JP2820636B2 - 動画像圧縮装置 - Google Patents

動画像圧縮装置

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JP2820636B2
JP2820636B2 JP7092492A JP9249295A JP2820636B2 JP 2820636 B2 JP2820636 B2 JP 2820636B2 JP 7092492 A JP7092492 A JP 7092492A JP 9249295 A JP9249295 A JP 9249295A JP 2820636 B2 JP2820636 B2 JP 2820636B2
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英雄 新井
良三 阿部
俊文 坂口
由純 綿谷
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株式会社グラフィックス・コミュニケーション・ラボラトリーズ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル動画像を圧
縮する動画像圧縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MPEG1,MPEG2による動画像圧
縮では、エンコード単位として、画像を小さなブロック
(マクロブロック=16画素×16画素の矩形)に分割
し、時間的に前後の画像の中からエンコードしようとす
るマクロブロックに似た領域(参照画像領域)を抽出
し、参照画像領域との空間的な距離、方位(動きベクト
ル)と、参照画像領域とエンコードしようとする領域の
差分情報を計算し、これらの情報をDCT、可変長符号
化を用いて圧縮している。このように動きベクトルと差
分情報だけを圧縮した方が、原画像そのものを圧縮する
よりもはるかに効率良く圧縮できる。しかし、差分情報
によって圧縮されたピクチャーは、参照するピクチャー
がないと復元できないため、ランダムアクセスを実現す
るためには周期的に原画像そのものを圧縮して、他の画
像を参照しないピクチャーを設ける必要がある。この画
像をI(Intra )ピクチャーと呼ぶ。Iピクチャーを参
照画像として次の画像を圧縮し、さらに、すでに圧縮さ
れた画像を参照画像として次の画像を圧縮していく。参
照画像を用いて圧縮するピクチャーの中には、時間的に
前方のピクチャーのみを参照画像とするPピクチャー
と、時間的に前後のピクチャーを参照画像とするBピク
チャーがある。Pピクチャーは、Iピクチャーと同様に
他の画像の参照画像となりうる。
【0003】MPEG(Moving Picture Experts Grou
p)1,MPEG2による動画像圧縮では、動き補償し
た上にスキップという方法により、さらに圧縮効率を上
げている。これは、隣接するマクロブロックの動きベク
トルの大きさが同じであることが多いことを利用して、
Bピクチャーでは、エンコードしようとするマクロブロ
ックの動きベクトルが左隣マクロブロックの動きベクト
ルと同じであり、かつ、差分情報が0である場合は、マ
クロブロックの情報を全て送らなくてもよいという方法
である。マクロブロックには各種のヘッダ情報が付加さ
れているが、スキップするとヘッダ情報を送らなくても
良いため、圧縮効率が大幅に向上する。Pピクチャーで
はベクトル長が0であり、差分情報が0である場合に、
スキップとなる。スキップしたマクロブロックは全くデ
ータを送らないが、スキップ前後でマクロブロックアド
レスが不連続になるため、デコーダはマクロブロックア
ドレスの不連続からスキップの発生を認識し、正しくデ
コードする事が出来る。
【0004】当初標準化されたMPEG1は、低ビット
レートで画像を圧縮する手法であるため、画質,画面サ
イズに制限があり、適用例もカラオケ,簡単なゲーム
等、多少歪みがあっても許容される用途に限られてい
た。
【0005】一方、次に標準化されたMPEG2は、高
ビットレートで画像を圧縮する手法であるため、より高
画質,大画面の画像を取り扱うことが可能になった。そ
のため、適用範囲が広がり、放送,パッケージソフト,
複雑なゲーム画像など、高い画質を要求される用途に利
用されるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】MPEG1の用途は、
多少歪みがあっても許容される用途に限られていたた
め、MPEG1を用いてエンコードされた画像では、差
分情報をDCT変換した情報(DCT係数)に対して、
大胆な量子化が行われており、量子化後に残る非零DC
T係数はごくわずかである。そのため、多くのマクロブ
ロックでDCT係数が全て0となっている。これらのマ
クロブロックでは、マクロブロックの属性と動きベクト
ルがスキップ条件を満たすならば、スキップドマクロブ
ロックとなるため、スキップドマクロブロックが多く発
生するようなエンコードが可能であった。
【0007】一方MPEG2では、より高画質の映像を
扱うため、MPEG1の例より量子化の度合いが軽微で
ある。そのため、量子化後に残る非零DCT係数はより
多くなる。非零DCT係数を含むマクロブロックは、た
とえ動きベクトルがスキップ条件を満足しても、スキッ
プドマクロブロックとはならないため、MPEG2での
スキップドマクロブロックの数は、MPEG1の場合に
比べて大幅に低下していた。
【0008】スキップドマクロブロックを増加させて画
質を改善するための従来の技術としては、1994年電
子情報通信学会春期大会講演論文集 P7-30「微小な画像
間予測残差切り捨てによる符号化効率の改善」にあるよ
うに、スキップドマクロブロックを増加させるために、
予測誤差(差分情報)が小さい場合に予測誤差を0に置
き換えるという手法があったが、この従来手法では、動
きベクトルを考慮せずに予測誤差を切り捨ててしまうた
め、切り捨てを行ったマクロブロックの動きベクトルが
スキップ条件を満足している保証は無く、切り捨てて見
たものの動きベクトルがスキップ条件を満足していない
ためスキップに至らず、誤差拡大のみを生むことが多か
った。
【0009】また、MPEG2では、Iピクチャーでは
スキップが許されない、または、画面の左右両端のマク
ロブロックでは、スキップが許されないなどの制約があ
るが、これらの制約を無視して予測誤差を切り捨てた場
合も、スキップを生むことなく誤差拡大のみが生じる。
【0010】本発明にかかる請求項1〜5に記載の発明
の目的は、エンコード単位のスキップを多くしながら画
質の低下を来さない動画像圧縮装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】スキップするためには、
マクロブロック属性が所定の属性を満足し(ノンイント
ラマクロブロックなど)、かつ、動きベクトルが所定の
条件を満足し(Pピクチャーでは0、Bピクチャーでは
前マクロブロックとの差分が0)、かつ、量子化後の差
分信号が0であることが必要である。属性、動きベクト
ルがこの条件を満足する場合に、DCT係数がより少な
くなるような条件でエンコードする。すなわち、本発明
にかかる請求項1に記載の発明は、動きベクトル探索手
段(103)または動きベクトル入力手段(104)
と、動きベクトルがエンコードスキップ条件を満足する
か否かを判定する動きベクトル判定手段(105)と、
動きベクトル判定手段(105)によって判定された結
果に応じて、エンコードパラメータを調整する機能を有
するエンコード手段(102)とを有するものである。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、各エンコ
ード単位の属性がスキップ条件を満足するか否かを判定
する属性判定手段(101)と、動きベクトル探索手段
(103)または動きベクトル入力手段(104)と、
動きベクトルがエンコードスキップ条件を満足するか否
かを判定する動きベクトル判定手段(105)と、これ
らの判定手段によって判定された結果に応じて、エンコ
ードパラメータを調整する機能を有するエンコード手段
(102)とを有するものである。
【0013】また、請求項3に記載の発明は、エンコー
ドパラメータを調整する機能として、量子化係数を調整
する機能を有するものである。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、エンコー
ドパラメータを調整する機能として、DCT係数カット
