JP2809136B2 - 自然言語対話装置 - Google Patents

自然言語対話装置

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JP2809136B2
JP2809136B2 JP7159052A JP15905295A JP2809136B2 JP 2809136 B2 JP2809136 B2 JP 2809136B2 JP 7159052 A JP7159052 A JP 7159052A JP 15905295 A JP15905295 A JP 15905295A JP 2809136 B2 JP2809136 B2 JP 2809136B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、計算機を用いた情報処
理システムにおける自然言語対話装置に関し、特に一連
の断片的な文の入力から、ユーザの意図を特定すること
のできる断片文の処理が行える自然言語対話装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、不完全な自然言語文が情報処理シ
ステムに入力された場合の処理は、文の一部の追加や置
換を行う(特開平05−324713)、解析可能な部
分のみを継ぎ合わせる(特開平01−213750)、
文の入力中にも解析不能部分を指摘する(特開平02−
058155)などの入力された一文に対して適用され
る処理方式(以下、第1の方式)と、解析不可能な部分
を前後の文で解析に成功した部分を用いて補う方法、各
文が意味的に一文として成立する複数の文について、省
略や照応を解決する方法など複数の文にわたる文脈処理
の方式(以下、第2の方式)と、ユーザに提示する問い
合わせ文をすべてあらかじめ用意しておいて、不足する
情報をユーザに問い合わせる方式(以下、第3の方式)
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】第1の方式では、不完
全な文において不足する情報をシステムが補う方法であ
り、情報を補うために対象領域に依存する膨大な知識が
必要になり、汎用性、移植性が損なわれるという問題が
ある。知識を汎用的なものにとどめると、システム自身
が持つ知識のみを利用したのでは、補足された情報の妥
当性に問題が生じる。
【0004】また、第2の方式では、意味的には一文で
あるべき文が、形式的に複数の文となっている未完成文
を解釈することはできない。そのため、思考過程に沿っ
て、断片的に発想する事柄を別々の文として入力するこ
とをユーザに許さないという問題がある。特に音声入力
を行うようなシステムにおいては、ユーザが考えながら
発声することでポーズが生じ、ポーズを入力文の区切り
とみなされ、入力が断片文となることが多くなり、問題
は深刻である。
【0005】また、第3の方式では、問い合わせる可能
性のある情報が多数ある場合には、多数の問い合わせ文
を用意しておく必要があるが、それらをすべて列挙する
のは容易な作業ではないという問題がある。
【0006】本発明の目的は、上述の点に鑑み、特に、
断片的な未完成文の入力を許す、断片文処理手段を備え
た自然言語対話装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明、第1の発明は、
入力文を単語列に分解し各単語の品詞の推定を行い、品
詞の情報を伴った単語列を出力する形態素解析手段と、
前記品詞の情報を伴った単語列を入力とし、前記各単語
の格を推定して動詞を中心とした構文表現を生成する構
文解析手段と、前記構文表現を入力し、システムで実行
される機能を推定した機能表現を生成する意味解析手段
と、前記機能表現に対応した機能を実行する機能実行手
段とを有する自然言語対話装置において、単語列を一時
的に蓄積する単語列格納手段と、単語列を入力とし、前
記単語列格納手段で蓄積された単語列との統合を行い、
統合した単語列を一文として前記構文解析手段に出力す
る単語列統合手段と、前記形態素解析手段が出力する単
語列を入力とし、前記単語列中に動詞が有るかないかを
判断する動詞検出手段とを有する断片文処理手段とを備
え、前記動詞検出手段は、前記形態素解析手段から出力
された単語列中に動詞が無いと判断した場合に、前記単
語列格納手段に前記単語列を出力し、また、前記動詞検
出手段は、前記形態素解析手段から出力された単語列中
に動詞が有ると判断し、前記単語列格納手段に単語列が
蓄積されている場合に、前記形態素解析手段から出力さ
れた単語列を前記単語列統合手段に出力し、さらに、前
