JP2796273B2

JP2796273B2 - 湿布用具

Info

Publication number: JP2796273B2
Application number: JP19984296A
Authority: JP
Inventors: 信一宮川
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1996-07-10
Filing date: 1996-07-10
Publication date: 1998-09-10
Anticipated expiration: 2016-07-10
Also published as: JPH1024056A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、湿布用具に関
し、詳しくは、外傷を伴った打ち身や突き指など湿布し
難いところへ使用するに際しての利便性や効能を向上さ
せるために改良を施した湿布用具に関する。なお、この
明細書における「湿布」は、パップ・巴布の概念も含む
ものとし、温感・冷感・消炎・鎮痛いずれのための湿布
も該当する。

【０００２】

【従来の技術】従来、湿布用具は、不織布等の基布に消
炎剤等の薬剤を塗り込んだシート状の湿布１（湿布部
材）と、フィルムの片面に粘着剤を塗布したシート状ま
たはテープ状の粘着シート２（貼着部材）とが、セット
で又は個別に提供されていた（図１２（ａ）参照）。

【０００３】そして、使用に際しては、湿布対象部位に
湿布１を貼りさらにその上から大きめの粘着シート２を
貼って固定するか、あるいは大きめの粘着シート２の粘
着面に湿布１を貼っておいてから（図１２（ｂ）参照）
これらを対象部位に貼り付ける。また、湿布対象部位に
切り傷や擦り傷などの外傷を伴っているような場合に
は、湿布１が直接的に傷部へ当たることがないように、
傷薬を塗ったガーゼ等のパッド３（傷当て部材）も用い
られる（図１２（ｃ）参照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の湿布用具では、傷当て部材を傷部と湿布部材
との間に挟み込んだ状態で、傷当て部材の上から湿布が
なされていた。このため、傷部が強く圧迫されたり、傷
部が傷当て部材を通り抜けてきた湿布薬成分で刺激され
たりした。そこで、湿布対象部位の中に外傷が有る場合
であっても、その外傷に対して不所望な機械的・薬効的
な影響を与えないように湿布することが課題となる。

【０００５】また、湿布対象部位が手や足の指である場
合、指に湿布用具を巻き付けることになるが、指の付け
根や関節のところで太さが変化したり曲げ伸ばしが行わ
れたりする。このため、湿布用具を適切に患部へ当てる
のが困難であったり、通気が不十分で患部がかぶれ易く
なったり、指を曲げ難くなってしまうことが多発する。
さらに、手の指の場合、人目に触れやすくて目立つこと
から湿布を控えたり、片手では処置し難いといった不都
合もある。そこで、湿布対象が指であっても、使い易
く、効能も十分発揮しうるようにすることも課題とな
る。

【０００６】さらに、湿布対象部位に外傷が無い場合で
あっても、単に湿布しただけの効能を超える高い効能を
発揮させることや、使い勝手を良くすることは、好まし
いことである。これらも、さらなる課題となる。

【０００７】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、外傷に優しい湿布用具を実現
することを目的とする。また、本発明は、特に指の湿布
に好適な湿布用具を実現することをも目的とする。さら
に、本発明は、さらなる効能の付加された湿布用具を実
現することも目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第１乃至第３の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。

【０００９】［第１の解決手段］第１の解決手段の湿布
用具は（、出願当初の請求項１〜３に記載の如く）、予
め湿布部材と貼着部材とを張り合わせておくとともに、
湿布部材に開口を設けておく。しかも、その開口には傷
当て部材が収まるようになっていることを特徴とする。

【００１０】このような第１の解決手段の湿布用具にあ
っては、使用に際して、湿布部材の開口に傷当て部材が
収まることから、傷当て部材が湿布部材によって上から
押されるということが無くなる。これにより、傷部が強
く圧迫されるのを防止することができる。また、湿布薬
成分が傷当て部材を表面から裏面へ通り抜けることも防
止できる。