機能を有するものである。
【0015】また、請求項5に記載の発明は、エンコー
ドデータのデータレートを計数する手段を有し、データ
レートが所定の条件を満たした場合にエンコードパラメ
ータを調整するものである。
【0016】
【作用】請求項1に記載の発明においては、各エンコー
ド単位の動きベクトルをみてスキップさせるか否かを判
定し、各エンコード単位の動きベクトルがスキップ条件
を満足している場合には、量子化後のDCT係数が少な
くなるようにエンコードパラメータを操作することによ
り、動きベクトルがスキップ条件を満足するエンコード
単位は、DCT係数が全て0となる確率が大きくなるた
め、スキップを実現する可能性が高くなる。スキップし
たエンコード単位自体は誤差が大きくなるが、削減され
たデータが他のエンコード単位の画質改善に寄与するの
で、全体の画質は向上する。
【0017】請求項2に記載の発明においては、動きベ
クトルをみてスキップさせるか否かを判定する他、各エ
ンコード単位の属性をみて、エンコード単位の属性がス
キップ条件を満足している場合には、量子化後のDCT
係数が少なくなる様にエンコードパラメータを操作する
ことにより、属性がスキップ条件を満足するエンコード
単位は、DCT係数が全て0となる確率が大きくなるた
め、スキップを実現する可能性が高くなる。スキップし
たエンコード単位自体は誤差が大きくなるが、削減され
たデータが他のエンコード単位の画質改善に、より効果
的に使用されるため全体の画質は向上する。
【0018】請求項3に記載の発明においては、量子化
後のDCT係数が少なくなる様にエンコードパラメータ
を操作する手段として、マクロブロックの属性や動きベ
クトルの値に応じて量子化係数を調整する方法を採用
し、エンコードパラメータ操作を行うため、従来装置に
対してわずかな追加により発明を実現できるため、わず
かなコスト増大だけで全体の画質向上を実現することが
できる。
【0019】請求項4に記載の発明においては、量子化
後のDCT係数が少なくなる様に、エンコードパラメー
タを操作する手段として、各エンコード単位の属性や動
きベクトルの値に応じてDCT係数をカットするため、
従来装置に対してわずかな追加により発明を実現できる
ため、コストの増大はわずかで全体の画質向上を実現す
ることができる。
【0020】請求項5に記載の発明においては、データ
レートが所定の条件を満たした場合にエンコードパラメ
ータを調整することにより、データレートに余裕がある
場合は本発明の作用が働かないようにし、データレート
に余裕が無い場合のみ本発明の作用が働くような構成に
することも可能である。本発明では、スキップされたエ
ンコード単位の画質は、わずかに誤差が増大するため、
データレートに余裕がある場合はこのような誤差の増大
を防止し、データレートに余裕が無い場合のみ、スキッ
プしたエンコード単位の誤差は増大しても、全体の画質
は向上するような制御を行うことにより、不必要な誤差
増大を防ぐことが可能となる。
【0021】このようにエンコードすることにより、ス
キップドマクロブロックの数が増加し、大幅なビット削
減効果を得ることができる。スキップしたマクロブロッ
ク自体は誤差が大きくなるが、削減されたデータが他の
ブロックの画質改善により効果的に使用されるため、全
体の画質は向上する。
【0022】また、動きベクトル等がスキップ条件を満
足していないマクロブロックは、通常の条件でエンコー
ドするため、誤差が大きくなるマクロブロックの数を最
小限に抑えることが可能となる。
【0023】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である動画像圧縮
装置のブロック図である。
【0024】図1において、1は画像入力端子、2は出
力端子、101はマクロブロック属性判定手段、102
はエンコード手段、103は動きベクトル探索手段、1
05は動きベクトル判定手段である。図1の動きベクト
ル探索手段103に代えて動きベクトル入力手段104
を用いた実施例が図2のブロック図である。この例で
は、動きベクトル探索手段または生成手段を外部に持
ち、その結果の動きベクトルを取り込むことになる。
【0025】その動作の概要を図3のフローチャートを