記動詞検出手段は、前記形態素解析手段から出力された
単語列中に動詞があると判断し、前記単語列格納手段に
単語列が蓄積されていない場合には、前記形態素解析手
段から出力された単語列を前記構文解析手段に出力し、
前記単語列統合手段は、前記統合した単語列の出力を行
った後に、前記単語列格納手段で蓄積された単語列を消
去することを特徴とする。
【0008】また、第2の発明は、第1の発明におい
て、前記単語列格納手段に単語列が蓄積された場合に、
前記単語列に含まれる単語の表記を結合した文字列を作
成する単語表記抽出手段と、前記文字列を利用者に知ら
せる復唱手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0009】さらに、第3の発明は、入力文を単語列に
分解し各単語の品詞の推定を行い、品詞の情報を伴った
単語列を出力する形態素解析手段と、単語列を一時的に
蓄積する単語列格納手段と、単語列を入力とし、前記単
語列格納手段で蓄積された単語列との統合を行い、統合
した単語列を一文として出力する単語列統合手段と、前
記形態素解析手段が出力する単語列を入力とし、前記単
語列中に動詞が有るか無いかを判断する動詞検出手段
と、前記動詞検出手段と前記単語列格納手段と前記単語
列統合手段とから構成される断片文処理手段と、前記動
詞検出手段が、前記形態素解析手段から出力された単語
列中に動詞が無いと判断した場合に、前記単語列格納手
段に前記単語列を出力し、前記動詞検出手段が、前記形
態素解析手段から出力された単語列中に動詞が有ると判
断し、前記単語列格納手段に単語列が蓄積されている場
合に、前記形態素解析手段から出力された単語列を前記
単語列統合手段に出力し、前記動詞検出手段が、前記形
態素解析手段から出力された単語列中に動詞があると判
断し、前記単語列格納手段に単語列が蓄積されていない
場合には、前記形態素解析手段から出力された単語列の
出力を行い、前記単語列統合手段は、前記統合した単語
列の出力を行った後に、前記単語列格納手段で蓄積され
た単語列を消去し、前記断片文処理手段が出力する単語
列を入力とし、前記各単語の格を推定して動詞を中心と
した構文表現を生成する構文解析手段と、構文表現を入
力し、システムで実行される機能を推定した機能表現を
生成する意味解析手段と、前記機能表現に対応した機能
を実行する機能実行手段とを備え、前記意味解析手段
は、前記機能実行手段で実行可能な機能を表現した機能
フレームを格納した機能フレーム格納手段と、前記構文
表現に基づいて前記機能フレームを選出し、前記構文表
現から前記機能フレームがもつスロットに適切な値を代
入して前記構文表現を解釈しようとする意味解釈手段
と、前記選出された機能フレームを保持する機能フレー
ム保持手段とから構成され、前記機能フレーム保持手段
で保持された前記機能フレームのスロットに適切な値が
代入されているかを判断し、代入されている場合には、
前記入力を前記機能実行手段に出力し、代入されていな
い場合には、前記機能フレームの記述から、どの部分が
解釈不可能かを判断し、ユーザに問い合わせるための問
い合わせ文を作成する問い合わせ手段を更に備えること
を特徴とする。
【0010】さらに、第4の発明は、第3の発明の問い
合わせ手段において、前記意味解析手段で保持されてい
る機能フレームを参照して、スロット値が代入されてい
ないスロットの有無を検査して問い合わせを行うか否か
を判定する問い合わせ判定手段と、問い合わせを行う対
象のスロットに代入する値を求めるために参照する格を
保持する問い合わせ格格納手段と、問い合わせ判定手段
により問い合わせが必要であると判定された時にスロッ
ト値が代入されていないどのスロットについて問い合わ
せを行うかを決定し、前記決定のスロットに対応する格
を問い合わせ格として前記問い合わせ格格納手段に格納
する問い合わせ格決定手段と、前記スロットの属性に対
応づけられる自然言語表現を格納した問い合わせ表現格
納手段と、前記問い合わせ表現格納手段を参照して自然
言語の問い合わせ文を生成する問い合わせ文生成手段
と、前記問い合わせ文をユーザに提示する問い合わせ文
提示手段とから構成されることを特徴とする。
【0011】さらに、第5の発明は、第3または第4
発明において、前記問い合わせ手段の前記問い合わせ判
定手段で、ユーザに問い合わせる必要が無いと判断した
場合には通常モードを設定し、前記判断以外には応答モ
ードを設定するモード設定手段と、前記形態素解析手段
の処理後にモード識別を行い、前記通常モードに設定さ
れている場合には、前記形態素解析の出力を前記断片文
処理手段に入力し、前記応答モードに設定されている場
