JP2794466B2 - ひき材仕分け装置 - Google Patents

ひき材仕分け装置

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、製材機の後方に配備し、製材機によって
製材したひき材を製品と残材とに分離して仕分けるため
に使用するひき材仕分け装置に関する。
従来技術 製材機の後方に配備し、製材機によって製品と残材と
に挽き割られたひき材を左右に分離して仕分け、排出す
るための仕分け装置が知られている。また、一般に、1
回の製材工程を経たひき材の残材は、さらに繰り返して
製材工程を経ることにより新たな製品を作るのが普通で
あるから、仕分け装置の残材排出側に戻りコンベヤを配
設し、残材を製材機の前方にまで自動搬送すれば一層便
利である。
かかる目的に使用する仕分け装置として、ひき材の進
行方向に前後動するひき材テーブルを長手方向に2分割
し、水平姿勢と山形の折曲げ姿勢とをとらせるものが提
案されている(特開昭62−27101号公報)。
このものは、ひき材の製材中は、ひき材テーブルを製
材機側に後退させて水平姿勢をとらせ、製材機から排出
されるひき材を上面に支承させる一方、製材が完了する
と、全体をひき材の進行方向に前進させてひき材を製材
機から引き離すと同時に、これを山形に下り曲げること
により製品と残材とを左右に仕分けることができる。な
お、ひき材テーブルを形成する左右の天板部材は、中央
部においてヒンジ結合されており、ヒンジ軸に別のレバ
ー状の仕分け部材を付設してもよい(同公報)。仕分け
部材は、ヒンジ軸を回転駆動することにより、ひき材テ
ーブルを山形に折り曲げたとき、残材側の天板部材と同
一の傾斜角度で製品側の天板部材上に突出させることが
できる。したがって、2分割されたひき材の製品側と残
材側との双方を戻りコンベヤ上に排出させ、ひき材を所
定の製品サイズに挽き割る前の粗挽きの段階等に便利に
使用することができる。
発明が解決しようとする課題 かかる従来技術によるときは、仕分け部材は、製品側
の天板部材に対してのみ突出するから、必要に応じ、ひ
き材の製品側と残材側との双方を戻りコンベヤ上に排出
することができるが、これらを逆方向に一括して排出す
ることができないという制約があった。すなわち、ひき
材と製品側と残材側との双方を仕分け装置の残材側と製
品側とに切り換えて排出することがてきないため、ひき
材を2つ割りにして2個の製品を製材し、これを製品側
に一括して排出することが不可能であった。
そこで、この発明の目的は、第1仕分け面、第2仕分
け面を有する仕分け部材を製品側天板、残材側天板の一
方に選択的に連動させることによって、ひき材と製品側
と残材側との双方を任意の方向に一括して排出すること
ができる新規のひき材仕分け装置を提供することにあ
る。
課題を解決するための手段 かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、ヒン
ジ軸を介して製品側天板、残材側天板をヒンジ結合する
ひき材テーブルと、ひき材テーブルを山形に折り曲げる
シリンダと、ひき材テーブルの製品側の第1仕分け面と
残材側の第2仕分け面とを有する仕分け部材とを備えて
なり、仕分け部材は、製品側天板、残材側天板の一方に
対し、所定の相対角度に設定して選択的に連動させ、第
1仕分け面、第2仕分け面を製品側天板、残材側天板上
に選択的に突出させることをその要旨とする。
なお、仕分け部材は、ヒンジ軸に固定し、製品側天
板、残材側天板は、それぞれシリンダと、ヒンジ軸に固
定可能なレバーとを介してヒンジ軸に個別に連結するこ
とができる。
また、ひき材テーブルの残材側に戻りコンベヤを付設
してもよい。
さらに、ひき材テーブルの残材側に戻りコンベヤを付
設し、戻りコンベヤは、上下に開閉する遮蔽板を備える
ことができる。
なお、ひき材テーブルは、ひき材の進行方向に前後動
可能としてもよい。
作 用 かかる発明の構成によるときは、仕分け部材は、ひき
材テーブルの製品側天板、残材側天板の一方に対し、所
定の相対角度に設定して選択的に連動させ、第1仕分け
面、第2仕分け面を製品側天板、残材側天板上に選択的
に突出させるとにより、ひき材テーブル上にひき材の製
品側と残材側とを適切に仕分けることができる。すなわ
ち、仕分け部材は、ひき材テーブルを山形に折り曲げる
