JP2823792B2 - 吸入曝露された粒子測定装置 - Google Patents
吸入曝露された粒子測定装置Info
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Description
新規な定量的測定装置に関する。さらに詳しくは、本発
明は、吸入剤研究および吸入毒性試験、環境安全性試験
などに於いて不可欠とされる吸入曝露実験において、特
に、動物の呼吸器内に沈着した粒子の絶対量および吸入
曝露された粒子の粒度分布を測定する装置に関する。
積が最も大きい主要臓器であり、その面積は200m2に
も達する。その主たる生理的役割は、肺胞部より酸素を
取り込み、二酸化炭素や水を放出するガス交換、すなわ
ち呼吸機能を司ることであり、ひとの生命維持活動にお
いて不可欠な臓器の1つとなっている。
然その接触表面で空気と接触しており、その空気中に浮
遊する塵埃や細菌などの異物は、一部鼻腔や咽頭で捕捉
されるものの、肺表面の粘膜まで到達、沈着することも
常である。しかし、生体の生理的防御機能として、塵埃
や細菌が肺表面に沈着しても、咳反射や肺胞マクロファ
ージによる貪食、さらには粘液と混じて痰として線毛上
皮細胞の作用により体外に排出する機構が働いており、
それら体外からの異物が作用しないようになっている。
ら空気中に浮遊する塵埃や細菌をはじめ、アレルギー反
応の抗原となるスギ花粉や動物体毛、さらには労働環境
中の化学物質などが呼吸器内に沈着したとき、生体に与
える影響を検討することを目的として、通常、動物を用
いた吸入曝露実験による評価が行われてきた。
て行われてきた動物吸入曝露実験は、呼吸器に関する基
礎的研究、例えば、呼吸生理学、生化学、解剖学、呼吸
病態学など、および毒性学的研究に主眼が置かれる場合
が多く、特に吸入した粒子の社会的な規制や技術を定め
るのに必要な情報を得るための現実的な実験としてとら
えられている。
ては、全身曝露、頭部曝露、鼻口部曝露、カニューレに
よる気管内曝露の4方法があり、各々特徴を有してお
り、適宜いずれかの方法が採用されている。
吸入曝露したとき、実際に動物の呼吸器内の各部位に沈
着した物質の絶対量を測定することは本質的に極めて困
難であり、その代用として、通常、曝露量、吸収量ある
いは直後摘出肺内残存量が用いられてきた。また、特に
現実の空気の質や量の規制を行うことのみを目的とした
環境安全性試験では、環境空気中の濃度が対象となるこ
とから、吸入空気中の物質濃度を曝露量とする場合もあ
った。この場合、量としての評価は環境空気中の物質濃
度と曝露時間の積で表され、現在も環境安全性試験では
この値が汎用されている。
は異なり、肺が外界と接触する面積が最も大きいことを
薬物の投与ルートとして利用して、薬物を吸気に乗せて
送達する吸入剤の研究が、近年盛んになっている。吸入
剤は、経口と比して少量の投与量で、比較的速効性の作
用を示し、しかも全身性の副作用が回避できることか
ら、特に呼吸器疾患においては主たる剤形となりつつあ
る。さらに、最近では、肺が比較的高分子の薬物も良好
に吸収することから、全身作用薬の投与ルートとしても
注目されている。この場合、薬物粒子が吸入されて、呼
吸器内のどの部位に到達、沈着するかによって効果発
現、吸収などに大きな影響を与えることはいうまでもな
い。
が、どの部位に到達、沈着するかは、主に粒子の大き
さ、密度、形、電荷などの粒子の性質、液滴濃度、粉末
あるいは液滴の粒度分布、呼吸パターンなどの多くの要
因の関与による。しかし、それらの中で最も重要な因子
は粒子の大きさ、すなわち粒子径である。粒子径と呼吸
器内の沈着部位の関係は研究者によって報告が異なるた
め、絶対的ではないが、一例を挙げると、10μm以上
の粒子は鼻腔および咽頭で捕捉されてしまい、気管、気
管支以降に沈着するための粒子径は2〜5μm、また肺
胞に沈着するための粒子径は0.3〜2μmの粒子であ
