JP2819670B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ツイスト配向状態を有するネマティック液
晶を用いた液晶表示素子に関する。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕
液晶表示素子は、テレビジョンセット、ワードプロセ
ッサ、コンピュータの端末機器、パーソナルコンピュー
タ等のディスプレイ素子として広く用いられている。
これらの液晶表示素子には、一方の基板に形成された
行方向に配列する電極と、他方の基板に形成された列方
向に配列する電極とが液晶を介して互いに交差する点を
それぞれ1つの画素とする単純マトリックス型の液晶マ
トリックス表示素子と、一方の基板に形成された共通電
極と、他方の基板に配列形成した多数の微小電極とが液
晶を介して互いに交差する点をそれぞれ1つの画素と
し、この各画素ごとに能動素子(薄膜トランジスタ)を
設けたアクティブ・マトリックス型の液晶マトリックス
表示素子とがある。
このようなマトリックス型の液晶表示素子は、大画面
化及び解像度の向上が要求されており、そのため、1つ
の表示素子に配列される画素数が極めて多くなってい
る。その結果、最近の液晶表示素子は、高デューティの
マルチプレックス駆動をし得ることが要望されている。
テレビジョンセットのように動画を表示するための表
示素子としては、応答速度が比較的速く、且つコントラ
ストが比較的高いTN(twisted nematic)型液晶表示素
子が用いられている。このTN型液晶表示素子(以下、TN
-LCDという)は、一対の基板間に封入されたネマティッ
ク液晶を、液晶分子の分子軸の方向が両基板間で90°ね
じれるように配列させたもので、前記一対の基板の外側
にはそれぞれ偏光板が配置されている。この液晶分子の
ねじれ配列は、所定の間隙を隔てて対向配置された一対
の基板の内面にそれぞれ配向処理を施すことによって実
現されている。この配向処理は、液晶に配向規制力を与
えるために前記基板面に形成された配向膜と、液晶分子
の分子長軸を一定方向に整列させるために、この配向膜
の表面をラビングすることからなっている。これによっ
て、配向膜の表面近傍の液晶分子はその長軸がラビング
の方向とほぼ平行となるように配列させられる(以下こ
の配向処理の配向規制力によって液晶分子が配列させら
れる方向を配向処理方向と定義する)。
一対の基板の内面に施された配向処理の方向と、一対
の基板の外側に配した偏光板の偏光軸(吸収軸または透
過軸)との関係を第17図に示す。第17図において、下基
板1の配向処理の方向は、破線矢印3で示すように下基
板1の左上から右下方向に向かい、且つ下基板の縁に対
して45°の方向である。上基板2の配向処理の方向は、
実線矢印4で示すように上基板2の左下から右上方向に
向かって上基板2の縁に対して45°の方向である。つま
り、下基板1の配向処理の方向と上基板2の配向処理の
方向とは、光が下基板1側から上基板2の方向に向かっ
て透過するとき、この透過光の進行方向に向かって(図
を紙面の裏側から見て)、右回り90°ずれている。その
結果、下基板1と上基板2の間に封入される液晶は、そ
の分子軸が下基板1の近傍では破線矢印3の方向と平行
に整列され、上基板2の近傍では実線矢印4の方向に整
列させられ、そして、中間の液晶分子は、前述した透過
光の進行方向に向かって見たとき、分子軸が順次左回り
方向にねじれた状態で配向する。したがって、前記液晶
は、下基板1と上基板2の間で左回りに90°ねじれた状
態で配向する。
また、下基板1と上基板2の外側にそれぞれ配置され
る偏光板の偏光軸(吸収軸または透過軸)の方向は、第
17図に示すように設定される。すなわち、下基板1の外
側に配置された下偏光板の偏光軸の方向は破線矢印5に
示すように下基板1の配向処理の方向と平行に設定さ
れ、上基板2の外側に配置された上偏光板の偏光軸の方
向は、実線矢印6のように下偏光板の偏光軸の方向に対
して90°で交差する方向に設定されている。そして、コ
ントラストを高くするために、液晶の光屈折率異方性Δ
nと、液晶層の層厚d(セルギャップ)との積で表され
るリターデーションΔn・dの値がほぼ1に設定されて
いる。
上述したTN-LCDは、その透過光の分光分布が第21図に
示すように比較的フラットであり、したがって画素のON
(光透過)状態でもOFF(光遮断)状態でもほとんど着
色は見られないし、また応答速度が速く、且つ比較的コ
ントラストが高いため、種々の表示素子として広く使用
されている。
しかし、このTN-LCDは、マルチプレックス駆動のデュ
ーティが高くなる(時分割数が多くなる)と、動作マー
ジンが少くなり、コントラストが低下する。そのため、
このTN-LCDは、高デューティがマルチプレックス駆動が
困難であった。
TN-LCDにおける上述した動作マージンの低下は、この
TN-LCDのしきい値特性の急峻性(印加電圧に対する輝度
変化の割合、以下γ特性という)が悪いために生ずるも
のである。
このγ特性を改善するには、印加電圧に対する液晶配
向状態の変化の度合を大きくするために液晶分子配列の
ツイスト角を180°〜360°に大きくすること、および液
晶の弾性定数を小さくすることが提案されている。この
ようにツイスト角を180°〜360°に設定した液晶表示素
子としては、ツイスト角が比較的小さいSTN(super twi
sted nematic)型液晶表示素子(以下、STN-LCDとい
う)と、ツイスト角が比較的大きいSBE(super birefri
ngence effect)型液晶表示素子(以下、SBE-LCDとい
う)とがあり、このSBE-LCDについては、米国特許4,69
7,884号および米国特許4,634,229号に開示されている。
上記SBE-LCDにおける対向する一対の基板の配向処理
の方向と、偏光板の偏光軸の方向を第18図に示す。第18
図において、下基板7の配向処理方向は、下基板7の下
縁に対して右下がりに約45°傾いた破線矢印8の方向で
あり、上基板9の配向処理方向は、図を紙面の裏側から
見て(透過光の進行方向に向かって)、右回りに測って
270°ずれた実線矢印10の方向である。これによって、
両基板間に封入された液晶は、その液晶分子の分子軸が
下基板7の配向処理の方向(破線矢印8)から上基板9
の配向処理方向(実線矢印10)まで、透過光の進行方向
から見て左回りに270°ねじれた配向状態となる。下基
板7の外側に配置された偏光板の偏光軸は、下基板7の
配向処理方向(破線矢印8)に対して45°ずれた破線矢
印11の方向に設定され、また上基板9の外側に配置され
た上偏光板の偏光軸は、上基板9の配向処理方向(実線
矢印10)に対して45°ずれた実線矢印12の方向に設定さ
れている。そして、両基板間には、光屈折率異方性Δn
と液晶層厚との積の値Δn・dの値が0.78μm〜0.84μ
mとなるネマティック液晶が封入されている。
上述したように、SBE-LCDおよびSTN-LCDは、液晶分子
配列のツイスト角を大きくすることによりγ特性を改善
し、且つ液晶の複屈折効果を利用することにより視覚的
なコントラストを向上させている。
しかしながら、その反面、SBE-LCDおよびSTN-LCDは、
ツイスト角が大きいために応答速度が遅くなる。また、
複屈折効果を利用するため、光屈折率の波長依存性によ
り、第22図に示すように透過光の分光分布にピークが生
じ、そのため、第23図のCIE色度図で表わしたように、O
N(光遮断)状態で薄青色、OFF(光透過)状態で黄緑色
を帯び、表示画面が着色するという欠点があった。その
ため、このSBE-LCDおよびSTN-LCDは、文字表示には適し
ているものの、テレビジョン画像のような動画の表示に
は適さず、且つカラー表示にも適していない。
そこで、上記SBN-LCDおよびSTN-LCDの欠点を解消する
ため、液晶の光屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δ
n・d(以下リターデーションΔn・dという)の値を
小さくすることにより、表示画面の着色を防止すること
が提案されている。
この液晶表示素子は、OMI(optical mode interferen
ce effect)型液晶表示素子(以下、OMI-LCDという)と
して、M.Schadt and F.leenhouts等により、Appl.phys.
