JP3721397B2 - 話し言葉の書き言葉への変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力された話し言葉を書き言葉に変換し、変換後の書き言葉により表された文章等の保存、表示、プリント等の出力機能を備えた話し言葉の書き言葉への変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
話し言葉と書き言葉には違いがあり、例えば、書き言葉の「データ」、「え」と「=」が、話し言葉でそれぞれ「データー」、「えー」と「は」となったり、また話し言葉では「という」をいれて柔らかく言う場合等がある。話し言葉と書き言葉の差分を抽出し、前記のような話し言葉と書き言葉の違いを調べ、その差分結果により作成した書き言葉から話し言葉への変形規則を用い、書き言葉から話し言葉へ自動で言い換える方法に関しては、既に論文等で発表された周知の技術である。また、前記変形規則を用い、話し言葉から書き言葉へ自動で言い換えることも同様な方法により可能である。
【0003】
前記話し言葉から書き言葉への変換は、様々な人の話し言葉を誰でも容易に理解できる書き言葉として残したり、話し言葉で入力したものを書き言葉の原稿として容易に得たり、テレビ、映画等において話す言葉を逐次画面の端等に表示する等に利用される。
【0004】
また、話し言葉の入力手段としては、パソコン等に搭載された音声認識機能等があり、マイクを通して入力された話し言葉の音声から、単語、文章等の話し言葉データに変換する方法等、他にも多種多数の従来技術がある。前記変換後の単語、文章等の話し言葉データは、パソコン等のメモリに一時記憶あるいはハードディスク等の記録媒体に保存され、必要に応じた処理が行われる、尚、話し言葉は、マイクを通してのみではなく、磁気テープ等の記録媒体に記録された音声を再成する装置からの出力をパソコン等に入力し、前記同様に話し言葉データとして得られる場合もある。
【0005】
また、パソコン等のキーボードにより、音声を聞きながらあるいは映画の台本、原稿等に話し言葉で記述された文章等をパソコン等に入力する方法もある。前記入力された文章等の話し言葉データは、パソコン等のハードディスク等の記録媒体に保存され、必要に応じて処理される。
【0006】
尚、前記パソコン等では、前記記録媒体に記録する出力形態ばかりでなく、前記記録された文章等の話し言葉データを、専用のソフトウェアあるいは市販のワードプロセッサー等のソフトウェアを用いてCRT等の表示装置に表示したり、プリンターによりプリントとして出力することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のパソコン等では、入力された単語、文章等の話し言葉データが、そのまま話し言葉の単語、文章等として出力されるものであり、入力された話し言葉が、書き言葉に変換されて出力されるものがないという問題点があった。
【0008】
本発明は、前記従来の問題点を解決するためになされたもので、話し言葉で入力した文章等を書き言葉の文章等で出力することができる話し言葉の書き言葉への変換装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、話し言葉の入力手段と、前記入力手段により入力された話し言葉を書き言葉に変換する言葉変換手段と、前記言葉変換手段により変換された書き言葉を出力する出力手段とを有する話し言葉の書き言葉への変換装置を提供する。そして、入力手段は、(1)話し言葉のデータを入力すると共に、話し言葉データを所定のファイル形式で記録媒体に保存する動作を行う。
言葉変換手段は、(2)データ読み出し部において該記録媒体から話し言葉データを読み出し、(3)次いで形態素列分解部において該話し言葉データを形態素の羅列に分解し、(4)次いで文頭から順次着目する形態素で始まる形態素列について、(4−1)変換候補抽出部が、予め記録媒体に備えた書き言葉・話し言葉間の言い換えテーブル中の話し言葉文字列と一致する被変換候補の形態素列を抽出すると共に、該言い換えテーブルにおいて話し言葉文字列に対応する書き言葉文字列を変換候補として読み出し、メモリ上に保持する処理と、(4−2)頻度測定部において、当該着目中の形態素列の前後所定個数の形態素が予め記録媒体に備えた書き言葉データベース中で、当該被変換候補を挟んで並ぶ頻度と、当該変換候補を挟んで並ぶ頻度とを測定して比較する処理と、(4−3)変換処理部が、該比較において後者の頻度が大きい時に着目中の形態素列をメモリ上の変換候補で置き換える処理、の各処理(4−1)〜(4−3)を文末の形態素まで行う。