用いて説明する。なお、図3の(S1)〜(S7)は各
ステップを示す。
【0026】画像入力端子1から入力された画像データ
は、エンコード単位にブロック化される(S1)。画像
データがIピクチャーであるかどうか判断され(S
2)、Iピクチャーのときは、入力された画像データそ
のものをエンコード手段102によってエンコードされ
(S6)、圧縮されて出力端子2に出力される(S
7)。ステップ(S2)で入力された画像データがPま
たはBピクチャーであると判断されたときは、動きベク
トル探索手段103により参照画像に基づいて動きベク
トルを求める(S3)。
【0027】そして、動きベクトルが判定手段105に
より動きベクトルがスキップさせる条件を満足している
かどうかを判定される(S4)。
【0028】一方、マクロブロック属性判定手段101
においては、エンコード単位ごとにその属性がスキップ
させる条件を満足しているかどうかを判定し(S5)、
それからエンコード手段102に送りエンコードし(S
6)、出力端子2に出力する(S7)。
【0029】このように、P,Bピクチャーについて
は、動きベクトルと属性をみながらスキップさせるか否
かを決定される。
【0030】ここで、画像データのIピクチャー,P,
Bピクチャーがどのようにして決められるかについて、
その一例を補足しておく。
【0031】図5に、フレーム間予測方式の一例を示
す。
【0032】この図では、入力画像は、9フレーム周期
でIフレームとエンコードされ、その間が3フレーム周
期でPフレームとしてエンコードされ、残りがBフレー
ムとしてエンコードされる。
【0033】まず、フレーム0がIフレームとして、他
の画像を参照しないでエンコードされ、次に、フレーム
3がPフレームとして、前方のフレーム0を参照して
ンコードされる。次に、フレーム1,2がBフレームと
して、前後のフレーム0,3を参照してエンコードされ
る。つまり、元々のフレーム順とは異なる順序でエンコ
ードされる。以下、順次同様にしてエンコードされる。
この順番は、デコード時に正しく戻される。
【0034】I,P,Bの組み合わせ比率は、任意に定
めることが可能である。I,P,Bを適切な比率で組み
合わせることにより圧力効率が高く、かつ、ランダムア
クセスが可能な圧縮画像信号を得ることができる。
【0035】この例のように、双方向予測を用いて圧縮
された信号を復元する場合、通常は、参照フレーム用の
メモリを2フレーム、出力用画像メモリを1フレーム用
意して復号する。
【0036】図4は図1の実施例のうち、エンコード手
段102の部分を、より詳細に記述した全体のブロック
図である。図4を用いて、本実施例の動作を説明する。
なお、図2の実施例の場合もほとんど同じ動作となるの
で、その詳細は省略する。
【0037】まず、動き補償を行わないIピクチャー画
像のエンコードについて説明する。画像入力端子1から
入力された画像データは、ブロック化部11にて、エン
コード単位であるマクロブロックに分割される。Iピク
チャーは、すべてのマクロブロックがイントラマクロブ
ロックであるため、マクロブロック属性決定部24で
は、入力画像の特性によらず、イントラマクロブロック
とする。イントラマクロブロックでは、入力画像そのも
のを圧縮するため、差分画像生成用減算部12では何の
処理も行われず、DCT部13にて、入力画像に対して
2次元のDCT演算を行い、DCT係数に変換する。こ
のDCT係数を量子化部14にて周波数に応じた量子化
係数で量子化し、DCT係数カット部15にて、省略し
ても問題のないDCT係数を0に置き換える。このよう
にして、原画像の情報量よりもはるかに少ない情報量の
データに圧縮される。次に、圧縮された信号はスキップ
処理部16に送られるが、Iピクチャーはスキップ処理
を行わないため、スキップ処理部16では何の処理も施
されずに可変長符号化部17にて可変長符号化され、バ
ッファ18にてビットレートを一定にして出力端子2よ
り伝送路を経てデコーダへ出力される。デコーダでは、
可変長符号化、量子化、DCTのそれぞれ逆変換を行
い、原画像を復元する。但し、信号は量子化の段階で誤
差を含むため、デコーダで復元される画像は原画像とは
わずかに異なる。デコーダでは、この復元された画像を
参照画像として、次に送られる動き補償された画像信号
