JP2792080B2 - 酸素センサ - Google Patents
酸素センサInfo
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- JP2792080B2 JP2792080B2 JP1043167A JP4316789A JP2792080B2 JP 2792080 B2 JP2792080 B2 JP 2792080B2 JP 1043167 A JP1043167 A JP 1043167A JP 4316789 A JP4316789 A JP 4316789A JP 2792080 B2 JP2792080 B2 JP 2792080B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は内燃機関において酸素濃度を検出するのに
利用することができる限界電流型の酸素センサに関す
る。
利用することができる限界電流型の酸素センサに関す
る。
〔従来の技術〕 最も通常の酸素センサはジルコニア等の固体電解質本
体を具備した所謂酸素濃淡電池型のものであって、この
タイプの酸素センサは化学的当量に相当する空燃比より
リッチ側で発生する起電力を検出するものである。した
がって、このタイプの酸素センサにおいては起電力があ
るかないか、即ち理論空燃比よりリッチかリーンかとい
うことしか検出できない。そこで、リッチからリーンに
わたる広範囲の空燃比の検出を可能とした所謂限界電流
型の酸素センサが提案されている。この限界電流型の酸
素センサは、多孔質により形成される拡散律速層を、固
体電解質本体上に形成される電極の回りに形成してい
る。電極に電圧を印加したときに固体電解質本体を流れ
る電流は拡散律速層を通る酸素イオン拡散速度によって
制限され、そのため電極間の電流特性が飽和する印加電
圧が存在している。そして、この飽和電流値(所謂限界
電流)は酸素濃度に対して一定の比例的関係にある。そ
こで、各酸素濃度にわたって限界電流の値線関係を維持
する一定の起電力を維持するように、電極に加わる電流
(ポンプ電流)を制御し、その電流値より酸素濃度を知
るものが提案されている。
体を具備した所謂酸素濃淡電池型のものであって、この
タイプの酸素センサは化学的当量に相当する空燃比より
リッチ側で発生する起電力を検出するものである。した
がって、このタイプの酸素センサにおいては起電力があ
るかないか、即ち理論空燃比よりリッチかリーンかとい
うことしか検出できない。そこで、リッチからリーンに
わたる広範囲の空燃比の検出を可能とした所謂限界電流
型の酸素センサが提案されている。この限界電流型の酸
素センサは、多孔質により形成される拡散律速層を、固
体電解質本体上に形成される電極の回りに形成してい
る。電極に電圧を印加したときに固体電解質本体を流れ
る電流は拡散律速層を通る酸素イオン拡散速度によって
制限され、そのため電極間の電流特性が飽和する印加電
圧が存在している。そして、この飽和電流値(所謂限界
電流)は酸素濃度に対して一定の比例的関係にある。そ
こで、各酸素濃度にわたって限界電流の値線関係を維持
する一定の起電力を維持するように、電極に加わる電流
(ポンプ電流)を制御し、その電流値より酸素濃度を知
るものが提案されている。
ところが、この拡散律速層を多孔質によって構成した
限界電流型の酸素センサでは拡散速度は強い温度依存性
を持っており、酸素濃度の検出用として機能させるため
には精度の高い温度補償回路が必須となり、構成的に複
雑となる問題がある。
限界電流型の酸素センサでは拡散速度は強い温度依存性
を持っており、酸素濃度の検出用として機能させるため
には精度の高い温度補償回路が必須となり、構成的に複
雑となる問題がある。
そこで、この点を解消するものとして、ピンホール型
の拡散律速層を具備した限界電流型の酸素センサが提案