【００１１】なお、開口が設けられていて湿布部材は変
形しやすくなっているが、これに対しては、湿布部材と
貼着部材とが予め張り合わせてあることから、湿布用具
全体としては変形しすぎることが無いので、使用者にと
って使い易いものとなっている。したがって、この発明
によれば、外傷に優しい湿布用具を実現することができ
る。

【００１２】［第２の解決手段］第２の解決手段の湿布
用具は（、出願当初の請求項４〜６に記載の如く）、指
への使用に際しては湿布用具を巻き付けて貼着させると
いう使用態様に基づいて、予め湿布部材と貼着部材とを
張り合わせておくとともに、一部の辺縁を一致させた
り、装飾用部材を付加したり、さらには部分的に切る追
加工を施したり等の追加処理も行なわれることを特徴と
する。

【００１３】このような第２の解決手段の湿布用具にあ
っては、巻付の使用態様に基づく追加処理によって、指
に湿布用具を巻き付けた際に、指の付け根でも確実に湿
布が届く。また、指を曲げたときには容易に変形すると
ともに、空気を患部へ通すので通気性も十分に確保され
る。さらに、装飾性を高めることにより、人目に触れて
も湿布であると覚られ難いので、気軽に指の湿布を行う
ことができるようになる。

【００１４】しかも、湿布部材と貼着部材とが予め張り
合わせてあるので、片手でも他方の手の指に対して容易
に巻き付けることができる。したがって、この発明によ
れば、特に指の湿布に好適な湿布用具を実現することが
できる。

【００１５】［第３の解決手段］第３の解決手段の湿布
用具は（、出願当初の請求項７，８に記載の如く）、貼
着部材に対し、予め湿布部材を張り合わせておくととも
に、湿布部材と重ならないところにツボ等刺激部材も貼
り付けておくことを特徴とする。

【００１６】このような第３の解決手段の湿布用具にあ
っては、患部に貼付して用いることで、湿布部材による
湿布の効能に加えて、ツボ等刺激部材による刺激作用に
基づいてさらなる効能が得られる。しかも、ツボ等刺激
部材を湿布部材と重ならないように配置したので、大き
めのツボ等刺激部材を用いても、ツボ等が必要以上に刺
激されることは無い。あるいは少ない。これにより、湿
布の効果を余分な機械的刺激で減殺することを回避しつ
つ、磁気等の他の有効な刺激の源を増大させることがで
きる。

【００１７】さらに、これらの部材が総て予め湿布部材
に着けられて一体のものとなっているので、患部への貼
付がワンタッチで簡単に行えるという利点もある。した
がって、この発明によれば、湿布の効能にさらなる効能
も付加された湿布用具を実現することができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明の湿布用具について、これを実施するための形態
を説明する。

【００１９】［第１の実施の形態］本発明の第１の実施
形態は（、出願当初の請求項１に記載の如く）、基布に
湿布薬が塗り込まれた湿布部材と、この湿布部材よりも
広い粘着面を持った貼着部材とを具備し、前記貼着部材
の粘着面に対して前記湿布部材が貼着された湿布用具で
あって、前記湿布部材より小面積の傷当て部材を備え、
前記湿布部材は、少なくとも広さ的には前記傷当て部材
を収め得る開口が形成されたものであることを特徴とす
る。

【００２０】このような第１の実施形態の湿布用具にあ
っては、使用時に湿布部材で上から傷当て部材を押さな
いようになっているので、傷部の強い圧迫や、湿布薬成
分の傷当て部材通過などを防止することができる。しか
も、開口による弱さを一体化しておくことでカバーして
いる。これにより、外傷に優しい湿布用具となってい
る。

【００２１】［第２の実施の形態］本発明の第２の実施
形態は（、出願当初の請求項２に記載の如く）、上記し
た第１の実施形態の湿布用具であって、前記貼着部材の
粘着面の裏面に対して貼着可能な接着部材を備え、前記
傷当て部材は、前記接着部材の（前記貼着部材等への）
貼着面に貼着されたものであり、前記貼着部材は、前記
湿布部材の開口と（一体的に連通して）対応する開口が
形成されたものであることを特徴とする。

