JP2818679B2 - ニューロペプチド拮抗体 - Google Patents

ニューロペプチド拮抗体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はニューロペプチドの種々の受容体に対する拮
抗体、特に特異的なマインジェン性ニューロペプチドリ
ガンドの非構造類似体である拮抗体に関する。
ニューロペプチドは細胞増殖の制御においてますます
注目されている。両生類テトラデカペプチドボンベシ
ンおよびその哺乳離類似体であるガストリン放出性ペプ
チド(GRP)はマウス繊維芽細胞の強力なマイトジェン
でありそして小細胞肺癌のオートクリン増殖因子とし
て作用する
我々の国際特許出願WO88/07551号において、我々はボ
ンベシン群のある種のペプチドの受容体である特定の新
しいペプチドを記載している。我々はまた、ボンベシン
受容体拮抗体として特に価値あることが判明した2種類
の知られた化合物を含む、ボンベシン受容体に対する拮
抗体も記載している。これらの拮抗体は痛感伝達の研究
対象となっている、物質Pと呼ばれる11量体ニューロペ
プチドの類似体である。物質Pは以下の式を有する。
我々が拮抗体Aと呼ぶ物質Pの市販の類似体は以下の
式を有する。
我々が上記特許出願において記載している物質Pの別
の市販の構造変種は以下の式を有する拮抗体Dである。
前記特許出願において、我々は、拮抗体AおよびDに
関する我々の研究がいかにして我々を拮抗体AおよびD
のアミノ酸配列の5位の重要性に注目させたかを記載
し、そして、5−位でD−Trp.D−TyrまたはM−Phe基
を含有する拮抗体AおよびDのアミノ酸5位変種である
有用な別の拮抗体について言及している。
前記特許出願に記載される研究において、我々は我々
が記載した種々の拮抗体が受容体のリガンド結合部位に
結合することにより拮抗体として作用し、そしてそのよ
うに作用することによりこれら化合物がニューロペプチ
ド/受容体相互作用の影響下に起こる細胞増殖に影響を
与えうる点で医学上価値があることを示唆した。
更に研究を進めることにより、我々が前記出願に記載
した種々の拮抗体はたしかに受容体に結合するため、上
記した理由により医学的な利点を有するが、その結合は
リガンド結合部位ではなく、受容体の異なる結合部位で
あるという結論に達した。我々の拮抗体は前記出願に記
載した種類のボンベシン受容体と結合するのみならず、
ボンベシン受容体と同様にイノシトールシグナル経路を
用いる他のニューロペプチド受容体とも結合するであろ
うことを示す別の研究からこの結論に達したのである。
かかる受容体には少なくとも更に2種、即ちブラジキニ
ン受容体およびバソプレッシン受容体があり、そして拮
抗体AおよびDはこれらの受容体と結合可能であること
が判明した。拮抗体AおよびDのこの特別の性質は、ボ
ンベシンそのものの性質とは完全に対照的であり、ボン
ベシンは、その定義によれば、ボンベシン受容体には結
合するがバソプレッシンやブラジキニン受容体には結合
しないであろう。このことは、ボンベシン受容体上の拮
抗体AおよびDの結合部位は、リガンド結合部位ではな
く、実際は、恐らくイノシトールシグナル経路を用いる
別の受容体においても見出されるはずの別の保存ドメイ
ンであることを示している。
従って我々の最も最近の知見により、拮抗体Aおよび
Dのみならず拮抗体Gのようなその類似体もまた、これ
らがボンベシン様ペプチドの影響下に起こる細胞増殖の
みならずはるかに広範囲のマイトジェン性ニューロペプ
チドの影響下に起こる細胞増殖にも影響を与えることが
できる点において、これらの医学上の重要性が高められ
た。
従って、本発明はイノシトールシグナル経路を用いる
受容体に通常結合するニューロペプチドにより影響され
るヒトまたは動物の体細胞増殖に影響を与える方法に使
用するため、そして特に小細胞肺癌の治療法において使
用するための拮抗体Gを提供するものである。
拮抗体Gは以下の式を有する。
本発明はまた、以下の特徴を有するポリペプチドにも
関する、すなわち (1) マンノース側鎖に富む一本鎖グリコポリペプチ
ドである。
(2) ボンベシン型のポリペプチドと選択的に結合す
る。
(3) 分子量75〜85キロダルトン(Kd)を有する。
(4) 等電点6.4〜6.9を有する。
(5) フラボバクテリウム・メニンゴセプチクム(Fl
avobacterium meningospticum)からのエンド−β−N
−グルコサミニダーゼを用いて得られたそのコアタンパ
ク質が約42Kdの分子量を有する。
(6) 15℃の平衡解離定数Kdが、速度論的分析によれ
ば1.9×10-10Mであり、スカッチャード分析によれば2.1
×10-10Mである。
前記した我々の特許出願において、我々はボンベシン
受容体分子の無傷のスイス(Swiss)3T3細胞からの単離
を記載している。受容体は3T3細胞のホモジネートから
単離される。今回我々は、細胞破壊の間にMg++イオンが
存在することが、膜調製物からボンベシンの哺乳類同族
体である少なくともガストリン放出性であるプレート
(GRP)への結合活性を有する受容体を単離するのに重
要であることを発見した。3T3細胞破壊の間の水性媒体
中のMg++のモル濃度は3〜15mM、好ましくは5〜10mMで
なければならない。Mg++の存在下に3T3細胞から得られ
た受容体へのGRPの結合は可逆的である。
本発明はまた、本発明のニューロペプチド受容体の推
定保存ドメインに対する抗体、特にモノクローナル抗体
をも包含する。かかる抗体は、宿主動物に免疫原を注射
し、このものから、抗体含有血清を回収するか、また不
死化できてモノクローナル抗体産生性細胞を生じうる抗
体産生細胞を回収することにより取得できる。免疫原は
本発明の保存ドメインポリペプチド、そして特にMg++
存在下にホモジナイズされたスイス3T3細胞の膜調製物
から得られた保存ドメインポリペプチドであることがで
きる。本発明の抗体はイノシトールシグナル経路を使用
するニューロペプチドの障害に関わる癌または他の疾患
の診断または治療に有用である。診断剤として使用する
場合には、抗体は検知可能な標識、例えば放射性物質、
酵素、蛍光物質等を担持でき、そして/または固形支持
体上に固定化することもできる。診断試験キットは、1
成分として、本発明の精製された保存ドメインまたは抗
体を包含しうる。治療剤として使用する場合は、本発明
の抗体は細胞毒性物質とのコンジュゲートにすることが
できる。
更に拮抗体Gは小細胞肺癌の増殖の遅延または消滅に
おいて重要であり、そして、標識された場合は、小細胞
肺癌のインビトロまたはインビボ診断に重要である。か
かる標識化は拮抗体分子に直接行なってもよく、また、
拮抗体に結合する分子を介して間接的に行なってもよ
い。
本発明の保存ドメインまたは抗体は、イノシトールシ
グナル経路を用いるニューロペプチドの障害に関連する
癌やその他の疾患の診断または治療に重要である場所
に、標識または細胞毒成分に結合させて非経口で投与で
きるように、慣用の非経口単体を用いて製剤化できる。
本発明の範囲には、イノシトールシグナル経路を用い
て受容体に通常結合するニューロペプチドにより影響を
受ける細胞増殖に影響を与えるための医薬の製造に使用
するための拮抗体G、そして特に小細胞肺癌の治療また
は診断のための医薬の製造に使用するための拮抗体Gが
包含される。この目的のためには、拮抗体Gはかかる治
療または診断を必要とする宿主に非経口的に有効量で投
与できる。
図面の説明 第1図および第2図は実施例1に記載される実験の結
果を示す。
第3〜5図は実施例2に記載される小細胞肺癌細胞系
に及ぼす拮抗体A、DおよびGの阻害作用の結果を示
す。
第6〜12図はスイス3T3細胞のMg++安定化膜調製物か
ら単離された受容体を用いる実験の結果を示す。
以下の実施例は本発明を説明するために示す。
実施例1 スイス3T3細胞は実験用に広く入手可能であり、また
受託番号ATCC−CCL29の下に、American Type Culture C
ollection(Rockville,Maryland,米国)から入手可能で
ある。
シュードペプチド[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14]ボン
ベシンは、ボンベシン類似体におけるペプチド主幹鎖改
変の抵抗的研究の間に合成した。このものは、35mMで
モルモット膵臓腺房からのボンベシン−刺激アミラーゼ
放出を50%阻害(IC50)することが示された。ここでス
イス3T3細胞における作用様式の特性を調べた。インシ
ュリン1μg/mlの存在下、GRPの濃度を変化させながら
静止期の細胞への[3H]チミジンのとり込みにより測定
したDNA合成は、[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14]ボンベ
シンにより強力に阻害され、そしてその作用は1μM
で、[DArg1,Dphe5,DTrp7,9,Lue11]物質P、即ち物質