るとのことである(医用エアゾール研究会報告)。従っ
て、薬物の製剤粒子設計、特に粒子径の制御がその呼吸
器内の到達、沈着部位に大きく影響し、その治療効果を
決定することにもなるのである。
効果を発現させる吸入剤の研究においては、実際に呼吸
器内に沈着した薬物の薬効および毒性に関する用量−反
応関係、肺に沈着した薬物の体内動態、さらにはそれら
と製剤粒子設計との相関の検討が不可欠であり、特に前
臨床段階においては、動物に吸入曝露したときの評価が
重要となってくる。特に前記のように、呼吸器内の薬物
沈着部位がその製剤粒子設計と大きく相関することか
ら、製剤粒子設計と呼吸器内の粒子沈着量および沈着分
布、さらにそのときの薬効および毒性に関する用量−反
応関係が把握できる厳密な動物吸入曝露装置が必要とさ
れる。
従来、特開昭63−296753号公報に記載されたも
のが知られている。かかる装置は実験動物への鼻部曝露
装置と、前記鼻部曝露装置に空気を供給する給気装置お
よび排出する排気装置と、試験物質を給気路に粒子状に
混入させる試験物質発生装置と、排気路を浄化処理する
排気処理装置と前記給気路および排気路内の試験物質濃
度を測定する測定装置から構成されており、実験動物の
鼻部に対して粒子状の試験物質を経気投与し、その投与
量をも測定できることを特徴としたものである。この特
開昭63−296753号公報による測定装置において
は、試験物質の投与量は給気路および排気路内の試験物
質濃度の差に関連した量として算出されることとされて
いるが、その算出のためには別に測定装置内の空気流量
を測定しなければならない。さらには特開昭63−29
6753号公報による測定装置においては、実験動物に
吸入投与する試験物質の粒度および粒度分布は求めるこ
とはできず、前述のような製剤粒子設計と沈着用量およ
び分布までも把握できる厳密な動物吸入曝露装置とはな
らず、この点においても不十分であった。このように、
現在までに環境安全性試験および毒性試験で確立されて
きた動物吸入曝露実験システムを利用したのでは、その
動物の呼吸器の各部位に沈着した物質の粒子絶対量を正
確に測定することは極めて困難であり、吸入剤研究に求
められるような薬効および毒性の用量−反応関係すら、
厳密に把握することができなかった。さらに、製剤粒子
設計が呼吸器内の薬物沈着に与える量的および部位的な
影響については、全く評価できないでいた。つまり、現
状では、呼吸器内に取り込まれにくい10μmの粒子
と、容易に呼吸器内に沈着しうる1μmの粒子を同じ濃
度で同じ時間、それぞれ動物に吸入曝露したとき、その
生体に対する影響は絶対的な差異が生じるにも関わら
ず、同量を吸入曝露した同じ条件での評価になってしま
うのである。
法として、しばしば経気道気管内注入投与法が用いられ
てきた。経気道気管内注入投与法は、強制的に薬物をそ
のまま、あるいは液体を媒体として注入する方法である
が、本投与法では呼吸器内に沈着した薬物の絶対量とし
ての把握は正確にできるものの、呼吸器内の薬物の沈着
部位分布が吸入したときと大きく異なり、局所的になっ
てしまうこと、また液体で投与することが多いため、環
境中塵埃や粉末吸入剤などの評価では、物質によっては
実際呼吸器内に沈着したときの挙動とは大きく異なる場
合があることから、あまり適当ではないことが指摘され
ている。
研究に求められる薬効および毒性に関する用量−反応関
係を正確に把握、評価する厳密な吸入曝露実験法は現在
までに確立されておらず、その代替法としての経気道気
管内注入投与法も呼吸器内の薬物沈着分布が異なる点で
適当でない。さらに近年、環境安全性試験においても、
より詳細な安全性評価が必要となっていることもあり、
動物の吸入曝露実験においては呼吸器内に沈着した物質
の用量−反応関係を正確に反映することが課題となって
いた。従って、本発明は、特に動物の吸入曝露実験にお