【００２２】このような第２の実施形態の湿布用具にあ
っては、先に貼着部材付きの湿布部材を患部に貼ること
で、傷部が開口内に入っていることを確認できる。そし
て、その確認後に接着部材付きの傷当て部材を上から開
口に収めることで、傷当て部材が傷部に当たるととも
に、接着部材が貼着部材に貼り付いて傷当て部材が押さ
えられる。また、傷当て部材に軟膏等を塗ったときでも
軟膏等が湿布部材の下へはみ出すのを防止することもで
きる。これにより、外傷に優しいこと等に加えて、傷部
に傷当て部材を当てるのが容易かつ確実な湿布用具を実
現することができる。

【００２３】［第３の実施の形態］本発明の第３の実施
形態は（、出願当初の請求項３に記載の如く）、上記し
た第１，第２の実施形態の湿布用具であって、前記傷当
て部材は、前記湿布部材の開口に対して少なくとも前記
湿布部材の厚さ以上の周辺間隙を残して収めうる広さの
ものであることを特徴とする。

【００２４】このような第３の実施形態の湿布用具にあ
っては、使用時に傷当て部材の辺縁周りに開口による間
隙が残される。湿布部材は一般に柔らかくてその辺縁角
部が崩れて開口内の傷当て部材等に向かって倒れ込みや
すいという性質があるところ、その到達範囲である湿布
部材の厚さ分が間隙として残されているので、崩れた湿
布部材が傷当て部材に達するのが抑制される。また、傷
当て部材に塗った軟膏等がはみ出して逆に湿布部材に到
達することもガードされる。これにより、外傷に優しい
こと等に加えて、湿布薬または傷薬の余計なところへの
作用を防止するとともに、湿布薬と傷薬との相互作用を
も防止することができる。

【００２５】［第４の実施の形態］本発明の第４の実施
形態は（、出願当初の請求項４に記載の如く）、基布に
湿布薬が塗り込まれた湿布部材と、この湿布部材よりも
広い粘着面を持った貼着部材とを具備し、前記貼着部材
の粘着面に対して前記湿布部材が貼着された湿布用具で
あって、前記湿布部材および前記貼着部材は、一部の辺
縁が（この辺縁部分では前記貼着部材が患部への貼着機
能を有効に発揮しない程度に）一致していることを特徴
とする。

【００２６】このような第４の実施形態の湿布用具にあ
っては、一致辺縁部分が指の付け根側にくるように湿布
用具を指へ巻き付けて使用する。これにより、指の付け
根まで確実に湿布が届く。しかも、この辺縁部分から患
部へ空気が通り易くなるので、通気性が確保される。な
お、この一致辺縁部分では貼着機能が発揮されないが、
湿布用具を指に巻き付けた場合、粘着面を垂直に引き剥
がす外力が強くないので、不都合はない。

【００２７】［第５の実施の形態］本発明の第５の実施
形態は（、出願当初の請求項５に記載の如く）、基布に
湿布薬が塗り込まれた湿布部材と、この湿布部材よりも
広い粘着面を持った貼着部材とを具備し、前記貼着部材
の粘着面の裏面全面に対して貼り付けられた装飾紐又は
装飾帯を備えたことを特徴とする。

【００２８】このような第５の実施形態の湿布用具にあ
っては、使用に際して指に湿布用具を巻き付けると、湿
布部材や貼着部材はほとんど隠れてしまって、装飾紐又
は装飾帯だけが目に付くようになる。これにより、人目
に触れても湿布であると覚られ難くなるので、人目を気
にしがちな若い女性等でも気軽に、しかも片手で容易
に、指の湿布を行うことができるようになる。

【００２９】［第６の実施の形態］本発明の第６の実施
形態は（、出願当初の請求項６に記載の如く）、基布に
湿布薬が塗り込まれた湿布部材と、この湿布部材よりも
広い粘着面を持った貼着部材とを具備し、前記湿布部材
および前記貼着部材は、両者を貫通する切れ目等の入刃
部が（線状もしくは面状に又はこれらを組み合わせた状
態に）形成されたものであることを特徴とする。

