JP2812676B2 - 1,5−アンヒドログルシトールの定量用キット - Google Patents

1,5−アンヒドログルシトールの定量用キット

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JP2812676B2 JP11367397A JP11367397A JP2812676B2 JP 2812676 B2 JP2812676 B2 JP 2812676B2 JP 11367397 A JP11367397 A JP 11367397A JP 11367397 A JP11367397 A JP 11367397A JP 2812676 B2 JP2812676 B2 JP 2812676B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、糖尿病の診断マー
カーとして期待される1,5−アンヒドログルシトール
(以下1,5−AGという)の定量用キットに関するも
のである。 【0002】 【従来の技術】1,5−AGは、ヒト髄液および血漿中
に存在しある種の疾患、特に糖尿病において、血漿中の
量が低下することが報告されている化合物である。この
1,5−AGを定量する方法は、従来から主にガスクロ
マトグラフィーによっておこなわれていた。(糖尿病25
巻、1115〜1118、1982年、吉岡等) 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来からの方
法では、被検液の前処理と1,5−AGのラベル化が必
要であるうえ、分析機器の維持、管理に高度の技術を必
要とし繁雑であること、ガスクロマトグラフィーでは分
析に長時間を要し、多数の被検液の測定は困難であるこ
となど、臨床的な定量法としては問題が有った。そこ
で、本発明者等は、簡便で多件数測定可能な測定法を検
討し、本発明を完成した。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は糖類除去剤、過
酸化水素検出用試薬及び1,5−AGに作用して定量的
に過酸化水素を発生させかつ糖類にも作用する1,5−
AG定量用酵素とからなる1,5−AG定量用試薬キッ
トに関する。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明のキットにおいて、糖類の
除去剤としては、ホウ酸、ホウ酸結合樹脂、強塩基性陰
イオン交換樹脂、塩酸、水素化ホウ素ナトリウム、グル
コースオキシダーゼ、ヘキソキナーゼ、陰イオン交換樹
脂、陽イオン交換樹脂などがあげられるが、操作の簡便
さからするとホウ酸結合樹脂、陰イオン交換樹脂及び陽
イオン交換樹脂を組合せたものや、強塩基性の陰イオン
交換樹脂と陽イオン交換樹脂を組合せたものが好まし
く、通常キット中にはディスポーザブルな小さいカラム
にホウ酸結合樹脂や強塩基性の陰イオン交換樹脂が最上
層となるように充填した形で存在する。 【0006】次に検体からの糖類の除去法につき説明す
る。本発明者らは、この糖類の除去方法につき検討した
ところ、強塩基性陰イオン交換樹脂もしくはホウ酸でそ
の検体を処理すると、1,5−AGは全く除去されずに
糖類が選択的に除去され、1,5−AGを含む試料が得
られることを見い出した。強塩基性陰イオン交換樹脂を
用いる方法としては、検体を強塩基性樹脂のOH形にゆ
っくりと通し、糖類を吸着除去するものである。好まし
い強塩基性樹脂は、4級アンモニウム塩を交換基とする
樹脂で、強塩基性のトリメチルアミノ基(I型)やヒド
ロキシエチルジメチルアミノ基(II型)を有する陰イ
オン交換樹脂などが有る。また、この方法では、処理液
の樹脂中の通過速度の影響を受けるため、樹脂の粒度を