合には、前記形態素解析手段の出力を前記構文解析手段
に入力するモード識別手段とを有することを特徴とす
る。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の自然言語対話
装置の実施例について説明する。
【0013】図1は第1の発明の自然言語対話装置の構
成の一実施例を示すブロック図である。図2は第1の発
明の自然言語対話装置に含まれる断片文処理手段の処理
のフローの一実施例を示すフロー図である。
【0014】係る実施例における自然言語対話装置は文
入力手段001と、形態素解析手段002と、断片文処
理手段100と、構文解析手段003と、意味解析手段
004と、機能実行手段005と、を含んで構成され、
断片文処理手段100は、動詞検出手段101と、単語
列格納手段102と、単語列統合手段103と、を含ん
で構成される。
【0015】形態素解析手段002は、文入力手段00
1を通じてユーザが入力した文を入力とし、その文を単
語列に分解し、各単語の品詞の推定を行って、品詞情報
を伴った単語列を出力する。構文解析手段003は、品
詞情報を伴った単語列を入力とし、各単語の格を推定
し、動詞を中心とした構文表現を出力する。意味解析手
段004は、構文解析手段003の出力を入力とし、実
行されるべき機能を推定し、その機能を表す機能表現を
出力する。機能実行手段005は、意味解析手段004
の出力を入力とし、機能表現に対応する機能を実行す
る。これらの、形態素解析手段、構文解析手段、意味解
析手段は、従来の、形態素解析、構文解析、意味解析な
どの手法を用いることで実現できる。
【0016】断片文処理手段100は、形態素解析手段
002が出力する品詞情報を伴った単語列を入力とし
て、動詞検出手段101により該単語列に動詞が含まれ
ているかを判定し(ステップS101)単語列が動詞を
含まない場合は、該単語列を単語列格納手段102に蓄
積して次の文の入力を待ち(ステップS110)、単語
列が動詞を含む場合は、単語列を単語列統合手段103
に出力する。
【0017】単語列統合手段103は、動詞検出手段1
01から単語列を受け取り、単語列格納手段102に単
語列が格納されているかどうか判定し(ステップS12
0)、単語列格納手段102に単語列が格納されていれ
ば、格納されていた単語列に動詞検出手段101から受
け取った単語列を追加して出力し(ステップS12
1)、単語列格納手段102の内容を消去する(ステッ
プS122)。
【0018】単語列格納手段102に単語列が格納され
ていなければ、動詞検出手段101から受け取った単語
列をそのまま出力する。
【0019】構文解析手段003は、断片文処理手段1
00の出力を入力として構文解析を行う。
【0020】ここで、例を挙げて説明する。例えば、
「ファイルWORK1をフロッピィに」のような動詞を
含まない断片文が文入力手段001に入力された場合に
は、形態素解析手段002は次のような品詞推定された
単語列を出力する。「名詞(ファイル),未知語(WO
RK1),助詞(を),名詞(フロッピィ),助詞
(に)」断片文処理手段100はこの単語列を入力と
し、まず動詞抽出手段101によって単語列中の動詞の
有無を判断する。この例での単語列は動詞を含まないの
でこの単語列を単語列格納手段102に格納する。
【0021】続いて「バイナリでコピーする」のように
動詞を含む文が入力されれば、断片文処理手段100へ
の入力は「名詞(バイナリ),助詞(で),動詞(コピ
ーする)」という単語列になる。動詞検出手段101に
よって、単語列中の「動詞(コピーする)」の存在が検
出され、この単語列は単語列統合手段103に渡され
る。
【0022】単語列統合手段103は動詞検出手段10
1から単語列を受け取ると、単語列格納手段102に格
納された単語列の有無を調べ、格納された単語列「名詞
(ファイル),未知語(WORK1),助詞(を),名
詞(フロッピィ),助詞(に)」を読み出し、この単語
列に動詞検出手段101から受け取った単語列「名詞
(バイナリ),助詞(で),動詞(コピーする)」を追
加して「ファイルWORK1をフロッピィにバイナリで
コピーする」という文が入力された場合と同様な単語列
「名詞(ファイル),未知語(WORK1),助詞
(を),名詞(フロッピィ),助詞(に),名詞(バイ
ナリ),助詞(で),動詞(コピーする)」を出力し、
単語列格納手段102に格納された単語列を消去する。
【0023】構文解析手段003は、断片文処理手段1
00が出力した単語列を入力とすることで、元は複数の
断片文である単語列を一文の単語列と同様に処理するこ