【００３０】このような第６の実施形態の湿布用具にあ
っては、指に湿布用具を巻き付けて使用するが、湿布用
具を着けた状態で指を曲げると、入刃部が開いて湿布用
具は容易に伸縮・変形するとともに、その開いたところ
から空気が患部へ通うこととなる。これにより、指の曲
げ伸ばしが楽にでき且つ十分な通気性を確保することも
できる。

【００３１】［第７の実施の形態］本発明の第７の実施
形態は（、出願当初の請求項７に記載の如く）、上記し
た第１，第２，第３の実施形態の湿布用具であって、前
記傷当て部材（複数の場合はその総て又はその一部）に
代えて、前記湿布部材の開口よりも小さなツボ等刺激部
材を備えたことを特徴とする。これにより、湿布部材と
重ならないところにツボ等刺激部材を貼り付けておくこ
とができる。

【００３２】［第８の実施の形態］本発明の第８の実施
形態は（、出願当初の請求項８に記載の如く）、基布に
湿布薬が塗り込まれた湿布部材と、この湿布部材よりも
広い粘着面を持った貼着部材とを具備し、前記貼着部材
の粘着面に対して前記湿布部材が貼着された湿布用具で
あって、前記貼着部材より小面積のツボ等刺激部材を備
え、このツボ等刺激部材が、前記貼着部材の粘着面であ
って前記湿布部材からはみ出した部位に付着しているこ
とを特徴とする。これによっても、湿布部材と重ならな
いところにツボ等刺激部材を貼り付けておくことができ
る。

【００３３】

【実施例】本発明の湿布用具の第１実施例（第１実施形
態）について、その具体的な構成を、図面を引用して説
明する。図１は、その構造および製造手順を示す模式図
である。なお、以下の各図において、側面図は断面図と
なっている。

【００３４】この湿布用具は、湿布部材としての湿布
１、貼着部材としての粘着シート２、及び傷当て部材と
してのパッド３が、一体化されて提供されるものであ
る。湿布１は、不織布等の基布に消炎剤等の薬剤を塗り
込んだ長方形シート状のものであり、粘着シート２は、
フィルムの片面に粘着剤を塗布した長方形シート状また
はテープ状のものである。湿布１は粘着シート２より小
さい（図１（ａ）参照）。

【００３５】パッド３は、天然コットンガーゼやアクリ
ノール付きのもの等で、滅菌処理が施されている。これ
は、湿布１よりもさらに小さい長方形のものが採用さ
れ、粘着シート２の粘着面側ほぼ中央に着けられる。一
方、湿布１のほぼ中央にはパッド３と同じ大きさの開口
１０が打ち抜き形成される（図１（ｂ）参照）。

【００３６】そして、パッド３が開口１０に入るように
して湿布１の基布側を粘着シート２の粘着面側に合わせ
軽く押さえて貼り付ける（図１（ｃ）参照）。なお、パ
ッド３の粘着シート２への貼着は湿布１の粘着シート２
への貼着の後で行うようにしてもよい。最後に、図示し
ない剥離紙を湿布１の薬剤および粘着シート２の粘着面
の方に貼り付けてから、密封包装する。こうして、湿布
部材の開口に傷当て部材が収まった湿布用具が出来上が
る。

【００３７】この湿布用具は、次ぎのような場合に使用
すると特に良い。すなわち、机やドアの角等に身体が強
くぶつかってしまったような場合、角等の当たったとこ
ろには切り傷ができ、その周りのところには打ち身によ
る腫れ等ができてしまうことが多いが、かかる場合、こ
の湿布用具を用いればワンタッチで手当できるのであ
る。

【００３８】具体的には、外傷部分を消毒しておいて、
湿布用具を取り出し剥離紙を剥がしてから、パッド３が
切り傷のところに当たるようにして粘着シート２を身体
に貼る。そうすると、切り傷はパッド３で優しく保護さ
れるとともに、その周りの打ち身部分は湿布１によって
湿布されるのである。