(P,Bピクチャー)をデコードする。
【0038】上述のように、デコーダで復元されるIピ
クチャーの画像は、原画像とはわずかに異なるため、I
ピクチャーを参照画像として他の画像を伝送するために
は、デコーダが復元するIピクチャー画像と全く同じ画
像をエンコーダ側でも作成しなければならない。そのた
めに、量子化後のデータを逆量子化部19、逆DCT部
20で処理し、デコーダと同じ処理で復元したIピクチ
ャー画像(ローカルデコード画像)を作成し、メモリ2
2に保存し、次にエンコーダする画像の参照画像とす
る。
【0039】次に、P,Bピクチャー画像のエンコード
について説明する。画像入力端子1から入力された画像
は、Iピクチャーと同様に、ブロック化部11にて、エ
ンコード単位であるマクロブロックに分割される。動き
ベクトル探索手段103は、エンコードしようとするマ
クロブロックの画像を、メモリ22中の参照画像(既に
エンコードされたIまたは、Pピクチャー)と比較し、
参照画像の中から入力マクロブロックに最も似た領域を
探索し、その結果得られる動きベクトルを出力する。動
きベクトル探索のための参照画像は、メモリ22に蓄え
られた参照画像(ローカルデコード画像)ではなく、前
ピクチャーの入力画像を別途記憶しておき、そのまま使
用しても良い。探索の結果得られたベクトルを用いて、
参照領域抽出部23にて、ローカルデコード画像から参
照領域を抽出する。
【0040】マクロブロック属性決定部24では、入力
画像の空間周波数の分布や、上記のベクトルを用いて動
き補償された差分画像の空間周波数の分布などを推定、
考慮して、マクロブロックをエンコードする方法を決定
する。マクロブロックの属性としては、動き補償を行わ
ずに原画像をエンコードするイントラマクロブロック、
動き補償を行って差分画像をエンコードするノンイント
ラマクロブロック、1フレームの画像を2つのフィール
ドに分割してエンコードするフィールドエンコードなど
がある。例えば、入力画像が、空間周波数の高い成分を
多く含むのに対し、差分画像が空間周波数の低い成分し
か持たない場合は、差分画像をDCT変換した方がより
少ないデータ量に変換できるため、ノンイントラマクロ
ブロックとして、エンコードした方が効率がよい。その
ため、この様な場合は、マクロブロック属性決定部24
からは、ノンイントラマクロブロックとしてエンコード
するよう指示が出される。
【0041】一方、差分画像生成用減算部12では、マ
クロブロック属性決定部24の結果を元に、必要に応じ
て入力画像と参照領域との間の減算処理を行い、差分情
報を作成する。この情報に対して、Iピクチャーと同様
に、DCT部13にて2次元のDCT演算を行い、DC
T係数に変換する。このDCT係数を、量子化部14に
て周波数に応じた量子化係数で量子化し、DCT係数カ
ット部15にて省略しても問題のないDCT係数を0に
置換する。このようにして、原画像の情報量よりもはる
かに少ない情報量のデータに圧縮される。
【0042】この量子化の度合い、および、DCT係数
カットの度合いを制御することにより、エンコード後の
情報量を制御することが可能である。量子化は、DCT
係数を所定の定数(量子化係数)で除算することにより
実現されるが、量子化係数をより大きくすると、量子化
後のDCT係数はより小さくなり、最終的な情報量を小
さくすることが可能である。また、DCT係数カット
は、所定の空間周波数(カット周波数)より高い周波数
成分のDCT係数を0に置換することにより実現される
が、カット周波数をより低くするとより多くのDCT係
数がカットされることになり、最終的な情報量を小さく
することが可能である。但し、量子化係数を大きくする
ほど、また、カット周波数を低くするほど、エンコード
による歪みは大きくなる。従来は、エンコードの結果発
生する符号量をバッファ18で測定し、その結果を、符
号量制御26で判定して、量子化係数、カット周波数
を調節し、発生符号量を目的の値に制御していた。
【0043】一方、本実施例では、発生符号量だけでは
なく、マクロブロックの属性や、動きベクトルを考慮に
入れて、量子化、DCT係数カットの度合いを決定する
ことが可能である。
【0044】そのために、マクロブロック属性判定手段