出力手段は、(5)少なくとも所定のファイル形式によって置き換えられた書き言葉データを記録媒体に保存する動作を行うことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記言葉変換手段における言い換えテーブルを、コンピュータのプロセッサにおけるデータ照合部により、記憶媒体内に予め記録された対を成す話し言葉データベース及び書き言葉データベースから不一致部分及び一致部分の検出を行うと共に、確率演算部により、前一致部分、不一致部分、後一致部分となる文字列の組合せにおいて、前一致部分については後方所定の文字数以内に後一致部分の文字列が現れる確率と、後一致部分については前方所定の文字数以内に前一致部分の文字列が現れる確率とのそれぞれ余事象同士を乗じ、当該不一致部分が差分として確からしい確率を算出する第1のステップ及び、不一致部分が同一の全ての前一致部分及び後一致部分について該第1のステップにおける確率の余事象の直積を演算し、その余事象を当該不一致部分が、差分として確からしい確率として算出する第2のステップを処理し、所定の確率値を超えた差分部分だけを備えることにより構成する。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記話し言葉の書き言葉への変換装置における言い換えテーブルが、確率演算部の第1のステップにおける処理において、前一致部分、不一致部分、後一致部分となる文字列の組合せを取り出す際に、該不一致部分がその内部に一致部分である文字列を含んで構成されることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明によると、前記入力手段が、マイク又は音声再生装置から話し言葉の音声波形をコンピュータのプロセッサにおける音声処理部に入力する音声入力部と、入力された音声波形を音素認識して記号化データを記憶し、該記号化データをセグメンテーション処理により音声単位データに分割し、該音声単位データから単語認識して話し言葉データに変換する処理を少なくとも行う音声処理部と、該話し言葉データをファイルとして記録媒体に保存する保存部とを備える話し言葉の書き言葉への変換装置を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明による話し言葉の書き言葉への変換装置の実施形態を示す図である。
【0011】
図1に示すように、本発明の実施形態の話し言葉の書き言葉への変換装置10は、入力手段11と、言葉変換手段12と、出力手段13とを有するコンピュータとして構成されている。コンピュータには公知のように、各種プロセッサ(特にCPU)やそれと連動するメモリ、ハードディスクなどが備えられており、これらがソフトウェアにより動作する。
入力手段11は、話し言葉で記述された文章等、例えば、映画の台本、講演記録、会話の記録等を直接入力するキーボード、あるいはマイクから音声として入力若しくは磁気テープ等の記録媒体14に記録された話し言葉の単語、文章等を再生する再生装置の出力を前記マイクと同様に音声として入力し、前記入力された音声又は再生装置の出力からの音声を単語、文章等の話し言葉データに変換するソフトウェアからなるものである。
【0012】
前記入力された音声又は再生装置の出力からの音声を話し言葉データに変換する手段として、専用の変換ソフトウェアを用いる場合は、既知の技術である次に示す音声認識による音声処理技術を利用することができる。
入力手段11に、例えば一般的な音声処理技術を実装し、マイクや公知の入力端子である音声入力部により入力された音声波形が、CPUの音声処理部において音素認識(記号化)、音声単位へのセグメンテーションする。さらに、音響分析等の音響処理を行い、次に予測単語の認識、重要な自立語などのキーワードをボトムアップ的に抽出するワードスポッティング等の単語認識を行い、最後に意味解析、構文解析等の言語処理を行い話し言葉データを生成するものである。
そして、CPUの保存部の作用によって、話し言葉データは所定のファイル形式で記録媒体14に保存される。
【0013】
尚、既存の音声認識システム等の音声から話し言葉データに変換するものを利用することも可能であり、この場合、言葉変換手段12で用いるファイル形式として、前記既存の音声認識システムにおける文章等のファイル形式と共通のものを用いればよい。
【0014】