【００３９】図２に示した本発明の湿布用具について、
第２実施例（第２実施形態）を説明する。この湿布用具
は、湿布１及び粘着シート２と、パッド３とが別体とし
て提供され、使用時に接着・一体化されるようになって
いることが、上述の湿布用具と相違するものである。

【００４０】湿布１及び粘着シート２は、貼り合わせて
おいてから、その概ね中央部に、パッド３と同じ大きさ
の開口１１が打ち抜き形成される（図１（ｃ）参照）。
これにより、これらは、互いに対応した開口１１を具有
したものとなる。そして、図示しない剥離紙が粘着面の
方に貼られ、さらに密封包装されたものとなる。

【００４１】一方、パッド３は、接着部材としての粘着
シート２０に貼り付けられる。粘着シート２０は、フィ
ルムの片面に粘着剤を塗布した長方形シート状またはテ
ープ状のものであって、パッド３よりは大きくて粘着シ
ート２よりは小さなものである。パッド３及び粘着シー
ト２０も、図示しない剥離紙が粘着面の方に貼られ、さ
らに密封包装されたものとなる。

【００４２】そして、これらはセットで提供され、使用
に際しては、先ず湿布１及び粘着シート２が用いられ、
次ぎにそれに重ねてパッド３及び粘着シート２０が用い
られる。詳述すると、外傷部分を消毒した後、湿布１及
び粘着シート２を取り出して剥離紙を剥がし、切り傷の
ところが開口１１に入るように確認しながら粘着シート
２を身体に貼る。それから、パッド３及び粘着シート２
０を取り出して剥離紙を剥がし、必要であればパッド３
に軟膏等を塗っておき、パッド３を開口１１に入れて粘
着シート２０を上から押さえる。こうして、粘着シート
２０が粘着シート２に貼り付き、パッド３が切り傷のと
ころに当たることとなる。

【００４３】図３に示した本発明の湿布用具について、
第３実施例（第３実施形態）を説明する。この湿布用具
は、上述した第１実施例のものと概ね同じであるが、パ
ッド３の開口（１０）が一回り大きい点で相違する。こ
の湿布１の開口の各辺は、パッド３の各辺に比べて、湿
布１の厚さの２倍強ほど、長さが長く形成される。そし
て、湿布１，粘着シート２，パッド３が貼着・一体化さ
れると、湿布１の内辺とパッド３の外辺との間に、湿布
１の厚さ以上の幅を持った間隙１２が残るようになって
いる。

【００４４】なお、図４に示した湿布用具は、正方形の
湿布１及び粘着シート２と、円形のパッド３とを組合せ
たものである。また、図５に示した湿布用具は、総て円
形の部材からなるものである。その他、楕円、長丸、菱
形、三角その他の多角形、テープ状など、さらにはこれ
らを適宜組合せて構成してもよい。

【００４５】図６に示した本発明の湿布用具について、
第４実施例（第４実施形態）を説明する。この湿布用具
は、長さ７ｃｍ×幅３ｃｍ〜６ｃｍ程度の小形のもので
あり、指に対して指輪様に巻き付けながら貼着させて用
いるようになっている。

【００４６】しかも、湿布１及び粘着シート２が、辺縁
１３のところで、即ち指に巻き付けた状態で環状端部と
なる長辺のところで、重ねて直線的に切り落とされてい
る。対向する２つの辺縁を共に一致させたものは特に通
気性に優れるが（図６（ａ）参照）、一致辺縁が１つだ
けでも従来よりは通気性が向上している（図６（ｂ）参
照）。なお、パッド３は、装着されなかったり（図６
（ａ）参照）、装着されたり（図６（ｂ）参照）、いず
れであってもよい。

【００４７】図７に示した本発明の湿布用具について、
第５実施例（第５実施形態）を説明する。この湿布用具
も、指用のものであるが、粘着シート２の裏面に対して
これと同じサイズの装飾紐又は装飾帯としてのリボン２
１，２２が全面接着されている点で第４実施例と相違す
る。リボン２１は無地のカラーリボンであり、リボン２
２は柄物であるが、何れが付加された湿布用具も、リボ
ンが表になるように指に対して指輪様に巻き付けながら
貼着させて用いる。

