JP2814419B2 - Fmθ誘導装置 - Google Patents

Fmθ誘導装置

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JP2814419B2 JP5252124A JP25212493A JP2814419B2 JP 2814419 B2 JP2814419 B2 JP 2814419B2 JP 5252124 A JP5252124 A JP 5252124A JP 25212493 A JP25212493 A JP 25212493A JP 2814419 B2 JP2814419 B2 JP 2814419B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ヒトの聴覚を刺激し
て特定の脳波を誘導する装置に関するものであり、詳細
には、ヒトの聴覚を変調波により刺激することにより、
Fmθを誘導する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大脳皮質や頭皮上の相違する2点間に観
察される電位差は「脳波」と呼ばれ、心身の状態に対応
する独特の波形、律動を有している。脳波は、律動の周
期に依って、通常、α波、β波、θ波及びδ波の4波に
分類される。このうち、周期8乃至13ヘルツのα波
は、心身が弛緩するにつれて、強く、広範囲に連続して
出現するようになる。周期18乃至30ヘルツのβ波
は、逆に、心身が緊張するにつれ、強く、広範囲に出現
するようになる。周期4乃至8ヘルツのθ波と周期4ヘ
ルツ未満のδ波は入睡眠に関連する脳波であり、入眠時
にはθ波が強く現われ、睡眠が深くなるにつれてδ波が
優勢になると言われている。イノウエ等、『ジ・イー・
イー・ジー・オブ・メンタル・アクティビティーズ』、
第136〜148頁(1988年)に見られるように、
θ波のうちでも、成人の前頭正中部付近に観察される6
乃至7ヘルツの優勢なθ律動は「Fmθ」と呼ばれ、精
神作業に深く関与すると言われている。精神作業してい
るヒトの脳波を分析すると、作業者の前頭正中部付近に
Fmθが出現しているのが観察され、その強度と分布
は、作業者の注意力や集中力が高まれば高まるほど、強
く、広範囲に出現するようになる。
【0003】このように、Fmθが注意・集中力と密接
な関係を有していることから、何等かの方法で人為的に
Fmθを誘導できれば、作業者の注意力や集中力を向上
でき、作業の効率や精度を改善できると期待される。し
かしながら、これまで、人為的にFmθを誘導し得る装
置や方法は全く知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】斯かる状況に鑑み、こ
の発明の目的は、人為的にFmθを誘導する装置を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者が、斯かる課題
を達成し得る手段について鋭意研究したところ、可聴域
の低周波に、周波数約20ヘルツ以下の超低周波が重畳
してなる変調波により聴覚を通じてヒトを刺激すると、
Fmθがより強く、広範囲に出現することを見出した。
この発明は、斯かる新規な知見に基づくものであり、可
聴域の低周波に周波数約20ヘルツ以下の超低周波が重
畳してなる変調波発生回路と、その変調波発生回路の出
力端に接続され、前記変調波を可聴刺激に変換する電気
音響変換器とを含んでなるFmθ誘導装置の構造を要旨
とするものである。
【0006】
【発明の作用】この発明においては、変調波発生回路が
発生する可聴域の低周波に、周波数約20ヘルツ以下の
超低周波が重畳してなる変調波は、電気音響変換器によ
り可聴刺激に変換される。この発明による変調波は、聴
覚を通じてヒトを刺激すると、その脳波におけるFmθ
の出現を促す。殊に、超低周波の周波数が約2乃至10
ヘルツの範囲にあるときには、Fmθのみならず、α波
の出現をも促す。
【0007】以下、実施例、実験例などによりこの発明
を詳細に説明するに、この発明でいう変調波とは、可聴
域の低周波に、周波数約20ヘルツ以下の超低周波が重
畳してなるものである。斯かる低周波としては、通常、
超低周波の周波数を越え、約20,000ヘルツを越え