101にて、マクロブロックの属性がスキップドマクロ
ブロックとしての条件を満足しているか否かを判定し、
結果を、量子化係数、DCT係数カットパラメータ決定
部25に送る。例えば、イントラマクロブロックである
場合や、画面左右端、スライス先頭、スライス最後のマ
クロブロックである場合は、スキップドマクロブロック
としての条件を満たしていない。ここで、スライスと
は、MPEG2規格により定められたマクロブロックの
集合体である。
【0045】また、動きベクトル判定手段105にて、
動きベクトルが、スキップドマクロブロックとしての条
件を満足しているか否かを判定し、結果を、量子化係
数、DCT係数カットパラメータ決定部25に送る。
【0046】量子化係数、DCT係数カットパラメータ
決定部25では、各判定手段101,105において、
スキップドマクロブロックとなる条件を満たしていると
判定された場合は、符号量制御部26によって指定され
た標準状態の量子化係数、DCTカット周波数に対して
DCT係数が、より小さくなるように補正を加えて量子
化部14、DCT係数カット部15に送る。または、ス
キップドマクロブロックとなる条件を満たしていないと
判定されたマクロブロックに対しては、標準状態の量子
化係数、DCTカット周波数に対してDCT係数が、よ
り大きくなるように補正を加えて量子化14、DCT
係数カット15に送る。
【0047】量子化係数の補正式としては、例えば、次
のような式を適用することが出来る。
【0048】mqs=a* mq[式1] ここで、mq:補正前の量子化係数 mqs:補正後の量子化係数 a:補正のための定数 aは、1〜2程度の値が、適当であることが多い。
【0049】MPEGでは、mq,mqsの値は、1以
上31以下に制限されているため、この範囲でクリップ
する。
【0050】一方、DCT係数カット周波数の補正式と
しては、例えば、次のような式を適用することが出来
る。
【0051】cutfs=cutf−b[式2] ここで、cutf:補正前のDCT係数カット周波数 cutfs:補正後のDCT係数カット周波数 b:補正のための定数 bは1〜16程度の値が、適当であることが多い。
【0052】MPEGでは、DCT係数は64個である
ため、cutf,cutfsの値は、0以上64以下に
制限される。そのため、この範囲でクリップする。
【0053】ここでは、a,bは、定数の場合を説明し
たが、これらは、各種要因によって決定される変数であ
っても、同等の効果を得る場合もある。また、この式に
限らず、他の変換式による量子化係数の変換であって
も、スキップドマクロブロックとしての条件も満足する
場合と、満足しない場合で、量子化係数の決定方法を変
えることにより、スキップドマクロブロックを増加させ
るような処理を実現することは可能である。
【0054】このような修正を加えて量子化、DCT係
数カットを行うことにより、スキップドマクロブロック
となる条件を満たしているマクロブロックは、DCT係
数がより小さくなり、スキップドマクロブロックとなる
条件を満たしていないマクロブロックは、DCT係数が
より大きくなる。
【0055】このような条件で量子化、DCT係数カッ
トが成された情報に対し、スキップ処理部16にて、ス
キップドマクロブロックとしての条件が満足しているか
否かを判定する。判定項目としては、次の3点がある。 (1)マクロブロックの属性が所定の条件を満足する。 (2)動きベクトルが所定の条件を満足する。 (3)DCT係数が全て0である。
【0056】本実施例では、この(1)、(2)の条件
を満足するマクロブロックでは、DCT係数がより小さ
くなるように考慮してエンコードしてあるため、このよ
うなマクロブロックでは、通常のエンコードの場合より
も、DCT係数が0になる可能性が高い。そのため、通
常のエンコードよりも、より多くのマクロブロックが、
スキップドマクロブロックとして判定される。
【0057】この判定結果をもとに、可変長符号化部1
7にて情報を可変長符号化により圧縮する。ここでは、
スキップドマクロブロックと判定されなかったマクロブ
ロックのデータは、MPEGによる可変長符号化方式に
従い符号化を行い、スキップドマクロブロックと判定さ
れたマクロブロックのデータは、MPEGによる規則に