lett.50(2),2 February 1987、およびSID DIGEST 19
87.P.372〜375に報告されている。
このOMI-LCDにおける一対の基板表面の配向処理方向
と偏光板の偏光軸の方向を第19図に示した。第19図にお
いて、下基板13の配向処理方向は、下基板13の下縁と平
行な破線矢印14の方向であり、上基板15の配向処理方向
は、下基板13の配向処理方向と平行な実線矢印16の方向
である。その結果、両基板13,15間に封入される液晶
は、その分子軸が下基板13の配向処理の方向(破線矢印
14)から、図を紙面の裏側から見て(透過光の進行方向
に向かって)、左回りに180°ねじれた状態で配向す
る。下基板13の外側に配置された偏光板の偏光軸の方向
は、下基板13の配向処理方向(破線矢印14)と平行な破
線矢印17の方向に設定され、上基板15の外側に配置され
た下偏光板の偏光軸の方向は、下偏光板の偏光軸方向
(破線矢印17)と直交する実線矢印18の方向に設定され
ている。そして、両基板間には、0.55μm程度のリター
デーションΔn・dの値をもったネマティック液晶が封
入されている。
このOMI-LCDは、表示の着色を抑えるために、Δn・
dの値を極めて小さくしており、その結果、ほとんど無
彩色の表示が可能である。
しかし、このOMI-LCDは、表示を無彩色とするため
に、光透過状態における透過率が低く、したがって表示
が暗いという欠点があり、また、γ特性も悪いという欠
点があった。
また、上述したSTN-LCDやOMI-LCDを変形した種々の提
案が、例えば特開昭62-31822号,特開昭62-80619号,特
開昭62-80620号,特開昭62-80622号,特開昭62-129818
号,特開昭62-144134号,特開昭62-153821号,および特
開昭62-204230号等に開示されている。これらの液晶表
示素子における両基板の配向処理方向と一対の偏光板の
偏光軸の方向は第20図に示すように、下基板19の配向処
理方向を破線矢印20で示し、上基板21の配向処理方向を
実線矢印22で示すとき、この間に封入される液晶の分子
配列のツイスト角φが160°〜360°の範囲、下基板19の
配向処理方向(破線矢印20)と破線矢印23で示されるこ
の下基板19の外側に配置された下偏光板の偏光軸の方向
とのなす角αが0°〜110°の範囲であり、且つ上基板2
1の外側に配置される上偏光板の偏光軸の方向を実線矢
印24で示すとき、上下の偏光板の交角ψが0°〜90°の
範囲にそれぞれ設定されている。そして上下の基板21,1
9間には、0.4〜0.6および/または0.7〜1.2のリタデー
ションΔn・dの値をもったネマティック液晶が封入さ
れている。
しかし、これらの液晶表示素子も、上述したSTN-LCD
やOMI-LCDと実質的に変わらず、上述したような欠点が
未だ十分解決されていない。したがって、表示の着色、
低透過率、およびγ特性が悪いという問題をもってい
る。
本発明は上述した実情にかんがみてなされたものであ
り、その目的とするところは、表示が着色することな
く、明るい表示が得られ、且つγ特性が優れた液晶表示
素子を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の液晶表示素子は、 複数の第1電極が配列された第1の基板と、 前記第1電極に対向する第2電極が配列され、前記第
1の基板に対し所定の間隙を隔てて対峙するようにシー
ル材によって接合された第2の基板と、 前記第1の電極の表面および第1の基板の表面を覆
い、液晶分子を第1の方向に整列させて配列させるため
の第1の配向手段と、 前記第2の電極の表面および第2の基板の表面を覆
い、液晶分子を前記第1の方向と異なった第2の方向に
整列させて配列させるための第2の配向手段と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間隙に介在さ
れ、前記第1の配向手段と第2の配向手段との間で所定
角度のねじれをもってツイスト配向させられるネマティ
ック液晶と、 前記液晶の層の外側に配置された偏光板とからなり、 前記第2の配向手段は、透過光の進行方向へ向かって
見たとき、前記第1の方向から予め定めた第1の回転方
向に測って0°〜90°で交差する前記第2の方向に前記
液晶の分子を整列させて配列させるための配向処理が施
されており、 前記液晶は、その光屈折率異方性Δnが0.12以下、誘
電異方性Δεと分子軸に垂直な方向の誘電率ε⊥との比
Δε/ε⊥で表される誘電定量が1.0以下の値をもち、
且つ、前記光屈折率異方性Δnと液晶層の層厚dとの積
で表されるリターデーションΔn・dが、波長が450nm
〜550nmの光に対して、0.4μmより大きく1.0μmより
小さい値をもっており、 前記液晶の分子は、前記第1の配向手段と前記第2の
配向手段との間で、透過光の進行方向へ向かって見たと
き、前記第1の回転方向に180°〜270°ねじれてツイス
ト配向させられている ことを特徴とするものである。
また、本発明においては、 液晶層の層厚dは、4μm以上、9μm以下であるこ
と、 液晶は、誘電異方性Δεと分子軸に垂直な方向の誘電
率ε⊥との比Δε/ε⊥で表される誘電定量が0.5以下
の値をもっていること、 第1と第2の配向手段のうち、少なくとも一方の配向
手段は、その表面近傍の液晶分子を前記表面に対して5
°以下のプレチルト角をもって配向させる配向膜の表面
にラビングによる配向処理を施したものであること、 偏光板は、第1の配向手段の外側に配置され透過光の
進行方向へ向かって見たとき第1の方向から第1の回転
方向に測って180°〜115°で交差する方向に偏光軸をも
った第1の偏光板と、第2の配向手段の外側に配置され
透過光の進行方向へ向かって見たとき前記第1の偏光板
の偏光軸の方向から第1の回転方向に測って90°〜20°
で交差する方向に偏光軸をもった第2の偏光板とからな
ること、 第2の配向手段は、透過光の進行方向へ向かって見た
とき、第1の方向から第1の回転方向に測って0°〜60
°で交差する第2の方向に液晶分子を整列させて配列さ
せるための配向処理が施されたものであり、液晶の分子
は、第1の配向手段と第2の配向手段との間で、透過光
の進行方向へ向かって見たとき、前記第1の回転方向に
180°〜240°ねじれてツイスト配向させられているこ
と、 液晶は、光屈折率異方性Δnと液晶層の層厚dとの積
で表されるリターデーションΔn・dが、0.5μmより
大きく0.7μmより小さい値をもっていること、 対向する第1電極と第2電極とが交差する複数の部分
に、 (Nは時分割数)より大きいバイアス比の値をもった駆
動信号を印加するマルチプレックス駆動手段を備えてい
ること、 上記第1電極と第2電極とが交差する複数の部分に、
これらの交差部分を繰返し選択駆動するためのフレーム
周波数が時分割数より高い周波数をもった駆動信号を印
加するマルチプレックス駆動手段を備えていること、 さらに、上記第1電極と第2電極とが交差する複数の
部分に、 (Nは時分割数)より大きいバイアス比の値をもち、且
つ、これらの交差部分を繰返し選択駆動するためのフレ
ーム周波数が時分割数Nより高い周波数をもった駆動信
号を印加するマルチプレックス駆動手段を備えているこ
と、 が望ましい。
〔作用〕
上記のように、本発明の液晶表示素子は、一対の基板
間に介在させる液晶の分子配列のツイスト角を180°〜2
70°と大きくし、且つこのツイスト角に応じてリターデ
ーションΔn・dの値を、波長が450nm〜550nmの光に対