ない周波数の適宜波形の連続波やパルス波が使われる。
本発明者が健常者を対象に種々試験したところ、低周波
の周波数が約6,000ヘルツを越えると、被検者の一
部が聴き取り難さや軽微な不快感を訴えることがあっ
た。実際には、超低周波の周波数や電気音響変換器の周
波数特性などを勘案すると、通常、約50乃至3,00
0ヘルツ、望ましくは、約100乃至500ヘルツ、さ
らに望ましくは、約120乃至200ヘルツに設定する
のがよい。波形についても同様に種々試験したところ、
正弦波のような連続波や、例えば、鋸状波、方形波、三
角波、矩形波などのパルス波であって、パルスの持続時
間が比較的長いものが好適であった。一方、超低周波に
は、周波数約20ヘルツ以下、通常、約2乃至10ヘル
ツの連続波若しくはパルス波が望ましく、また、その波
形は、低周波の場合と同様、正弦波のような連続波や、
持続時間の比較的長いパルス波が好適である。
【0008】この発明でいう変調波発生回路とは、前記
のとおり、特定の低周波に特定の超低周波が重畳してな
る変調波を発生する電気回路であり、通常、低周波を発
生する第一の発振回路と、超低周波を発生する第二の発
振回路と、それら発振回路の出力端に接続された入力端
を有し、その低周波を超低周波で変調する、例えば、振
幅変調回路、位相変調回路、周波数変調回路又はパルス
変調回路などの変調回路とを含んでなる。発振回路及び
変調回路における回路構成や回路素子については、変調
回路の出力端に現われる変調波が前記要件を満たす限り
において、特に制限を設けないが、通常一般には、トラ
ンジスタ、電界効果トランジスタ及び/又は集積回路を
中心に構成される。変調回路の出力自体が低かったり、
変調回路の出力端と電気音響変換器とがインピーダンス
的に整合しないなどの理由により、変調回路のみでは電
気音響変換器を実質的に付勢し得ない場合には、変調回
路と電気音響変換器との間に適宜の増幅器や整合回路な
どを介挿することを妨げない。斯かる実施態様も、当
然、この発明に包含されるものとする。
【0009】変調波発生回路の別の態様としては、変調
波発生回路を再生回路と、必要に応じて、増幅回路とに
より構成し、その再生回路により、磁気若しくは光学記
録体に記録された前記変調波を再生し、その再生出力
を、必要に応じて増幅した後、電気音響変換器に供給す
るようにしてもよい。磁気記録体としては、例えば、磁
気テープ、磁気ディスク、磁気フロッピーなどが、ま
た、光学記録体としては光ディスクなどが挙げられる。
より具体的に説明すると、例えば、当該変調波を通常一
般のオーディオテープやコンパクトディスクなどに記録
しておき、これを通常一般の再生装置で再生して対象者
に聴かせるのである。斯かる態様によるときには、家庭
用オーディオ・ビデオ装置がそのまま利用できるので、
極めて好都合である。
【0010】ところで、本発明者が、Fmθの誘導能と
副作用ということに着目して、健常者を対象に、当該変
調波の変調度について種々試験したところ、約30乃至
100%、望ましくは、約70乃至90%の範囲にある
ときに、不快感などの副作用を実質的に惹起することな
く、最高レベルのFmθを誘導することができた。した
がって、超低周波による低周波の変調度がこの範囲にな
るように発振回路等の出力を設定するか、あるいは、変
調回路においてこの範囲になるよう調節するのが望まし
い。超低周波による低周波の変調度や低周波及び超低周
波の最適周波数は、個々の対象者に依って若干相違する
のが通例であるから、各個の対象者が最適の変調度や周
波数の可聴刺激を受けられるよう、発振回路及び/又は
変調回路にこれら変調度や周波数を一定の範囲内で調節
できる機能を設けるのが望ましい。
【0011】この発明による可聴刺激は、いわゆる「1
/fゆらぎ」を付加すると、Fmθ誘導能が顕著に高ま
る。すなわち、可聴刺激の出現頻度、持続時間、周波数
及び/又は強度を1/fゆらぎ則にしたがって変動させ
るときには、当該変調波に基づく可聴刺激と1/fゆら
ぎ則による変動とが相乗的に作用し、何れか一方のみで
は容易に達成できない程度にFmθの出現を促すことが
判明した。とりわけ、脳波、心拍数、血圧、呼吸、体温
を始めとする生体現象の長期的変動からサンプリングし