Dの20μMに等したかった(第1A図)。[Leu13−ψ(C
H2NH)Lue14]ボンベシンのIC50は3.6nM GRPの存在下で
455nMであった。さらに[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14]ボ
ンベシンはGRPにより惹起された最も初期の細胞事象、
例えばGa2+流動化(5秒)および表皮成長因子(EGF)
受容体トランスモジュレーション(1分)をブロックし
たが、これはプロテインキナーゼC活性化に依存してい
る。[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14]ボンベシンは細胞へ
の[125I]GRPの特異的結合を阻害し(第1C図およびD
図)、そして、受容体のMr75,000〜85,000糖タンパク成
分への[125I]GRPの交叉結合をブロックした(第1D
図、はめ込み)8,9。即ち[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14
ボンベシンは受容体レベルで作用する、スイス3T3細胞
における強力なボンベシン拮抗体である。
タチキニン(tackykinin)物質Pはボンベシンとは最
小限のアミノ酸配列相同性しか有さず、そして[125I]
GRPの結合を阻害せず、またスイス3T3細胞におけるDNA
合成も刺激しない2,10。前記した夫々の特許出願および
参考文献10,11には、拮抗体Aがどのようにしてボンベ
シン拮抗体であり得るか、および拮抗体Dが拮抗体Aよ
り5〜10倍強力であること記載されている。両方ともス
イス3T3細胞におけるバソプレッシン−刺激DNA合成およ
び[3H]バソプレッシン結合を阻害する4,12,13。この
ため、我々は新しいバイアス拮抗体を検査して、異なる
シグナル変換経路を介して作用するマイトジェンに対す
るその特異性を大ざっぱに確立した(第2A図)。予測し
た通り、拮抗体Dおよび[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14
ボンベシンはともに種々のボンベシン様ペプチドに対し
て有効であった。これらのいずれも、ポリペプチド増殖
因子EGFおよび血小板由来増殖因子(PDGF)、プロテイ
ンキナーゼC活性化剤ホルボールジブチレードまたはcA
MP上昇剤コレラトキシンおよび8−ブロモ−cAMPにより
誘発された有糸分裂誘発を阻害しなかった。拮抗体Dは
バソプレッシン誘導体DNA合成の強力な阻害剤である
が、[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14]ボンベシンはGRP誘導
有糸分裂誘発を強力に阻害する濃度で何の作用も示さな
かった(第2B図)。特異性のこの劇的な差のため、我々
は他のマイジェンニューロペプチドに及ぼす拮抗体Dお
よび[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14]ボンベシンの作用を
比較した。
ブラジキニンは、ボンベシンおよびバソプレッシンと
同様、いくつかの細胞系において、カルシウムの流動化
およびリン酸イノシトールの回転を刺激する14〜17。我
々は、蛍光性Ca2+指示物質Fura−2を負荷されたスイス
3T3細胞において、ブラジキニンの添加が、ボンベシン
およびバソプレッシンで観察される速度論的特徴と同様
であるがPDGFの場合とは異なる速度でシトソルCa2+濃度
の急速な一過性の上昇をもたらすことを見出した18。ブ
ラジキニンは[3H]バソプレッシンおよび[125I]GRP
のスイス3T3細胞への結合をいずれも阻害せず、このこ
とはそれらの受容体が異なることを示している。インシ
ュリンの存在下では、ブラジキニンはヒト繊維芽細胞に
おけるマイトジェン作用が弱いこと19,20とは対照的
に、これらの細胞でDNA合成を最大に刺激した(第2C図
およびD図)。即ち、ブラジキニンは新しい拮抗体を試
験するための新規マイトジェンを提供する。9.4nMのブ
ラジキニンにより誘導された有糸分裂誘発はそれぞれIC
5090μMおよび8.3μMで拮抗体AおよびDにより阻害
され(第2C図およびD図)、これらはGRP4およびバソプ
レッシンで得られる相対的効力と同じである(データは
示さず)。明らかに[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14]ボン
ベシンはブラジキニン−刺激DNA合成に何ら作用しなか
った(第2C図)。ボンベシン、ブラジキニンおよびバソ
プレッシンはリン酸イノシトールシグナル経路を活性化
するが、血管活性腸内ペプチド(VIP)はcAMPを介してD
NA合成を刺激するニューロペプチドである21。拮抗体D
も[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14]ボンベシンもVIPにより
刺激される有糸分裂誘発を阻害しなかった(第2A図)。
ここに示される[Leu13−ψ(CH2NH)Lue14]ボンベ
シンと物質P拮抗体との間の特異性の顕著な差は重要な
意味を有する。物質P拮抗体は3種の異なる受容体、ボ
ンベシン/GRP、ブラジキニンおよびバソプレッシンを介
して惹起されるマイトジェン応答をブロックする。これ
らは、cAMPおよびプロテインキナーゼC活性化を含む異
なるトランスメンブレンシグナル経路を介して作用する
他のマイトジェンにより惹起かれる応答はブロックしな
い。拮抗体DをAと区別している2つのアミノ酸置換に
より、各マイトジェンに対する効力が一貫して5〜10倍
増大し、このことはこれらの拮抗体がこれらの異なる受
容体における共通の部位を認識することを示唆してい
る。ボンベシン、ブラジキニン、バソプレッシンおよび
物質P拮抗体は構造的に関連が無いため、この推定結合
物位はリガンド認識部位ではあり得ない。即ち、拮抗体
Dおよび拮抗体Aは受容体の各々上の保存ドメインを認
識すると考えられる。これらの受容体の共通の機能はポ
リリン酸イノシトールの形成およびCa2+流動化の誘導で
あるため、物質P拮抗体はCa2+シグナル化に関与するG
タンパク質との結合に不可欠な各受容体の領域と結合で
きると考えられる22。我々の理論に必要な点は、これら
のマイトジェンの1つに構造的に関連のある拮抗体が個
々のリガンド認識部位に結合して生物学的作用の特異性
阻害を惹起するが他のマイトジェンニューロペプチドの
それには結合すべきでないことである。我々の結果によ
れば、シュードペプチド拮抗体[Leu13−ψ(CH2NH)Lu
e14]ボンベシンはこの基準を満足している。
実施例2 小細胞肺癌(SCLC)細胞系の増殖をインビトロで阻害
する能力に関し、拮抗体A,DおよびGについて調べた。
使用した細胞系は以下の通りである。
a)米国メリーランド州ATCCからのH69およびH128; b)米国メリーランド州NIH,NCIのDr.A.GarzarからのH2
09,H345およびH510A; c)英国ロンドンUniversity CollegeのDr.P.Beverley
からのUCH25。
拮抗体Aは、試験によれば、使用細胞5系統:H69,H8
2,H128,H417およびUCH25全てにおいて50〜150μMの濃
度でSCLCの増殖を阻害するのに有効であることが判明し
た。
拮抗体Dは、第3および4図に示すとおり、SCLCの増
殖阻害において拮抗体Aよりも一貫して5〜10倍強力で
あることが解った。拮抗体Dは40〜50μMで細胞増殖を
停止させそして使用細胞6系統:H69,H128,H209,H345,H5
10AおよびUCH25の全てに対して活性である。
拮抗体Gはスイス3T3細胞においてバソプレッシン−
誘導細胞増殖の拮抗体として拮抗体Dと同程度に効力が
あるが、ブラジキニンまたはGRPにより誘導された増殖
の拮抗体としては効力が劣ることが判明した。SCLC細胞
においては、拮抗体Gは、第5図に示すとおり増殖阻害
の面では拮抗体Dと等しい効力を有する。この活性は使
用細胞4系統:H69,H209,H345およびH510Aの全てにおい
て示されている。
カルシウム流動化試験において、ブラジキニン、GRP
およびバソプレッシンへの応答として、いくつかのSCLC
細胞系で細胞内[Ca2+]の一過性の上昇が示されてい
る。これらの応答は使用した細胞3系統(H69,H345,H51
0A)の全てにおいて20μMの拮抗体Dにより、そして、
H510Aにおいて20μMの拮抗体Gによりブロックでき
る。
参考文献 1. Zachary,I,Woll,P.J.およびRozengurt,E.Devel.Bi
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zengurt,E.Exp.Cell Res.an in press. 22. Stryer,L.およびBourne,H.R.Ann.Rev.Cell Biol.