とき、その全体がひき材テーブルの下方に位置する第1
姿勢をとることにより、何ら格別な仕分け作用をするこ
となく、ひき材テーブルの傾斜に従ってひき材の製品側
と残材側とをひき材テーブルの製品側(製品側天板と側
をいう、以下同じ)、残材側(残材側天板の側をいう、
以下同じ)に仕分けることができる。
また、仕分け部材は、第1仕分け面が残材側天板と同
方向と傾斜で製品側天板上に突出する第2姿勢におい
て、製品側天板上にあるひき材の製品側をひき材テーブ
ルの残材側に強制的に排出することができ、したがっ
て、ひき材の製品側と残材側との双方を一括してひき材
テーブルの残材側に排出することができる。逆に、仕分
け部材は、第2仕分け面が製品側天板と同方向の傾斜で
残材側天板上に突出する第3姿勢において、ひき材の製
品側と残材側の双方を一括してひき材テーブルの製品側
に排出することが可能である。なお、仕分け部材は、第
1仕分け面が製品側天板上に水平に突出する第4姿勢に
おいて、製品側天板上にあるひき材の製品側を第1仕分
け面に支承させ、ひき材の製品側が所定サイズの製品と
なり得ない端材であるとき等に、これが製品側に排出さ
れて製品に混入することを防止することができる。
ただし、仕分け部材の各姿勢は、製品側天板、残材側
天板に対する相対角度を適切に設置することにより実現
することができる。
シリンダと、ヒンジ軸に固定可能なレバーとを介して
製品割側天板、残材側天板を個別にヒンジ軸に連結する
ときは、ヒンジ軸に固定する仕分け部材は、レバーを介
して製品側天板、残材側天板の一方に選択的に連動さ
せ、シリンダを介して容易に所定の相対角度に設定する
ことができる。
ひき材テーブルの残材側に戻りコンベヤを設ければ、
戻りコンベヤは、仕分け部材が第1姿勢をとるときのひ
き材の残材側、第2姿勢をとるときの製品側と残材側と
を製材機の前方に自動的に送り返すことができる。
上下に開閉する遮蔽板を戻りコンベヤに設けるとき
は、遮蔽板は、下方に低く閉じて戻りコンベヤを覆うこ
とができるので、仕分け部材の第1仕分け面に支承され
た端材を遮蔽板上に排出し、、次いで、遮蔽板を上方に
高く開くことにより、戻りコンベヤを越えて端材を所定
の廃棄位置に排出することができる。なお、ひき材を残
材側が端材となるときは、遮蔽板を閉じるとともに仕分
け部材を第1姿勢にすることにより、同様にして端材の
廃棄動作を実現することができる。
ひき材テーブルを前後動可能にすれば、製材機から排
出されるひき材を確実にひき材仕分け装置側に引き離
し、仕分け動作を一層円滑にすることができる。
実施例 以下、図面を以って実施例を説明する。
ひき材仕分け装置は、製品側天板11と残材側天板12と
からなるひき材テーブル10を備えてなり(第1図)、送
材装置Hを備える自動帯のこ盤Sの後方に配置される。
ただし、自動帯のこ盤Sは、丸のこ盤を含む任意の形式
の製材機であってよい。
自動帯のこ盤Sは、帯のこS1と、帯のこS1の両側の送
材用キャタピラS2、S2とを備えており、帯のこS1によ
り、同図の矢印A方向に供給される原木を挽き割ること
ができる。また、送材装置Hは、送りローラH1、H1を有
し、送材用キャタピラS2、S2、送りローラH1、H1を介
し、帯のこS1によって挽き割られれるひき材を搬送して
ひき材テーブル10上に排出することができる。
ひき材テーブル10は、ヒンジ軸13を介し、製品側天板
11、残材側天板12をヒンジ結合して構成されている(第
2図)。
製品側天板11は、複数のブラケット11a、11a…を介
し、軸11bのまわりに上下に回動可能である。また、ブ
ラケット11a、11a…は、軸11bの軸方向に摺動自在であ
る。軸11bは、軸11cを中心に左右に揺動可能なサポート
ロッド11d,11d…によって支持されている。軸11cは、軸
受11e、11e…を介し、ベース部材21上に軸架されてい
る。ただし、第2図において、ブラケット11a、11a…、
サポートロッド11d、11d…、軸受11e…、11e…は、それ
ぞれの各1個のみが図示されている。なお、各サポート
ロッド11dには、ストッパ11d1が付設されている。
残材側天板12は、ブラケット12a、12aを介し、軸12b
のまわりに上下に回動可能である(第2図、第3図)。
ブラケット12a、12aは、軸12bの軸方向に摺動可能であ