細かく(200 〜400 メッシュ)し、ゆっくり通過させる
のが好ましい。また、処理液を中和するために、さらに
陽イオン交換樹脂で処理しても良い。 【0007】陽イオン交換樹脂とは、各種の陰イオン性
樹脂のH形である。陰イオン性樹脂としては、強酸性の
陽イオン交換樹脂から弱酸性の陽イオン交換樹脂まで、
あらゆるタイプの陽イオン交換樹脂を包含する。特に好
ましくは、スルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹
脂のH形などがある。又、ホウ酸を用いる方法では、検
体の処理はホウ酸自体でおこなってもよいが、ホウ酸を
結合した樹脂を用いた方が好ましい。ホウ酸を結合した
樹脂としては例えばホウ酸共有結合型樹脂やホウ酸形陰
イオン交換樹脂などがあげられる。 【0008】ホウ酸形陰イオン交換樹脂とは、各種陽イ
オン性樹脂のホウ酸塩形のものであり、陽イオン性の樹
脂としては強塩基性の陰イオン交換樹脂から弱塩基性の
陰イオン交換樹脂まであらゆるタイプの陰イオン交換樹
脂を包含する。特に好ましくは、強塩基性のトリメチル
アミノ基(I型)を有する陰イオン交換樹脂のホウ酸塩
形、強塩基性のヒドロキシエチルジメチルアミノ基(I
I型)を有する陰イオン交換樹脂のホウ酸塩型などが有
る。このホウ酸処理液を試料として使用する場合、その
処理液中に存在する除去しきれないホウ酸と糖類の複合
体を除去するため、陰イオン交換樹脂又は陰イオン交換
樹脂と陽イオン交換樹脂で処理した方がよい。 【0009】陰イオン交換樹脂とは、各種陽イオン性樹
脂のOH形又は弱酸塩形のものであり、陽イオン性の樹
脂としては、強塩基性の陰イオン交換樹脂から弱塩基性
の陰イオン交換樹脂まで、あらゆるタイプの陰イオン交
換樹脂を包含する。また、これら陽イオン性樹脂の弱酸
塩形を構成する弱酸類としては、炭酸、蟻酸、酢酸など
の有機酸が好ましい。陽イオン性樹脂で特に好ましいも
のは、強塩基性のトリメチルアミノ基(I型)やヒドロ
キシエチルジメチルアミノ基(II型)を有する陰イオ
ン交換樹脂などが有る。陽イオン交換樹脂としては前記
のものがある。糖類除去のためホウ酸処理法を実施する
には、例えば次のようにすればよい。ホウ酸自体を使用
する場合は、血漿などの被検液にホウ酸水溶液をホウ酸
として、次工程の陰イオン交換樹脂処理でホウ酸がもれ
ない程度加え、攪拌する。次いでこの処理液を陰イオン
交換樹脂もしくは陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂
を充填したカラムに通せばよい。 【0010】又、ホウ酸を結合した樹脂を使用する場合
はその樹脂及び陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂を
ホウ酸結合樹脂が一番上になるようにカラムにつめ、つ
いで、そのカラムに検体を通せばよい。 【0011】なお、試料中の糖類を選択的に除去する方
法としては、上記の方法の他に、1,5−AGの極端な
化学的安定性を利用する方法と、1,5−AG以外の主
要夾雑基質であるグルコースを、酵素を触媒として修飾
する方法がある。1,5−AGの化学的安定性を利用す
る方法としては、6N塩酸存在下に加熱し、1,5−A
G以外の糖類を酸分解し、分解生成物中に残存している
1,5−AGを回収する方法、水素化ホウ酸ナトリウム
の様な還元剤で処理し、1,5−AG以外のグルコース
等のカルボニル基又はホルミル基を有する糖類を還元
し、1,5−AG定量用酵素と反応し得ない化合物に修
飾する方法などが有る。一方、酵素を触媒として化学的
に修飾する方法では、グルコースをグルコン酸に変換す
る酵素、例えばグルコースオキシダーゼ(EC 1.1.3.4)