た1/fゆらぎを有する系列は極めて有用であり、斯か
る系列に基づいて可聴刺激の出現頻度、持続時間、周波
数及び/又は強度を変動させるときには、僅少の刺激量
で極めて高レベルのFmθを誘導でき、しかも、それが
刺激後も長時間持続する。これは、ヒトの生体現象にお
ける長期的変動からサンプリングした1/fゆらぎを有
する系列には、神経系に代表される生体制御機構に関す
る多くの重要な情報が含まれており、その情報は、聴覚
を通じて知覚させると、Fmθの出現促進にことのほか
効果的に作用し、この発明による可聴刺激の生理作用を
相乗的に高める結果であると理解される。可聴刺激に斯
かる変動を付与するには、例えば、前記したような系列
をマイクロプロセッサに記憶させておき、そこから取り
出した擬似1/fゆらぎ系列を含む電気信号をインター
フェースを介してオン/オフ回路に導出し、そのオン/
オフ回路により、前記発振回路や変調回路を導通制御す
ればよい。
【0012】以上のようにして得られる変調波は電気音
響変換器に供給され、そこで可聴刺激に変換される。こ
の発明でいう可聴刺激とは、ヒトが聴覚器官により知覚
し得る刺激を意味し、通常は音波による刺激を意味す
る。したがって、この発明でいう電気音響変換器とは、
前述のようにして電気的に発生させた変調波を音波に変
換する手段ということになる。個々の電気音響変換器と
しては、例えば、動電スピーカ、電磁スピーカなどの電
磁型変換器や静電スピーカ、圧電スピーカなどの静電型
変換器、あるいは、これらを適宜組合せたものなどが挙
げられる。変換器の動作原理、形状・形態、大きさにつ
いては特に制限がなく、使用者がその聴覚を通じて当該
変調波を知覚し得るものである限り、何れもこの発明で
使用することができる。この発明の装置を携帯して使用
する場合には、小形ヘッドホンやイヤホンが好適であ
る。
【0013】変調波発生回路で発生させた変調波を電気
音響変換器に供給する方法であるが、斯かる方法は二種
類に大別され、その一つは、変調波発生回路と電気音響
変換器をケーブル等により直接接続する有線方式であ
る。この方式においては、通常、対象者又はその補助者
が、対象者が実際に聴く場所で変調波発生回路を含む電
気的構成部分を操作する。いま一つの方式は、変調波発
生回路を含む電気的構成部分と電気音響変換器を含む電
気的構成部分とを別個に構成し、変調波発生回路の出力
を無線通信や光通信などにより後者の電気的構成部分に
供給する無線方式である。無線方式においては、通常、
補助者が、対象者が実際に聴く場所とはやや離れた場所
で前者の電気的構成部分を操作することとなる。Fmθ
を誘導するということにおいては、何れの方式を採用し
ても実質的な違いは無いけれども、後者の方式の場合に
は、複数の対象者を同時に可聴刺激するのが容易とな
り、しかも、無線の到達範囲内であれば、対象者が自由
に移動できるという利点がある。
【0014】次に、この発明による装置の使用方法につ
いて説明すると、使用目的にも依るが、一般に、この発
明の装置による可聴刺激は、最初はやや強く、徐々に弱
めていくのがよい。使用目的が精神作業時における注意
力や集中力の向上にあるときには、必要に応じて、その
都度その都度、作業前若しくは作業時に適当時間刺激す
ればよい。疾病等の予防・治療が目的の場合には、対象
者の状態を注意深く観察しつつ、例えば、1日に1乃至
3回、1回当たりの最長刺激時間として約2時間までを
目安に、毎週1乃至7日、1カ月乃至1年に亙って継続
すればよい。使用目的や対象者にも依るが、そのときの
可聴刺激の音圧は、通常、約20乃至90dB、望まし
くは、約30乃至80dBとするのがよい。この発明に
よる可聴刺激は、通常、一方の耳からのみ聴かせても、
両方の耳から聴かせても、Fmθ誘導能において実質的
な違いがない。この発明の可聴刺激を長時間聴かせ続け
る必要がある場合には、例えば、一方の耳のみを可聴刺
激するか、発振回路と電気音響変換器との間に切換スイ
ッチ等を介挿し、この切換スイッチを操作することによ
り、一方の耳には変調波を聴かせ、他方の耳には無変調
の低周波を聴かせるようにしてもよい。なお、対象者に
も依るが、この発明の装置による可聴刺激には、長期間
聴き続けると、その後はごく短時間聴くか、全く聴かな
