JP2820721B2 - Ｑｒｓ検出装置 - Google Patents

Ｑｒｓ検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔Ｉ〕産業上の利用分野 本発明は、QRS検出方法装置、特に心拍数のカウント
等の基準となる心電図信号のQRS波に同期した同期信号
を出力するQRS検出装置に関する。
〔II〕従来の技術 上述した同期信号を出力するためには、予めQRS波を
検出しなければならないが、従来は第３図に示すように
して、QRS波を検出していた。
即ち、第３図において、心電図信号ECGのQRS波のピー
ク値P1に基づいて閾値Th1を算出し、Th1を越える波を次
のQRS波として検出して同期信号SYNC1を出力する。
〔III〕発明が解決しようとする課題 上述した従来技術は、QRS波のピーク値に基づいて閾
値を算出していた。
しかし、この方式では閾値が固定されており、心電図
信号ECGに含まれるノイズの影響を何ら考慮していな
い。
従って、心電図信号ECGに含まれるノイズが大きくな
り、例えば参照符号Ｎのノイズが入力されると、閾値Th
2により、あたかもこのＮがQRS波であると誤って検出し
てしまう。
即ち、従来はQRS波の検出精度が低かった。
本発明の目的は、QRS波の検出精度を向上させること
にある。
〔IV〕課題を解決するための手段 上述した目的を達成する一手段として例えば以下の構
成を備える。
即ち、入力した心電図信号（E5）のQRS波のピーク値
に基づいて第１の閾値（T1）を設定すると共に、前記心
電図信号（E5）に含まれるノイズの大小に比例したノイ
ズレベルを推定することにより第２の閾値（T2）を設定
し、前記設定した第１の閾値（T1）と第２の閾値（T2）
を比較して大きい方の閾値をQRS検出閾値（Ｔ）とし、
前記QRS検出閾値（Ｔ）を基準として前記入力心電図信
号（E5）のQRS波を検出し、前記検出したQRS波に同期し
た同期信号（SYNC）を出力するQRS検出手段を備えるこ
とを特徴とする。
そして例えば、前記QRS検出手段は、前記入力心電図
信号（E5）の平均ピーク値（NA）の２倍をノイズレベル
（NL）として推定することを特徴とする。
または、心電図信号（E5）を入力し、入力心電図信号
（E5）のQRS波のピーク値に基づいて第１の閾値（T1）
を出力する第１閾値算出手段（７）と、前記入力心電図
信号（E5）に含まれるノイズの大小に比例したノイズレ
ベルを推定して第２の閾値（T2）を出力する第２閾値算
出手段（５）と、前記第１閾値算出手段（７）で出力さ
れる第１の閾値（T1）と前記第２閾値算出手段（５）で
出力される第２の閾値（T2）を比較して大きい方の閾値
をQRS検出閾値（Ｔ）として出力する閾値比較手段
（６）と、前記QRS検出閾値（Ｔ）を基準として心電図
信号（E5）のQRS波を検出して検出したQRS波に同期した
同期信号（SYNC）を出力する同期信号出力出手段（８）
とを備えることを特徴とする。
〔Ｖ〕作用 以上の構成において、ノイズの大小に比例したノイズ
レベルを推定することにより第２閾値T2を設定し、これ
と心電図信号E5のピーク値より求めた第１閾値T1とを比
較し、大きい方をQRS検出閾値Ｔとし、これを以ってQRS
波を検出できるようになった。
このため、ノイズに対し極めて強くなり、従来のよう
に大きなノイズを誤ってQRS波と検出してしまうことが
少なくなった。
よって、QRS波の検出精度が飛躍的に向上した。
〔VI〕実 施 例 以下、本発明を、実施例により添付図面を参照して、
説明する。
第１図は、本発明に係わるQRS検出方法の実施例を示
す図である。
先ず、ステップP1において、患者の生体から心電図信
号を入力し、ステップP2において、ハム雑音（50Hz又は
60Hz）をカットする。
ハムカットされた心電図信号は、ステップP3におい
て、ディジタル変換され、ステップP4とP5において、そ