されている。たとえば、特開昭56−130649号参照。この
ピンホール型の拡散律速層を具備した酸素センサでは、
固体電解質本体の片面に拡散空間が設けられ、この拡散
空間はピンホールを介して非検出ガスと連通している。
このピンホールはピンホールを挟んだ被検出ガス側の酸
素濃度が空間内の酸素濃度と等しくなる傾向を持つよう
にピンホールを通しての酸素イオンの拡散速度をコント
ロールする。そして、ピンホールを通してこの拡散(所
謂分子拡散)は、従来型の多孔質を通しての拡散(所謂
クヌーセン拡散)と違ってその拡散が温度因子の影響が
弱い。そのため、簡単な温度補償回路によって精度の高
い酸素濃度の計測が可能であるという利点がある。
の拡散律速層を具備した限界電流型の酸素センサが提案
されている。たとえば、特開昭56−130649号参照。この
ピンホール型の拡散律速層を具備した酸素センサでは、
固体電解質本体の片面に拡散空間が設けられ、この拡散
空間はピンホールを介して非検出ガスと連通している。
このピンホールはピンホールを挟んだ被検出ガス側の酸
素濃度が空間内の酸素濃度と等しくなる傾向を持つよう
にピンホールを通しての酸素イオンの拡散速度をコント
ロールする。そして、ピンホールを通してこの拡散(所
謂分子拡散)は、従来型の多孔質を通しての拡散(所謂
クヌーセン拡散)と違ってその拡散が温度因子の影響が
弱い。そのため、簡単な温度補償回路によって精度の高
い酸素濃度の計測が可能であるという利点がある。
ところが、ピンホール型拡散原理による酸素センサで
は、その拡散速度が圧力因子の影響を強く受ける。その
ため、内燃機関の吸気管のように被検出ガスの圧力に脈
動がある場合はその影響によって酸素濃度の検出精度が
影響を受ける。即ち、圧力に脈動があった場合に圧力は
上昇(加圧)又は加工(減圧)し、それに応じて酸素分
子はピンホールを介して空間に流入又は空間から流出す
る。ところが、酸素分子の流入速度と流出速度とは同一
ではなく、加圧により空間に酸素分子が流入する速度が
減圧により空間から酸素分子が流出する速度より高い。
即ち、流入と流出の収支を見ると酸素の流入が多いの
で、その分電流が増える。即ち、同一の酸素濃度である
にも係わらず、動圧時の出力値が静圧時における出力値
より高くなりこの分精度が悪化することになる。
は、その拡散速度が圧力因子の影響を強く受ける。その
ため、内燃機関の吸気管のように被検出ガスの圧力に脈
動がある場合はその影響によって酸素濃度の検出精度が
影響を受ける。即ち、圧力に脈動があった場合に圧力は
上昇(加圧)又は加工(減圧)し、それに応じて酸素分
子はピンホールを介して空間に流入又は空間から流出す
る。ところが、酸素分子の流入速度と流出速度とは同一
ではなく、加圧により空間に酸素分子が流入する速度が
減圧により空間から酸素分子が流出する速度より高い。
即ち、流入と流出の収支を見ると酸素の流入が多いの
で、その分電流が増える。即ち、同一の酸素濃度である
にも係わらず、動圧時の出力値が静圧時における出力値
より高くなりこの分精度が悪化することになる。
この発明は、圧力脈動の影響を受けないピンホール拡
散原理による酸素センサを提供することを目的とする。
散原理による酸素センサを提供することを目的とする。
この発明によれば、固体電解質本体、該固体電解質の
片面に設けられた拡散空間、該拡散空間に面するように
前記固体電解質本体に設けられるセンサセル及びポンプ
セルを有した電極手段、拡散空間を形成する壁面に形成
される、拡散律速手段としてのピンホールを具備した酸
素センサにおいて、被検出ガス側と前記空間との間の圧
力均衡用のオリフィス手段を有したことを特徴とする酸
素センサが提供される。
片面に設けられた拡散空間、該拡散空間に面するように
前記固体電解質本体に設けられるセンサセル及びポンプ
セルを有した電極手段、拡散空間を形成する壁面に形成
される、拡散律速手段としてのピンホールを具備した酸