して、0.4より大きく、1.0より小さくした。そのため、
入射光は可視光帯域の長波長側の光が液晶層の複屈折効
果により楕円偏光となって出射し、短波長側の光が液晶
層の複屈折効果及び偏光面を回転させる旋光力の作用に
よって、長軸が回転した楕円偏光となって出射する。そ
の結果、出射光は、可視光の全波長帯域にわたって旋光
力の作用で楕円偏光の長軸が回転させられていないの
で、屈折率の波長依存性があるために波長ごとの旋光角
の違いによって生ずる透過光の着色がなくなる。したが
って、本発明の液晶表示素子は、無彩色の表示を有する
ことができ、且つ光透過状態に制御したときの透過率が
高く、明るい表示を得ることができる。
この場合、液晶の光屈折率異方性Δnを0.12以下と小
さくしているため、液晶の光屈折率異方性の波長依存性
が小さくなり、透過光の着色をより一層確実に防ぐこと
ができる。
また本発明の液晶表示素子は、誘電異方性Δεを液晶
分子の長軸に直交する方向の誘電率ε⊥の値で徐した誘
電定量Δε/ε⊥が1.0以下と小さい液晶を用いてい
る。その結果、対向する一対の基板間で液晶分子が挙動
したときの液晶層に印加される有効な電圧の変化が少く
なり、応答速度が速く、且つγ特性が良くなる。
さらに本発明の液晶表示素子は、いずれか一方の基板
の配置処理方向と、この基板の外側に設けられる偏光板
の偏光軸とのなす角度が、180°〜115°の範囲で設定さ
れ、且つ、一対の基板の外側に配置される一対の偏光板
の偏光軸の成す角は90°〜20°の範囲で設定されてい
る。したがって、前記一対の偏光板の偏光軸は、液晶を
透過する光の偏光状態に応じて最も適した方向に設定す
ることができるので、コントラストが高くなる。
さらにまた、本発明の液晶表示素子は、液晶層の層厚
dを9μm以下,4μm以上にしたので、電界強度が強
く、且つ、液晶分子の配向が両基板近傍の配向規制力に
よって規制される液晶層の部分に比べて液晶層の中間で
電界によって配向が制御される液晶層の部分の割合が大
きくなり、その結果、急峻性、及び応答速度において優
れている。
また本発明の液晶表示素子は、プレチルト角が5°以
下であるので、電界印加状態における液晶分子の配向の
変化が大きくなって急峻性が良くなるとともに、プレチ
ルト角の温度依存性が小さくなって、安定した配向が得
られる。
上述した本発明の液晶表示素子はマルチプレックス駆
動される。この場合、この液晶表示素子は、理論的な計
算によって得られた従来の適性バイアス電圧よりも高い
バイアス電圧を印加するためのドライブ信号によって駆
動され、および/または時分割数より大きい値のフレー
ム周波数をもった駆動信号によって駆動される。その結
果、高いバイアス電圧の印加、および/または高周波数
の駆動信号が用いられることによって、光遮断状態にお
ける透過率が低下し、高コントラストが得られる。
このように、本発明の液晶表示素子は、γ特性が優
れ、表示が着色せず、且つ高コントラストが得られ、し
たがって、テレビジョンセットのような動画を表示する
のに最適である。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
まず、液晶表示素子の構造について説明する。第1図
はテレビジョン画像等の画像表示に利用されるマトリッ
クス表示方式の液晶表示素子を示している。
第1図において、31,32はシール材33を介して接着さ
れた一対の透明基板であり、一方の基板、例えば入射光
側基板31(図では下基板)の上面には、多数本のストラ
イプ状透明走査電極34が形成され、出射光側基板32(図
では上基板)の下面には上記走査電極34と交差対向する
多数本のストライプ状透明信号電極35が形成されてい
る。さらにこの両基板31,32の互いに対向する面にはそ
れぞれ配向処理が施されており、この配向処理は、前記
両基板の対向面に形成された配向膜36,37と、これらの
配向膜を一方向にラビングすることからなっている。38
は両基板31,32間に封入されたネマティック液晶であ
り、この液晶中には液晶分子の配列をツイストさせるた
めの光学活性物質(例えばカイラル液晶)が混入されて
おり、この液晶38の分子は、両基板31,32の対向面の配
向膜36,37と一方向のラビングによりその向きを規制さ
れて、両基板31,32間においてツイスト配列している。3
9,40は両基板31,32の外面に配置された一対の偏光板で
ある。なお、第1図では単純マトリックス型の液晶表示
素子を示したが、この液晶表示素子は、薄膜トランジス
タによって各画素電極を駆動するアクティブ・マトリッ
クス型のものでもよい。
次に、上記液晶表示素子における両基板31,32の配向
処理方向および液晶分子配列のツイスト方向と、入射光
側偏光板39と出射光側偏光板40の偏光軸(透過軸または
吸収軸)の方向について説明する。ここでは、液晶表示
素子の視角位置F(コントラストが最も高く見える方
向)が液晶表示素子の前縁側にくる場合の例を示す。
第2図は入射光側基板31の配向処理方向A1と入射光側
偏光板39の偏光軸方向B1を示しており、入射光側基板31
の配向処理方向A1は、基板の横軸Xと平行な実線矢印の
方向から前記横軸Xを基準として透過光の進行方向に向
かって(図を紙面の裏面から見て)右回りに30°回転さ
せた鎖線矢印の方向までの間の30°の角度範囲内に設定
されている。
なお、以下に記す右回りおよび左回りは、いずれも透
過光の進行方向に向かって見た回転方向である。
第3図は出射光側基板32の配向処理方向A2と出射光側
偏光板40の偏光軸方向B2を示しており、出射光側基板32
の配向処理方向A2は、基板の横軸Xと平行な実線矢印の
方向から前記横軸Xを基準として左回りに30°回動させ
た鎖線矢印の方向までの間の30°の角度範囲内に設定さ
れている。すなわち、入射光側基板31の配向処理方向A1
と出射光側基板32の配向処理方向A2とは、0°(平行)
〜60°の角度をもって交差している。そして、両基板3
1,32間に封入されたネマティック液晶38には左旋性の光
学活性物質が混入されており、この液晶38の分子は両基
板31,32間において左回りに、最小で180°(両基板31,3
2の配向処理方向A1,A2とが平行の場合)から最大で240
°(両基板31,32の配向処理方向A1,A2との交差角が最大
角60°の場合)ツイスト配列されている。第2図および
第3図において、Tは液晶分子配列のツイスト方向(以
下液晶ツイスト方向という)を示しており、液晶分子は
その左旋性により入射光側基板31から出射光側基板32に
向かって(図を紙面の裏側から見て)左回りにツイスト
配列されている。また、入射光側偏光板の偏光軸方向B1
は、第2図に示すように、入射光側基板31の配向処理方
向A1に対し、液晶分子配列のツイスト角φが180°の場
合でα=180°〜145°(115°+30°)、前記ツイスト
角φが240°の場合でα=150°(115°+35°)〜115
°、液晶ツイスト方向Tと逆方向にずらした範囲(実線
矢印の方向から鎖線矢印の方向の範囲)に設定されてお
り、出射光側偏光板の偏光軸方向B2は第3図に示すよう
に、液晶のΔnの値に応じて、入射光側基板31の配向処
理方向A1に対し、液晶分子配列のツイスト角φが180°
の場合でβ=125°〜90°(60°+30°)、前記ツイス
ト角φが240°の場合でβ=95°(60°+35°)〜60
°、液晶ツイスト方向Tと逆方向にずらした範囲(実線
矢印の方向から鎖線矢印の方向の範囲)に設定されてい
る。すなわちツイスト角および液晶のΔnの値に応じ