言葉変換手段12では、話し言葉と書き言葉の対応関係を規定する言い換え(以下パラフレーズという)テーブル14aを予め作成しておく。パラフレーズの作成は、日本語の講演発表の音声を書き起こし、形態素情報を付与した日本語話し言葉集成(以下コーパスという)を話し言葉データベース14cとして、講演発表の元となる論文の電子化データを書き言葉データベース14bとして、それぞれ用いる。即ち、話し言葉と書き言葉のデータを用いる。次に、話し言葉データベース14cと書き言葉データベース14bの一致部分及び不一致部分を調べ、話し言葉データから書き言葉データへの変換規則を獲得しておく。即ち、パラフレーズテーブル14aの作成に、話し言葉と書き言葉の差分部分のデータを用いる。
【0015】
言葉変換手段12では、図2に示すアルゴリズムを用いて話し言葉から書き言葉への言い換え(変換)を行う。このアルゴリズムは、大雑把に言うと、前記書き言葉データベース14bでの頻度が大きくなるように書き換える、つまり、書き言葉データベース14bで出現し易い表現に書き換えるものである。
【0016】
先ず、入力された話し言葉データをCPUのデータ読み出し部12aでハードディスク14から読み出し、形態素列分解部12bで形態素解析する。形態素解析処理については公知であり、例えば、形態素解析プログラムであるJUMANを用いて形態素解析して、形態素列に分解する。そして、文頭の形態素から順に、形態素ごとに次の処理を行う。
【0017】
先ず、変換候補抽出部12cにおいて、現在の形態素で始まる形態素列S(形態素を一つも持たない場合、つまり空文字列も含む)と、前記変換規則を得たときの差分データの話し言葉の文字列Aiが一致するものを抽出し、その場合における差分部分のデータRiが規則として用いられる。そして、前記パラフレーズテーブル14a中の差分部分データの書き言葉の部分(文字列Bi)を、書き言葉の候補としてメモリ15上に保持する。また、Sの前節k−gramの形態素列S1i、Sの後節k−gramの形態素列をS2iとする。尚、前記kは、定数である。
【0018】
次に、前記Biに対して、頻度測定部12dにより前記書き言葉データベースでのS1iiS2iの文字列の頻度を求め、該頻度が最も大きかった時のiをmとする。
【0019】
次に、同じく頻度測定部12dにより書き言葉データベースでのS1mmS2mの文字列の頻度を求め、この値よりもS1mmS2mの文字列の頻度の方が大きいか否か比較する。後者の頻度が大きい時には変換処理部12eが、AmをBmに置き換え、処理を次の形態素に移す。
【0020】
以上の処理を言葉変換手段12の各処理部が文末の形態素まで行うことにより、話し言葉データから書き言葉データへの書き換え(変換)を行うことができる。
【0021】
出力手段13では、言葉変換手段12で変換して得られた書き言葉データを、所定のファイル形式でハードディスク等の記録媒体14に保存したり、CRT等の表示手段に書き言葉データの表す文章等を表示したり、プリンターで前記文章等をプリントする等の出力を行う。
【0022】
話し言葉の文章等の入力から書き言葉の文章等の出力まで、専用の処理プログラムを用いて行うように構成することもできるし、専用の処理プログラムと市販のワードプロセッサー等の処理プログラムとを用いて行うように構成することも可能である。
【0023】
尚、前記表示手段として、テレビ画面、映画画面等であってもよい。また、前記所定のファイル形式を、市販のワードプロセッサーで取り扱えるファイル形式とすることにより、容易に変換後の書き言葉での文章等を表示したり、プリントしたりすることができる。
【0024】
以上、本発明の実施形態の話し言葉の書き言葉への変換装置を用いると、映画あるいはテレビにおける台詞、解説等をほぼ同時に書き言葉として読みやすく、理解しやすい文章等で映画あるいはテレビの画面の端に表示できる等、気軽に使っている話し言葉から、形式的である故誰でも理解し易い書き言葉の文章等に容易に変換できる。
【0025】
【実施例】
次に、言葉変換手段12において用いる話し言葉と書き言葉の差分を調べた実施例について説明する。
【0026】
差分をとる話し言葉と書き言葉のデータの形態素解析を行い、図3に示すように、各形態素が各行に分かれた形にデータを変形する。前記形態素解析は、形態素解析プログラムであるJUMANを用いて行う。
【0027】
次に、前記データを照合し、話し言葉と書き言葉のデータの差分部分と一致部分の検出を行う。ここでは、UNIXコマンドのdiffを用いて行う。得られた結果を図4に示す。
【0028】