素センサにおいて、被検出ガス側と前記空間との間の圧
力均衡用のオリフィス手段を有したことを特徴とする酸
素センサが提供される。
吸気管に圧力脈動があった場合にその圧力変化はオリ
フィス手段を介して即座に空間に伝達される。そのた
め、ピンホールの内と外との圧力差は脈動に係わらず発
生することがなく、脈動があってもピンホールを通して
の酸素分子の流入、流出速度の均衡化が実現される。
フィス手段を介して即座に空間に伝達される。そのた
め、ピンホールの内と外との圧力差は脈動に係わらず発
生することがなく、脈動があってもピンホールを通して
の酸素分子の流入、流出速度の均衡化が実現される。
第1図は内燃機関の吸気管に設置されるこの発明の酸
素センサを概略的に示す。10は安定化ジルコニア等の固
体電解質より構成される本体で、その上にスペーサ12を
介してオリフィスプレート14が固定され、これらの本体
10と、スペーサ12と、プレート14との間に拡散空間16が
形成される。この実施例では電極手段は2対の電極18a,
18bと,20a,20bとによって構成され、固体電解質本体10
の両面に形成される。後述のように電極18a,18bがセン
サセルを構成し、電極20a,20bとがポンプセルを構成す
る。オリフィスプレート14の中央にピンホール22が穿設
される。この発明の実施例によれば、後述のように、オ
リフィスプレート14は焼結アルミナを焼結してなる多孔
構造をなしている。このピンホール22は拡散空間16を被
検出ガス側の吸気管内空間23に連通させるためのもの
で、所謂分子拡散原理による拡散を惹起させ、このとき
ポンプセル20を流れる限界電流によりり酸素濃度を検出
するものである。この分子拡散型の拡散ではピンホール
22を通過する酸素分子同士が衝突することにより拡散の
律速が行われるものであり、この律速を行うためのピン
ホールの孔径は0.1mmから0.8mmのオーダーであり、多孔
質により通常のクヌッセン型の拡散における個々の孔径
が500Åから1500Åのオーダーであるのと対比される。
後者のクヌッセン型の拡散は酸素分子は孔の壁面に衝突
しながら行われるとされており、両者は拡散のメカニズ
ムが全然相違しているものである。ピンホール型による
検出原理を説明するとセンサセル18の起電力VEは、 VE=(1/K)×1n(PO2I/PO2C) (1) ここに、 PO2I:吸気管内のガスの酸素分圧 PO2C:拡散空間16内のガスの酸素分圧 K=(4×F/(R×T)) F:ファラデー定数 R:ガス定数 T:素子温度 によって現される。(1)式を全圧を考慮して変形する
と、 VE=(1/K)×1n(PO2I/PI)/(PO2C/PC) (2) によって現され、ここにP1は吸気管の全圧であり、PCは
拡散空間の全圧である。一方、ポンプセル20を流れる限
界電流は、ピンホール22によって律速されるO2量によっ
てFickの法則下で支配され、 IP=K×D×(I/1)×(PO2−PO2C) (3) ここに、 D:O2拡散定数 S:ピンホール径 1:ピンホール長さ によっ算出される。(1)式より PO2C=PO2I×exp(−K×VE) (4) が得られる。(4)式を(3)式に代入すると、 IP=K×D×(S/1)×PO2I ×(1−exp(−K×VE)) (5) が得られる。然るに、Kは温度Tに反比例し、一方拡散
係数Dは全圧PIに反比例する。従って、温度T及び電圧
VEを一定に維持しておけば、 IP∝PO2I/PI (6) となり、限界電流を分圧と全圧との比、即ち酸素濃度だ
けに依存させることができる。即ち、第2図は電圧Vと
電流Iとの間の関係を色々な酸素濃度について示すもの
であり、各酸素濃度において電圧が係わらず電流が飽和
する領域があり、この飽和電流が限界電流であり、これ
は各酸素濃度に対して一定の関係を持っている(第3図