を用いる方法、グルコースをグルコース−6−リン酸に
変換する酵素、例えばヘキソキナーゼ(EC 2.7.1.1)を
用いる方法などが有る。これら酵素により修飾されて生
じた化合物は、いづれも1,5−AG定量用酵素である
ピラノースオキシダーゼ及びL−ソルボースオキシダー
ゼには反応し得ない化合物であり、酵素処理で全く変化
を受けずに残存している1,5−AGを下記の方法で測
定すればよい。 【0012】過酸化水素検出試薬としては、ペルオキシ
ダーゼもしくはペルオキシダーゼ様活性物質と発色基質
もしくは発色剤およびカップラー、ペルオキシダーゼと
ケイ光基質、ペルオキシダーゼと発光基質、フェリシア
ンイオンと発光基質の組み合せなどが例示される。本発
明で用いられる過酸化水素を検出する方法としては、高
感度に検出できる方法であればいづれであっても良く、
数多くの方法が利用できる。これらのうちで最も一般的
に用いられている方法は、ホースラディッシュペルオキ
シダーゼ(HRP)を触媒酵素として、各種のHRP基質を
過酸化水素で酸化するものであり、酸化反応の結果生成
した色素、ケイ光物質や化学発光をそれぞれ吸光度測
定、ケイ光測定及び発光測定すれば良い。色素を生成す
るHRPの基質としては2,2′−アジノビス(3−エ
チルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)(ABT
S)、o−フエニレンジアミン(OPD)、5−アミノ
サリチル酸(5−AS) 、3,3′,5,5′−テトラメ
チルベンジジン(TMB)などがある。ケイ光物質を生成す
るHRPの基質としては、p−ヒドロキシフェニル酢
酸、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(HP
PA) などがある。また、化学発光するHRPの基質とし
ては、ルミノール、イソルミノールなどが知られてい
る。具体的には例えば次のとおり、 【0013】リン酸ナトリウム緩衝液(1/15M,pH5.6)0.
3ml 、4mMの2,2′−アジノビス〔3−エチルベン
ツチアゾリン−6−スルホン酸〕(ABTS) と12unit/ml
のホースラディッシュペルオキシダーゼを含む発色液0.
5ml 、25unit/ml のピラノースオキシダーゼ又はL−ソ
ルボースオキシダーゼ溶液0.1ml 及び40μg/ml の1,
5−AG溶液0.1ml を容器に入れ、37℃で30分間反応さ
せた後、氷冷下に反応を止め、405nm における吸光度を
測定する。既知濃度の1,5−AG溶液で検量線を作成
しておき試料の吸光度より1,5−AGの濃度を算出す
る。HRPなしに化学発光で検出する方法もいくつか知
られている。たとえば、フェリシアンイオン存在下に過
酸化水素でルミノールを発光させる方法、金属イオン存
在下に過酸化水素でルシゲニンを発光させる方法、ビス
(2,4,6 −トリクロルフェニル)オギザレートの様なア
リルシュウ酸エステル類の化合物をケイ光物質存在下に
過酸化水素と反応させ、シュウ酸エステルの分解エネル
ギーでケイ光物質を励起させ発光させる方法などが知ら
れている。さらに過酸化水素を直接検出する方法とし
て、過酸化水素電極を用いてもよい。 【0014】1,5−AG定量用酵素としては1,5−
AGの定量に直接使用しうる酵素であれば特に制限はな
く、例えばピラノースオキシダーゼ(PROD) やL−ソル
ボースオキシダーゼなどがあげられる。これらの酵素が
1,5−AGの定量に利用できることは本発明によりは
じめて明らかにされたことである。ピラノースオキシダ
ーゼとL−ソルボースオキシダーゼはIUPAC−IU
Bの名命法委員会でそれぞれEC 1.1.3.10及びEC 1.1.3.