従い全くデータを送らない。
【0058】以上のような処理の結果、生成された情報
をバッファ18にてビットレートを一定にして、出力端
子2より伝送路を経てデコーダへ出力する。
【0059】Pピクチャーの画像は、他の画像の参照画
像となりうるため、ローカルデコーダ画像を生成する必
要がある。そのため、Iピクチャーの場合と同様に、逆
量子化、逆DCTを行って差分画像を復元し、さらに、
エンコード時に使用した参照画像と復元した差分画像
を、ローカルデコード画像復元用加算部21にて加算し
てローカルデコード画像を復元し、メモリ22に蓄えて
おく。
【0060】以上のような構成でエンコードすることに
より、従来よりもスキップドマクロブロックの割合が多
くなり、効率のよいエンコードが可能となる。
【0061】また、判定の評価パラメータとして他の値
も含めて評価し、さらに効率を上げることも可能であ
る。例えば、発生符号量を参照し、すでに発生した符号
量が予定の符号量を超過した場合は、スキップドマクロ
ブロックを増加させ、符号量に余裕がある場合は従来の
量子化係数、DCT係数カットを採用するという方法に
より、符号量制御を行いながらスキップ量制御を行い、
画質を向上させることも可能である。
【0062】また、本実施例では、マクロブロックの属
性と動きベクトルの両方を判定して、量子化係数、DC
T係数カット方法の制御を行う例を述べたが、マクロブ
ロックの属性、動きベクトルのどちらか一方がスキップ
ドマクロブロックとしての条件を満足しているか否かを
判定して、量子化係数、DCT係数カット方法の制御を
行うだけでも、従来方法よりはスキップドマクロブロッ
クの数が多くなり、効率のよいエンコードが可能とな
る。
【0063】また、本実施例では、マクロブロック属性
判定手段101、および、動きベクトル判定手段105
を、スキップ処理部16と独立して実現する例を説明し
たが、これらの判定手段による判定と、スキップ処理部
16で行う判定は、同一の処理を行うため、単一のハー
ドウエアで実現するか、各判定手段101,105の判
定結果を記憶して、スキップ処理部16でのスキップド
マクロブロック判定の際に用いることも可能である。そ
して、マクロブロック属性判定手段101は、一般的に
はエンコード単位属性判定手段となる。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、本発明にかか
る請求項1に記載の発明は、動きベクトル探索手段(1
03)または動きベクトル入力手段(104)と、動き
ベクトルがエンコードスキップ条件を満足するか否かを
判定する動きベクトル判定手段(105)と、動きベク
トル判定手段(105)によって判定された結果に応じ
て、エンコードパラメータを調整する機能を有するエン
コード手段(102)とを有するので、大幅なビット削
減を行いながら全体の画質の低下を来すことがない。
【0065】さらに、請求項2に記載の発明は、各エン
コード単位の属性がスキップ条件を満足するか否かを判
定する属性判定手段(101)と、動きベクトル探索手
段(103)または動きベクトル入力手段(104)
と、動きベクトルがエンコードスキップ条件を満足する
か否かを判定する動きベクトル判定手段(105)と、
これらの判定手段によって判定された結果に応じて、エ
ンコードパラメータを調整する機能を有するエンコード
手段(102)とを有するので、さらに大幅なビット削
減ができ、しかも全体の画質の低下を来すことがない。
【0066】また、請求項3に記載の発明は、エンコー
ドパラメータを調整する機能として、量子化係数を調整
する機能を有するので、量子化係数を調整することで、
簡単にエンコードパラメータを変更できる。
【0067】さらに、請求項4に記載の発明は、エンコ
ードパラメータを調整する機能として、DCT係数カッ
ト機能を有するので、簡単にエンコードパラメータを変
更できる。
【0068】また、請求項5に記載の発明は、エンコー
ドデータのデータレートを計数する手段を有し、データ
レートが所定の条件を満たした場合に、エンコードパラ
メータを調整するので、データレートが所定の条件を満
たさない限りエンコードパラメータの調整は行わないの
で、画質の低下をみだりに来すことがない。