り、軸12bは、軸受12c、12c…を介し、フレーム部材22
上に軸架されている。
残材側天板12の裏面には、ガイドレール14が付設され
ている。ガイドレール14は、ひき材テーブル10の中央部
より配置されており、ガイドローラ15、15が転動自在に
収納されている。ガイドローラ15、15は、ローラフレー
ム15aに軸着され、ローラフレーム15aは、ブラケット15
b、軸受15c、15cを介し、軸12bのまわりに回動自在であ
る。ローラフレーム15aは、別のブラケット15d、連結ピ
ン15eを介し、折曲げ用のシリンダ15fに連結されてい
る。
フレーム部材22には、前後動用のシリンダ16が組み込
まれている。シリンダ16は、ブラケット16a、12aを介
し、残材側天板12に連結されている。ただし、ブラケッ
ト16aは、ブラケット12aを前後方向に挾み込むフォーク
形に形成され、軸12bに対し、軸方向に摺動自在に装着
されている。
軸12bの両端部には、上向きの補助ローラ12d、12dが
装着され、補助ローラ12d、12dは、補助レール12e、12e
を介して残材側天板12を前後動自在に支承している。な
お、軸11bの両端部にも、図示しない同様の補助ローラ
が装着され、製品側天板11を支承しているものとする。
ひき材テーブル10は、シリンダ15fを短縮するとき、
製品側天板11、残材側天板12が水平となり、全体として
水平姿勢をとることができる(第2図の実線)。このと
き、製品側天板11と残材側天板12との境界線10aは、完
全に閉じるものとする。シリンダ15fを伸長すると、ひ
き材テーブル10は、中央部が上方に突き上げられ、サポ
ートロッド11d、11d…は、第2図において軸11cを中心
に反時計方向に揺動する。同時に、製品側天板11、残材
側天板12は、ヒンジ軸13を中心にして折り曲げられ、ひ
き材テーブル10は、上方に山形に折り曲げる折曲げ姿勢
をとることができる(同図の二点鎖線)。なお、このと
きの製品側天板11の回動中心は、サポートロッド11d、1
1d…を介して中央部よりに移動する軸11bであり、残材
側天板12の回動中心は、固定の軸12bである。
シリンダ16を伸縮すると、ひき材テーブル10は、その
ストロークに応じて前後動する(第3図の実線と二点鎖
線)。このとき、ひき材テーブル10は、ブラケット11
a、11a…、12a、12aが軸11b、12bの軸方向に摺動し、ガ
イドレール14は、ガイドローラ15、15に対して前後に相
対移動する。一方、シリンダ15fの突上げ力は、ローラ
ブラケット15a、ガイドローラ15、15、ガイドレール14
を介して残材側天板12に伝達されるから、シリンダ15f
による折曲げ運動、シリンダ16による前後動運動は、互
いに独立に並行して行うことができる。
ヒンジ軸13には、扇形の仕分け部材41、41…が固定さ
れている(第4図)。仕分け部材41、41…は、1枚がひ
き材テーブル10の最前部に露出して取り付けられてお
り、その他のものは、ひき材テーブル10の前部から後部
にかけて適当な間隔ごとに配列されている。ひき材テー
ブル10には、各仕分け部材41に対応して、仕分け部材41
を突出させるスリット10b,10b…が形成されている(第
4図、第1図)。
各仕分け部材41の頂角は、ひき材テーブル10が山形の
折曲げ姿勢をとるときの製品側天板11、残材側天板12の
相対角度(以下、ひき材テーブル10の折曲げ角度とい
う)と同等に設定されている。また、各仕分け部材41
は、製品側天板11側の第1仕分け面41a、残材側天板12
側の第2仕分け面41bが頂角の両側に形成されている。
ヒンジ軸13の後端部には、レバー42、43が回動自在に
装着されている。レバー42、43は、それぞれシリンダ42
a、43aを介し、製品側天板11、残材側天板12の後端部に
付設するブラケット42b、43bに個別に連結されている。
なお、シリンダ43aは、両軸形のダブルシリンダであ
り、その伸縮ストロークは、伸長状態と短縮状態との他
に、中間状態をとり得るものとする。
レバー42、43には、それぞれ小ストロークのシリンダ
42c、43cが付設されている(第5図)。シリンダ42c、4
3cのロッドは、それぞれガイドロック42d、43dを摺動自
在に貫通し、ヒンジ軸13に回動不能に装着するプッシュ