いて、薬効および毒性の用量−反応関係を正確に評価で
きる厳密な測定装置を提供することを目的とする。
2個の人工呼吸器、分級機能を有する2個の重量測定器
および制御装置を備えた吸入曝露された粒子測定装置で
あって、該2個の重量測定器のうち1個は該人工呼吸器
のうち1個の人工呼吸器の呼気口に、他の1個は他の人
工呼吸器の気管口にそれぞれ設置され、該2個の人工呼
吸器、2個の重量測定器がそれぞれ、制御装置により制
御されていることを特徴とする吸入曝露された粒子測定
装置を提供するものである。以下本発明を、特に動物に
吸入曝露された粒子の測定装置について、図面を用いて
説明する。
装置(以下、「本発明の測定装置」ということがある)
の配置図の概略を示す。図1に示す測定装置において
は、2個の人工呼吸器7a、7bにそれぞれ、分級機能
を有する2個の重量測定器1a、1bが設置されてい
る。重量測定器1a、1bは、それぞれ付属する吸引用
のポンプ3a、3bおよびA/D変換器4を介して制御
装置5と連結され、人工呼吸器7a、7bは直接制御装
置5と連結されて、それぞれ制御装置5により制御され
るようになっている。
a、7bは、一般に動物に接続する気管口と呼気の排出
口である呼気口および酸素やエアロゾル等が供給される
吸気口を有し、定容量、定回数の呼吸を強制的に達成す
ることができるようになっている。このような人工呼吸
器としては、例えば、定容量レスピレータ〔ハーバード
(株)製〕や動物人工呼吸器2型(夏目製作所製)など
を挙げることができる。
下、単に、「重量測定器」という)1a、1bとして
は、捕集した粒子の分級機能を有することを要し、例え
ば、水晶発振板よりなる分級用のプレートを有し、各プ
レートの重量変化による振動数の変化を検出できるもの
が好ましい。また、重量測定器1a、1bにはそれらを
作動させるための吸引用のポンプ3a、3bがそれぞれ
付属しており、それらのポンプは一定流量で吸引できる
ことが好ましい。
置各部を制御するCPU(中央演算装置)14と、CP
U14において用いられる制御プログラムが格納されて
いるROM11とデーター時格納用のRAM12と、C
PU14と装置各部(2個の動物用人工呼吸器7a、7
b、A/D変換器4、表示手段15、キーボード16)
とを接続するインタフェース13とからなっている。ま
た、制御装置5には2個の人工呼吸器7a、7bおよび
2個の重量測定器付属のポンプ3a、3bのオン・オフ
スイッチが接続され、ROM11にそれらを制御するプ
ログラムが格納されている。
置5に、吸入曝露時間を上記キーボード16から入力し
て、制御装置5の記憶手段により記憶させ、吸入曝露開
始信号の入力、記憶とともに、重量測定器1a、1bお
よび人工呼吸器7a、7bを作動させて、麻酔下の動物
9に吸入曝露させる。この測定装置においては、重量測
定器1a、1bの各プレートにおける振動数の変化によ
る検出信号に基づき、粒子捕集量を制御装置5の演算手
段により算出して記憶手段により記憶し、吸入曝露時間
における動物への吸入粒子の絶対量および吸入曝露され
た粒子の粒度分布を、演算手段により演算して、記憶、
表示手段により記憶、表示する。
ると、従来の吸入曝露システムでは測定できなかった吸
入曝露粒子の絶対量および吸入曝露された粒子の空力学
的粒度分布を即時的に知ることができる。また、新たな
動物への吸入毎に重量測定器の各プレート重量を初期化
することにより、連続的に多数の吸入曝露における粒子
の測定が可能である。さらには、麻酔された動物への気
管内曝露のみならず、無麻酔下自然吸入曝露における粒
子の測定にも用いることができ、この場合には同一個体
に対する連続での吸入実験も可能となる。
ては、前記2個の人工呼吸器7aおよび7bに替えて2
個の換気用エアーフローポンプが動物保定用チャンバー
とともに接続される。自然吸入曝露における測定装置に
用いることのできる換気用エアーフローポンプとして
