JP2814635B2 - 高周波温熱治療用電極 - Google Patents

高周波温熱治療用電極

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JP2814635B2
JP2814635B2 JP1342565A JP34256589A JP2814635B2 JP 2814635 B2 JP2814635 B2 JP 2814635B2 JP 1342565 A JP1342565 A JP 1342565A JP 34256589 A JP34256589 A JP 34256589A JP 2814635 B2 JP2814635 B2 JP 2814635B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、癌の腹膜播種転移の治療に適した高周波
温熱治療用電極に関する。
(ロ)従来の技術 第6図及び第7図は、従来の高周波温熱治療用電極
(以下アプリケータという)を説明する図である。
第6図のアプリケータ31は、皿状の本体32の内部に電
極33を配備し、本体32開口部を袋状の液収容バッグ34で
覆ったものである。電極33からは給電線35が引き出され
高周波発生源37に接続される。また、液収納バッグ34内
には、図示しないチューブにより、冷却水供給装置より
の冷却水が循環する構成とされている。このアプリケー
タ31は、第6図にも示すように生体Aの腫瘍組織Cに対
応する皮膚面に対し対向状に配置し、各電極33・33間に
高周波電界を印加して腫瘍組織を加温治療する。
第6図のアプリケータ31では、体表より高周波電界を
印加するわけであるが、患部が深いところにある場合に
は、患部よりも先に皮下脂肪層が発熱してしまい、患部
を目的温度に上げることが困難であった。また、腹腔内
にはエア層が存在しているが、このエア層内は電気力線
がほとんど通らないため、エア層周囲に電気力線が集中
して、この部分で発熱がおこり、やはり患部を目的温度
に上げることが困難であった。
そこで、これらの課題を解決するため、第7図に示す
ような、術中使用型のアプリケータ41が提案されている
(実願昭62−168895号(実開平−72251号))。このア
プリケータ41は、高絶縁体の筒体42(例えば内部に空気
を満たしている)の底部に、固定リング43を設け、この
固定リング43内に電極44を収納すると共に、固定リング
43の底面開口に液収納バッグ45を装着している。液収納
バッグ45内に冷却液が循環されるのは、先のアプリケー
タ31の場合と同様である。
このアプリケータ41は、前記アプリケータ31と対にな
って使用され、生体Aを開腹して患部Cのある臓器に液
バッグ45を接触させた状態で、高周波電界を印加して、
患部を加温治療する。
(ハ)発明が解決しようとする課題 上記術中使用型のアプリケータ41では、生体内部の一
部の腫瘍組織の加温には優れた効果を発揮できる。しか
しながら、癌性腹膜炎等、内部組織に散らばって転移し
た(播種転移)腫瘍組織全体の治療には、このアプリケ
ータ41は適合していなかった。
このように播種転移した腫瘍組織に適用される温熱治
療法としては、腹腔内に抗癌剤を含む温水(42.5℃〜43
℃)を循環させる方法が知られている。しかしながら、
この方法では臓器表面の加温にとどまるため、十分な治
療効果が得られない問題があった。また、生体組織間の
癒着により、温水が腹腔内全体にわたり循環しないの
で、部分的にしか治療効果が得られない場合も多かっ
た。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、癌性
腹膜炎等、播種転移した腫瘍組織全体の治療に適した高
周波温熱治療用電極の提供を目的としている。
(ニ)課題を解決するための手段及び作用 上記課題を解決するため、この発明の高周波温熱治療
用電極は、底面が開口し、その内部に循環液を循環させ
る熱交換槽と、この熱交換槽内に支持され、表面に絶縁
処理を施した電極とを備えてなるものである。
この発明の高周波温熱治療用電極は、生体を開腹し、
腹腔内に熱交換槽底面を挿入して使用する。腹腔内は熱
交換槽内と連通しているので、熱交換槽に循環液を循環
させれば、腹腔内にもこの循環液が循環することとな
る。
この状態で、この高周波温熱治療用電極と体表側に装
着した高周波温熱治療用電極(例えば第6図に示すアプ
リケータ)との間に高周波電界を印加すれば、高周波電
流により、腫瘍組織自体が発熱する。この時、電極と腫
瘍組織との間には循環液のみが介在しているので、脂肪
層やエア層の影響を受けず効率よく腫瘍組織を加温する