図4において、セミコロンで始まる行は一致部分、差分部分を示すためのもので、「;●●●」から「;▼▼▼▼▼▼」までの部分は、話し言葉データでのみ出現したもの、「;▲▲▲▲▲▲」から「;●●●」までの部分は、書き言葉のみ出現したもの、「;▼▼▼▼▼▼」から「;▲▲▲▲▲▲」までの部分は、話し言葉と書き言葉でともに出現したものを意味する。ここで取り出したいものは、話し言葉と書き言葉の違いであるので、「;▲▲▲▲▲▲」から「;▼▼▼▼▼▼」までの部分となり、差分部分は図5のようになる。
【0029】
前記図5の「え今日は」「本論文では単語の羅列を」は、話し言葉で「え今日は」とあったのが、書き言葉では「本論文では単語の羅列を」となったということを意味する。
この結果では、差分部分のデータとして精度が悪すぎるので、diffの結果から、ある程度よさそうな話し言葉と書き言葉の差分部分を抽出する。ここでは、1.珍しい(出現頻度の低い)文字列に囲まれた不一致部分ほど、パラフレーズとしては確からしい、2.複数箇所に出現した不一致部分ほど、パラフレーズとしては確からしい、という二つの特徴を利用する。
【0030】
先ず、前記特徴1「珍しい文字列に囲まれた不一致部分ほど、パラフレーズとしては確からしい」の方を考える。ここでは、差分部分(不一致部分)が、図6に示すように、一致部分である文字列S1、S2にはさまれていて、S1とS2の間がd文字以内に図7中の方向にS2及びS1が現れる確率を、P(S1)、P(S2)とすると、P(S1)とP(S2)は、それぞれ近似的に数1と数2で表される。
【0031】
【数1】
Figure 0003721397
【0032】
【数2】
Figure 0003721397
【0033】
この時、差分部分が確からしい確率をP(差分、S1、S2)とすると、P(差分、S1、S2)はS1、S2がともに図6に示すような形で現れ難い確率であると仮定すると、S1とS2が独立であることを仮定して、数3のようになる。
【0034】
【数3】
Figure 0003721397
【0035】
次に、前記特徴2「複数箇所に出現した不一致部分ほど、パラフレーズとしては確からしい」の方を考える。これは、複数箇所での確率をうまく組み合わせればよい。複数箇所のうち一箇所でも正しければ、その差分部分は正しいものとして抽出できると考える。即ち、差分部分が正しい事象は、任意のS1、S2に対してS1、S2に囲まれる差分部分が全て確からしくない場合の余事象なので、差分部分が確からしい確率をP(差分)とすると、P(差分)は、各差分部分が独立であることを仮定して、数4で表される。
【0036】
【数4】
Figure 0003721397
【0037】
差分部分の取り出しは,diffの結果を前記数4のP(差分)の値でソートし、その値の大きいものから取り出すことによって行われる。
【0038】
尚、最初の差分部分の候補の取り出しについては、次に示す改良を行うことができる。図7に示すように、一致部分と差分部分が出現している時に、“「差分部分1」「一致部分1」「差分部分2」”、“「差分部分1」「一致部分1」「差分部分2」「一致部分2」「差分部分3」”といったものも差分部分の候補とする。
【0039】
前記改良は、単に「差分部分1」だけでは、「一致部分0」「一致部分1」から求まるP(差分)の値が小さくて取り出せないような時も、“「差分部分1」「一致部分1」「差分部分2」を差分部分と考えることで、「一致部分0」「一致部分2」から求まるP(差分)の値が大きくなって取り出しうるという効果を持つ。ここでは、この連結によって生成する差分部分は、元の差分部分を3個以下しか含まないものに限る。
【0040】
次に、話し言葉、書き言葉のデータとして、開放融合プロジェクトにおける82編の学会講演の論文の電子版を利用した。話し言葉データは、開放融合コーパス(集成)の内、前記論文データに対応するもの(330679文字)である。書き言葉データは、前記82編の論文データ(打ち込み、352660文字)である。
【0041】
話し言葉データには、図8に示すタグが埋め込まれていたので、次の処理を施した。基本的に各タグのリストの第二要素をタグの代りに本分に埋め込む。例えば、“(F あの)”の場合、「あの」を本分の該当箇所に挿入する。但し、セミコロンで区切られているものについては、最後のものを、カンマで区切られているものについては、最初のものを用いる。
【0042】
フィラーや言い直しなどは省いた方がよいとも考えられるが、あえてそのような表現も差分部分として抽出することを目的として残した。
【0043】