参照)。従って、各酸素濃度において、飽和領域を通過
する電圧V=VEに維持し、その際の電流を計測すること
により酸素濃度を知ることができる。そして、これは
(6)式について説明したことから分かる通り吸気管圧
力の依存性がないという好ましい特性を具備している。
素センサを概略的に示す。10は安定化ジルコニア等の固
体電解質より構成される本体で、その上にスペーサ12を
介してオリフィスプレート14が固定され、これらの本体
10と、スペーサ12と、プレート14との間に拡散空間16が
形成される。この実施例では電極手段は2対の電極18a,
18bと,20a,20bとによって構成され、固体電解質本体10
の両面に形成される。後述のように電極18a,18bがセン
サセルを構成し、電極20a,20bとがポンプセルを構成す
る。オリフィスプレート14の中央にピンホール22が穿設
される。この発明の実施例によれば、後述のように、オ
リフィスプレート14は焼結アルミナを焼結してなる多孔
構造をなしている。このピンホール22は拡散空間16を被
検出ガス側の吸気管内空間23に連通させるためのもの
で、所謂分子拡散原理による拡散を惹起させ、このとき
ポンプセル20を流れる限界電流によりり酸素濃度を検出
するものである。この分子拡散型の拡散ではピンホール
22を通過する酸素分子同士が衝突することにより拡散の
律速が行われるものであり、この律速を行うためのピン
ホールの孔径は0.1mmから0.8mmのオーダーであり、多孔
質により通常のクヌッセン型の拡散における個々の孔径
が500Åから1500Åのオーダーであるのと対比される。
後者のクヌッセン型の拡散は酸素分子は孔の壁面に衝突
しながら行われるとされており、両者は拡散のメカニズ
ムが全然相違しているものである。ピンホール型による
検出原理を説明するとセンサセル18の起電力VEは、 VE=(1/K)×1n(PO2I/PO2C) (1) ここに、 PO2I:吸気管内のガスの酸素分圧 PO2C:拡散空間16内のガスの酸素分圧 K=(4×F/(R×T)) F:ファラデー定数 R:ガス定数 T:素子温度 によって現される。(1)式を全圧を考慮して変形する
と、 VE=(1/K)×1n(PO2I/PI)/(PO2C/PC) (2) によって現され、ここにP1は吸気管の全圧であり、PCは
拡散空間の全圧である。一方、ポンプセル20を流れる限
界電流は、ピンホール22によって律速されるO2量によっ
てFickの法則下で支配され、 IP=K×D×(I/1)×(PO2−PO2C) (3) ここに、 D:O2拡散定数 S:ピンホール径 1:ピンホール長さ によっ算出される。(1)式より PO2C=PO2I×exp(−K×VE) (4) が得られる。(4)式を(3)式に代入すると、 IP=K×D×(S/1)×PO2I ×(1−exp(−K×VE)) (5) が得られる。然るに、Kは温度Tに反比例し、一方拡散
係数Dは全圧PIに反比例する。従って、温度T及び電圧
VEを一定に維持しておけば、 IP∝PO2I/PI (6) となり、限界電流を分圧と全圧との比、即ち酸素濃度だ
けに依存させることができる。即ち、第2図は電圧Vと
電流Iとの間の関係を色々な酸素濃度について示すもの
であり、各酸素濃度において電圧が係わらず電流が飽和
する領域があり、この飽和電流が限界電流であり、これ
は各酸素濃度に対して一定の関係を持っている(第3図
参照)。従って、各酸素濃度において、飽和領域を通過
する電圧V=VEに維持し、その際の電流を計測すること
により酸素濃度を知ることができる。そして、これは
(6)式について説明したことから分かる通り吸気管圧
力の依存性がないという好ましい特性を具備している。
ところが、以上のセンサを実際に内燃機関に配置し、
酸素濃度の検出に使用する場合においては吸気管におけ
る動圧(吸気管内の圧力脈動)の影響を受け、これが精
度を悪化させる原因となる。即ち、ピンホール型を拡散