【００４８】図８に示した本発明の湿布用具について、
第６実施例（第６実施形態）を説明する。この湿布用具
は、やはり指用のものであるが、湿布１と粘着シート２
との重なり部分において長手方向または異なる方向に沿
って幾つかの切れ目４０が入れられている点で第４実施
例と相違する。図８は、（ａ）が短手方向に切れ目の例
であり（ｂ），（ｃ）が長手方向に切れ目の例である
が、（ａ）の湿布に縦方向に切れ目を入れてもよく、
（ｂ），（ｃ）の湿布に短手方向に切れ目をいれてもよ
い。切れ目４０は、湿布１及び粘着シート２を貫き通し
て形成されており、さらにその両端が小丸状に整形され
ている。この端部整形により、切れ目４０が指の曲げ伸
ばし等に伴って開いたときに裂けて広がるのを抑制・防
止するようになっている。なお、図示は割愛したが、湿
布には細い切れ目を入れて湿布対象部位を確実にカバー
するとともに粘着シートにはその切れ目より大きな丸形
等の開口をなす入刃部を形成すると、指の曲げ伸ばしが
一層楽になる。

【００４９】図９に示した本発明の湿布用具について、
第７実施例（第７実施形態）を説明する。この湿布用具
は、外傷がない場合に用いるものであるが、ツボ等刺激
部材として磁石を採用することで、湿布の効能に加えて
ツボ刺激の効能をも得るものである。これを足の裏等に
貼ると疲労回復に抜群の効果がある。

【００５０】そのために、上述した湿布用具におけるパ
ッド３を磁石３０（ツボ等刺激部材）で置換して、この
湿布用具が構成される。具体的には、図９（ａ）の湿布
用具は図２の物からの構成例であり、図９（ｂ）の湿布
用具は図３又は図１の物からの構成例であり、図９
（ｃ）の湿布用具は図５の物からの構成例である。ま
た、磁石３０は、複数個（図９（ｄ）参照）、あるいは
多数個（図１０（ａ）参照）が設けられていてもよい。
さらに、比較的小さな磁石３０を用いることで、指用の
湿布用具に適用することも可能である（図１０（ｂ）参
照）。そして、外部への漏れ磁束の影響を抑止するため
にフェライトやパーマロイ等を含有した磁気遮蔽箱・袋
に封じ込めて提供される。

【００５１】図１１に示した本発明の湿布用具につい
て、第８実施例（第８実施形態）を説明する。この湿布
用具も、磁石３０等のツボ等刺激部材を具有するもので
あるが、ツボ等刺激部材が湿布１の開口内ではなく開口
の存在と無関係に粘着シート２の湿布１からのはみ出し
部分に配置されている点で上述の第７実施例と相違する
ものである。

【００５２】貼着機能発揮のため必然的に形成された粘
着シート２のはみ出し部分に磁石３０を配置したもの
（図１０（ａ），（ｂ）参照）の他、湿布１の一部を切
り落として粘着シート２のはみ出し部分を積極的に形成
したもの（図１０（ｃ），（ｄ），（ｅ）参照）もあ
る。また、磁石３０に代えてチタン片３１をツボ等刺激
部材とすることで（図１０（ｆ）参照）、チタン材によ
る運動機能高揚効果や筋肉疲労回復促進効果も期待する
ことができる。

【００５３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第１の解決手段の湿布用具にあっては、湿布部材の開
口に傷当て部材が収まるようにしたことにより、外傷へ
の機械的・薬効的な悪影響を断ち、外傷に優しい湿布用
具を実現することができたという有利な効果が有る。

【００５４】また、本発明の第２の解決手段の湿布用具
にあっては、一部の辺縁を一致させたり、装飾用部材を
付加したり、さらには部分的に切る追加工を施したり等
の巻付の使用態様に基づく追加処理を施したことによ
り、指の湿布に好適な湿布用具を実現することができた
という有利な効果を奏する。

