JP2819768B2 - 船外機のトリム・チルト装置 - Google Patents

船外機のトリム・チルト装置

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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は船外機のトリム・チルト装置に関する。
(従来の技術) 船体の尾部に装着して船体を推進させる駆動装置とし
て第3図に示すような船外機1が用いられている。この
船外機1は、上部にエンジン部分を内蔵するアッパーユ
ニット2があり、その下部にドライブシャフト、排気室
等を含むミドルユニット3が、さらにその下部にプロペ
ラ4およびこれに動力を伝達するギヤ系列を内蔵するロ
アユニット5が設けられたもので、船体6のトランサム
7に取付けるためのクランプブラケット8に上端部が軸
9で枢支されたスイベルブラケット10に船外機1の側部
が取付けられ、前記軸9を中心に船体6の後部上方へ揺
動可能とされている。
前記クランプブラケット8には第4図のようにトリム
シリンダ11が固定され、このシリンダ11のロッド12の先
端はスイベルブラケット10に当接され、またクランプブ
ラケット8とスイベルブラケット10との間にはチルトシ
リンダ13が連結され、トリムシリンダ11により上昇する
最大角度を「トリム範囲」、トリムシリンダ11とチルト
シリンダ13との双方で上昇する最大角度を「チルト範
囲」と呼ばれている。
上記従来の構造では、船外機1をアップさせるときは
トリムシリンダ11とチルトシリンダ13の各ロッド12,14
が同時に圧油により伸長してトリム範囲を上昇回動さ
せ、トリムシリンダ11がフルストロークに達するチルト
シリンダ13のみで残りのチルト範囲を上昇回動させるよ
うになっている。船外機1をダウンさせるときは、まず
チルトシリンダ13が短縮してトリム範囲まで加工すると
チルトシリンダ13とトリムシリンダ11とが連動して下降
させる動作が行なわれる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら上記従来のものは、トリムシリンダ11が
通常左右に2本設けられているのでトリム範囲では合計
3本のシリンダを同時に作動させることが必要となり、
3本のシリンダとも同一油圧ユニットから圧油が分配さ
れて作動するためロッドの伸長スピードは供給油量で決
定することからトリム範囲での上昇および下降時共に遅
くなり、高速でアップまたはダウンさせて船体の姿勢制
御を迅速に行なうことができなかった。油量を増加させ
ればスピードアップを図ることはできるが、それには油
圧ユニットを大型化しなければならず、コストおよびペ
ースの点で不利になるという問題がある。
この発明は上記事情を考慮してなされたものであり、
トリム範囲ではトリムシリンダのみによってスイベルブ
ラケットを上昇または下降回動させ、チルトシリンダは
単に追従動させることによってトリム時のスピードをア
ップさせ、油圧ユニットを大型化することなく船外機の
トリム範囲のアップ、ダウンを高速で行なえるようにし
た船外機のトリム・チルト装置を提供することを目的と
する。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 上述した課題を解決するために、本発明に係る船外機
のトリム・チルト装置は、クランプブラケットにより船
体に装着され、トリムシリンダおよびチルトシリンダに
よりクランプブラケットに枢支されたスイベルブラケッ
トを揺動させてトリムおよびチルトを行なわせるように
した船外機において、チルトシリンダのピストン内にロ
ッドの端部にインナーピストンを気密に挿入し、このイ
ンナーピストンに上下の室を連通するオリフィスを設
け、このインナーピストンのストロークとトリムシリン
ダのフルストロークとをほぼ同一に形成してなり、トリ
ム時にはトリムシリンダに圧力油が供給され、チルトシ
リンダのロッドはインナーピストンの動きにより追従作
動するようにしたものである。
(作用) トリム時には、トリムシリンダの基部に圧力油を供給
すると、そのロッドが伸長してストロークエンドに至る
トリム範囲にわたりスイベルブラケットを上昇回動させ