42e、43eの孔42f、43fに突入させることができる。すな
わち、シリンダ42c、43cを伸長すると、レバー42、43
は、シリンダ42c、43cのロッドとプッシュ42e、43eを介
してヒンジ軸13に連結され、シリンダ42c、43cを短縮す
れば、両者の連結を断つことができる。すなわち、製品
側天板11、残材側天板12は、それぞれブラケット42b、4
3b、シリンダ42a、43a、レバー42、43、シリンダ42c、4
3cを介し、ヒンジ軸13に対して個別に連結することがで
き、したがって、ヒンジ軸13に固定する仕分け部材41、
41…は、製品側天板11、残材側天板12の一方に対し、選
択的に連動させることができる。
ヒンジ軸13の最後端部には、さらに一対の屈曲レバー
44、45が回動自在に装着され(第1図、第6図)、それ
ぞれシリンダ44a、45aを介してブラケット42b,43bに連
結されている。屈曲レバー44、45は、シリンダ44a、45a
を伸縮させることにより、水平姿勢(第1図)と、傾斜
姿勢(第6図)とをとることができる。
ひき材テーブル10の残材側には、戻りコンベヤC1、C2
は配設されており、第1図の矢印B、B方向に駆動され
ている。戻りコンベヤC1の上方には、ひき材テーブル10
のほぼ全長に亘る遮蔽板51が付設され、遮蔽板51は、シ
リンダ51aを介し、軸51bを中心に上下に開閉することが
できる(第1図の実線の二点鎖線)。
かかるひき材仕分け装置は、自動帯のこ盤Sによって
挽き割られるひき材がひき材テーブル10上に排出される
とき、2分割されたひき材の製品側と残材側とがそれぞ
れひき材テーブル10の製品側天板11、残材側天板12上に
正しく位置するように、ひき材テーブル10の境界線10a
を帯のこS1の後方に位置決めして設置する。
ひき材テーブル10を後退限に待機させ、第1図の矢印
A方向に原木を供給し、自動帯のこ盤Sから排出される
ひき材のほぼ全長がひき材テーブル10上に移行したと
き、シリンダ16を伸長してひき材テーブル10を前進させ
ると、ひき材の後端部を自動帯のこ盤S、送材装置Hか
ら引き離すことができる。そこで、これと並行して、シ
リンダ15fを伸長してひき材テーブル10を山形の折曲げ
姿勢に駆動すると、ひき材の製品側と残材側とは、それ
ぞれひき材テーブル10の製品側、残材側に仕分けするこ
とができる。
すなわち、ひき材の製品側は、ひき材テーブル10の製
品側に排出される(第7図(A)の矢印K1方向)。一
方、ひき材の残材側は、ひき材テーブル10の残材側に排
出され(同図の矢印K2方向)、戻りコンベヤC1上に落下
するから、そのまま自動的に自動帯のこ盤Sの前方に戻
され、次の挽割り工程に付すことができる。なお、この
とき、戻りコンベヤC1上の遮蔽板51は、上方に高く開い
ておくものとする。また、このようにして1回の挽割り
工程が完了したら、ひき材テーブル10を後退限まで後退
させるとともに水平姿勢に復帰して待機する。
このように、ひき材をひき材テーブル10の製品側、残
材側に仕分けるとき、仕分け部材41、41…は、ひき材テ
ーブル10の水平姿勢、折曲げ姿勢に拘らず、その全体が
ひき材テーブル10の下方に位置する第1姿勢をとる(第
7図(B)、(A))。そのためには、シリンダ42cを
短縮してレバー42、ヒンジ軸13の連結を断つとともに
(同図(C))、シリンダ43cを伸長してレバー43、ヒ
ンジ軸13を連結し、シリンダ43aを短縮することにより
(同図(D))、各仕分け部材41の第2仕分け面41bを
残材側天板12とほぼ平行にする。(同図(B))。ひき
材テーブル10を水平姿勢から折曲げ姿勢に駆動すると、
シリンダ43aを介して残材側天板12、レバー43が連結さ
れているため、仕分け部材41は、残材側天板12に連動す
る(同図(A))。しかも、仕分け部材41の頂角は、折
曲げ姿勢におけるひき材テーブル10の折曲げ角度とほぼ
等しいので、このとき仕分け部材41は、ひき材テーブル
10と上方に突出することがなく、ひき材の仕分け動作に
全く関与しない。
ひき材の製品側と残材側とを一括してひき材テーブル
10の残材側に排出するには、各仕分け部材41を第2姿勢
におく(第8図)。ただし、第2姿勢とは、ひき材テー
ブル10が水平姿勢をとるとき、仕分け部材41の全体がひ
き材テーブル10の下方にあり(同図(B))、ひき材テ