書き言葉データとして用いる論文データには、表題や著者名、所属なども含まれているが、これらはそのまま残して利用した。
【0044】
以上の条件で話し言葉データと書き言葉データの差分部分を抽出した。抽出総数を図9に示す。
図9における確率値は、数4で算出された値である。差分部分を前記数4で算出される値で分類した結果の上位50個を図10に示す。図10における頻度は差分部分の出現回数である。
【0045】
前記図10における「データー」「データ」の食い違いは、コーパス(集成)の定義によるもので、書き言葉で「データ」と書くが、話し言葉で「データー」と伸ばして発音し易いということを意味しているものではない。また、話し言葉で“<C>”が得られているが、これはコーパスにおいて単語の途中を意味するタグで、これが得られてもあまり意味はない。その他目立つものとしては、「え」「えー」などのフィラーが検出できていたり、「=」は「は」と読むということが分かったり、話し言葉では「という」をいれて柔らかくいう場合があることが分かる。
【0046】
抽出された差分結果を分析したところ、主に次のものがあった。
1.表記ゆれ
表記ゆれの例を図11に示す。これはコーパスの定義にも関係するところであるが、ここでは大規模コーパスを使用してコーパスで多く出現するものを自然な表現として定義した。
【0047】
2.表記・読みを与えるもの
この例を図12に示す。図12により「=」は「は」と読めばよいとか、「s」は「秒」を意味するときと「S」を意味する時があるなどが分かる。
【0048】
3.同義関係のもの
この例を図13に示す。論文に書いていたことを少し違えて言ったりするために、図13のような同義な意味を示す言い換え表現を獲得することができる。ここでは、研究がらみの同義表現が得られている。
【0049】
4.口語調のもの
この例を図14に示す。話し言葉で丁寧語にするものから、「。」と書いているところを「訳ですが」と文をつなげるものなども得られている。また、最後の行に「これ」が得られているが、これは「明瞭に発声したもの(これ)を」という形で使われていた。
【0050】
5.省略をしているもの
この例を図15に示す。話し言葉の方では「処理」を省いて言ってみたり、データの値を「11.25」を「11.3」に丸めていってみたり、はしょっているところがある。
【0051】
6.補完をしているもの
この例を図16に示す。これは、前記「省略しているもの」の逆の例である。書き言葉では「損失の平均」となっているが、「損失の値の平均」と「値」をいれて分かりやすいように言い換えている。また、値も正確に「七十五五デシベル」と言っている場合もある。一般に、話し言葉の方が書き言葉よりも省略が多いとされており、この場合は逆の現象である。
【0052】
7.コーパスの誤り検出に関わるもの
この例を図17に示す。もともと、話し言葉データ、書き言葉データ自体に誤りがあった場合、その部分が差分として得られることがある。1行目のデータは、「速報」を「速記」と誤ったものと思われる。この誤りは論文データをオンライン化する時に生じたものと思われる。また、話し言葉データの方にも誤りが見受けられる。最後の行のデータは、「死活」と「生活」どちらでも正しそうな感じがする。
【0053】
以上、話し言葉と書き言葉の差分を取り出した。図1に示す言葉変換手段12において、以上で得られたデータをデータベースとして利用する。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、話し言葉で入力した文章等を書き言葉の文章等で出力することができる話し言葉の書き言葉への変換装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による話し言葉の書き言葉への変換装置の実施形態を示す図である。
【図2】 図1の言葉変換手段で用いる話し言葉から書き言葉への言い換え(変換)のアルゴリズムである。
【図3】 書き言葉データと話し言葉データの形態素への分割を示す説明図である。
【図4】 書き言葉データと話し言葉データのdiffの結果を示す説明図である。
【図5】 差分部分の抽出結果を示す説明図である。
【図6】 差分の出現模式図である。
【図7】 差分部分の拡張を示す図である。
【図8】 話し言葉データに使用されているタグの説明図である。
【図9】 差分部分の抽出数の結果を示す図である。
【図10】 話し言葉データと書き言葉データの照合結果の上位50個を示す図である。
【図11】 表記のゆれの例である。
【図12】 表記・読みを与えるものの例である。