て、入射光側偏光板の偏光軸方向B1は、入射光側基板31
の配向処理方向A1に対しα=180°〜115°の範囲にあ
り、出射光側偏光板の偏光軸方向B2は、入射光側基板31
の配向処理方向A1に対してβ=125°〜60°の範囲にあ
る。また、入射光側偏光板の偏光軸方向B1と出射光側偏
光板の偏光軸方向B2とのずれ角ψは、90°〜20°であ
る。
上記液晶表示素子は、液晶38として、540nm〜550nmの
波長における屈折率異方性Δnの値が0.12以下のものを
使用し、且つ液晶38の光屈折率異方性Δnと液晶層の層
厚d(第1図参照)との積で表わされるリターデーショ
ンΔn・dの値を、0.4<Δn・d<1.0の範囲に設定し
ている。このΔn・dの値は、0.5〜0.9の範囲にあるの
が望ましい。さらに望ましくはΔn・dの値は0.6〜0.8
の範囲である。また上記液晶38としては、その誘電異方
性Δεと液晶分子軸方向に直角な誘電率ε⊥との比で表
わされる誘電定量Δε/ε⊥の値が1.0以下のものが使
用されている。さらに上記液晶表示素子では、液晶層の
層厚dが、4μm≦d≦9μmであり、基板31,32の配
向膜36,37の近傍における液晶分子のプレチルト角が5
°以下に設定されている。
しかして、上記実施例の液晶表示素子においては、一
対の基板31,32間における液晶分子配列のツイスト角φ
を180°〜240°と大きくしているから、電界を印加した
ときの光学的な変化が大きい。また、液晶38の誘電定量
Δε/ε⊥の値を1.0以下と小さくしているために、電
界の印加により液晶分子が基板に対して垂直に立って行
くときの誘電率の変化が少なく、液晶38のインピーダン
スの低下が小さい。そのため、液晶38に印加される実質
的な電圧の低下が少なく、液晶38には高い電圧が印加さ
れる。このようにツイスト角が大きく、且つΔn・dの
値が小さい液晶表示素子では、上記インピーダンスの低
下を小さく抑さえて液晶38に高電圧を印加することによ
るγ特性への影響が、従来のSTN-LCD等におけるような
液晶の弾性定数を小さくすることによるγ特性への影響
に比べてはるかに大きい。よって、上記ツイスト角を大
きくした点と、誘電定量Δε/ε⊥を小さくしたことの
2点によりγ特性が良くなり、高時分割駆動に対しても
良好なコントラストが得られる。この場合、上記誘電定
量Δε/ε⊥の値は小さい方が好ましく、特に0.5以下
であることが望ましい。
また、上記実施例では、上記ツイスト角に応じて、可
視光帯域のほぼ中央の波長光(λ=540nm〜550nm)に対
するリターデーションΔn・dの値が0.4μm〜1.0μm
の範囲に設定されている。すなわち、可視光帯域の中に
複屈折の作用を受ける波長帯域と、旋光の作用を受ける
波長帯域とが存在するように前記リターデーションΔn
・dの値が設定されている。そのため、入射光は、長波
長側の光が液晶層の複屈折の作用により楕円偏光となっ
て出射し、短波長側の光が液晶層の複屈折の作用と偏光
面を回転させる旋光力の作用によって、長軸が回転させ
られた楕円偏光となって出射する。したがってこの液晶
表示素子によれば、旋光を可視光の全波長帯域にわたっ
て作用させることがないので、光屈折率異方性Δnの波
長依存性による旋光角度の違いが小さく、また、複屈折
の作用を受ける波長帯域の光は、Δn・dの値を調整す
ることによりその楕円偏光の長軸を前記旋光された光の
楕円偏光の長軸にほぼ一致させるか、または円偏光に近
くすることができるので、各波長ごとの透過率の違いが
少くなる。したがって、分光分布が平坦となって着色し
ない表示が得られる。そして、この場合、液晶の波長が
540nm〜550nmの光に対する光屈折率異方性Δnの値が0.
12以下と小さいため、液晶の光屈折率異方性Δn自体と
波長依存性が小さく、より一層、分光分布が平坦となり
着色しない。
ここで、液晶分子配列のツイスト角φが200°、リタ
ーデーションΔn・dが0.68μm、液晶の光屈折率異方
性Δnが0.093(543nm)の値をもった上記実施例の液晶
表示素子について、ON(光透過)状態とOFF(光遮断)
状態での分光特性を第4図に示し、また、この第4図の
分光分布に基づいて求めたON状態とOFF状態での色相を
第5図に示した。これら第4図および第5図と、従来の
STN-LCDにおける第22図および第23図に示した分光特性
および色相とを比較すれば明らかなように、上記実施例
の液晶表示素子は、ON状態での透過率の波長依存性が小
さく、分光分布曲線がフラットであり、またOFF状態で
の偏光が小さく、コントラストが高い。そして、第5図
から明らかなように、上記実施例の液晶表示素子は、O
N,OFF状態のいずれにおいてもその透過光が無彩色点C
に近く、したがって、透過光の着色はほとんどない。
そして、上記液晶表示素子においては、いずれか一方
の基板の配向処理方向と、この一方の基板の外側に設け
られる偏光板の偏光軸のなす角度αが180°〜115°の範
囲で設定され、且つ、一対の基板の外側に配置される一
対の偏光板の偏光軸のなす角ψが90°〜20°の範囲で設
定されている。このように入射光側基板31の配向処理方
向A1と入射光側偏光板39の偏光側方向B1とのなす角αを
135°とし、入射光側偏光板39の偏光軸方向B1と出射光
側偏光板40の偏光軸B2とのなす角ψを60°とした上記液
晶表示素子と、前記角αを45°、前記角ψを30°とした
液晶表示素子について、各方向から見たときのコントラ
ストを測定した結果を[表1]に示した。
但し、ツイスト角φ=240°、縦方向の視角は、液晶
表示素子の法線方向を0°とし、平面的に見て上下方向
に傾いた方向から見たときの法線に対する角度で、上方
向に傾いた方向を(−)とする。横方向の視角は、法線
に対して左右に傾いた方向を表わす。
この[表1]から明らかなように、上記実施例のよう
に偏光板の偏光軸を設定したものの方が、比較例に比べ
てコントラストが高い。したがって、一対の偏光板の偏
光軸は、液晶層を透過する光の偏光状態に応じて最も適
した方向に設定されているので、透過状態における透過
率が高く、また光遮断状態における漏れ光を最小限に少
くすることができ、その結果、コントラストが高い。
また、液晶表示素子においては、液晶層の層厚dが9
μm以上であると、液晶に作用する電界が弱くなって応
答速度が低下し、また液晶層の層厚dが4μm以下であ
ると、電気的変化に対する光学的変化の急峻性が悪くな
る。何故ならば基板近傍の液晶分子は基板の配向規制力
を受けているため、電界が印加されても配向は変わらな
い。この配向が変わらない液晶の層厚は、液晶の種類お
よび基板面の配向膜に依存して異なるが、少なからず依
存する。そして、液晶層の層厚dが4μm以下である
と、液晶の層厚d中における電界に応じて配向が変わる
液晶の層厚部分の割合が小さくなる。したがって、液晶
層の層厚dを4μm以下としたのでは、液晶層全体の電
気的変化に対する光学的変化が小さくなり、電気光学的
変化の急峻性は悪くなる。これに対して、上記実施例の
ように液晶層の層厚dが、d≧4μmであれば、電界に
対して配向が変化しない液晶(基板近傍の配向規制力を
受けている液晶)の層厚部分の割合が、電界に応じて配
向が変わる液晶の層厚部分に比べて小さくなるから、上
記電気光学的変化の急峻性の低下はほとんどない。した
がって、上記実施例のように、液晶層の層厚dを4μm
≦d≦9μmの範囲に設定しておけば、応答性の低下が
なく、また電気光学的変化の急峻性をさらに高くするこ
とができる。
さらに、液晶表示素子では、基板面近傍における液晶