は、100〜300ml/min程度の定常流れが保証
されるバイアスフローボックス〔BOXCO(株)製〕
などを利用することができる。この場合、重量測定器1
aは動物の保定されたチャンバーに、重量測定器1bは
動物の保定されていないチャンバーに、それぞれ開放設
置される。
における実施例を詳細に説明する。図3に麻酔された動
物への気管内曝露における粒子測定の一例を示す。図3
に示す例においては、エアロゾル発生器17で作り出さ
れ、レーザ粉塵計19および濃度コントロールユニット
18によって制御されるエアロゾルが、排気処理装置2
1を備えた容量60リットルの緩衝器である大容量チャ
ンバ20内で定常的な一定濃度に制御される。緩衝器の
容量は好ましくは20〜80リットルであると濃度制御
を良好に行うことができる。この大容量チャンバ20と
人工呼吸器7a、7bの吸気口が連結され、一定濃度の
エアロゾルが人工呼吸器7a、7bに供給される。動物
用人工呼吸器7aの気管口7a−1には、麻酔下気管カ
ニューレを施されたモルモットが接続され、同時に呼気
口7a−2に重量測定器1aの捕集口部が開放設置され
る。一方、人工呼吸器7bの気管口7b−1には重量測
定器1bの捕集口部が開放設置されている。
器1bでは7b−1を通過した、すなわち動物用気管口
7a−1で曝露した粒子量が、一方重量測定器1aでは
曝露された粒子のうち、動物の呼吸器内に沈着せず呼気
中へ排出された粒子量が測定される。
入曝露時間における2個の重量測定器1aと1bの捕集
粒子の総量の差を算出することにより、動物に吸入曝露
されて呼吸器内に沈着した粒子の絶対量を測定すること
ができる。さらに、重量測定器1a、1bの各プレート
毎の捕集粒子量の差から動物に吸入曝露された粒子の粒
度分布を測定することができる。これらの演算は、制御
装置5各部を制御するCPU14とCPU14において
用いられる制御プログラムが格納されているROM11
およびデータ時格納用のRAM12によって演算処理さ
れるよう、前記ROM11に制御プログラムとして格納
されている。
た粒子の測定法は、その概略を図4に示すような下記手
順に従って行われる。
トロールユニット18によって制御されているエアロゾ
ル発生器17から大容量チャンバ20内に定常的な一定
濃のエアロゾル状態を作成する。SP2 :重量測定器1a、1bおよび人工呼吸器7a、
7bが連結された、記憶手段、演算手段および表示手段
を有する制御装置5に、動物への吸入曝露時間を入力し
て、制御装置5の記憶手段により記憶させる。SP3 :動物用人工呼吸器7aの気管口7a−1に麻酔
下気管カニューレを施された動物9を接続し、呼気口7
a−2に重量測定器1aの捕集口部を開放設置する。一
方、人工呼吸器7bの気管口7b−1に同様に重量測定
器1bの捕集口部を開放設置する。
号を入力して、制御装置5の記憶手段により記憶し、重
量測定器1a、1bの吸引ポンプ3a、3bおよび人工
呼吸器7a、7bを作動させる。このとき、人工呼吸器
7a、7bはそれぞれ吸気口を大容量チャンバ20に接
続されており、定常的な一定濃度のエアロゾルの動物へ
の吸入曝露が開始される。SP5 :重量測定器1a、1bの各プレートの重量変化
をプレートを構成する、例えば水晶発振板の振動数変化
で検出し、その検出信号をA/D変換器4を介して制御
装置5の記憶手段により記憶させる。SP6 :制御装置5の記憶手段に記憶されている動物吸
入曝露時間までの水晶発振板からの検出信号より、制御
装置5の演算手段により動物への吸入粒子の絶対量およ
び吸入曝露された粒子の粒度分布を演算して記憶させ、
表示手段15により表示させる。
ータモデル683〔ハーバード(株)製〕を、重量測定
器1a、1bとして衝突式分級機能を有するQCMカス
ケードインパクタ〔アンダーセン(株)製〕を用い、図
3に示す装置を用いて、蛍光物質であるフルオレセイン
微粉体(体積平均径1.81μm、幾何標準偏差2.0