ーブル10が折曲げ姿勢をとるとき、第1仕分け面41a
が,残材側天板12と同方向の傾斜で製品側天板11の上方
に突出する姿勢をいう(同図(A))。
仕分け部材41が第2姿勢をとるためには、シリンダ43
cを伸長してレバー43、ヒンジ軸13を連結するととも
に、シリンダ43aを伸長し(同図(D))、シリンダ42c
を短縮してレバー42、ヒンジ軸13の連結を断つ。なお、
シリンダ43aは、第1仕分け面41aが、製品側天板11の側
にあって、しかも、残材側天板12とほぼ平行となるよう
に、その伸長ストロークが設定されている。仕分け部材
41は、ひき材テーブル10の姿勢に拘らず、残材側天板12
に連動するから、ひき材テーブル10を折曲げることによ
り、製品側天板11上に突出させることができる。なお、
このときの遮蔽板51は、上方に高く開いておき(同図
(A))、ひき材の製品側、残材側の双方を戻りコンベ
ヤC1上に排出させる(同図の矢印K1、K2方向)。
各仕分け部材41を第3姿勢に変更すれば、ひき材の製
品側と残材側との双方を一括してひき材テーブル10の製
品側に排出することができる(第9図)。第3姿勢にお
いて、仕分け部材41は、ひき材テーブル10が水平姿勢の
とき、第2仕分け面41bが製品側天板11とほぼ平行の状
態で、その全体がひき材テーブル10の下方に位置し(同
図(B))、折曲げ姿勢のとき、第2仕分け面41bが、
製品側天板11と同方向の傾斜で残材側天板12の上方に突
出する(同図(A))。
第3姿勢を実現するには、シリンダ42cを伸長してレ
バー42、ヒンジ軸13を連結するとともに、シリンダ42a
を伸長し(同図(C))、シリンダ43cを短縮してレバ
ー43、ヒンジ軸13の連結を断つ(同図(D))。これに
より、仕分け部材41を製品側天板11に連動させることが
できる。なお、このときも、遮蔽板51は、上方に高く開
いておけばよい(同図(A))。
仕分け部材41を第4姿勢におくことにより、ひき材の
製品側に発生する端材の排出が可能である(第10図)。
第4姿勢において、各仕分け部材41は、水平姿勢のひき
材テーブル10の下方に全体が位置するとともに(同図
(B))、折曲げ姿勢のそれに対し、第1仕分け面41a
が製品側天板11上に水平に突出する(同図(A))。
遮蔽板51を上方に高く開いてひき材テーブル10を折曲
げることにより、ひき材の残材側の戻りコンベヤC1上に
排出するとともに(同図(A))の矢印K2方向)、製品
側を仕分け部材41の第1仕分け面41aに支承する。つづ
いて、遮蔽板51を戻りコンベヤC1上に低く閉じて、仕分
け部材41を第2姿勢に変更すれば(同図(E))、第1
仕分け面41a上のひき材の製品側(端材)を遮蔽板51上
に排出することができるから(同図の矢印K3方向)、そ
の後、遮蔽板51を高く開くことにより、端材を所定の廃
棄位置に排出することができる(同図の矢印K4方向)。
第4姿勢は、シリンダ43cを介してレバー43、ヒンジ
軸13を連結するとともに、シリンダ43aを中間状態とし
(同図(D))、シリンダ42cを介してレバー42、ヒン
ジ軸13の連結を断てばよい(同図(C))。また、仕分
け部材41を第4姿勢から第2姿勢に姿勢変更するには、
シリンダ43aを中間状態から伸長させればよい(同図
(D)、(H))。
各仕分け部材41を第1姿勢におくとともに、遮蔽板51
を使用すれば、ひき材の残材側に生じる端材の排出が可
能である(第11図)。
まず、遮蔽板51を戻りコンベヤ51上に低く閉じ、ひき
材テーブル10を折り曲げれば、ひき材を製品側を排出す
るとともに(同図(A)の矢印K1方向)、残材側(端
材)を遮蔽板51上に排出することができるから(同図の
矢印K3方向)、その後、遮蔽板51を高く開くことによ
り、端材を所定の廃棄位置に排出することができる(同
図の矢印K4方向)。
なお、ひき材テーブル10の後端部の屈曲レバー44、45
は、ひき材テーブル10の後端にまで到達するような長尺
をひき材を処理するとき、これらを傾斜位置に起立させ
ることにより(第6図)、ひき材の製品側、残材側をひ
き材テーブル10の中央部に強制的に揃えなおし、ひき材
テーブル10の折曲げに伴う仕分け動作を一層確実にする
ことができる。
仕分け部材41、41…は、ヒンジ軸13上に同一の傾きで
固定されており、シリンダ42c、43c、レバー42、43を介