分子のプレチルト角が5°より大きいと、このプレチル
ト角の温度依存性が大きくなり、また液晶分子配列が不
均一になるだけでなく、電気光学的変化の急峻性も悪く
なる。このため、上記実施例では、基板31,32の配向膜3
6,36近傍の液晶分子のチルト角を5°以下にすることに
よって、チルト角の温度依存性を小さくしてチルト角の
安定性を向上させ、且つ電気光学的変化の急峻性を高く
保っている。
なお上記実施例では、一対の基板31,32間における液
晶分子配列のツイスト角φを180°〜240°としている
が、このツイスト角φは180°〜270°の範囲であって
も、上記の作用効果が得られる。
また、上記実施例では、入射光側偏光板39の偏光軸方
向B1を、入射光側基板31の配向処理方向A1に対して液晶
ツイスト方向Tと逆方向にずらしているが、この入射光
側偏光板39の偏光軸方向B1は、入射光側基板31の配向処
理方向A1に対して液晶ツイスト方向Tと同方向にずらし
てもよい。また液晶分子配列のツイスト方向Tは左回り
に限らず右回りでもよい。
以下に、上述した実施例に従ったより具体的な実施例
について説明する。
まず、液晶分子配列のツイスト角φを180°に設定し
た第1の実施例について説明する。ツイスト角φが180
°の場合、入射光側基板31の配向処理方向A1と出射光側
基板32の配向処理方向とは平行な同一方向であり、入射
光側偏光板39の偏光軸(透過軸)B1は、入射光側基板31
の配向処理方向A1に対してα=160°〜180°の範囲に、
出射光側偏光板40の偏光軸(透過軸)B2は、入射光側基
板31の配向処理方向A1に対してβ=90°〜110°の範囲
に設定される。そして、液晶のリターデーションΔn・
dの値は、0.5μm〜0.7μmの範囲に設定される。
この場合の入射光側及び出射光側偏光板の偏光軸の角
度とコントラストとの関係を第6図に示した。この第6
図は、リターデーションΔn・dの値を0.65μmとし、
波長が540nmの光(緑色光)を用い、1/112デューティで
マルチプレックス駆動したとき、入射光側偏光板の偏光
軸の角度αに対して最大コントラストが得られる出射光
側偏光板の偏光軸の角度βを曲線aで示し、この時のコ
ントラストの値を曲線bで示している。この図から明ら
かなように、入射光側偏光板の偏光軸の角度αが180°
〜160°、出射光側偏光板の偏光軸の角度βが90°〜110
°の範囲で、コントラストが90以上を示し、従来のTN-L
CDやSTN-LCDのコントラストと比較して極めて高い。そ
して、上述した偏光板の偏光軸の角度α,βとコントラ
ストの関係は、リターデーションΔn・dの値を0.5μ
m〜0.7μmに設定した場合にも同様の結果が得られ
る。
この実施例におけるリターデーションΔn・dの値に
対する各色光の透過率、コントラスト、および透過率に
視感度を乗じたY値の関係を、リターデーションΔn・
dを0.5μm,0.6μm,0.7μmにそれぞれ選んだ3種類の
例について調べた結果を[表2]に示し、比較のため
に、従来のTN-LCDおよびSTN-LCDにおける各色光に対す
る透過率、コントラスト及びY値の関係を[表3]に示
した。なお、[表2]および[表3]は、1/112デュー
ティでマルチプレックス駆動したときの測定値である。
この[表2]と[表3]とを比較すれば明らかなよう
に、上記第1の実施例の液晶表示素子は、いずれの例
も、従来のTN型やSTN型の液晶表示素子よりコントラス
トが高く、分光分布がフラットである。そして[表2]
において、リターデーションΔn・dが0.6μmの例1
は、コントラスト及びY値が最も優れている。なお、リ
ターデーションΔn・dが0.5μmの例2では、赤色光
に対する画素ON状態の値が低くなって、表示が暗くなる
傾向を示し、またリターデーションΔn・dが0.7μm
の例3では、Y値が悪化する傾向を示す。したがってツ
イスト角が180°の場合は、リターデーションΔn・d
の値は0.5〜0.7μmの範囲であるのが望ましい。
次に、本発明を用いた他の具体的な実施例について、
第7図〜第12図を参照して説明する。
第7図に示す第2の実施例は、液晶分子配列のツイス
ト角φを180°、リターデーションΔn・dの値を0.6μ
mとしたもので、入射光側基板31の配向処理方向A1と出
射光側基板32の配向処理方向A2は基板横軸Xと平行であ
り、入射光側偏光板の偏光軸方向B1は、入射光側基板31
の配向処理方向A1に対してα=170°液晶ツイスト方向
Tと逆方向にずらした方向とされ、また出射光側偏光板
の偏光軸方向B2は、入射光側基板31の配向処理方向A1に
対してβ=100°液晶ツイスト方向Tと逆方向にずらし
た方向に設定されている。この場合の入射光側偏光板の
偏光軸方向B1と出射光側偏光板の偏光軸方向B2とのずれ
角ψは70°であり、入射光側偏光板の偏光軸方向B1は基
板横軸Xに対して液晶ツイスト方向Tと同方向に10°ず
れ、出射光側偏光板の偏光軸方向B2は基板縦軸Yに対し
て液晶ツイスト方向Tと逆方向に10°ずれている。
第8図に示す第3の実施例は、液晶分子配列のツイス
ト角φを180°、リターデーションΔn・dの値を0.7μ
mとしたもので、入射光側基板31の配向処理方向A1と出
射光基板32の配向処理方向A2は第7図と同じであり、入
射光側偏光板の偏光軸方向B1は、入射光側基板31の配向
処理方向A1に対してα=165°液晶ツイスト方向Tと逆
方向にずらした方向、出射光側偏光板の偏光軸方向B2
は、入射光側基板31の配向処理方向A1に対してβ=105
°液晶ツイスト方向Tと逆方向にずらした方向に設定さ
れている。この場合の入射光側偏光板の偏光軸方向B1と
出射光側偏光板の偏光軸方向B2とのずれ角ψは60°であ
り、入射光側偏光板の偏光軸方向B1は、基板横軸Xに対
して液晶ツイスト方向Tと同方向に15°ずれ、出射光側
偏光板の偏光軸方向B2は、基板縦軸Yに対して液晶ツイ
スト方向Tと逆方向に15°ずれている。
また第9図に示した第4の実施例は、液晶分子配列の
ツイスト角φを200°、リターデーションΔn・dの値
を0.7μmとしたもので、入射光側基板31の配向処理方
向A1と出射光側基板32の配向処理方向A2は基板横軸Xに
対して互いに逆方向に10°ずつずらした方向とされ、入
射光側偏光板の偏光軸方向B1は、入射光側基板31の配向
処理方向A1に対してα=165°液晶ツイスト方向Tと逆
方向にずらした方向、出射光側偏光板の偏光軸方向B2
は、入射光側基板31の配向処理方向A1に対してβ=85°
(出射光側基板32の配向処理方向A2に対しては105°)
液晶ツイスト方向Tと逆方向にずらした方向に設定され
ている。この場合の、入射光側偏光板の偏光軸方向B1と
出射光側偏光板の偏光軸方向B2とのずれ角ψは80°であ
り、入射光側偏光板の偏光軸方向B1は基板横軸Xに対し
て液晶ツイスト方向Tと同方向に5°ずれ、出射光側偏
光板の偏光軸方向B2は基板縦軸Yに対して液晶ツイスト
方向Tと逆方向に5°ずれている。
第10図に示した第5の実施例は、液晶分子配列のツイ
スト角φを200°、リターデーションΔn・dの値を0.9
μmとしたもので、入射光側基板31の配向処理方向A1と
出射光側基板32の配向処理方向A2は第9図と同じであ
り、入射光側偏光板の偏光軸方向B1は、入射光側基板31
の配向処理方向A1に対してα=150°液晶ツイスト方向
Tと逆方向にずらした方向、出射光側偏光板の偏光軸方
向B2は、入射光側基板31の配向処理方向A1に対してβ=
100°(出射光側基板32の配向処理方向A2に対しては120
°)液晶ツイスト方向Tと逆方向にずらした方向に設定