くてもFmθの出現を促す性質がある。斯かる対象者に
とって、この発明の装置は、いわゆる、「メンタルトレ
ーニング」の手段として有用である。また、この発明の
装置を電気音響変換器を備えた、例えば、ラジオ受信
機、テレビ受像機、さらには、レコード再生装置、オー
ディオテープ再生装置、コンパクトディスク再生装置、
ミニディスク再生装置、ビデオテープ再生装置、ビデオ
ディスク再生装置などのオーディオ・ビデオ装置やマル
チメディア・パソコン等に組込むときには、一つの装置
でこの発明による可聴刺激と音楽等を同時又は随時切換
えて聴くことができる。
【0015】以下、図示実施例及び実験例により、この
発明をより具体的に説明する。
【0016】
【実施例1】図1に示すのは、この発明による一実施例
における電気的構成部分のブロックダイアグラムであ
る。図中、O1及びO2は、それぞれ、第一の発振回路
又は第二の発振回路であり、通常、オペアンプが使われ
る。第一の発振回路O1は、周波数約150ヘルツの正
弦波を発生し、第二の発振回路O2は、正弦波波形を有
する周波数約2乃至10ヘルツの超低周波を発生する。
第二の発振回路O2には可変抵抗器V1が設けられ、こ
れを操作することにより、超低周波の周波数を約2乃至
10ヘルツの範囲で変えられるようになっている。Mは
変調回路であり、その入力端には第一の発振回路O1と
第二の発振回路O2の出力端が接続されており、前記低
周波と超低周波はここで振幅変調され、その出力端には
低周波に超低周波が重畳してなる変調波が導出される。
変調回路Mに設けられた可変抵抗器V2は振幅変調の深
度を調節するためのものであり、これを操作することに
より、変調度を約30乃至100%の範囲で変えること
ができる。第一の発振回路O1の出力端は切換スイッチ
Sを介して第一の増幅回路A1の入力端に、また、変調
回路Mの出力端は第二の増幅回路A2の入力端と切換ス
イッチSにおける接点bに接続されている。第一及び第
二の増幅回路A1、A2の出力端には、断接自在なコネ
クタCを介して電気音響変換器としてのヘッドホンPが
接続されている。一対の増幅器A1、A2の入力端にそ
れぞれ設けられた可変抵抗器V3は、それら増幅器A
1、A2に加える電気信号の大きさを変えることによ
り、ヘッドホンPにおける左右のスピーカユニットから
輻射される可聴刺激の大きさを調節するためのものであ
る。一対の増幅器A1、A2の入力端間に交叉して設け
られた可変抵抗器V4は、それら増幅器A1、A2に加
える電気信号の大きさを加減することにより、ヘッドホ
ンPにおける左右のスピーカユニットから輻射される可
聴刺激のバランスをとるためのものである。
【0017】本例の動作について説明するに、切換スイ
ッチSを接点bの位置にした状態で回路を始動させる
と、第一及び第二の発振回路O1、O2の出力は変調回
路Mに供給される。両出力はここで混合され、振幅変調
されて、変調回路Mの出力端には図2に示すような波形
の変調波が導出される。図2に見られるように、この変
調波には、周波数約150ヘルツの正弦波に周波数約2
乃至10ヘルツの正弦波が重畳されている。変調回路M
の出力は増幅器A1、A2により増幅され、ヘッドホン
Pにおける一対のスピーカユニットを付勢する。切換ス
イッチSを接点aに接続すると、変調波は増幅器A2の
みに供給され、増幅器A1には、第一の発振回路O1が
発生する周波数約150ヘルツの低周波が供給される。
この場合には、ヘッドホンPにおける一方のスピーカユ
ニットからは変調波が輻射され、もう一方のスピーカユ
ニットからは無変調の正弦波が輻射されることとなる。
【0018】本例は斯く構成されているので、対象者が
その頭部にヘッドホンPを装着した状態で動作させる
と、対象者の耳には周波数約150ヘルツの正弦波か、
この正弦波に周波数約2乃至10ヘルツの正弦波が重畳
してなる変調波を聴くことができる。
【0019】
【実施例2】図3に示すのは、変調波発生回路の出力を
無線方式により電気音響変換器に供給する、この発明に
よる別の実施例の電気的構成部分を示すブロックダイア
グラムである。図中の符合O1、O2、M、V1乃至V
4、P及びCは、図1に示す実施例の場合と全く同じ回
路乃至回路素子を参照するためのものであり、それらの
使用目的、機能も実質同じである。