とが可能になる。
【0024】図3は第2の発明の自然言語対話装置に含
まれる断片文処理手段100の構成の一実施例を示すブ
ロック図である。
【0025】断片文処理手段100は第1の発明の自然
言語対話装置における断片文処理手段100の構成を含
み、単語列格納手段102に格納された単語列を参照
し、表記のみを抽出して結合した文字列を出力する単語
表記抽出手段111と、単語表記抽出手段111が出力
する文字列をユーザに提示する復唱手段112とを含ん
で構成され、単語列格納手段102に単語列が格納され
た際に、格納された単語列の各単語の表記を結合した文
字列をユーザに提示して、入力文が受理されたことの通
知および格納内容の確認を可能にする。
【0026】例えば、「名詞(ファイル),未知語(W
ORK1),助詞(を),名詞(フロッピィ),助詞
(に)」という単語列が単語列格納手段102に格納さ
れた場合、単語表記抽出手段111は「ファイルWOR
K1をフロッピィに」という文字列を出力し、復唱手段
112はこの文字列を画面上に表示したり音声で読み上
げるなどしてユーザに提示する。
【0027】図4は他の自然言語対話装置の構成の
示すブロック図である。図5は、この他の自然言語対話
装置に含まれる問い合わせ手段における処理のフローの
一実施例を示すフロー図である。図6は図4の意味解析
手段004の構成の一例を示すブロック図である。
【0028】係る他の自然言語対話装置は、文入力手段
001と、形態素解析手段002と、構文解析手段00
3と、問い合わせ手段200と、意味解析手段004
と、機能実行手段005と、を含んで構成される。
【0029】意味解析手段004は、機能実行手段00
5で実行可能な個々の機能を表現する機能フレームを格
納した機能フレーム格納手段402と、構文表現に基づ
いて機能フレーム格納手段402から選び出された機能
フレームを保持する機能フレーム保持手段403と、選
び出された機能フレームに基づいて構文表現を解釈する
意味解釈手段401とを含み、構文解析手段003の出
力と同じ様式である、入力文中の各単語について品詞と
格の情報をもち動詞を中心としてその必須格と単語の対
応を表す構文表現を入力とし意味解釈を行い、意味解釈
に応じて実行するべき機能を表現する機能フレームを機
能フレーム格納手段402から選択し、機能フレームが
もつスロットに適切な値を代入して出力する。
【0030】機能フレームはその表現する機能を実行す
るために必要なパラメータをスロットとして持ち、各ス
ロットはパラメータ値とそのパラメータ値を求める為に
参照すべき構文表現上の格要素のとる格をもつ。
【0031】問い合わせ手段200は、構文解析手段0
03の出力が入力されたときに、問い合わせ格決定手段
202により決定された問い合わせ格が問い合わせ格格
納手段211に格納されているか否かを検査し(ステッ
プS211)格納されていない場合には構文解析手段0
03の出力をそのまま意味解析手段へ出力し、問い合わ
せ格が問い合わせ格格納手段211に格納されている場
合には問い合わせ格と構文解析手段003の出力に含ま
れる格情報とを照合し(ステップS212)符合する格
があれば格要素を格要素代入手段に出力し問い合わせ格
格納手段211の内容をクリアする問い合わせ格照合手
段205と、意味解析手段004が保持する機能フレー
ムを参照しスロット値が代入されていないスロットの有
無を検査して問い合わせを行うか否かを判定する(ステ
ップS201)問い合わせ判定手段201と、問い合わ
せを行う対象のスロットに代入する値を求める為に参照
する格を記憶しておく問い合わせ格格納手段211と、
問い合わせ判定手段201により問い合わせが必要であ
ると判定されたときにスロット値が代入されていないど
のスロットについて問い合わせを行うかを決定し、決定
したスロットに対応する格を問い合わせ格として問い合
わせ格格納手段211に格納する(ステップS202)
問い合わせ格決定手段202と、問い合わせ格決定手段
202により決定された問い合わせ格に基づいて問い合
わせ格と格要素に期待される属性と問い合わせに用いる
自然言語の疑問詞等の組合せを格納した問い合わせ表現
格納手段212と、問い合わせ表現格納手段212を参
照して自然言語の問い合わせ文を生成し出力する(ステ
ップS203)問い合わせ文生成手段203と、問い合
わせ文生成手段203が出力する問い合わせ文をユーザ
に提示する(ステップS204)問い合わせ文提示手段
204と、問い合わせ格照合手段が出力する格要素を意
味解析手段004が保持する機能フレームの該当するス