して製品側天板11、残材側天板12の一方に対して選択的
に連動させ、シリンダ42a、43a、レバー42、43を介して
ヒンジ軸13を回転駆動することにより、製品側天板11ま
たは残材側天板12に対し、一括して所定の相対角度に設
定することができる。なお、仕分け部材41、41…は、ひ
き材を処理するための第1、第2仕分け面41a、41bを有
する限り、その全体形状を任意に変形することができ
る。また、その駆動機構も、たとえばラックピニオン機
構や電気式サーボモータ等の任意の形式のものを使用し
てよい。
発明の効果 以上説明したように、この発明によれば、山形に折曲
げ可能なひき材テーブルと、第1仕分け面、第2仕分け
面を有する仕分け部材とを組み合わせることによって、
仕分け部材は、その姿勢を変更することにより、ひき材
の製品側と残材側とを必要に応じてひき材テーブルの製
品側、残材側に仕分けて排出し、また、その任意の側に
一括して排出することができるから、ひき材を挽き割る
に際し、製品と残材とを得る場合、ひき材の両側が残材
となる場合、ひき材の両側が製品となる場合のいずれの
場合にも適確に対応することができるという優れた効果
がある。
なお、遮蔽板付きの戻りコンベアを付設するととも
に、仕分け部材によりひき材の製品側を一時的に支承す
ることによって、ひき材のいずれの側が端材となる場合
であっても、端材の分離排出が可能になるという優れた
効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第11図は実施例を示し、第1図は全体構成
斜視説明図、第2図は第1図のX−X線矢視相当断面説
明図、第3図は第1図のY矢視相当要部側面説明図、第
4図は要部斜視説明図、第5図は要部組立説明図、第6
図は第1図のZ矢視相当図、第7図(A)ないし
(D)、第8図(A)ないし(D)、第9図(A)ない
し(D)、第10図(A)ないし(H)、第11図(A)な
いし(D)は、いずれも動作状態説明図である。 C1……戻りコンベヤ 10……ひき材テーブル 11……製品側天板 12……残材側天板 13……ヒンジ軸 15f……シリンダ 41……仕分け部材 41a……第1仕分け面 41b……第2仕分け面 42、43……レバー 42a、43a……シリンダ 51……遮蔽板

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒンジ軸を介して製品側天板、残材側天板
    をヒンジ結合するひき材テーブルと、該ひき材テーブル
    を山形に折り曲げるシリンダと、前記ひき材テーブルの
    製品側の第1仕分け面と残材側の第2仕分け面とを有す
    る仕分け部材とを備えてなり、該仕分け部材は、前記製
    品側天板、残材側天板の一方に対し、所定の相対角度に
    設定して選択的に連動させ、前記第1仕分け面、第2仕
    分け面を前記製品側天板、残材側天板上に選択的に突出
    させることを特徴とするひき材仕分け装置。
  2. 【請求項2】前記仕分け部材は、前記ヒンジ軸に固定
    し、前記製品側天板、残材側天板は、それぞれシリンダ
    と、前記ヒンジ軸に固定可能なレバーとを介して前記ヒ
    ンジ軸に個別に連結することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のひき材仕分け装置。
  3. 【請求項3】前記ひき材テーブルの残材側に戻りコンベ
    ヤを付設することを特徴とする特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項記載のひき材仕分け装置。
  4. 【請求項4】前記ひき材テーブルの残材側に戻りコンベ
    ヤを付設し、該戻りコンベヤは、上下に開閉する遮蔽板
    を備えることを特徴とする特許請求の範囲第1項または
    第2項記載のひき材仕分け装置。
  5. 【請求項5】前記ひき材テーブルは、ひき材の進行方向
    に前後動可能であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項ないし第4項のいずれか記載のひき材仕分け装置。
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