11と分類し得るものであれば特に制限はなく、ピラノー
スオキシダーゼとしては、例えばポリポラスオブッサス
(Polyporus obtusus)ATCC26733 の産生するものが
あげられ、又、L−ソルボースオキシダーゼとしては、
例えばトラメテスサングイネア(Trametess anguines)
IFO4923の産生するものなどがあげられる。これらの
酵素は通常緩衝液に溶解した溶液で使用されるが、マイ
クロカプセル、樹脂や多糖類に共有結合もしくは吸着さ
せたものなど、通常の方法で固定化した酵素も使用しう
る。又、その使用量は、試料の量などによって異なる
が、酵素による反応時間を好適な短時間とするためには
1単位以上であればよく、好ましくは1.5〜5単位程
度である。また用いる酵素の比活性は高いものほど反応
にとって良好であることは言うまでもないことであるが
必ずしも最高純度のものを要求するものではない。な
お、本発明で使用する酵素を採取する方法は、例えば前
者についてはBiochim. Biophys. Acta 167, 493−500(1
968) に、又後者についてはThe Journalof Biochemistr
y 62(2)223−229(1967) に開示されている。 【0015】本発明のキットの構成成分である1,5−
AG定量用酵素及び検出用試薬は、全てを混合して単一
の試薬としてもよく、相互に干渉する成分が存在する場
合には、各成分を適宜な組み合せとなる様に分割しても
よい。また、これらは、溶液状、もしくは粉末状試薬と
して調製してもよく、さらにこれらを濾紙もしくはフィ
ルムなどの適当な支持体に含有させ試験紙もしくは分析
用フィルムとして調製してもよい。なお、本発明の分析
用試薬キットには、上記の組み合せ試薬の他、過塩素酸
などの除タンパク剤や1,5−AGの一定量を含有する
標準試薬を添付してもよい。キット中の1,5−AG以
外の基質の除去剤の量は、例えば強塩基性の陰イオン交
換樹脂を使う場合 強塩基性陰イオン交換樹脂(OH形) 0.1 〜1.0ml 陽イオン交換樹脂 0.01 〜0.5ml 程度がよく、樹脂全量で0.2 〜1.5ml となるように適宜
調整すれば良い。又、ホウ酸結合樹脂を使う場合 ホウ酸結合樹脂 0.1 〜0.5ml 陰イオン交換樹脂 0.1 〜1.0ml 陽イオン交換樹脂 0.01 〜0.5ml 程度がよく、樹脂全量で0.5 〜2mlとなるように適宜調
整すれば良い。 【0016】キット中の1,5−AG定量用の酵素の量
は100 試料用、300 試料用などの測定しうる試料数によ
り異なるが、1試料当り0.5 〜20単位程度、又、検出用
試薬については、過酸化水素検出用試薬としてHRPと
ABTSを用いる場合、HRPは1試料当り、10〜200m
unit 、ABTSは1〜20μ molになるようにキット中
に入れる。又、この他、除タンパク剤として試料当り過
塩素酸を100%として5〜20μl 、検量線作成用試料
として1,5−AGを100 〜1000μg をキットに組み込
むのがよい。 【0017】本発明のキットを使って1,5−AGを定
量するための検体は、1,5−AGを定量したいものな
ら特に制限なく、例えば髄液、血漿、血清、尿などがあ
げられる。これらの検体中にはピラノースオキシダーゼ
やL−ソルボースオキシダーゼと反応しうる、グルコー
スなどの糖類が存在するので、その糖類を除去した試料
が用いられる。本発明のキットを使って、1,5−AG
を定量するには、検体を糖類除去剤で処理した試料、好
ましくはさらに除タンパク処理も施した試料に電子受容
体及び1,5−AG定量用酵素を試料1ml当り0.5 〜10
単位、好ましくは1〜5単位添加し、4〜50℃好ましく
は25〜40℃で、0.5 〜3時間、好ましくは0.5 〜1時間
インキュベートし、次いで生成する過酸化水素量を過酸
化水素検出用試薬で測定し、別に作成した検量線から
1,5−AG量を求めればよい。 【0018】次に、実験例、実施例により、本発明を具
体的に説明する。 実験例1.(ピラノースオキシダーゼを使用した1,5
−AGの検量線) 1/15Mリン酸緩衝液(pH5.6)とABTS及びHRPをそ
れぞれ4mM、12unit/ml となる様に溶解した発色液0.