されている。この場合の入射光側偏光板の偏光軸方向B1
と出射光側偏光板の偏光軸方向B2とのずれ角は50°であ
り、入射光側偏光板の偏光軸方向B1は基板横軸Xに対し
て液晶ツイスト方向Tと同方向に20°ずれ、また出射光
側偏光板の偏光軸方向B2は基板縦軸Yに対して液晶ツイ
スト方向Tと逆方向に20°ずれている。
第11図に示した第6の実施例は、液晶分子配列のツイ
スト角φを240°、リターデーションΔn・dの値を0.6
μmとしたもので、入射光側基板31の配向処理方向A1と
出射光側基板32の配向処理方向A2は基板横軸Xに対して
互いに逆方向に30°ずつずらした方向とされ、入射光偏
光板の偏光軸方向B1は、入射光側基板31の配向処理方向
A1に対してα=135°液晶ツイスト方向Tと逆方向にず
らした方向、出射光側偏光板の偏光軸方向B2は、入射光
側基板31の配向処理方向A1に対してβ=75°(出射光側
基板32の配向処理方向A2に対しては135°)液晶ツイス
ト方向Tと逆方向にずらした方向に設定されている。こ
の場合の入射光側偏光板の偏光軸方向B1と出射光側偏光
板の偏光軸方向B2とのずれ角ψは60°であり、入射光側
偏光板の偏光軸方向B1は基板横軸Xに対して液晶ツイス
ト方向Tと同方向に15°ずれ、出射光側偏光板の偏光軸
方向B2は基板縦軸Yに対して液晶ツイスト方向Tと逆方
向に15°ずれている。
さらに、第12図に示した第7の実施例は、液晶分子配
列のツイスト角φを240°、リターデーションΔn・d
の値を0.8μmとしたもので、入射光側基板31の配向処
理方向A1と出射光側基板32の配向処理方向A2は第11図と
同じであり、入射光側偏光板の偏光軸方向B1は、入射光
側基板31の配向処理方向A1に対してα=115°液晶ツイ
スト方向Tと逆方向にずらした方向とされ、出射光側偏
光板の偏光軸方向B2は、入射光側基板31の配向処理方向
A1に対してβ=92.5°(出射光側基板32の配向処理方向
A2に対しては152.5°)液晶ツイスト方向Tと逆方向に
ずらした方向に設定されている。この場合の入射光側偏
光板の偏光軸方向B1と出射光側偏光板の偏光軸方向B2と
のずれ角ψは22.5°であり、入射光側偏光板の偏光軸方
向B1は、基板横軸Xに対して液晶ツイスト方向Tと同方
向に35°ずれ、出射光側偏光板の偏光軸方向B2は、基板
縦軸Yに対して液晶ツイスト方向Tと逆方向に32.5°ず
れている。
次に、上記実施例の液晶表示素子を駆動する場合につ
いて説明する。
上述したように構成された液晶表示素子は、第13図に
示された駆動回路によってマルチプレックス駆動され
る。すなわち、入射光側基板31に配列された複数の走査
電極34はそれぞれ走査電極ドライバ41に接続され、出射
光側基板32に配列された複数の信号電極35はそれぞれ信
号電極ドライバ42に接続されている。上記走査電極ドラ
イバ41は、タイミング信号発生部43からのタイミング信
号と、電源44から複数の電源電圧の供給を受け、所望の
フレーム周波数(例えば60Hzまたは120Hz)をもった走
査信号を個々の信号電極34に順次所定のタイミングずつ
周期をずらせて供給する。信号電極ドライバ42は、タイ
ミング信号発生部43と電源44からタイミング信号と複数
の電源電圧の供給を受け、表示信号発生部45から出力さ
れた表示信号に従って、前記走査信号に同期した選択ま
たは非選択の駆動信号を前記信号電極に与える。ここ
で、上記表示信号発生部45は、表示装置の外部から供給
される表示データを受け、タイミング信号発生部43から
のタイミング信号に同期した表示信号を発生し、信号電
極ドライバ42に供給する。これによって、信号電極35と
走査電極34との交差する部分が信号電極35に与えられた
駆動信号によって任意に選択駆動され、所望のパターン
が表示される。選択点の両電極35,34間に印加される電
圧の波形は第14図(a)に示した波形であり、選択期間
に高い動作電圧VOが印加され、他の非選択期間にはバイ
アス電圧VBが印加される。半選択点の両電極35,34間に
印加される電圧の波形は第14図(b)に示した波形であ
り、選択期間にしきい値電圧より低い非動作電圧Vnが印
加され、他の非選択期間にはバイアス電圧VBが印加され
る。また非選択点の両電極35,34間には、第14図(c)
に示した波形のバイアス電圧VBが印加されている。
上記液晶表示素子は、上述したマルチプレックス駆動
によって、通常、動作マージンを最も大きくすることが
できるとされている理論的な計算値で得られた従来の適
性バイアス比より大きなバイアス比となるようなバイア
ス電圧を印加され、および/または周波数が時分割に対
応したフレーム周波数より高いフレーム周波数をもった
走査信号および駆動信号によって駆動される。
すなわち、上記駆動方法におけるバイアス比Aは、N
を時分割数とするとき、 VSEG:駆動信号の電圧 VCOM:走査信号の電圧 の条件を満足するものであり、この実施例におけるフレ
ーム周波数は、従来の適正なフレーム周波数の整数倍で
あって、例えば2倍である。
このような駆動方法で実際に液晶表示素子をフレーム
周波数を60Hzで駆動したときの駆動電圧波形を第15図
(a)に示し、そのときの透過率特性を第15図(b)に
示した。また、フレーム周波数を120Hzで駆動したとき
の駆動波形を第16図(a)に示し、そのときの透過率特
性を第16図(b)に示した。この第15図(b)および第
16図(b)から明らかなように、従来の適正バイアスで
駆動した場合の透過率特性を示す曲線c,eに比べて、バ
イアス比を大きくした上記実施例の駆動電圧で駆動した
場合の透過率特性を示す曲線d,fの方が、光遮断状態に
おける漏れ光量が少ない。また、第15図(b)と第16図
(b)とを比べると、120Hzのフレーム周波数で駆動し
た方が60Hzのフレーム周波数で駆動した場合に比べて漏
れ光量が極めて少い。
また、上記実施例の液晶表示素子において、ツイスト
角が異なる素子を上述した駆動電圧で駆動したときのコ
ントラストを[表4]に示し、また比較のために従来例
も[表4]に併せて示した。なお、この[表4]のデー
タは、1/120デューティでマルチプレックス駆動した場
合のデータであり、測定温度は27℃である。
この[表4]に示すように、従来例と上記実施例の各
例4,5,6を比べると、バイアス比の値が大きい方がコン
トラストが高く、また、従来例と各例5,4,6とを比べる
と、フレーム周波数が高い方がコントラストが高い。
上述したように、上記実施例の液晶表示素子は、ツイ
スト角を大きくしているために、γ特性が極めて良くな
っている。また上記実施例の液晶表示素子は、上記駆動
方法のようにバイアス比の値を従来の適性バイアスより
大きくすることによって動作マージンは低下するが、こ
の場合、遮光状態の漏れ光が少ない方がコントラストが
高くなる。そして、バイアス比の値をさらに大きくする
と、光遮断状態に制御する選択点の液晶分子は基板に対
してより垂直に配列するため漏れ光が少くなるが、その
反面、動作マージンの低下によって、光透過状態に制御
するときの透過率が低下する。したがって、バイアス比
の値を大きくしていくとコントラストの極大値が存在す
る。よって、バイアス比の値は、上述したコントラスト
の極大値が現われるまでの範囲で大きくすることができ
る。
上述した実施例のより具体的な例について説明する。
上述したように構成された液晶表示素子の電気光学特性
を[表5]に示した。比較のために、従来のTN-LCDとST
N-LCDの電気光学特性も併せて[表5]に示す。この場