る。このときチルトシリンダのロッドはスイベルブラケ
ットの上昇回動により引張られ、そのロッドのインナー
ピストンがチルトシリンダのピストン内を摺動して追従
伸長する。トリムシリンダがストロークエンドに達する
と、チルトシリンダの基部に圧力油が供給され、ピスト
ンを押し下げてそのロッドを伸長させ、チルトアップさ
せる。下降時にはチルトシリンダのロッドが短縮し、ス
イベルブラケットがトリムシリンダのロッドに受渡され
ると、トリムシリンダのロッドの短縮作動に追従してチ
ルトシリンダのロッドが共に短縮する。
(実施例) 以下この発明の実施例を第1図および第2図により第
3図および第4図と共通の部材には同一符号を付して説
明する。
第1図に示すように、チルトシリンダ15はその基端が
軸16によりクランプブラケット8に揺動可能に枢着さ
れ、そのロッド17の先端はスイベルブラケット10に軸18
により枢着されている。
チルトシリンダ15のピストン19は円筒形内周面を有す
る中空構造とされており、このピストン19内に前記ロッ
ド17の下端のインナーピストン20が気密に摺動自在に挿
入されている。このインナーピストン20にはその軸方向
にオリフィス21が貫通して設けられ、このオリフィス21
が抵抗となってインナーピストン20の動く速度を制御す
るようになっている。
前記ピストン19の大径部には、衝突時の衝撃緩和のた
めの吸収弁22が設けられており、この吸収弁22はピスト
ン19,20、ロッド17等の荷重の伝達には充分な強度を有
している。
前記ピストン19内におけるインナーピストン20のスト
ロークB1→B2は、トリムシリンダ11のロッド12のフルス
トロークA1→A2とほぼ同一とされている。またチルトシ
リンダ15の基部側の圧力油供給口23は、チルトシリンダ
15の下端からピストン19の下面に向かうように設けられ
ている。
第1図における他の構成については第3図、第4図と
同じであるからこれらの図と同一の符号を付すに留め
る。
第2図はトリムシリンダ11とチルトシリンダ15の作動
用油圧回路の一例を示している。
トリムシリンダ11の基部側はリザーバ24に連通する回
路25に流路26により接続され、ロッド12側は並列回路が
接続されてその一方にはトリムシリンダ11のロッド12側
への圧力油の流入を阻止する逆止弁27が接続され、他方
には同流入時に所定の圧力で開く制御弁28が接続されて
いる。この並列回路の合流した流路29はチルトシリンダ
15のロッド17側に接続される流路30に接続され、この流
路30の他端はスプール弁31の室32に接続されている。
このスプール弁31は、室32,33間にスプール34を有
し、室33は前記回路25に流路35を通じて接続されてい
る。またスプール34により区画された室36,37と前記室3
2,33との間には、スプール34の動きによって開かれる弁
38,39が設けられている。スプール34の両側の室36,37に
は、リザーバ24から油を供給するためモータ40により駆
動されるポンプ41が接続され、その分岐流路42はリザー
バ25に接続されている。
前記チルトシリンダ15の基部側の圧録油供給口23は、
前記回路25に並列回路により接続され、その一方にはチ
ルトシリンダ15の基部側への圧力油の流入を阻止する逆
止弁43が接続され、他方には同流入時に一定の圧力で開
く制御弁44が接続されている。第2図において45,46,47
は安全弁、48,49,50はフィルタ、51はマニュアルレリー
ズバルブを示している。
次に作用について説明する。
船外機1が最下降位置にあるときは、チルトシリンダ
15のピストン19およびそのロッド17のインナーピストン
20は共に第1図示のように最下降位置におかれている。
船外機1をチルトアップするためモータ40を駆動して
ポンプ41を回転させるとリザーバ25から油を吸引してス
プール弁31のスプール34の下側の室37へ入り、スプール
34を押し上げて弁38を開け、同時に弁39を開いて油が室
33へ流入し、流路35を通って回路25へ流れる。この油は
流路26を通ってトリムシリンダ11の基部側へ流入し、ロ
ッド12を伸長させるが、チルトシリンダ15の基部側への
制御弁44があるため流入せず、ロッド17は伸長しない。
