グラファイトが分散していることを特
    徴とするグラファイト分散自己潤滑性合金。
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