れぞれ高域カットされると共に帯域通過がなされる。
帯域通過がなされた心電図信号は、ステップP6におい
て、そのピーク値が検出されて、それに基づいて第１閾
値T1が設定される。
一方、この帯域通過がなされた心電図信号は、ステッ
プP7において、その中に含まれるノイズのレベルが推定
され、この推定されたノイズレベルにより第２閾値T2が
設定される。
上記第１閾値T1と第２閾値T2は、ステップP9におい
て、その大小が比較され、ステップP10において、大き
い方をQRS検出閾値Ｔとする。
ステップ11において、このQRS検出閾値Ｔと帯域通過
信号を以てQRS波を検出し、ステップP12において、この
検出したQRS波に同期した同期信号SYNCを出力する。
第２図は、本発明に係わるQRS検出装置の実施例を示
す図である。
同図において、参照符号１はハムカットフィルタ、２
はA/D変換器、３は高域カットフィルタ、４はバンドパ
スフィルタ、５は第２閾値算出部、６は閾値比較部、７
は第１閾値部、８は同期信号部、９はペースメーカパル
ス検出部である。
患者の生体から誘導された心電図信号E1は、ハムカッ
トフィルタ１とペースメーカパルス検出部９に入力す
る。
ハムカットフィルタ１に入力した心電図信号E1は、ハ
ム雑音が除去され、ハム雑音が除去された心電図信号E2
は、A/D変換器２においてアナロク信号からディジタル
信号に変換されディジタル心電図信号E3が出力される。
ディジタル心電図信号E3は、高域カットフィルタ３と
バンドパスフィルタ４を経由して高域がカットされると
共に帯域通過がなされ、第２図（Ｂ）（１）に示す心電
図信号E5が出力される。
上記バンドパスフィルタ４には、ペースメータパルス
検出部９からのパルスＰが入力しているので、該パルス
Ｐは除去され、上記心電図信号E5にはペースメーカパル
スは含まれていない。
バンドパスフィルタ４から出力した心電図信号E5は、
第２閾値算出部５と第１閾値算出部７と同期信号出力部
８に入力する。
第２閾値算出部５においては、入力した心電図信号E5
に基づいてノズルレベルの推定が行われる。
この推定は、第２図（Ｃ）に示すように、行われる。
即ち、入力した心電図信号E5を半波整流されたサイン
波とみなし、その平均ピーク値NAを求める。
しかし、この平均ピーク値NAをノイズレベルとしたの
では、大きなノイズが含まれている場合に誤ってQRS波
として検出されてしまうおそれがある。
このため、平均ピーク値NAの２倍のNLをノイズレベル
と推定し、十分余裕を持たせている。
この場合のNLは、次式で表される。
即ち、NL＝2NA＝4Yn＝４｛Yn-1＋1/K（Xn−Yn-1）｝ 上式において、Xnはｎ時点での入力の値、Ynはｎ時点
での出力の値である。
第２閾値算出部５に入力された心電図信号E5に含まれ
るノイズ（第２図（Ｂ）（１））から、上記した方式
（第２図（Ｃ））によりノイズレベルを推定し、これを
第２閾値T2とする（第２図（Ｂ）（１））。
この第２閾値T2は、図から明らかなように、ノイズの
大きさに比例し、ノイズN1,N2・・・に対しては極めて
大きくなる。
この第２閾値T2は、閾値比較部６に入力され、QRS波
のピーク値PK（第２図（Ｂ）（１）に基づいて第１閾値
算出部７で算出された第１閾値T1と比較される。
ノイズN1、N2・・・の部分では第２閾値T2の方が第１
閾値T1よりも大きいので、この第２閾値T2がQRS検出閾
値Ｔとされて同期信号出力部８に入力される。
同期信号出力部８においては、このQRS検出閾値Ｔに
より次のQRS波が検出され、該QRSに同期した同期信号SY
NC（第２図（Ｂ）（２））が出力される。
〔VII〕発明の効果 上述したように本発明によれば、入力した心電図信号
のQRS波のピーク値に基づいて第１の閾値（T1）を設定
すると共に、前記心電図信号に含まれるノイズの大小に
比例したノイズレベルを推定することにより第２の閾値