【００５５】さらに、本発明の第３の解決手段の湿布用
具にあっては、ツボ等刺激部材の併用に際してその配置
を工夫したことにより、湿布の効能にさらなる効能も付
加された湿布用具を実現することができたという有利な
効果が有る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の湿布用具の第１実施例についての構
造図である。

【図２】本発明の湿布用具の第２実施例についての構
造図である。

【図３】本発明の湿布用具の第３実施例についての構
造図である。

【図４】本発明の湿布用具の変形例である。

【図５】本発明の湿布用具の変形例である。

【図６】本発明の湿布用具の第４施例についての構造
図である。

【図７】本発明の湿布用具の第５実施例についての構
造図である。

【図８】本発明の湿布用具の第６実施例についての構
造図である。

【図９】本発明の湿布用具の第７実施例についての構
造図である。

【図１０】本発明の湿布用具の変形例である。

【図１１】本発明の湿布用具の第８実施例についての
構造図である。

【図１２】従来の湿布用具の例である。

【符号の説明】

１湿布（パップ剤；湿布部材）２粘着シート（粘着テープ；貼着部材）３パッド（傷当て部材）１０，１１開口１２間隙１３辺縁２０粘着シート（粘着テープ；接着部材）２１，２２リボン（装飾紐又は装飾帯）３０磁石（ツボ等刺激部材）３１チタン片（ツボ等刺激部材）４０切れ目（切開部；入刃部）

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】基布に湿布薬が塗り込まれた湿布部材と、
この湿布部材よりも広い粘着面を持った貼着部材とを具
備し、前記貼着部材の粘着面に対して前記湿布部材が貼
着された湿布用具であって、前記湿布部材より小面積の
傷当て部材を備え、前記湿布部材は、前記傷当て部材を
収め得る広さの開口が形成されたものであることを特徴
とする湿布用具。
【請求項２】前記貼着部材の粘着面の裏面に対して貼着
可能な接着部材を備え、前記傷当て部材は、前記接着部
材の貼着面に貼着されたものであり、前記貼着部材は、
前記湿布部材の開口と対応する開口が形成されたもので
あることを特徴とする請求項１記載の湿布用具。
【請求項３】前記傷当て部材は、前記湿布部材の開口に
対して少なくとも前記湿布部材の厚さ以上の周辺間隙を
残して収めうる広さのものであることを特徴とする請求
項１又は請求項２に記載の湿布用具。
【請求項４】基布に湿布薬が塗り込まれた湿布部材と、
この湿布部材よりも広い粘着面を持った貼着部材とを具
備し、前記貼着部材の粘着面に対して前記湿布部材が貼
着された湿布用具であって、前記湿布部材および前記貼
着部材は、一部の辺縁が一致していることを特徴とする
湿布用具。
【請求項５】基布に湿布薬が塗り込まれた湿布部材と、
この湿布部材よりも広い粘着面を持った貼着部材とを具
備し、前記貼着部材の粘着面の裏面全面に対して貼り付
けられた装飾紐又は装飾帯を備えたことを特徴とする湿
布用具。
【請求項６】基布に湿布薬が塗り込まれた湿布部材と、
この湿布部材よりも広い粘着面を持った貼着部材とを具
備し、前記湿布部材および前記貼着部材は、両者を貫通
する切れ目等の入刃部が形成されたものであることを特
徴とする湿布用具。
【請求項７】前記傷当て部材に代えて、前記湿布部材の
開口よりも小さなツボ等刺激部材を備えたことを特徴と
する請求項１乃至請求項３のうち何れかに記載された湿
布用具。
【請求項８】基布に湿布薬が塗り込まれた湿布部材と、
この湿布部材よりも広い粘着面を持った貼着部材とを具
備し、前記貼着部材の粘着面に対して前記湿布部材が貼
着された湿布用具であって、前記貼着部材より小面積の
ツボ等刺激部材を備え、このツボ等刺激部材が、前記貼
着部材の粘着面であって前記湿布部材からはみ出した部
位に付着していることを特徴とする湿布用具。