2,391−419(1986). 図面の説明 第1図:マウススイス3T3細胞における[Leu13−ψ(CH
2NH)Lue14]ボンベシン(LψLB)の作用。
A.GPR誘導DNA合成の用量応答曲線、1μCi/ml(1μm
M)[3H]チミジン([3H]Tdr)および1μg/mlインシ
ュリンのみ(○)、または500mM(□)または1μM
(■)のLψLB添加、または20μM拮抗体D添加
(△)。数値は10%ウシ胎児血清を用いて得られた
3H]Tdr取り込みのパーセントとして表示。
B.2.4nM(□)および3.6nM(■)のGRPにより誘導され
たDNA合成のLψLB阻害の用量応答曲線、1μg/mlされ
たインシュリン+1μCi/mi[3H]Tdr添加。
C.37℃におけるスイス3T3細胞への[125I]GRP結合の濃
度依存性。特異的細胞会合は500mM LψLB非存在下
(○)または存在下(●)で示した。
D.拮抗体非存在下(○)の1nM[125I]GRPを用いて得ら
れた結合のパーセントとして表したLψLBによるスイス
3T3細胞への特異的[125I]GRP結合の阻害(■)。Mr75
〜85000ボンベシン受容体に会合したタンパク質のアフ
ィニティ標識に及ぼすLψLBの作用。
方法:スイス3T3細胞を培地中に維持しそしてDNA合成の
アッセイを前に記載されるとおり行なった。2,4,6。全
ての図において、値は少なくとも2回の測定の平均値で
示した。[125I]GRP結合試験には、集密および静止期
の細胞をダルベッコ改変イーグル培値で2回洗浄し、次
に記載の濃度の[125I]GRPおよびLψLBを含有する結
合培値100.75ml中37℃でインキュベートした。細胞会合
125I]GRP結合を30分後に測定した。非特異的結合は
未標識GRPの500倍過剰の添加により測定した。交叉結合
試験には集密および静止期の細胞を結合培地で2回洗
浄し、次に1nM[125I]GRPおよび種々の濃度のLψLBを
含有する結合培地(pH7.0)1ml中24℃でインキュベート
した。10分後、これを結合培地で2回洗浄し、次に6mM
エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネー
ト)を含有する培地1ml中、pH7.4および24℃でインキュ
ベートした。10分後冷結合培地で2回洗浄し、試料緩衝
8100μ中で可溶化し、直ちに5分間煮沸しそして10
%ポリアクリルアミドゲル上の電気泳動に付した。
第2図:ボンベシン拮抗体の特異性 A.種々のマイトジェンを用いた場合のDNA合成の測定
(第1図参照)、1μCi/ml[3HTdr]および1μg/mlイ
ンシュリンのみの存在下(■)、20μM拮抗体D添加ま
たは1μmLψLB添加(□)。マイトジェンは以下の濃度
で用いた。
GRP,3.6nM;ボンベシン(BN),1.2nM;リトリン(LT),1.
8nM,バソプレッシン(VP),9.2nM;ブラジキニン(BK),
9.4nM;PDGF,1nM;EGF,0.4nM;ホルボール12,13−ブチレー
ト(PBt2),50ng/ml;コレラトキシン(CT),100ng/ml+
イソブチルメチルキサンタン(IBMX),10μM;8−ブロモ
−aAMP(8Bc),2.5mM;プロスタグランジンE1(PGE1),1
00ng/ml+IBMX,10μM;プロスタグランジンE2(PGE2),2
00ng/ml+IBMX,10μM;VIP,3.0nM+4−(3−ブトキシ
−4−メトキシベンジル)−2−イミドゾリジン,5μ
M。値は10%ウシ胎児血清を用いて得た[3H]Tdr取り
込みのパーセントとして表示した。
B.バソプレッシン誘導DNA合成の用量応答曲線、1μCi/
ml[3H]Tdrおよび1μg/mlインシュリンのみ(○)、
1μM LψLB添加(■)、20μM拮抗体D添加(□)。
C.9.4nMブラジキニン+1μCi/ml[3H]Tdr+1μg/ml
インシュリンにより刺激されたDNA合成の、種々の濃度
の拮抗体D(△)または拮抗体A(○)による阻害。
D.ブラジキニン誘導DNA合成の用量応答曲線、1μCi/ml
3H]Tdrおよび1μg/mlインシュリンのみ(○)、1
μml LψLB添加(■)、20μM拮抗体D添加(△)。
実施例3 本実験の目的はスイス3T3細胞由来の膜調製物への125
I−GRPの結合を調べ、それにより受容体内在化およびリ
ガンド分解の非存在下における結合反応の速度論理特性
および平衡特性を判定することである。これらの実験の
過程において、細胞ホモジナイズ化および結合アッセイ
期間中のMg2+の存在が、得られる膜調製物における125I
−GRP結合活性の温存にとって決定的に重要であること
が判明した。これらの観察結果から、ここでは125I−GR
Pの結合が特異的、急速、可逆的、飽和可能、そして濃
度依存的様式で種々の非放射性アゴニストおよび拮抗体
で置き換られることを示す。さらに我々は、ホモ2官能
性交叉結合在EGSは、Mg2+存在下に調製されたスイス3T3
膜中の単一Mr75,0000〜85,000タンパク質に125I−GRPを
共有結合させたことも報告する。この所見は、このタン
パク質が受容体であるか、またはマイトジェンボンベシ
ン受容体の結合サブユニットであることを示している。
実験方法 材料:ボンベシン,GRP,リガンド,バソプレッシン,ブ
ラジキニン,ソマトスタチン,物質K,物質P,血管活性腸
内ペプチド(VIP),表皮成長因子(EGF),インシュリ
ン,ホルボール12,13ジブチレート(PBt2)ウシ,血清
アルブミン(BSA),アプロトニン,バシトラシン,大
豆トリプシンインヒビター,フェニルメチルスルホニル
フロリドおよびポリエチレンイミンをSigmaから購入し
た。GRP(1−16),ボンベシン(8−14),ニューロ
メジンB[DArg1,DPho5,DTrp7,9,Lue11]物質Pおよび
[DArg1,DPhe5,DTrp7,9,Lue11]はBachem Fine Chemica
lsから入手した。エチレングリコールビス(スクシンイ
ミジルスクシネート)(EGS),およびスベリン酸ジス
クシンイミジル(DSS)はPierceから入手した。組換え
血小板由来増殖因子c−sis(PDGF),組換え繊維芽細
胞増殖因子(FGF)および125I−GRP(1800〜2200Ci/mmo
l)はAmercham Internationalから購入した。他の全て
の試薬は入手可能な最高等級のものを用いた。
細胞培養:スイス3T3細胞(34)の培養物を、10%ウシ
胎児血清、ペニシリン100U/mlおよびストレプトマイシ
ン(100μg/ml)を含有するダルベッコ改変イーグル培
地(DMEM)中、90mmのNuncペトリ皿内で、10% CO2+90
%空気の湿潤雰囲気下で37℃で維持した。膜調製物に
は、3×106個の細胞を同じ培地20mlの入った1850cm2 F
alconローラボトル内に植え継ぎ、これを培地を交換せ
ずに6〜7日間集密となるまで増殖させた。最終細胞濃
度は3×107個/フラスコであった。
膜調製物:ローラボトル内の培養物を室温で、リン酸緩
衝食塩水(PBS)(0.14M NaCl,5mM KCl,0.01M Na2PO4,
1.8mM KH2PO4;pH7.2)150mlで2回洗浄した。次に、5mM
MgCl2,1mM[エチレンビス(オキシエチレンニトリ
ロ)]テトラ酢酸(EGTA),1mg/mlバシトラシン,10μg/
mlアプロトニン,1mg/ml大豆トリプシンインヒビターお
よび50mMフェニルメチルスルホニルフロリドを含有する
氷冷PBS中に掻き込むことにより、4℃で細胞を回収し
た。以後の行程は全て4℃で行なった。細胞を750×g
で10分間遠心分離することによりペレット化しそして50
mM4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジエタン
スルホン酸(Hepes),5mM MgCl2,1mM EGTA,1mM/mlバシ
トラシン,10μg/mlアプロトニン,1mg/ml大豆トリプシン