ロットに代入する(ステップS213)格要素代入手段
206とから構成される。
【0032】例えば、「ファイルWORK1をコピーす
る」のような文が入力され、形態素解析手段002、構
文解析手段003により、「名詞(ファイル),未登録
語(WORK1),助詞(を,obj),動詞(コピ
ー)」という単語列とその品詞および格情報を含む構文
表現が得られ、問い合わせ格照合手段205に入力され
たとする。
【0033】この時点では問い合わせ格格納手段211
には何も格納されていないのでこの構文表現はそのまま
意味解析手段004に渡される。意味解析手段004で
は、 例えば、 frame{function(コピー), parameter1(obj,file,VALUE1), parameter2(dst,path,VALUE2)} のような動詞「コピー」と関連付けられた機能フレーム
の各スロットの値を決定しようとする。
【0034】「parameter(obj,fil
e,VALUE1)」は、parameter1はスロ
ットであり構文表現上の格がobjである格要素を参照
して、fileという属性条件を満たす場合に、スロッ
ト値としてVALUE1に代入することを表すものとす
る。
【0035】parameter1のスロットについて
は前記の構文表現上の格がobjである「助詞(を,o
bj)」に先行する格要素「名詞(ファイル),未登録
語(WORK1)」を参照し、file属性条件によ
り、ファイル名として適切な文字列であるWORK1を
スロット値としてVALUE1に代入するが、para
meter2のスロットについては構文表現上で格がd
stである格要素を参照しようとしても構文表現上でd
stは存在しないので、parameter2のスロッ
トは値が代入されず、意味解析手段004はこの機能フ
レームを機能フレーム保持手段403に保持する。
【0036】問い合わせ判定手段201は意味解析手段
004が保持する機能フレームを参照し、値が代入され
ていないスロットが存在するので、問い合わせが必要で
あると判定し、値が代入されていないスロットのリスト
を問い合わせ格決定手段202に出力する。
【0037】問い合わせ格決定手段202は、値が代入
されていないスロットのリストからparameter
2を発見し、このスロットが参照する格dstを問い合
わせ格と決定し、問い合わせ格格納手段205に「ds
t」を格納する。
【0038】問い合わせ表現格納手段211には、属性
条件および格に関する表記情報が格納されており、例え
ば図10に示すように属性条件「path」に対応する
疑問表記として「どの」、対象表記として「パス」が格
納されており、格「dst」について「へ」が格納され
ているとする。
【0039】問い合わせ文生成手段203は問い合わせ
表現格納手段211を参照して、属性条件「path」
および問い合わせ格格納手段211に格納された格「d
st」について「どの」「パス」「へ」という表現を取
得し、形態素解析手段002に含まれ機能フレームの機
能名記述function(コピー)から「コピー」を
取得し、さらに文字列「しますか?」を付加して、「ど
のパスへコピーしますか?」という問い合わせ文を生成
し、問い合わせ文提示手段204へ出力する。
【0040】問い合わせ文提示手段204は、問い合わ
せ文生成手段203が生成した問い合わせ文をユーザに
提示する。
【0041】問い合わせ文の提示後に「Dドライブへコ
ピーする」という文が入力されたとすると、形態素解
析、構文解析の後、「名詞(Dドライブ),助詞(へ,
dst),動詞(コピー)」という構文表現が得られ、
問い合わせ格照合手段205に入力される。
【0042】問い合わせ格照合手段205は、入力され
た構文表現中に、問い合わせ格格納手段211に記憶さ
れたdstと符合する格情報をもつ「助詞(へ,ds
t)」を発見し、構文表現中で「助詞(へ,dst)」
に先行する格要素「名詞(Dドライブ)」を抽出し、格
要素代入手段206に格情報と格要素を出力する。
【0043】格要素代入手段206は、この格情報と格
要素とを参照し、意味解析部で保持している機能フレー
ムでdstと関連付けられているスロットparame
ter2のスロット値の候補として「Dドライブ」を意
味解析手段004へ出力する。
【0044】意味解析手段004では、意味解釈手段4
01が「Dドライブ」を解釈し「D:」に変換して、ス
ロットparameter2のスロット値として、VA
LUEに「D:」を代入し、frame{functi
on(コピー),parameter1(obj,WO
RK1),parameter2(dst,D:)}と