【0020】図3に示すように、本例は送信系統と受信
系統からなる。送信系統においては、第一の発振回路O
1、第二の発振回路O2及び変調回路Mで発生した変調
波又は正弦波は、前の実施例と同様、切換スイッチSを
介してステレオ方式の周波数変調回路FSMの入力端に
供給される。周波数変調回路FSMは、通常、前記入力
端に印加される変調波乃至正弦波を増幅するための低周
波増幅回路と、その低周波増幅回路の出力端に接続され
た入力端を有し、前記変調波乃至正弦波に基づいて周波
数変調された高周波に変換する周波数変調回路などによ
り構成される。周波数変調回路FSMの出力端には、前
記高周波を適宜増幅するための高周波電力増幅回路RF
Pの入力端が接続され、高周波電力増幅回路RFPの出
力端には、高周波を輻射するための空中線ANT1が接
続されている。受信系統は、高周波を受信するための空
中線ANT2と、空中線ANT2からの高周波電圧を元
の変調波乃至正弦波を含む電気信号に復調するためのス
テレオ方式の受信回路FSRと、受信回路FSRの出力
を可聴刺激に変換する電気音響変換器としてのヘッドホ
ンPを含んでなるものである。
【0021】本例の動作について説明すると、本例は斯
く構成されているので、送信系統を動作させた状態で受
信系統を始動させると、ヘッドホンPにおける一対のス
ピーカユニットには、周波数約150ヘルツの正弦波
か、この正弦波に周波数約2乃至10ヘルツの正弦波が
重畳してなる変調波が輻射される。
【0022】本例は斯く構成されているので、一つの送
信系統に対して、一又は複数の受信系統を設けておき、
この受信系統を個々の対象者が携帯し、ヘッドホンPを
頭部に装着した状態で適宜これを動作させれば、変調波
を聴くことができる。本例は、比較的広い場所で、複数
の対象者を同時に聴覚刺激するのに有用である。
【0023】次に、実験例により、この発明の奏する作
用効果について具体的に説明する。
【0024】
【実験例】精神神経疾患のない20歳台の男女それぞれ
5名を被検者とし、その頭部にステレオヘッドホンとと
もに、脳波計測用生体電極を『国際脳波学会連合標準電
極配置法』にしたがって装着した。脳波測定用生体電極
にはデータ処理装置を備えたNEC三栄株式会社が製造
・販売する脳波計『1A97A型』を、また、ステレオ
ヘッドホンには超低周波の周波数範囲を若干拡大した以
外、実施例2と同様に作製した装置を接続した。次に、
先ず、被検者を可聴刺激しない状態で、精神作業として
クレペリン試験(連続一位加算作業)を15分間負荷
し、その間、被検者の脳波を検出し、増幅した後、ティ
アック株式会社が製造・販売するデータレコーダ『XR
−710型』に記録した。前半の試験が終了した後、被
検者を5分間休憩させ、今度は、可聴刺激しながら後半
15分間のクレペリン試験を負荷するとともに、その
間、前記と同様にして被検者の脳波を検出し、得られた
データを増幅した後、データレコーダに記録した。な
お、可聴刺激の音圧は、被検者の鼓膜上で約70dBに
なるように設定した。
【0025】試験終了後、データレコーダに記録したデ
ータをNEC三栄株式会社が製造・販売するシグナルプ
ロセッサ『7T18A型』により9回加算演算処理し、
周波数解析した後、被検者10名のFmθを平均して1
分間当たりのトポグラフとして表示した。それととも
に、前半、後半それぞれ15分間に亙る精神作業中、被
検者頭部におけるF3、Fz及びF4部位から導出した
Fmθにつき、前半15分間及び後半15分間について
それぞれ1分間当たりの平均強度(マイクロボルト)を
求め、得られた平均強度を部位ごとに数1に代入してF
mθ増加率(%)を計算した。これらトポグラフとFm
θ増加率をもって、各可聴刺激のFmθ誘導能を判断す
る目安とした。結果を表1及び図4、図5に示す。
【0026】
【数1】
【0027】対照として、可聴刺激を全く聴かせない系
(以下、「対照1」と言う。)と、無変調波、すなわ
ち、周波数約150ヘルツの正弦波のみを聴かせる系
(以下、「対照2」と言う。)などを設け、これら対照
についても前述と同様に試験した。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から明らかなように、全ての可