インヒビダーおよび50μMフェニルメチルスルホニルフ
ロリドを含有し、NaOHでpH7.4に調整した4℃の溶液A
中に5×106/mlに再懸濁した。次位に細胞をDounceホモ
ジナイザー(乳棒)75ストロークを用いて破壊した。こ
のホモジネートを500×gで10分間遠心分離し、核物質
と未破壊の細胞を除去しそして上清を再び30000×gで3
0分間遠心分離した。膜富化調製物である得られたペレ
ットを溶液A中5〜100mg/mlのタンパク質濃度で再懸濁
しそして液体窒素中に保存した。実験に際しては、膜を
解凍しそして溶液Aで1mg/mlの濃度に希釈した。
受容体結合アッセイ:結合アッセイは特段の記載が無い
限り、50mM Hepes,5mM MgCl2,1mg/mlバシトラシンおよ
び1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有し、NaOHでpH
7.4に調製した結合培地総用量100μ中で行なった。ア
ッセイには、膜タンパク質25μg,125I−GRP(0.5nM)8
5,000〜125,000cpm、および個々の実験で特定する試薬
類を用いた。非特異的(非飽和性)結合は、ボンベシン
またはGRPの1μMの存在下で測定し、総結合の5〜10
%であった。総結合から非特異的結合を差し引いて特異
的結合を得た。膜は指示に従い37℃で10分間、または15
℃で30分間インキュベートした。これらの条件により平
衡結合が得られた。
結合反応は、特定された時間にGF/Bガラス繊維フィル
ター(Whatmann,孔径1.0μm)上で急速に濾過すること
により停止させた。各フィルターは、ミリポア濾過装置
を用い、4℃で(計15分)1% BSA含有PBS 5mlで5回
洗浄した。膜の添加に先立ち、フィルターを5%ポリエ
チレンイミン中に4℃で24時間浸漬しそして使用直前に
1% BSA含有PBS 5mlで洗浄した。MSE微量遠沈器中1400
0rpmで4℃、1分間遠心分離し、次に1.0% BSA含有PBS
1.0mlで3回洗浄することによりアッセイを終了した場
合にも同じ結果が得られた。放射能をBeckmannγ−カウ
ンターで測定した。未破壊3T3細胞で測定した総部位の
パーセントとして表わした膜調製物中の測定可能な結合
部位の回収率は約50%であった。特異的結合活性は、未
破壊の細胞中における204±30fモル/mgタンパク質から
膜調製物中における564±50fモル/mgタンパク質まで増
大した。
速度論的検討:125I−GRPの結合の速度論的分析は2分子
反応として行なった。
会合の2次速度定数は以下の式を用いて得た(K2)(参
考文献35参照)。
ln[(Beq−Bt)/(BoLo−BeqBt)]を時間の凾数と
してプロットすると、k1は、次の関係式:k1=傾斜×[B
eq/(Beq2−BoLo)](36)[式中BoおよびLoはそれぞ
れ受容体およびリガンドの当初濃度である]により、そ
の傾斜から測定できる。Btは時間tにおける受容体−リ
ガンド複合体の濃度であり、Beqは平衡時のその濃度で
ある。式(1)は結合反応中に起こる遊離リガンド濃度
の低下を考慮したものである。
解離の一次速度定数は時間の凾数としてln[(B/Be
q)をプロットすることにより得られる線の傾斜から測
定された。
受容体への125I−GRPの化学的交叉結合:前記したよう
にしてスイス3T3細胞から調製された膜タンパク質(150
μg)を0.5nM 125I−GRPおよび「結果」で特定する他
の試薬を含有する交叉結合培地(5mM Hepes,5mM MgCl2,
1mg/mlバシトラシン,pH7.4)500μ中30℃で10分間、
または15℃で30分間でインキュベートした。交叉結合実
験で用いた全ての溶液はBSAを加えないものとした。イ
ンキュベーション終了後、室温でMSE微量遠沈器中、1
分間14000rpmで膜を遠心分離した。次に4mM交叉結合試
薬(EGS)を含有する交叉結合培地にペレットを再懸濁
し、37℃で5分間、または15℃で15分間インキュベート
した。1分間遠心分離し、交叉結合培地で1回洗浄しそ
して遠心分離することにより反応を終了させた。試料を
試料緩衝液(0.2Mトリス塩酸 pH6.8,10%(w/v)グリセ
ロール,6%ドデシル硫酸ナトリウム)(SDS)(w/v),4
%β−メルカプトエタノール(v/v),および2mM EDTA
(×2)0.20ml中に可溶化し、直ちに100℃で10分間加
熱しそして1次元電気泳動により分析した。
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動:分離ゲル中8
%アクリルアミド試料添加ゲル中4%アクリルアミドお
よび0.1% SDSを用いて、スラブゲル電気泳動を行なっ
た(37)。電気泳動後、ゲルを染色し、脱色し、紙上に
移し取って乾燥させ、これをFuji X線フィルムを用いる
オートラジオグラフィーに付した。乾燥したゲルを2〜
4日間−70℃で曝露させた。オートラジオグラムはLKB
ウルトラスキャンXL濃度計を用いて走査しそしてMr75,0
00〜85,000バンドに取り込まれた放射能をウルトラスキ
ャンXL内部デジタル積分器で定量した。
結 果125 I−GRPはスイス3T3細胞の膜フラクションに特異的に
結合する:Mg2+の必要性 初期の実験によれば、種々の方法(38−43)により調
製されたスイス3T3細胞の膜フラクションは125I−GRPの
特異的結合を一貫して示すことができなかった。しかし
ながら我々は、細胞の回収およびホモジナイズの間およ
び結合アッセイの間にMg2+を添加することにより、膜へ
125I−GRPの特異的結合を顕著に増大させることがで
きることを見出した(第6A図)。MnCl2は2.5mMで僅かに
部分的にMgCl2(最大結合の30%)と置き換わったが、C
aCl2は何の作用を示さなかった。MgSO4はMgCl2と同程度
に有効であった。2つの異なる方法、即ち濾過および遠
心分離によるアッセイにより膜結合部位をアッセイした
際にも同様の結果が得られた。第6図は濾過アッセイを
用いた膜濃度の凾数としての125I−GRPの特異的結合を
示すものである。5mM Mg2+の存在下で膜の調製およびア
ッセイを行なった場合には、結合は50μgタンパク質ま
で直線的に増大した。
125I−GRP特異的結合のMg2+濃度に対する依存性を第
6図に示す。最大結合は、細胞ホモジナイズおよび結合
アッセイの両方の段階においてMg2+が5mMの濃度で存在
する場合に得られた(第6B図)。膜を種々のMg2+濃度の
存在下で調製したがアッセイは5mM Mg2+で行なった場合
にも同様の用量応答関係が観察された(第6B図はめ込
み)。これと対照的にMg2+を種々の濃度で、このイオン
の非存在下に調製された膜を用いた結合培地に添加した
ところ、最大特異的結合の僅か25%までしか125I−GRP
の特異的結合を増大させなかった(第6B図はめ込み)。
結合を保存するためにMg2+が必要な段階を確認するため
に、このイオンを膜調製の種々の段階で添加した。細胞
ホモジナイズの直後またはその後のいずれかの段階で5m
M Mg2+を添加しても膜への125I−GRPの最大結合を温存
できなかった。このことは、Mg2+がホモジナイズ段階の
結合活性を安定化するのに必要であることを示してい
る。
5mMのMg2+の存在下に調製されたスイス3T3細胞の膜フ
ラクションへの125I−GRP(0.5mM)の特異的結合はボン
ベシンおよびGRPに構造的に関連の無い培養繊維芽細胞
に対する他のマイトジェンによっては阻害されなかった
(第1表)。ニューロペプチド物質P、物質Kおよび血
管作用性腸内ペプチドは、COOH−末端においてGRPと僅
かな相同性を有するが、これらもまた膜調製物への125I
−GRPの結合を阻害できなかった。これと対照的に、結
合は未標識ボンベシンまたはGRPを100mMで添加すること
により顕著に低下した。これらの結果は、スイス3T3細
胞の膜調製物への125I−GRPの結合が特異的であること