（T2）を設定し、前記設定した第１の閾値（T1）と第２
の閾値（T2）を比較して大きい方の閾値をQRS検出閾値
（Ｔ）とし、前記QRS検出閾値（Ｔ）を基準として前記
入力心電図信号（E5）のQRS波を検出し、前記検出したQ
RS波に同期した同期信号（SYNC）を出力するQRS検出手
段を備えることにより、又は、心電図信号を入力し、入
力心電図信号のQRS波のピーク値に基づいて第１の閾値
（T1）を出力する第１閾値算出手段と、前記入力心電図
信号に含まれるノイズの大小に比例したノイズレベルを
推定して第２の閾値（T2）を出力する第２閾値算出手段
と、前記第１閾値算出手段（７）で出力される第１の閾
値（T1）と前記第２閾値算出手段で出力される第２の閾
値（T2）を比較して大きい方の閾値をQRS検出閾値
（Ｔ）として出力する閾値比較手段と、前記QRS検出閾
値（Ｔ）を基準として心電図信号のQRS波を検出して検
出したQRS波に同期した同期信号（SYNC）を出力する同
期信号出力手段とを備えることにより、ノイズの大小に
適用した検出値を用いたQRS波を検出できるようになっ
た。
このため、ノイズに対し極めて強くなり、従来のよう
に大きなノイズを誤ってQRS波と検出してしまうことが
少なくなった。
よって、QRS波の検出精度が飛躍的に向上するという
技術的効果を奏することとなった。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明に係るQRS検出方法の実施例を示す図、 第２図は本発明に係るQRS検出装置の実施例を示す図、 第３図は従来技術の説明図である。 ５……第２閾値算出部、 ６……閾値比較部、 ７……第１閾値算出部、 ８……同期信号出力部、 E5……心電図信号、 Ｔ……QRS検出閾値、 T1……第１閾値、 T2……第２閾値、 SYNC……同期信号。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】入力した心電図信号（E5）のQRS波のピー
    ク値に基づいて第１の閾値（T1）を設定すると共に、前
    記心電図信号（E5）に含まれるノイズの大小に比例した
    ノイズレベルを推定することにより第２の閾値（T2）を
    設定し、前記設定した第１の閾値（T1）と第２の閾値
    （T2）を比較して大きい方の閾値をQRS検出閾値（Ｔ）
    とし、前記QRS検出閾値（Ｔ）を基準として前記入力心
    電図信号（E5）のQRS波を検出し、前記検出したQRS波に
    同期した同期信号（SYNC）を出力するQRS検出手段を備
    えることを特徴とするQRS検出装置。
  2. 【請求項２】前記QRS検出手段は、前記入力心電図信号
    （E5）の平均ピーク値（NA）の２倍をノイズレベル（N
    L）として推定することを特徴とする請求項１記載のQRS
    検出装置。
  3. 【請求項３】心電図信号（E5）を入力し、入力心電図信
    号（E5）のQRS波のピーク値に基づいて第１の閾値（T
    1）を出力する第１閾値算出手段（７）と、 前記入力心電図信号（E5）に含まれるノイズの大小に比
    例したノイズレベルを推定して第２の閾値（T2）を出力
    する第２閾値算出手段（５）と、 前記第１閾値算出手段（７）で出力される第１の閾値
    （T1）と前記第２閾値算出手段（５）で出力される第２
    の閾値（T2）を比較して大きい方の閾値をQRS検出閾値
    （Ｔ）として出力する閾値比較手段（６）と、 前記QRS検出閾値（Ｔ）を基準として心電図信号（E5）
    のQRS波を検出して検出したQRS波に同期した同期信号
    （SYNC）を出力する同期信号出力手段（８）とを備える
    ことを特徴とするQRS検出装置。
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