合の測定温度は25℃である。なお、[表5]においてVt
hは各素子におけるコントラストの最大値が得られる動
作電圧である。
また、上記例に使用されるネマティック液晶の物性値
を[表6]に示した。この[表6]において、液晶Iと
液晶IIは、[表5]のTN-LCDとSTN-LCDに用いられる液
晶であり、液晶III〜液晶Vは、上記[表5]の例で用
いられた液晶である。
上記[表5]に示されるように、従来のTN-LCDおよび
STN-LCDに比べて上記実施例の各素子例の方がコントラ
ストが高く、また着色することがなく、高デューティの
マルチプレックス駆動ができる。
また、[表5]において、例7と例8は、同じ液晶表
示素子を異なるバイアス比の駆動信号で駆動したもので
あり、バイアス比を1/7で駆動した例8は、コントラス
トが極めて高い。
さらに、例9は例7と同じ液晶表示素子を、フレーム
周波数が2倍(120Hz)の駆動信号で駆動した例であ
り、このようにフレーム周波数を高くした場合も、コン
トラストは24とかなり高い。このように、バイアス比を
大きくすること、および/またはフレーム周波数を高く
することは、非選択期間での漏光を軽減する効果があ
り、OFF時の透過率を顕著に下げてコントラストを大幅
に向上させることができる。
また、例10は、使用する液晶の光屈折率異方性Δnの
値を若干大きくし(液晶IVのΔnの値は、0.107[表
6]参照)、液晶層の層厚dも若干大きくしてリターデ
ーションΔn・dの値を僅かに大きくした例であり、こ
の場合も、リターデーションΔn・dの値に応じて偏光
板配置を第12図のような適正配置とすれば、コントラス
トを20と高くすることができる。なお、このようにリタ
ーデーションΔn・dの値を大きくする場合は、本発明
の条件を満した上で、できるだけ光屈折率異方性Δnの
大きい液晶を使用するのが望ましく、Δnが大きければ
それだけ液晶層の層厚dは小さくてすむから、応答性の
面で有利である。しかし、透過光の着色を防ぐ上から
は、Δnの値が小さい方が望ましい。したがってこのΔ
nの値は、応答性と着色とのどちらに重点を置くかによ
って適宜選択すればよい。
さらに、例11は、光屈折率異方性Δnの小さい液晶V
(Δn=0.093[表6]参照)を使用し、Δn・dの値
に応じて偏光板配置を第9図のような適正配置として、
フレーム周波数120Hzで駆動したもので、この例11によ
れば、従来のSTN-LCDよりも小さなツイスト角(200°)
でも、上記STN-LCDに比べてはるかに高いコントラスト
(コントラスト比19)を得ることができる。
また、上記各実施例の液晶表示素子は、いずれも透過
光の着色がなく、またON状態での光の透過率も高くて、
十分な明るさの画像を表示する。
〔発明の効果〕
請求項1〜7の発明の液晶表示素子によれば、入射光
は可視光帯域の長波長側の光が液晶層の複屈折効果によ
り楕円偏光となって出射し、短波長側の光が液晶層の複
屈折効果及び偏光面を回転させる旋光力の作用により長
軸が回転した楕円偏光となって出射する。その結果、出
射光は、可視光の全波長帯域にわたって旋光力の作用で
楕円偏光の長軸が回転させられていないので、屈折率の
波長依存性があるために波長ごとの旋光角の違いによっ
て生ずる透過光の着色がなくなる。また、液晶の光屈折
率異方性の波長依存性が小さくなり、透過光の着色をよ
り一層確実に防ぐことができるし、さらに対向する一対
の基板間で液晶分子が挙動したときの液晶層に印加され
る有効な電圧の変化が少くなり、応答速度が速く、且つ
γ特性が良くなる。さらに、一対の偏光板の偏光軸は、
液晶を透過する光の偏光状態に応じて最も適した方向に
設定することができ、したがってコントラストが高くな
る。
また、本発明の液晶表示素子はマルチプレックス駆動
されるが、請求項8〜10の発明の液晶表示素子は、理論
的な計算によって得られた従来の適性バイアス電圧より
も高いバイアス電圧を印加するためのドライブ信号によ
って駆動され、および/または時分割数より大きい値の
フレーム周波数をもったドライブ信号によって駆動され
るため、高いバイアス電圧の印加、および/または高周
波数のドライブ信号が用いられることによって、光遮断
状態における透過率が低下し、高コントラストが得られ
る。
したがって、本発明の液晶表示素子は、γ特性が優
れ、表示が着色せず、且つ高コントラストが得られ、テ
レビジョンセットのような動画を表示するのに最適であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は本発明の基本的な実施例を示したもの
で、 第1図は液晶表示素子の断面図、 第2図は入射光側基板の配向処理方向と入射光側偏光板
の偏光軸の方向との関係を示す平面図、 第3図は出射光側基板の配向処理方向と出射光側偏光板
の偏光軸の方向との関係を示す平面図、 第4図はON状態とOFF状態の透過光の分光分布を示す分
光特性図、 第5図はON状態とOFF状態の透過光の色を第4図の分光
特性に基づいて求めたCIE色度図、 第6図は入射光側偏光板の偏光軸の方向と出射光側偏光
板の偏光軸の方向に対するコントラストの変化を示す図
である。 第7図〜第12図は本発明の具体的な実施例を示したもの
で、 第7図は第1の実施例を示す、ツイスト角φ=180°、
Δn・d=0.6とした液晶表示素子の入射光側基板と出
射光側基板の配向処理方向および入射光側偏光板と出射
光側偏光板の偏光軸の方向を示す平面図、 第8図は第2の実施例を示す、ツイスト角φ=180°、
Δn・d=0.7とした液晶表示素子の入射光側基板と出
射光側基板の配向処理方向および入射光側偏光板と出射
光側偏光板の偏光軸の方向を示す平面図、 第9図は第3の実施例を示す、ツイスト角φ=200°、
Δn・d=0.7とした液晶表示素子の入射光側基板と出
射光側基板の配向処理方向および入射光側偏光板と出射
光側偏光板の偏光軸の方向を示す平面図、 第10図は第4の実施例を示す、ツイスト角φ=200°、
Δn・d=0.9とした液晶表示素子の入射光側基板と出
射光側基板の配向処理方向および入射光側偏光板と出射
光側偏光板の偏光軸の方向を示す平面図、 第11図は第5の実施例を示す、ツイスト角φ=240°、
Δn・d=0.6とした液晶表示素子の入射光側基板と出
射光側基板の配向処理方向および入射光側偏光板と出射
光側偏光板の偏光軸の方向を示す平面図、 第12図は第6の実施例を示す、ツイスト角φ=240°、
Δn・d=0.8とした液晶表示素子の入射光側基板と出
射光側基板の配向処理方向および入射光側偏光板と出射
光側偏光板の偏光軸の方向を示す平面図である。 第13図は本発明の液晶表示素子を駆動する駆動回路の概
略構成を示すブロック回路図、 第14図は本発明の液晶表示素子において液晶を介して対
向する信号電極と走査電極との間に印加される、選択点
と、半選択点と、非選択点の電圧を示す電圧波形図、 第15図は本発明の液晶表示素子をフレーム周波数が60Hz
の駆動信号で駆動するときのON状態における印加電圧の
波形と、この波形の電圧を液晶に印加したときの光の透
過率の変化を示す図、 第16図は本発明の液晶表示素子をフレーム周波数が120H
zの駆動信号で駆動するときのON状態における印加電圧
の波形と、この波形の電圧を液晶に印加したときの光の
透過率の変化を示す図である。 第17図は従来のYN型液晶表示素子における配向処理方向
と、偏光板の偏光軸の方向との関係を示す概略斜視図、 第18図は従来のSTN型液晶表示素子における配向処理方
向と、偏光板の偏光軸の方向との関係を示す概略斜視