を示している。この結論は、125I−GRPに結合せず
(8)このペプチドにマイトジェン応答を示さない
(7)細胞系である3T6細胞から調製された膜フラクシ
ョンが125I−GRPに対する特異的結合を何ら示さなかっ
たという事実により強化される。従って、5mMのMg2+
含有する溶液を用いて調製およびアッセイされたスイス
3T3細胞の膜フラクションを用いて125I−GRP結合の速度
論的特性および平衡特性を測定した。125 I−GRPの会合および解離の経時的変化 スイス3T3細胞の膜フラクションへの125I−GRPの結合
速度を0.5nMの125I−GRPを用いて15℃で測定した(第7
図)。これらの条件下では、125I−GRPの特異的結合は
2.5分以内にその平衡値の50%に達しそして最大結合は
インキュベーション15分後に達成された。37℃では、よ
り速く(5分内)最大結合が得られた。15℃または37℃
で、最大結合は4時間一定しており、このことはこの期
間中にリガンドの検出可能な分解が存在しないことを示
している。膜フラクションへの125I−GRP会合の速度論
は2分子反応として分析した(実験方法参照)。第7A図
はめ込みに示される直線の傾斜から得られる2次速度定
数(k1)は0.33×109M-1/分であった。
膜調製物への125I−GRPの結合は可逆的であった。30
分間125I−GRPとインキュベートした膜フラクションへ
未標識のボンベシン2000倍過剰量を添加したところ、標
識リガンド−受容体複合体の1次解離を促進した(第7B
図)。125I−GRP結合の半最大損失は7.5分後に起こり、
そして解離速度定数k2の値は0.062/分であった。第7図
から得られた速度定数の値を用いると、平衡解離定数
(kd=k2/k1)は1.9×10-10Mと計算された。
3T3細胞からの膜調製物への125I−GRPの結合の濃度依存
性 放射性標識リガンドの漸増濃度の凾数としてのスイス
3T3細胞細胞膜調製物への125I−GRPの結合を第8図に示
す。15℃で平衡条件下に測定された125I−GRPの特異的
結合は飽和可能であったが、非特異的なGRPの結合はリ
ガンド濃度の増大に伴って直線的に増大した(図示せ
ず)。これらの平衡結合データをスカッチャード分析
(第8図はめ込み)したところ、kd=10-1Mの高アフィ
ニティ結合部位の均質な集団が存在し、最大結合用量
(Bmax)は500fモル/mg細胞膜タンパクであることが示
された。15℃で行なわれた6つの独立した実験におい
て、kdおよびBmaxの値はそれぞれ、2.1±0.035 10-10M
および580±50fモル/mgタンパクであった。37℃で行な
われた同様の試験でもやはり飽和可能な結合がみとめら
れ、kd=2.19±0.04 10-10M(n=4)の高アフィニテ
ィ部位の単一種類の存在および最大結合容量604±40fモ
ル/mgタンパクが示された(第8図)。これらのkd値は
第7図に示されるデータから得られた会合および解離の
速度定数を基に計算したkd値と合致する。
ボンベシンアゴニストおよび拮抗体は膜調製物への125I
−GRPの結合 GRPに構造的に関連するある範囲のペプチドが膜調製
物への125I−GRPの特異的接合を阻害する能力を第9図
に示す。ボンベシン、未標識GRP、ニューロメジン(neu
romedin)Bまたはボンベシンの(8−14)アミノ酸フ
ラグメントを添加すると、濃度依存的様式で膜調製物へ
125I−GRPの特異的結合が阻害された。半最大阻害(I
C50)を生ずるボンベシン、GRP、ニューロメジンBおよ
びボンベシン(8−14)の濃度はそれぞれ、1.5,3.8,18
0および4000nMであった。これと対照的に、GRPの生物学
的に不活性なNH2末端フラグメント(GRP1−16)は100μ
Mの濃度まで結合を阻害しなかった。
ニューロペプチド物質P(SP)は、3T3細胞への125I
−GRPの結合を阻害せず、また、これらの細胞におけるD
NA合成も刺激しなかった(7,8)。しかしながら、SP拮
抗体は3T3細胞における強力なボンベシン拮抗体である
(44,45)。第9図はスイス3T3細胞膜調製物への125I−
GRPの特異的結合に及ぼす[DArg1,DPro2,DTrp7,9,Lu
e11]SP(8,44)および[DArg1,DPhe5,DTrp7,9,Lue11
SP(45)の種々の濃度の作用を示している。これらの拮
抗体は濃度依存的様式で結合を低下させた。結合の50%
阻害を生ずる[DArg1,DPro2,DTrp7,9,Lue11]SPおよび
[DArg1,DPhe5,DTrp7,9,Lue11]SPの濃度はそれぞれ38
μMおよび7μMであった。
膜への125I−GRPの特異的結合を50%阻害するのに必
要なアゴニストおよび拮抗体の濃度(IC50)を第9図か
ら求めた。スイス3T3全体への125I−GRPの結合の50%阻
害を惹起するこれらのペプチドの濃度を以前に刊行され
たデータ(8,45)から求めた。第10図によれば、膜を用
いて得られたIC50値は、未損傷の細胞への結合のIC50
と極めてよく相関していた(r=0.98)。これらのペプ
チドの膜フラクションへの125I−GRP結合阻害能力と未
損傷細胞への125I−GRP結合阻害能力の間には明確な平
行性があることから、Mg2+存在下で調製された膜フラク
ションがこの種のペプチドのマイトジエン作用を媒介す
るボンベシン/GRP結合部位を保有しているという我々の
結論がかなり補強された。
膜調製物における125I−GRPのその受容体への交叉結合 我々は以前にスイス3T3細胞におけるボンベシン群の
ペプチドの受容体の主要成分である可能性のある見かけ
のMr75,000−85,000を有する未損傷のこの細胞中の表面
糖タンパク質を化学的交叉結合により同定した(30,3
1)。同様の結果が別の研究室でも得られている(32,4
6)、しかしながら、125I−GRPは全細胞中の他のタンパ
ク質とも交叉するため(30−32,46)、125I−GRPを特異
的に認識する膜フラクション中の成分を同定することが
重要であった。
5mM Mg2+の非存在下または存在下に調製されたスイス
3T3細胞の膜フラクションを125I−GRPとインキュベート
し、次に、ホモ2官能性ジスクシンイミジル交叉結合在
EGSで処理した。SDS−PAGE、ついでオートラジオグラフ
ィーにより分析したところ、Mg2+の存在下で調製された
膜の見かけのMr75,000−85,000で移動する単一バンドの
存在が明らかになった(第11図)。この交叉結合複合体
の形成は未標識GRPの100倍過剰量を添加することにより
完全に消失した。Mr75,000−85,000アフィニティ標識バ
ンドは、交叉結合反応をMg2+非存在下に調製およびアッ
セイした膜フラクションで行なった場合には得られなか
った。Mg2+を用いずに調製した膜をこのイオンの存在下
125I−GRPとインキュベートしたところ、Mr75,000−8
5,000バンドの標識は、Mg2+存在下に調製およびインキ
ュベートした膜で観察されたそれの僅か31%±4%であ
った(第11図)。即ち、Mr75,000−85,000交叉結合複合
体の形成は、膜フラクションにおける125I−GRP特異的
結合のレベルと極めて良い相関を示した。Mg2+は特異的
結合活性およびアフィニティ標識化のいずれを温存する
ためにも不可欠であった。
EGSは濃度依存的様式でMr75,000−85,000への125I−G
RPの交叉結合を促進した。最大作用はEGS濃度4mMで観察
され、半最大作用は2.5mMで観察された。Mr75,000−85,
000タンパク質への125I−GRPの交叉結合において交叉結
合剤DSSは2mMでEGSと同様に有効であった(結果は示さ
ず)。Mr75,000−85,000タンパク質のアフィニティ標識
化は、スクロース溶液を用いた遠心分離により調製した
膜フラクションを用いた場合にも顕著であった(第11図
右)。
125I−GRPがMr75,000−80,000タンパクを認識するそ