5ml に、1,5−AG標準液0.1ml 、1/15Mリン酸緩衝
液0.3ml 、5mg/ml 濃度のピラノースオキシダーゼ(グ
ルコースに対する比活性5unit/mg 、宝酒造製)0.1ml
を加え、37℃で1時間反応した。この反応液の405nm に
おける吸光度を測定して検量線を作成したものを図1に
示した。 【0019】実験例2.(L−ソルボースオキシダーゼ
を使用した1,5−AGの検量線) 実験例1のピラノースオキシダーゼの代りにL−ソルボ
ースオキシダーゼ(グルコースに対する比活性4.3unit/
mg) 5mg/ml 溶液に変えて全く同様に反応させ、1,5
−AGの検量線を作成した。その結果を図2に示した。 【0020】実施例(キットの例) (1)キットの調整 試薬A:60%過塩素酸溶液2.0ml を試薬ビンに入れた。 試薬B:PROD 200mg(5unit/mg 、宝酒造製)、H
RP0.24mg(100unit/mg、和光純薬)及びABTS 220
mg(ベーリンガー社製)が1本の試薬ビンに含まれる様
に0.27Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH=5.6)100ml に溶
解し、常法により凍結乾燥した。 前処理カラム:フリットフィルターを装着したリザーバ
ー(1.5ml 容器、アナリティカルインターナショナル社
製)に、下から順にAG50W−X8(H形)0.1ml とA
G1−X8(OH形、いづれもバイオラッド社製)0.4m
l を充填した。さらに充填した樹脂上からフリットフィ
ルターを装着し、樹脂が動かない様に固定した。また、
充填した樹脂が乾燥したり、空気中の炭酸ガスを吸収し
劣化しない様、出口にはキャップを取り付け、入口には
シールをして密封した。 標準溶液:1mg/ml の1,5−AG溶液0.2ml を試薬ビ
ンに入れ、常法により凍結乾燥した。 【0021】(2)操作法 血清検体 200μl をエッペンドルフチューブ(1.5ml 容
量)に取り、試薬Aを15μl 加えて攪拌した。この遠心
上清液100 μl を、キャップとシールを取り除き、プラ
スチックチューブ上にセットした前処理カラムにチャー
ジした。液が完全に樹脂を通過してから、蒸留水0.5ml
を加え洗浄した。さらに0.5ml づつ2回洗浄し、前処理
カラムの通過液1.6ml を回収した。試薬Bのビンに蒸留
水100ml を加えて復元したものを、浮遊物を除去するた
めにフィルターをセットしたチップを通して、上記の通
過液に0.5ml 添加後、攪拌し37℃で1時間インキュベー
ト反応した。この反応液の405nm における吸光光度を通
常の分光光度計により測定した。また、標準溶液のビン
に蒸留水5mlを加えて標準液(40 μg/ml) を作成し、こ
れをさらに2倍希釈したものと、蒸留水の3点で検量線
を作成し、血清検体での吸光度値から定量した。検量線
の測定操作は、上記サンプル100 μl に蒸留水1.5ml 、
試薬Bの復元液0.5ml を加え攪拌後、検体の場合と全く
同様の操作により反応させ、吸光度を測定した。キット
の方法によっても、参考例3と同様の結果が得られた。 【0022】参考例1.(ピラノースオキシダーゼを使
用する1,5−AGの測定) グルコースと1,5−AGをそれぞれ1mg/ml 、0.1mg/