聴刺激が共通して周波数150ヘルツの正弦波を含んで
いながら、そのFmθ増加率には顕著な違いが認められ
た。すなわち、超低周波の周波数が約20ヘルツ以下の
範囲にあると、F3、Fz及びF4の全ての部位におい
てFmθ増加率が顕著に上昇し、導出部位に依っては対
照1の約130%にも達することがあった。図4、図5
のトポグラフも、この発明による変調波で可聴刺激しな
がら精神作業すると、Fmθが被検者の前頭正中部を中
心に強く、広範囲に出現するようになったことを裏付け
ている。表1における対照3、対照4の結果に見られる
ように、超低周波の周波数が20ヘルツを上回ると、F
mθ増加率において対照1や対照2との有意差が認めら
れなくなり、被検者に依っては軽微な不快感や集中力の
低下を訴えたり、クレペリン試験の進捗に明らかな遅延
の認められるケースがあった。
【0030】以上の実験事実から、超低周波の周波数と
しては約20ヘルツ以下、とりわけ、約2乃至10ヘル
ツの範囲の適していることが理解される。データは示し
ていないものの、超低周波の周波数を8ヘルツ付近に固
定する一方、低周波の周波数を50乃至6,000ヘル
ツの範囲で適宜変更しながら前記と同様に試験したとこ
ろ、低周波の周波数が約100乃至500ヘルツのとき
にFmθ増加率が有意に上昇し、約120乃至200ヘ
ルツのときにピークに達した。また、周波数約150ヘ
ルツの正弦波に周波数約8ヘルツの正弦波が重畳してな
る変調波につき、その変調度を適宜変更しながら前記と
同様に試験したところ、変調度が約30乃至100%の
ときに、Fmθ増加率がピークに達した。正弦波以外
に、鋸状波、方形波、三角波、矩形波などのパルス波に
ついても試験したところ、持続時間が比較的長いパルス
は、正弦波と比べとやや劣るものの、ほぼ同等の結果が
得られた。
【0031】別途、前記の被検者10名を対象に、この
発明による可聴刺激がα波の出現に及ぼす影響について
試験した。すなわち、被検者の頭部に脳波測定用生体電
極とステレオヘッドホンを装着させ、できるだけリラッ
クスして閉眼座位した状態で60分間に亙り、周波数約
150ヘルツの正弦波に周波数8ヘルツの正弦波が重畳
してなる変調波により可聴刺激した。そして、その間、
常法により脳波を検出し、増幅した後、データレコーダ
に記録した。試験終了後、記録したデータを周波数解析
し、周期8乃至10ヘルツのα波につき、測定開始直後
から20分間に亙り、5分間隔で1分間当たりのトポグ
ラフとして表示した。3日後、同じ被検者を対象に、変
調波による可聴刺激を省略した点を除き、全く同じ実験
を行った。その結果、この発明による変調波で可聴刺激
すると、被検者のα波に顕著な変化が現われ、可聴刺激
しないときのα波が図6に見られるとおりであったとこ
ろ、この発明による変調波により可聴刺激すると図7に
見られるように、可聴刺激を始めてから15分間の時点
で被検者の頭頂部を中心にα波が強く、極めて広範囲に
出現しているのが認められた。それと同時に、β波の出
現も顕著に抑制されていた。この傾向は、超低周波の周
波数を約2乃至10ヘルツの範囲で変えても概ね変わら
なかった。
【0032】これらのことは、この発明による可聴刺激
がFmθの出現を促すのみならず、α波の出現を促すと
同時に、β波の出現を抑制する作用のあることを示唆し
ている。前述のとおり、α波とβ波は、それぞれ心身の
弛緩又は緊張に対応する脳波であることから、この発明
の装置は、開眼して使用するとFmθを誘導して注意・
集中力を高め、閉眼して使用するとα波を誘導するとと
もにβ波を抑制して心身を弛緩・安静化させるというこ
とになる。
【0033】前述のとおり、Fmθは注意・集中力のよ
い指標であることから、本実験例の結果は、この発明の
装置が、精神作業一般に使用して、使用者の注意・集中
力を高め、精神作業の効率・精度を高水準に保つことを
示唆しているものと言える。そして、このことは、クレ
ペリン試験の進捗率(%)からも窺われ、表1に示すよ
うに、この発明による変調波で可聴刺激した場合には、
作業の進捗率(%)が有意に高まっていた。
【0034】
【発明の効果】この発明の装置は斯く構成されているの
で、その変調波は、聴覚を通じてヒトを刺激すると、そ