の特異性を評価するために、種々のマイトジエンおよび
ニューロペプチドの非存在下または存在下で、膜フラク
ションを125I−GRPとインキュベートした。第II表に示
されるとおり、スイス3T3細胞の膜フラクションへの125
I−GRPの交叉結合はボンベシン、リトリンおよびニュー
ロメジンBを含む、他のGRP構造関連ペプチドにより顕
著に阻害された。一方、GRPのアミノ末端フラグメント
(GRP(1−16))はMr75,000−80,000タンパク質のレ
ベルを何ら低下させなかった。更に、試験したその他の
ニューロペプチドおよび像即因子の何れも、Mr75,000−
80,000バンドのアフィニティ標識化を低下させなかっ
た。これらの結果は、スイス3T3細胞の膜フラクション
への125I−GRPの特異的結合もこれらのマイトジエンに
よって阻害されないという所見と合致している(第I
表)。
Mr75,000−80,000複合体がボンベシン族のペプチドの
受容体と密接に関連するという可能性は、種々の濃度の
未標識のGRPの存在下にスイス3T3細胞の膜フラクション
125I−GRPを交叉結合させることにより実証された
(第12図上)。オートラジオグラムの濃度分析によれ
ば、未標識GRP濃度の増大に伴うMr75,000−80,000レベ
ルの減少が、膜調製物への125I−GRPの特異的結合をGRP
が阻害する能力と緊密に平行することが示される(第12
図下)。
考 察 ボンベシン受容体の特性決定は、スイス3T3細胞培養
物における、ボンベシン群のニューロペプチドにより開
始された強力なマイトジェン応答を分子レベルで解明す
るための不可欠の段階である。細胞全体への125I−GRP
の結合により種々の上表が提供された(8,30,301,45)
が、125I−GRPはリソゾーム経路を介して未損傷のスイ
ス3T3細胞により急速に内在化された後に分解されるこ
とも示されている(33)。これらの代謝的変化は生理学
的温度における結合反応の速度論的特性および平衡特性
の測定を非常に複雑なものにしている。特異的結合を
保有する膜調製物はこのような複雑さが伴わない。
培養細胞および組織から膜を調製するための幾つかの
方法(38−43)では、3T3細胞由来の膜の125I−GRP結合
活性を温存できなかった。これらの実験の過程において
我々は、膜フラクションの調製および結合アッセイの間
にMg2+を添加することにより125I−GRPの特異的結合が
劇的に増大することを見出した。その作用は選択的であ
り、Mg2+は部分的にMn2+で代替できたが、Ca2+では代替
不可能であった。この作用はラット脳膜(42)または下
垂体細胞から得た膜(47)を用いtaこれまでの研究では
認められておらず、これまでの研究では、ボンベシンは
細胞増殖よりむしろ短期の分泌を刺激している。我々の
研究では、スイス3T3細胞のホモジナイズの間にMg2+
存在することは125I−GRP結合活性を安定化するのに不
可欠であった。今回の研究において、我々はこの新しい
観察結果を利用して結合反応の速度論的特性および平衡
特性を決定し、そして結合成分の分子特性の幾つかを測
定した。
スイス3T3細胞の膜調製物への125I−GRPの特異的結合
は速くそして可逆的であった。会合(k1)および解離
(k2)の速度定数を用いて見かけの平衡解離定数(kd)
を計算したところ1.9×10-10Mであった。平衡結合デー
タのスカッチャード分析によればkd=2.1×10-10であっ
た。そえゆえ、速度論的に求めた平衡定数は平衡結合測
定で得たkdと極めてよく合致した。これらkd値は、未損
傷の3T3細胞で以前に測定された見かけのkd(5−10×1
0-8M)(8)と合理的に合致する。
本研究で測定された結合部位の特異性は以下の一連の
証拠により裏付けられる。即ち、a)125I−GRPの特異
的結合はスイス3T3細胞に対する一群のマイトジエンお
よびその他のニューロペプチドによって阻害されない、
b)125I−GRPに結合せず、かつこのニューロペプチド
にも応答しない(7,8)3T6細胞からMg2+存在下に調製さ
れた膜は何ら特異的結合活性を示さない、c)ボンベシ
ン、リトリン、ニューロメジンBおよびボンベシンの8
−14フラグメントを含めたこのニューロペプチド群に高
度の保存されたCOOH末端へのヘプタペプチドを含有する
GRP構造類似ペプチドは濃度依存的様式で膜調製物への
125I−GRPの特異的結合を阻害した、d)ボンベシン拮
抗体として作用する2種の物質P誘導体(8,44,45)も
また膜への125I−GRPの結合を阻害した。実際、種々の
非放射性アゴニストおよび拮抗体が膜調製物から125I−
GRPと置き代わる相対的応力は、これらのペプチドが未
損傷かつ静止期のスイス3T3細胞への125I−GRPの結合を
阻害する相対的能力と極めて良好に相関(r=0.89)す
る(第10図)。
ボンベシンアゴニストが、Ca2+流動化(19,21)、ウ
アバイン感受性Rb+取り込み(21)、酸性Mr80,000基質
のプロテインキナーゼC媒介リン酸化(22,25)、125I
−GRP結合の阻害(9,22)、cAMP蓄積の増強(48)、c
−fosおよびc−myc発現の誘導(29)およびスイス3T3
細胞におけるDNA合成の刺激(8,9)を惹起する相対的効
力は、それらが3T3細胞由来の膜への125I−GRPの特異的
結合を阻害する相対的能力と同じである(第9図)。総
活すると、これらの結果は、本研究の期間中に膜調製物
において測定された高アフィニティ結合部位がボンベシ
ン群のペプチドのマイトジエン作用を媒介する受容体で
あることを示している。
我々は以前に、化学的交叉結合により、ボンベシン受
容体の主成分である可能性のある見かけのMr75,000−8
5,000を有するスイス3T3細胞の細胞表面糖タンパク質を
同定している(30,31)。他の実験室での研究でも、他
のバンドも観察されているものの、同様の交叉結合複合
体を認めた(32,46)。さらに、スイス3T3細胞のMr115,
000タンパク質はボンベシンに応答してチロシンでリン
酸化され(49)ることも報告されており、ボンベシン受
容体がこのキナーゼに関与している可能性もあげられて
いる。しかしながら、ボンベシンにより刺激されたチロ
シンキナーゼは他の研究室では検出されておらず(23)
そしてチロシンリン酸バンドのMrは細胞全体のアフィニ
ティ交叉結合により確認された推定受容体のそれとは一
致しない(30−32)。これらの結果を考慮すると、これ
らの膜調製物において125I−GRPを特異的に認識する成
分を化学的交叉結合により決定することが大へん重要で
あった。
本研究ではジスクシンイミジル交叉結合在EGSを用い
125I−GRPをスイス3T3細胞膜調製物のMr75,000−85,0
00タンパク質に共有結合させた。この成分のアフィニテ
ィ標識化は特異的であり、そしてMg2+の存在下に調製さ
れた膜フラクションでのみに観察された。我々の知るか
ぎり、125I−GRPが標的細胞または組織の膜調製物中の
タンパク結合部位に交叉結合された例は今回が初めてで
ある。我々の結果の顕著な特徴は、Mr75,000−85,000ア
フィニティ標識バンドが膜において検出された唯一の交
叉結合複合体であるということである。これらの所見
は、膜調製物での今回の試験でおよび3T3細胞全体での
以前の試験において同定されたMr75,000−85,000タンパ
ク質が受容体またはボンベシン受容体の結合サブユニッ
トであることを強く示唆している。特異的なボンベシン
受容体を保持する膜調製物が得られるということは、そ
の分子特性および調節特性を調べるのに有用であろう。
更に、かかる膜調製物により、この重要なニューロペプ
チド受容体の可溶化および精製を行なうための最も重要
な行程が提供される。
図の説明 第6図:スイス3T3細胞からの膜フラクションへの125I
−GRPの特異的結合のMg2+依存性。
A.5mMのMgCl2の非存在下(白棒)または存在下(斜線