図、 第19図は従来のOMI型液晶表示素子における配向処理方
向と、偏光板の偏光軸の方向との関係を示す概略斜視
図、 第20図はSTN型またはOMI型液晶表示素子を変形した従来
の液晶表示素子における配向処理方向と、偏光板の偏光
軸の方向との関係を示す概略斜視図、 第21図は第17図に示したTN型液晶表示素子におけるON状
態とOFF状態の透過光の分光分布を示す分光特性図、 第22図は第18図に示したSTN型液晶表示素子におけるON
状態とOFF状態の透過光の分光分布を示す分光特性図、 第23図は第18図に示したSTN型液晶表示素子におけるON
状態とOFF状態の透過光の色を第22図の分光特性に基づ
いて求めたCIE色度図である。 31……入射光側基板 32……出射光側基板 33……シール材 34……走査電極 35……信号電極 36,37……配向膜 38……液晶 39……入射光側偏光板 40……出射光側偏光板 A1……入射光側基板の配向処理方向 A2……出射光側基板の配向処理方向 B1……入射光側偏光板の偏光軸方向 B2……出射光側偏光板の偏光軸方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 直繁 東京都八王子市石川町2951番地―5 カ シオ計算機株式会社八王子研究所内 (56)参考文献 特開 平2−8(JP,A) 特開 昭63−502932(JP,A) 特開 昭63−10126(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/133 500

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の第1電極が配列された第1の基板
    と、 前記第1電極に対向する第2電極が配列され、前記第1
    の基板に対し所定の間隙を隔てて対峙するようにシール
    材によって接合された第2の基板と、 前記第1の電極の表面および第1の基板の表面を覆い、
    液晶分子を第1の方向に整列させて配列させるための第
    1の配向手段と、 前記第2の電極の表面および第2の基板の表面を覆い、
    液晶分子を前記第1の方向と異なった第2の方向に整列
    させて配列させるための第2の配向手段と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間隙に介在され、
    前記第1の配向手段と第2の配向手段との間で所定角度
    のねじれをもってツイスト配向させられるネマティック
    液晶と、 前記液晶の層の外側に配置された偏光板とからなり、 前記第2の配向手段は、透過光の進行方向へ向かって見
    たとき、前記第1の方向から予め定めた第1の回転方向
    に測って0°〜90°で交差する前記第2の方向に液晶分
    子を整列させて配列させるための配向処理が施されてお
    り、 前記液晶は、その光屈折率異方性Δnが0.12以下、誘電
    異方性Δεと分子軸に垂直な方向の誘電率ε⊥との比Δ
    ε/ε⊥で表される誘電定量が1.0以下の値をもち、且
    つ、前記光屈折率異方性Δnと液晶層の層厚dとの積で
    表されるリターデーションΔn・dが、波長が450nm〜5
    50nmの光に対して、0.4μmより大きく、1.0μmより小
    さい値をもっており、 前記液晶の分子は、前記第1の配向手段と前記第2の配
    向手段との間で、透過光の進行方向へ向かって見たと
    き、前記第1の回転方向に180°〜270°ねじれてツイス
    ト配向させられている ことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】液晶層の層厚dは、4μm以上、9μm以
    下であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素
    子。
  3. 【請求項3】液晶は、誘電異方性Δεと分子軸に垂直な
    方向の誘電率ε⊥との比Δε/ε⊥で表される誘電定量
    が0.5以下の値をもっていることを特徴とする請求項1
    に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】第1と第2の配向手段のうち、少なくとも
    一方の配向手段は、その表面近傍の液晶分子を前記表面
    に対して5°以下のプレチルト角をもって配向させる配
    向膜の表面にラビングによる配向処理を施したものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】偏光板は、第1の配向手段の外側に配置さ
    れ透過光の進行方向へ向かって見たとき第1の方向から
    第1の回転方向に測って180°〜115°で交差する方向に
    偏光軸をもった第1の偏光板と、第2の配向手段の外側
    に配置され透過光の進行方向へ向かって見たとき前記第
    1の偏光板の偏光軸の方向から第1の回転方向に測って
    90°〜20°で交差する方向に偏光軸をもった第2の偏光
    板とからなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表
    示素子。
  6. 【請求項6】第2の配向手段は、透過光の進行方向へ向
    かって見たとき、第1の方向から第1の回転方向に測っ
    て0°〜60°で交差する第2の方向に液晶分子を整列さ
    せて配列させるための配向処理が施されたものであり、
    液晶分子は、第1の配向手段と第2の配向手段との間
    で、透過光の進行方向へ向かって見たとき、第1の回転
    方向に180°〜240°ねじれてツイスト配向させられてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  7. 【請求項7】液晶は、光屈折率異方性Δnと液晶層の層
    厚dとの積で表されるリターデーションΔn・dが0.5
    μmより大きく0.7μmより小さい値をもっていること
    を特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】対向する第1電極と第2電極とが交差する
    複数の部分に、 (Nは時分割数)より大きいバイアス比の値をもった駆
    動信号を印加するマルチプレックス駆動手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  9. 【請求項9】対向する第1電極と第2電極とが交差する
    複数の部分に、これらの交差部分を繰返し選択駆動する
    ためのフレーム周波数が時分割数より高い周波数をもっ
    た駆動信号を印加するマルチプレックス駆動手段を備え
    ていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素
    子。
  10. 【請求項10】対向する第1電極と第2電極とが交差す
    る複数の部分に、 (Nは時分割数)より大きいバイアス比の値をもち、且
    つ、これらの交差部分を繰返し選択駆動するためのフレ
    ーム周波数が時分割数Nより高い周波数をもった駆動信
    号を印加するマルチプレックス駆動手段を備えているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
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