ことができる。なお、電極も発熱するが、この熱は液温
コントロールされた循環液に奪われて外部に放出され
る。
この高周波電流による腫瘍組織自体の発熱及び循環液
による臓器表面よりの加温との相乗効果により、播種転
移した腫瘍組織を効果的に加温し、壊死に至らしめるこ
とができる。
(ホ)実施例 この発明の一実施例を第1図乃至第5図に基づいて以
下に説明する。
第1図及び第2図は、それぞれこの実施例に係る高周
波温熱治療用電極(以下アプリケータという)1の外観
斜視図及び中央縦断面図である。
熱交換槽2は、外筒3及びキャップ4とからなり、そ
の底面が開口する構成とされている。外筒3は、患部の
状態がアプリケータ1外部より観察できるよう、透明な
樹脂で形成されている。3aは、後述のアプリケータ支持
具30にアプリケータ1を取り付けるための嵌合突部であ
る。また、3bは電極の位置を確認するための目盛であ
る。
外筒3の内面上端には、雌ねじ部3cが形成されてお
り、これをキャップ4の雄ねじ部4aに螺合させることに
より、外筒3をキャップ4に着脱自在に装着することが
できる。外筒3とキャップ4とは一体成形でも構わない
が、この実施例のように着脱可能な構成としておけば、
消毒の時などに便利である。
キャップ4には、注水口5、排水口6、センサ導入部
7、ハブ9が設けられている。注入口5、排水口6は、
それぞれ熱交換槽2内に循環液を導入、導出するための
ものであり、キャップ4側面に設けられている。注水口
5、排水口6よりは、それぞれL字状にチューブ5a、6a
が垂下しているが、これらチューブ5a、6aは省略するこ
ともできる。また、注水口、排水口は外筒3側に設けて
もよく適宜設計変更可能である。
センサ導入部7は、センサ8を熱交換槽2内に導入す
るための周知のものであり、ナット7aを締めつけること
により、防水状態を保ったままセンサ8をキャップ4に
挿通させることができる。なお、第1図及び第4図で
は、センサ8を1本しか示していないが、必要な本数だ
けセンサが熱交換槽2内に導入できるようにすればよ
く、その導入方式も実施例のものに限定されない。
ハブ9は、キャップ4中央に設けられており、ロッド
11が挿通している。ハブ9内にはロッド11外周面に接触
するパッキン9aが設けられ防水構造とされている。ま
た、ハブ9には、ロッド11を任意の位置に固定するため
のビス10が螺入されている。
ロッド11の下端には、円板状の電極12が取り付けられ
ている。もちろん電極の形状は円板に限定されるもので
はない。ロッド11、電極12は、アルミニウム、銅等の導
体材料で構成され、その表面はポリ4フッ化エチレン
(商品名テフロン)等、生体不活性ポリマで被覆されて
いる。これはロッド11及び電極12と、腹腔内とが循環液
により液絡して生じる感電事故を防ぐためである。
ロッド11上端には、ナット13により給電線14が接続さ
れている。ロッド11上端には絶縁キャップ15が冠着さ
れ、給電線14の接続部が絶縁される。
次に、実施例アプリケータ1を支持するスタンド21に
ついて説明する。第3図には、このスタンド21全体が示
されており、キャスタ22を備えたベース23上にパイプ24
が立設されている。パイプ24内には、上方よりパイプ25
が挿入されており、ハンドル26を回転させることによ
り、パイプ25の突出高さを変えることができる。
パイプ25には、回転自在にアーム受具27が取り付けら
れており、ビス27aを締めつけることにより、所望の角
度で固定することができる。アーム受具27には、アーム
28が挿通されて支持されている。アーム28はアーム受具
27に対して軸方向に調整可能であり、ビス27bによりア
ーム受具27に対して固定することができる。アーム28の
一端にはカウンターウェイト29が、もう一端にはアプリ
ケータ支持具30が設けられている。
アプリケータ支持具30の詳細は第1図に示されてい
る。アプリケータ支持具30はアーム28の先端に回転可能
に取り付けられており、ビス30aを締め付けることによ
り所望の角度で固定することができる。30bは、嵌合凹
部であり、ここにアプリケータ1の嵌合突部3aを上方よ
りはめこんで、アプリケータ1をアプリケータ支持具30
に取り付ける。嵌合突部3aは、ビス30cによりアプリケ
ータ支持具30に固定され、アプリケータ1がアプリケー
タ支持具30より容易に外れない構成とされる。
アプリケータ1は、この実施例では1種類しか示して
いないが、実際には患者の種々の状況に対応できるよ
う、外筒3の外径、高さ、電極12の径がそれぞれ異なる
複数種のアプリケータが用意される。この場合でも、嵌