【図13】 同義関係のものの例である。
【図14】 口語調のものの例である。
【図15】 省略しているものの例である。
【図16】 補完しているものの例である。
【図17】 誤り検出の例である。
【符号の説明】
10 話し言葉の書き言葉への変換装置
11 入力手段
12 言葉変換手段
12a データ読み出し部
12b 形態素列分解部
12c 変換候補抽出部
12d 頻度測定部
12e 変換処理部
13 出力手段
14 記憶媒体
14a 言い換え(パラフレーズ)テーブル
14b 書き言葉データベース
14c 話し言葉データベース
15 メモリ

Claims (4)

  1. 話し言葉の入力手段と、
    前記入力手段により入力された話し言葉を書き言葉に変換する言葉変換手段と、
    前記言葉変換手段により変換された書き言葉を出力する出力手段とを有する話し言葉の書き言葉への変換装置であって、
    入力手段は、
    (1)話し言葉のデータを入力すると共に、話し言葉データを所定のファイル形式で記録媒体に保存する動作を行い、
    言葉変換手段は、
    (2)データ読み出し部において該記録媒体から話し言葉データを読み出し、
    (3)次いで形態素列分解部において該話し言葉データを形態素の羅列に分解し、
    (4)次いで文頭から順次着目する形態素で始まる形態素列について、(4−1)変換候補抽出部が、予め記録媒体に備えた書き言葉・話し言葉間の言い換えテーブル中の話し言葉文字列と一致する被変換候補の形態素列を抽出すると共に、該言い換えテーブルにおいて話し言葉文字列に対応する書き言葉文字列を変換候補として読み出し、メモリ上に保持する処理と、(4−2)頻度測定部において、当該着目中の形態素列の前後所定個数の形態素が予め記録媒体に備えた書き言葉データベース中で、当該被変換候補を挟んで並ぶ頻度と、当該変換候補を挟んで並ぶ頻度とを測定して比較する処理と、(4−3)変換処理部が、該比較において後者の頻度が大きい時に着目中の形態素列をメモリ上の変換候補で置き換える処理、の各処理(4−1)〜(4−3)を文末の形態素まで行い、
    出力手段は、
    (5)少なくとも所定のファイル形式によって置き換えられた書き言葉データを記録媒体に保存する動作を行う
    ことを特徴とする話し言葉の書き言葉への変換装置。
  2. 前記言葉変換手段における言い換えテーブルを、
    コンピュータのプロセッサにおけるデータ照合部により、記憶媒体内に予め記録された対を成す話し言葉データベース及び書き言葉データベースから不一致部分及び一致部分の検出を行うと共に、
    確率演算部により、
    前一致部分、不一致部分、後一致部分となる文字列の組合せにおいて、前一致部分については後方所定の文字数以内に後一致部分の文字列が現れる確率と、後一致部分については前方所定の文字数以内に前一致部分の文字列が現れる確率とのそれぞれ余事象同士を乗じ、当該不一致部分が差分として確からしい確率を算出する第1のステップ及び、
    不一致部分が同一の全ての前一致部分及び後一致部分について該第1のステップにおける確率の余事象の直積を演算し、その余事象を当該不一致部分が、差分として確からしい確率として算出する第2のステップ
    を処理し、
    所定の確率値を超えた差分部分だけを備えることにより構成した
    ことを特徴とする請求項1記載の話し言葉の書き言葉への変換装置。
  3. 前記話し言葉の書き言葉への変換装置における言い換えテーブルが、確率演算部の第1のステップにおける処理において、
    前一致部分、不一致部分、後一致部分となる文字列の組合せを取り出す際に、該不一致部分がその内部に一致部分である文字列を含んで構成される
    ことを特徴とする請求項2記載の話し言葉の書き言葉への変換装置
  4. 前記入力手段が、
    マイク又は音声再生装置から話し言葉の音声波形をコンピュータのプロセッサにおける音声処理部に入力する音声入力部と、
    入力された音声波形を音素認識して記号化データを記憶し、該記号化データをセグメン テーション処理により音声単位データに分割し、該音声単位データから単語認識して話し言葉データに変換する処理を少なくとも行う音声処理部と、
    該話し言葉データをファイルとして記録媒体に保存する保存部とを備える
    請求項1ないし3記載の話し言葉の書き言葉への変換装置。
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