の脳波におけるFmθの出現を促す。とりわけ、超低周
波の周波数が約2乃至10ヘルツの範囲にあるときに
は、Fmθだけではなく、α波の出現をも促す。したが
って、この発明による変調波は、聴覚を通じてヒトを刺
激すると、Fmθやα波が係わる心身の望ましい状態、
すなわち、注意力や集中力の向上、さらには、心身の弛
緩・安静化を促す。
【0035】このようなことから、この発明の装置は、
注意力や集中力の向上に止どまらず、心身の弛緩・安静
化や学習力、創作力の向上、さらには、例えば、ノイロ
ーゼ、精神衰弱症、心身症、躁欝症、慢性アルコール依
存症などの精神疾患や、例えば、テレビ受像機、ビデオ
ディスプレー、OA機器、自動車点火プラグなどから輻
射される電磁波による、いわゆる、テクノストレスを含
むストレス症一般による思考力、集中力、労働意欲の低
下、不眠、倦怠感、脅迫観念、恐怖症、不充実感などの
軽減や緩解に効果を発揮する。したがって、この発明の
装置は、一般家庭、職場、競技場、学校、学習塾、教習
所、訓練所、研究所、アトリエなどにおいては精神作業
の効率・精度、学習力、学術研究力、創作力、あるい
は、競技中の集中力を高める手段として、また、職場、
診療所、病院、療養所などにおいてはストレスを始めと
する各種精神疾患を予防・治療するための手段として有
用である。対象者に依っては、この発明による可聴刺激
を長期間聴き続けると、その後はごく短時間聴くか、全
く聴かなくてもFmθの出現が促進されることがある。
斯かる対象者にとって、この発明の装置は、いわゆる
「メンタルトレーニング」の手段としても有用である。
【0036】このように、この発明は斯界に貢献するこ
と誠に多大な、意義のある発明であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による一実施例における電気的構成部
分のブロックダイアグラムである。
【図2】図1に示す実施例における変調波の波形図であ
る。
【図3】この発明による別の実施例における電気的構成
部分のブロックダイアグラムである。
【図4】可聴刺激することなく被検者に精神作業を負荷
したときのFmθを示すトポグラフである。
【図5】この発明による変調波で可聴刺激しながら被検
者に精神作業を負荷したときのFmθを示すトポグラフ
である。
【図6】可聴刺激することなく被検者を閉眼座位させた
ときのα波を示すトポグラフである。
【図7】この発明による変調波で聴覚刺激しながら被検
者を閉眼座位させたときのα波を示すトポグラフであ
る。
【符号の説明】
O1、O2 発振回路 A1、A2 増幅回路 M 変調回路 V1〜V4 可変抵抗 S 切換スイッチ C コネクタ P ヘッドホン FSM 周波数変調回路 RFP 高周波電力増幅回路 FSR 受信回路 ANT1、ANT2 空中線

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可聴域の低周波に、周波数約20ヘルツ
    以下の超低周波が重畳してなる変調波発生する変調波
    発生回路と、その変調波発生回路の出力端に接続され、
    前記変調波を1/fゆらぎ則にしたがって変動する可聴
    刺激に変換する電気音響変換器とを含んでなるFmθ誘
    導装置。
  2. 【請求項2】 変調波発生回路が、可聴域の低周波を発
    生する第一の発振回路と、周波数約20ヘルツ以下の超
    低周波を発生する第二の発振回路と、それら第一及び第
    二の発振回路の出力端に接続された入力端を有し、可聴
    域の低周波を周波数約20ヘルツ以下の超低周波変調
    する変調回路とを含んでなる請求項1に記載のFmθ誘
    導装置。
  3. 【請求項3】 可聴域の低周波が周波数約120乃至2
    00ヘルツである請求項1又は2に記載のFmθ誘導装
    置。
  4. 【請求項4】 超低周波の周波数が約2乃至10ヘルツ
    である請求項1、2又は3に記載のFmθ誘導装置。
  5. 【請求項5】 変調波の変調度が約30乃至100%の
    範囲にある請求項1、2、3又は4に記載のFmθ誘導
    装置
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