いう機能フレームを、機能実行手段005へ出力する。
【0045】機能実行手段005は、この機能フレーム
に基づいて、ファイルのコピーを遂行する。
【0046】図7は第3および第4の発明の構成−実施
例を示すブロック図である。
【0047】係る実施例の自然言語対話装置は、前述し
た第1の発明の実施例、及び、先に説明した他の自然言
語対話装置の例の構成を含んで構成され、動詞が含まれ
る文が入力されるまでは断片文処理手段100で単語列
が格納され、動詞が含まれる文が入力され、なおかつ情
報が不足する場合には問い合わせ手段200により問い
合わせ文をユーザに提示し、不足する情報を補う文の入
力を促す。
【0048】図8は第5の発明の構成の一実施例を示す
ブロック図である。図9は第5の発明の処理のフローの
一実施例を示すフロー図である。
【0049】係る実施例の自然言語対話装置は、先に説
明した他の自然言語対話装置の例の構成を含み、問い合
わせ手段200に含まれる問い合わせ判定手段201で
問い合わせの必要がないと判定した場合には通常モード
を設定し、問い合わせの必要があり、問い合わせ文を生
成提示した場合には応答モードを設定するモード設定手
段300と形態素解析手段002の処理後に動作モード
を識別し、通常モードに設定されている場合には、形態
素解析手段002の出力を断片文処理手段100に入力
し、応答モードに設定されている場合には、形態素解析
手段002の出力を構文解析手段003に入力するモー
ド識別手段301を含んで構成される。
【0050】初期状態として通常モードを設定し(ステ
ップS300)、ユーザから文が入力されると(ステッ
プS001)、文を形態素解析し(ステップS00
2)、設定されているモードを識別して(ステップS3
01)通常モードであるときは形態素解析結果の単語列
が動詞を含むか否かを検査し(ステップS101)、含
まない場合はその単語列を単語列格納手段102に格納
して(ステップS110)次の文入力を受け付ける。形
態素解析結果の単語列が動詞を含む場合は、単語列格納
手段102に格納された単語列があればその単語列と形
態素解析結果の単語列を統合し(ステップS121)構
文解析を行う(ステップS003)。
【0051】設定されているモードが応答モードである
場合は、形態素解析結果の単語列が動詞を含むか否かに
かかわらず、単語列を構文解析の入力とする。
【0052】構文解析後に問い合わせ格格納手段211
に問い合わせ格が格納されているか否かを検査し(ステ
ップS221)格納されていれば、その問い合わせ格に
対応する格要素を構文解析結果の構文表現から抽出し
(ステップS213)意味解析を行う(ステップS00
4)。問い合わせ格格納手段211に問い合わせ格が格
納されていなければ、構文解析結果の構文表現をそのま
ま意味解析の入力とする。意味解析によって決定される
実行すべき機能を遂行するために不足する情報があるか
否かに基づいて、ユーザに対して問い合わせを行うか否
かを決定する(ステップS201)。
【0053】問い合わせを行わない場合は通常モードを
設定し(ステップS302)意味解析で決定した機能を
実行し(ステップS005)次の入力文を受け付ける。
【0054】問い合わせを行う場合は、問い合わせる情
報に対応する格を問い合わせ格として問い合わせ格格納
手段211に格納し(ステップS202)問い合わせ文
を生成して(ステップS203)ユーザに提示し(ステ
ップS204)応答モードを設定し(ステップS30
3)次の入力文を受け付ける。
【0055】例えば、初期状態の通常モードであるとき
に、「ファイルWORK1を」という文が入力される
と、「名詞(ファイル),未登録語(WORK1),助
詞(を,obj)」という単語列が断片文処理手段10
0に蓄積され、続いて「コピーする」という文を入力す
ると、蓄積された単語列に結合して「名詞(ファイ
ル),未登録語(WORK1),助詞(を,obj),
動詞(コピー)」という単語列が構文解析手段003に
入力され、意味解析を経て、問い合わせ手段で「コピ
ー」に対応する機能について不足する情報を要求する
「どのパスへコピーしますか?」という問い合わせ文を
ユーザに提示し、応答モードを設定する。
【0056】問い合わせ文の提示に応えて「Dドライブ
へ」という文を入力すると、形態素解析手段002の出
力は断片文処理手段100を介さずに構文解析手段00
3に入力されることになる。
【0057】以降は前述した他の自然言語対話装置の
における応答文と同様に今度は問い合わせ手段では問い
合わせ文を生成せず、機能フレームを機能実行手段00