ml濃度に含有するモデル被検液を作成した。これに下記
1〜5に示した前処理をほどこしてグルコースを除去
し、残存する1,5−AGを実験例1に示した方法で測
定した。1,5−AGの定量は、それぞれ1,5−AG
標準液をモデル被検液と全く同様の方法で前処理して作
成した検量線により行った。その結果を表1に示した。 (1)(1,5−AG以外の基質をホウ酸との複合体と
して除去する方法) 被検液0.2ml に0.8 Mホウ酸水溶液0.02mlを加えて攪拌
する。この処理液の上清0.1ml を、OH形の陰イオン交
換樹脂AG1−1X8(バイオラッド社製)0.5ml を充
填したカラムに導通後、蒸留水1.5ml で洗浄して通過液
1.5ml を得る。 【0023】(2)(1,5−AG以外の基質を強塩基
性の陰イオン交換樹脂により吸着除去する方法) 被検液0.2ml をOH形陰イオン交換樹脂AG1−X8
(バイオラット社製400 メッシュ品) 0.5ml を充填したカラムに導通後、蒸留水1.5ml で洗浄
して通過液1.5mlを得る。 (3)(1,5−AG以外の基質を塩酸により分解除去
する方法) 被検液0.2ml に36%塩酸0.25mlを加えて密栓し、110 ℃
で1日間加熱反応する。この反応液をエバポレート乾固
して塩酸を除き、蒸留水0.2ml を加えて再溶解する。こ
の上清0.1ml を、酢酸形の陰イオン交換樹脂AG1−X
80.4ml とH形の陽イオン交換樹脂0.2ml を充填したカ
ラムに導通後、蒸留水1.5ml で洗浄して通過液1.5ml を
得る。 【0024】(4)(1,5−AG以外の基質を水素化
ホウ素ナトリウムで還元する方法) 被検液0.5ml に40mg/ml 濃度の水素化ホウ素ナトリウム
水溶液0.05mlを加え37℃で30分反応する。反応後残存す
る水素化ホウ素ナトリウムを分解するために60%濃度の
過塩素酸水溶液0.005ml を加えpHを5〜6に修正する。
この反応液の上清0.1ml に、1.8 %の水酸化バリウム8
水和物の水溶液0.2mlと2%の硫酸亜鉛・7水塩0.2ml
を加え攪拌後3000回転で10分間遠心して沈殿物を除く還
元処理液が得られる。 (5)(グルコースをグルコースオキシダーゼで酸化す
る方法) 被検液0.4ml に100unit/ml濃度のグルコースオキシダー
ゼ溶液(ベーリンガー社製)0.2ml を加え37℃で1時間
反応する。この反応液に0.1mg/ml濃度のカタラーゼ溶液
(シグマ社製)0.2ml を加え、37℃で5分間反応させグ
ルコースの酸化反応によって生成した過酸化水素を完全
に分解する。次に、グルコースオキシダーゼとカタラー
ゼを失活除去するために5分間沸トウ水中で加熱し、30
00回転で10分間遠心することによってグルコースオキシ
ダーゼ処理上清を得る。 【0025】(6)(グルコースをヘキソキナーゼでリ
ン酸化する方法) 被検液0.1ml に、1.8 %水酸化バリウム・8水和物の水
溶液0.2ml 、2%濃度の硫酸亜鉛・7水塩の水溶液0.2m
l を加え攪拌後、3000回転で10分間遠心し除タンパク上
清を得る。この上清0.2ml に、0.1 Mリン酸緩衝液(pH
7.0)0.64ml、0.2 M塩化マグネシウム溶液0.1ml 、0.2