5)をエアロゾル発生器17〔ダストフィーダ、柴田科
学(株)製〕で大容量チャンバ20内へ、6.26μg
/lの一定濃度で発生させて、吸入曝露時間10分を制
御装置5に入力して記憶させ、動物1回換気量で収縮可
能なゴム製模擬肺を麻酔された動物のかわりに動物用気
管口7a−1に接続し、吸入曝露開始信号の入力ととも
にポンプ3a、3bで28.3l/min の一定流量で吸
引し、人工呼吸器7a、7bを作動させて、模擬肺へエ
アロゾルを吸入曝露させた。人工呼吸器7a、7bは1
回換気量2.5ml、1分間換気回数80回に設定し
た。
各プレートからの検出信号より、模擬肺への吸入粒子の
絶対量および吸入曝露された粒子の空力学的粒度分布を
制御装置5により演算して記憶し、表示させた。その
後、模擬肺内部を洗浄、回収して沈着したフルオレセイ
ンを定量した。これを3回繰り返し行った。本測定装置
の制御装置5によって演算された沈着量を、回収定量し
て得られた模擬肺沈着量(表1中、回収量)と比較して
表1に示す。
明の装置を用いて演算、算出された模擬肺沈着量として
の値が妥当であることは明らかである。
演算された空力学的粒度分布と、QCMカスケードイン
パクタ1bによって測定された空力学的粒度分布の比較
を図5に示す。両者の粒度分布は良好に一致した。模擬
肺は吸入したエアロゾルの空力学的粒度分布を損なわず
に一部が沈着し、残りが呼気中に出ると考えられるた
め、この空力学的粒度分布の一致により、演算された空
力学的粒度分布が肺内に沈着した粒子の空力学的粒度分
布として測定できることが示された。
麻酔下気管カニューレを施されたモルモット(Hartley
系、雄、6週令、280〜330g)を、実施例1と同
じ装置の気管口7a−1に接続し、実施例1と同じ条件
で作動させた。大容量チャンバ20内に発生させたエア
ロゾルとしては実施例1と同じフルオレセイン微粉末
(体積平均径1.81μm、幾何標準偏差2.05)を
用いた。吸入曝露後、直ちに気管から肺組織を気管、気
管支、肺中心部、肺末梢部に分画摘出して、各組織中の
フルオレセイン量を定量した。沈着粒子量として本測定
装置によって演算された結果を吸入曝露直後に摘出した
肺組織中に残存していたフルオレセイン量と比較して表
2に示す。
子量332.3の低分子量の物質であるため、肺からの
吸収は速やかであることが推測され、その場合直後摘出
した肺からのフルオレセイン定量値を吸入曝露量とする
ことは、吸入曝露および摘出に要する時間を考慮すると
不正確であることが懸念されていた。
処理されたモルモット肺沈着量と摘出肺からの定量値は
大きく異なり、従来正確な測定法がないまま吸入曝露量
として代替されてきた、直後摘出肺残存量の妥当性が否
定された。
量が実際の沈着量と一致したこと、およびモルモットを
用いた本実施例2で直後摘出肺内残存量は演算された沈
着量と大きく異なり、吸収がある分過小評価してしまう
ことを考え合わせると、投与量としての吸入粒子の絶対
量としては、本発明の測定装置によって演算された沈着
量が有用であることが明らかとなった。
a、1bによって測定され、制御装置5で演算されたモ
ルモット肺内に吸入曝露されて沈着した粒子の空力学的
粒度分布から理論的に求められる沈着部位分布と実際に
摘出分画した肺内の沈着部位分布を比較して図6に示
す。
レセインの吸収分が差し引かれているものの、両者は比
較的良好に一致し、本発明の装置を用いると、実際に肺
内に沈着した粒子の空力学的粒度分布までも知ることが
でき、本発明の測定装置が画期的な装置であることがわ
かる。
きるかを検討するために、実施例1、2で用いたフルオ
レセイン微粉末をジェットミル粉砕機で粉砕して粒度を
小さくし、この微粉末を用いて、実施例2と同様にして
実験を行った。結果を図7に示す。
いると、発生したエアロゾルの空力学的粒度を小さくし
た場合でも、その粒度分布の変化に対応した沈着部位分