合突部3aの形状さえ統一しておけば、複数種のアプリケ
ータに対してスタンド21を共通に使用できる。
第4図は、実施例アプリケータ1の接続について説明
する図である。給電線14は、高周波発生源17に接続され
ている。この高周波発生源17には、体表側のアプリケー
タ31の給電線35も接続されており、アプリケータ1、31
の電極12、33間に高周波電界が印加される。
注水口5、排水口6は、それぞれチューブ5b、6bを介
して、恒温循環液供給装置19に接続される。この恒温循
環液共通装置19は、循環液に所定の温度を保たせて、熱
交換槽2及び腹腔B内を循環させる機能を有している。
また、センサ8は、温度計測装置18に接続されてお
り、熱交換槽2内や腹腔B内の温度をモニタすることが
できる。
実施例アプリケータ1は、生体Aを開腹し、外筒3の
底部を腹腔B内に挿入した状態で使用される。体表側に
は従来と同様のアプリケータ31が装着され、このアプリ
ケータ31の電極33と、電極12とが適切な位置関係となる
ように、ロッド11を上下して調整する。
熱交換槽2及び腹腔B内には、循環液供給装置19によ
り、循環液が循環させられる。この循環液には、抗癌剤
(例えばシスプラチン)を含む温水(42.5〜43℃)が用
いられる。循環液が循環された状態で電極12、33間に高
周波電界が印加される。電極12と臓器表面との間は循環
液で満たされているから、高周波により腫瘍組織Cを効
率よく加温することができる。電極12自体も発熱する
が、この熱は液温コントロールされた循環液に奪われて
外部に排出される。
循環液による臓器表面よりの加温効果及び高周波によ
る加温効果により、播種転移した腫瘍組織Cの温度を効
率よく上げ、壊死に至らしめることができる。
この実施例アプリケータ1は、第5図に示すように、
傾けて使用することも可能であり、奥まった部位、例え
ば膀胱等の加温も可能となる。
なお、この発明のアプリケータは、マイクロ波や超音
波加温にも適用可能である。
(ヘ)発明の効果 以上説明したように、この発明の高周波温熱治療用電
極は、底面が開口し、その内部に循環液を循環させる熱
交換槽と、この熱交換槽内に支持され、表面に絶縁処理
を施した電極とを備えてなるものであるから、播種転移
した腫瘍を効果的に治療できる利点を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る高周波温熱治療用
電極の一部を破断して示す外観斜視図、第2図は、同高
周波温熱治療用電極の中央縦断面図、第3図は、同高周
波温熱治療用電極の使用状態を説明する図、第4図は、
同高周波温熱治療用電極の接続を説明する図、第5図
は、同高周波温熱治療用電極を傾けて使用する状態を説
明する図、第6図は、従来の高周波温熱治療用電極を説
明する図、第7図は、従来の術中使用型の高周波温熱治
療用電極を説明する図である。 2:熱交換槽、3:外筒、 4:キャップ、5:注水口、 6:排水口、12:電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中瀬 雄三 京都府京都市下京区中堂寺南町17番地 サイエンスセンタービル 株式会社立石 ライフサイエンス研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−242275(JP,A) 特開 昭61−62470(JP,A) 特開 昭63−71264(JP,A) 特開 平2−41174(JP,A) 実開 昭59−14613(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61N 1/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底面が開口し、その内部に循環液を循環さ
    せる熱交換槽と、この熱交換槽内に支持され、表面に絶
    縁処理を施した電極とを備えてなる高周波温熱治療用電
    極。
JP1342565A 1989-12-28 1989-12-28 高周波温熱治療用電極 Expired - Lifetime JP2814635B2 (ja)

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PCT/JP1990/001711 WO1991009644A1 (en) 1989-12-28 1990-12-26 Electrode unit for high-frequency thermotherapy
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