M ATP溶液0.05ml、1400unit/ml 濃度のヘキソキナ
ーゼ溶液(ベーリンガー社製)0.01mlを加え、37℃で30
分反応して処理液を得る。 【0026】参考例2.(L−ソルボースオキシダーゼ
を使用する1,5−AGの測定) 実施例1と全く同様のモデル被検液を、実施例1と同様
の前処理をほどこしてグルコースを除去し、残存する
1,5−AGを実験例2の方法で測定した。その測定結
果を表1に示した。 【0027】 【表1】 【0028】参考例3.(前処理カラムを用いる血清中
の1,5−AGの測定) イオン交換樹脂AG50W−X8H形、AG1−X8OH
形、AG1−X8ホウ酸形(いづれもバイオラッド社
製)を、それぞれ0.3ml 、0.5ml 、0.2ml づつ小カラム
に下部より順次層状に充填して試料前処理カラムを作製
した。ヒト血清0.2ml に60%過塩素酸水溶液15μl を加
えて振トウの後、遠心分離して除タンパクを行い、得ら
れた上清液0.05mlを上記の試料前処理カラムへ導通し、
蒸留水3mlで洗浄して通過液3mlを得た。次に、この通
過液3mlを濃縮乾固し、蒸留水0.25mlて再溶解して前処
理カラムの処理液を得た。処理液中に残存する1,5−
AGの測定は、実験例1に示した方法で行った。即ち
1,5−AGの標準物質を用いて作成した検量線を用い
て定量した。この様にして測定した、正常人及び糖尿病
患者の血清1,5−AG値と、同一サンプルをガスクロ
法で測定した場合の血清1,5−AG値の相関を図3に
示した。この図から明らかなように本発明方法による定
量値とガスクロ法による定量値とは相関性を示した。
又、AG1−X8ホウ酸形のかわりにBoric acidgel を
用いた他は本実施例と同様にすると、本実施例と同様の
結果が得られた。 【0029】参考例4.(前処理カラムを用いる尿中
1,5−AGの測定) 遠心型限外ろ過装置セントリコン−10(アミコン社製)
を用いて除タンパク質としたヒト尿サンプル10mlを、イ
オン交換樹脂AG50W−8XH形1ml、AG1−X8酢
酸形1mlの順に導通し、蒸留水6mlて洗浄して脱塩尿サ
ンプルを得た。これをエバポレート乾固し、蒸留水0.5m
l で再溶解後、実施例3で記載した前処理カラムへ導通
し、蒸留水3mlで洗浄して前処理カラム通過液3.5ml を
得た。次にこの処理液を濃縮乾固し、蒸留水0.2ml で再
溶解して、1,5−AG測定用サンプルとした。1,5
−AGの測定は、上記サンプル0.1ml を用いて実施例1
に示した方法で行った。また、比較のため残った1,5
−AG測定用サンプルをガスクロを用いて定量した。こ
れらの結果を表2に示した。 【0030】 【表2】 【0031】参考例5.(ホウ酸結合樹脂からなる前処
理カラムを用いる血清中の1,5−AGの測定) イオン交換樹脂AG50W−X8のH形、AG1−X8の
OH形、AG1−X8のホウ酸形(いづれも400 メッシ
ュ品で、バイオラッド社製)を、それぞれ0.3ml 、0.5m
l 、0.2ml づつ小カラムに下部より順次層状に充填して
試料前処理カラムを作製した。ヒト血清0.2mlに60%過
塩素酸水溶液15μl を加えて振トウの後、遠心分離して
除タンパクを行い、得られた上清液0.1ml を上記の試料
前処理カラムへ導通し、蒸留水3mlで洗浄して通過液3.