【0069】以上のように、本発明によれば、属性、動
きベクトルが、スキップ条件を満足するようなマクロブ
ロックに対して、適応的に量子化係数、DCT係数カッ
ト方法を補正することにより、スキップドマクロブロッ
クを増加させることが可能である。その結果、スキップ
されたマクロブロックの画質は劣化するものの、スキッ
プにより節約されたデータが他のマクロブロックの画質
向上に貢献するため、画像全体で見るとより高画質な動
画像圧縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施例を示すブロック図である。
【図3】図1の実施例の動作を説明するフローチャート
である。
【図4】図1の実施例のより詳細なブロック図である。
【図5】フレーム間予測方式の一例を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 画像入力端子 2 出力端子 11 ブロック化部 12 差分画像生成用減算部 13 DCT部 14 量子化部 15 DCT係数カット部 16 スキップ処理部 17 可変長符号化部 18 バッファ 19 逆量子化部 20 逆DCT部 21 ローカルデコード画像復元用加算部 22 ローカルデコード画像用メモリ 23 参照領域抽出部 24 マクロブロック属性決定部 25 量子化係数、DCT係数カットパラメータ決定部 26 符号量制御部 101 マクロブロック属性判定手段 102 エンコード手段 103 動きベクトル探索手段 104 動きベクトル入力手段 105 動きベクトル判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 俊文 東京都渋谷区代々木4丁目36番19号 株 式会社グラフィックス・コミュニケーシ ョン・ラボラトリーズ内 (72)発明者 綿谷 由純 東京都渋谷区代々木4丁目36番19号 株 式会社グラフィックス・コミュニケーシ ョン・ラボラトリーズ内 (56)参考文献 特開 平8−126012(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 7/24 - 7/68

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンコードスキップ機能を有する動画像
    圧縮装置において、動きベクトル探索手段(103)ま
    たは動きベクトル入力手段(104)と、動きベクトル
    がエンコードスキップ条件を満足するか否かを判定する
    動きベクトル判定手段(105)と、この動きベクトル
    判定手段(105)によって判定された結果に応じて、
    エンコードパラメータを調整する機能を有するエンコー
    ド手段(102)とを有することを特徴とする動画像圧
    縮装置。
  2. 【請求項2】 エンコードスキップ機能を有する動画像
    圧縮装置において、各エンコード単位の属性がスキップ
    条件を満足するか否かを判定する属性判定手段(10
    1)と、動きベクトル探索手段(103)または動きベ
    クトル入力手段(104)と、動きベクトルがエンコー
    ドスキップ条件を満足するか否かを判定する動きベクト
    ル判定手段(105)と、これらの判定手段によって判
    定された結果に応じて、エンコードパラメータを調整す
    る機能を有するエンコード手段(102)とを有するこ
    とを特徴とする動画像圧縮装置。
  3. 【請求項3】 エンコードパラメータを調整する機能と
    して、量子化係数を調整する機能を有することを特徴と
    する請求項1または2記載の動画像圧縮装置。
  4. 【請求項4】 エンコードパラメータを調整する機能と
    して、DCT係数カット機能を有することを特徴とする
    請求項1,2または3記載の動画像圧縮装置。
  5. 【請求項5】 エンコードデータのデータレートを計数
    する手段を有し、データレートが所定の条件を満たした
    場合に、エンコードパラメータを調整することを特徴と
    する請求項1,2,3または4記載の動画像圧縮装置。
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