布の変化を得ることができる。
と、従来全く評価できなかった製剤粒子設計とその沈着
部位分布評価、さらにはその用量−反応関係の評価が可
能となる。
できなかった、吸入曝露により実際に動物の呼吸器内に
沈着した粒子の絶対量および吸入曝露した粒子の空力学
的粒度分布を正確に測定できることができる。従って、
特に吸入剤研究において、重要な評価となっている呼吸
器内に沈着した薬物の薬効および毒性に関する用量−反
応関係、吸入薬物の体内動態、さらにはそれらと製剤粒
子設計との相関の検討が可能となる。また一方で、近
年、より詳細な評価が望まれるようになってきている環
境安全性試験などにおいても極めて有用である。
行う場合の装置の概略図である。
概略を示すフローチャートである。
算された空力学的粒度分布とQCMカスケードインパク
タ1bによって測定された空力学的粒度分布の比較を示
すグラフである。
的粒度分布から求めた沈着部位分布と実際のモルモット
の肺内沈着部位分布の比較を示すグラフである。
ときの沈着部位分布の結果の比較を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも、2個の人工呼吸器、分級機
能を有する2個の重量測定器および制御装置を備えた吸
入曝露された粒子測定装置であって、該2個の重量測定
器のうち1個は該2個の人工呼吸器のうち1個の人工呼
吸器の呼気口に、他の1個は他の人工呼吸器の気管口に
それぞれ設置され、該2個の人工呼吸器、2個の重量測
定器がそれぞれ、制御装置により制御されていることを
特徴とする吸入曝露された粒子測定装置。 - 【請求項2】 制御装置が、記憶手段、演算手段および
表示手段を有する請求項1記載の吸入曝露された粒子測
定装置。 - 【請求項3】 2個の人工呼吸器が、エアロゾル発生器
を連結された、かつ排気処理装置を備えた大容量の緩衝
器とそれぞれ連結されている請求項1記載の吸入曝露さ
れた粒子測定装置。 - 【請求項4】 2個の人工呼吸器に替えて、2個の換気
用エアーフローポンプが設置されている請求項1〜3の
いずれか1項記載の吸入曝露された粒子測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5317462A JP2823792B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 吸入曝露された粒子測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5317462A JP2823792B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 吸入曝露された粒子測定装置 |
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JPH07146228A JPH07146228A (ja) | 1995-06-06 |
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WO2017060097A1 (en) * | 2015-10-07 | 2017-04-13 | Koninklijke Philips N.V. | Device, system and method for determining a respiratory feature of a subject based on a breathing gas |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP5317462A patent/JP2823792B2/ja not_active Expired - Fee Related
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