1ml を得た。次に、この通過液3.1ml を濃縮乾固し、
1,5−AG検出試薬1.0ml を加え、37℃で1時間反応
した。この反応液の405nm における吸光度を測定し、あ
らかじめ1,5−AGの標準液をヒト血清の場合と全く
同様に処理して作成した検量線により定量した。なお、
1,5−AG検出試薬は、PROD2.5unit/ml、HRP
60m unit/ml 、ABTS1mMを含む1/15Mリン酸緩衝
液(pH5.6)である。この様にして測定した、正常人及び
糖尿病患者の血清1,5−AG値と、同一サンプルをガ
スクロ法で測定した場合の血清1,5−AG値の間には
良好な相関性が認められた。 【0032】参考例6.(強塩基性陰イオン交換樹脂か
らなる前処理カラムを用いる血清中の1,5−AGの測
定) イオン交換樹脂AG50W−X8のH形、AG1−X8の
OH形(いづれも400メッシュ品で、バイオラッド社
製)をそれぞれ0.1ml 、0.4ml づつ小カラムに下部より
順次層状に充填して試料前処理カラムを作成した。ヒト
血清0.2ml に60%過塩素酸水溶液15μl を加えてただち
に振とうの後、遠心分離して除タンパクを行なった。得
られた上清液0.1ml を上記の試料前処理カラムへ導通
し、蒸留水1.5ml で洗浄して通過液1.6ml を得た。次
に、この通過液を濃縮乾固し、以下参考例3と全く同様
にして定量した。この方法によっても参考例3と同様の
結果が得られた。 【0033】参考例7.ニトロセルロース膜(孔径1μ
m)に常法により実験例1のピラノースオキシダーゼを固
定化した。即ち、ピラノースオキシダーゼ(グルコース
に対する比活性5unit/mg 、宝酒造製)、5mg及び牛血
清アルブミン5mgを1/15Mリン酸緩衝液(pH=7.2)0.5m
l に溶解し、1%グルタルアルデヒド溶液0.1ml を加
え、ニトロセルロース膜(孔径1μm 、直径2cm、5
枚)上にこの溶液を注ぎ一昼夜風乾し、これを1/15Mリ
ン酸緩衝液(pH=6.0)10mlで洗浄して、ピラノースオキ
シダーゼを固定化したニトロセルロース膜を得た。この
ピラノースオキシダーゼ膜を過酸化水素電極(石川製作
所製)の表面に装着し、これに1,5−AG標準液
(1,5−AG濃度:1,4,16,32 μg/ml)0.1mlを次の条
件で通過させ、発生する過酸化水素の量を、得られるピ
ークの面積として測定し、検量線を作成した。 【0034】 移 動 相:1/15Mリン酸緩衝液(pH=5.6) 移動相流量:0.5ml/min 温 度:25±1℃ 次に参考例3で得られた試料前処理カラム通過液3ml濃
縮乾固物を1/15Mリン酸緩衝液(pH=5.6)0.25mlに溶解
したものを、前記のピラノースオキシダーゼ膜を装着し
た電極に、前記1,5−AG標準液の場合と同様にして
通過させ、得られるピークの面積を測定し、前記検量線
から1,5−AGを定量した。このようにして測定した
正常人及び糖尿病患者の血清1,5−AG値と同一サン
プルをガスクロ法で測定した場合の血清1,5−AG値
の相関を調べたところ、参考例3の場合と同様に両者は
相関性を示した。 【0035】 【発明の効果】本発明によれば、従来ガスクロマトグラ
フィーで行われている様な、繁雑なラベル化の必要がな
く、高度の分析機器の維持・管理が不要となり、かつ多
件数の試料中の1,5−AGの定量が可能となった。
【図面の簡単な説明】 【図1】ピラノースオキシダーゼを使用した1,5−A
Gの検量線 【図2】L−ソルボースオキシダーゼを使用した1,5
−AGの検量線 【図3】血清中の1,5−AG値を測定した場合の酵素
法と、ガスクロ法の相示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 DIABETOLOGIA,VOL. 11(1975)P.575−580 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12Q 1/26 C12Q 1/48 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.糖類除去剤、過酸化水素検出用試薬及び1,5−ア
    ンヒドログルシトールに作用して定量的に過酸化水素を
    発生させかつ糖類にも作用する1,5−アンヒドログル
    シトール定量用酵素とからなる1,5−アンヒドログル
    シトール定量用試薬キット。 2.糖類除去剤がホウ酸、ホウ酸結合樹脂、強塩基性陰
    イオン交換樹脂、塩酸、水素化ホウ素ナトリウム、グル
    コースオキシダーゼ、ヘキソキナーゼ、陰イオン交換樹
    脂又は陽イオン交換樹脂である請求項1のキット。 3.1,5−アンヒドログルシトール定量用酵素がピラ
    ノースオキシダーゼ又はL−ソルボースオキシダーゼで
    ある請求項1のキット。
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