5へ出力し、通常モードが設定される。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、未完成文の断片的な入
力を許すことができるようになり、ユーザは事前に考え
をまとめて完成した文を作成する必要があるという制約
や、音声入力においても一息に一文を喋らなければなら
ないという制約がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の自然言語対話装置の構成の一実施
例を示すブロック図である。
【図2】第1の発明の自然言語対話装置に含まれる断片
文処理手段における処理の流れの一例を示すフロー図で
ある。
【図3】第2の発明の自然言語対話装置に含まれる断片
文処理手段の構成の一実施例を示すブロック図である。
【図4】他の自然言語対話装置の構成の例を示すブロッ
ク図である。
【図5】他の自然言語対話装置に含まれる問い合わせ手
段における処理の流れの一例を示すフロー図である。
【図6】図4の構成の意味解析手段の構成のを示すブ
ロック図である。
【図7】第3および第4の発明の構成の一実施例を示す
ブロック図である。
【図8】第5の発明の構成の一実施例を示すブロック図
である。
【図9】第5の発明の処理の流れの一例を示すフロー図
である。
【図10】問い合わせ表現格納手段に格納されている属
性条件および格に関する表記情報の例を示す図である。
【符号の説明】
001 文入力手段 002 形態素解析手段 003 構文解析手段 004 意味解析手段 005 機能実行手段 100 断片文処理手段 101 動詞検出手段 102 単語列格納手段 103 単語列統合手段 111 単語表記抽出手段 112 復唱手段 200 問い合わせ手段 201 問い合わせ判定手段 202 問い合わせ格決定手段 203 問い合わせ文生成手段 204 問い合わせ文提示手段 211 問い合わせ格格納手段 212 問い合わせ表現格納手段 205 問い合わせ格照合手段 206 格要素代入手段 300 モード設定手段 301 モード識別手段 401 意味解釈手段 402 機能フレーム格納手段 403 機能フレーム保持手段

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力文を単語列に分解し各単語の品詞の推
    定を行い、品詞の情報を伴った単語列を出力する形態素
    解析手段と、前記品詞の情報を伴った単語列を入力と
    し、前記各単語の格を推定して動詞を中心とした構文表
    現を生成する構文解析手段と、前記構文表現を入力し、
    システムで実行される機能を推定した機能表現を生成す
    る意味解析手段と、前記機能表現に対応した機能を実行
    する機能実行手段とを有する自然言語対話装置におい
    て、 単語列を一時的に蓄積する単語列格納手段と、単語列を
    入力とし、前記単語列格納手段で蓄積された単語列との
    統合を行い、統合した単語列を一文として前記構文解析
    手段に出力する単語列統合手段と、前記形態素解析手段
    が出力する単語列を入力とし、前記単語列中に動詞が有
    るかいかを判断する動詞検出手段とを有する断片文処
    理手段とを備え、 前記動詞検出手段は、前記形態素解
    析手段から出力された単語列中に動詞が無いと判断した
    場合に、前記単語列格納手段に前記単語列を出力し、ま
    た、前記動詞検出手段は、前記形態素解析手段から出力
    された単語列中に動詞が有ると判断し、前記単語列格納
    手段に単語列が蓄積されている場合に、前記形態素解析
    手段から出力された単語列を前記単語列統合手段に出力
    し、さらに、前記動詞検出手段は、前記形態素解析手段
    から出力された単語列中に動詞がると判断し、前記単
    語列格納手段に単語列が蓄積されていない場合には、前
    記形態素解析手段から出力された単語列を前記構文解析
    手段に出力し、 前記単語列統合手段は、前記統合した単語列の出力を行
    った後に、前記単語列格納手段で蓄積された単語列を消
    去することを特徴とする自然言語対話装置。
  2. 【請求項2】前記単語列格納手段に単語列が蓄積された
    場合に、前記単語列に含まれる単語の表記を結合した文
    字列を作成する単語表記抽出手段と、前記文字列を利用
    者に知らせる復唱手段とをさらに備えることを特徴とす
    る請求項1に記載の自然言語対話装置。
  3. 【請求項3】入力文を単語列に分解し各単語の品詞の推
    定を行い、品詞の情報を伴った単語列を出力する形態素