棒)の何れかで調製およびアッセイされたスイス3T3細
胞膜フラクションへの125I−GRPの結合。膜フラクショ
ンは「実験方法」に記載されるようにして調製された。
膜フラクション(25μg)への125I−GRP(0.5nM)の特
異的結合は「実験方法」に記載されるようにして測定し
た。結果は、15℃および37℃で行なった実験からの平均
±SEM、n=15を表わす。
B.膜フラクションタンパク質の凾数としての125I−GRP
の特異的結合。125I−GRP(0.5nM)を5mMのMgCl2の非存
在下(白角)または存在下(黒角)の何れかで調製およ
びアッセイされた種々の濃度の膜と15℃で30分間インキ
ュベートした。この実験では、総インキュベーション容
量を250μとし、遊離のリガンドの利用可能性が制限
されないように確保した。結果は3回の別個の実験の平
均を表わす。
C.スイス3T3膜への125I−GRPの特異的結合はMgCl2濃度
依存性である。スイス3T3細胞からの膜フラクション
は、調製の全体を通してMgCl2濃度を指示通りに変化さ
せる以外は「実験方法」に記載されるとおりに調製し
た。種々の指示される濃度のMgCl2の存在下における膜2
5μgへの125I−GRP(0.5nM)の特異的結合は「実験方
法」に記載されるようにして測定した。挿入図.指示さ
れるMgCl2濃度で調製しそして5mMのMgCl2を用いてアッ
セイしたスイス3T3細胞から調製した(○)かまたはMgC
l2非存在下で調製しそして指示される濃度のMgCl2の下
にアッセイした 膜フラクションの一部分(25μg)への125I−GRPの特
異的結合。全例において結合は15℃で30分行なった。結
果は3通りの測定の平均で表わし、各測定値の平均値か
らの変動は5%未満であった。
第7図:スイス3T3膜フラクションへの125I−GRPの特異
的結合速度。
左図:スイス3T3膜への125I−GRPの結合の会合経時的変
化。125I−GRP(0.5nM)を結合接培地00μ中膜タンパ
ク質25μgと15℃で指示された時間インキュベートし
た。次に「実験方法」に記載されるようにして125I−GR
P特異的結合を測定した。挿入図:データの半対数プロ
ット時間を横軸に、そしてln[(Beq−Bt)/(BoLo−B
eqBt)]を縦軸にプロットした。Boは遊離受容体の当初
濃度であり、これはスカッチャード分析第8図(左)か
ら0.137nMである見積られた。Beqは占拠された受容体の
平衡温度であり、30分後に得られた値である0.095nMと
した。Loはリガンド当初濃度(0.5nM)である。当初の
点(0〜8分)の期間中の回帰直線の傾斜により、関係
式K1=傾斜×(Beq/Beq2−BoLo)に従い2次会合速度定
数K1が得られる。
右図:スイス3T3膜からの125I−GRP解離の経時的変化。
膜(25μg)を接合培地100μ中で125I−GRP(0.5n
M)15℃で30分インキュベートした。次に各チューブに
ボンベシン過剰量(1μM)を添加し、そして125I−GR
P特異的結合を「実験方法」に記載されたようにして指
示された時間に測定した。各点は1つの実験の3回の測
定の平均を示す。挿入図:データの半対数プロット。時
間を横軸に、そしてln(Bt/Beq)を縦軸にプロットし
た。直線の傾斜から1次速度定数k2が得られた。
第8図:15℃および37℃における、スイス3T3細胞由来の
膜フラクションへの結合の125I−GRP濃度の凾数として
の分析。
結合培地100μ中の膜(25μg)を指示に従って15
℃または37℃の何れかで、種々の濃度の125I−GRPの存
在下にインキュベートした。特異的結合を37℃で10分
後、または15℃で30分後、「実験方法」に記載されるよ
うにして測定した。非特異的結合は、1nM未満の濃度の
125I−GRP濃度に対し、少なくとも1000培過剰の未標識
ボンベシンまたは1μMボンベシンを添加することによ
り測定した。挿入図はデータのスカッチャード分析を示
し、結合(B)125I−GRPはfモル/25μg膜タンパクと
して表わし、遊離125I−GRP濃度であるFはpMで表わし
た。
第9図.スイス3T3細胞から調製した膜フラクションへ
125I−GRPの特異的結合に及ぼす種々のボンベシンア
ゴニストおよび拮抗体の作用。
125I−GRP(0.5nM)およびスイス3T3細胞からの膜フ
ラクション25μgを指示される濃度の以下に示すアゴニ
ストおよび拮抗体の非存在下または存在下、結合培地10
0μ中で15℃で30分インキュベートした。ボンベシン
(●,bom)、GPR(○)、ニューロメジンB(■,NB)、
ボンベシン8−14(□,Bom(8−14)、GRP1−16(◇,G
RP)、[DArg1,DPhe5,DTrp7,9,Lue11]物質P(▲,SP
2)、[DArg1,DPro2,DTrp7,9,Lue11]物質P(△,SP
1)。「実験方法」に記載されるようにして反応を停止
させそして特異的結合を測定した。結果は2つの個別の
実験の混成であり、各例の対照値のパーセントで表わ
す。125I−GRPの特異的結合の平均対照値は290±25fモ
ル/mgタンパク(平均±SEM,n=14)であった。
第10図:種々の非放射性ボンベシンアゴニストおよび拮
抗体が、スイス3T3細胞由来の膜への125I−GRPの結合を
阻害する効力は、これらのペプチドが未損傷のスイス3T
3細胞への125I−GRPの結合応を阻害する能力と相関す
る。
第9図に略語を示したペプチドがスイス3T3細胞から
調製した膜への125I−GRPの結合を50%阻害する濃度(I
C50,膜)(nM)を第9図からもとめ、これを既に報告さ
れているデータ(8,45)から得られた、同じペプチドが
未損傷スイス3T3細胞への125I−GRPの結合を50%阻害す
る濃度(IC50,膜)(nM)に対しプロットした。
第11図:ホモ2官能性交叉結合剤EGSを用いる75,000−8
5,000膜タンパク質のアフィニティ標識化。
左図:特異的アフィニティ標識化のMg2+依存性。スイス
3T3膜フラクションをMgCl2を用いないか(A,B)または5
mM MgCl2を用いるか(C)にして、「実験方法」に記載
されるようにして調製した。一部分(150μg)を0.5nM
125I−GRPを含有しMgCl2未添加(A)または5mM MgCl2
添加(B,C)の交叉結合培値500μ中で1μMボンベシ
ンの非存在下(−)または存在(+)にインキュベート
した。15℃で30分間インキュベートした後、遠心分離に
より膜をペレット化し、5mM MgCl2の非存在下(A)ま
たは存在下(B,C)でEGS(4mM)との化学的交叉結合を
「実験方法」に記載されるようにして行なった。「実験
方法」に記載されるSDS−PAGEで得られた代表的オート
ラジオグラムを左図に示し、棒グラフはオートラジオグ
ラムの走査密度測定から得られた平均値±SEM,n=4を
示す。37℃で10分間のインキュベーション後にも同様の
結果が得られた。
右図:スクロース溶液上での遠心分離により更に精製し
たスイス3T3膜への化学的交叉結合。「実験方法」に記
載のようにして細胞を回収しホモジナイズした。細胞全
体および核を除去した後の上清を45%(w/v)スクロー
スを含有する溶液A上に重層させそして30分間9000×g
で遠心分離した。原形質膜を界面から回収し、溶液Aで
5倍に希釈し、そして3000×gで30分間遠心分離した。
ペレットを1mg/mlの濃度で同じ緩衝液中に再懸濁した。
次に膜(75μg)をボンベシン(1μM)の非存在下
(−)または存在下(+)に、0.5nM 125I−GRPを含有
する交叉結合培地500μ中で37℃で10分間インキュベ
ートした。EGS(4mM)を用いた37℃での化学的交叉結合
およびSDS−PAGEによる分析を「実験方法」に記載され
るようにして実施した。この調製物の0.5nM 125I−GRP
で測定した特異的結合は790fモル/mgであり、左図で用
いられた膜の特異的活性の2倍増加を示した。