トリムシリンダ11のロッド12側の油は、逆止弁27を開
いて流路29,30を流れ、スプール弁31の室32,36を通って
ポンプ41へ回流する。こうしてトリムシリンダ11のロッ
ド12のみが伸長し、スイベルブラケット10をトリム範囲
にわたり回動させる。この間チルトシリンダ15へは圧力
油は流入しないが、そのロッド17はインナーピストン20
がピストン19内を摺動してスイベルブラケット10の動き
に追従する。
トリムシリンダ11のロッド12がA1位置からA2位置へ至
ってストロークエンドに達すると、前記流路内の圧力が
上昇するので、制御弁44がその圧力により開弁し、チル
トシリンダ15の基部側に初めて流入し、ピストン19を押
し上げてロッド17を伸長させ、スイベルブラケット10を
チルト範囲にわたり上昇回動させる。この間チルトシリ
ンダ15のロッド17側の油は流路30を通ってスプール弁31
に入り、トリムシリンダ11の場合と同様にポンプ41へ回
流し、不足油はリザーバ25から補給される。
船外機1を下降させる場合には、ポンプ41を逆方向に
回転させることによりチルトアップ時とは逆に油が流れ
る。すなわちトリムシリンダ11は制御弁28があるためチ
ルトシリンダ15の基部側の油は逆止弁43を開いて排出さ
れ、チルトシリンダ15のロッド17が戻りきった後スイベ
ルブラケット10とトリムシリンダ11のロッド12との当接
によりそのロッド12が下降し、以後はトリムシリンダ11
のロッド12の短縮に追従してチルトシリンダ15のロッド
17はそのインナーピストン20がチルトシリンダ15のピス
トン19内を単に摺動して下降する。
したがって、チルトアップ時、チルトダウン時ともト
リム範囲はトリムシリンダ11のみの作動で行なわれ、ト
リムシリンダ11のストロークエンド以降のチルト範囲の
昇降作動のみがチルトシリンダ15の役目となる。これに
よりトリム範囲の昇降スピードを速めることができる。
〔発明の効果〕
以上のようにこの発明によれば、トリム範囲での上
昇、下降時ともチルトシリンダを油圧作動させることな
く行なうことができ、チルトシリンダに送油する必要が
ないので、その文の油量がトリムシリンダ側へ全て廻
り、これにより油圧ユニットを大型化することなくトリ
ムシリンダの作動速度を速め、トリムアップ、トリムダ
ウンに要する時間を大幅に短縮することができ、急激に
航走姿勢を変える必要のある場合、速かに対応すること
ができて安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る船外機のトリム・チルト装置の
一実施例を示す断面図、第2図はこの発明に係る船外機
のトリム・チルト装置の油圧回路の一例を示す回路図、
第3図は一般の船外機およびその支持構造を示す側面
図、第4図は従来のチルトシリンダの構造を示す断面図
である。 1……船外機、8……クランプブラケット、10……スイ
ベルブラケット、11……トリムシリンダ、12……ロッ
ド、15……チルトシリンダ、17……ロッド、19……ピス
トン、20……インナーピストン、21……オリフィス、24
……リザーバ、28,44……制御弁、31……スプール弁、4
1……ポンプ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランプ部により船体に装着され、トリム
    シリンダおよびチルトシリンダによりクランプブラケッ
    トに枢支されたスイベルブラケットを揺動させてトリム
    およびチルトを行なわせるようにした船外機において、
    チルトシリンダのピストン内にロッドの端部のインナー
    ピストンを気密に挿入し、このインナーピストンに上下
    の室を連通するオリフィスを設け、このインナーピスト
    ンのストロークとトリムシリンダのフルストロークとを
    ほぼ同一に形成してなり、トリム時にはトリムシリンダ
    に圧力油が供給され、チルトシリンダのロッドはインナ
    ーピストンの動きにより追従作動するようにしたことを
    特徴とする船外機のトリム・チルト装置。
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