    解析手段と、 単語列を一時的に蓄積する単語列格納手段と、単語列を
    入力とし、前記単語列格納手段で蓄積された単語列との
    統合を行い、統合した単語列を一文として出力する単語
    列統合手段と、前記形態素解析手段が出力する単語列を
    入力とし、前記単語列中に動詞が有るか無いかを判断す
    る動詞検出手段と、前記動詞検出手段と前記単語列格納
    手段と前記単語列統合手段とから構成される断片文処理
    手段と、 前記動詞検出手段が、前記形態素解析手段から出力され
    た単語列中に動詞が無いと判断した場合に、前記単語列
    格納手段に前記単語列を出力し、前記動詞検出手段が、
    前記形態素解析手段から出力された単語列中に動詞が有
    ると判断し、前記単語列格納手段に単語列が蓄積されて
    いる場合に、前記形態素解析手段から出力された単語列
    を前記単語列統合手段に出力し、前記動詞検出手段が、
    前記形態素解析手段から出力された単語列中に動詞があ
    ると判断し、前記単語列格納手段に単語列が蓄積されて
    いない場合には、前記形態素解析手段から出力された単
    語列の出力を行い、前記単語列統合手段は、前記統合し
    た単語列の出力を行った後に、前記単語列格納手段で蓄
    積された単語列を消去し、 前記断片文処理手段が出力する単語列を入力とし、前記
    各単語の格を推定して動詞を中心とした構文表現を生成
    する構文解析手段と、 構文表現を入力し、システムで実行される機能を推定し
    た機能表現を生成する意味解析手段と、 前記機能表現に対応した機能を実行する機能実行手段と
    を備え、 前記意味解析手段は、前記機能実行手段で実行可能な機
    能を表現した機能フレームを格納した機能フレーム格納
    手段と、前記構文表現に基づいて前記機能フレームを選
    出し、前記構文表現から前記機能フレームがもつスロッ
    トに適切な値を代入して前記構文表現を解釈しようとす
    る意味解釈手段と、前記選出された機能フレームを保持
    する機能フレーム保持手段とから構成され、 前記機能フレーム保持手段で保持された前記機能フレー
    ムのスロットに適切な値が代入されているかを判断し、
    代入されている場合には、前記入力を前記機能実行手段
    に出力し、代入されていない場合には、前記機能フレー
    ムの記述から、どの部分が解釈不可能かを判断し、ユー
    ザに問い合わせるための問い合わせ文を作成する問い合
    わせ手段とを更に備えることを特徴とする自然言語対話
    装置。
  4. 【請求項4】前記請求項の前記問い合わせ手段は、 前記意味解析手段で保持されている機能フレームを参照
    して、スロット値が代入されていないスロットの有無を
    検査して問い合わせを行うか否かを判定する問い合わせ
    判定手段と、問い合わせを行う対象のスロットに代入す
    る値を求めるために参照する格を保持する問い合わせ格
    格納手段と、問い合わせ判定手段により問い合わせが必
    要であると判定された時にスロット値が代入されていな
    いどのスロットについて問い合わせを行うかを決定し、
    前記決定のスロットに対応する格を問い合わせ格として
    前記問い合わせ格格納手段に格納する問い合わせ格決定
    手段と、前記スロットの属性に対応づけられる自然言語
    表現を格納した問い合わせ表現格納手段と、前記問い合
    わせ表現格納手段を参照して自然言語の問い合わせ文を
    生成する問い合わせ文生成手段と、前記問い合わせ文を
    ユーザに提示する問い合わせ文提示手段とから構成され
    ることを特徴とする請求項に記載の自然言語対話装
    置。
  5. 【請求項5】前記問い合わせ手段の前記問い合わせ判定
    手段で、ユーザに問い合わせる必要が無いと判断した場
    合には通常モードを設定し、前記判断以外には応答モー
    ドを設定するモード設定手段と、 前記形態素解析手段の処理後にモード識別を行い、前記
    通常モードに設定されている場合には、前記形態素解析
    の出力を前記断片文処理手段に入力し、前記応答モード
    に設定されている場合には、前記形態素解析手段の出力
    を前記構文解析手段に入力するモード識別手段とを有す
    ることを特徴とする請求項3または4に記載の自然言語
    対話装置。
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