第12図:GRPは濃度依存的様式でアフィニティ標識75,000
−85,000膜タンパク質を阻害する。
「実験方法」に記載のようにしてスイス3T3細胞から
調製した膜タンパク質(15μg)を0.5nM 125I−GRPを
含有する交叉結合培地中37℃で10分間インキュベートし
た。次に、「実験方法」に記載されるようにしてEGS(4
mM)を用いた化学的交叉結合を行なった。「実験方法」
に記載されるようにして試料をSDS−PAGEにより分析し
た。上図は代表的なオートラジオグラムを示す。下図に
示す値はオートラジオグラムの走査密度測定から得られ
た最大レベルのパーセント(●)として表示し、2つの
独立した実験の平均値である。比較のために、(第9図
から得られた)膜への125I−GRPの結合の未標識GRPによ
る阻害の容量応答(○)を示す。
スイス3T3細胞から得た膜フラクションタンパク質の
一部分(25μg)を0.5nM 125I−GRPおよび上記マイト
ジエンを以下の濃度で含有する結合培地中でインキュベ
ートした:ボンベシンおよびGRP(100nM);GRP(1−1
6)バソプレッシン、ブラジキニン、VIP、物質P、物質
Kおよびソマトスタチン(1μM);PDGF(15nM);FGF
(6nM);EGF(40nM)、インシュリン(1.5μM);PBt2
(400nM)。37℃で10分間インキュベートした後に、
「実験方法」に記載されるようにして特異的結合を測定
した。結果は平均±SEM,n=3で示す。他の2つの独立
した実験でも同様の結果が得られた。
スイス3T3細胞からの膜フラクションタンパク質の一
部分(150μg)を0.5nM 125I−GRPおよび上記した試薬
を以下の濃度で含有する交叉培地中でインキュベートし
た。ボンベシン、リトリンおよびGRP(1−27)(100n
M);ボンベシン(8−14)およびGRP(1−16)(10μ
M)、ニューロメジンB、バソプレッシン、ブラジキニ
ンおよび物質P(1μM);PDGF(15nM);FGF(6nM);E
GF(40nM)。インシュリン(1.5μM);PBt2(400n
M)。37℃で10分間インキュベートした後に、膜を遠心
分離によりペレット化して、そして「実験方法」に記載
されるようにして4mM EGSを用いて化学的交叉結合を行
なった。「実験方法」に記載されるようにして試料をSD
S−PAGEおよびオートラジオグラムの走査密度測定によ
り分析した。示される結果は添加物の非存在下で得られ
たレベルのパーセントとして表わした3回の独立した実
験の平均値を示す。
注記1 :略語の一覧 PBS −リン酸緩衝食塩水 BSA −ウシ血清アルブミン GRP −ガストリン放出性ペプチド EGS −エチレングリコールビス(スクシーイミジルス
クシネート) DSS −スベリン酸ジスクシンイミジル EGTA −エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)四酢
酸 Hepes −4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジ
ンエタンスルホン酸 SDS−PAGE −ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動 VIP −血管活性腸内ペプチド PDGF −血小板由来成長因子 FGF −繊維芽細胞増殖因子 EGF −表皮成長因子 PBt2 −ホルボール12,13−ジブチレート 注記2:リガンドの内在化および分解は4℃で顕著に低下
する(33)。しかしながら、未損傷の細胞への125I−GR
Pの結合は4℃で非常にゆっくりと進行する。この非生
理学的温度で長時間インキュベートした後でも厳密な平
衡結合を得るのは困難である。
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siol.137,214−222. 49. Cirillo,D.M.,Gaudino.G.,Naldini,L.およびComog
lio,P.M.(1986)Mol.Cell.Biol.,4641−4649.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91) (72)発明者 ウォル,ペネラ イギリス国 ロンドン,ダヴリューシー 2,リンカーンズ イン フィールズ (番地なし) インペリアル キャンサ ー リサーチ ファンド内 (56)参考文献 The Journal of Bi ochemical Chemistr y,Vol.263,No.6,p.2808 −2816(1988) European Journal of Pharmacology,Vo l.145,No.3,p.273−280 (1988) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 7/06,14/705,16/28 C12P 21/00 A61K 38/08,38/17 CA(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記特徴を有するポリペプチド、すなわ
    ち: (1) マンノース側鎖に富む一本鎖グリコポリペプチ
    ドである。 (2) ボンベシル型のポリペプチドと選択的に結合す
    る。 (3) 75〜85キロダルトン(Kd)の分子量を有する。 (4) 6.4〜6.9の等電点を有する。 (5) フラボバクテリウム・メニンゴセプチクムから
    のエンド−β−N−グルコサミニダーゼを用いて得られ
    たコアタンパク質が分子量約42Kdを有する。 (6) 3〜15mMのMg++を含有する水性媒体中でスイス
    3T3細胞を破壊することにより得られ、15℃での平衡解
    離定数が速度論的分析によれば1.9×10-10Mでありそし
    てスカッチャード分析(平衡結合)によれば2.1×10-10
    Mである。
  2. 【請求項2】請求の範囲1記載のポリペプチドに対する
    抗体。
  3. 【請求項3】請求の範囲2記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】Mg++のとり込みにより安定化されたスイス
    3T3細胞の膜調製物を含有する免疫原で宿主動物を免疫
    化し、そして抗体含有血清または抗体産生細胞を宿主か
    ら回収することを包含する、請求の範囲1記載のポリペ
    プチドに対する抗体の生産方法。
  5. 【請求項5】検出可能な標識を担持する請求の範囲2ま
    たは3記載の抗体。
  6. 【請求項6】固形支持体上に不溶化された請求の範囲
    2、3または5記載の抗体。
  7. 【請求項7】下記の配列: により表される有効量の拮抗体Gを含有する、小細胞肺
    癌の治療のための医薬。
  8. 【請求項8】下記の配列: により表される有効量の拮抗体Gを含有する、小細胞肺
    癌の診断のための薬剤。
  9. 【請求項9】検出可能な標識を担持し、下記の配列: により表される拮抗体Gを、小細胞肺癌の検出が必要な
    宿主から採取した細胞または組織にインビトロで接触さ
    せることを包含する、小細胞肺癌の検出方法。
JP1503791A 1988-03-21 1989-03-21 ニューロペプチド拮抗体 Expired - Lifetime JP2818679B2 (ja)

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EP0406297B1 (en) 1996-08-28
ATE141798T1 (de) 1996-09-15
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WO1989009232A1 (en) 1989-10-05
JPH04501556A (ja) 1992-03-19
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