原理を達成するためピンホール径には上限がある。ピン
ホール径に上限があることから、吸気管の圧力が脈動に
よって変化した場合にそれが拡散空間に即座に伝達され
ない。例えば(2)式において、吸気管側の圧力P1が脈
動によって変化した場合、拡散空間16内の酸素分子濃度
は即座には変化しない。そのため、吸気管側の濃度PO2I
/PIと拡散空間側の濃度PO2C/PCとのバランスは暫時崩れ
る結果となり、その分電圧VEが変化し、これは電流を変
化させ、検出値が影響を受けることになる。即ち、ピン
ホール型のセンサでは圧力が即座に伝わらないことから
濃度の応答性が不良であるのである。たとえば、吸気管
内のO2濃度が20%から16%に変化したとするとその変化
が完了するのに0.1−0.2秒の時間を要するといわれてい
る。第4図の破線は従来技術における吸気管圧力脈動Δ
Pと電流Iとの関係を模式的に示すものである。圧力駆
動に電流が依存するため正確な酸素濃度を検出すること
ができず、また内燃機関がEGR装置を備えたものである
場合に、検出した酸素濃度からEGR率を正確に計測しえ
ない。
酸素濃度の検出に使用する場合においては吸気管におけ
る動圧(吸気管内の圧力脈動)の影響を受け、これが精
度を悪化させる原因となる。即ち、ピンホール型を拡散
原理を達成するためピンホール径には上限がある。ピン
ホール径に上限があることから、吸気管の圧力が脈動に
よって変化した場合にそれが拡散空間に即座に伝達され
ない。例えば(2)式において、吸気管側の圧力P1が脈
動によって変化した場合、拡散空間16内の酸素分子濃度
は即座には変化しない。そのため、吸気管側の濃度PO2I
/PIと拡散空間側の濃度PO2C/PCとのバランスは暫時崩れ
る結果となり、その分電圧VEが変化し、これは電流を変
化させ、検出値が影響を受けることになる。即ち、ピン
ホール型のセンサでは圧力が即座に伝わらないことから
濃度の応答性が不良であるのである。たとえば、吸気管
内のO2濃度が20%から16%に変化したとするとその変化
が完了するのに0.1−0.2秒の時間を要するといわれてい
る。第4図の破線は従来技術における吸気管圧力脈動Δ
Pと電流Iとの関係を模式的に示すものである。圧力駆
動に電流が依存するため正確な酸素濃度を検出すること
ができず、また内燃機関がEGR装置を備えたものである
場合に、検出した酸素濃度からEGR率を正確に計測しえ
ない。
この発明では、拡散空間内の圧力が被検出ガスの圧力
と即座に平衡するように、ピンホール型拡散に影響を与
えない範囲でなるべく大きい孔を設けたことを特徴とす
るものである。この発明によれば、吸気管の圧力脈動に
よる検出誤差を解消する手段として、第1図の第1の実
施例ではオリフィスプレート14はアルミナの焼結により
多孔質により構成され、その径がピンホール径より一桁
ないし二桁小さい、たとえば1000Åの細孔が多数形成さ
れる。個々の孔径はごく小さいが、総和ではピンホール
の孔径の、例えば、10-2%となっており、この小孔はピ
ンホール型拡散原理には全然影響を及ぼすことなく吸気
管の圧力脈動があるとこれを即座に拡散空間16に伝達す
ることができる。このような孔径を設定することにより
圧力伝達に関しては0.1−0.2秒から10−30m秒に改善す
ることができ、そのため、吸気管圧力の脈動があっても
拡散空間の酸素濃度を吸気管の酸素濃度に即座に追従さ
せることができ、脈動の影響を遮断することができる。
第4図の実際はこの発明における吸気管圧力脈動ΔPの
電流に対する関係を模式的に示すものであり、脈動の影
響を受けないことが分かる。また、第5図はERG率と電
流との関係であり、ERG率を正確に検出することができ
る。
と即座に平衡するように、ピンホール型拡散に影響を与
えない範囲でなるべく大きい孔を設けたことを特徴とす
るものである。この発明によれば、吸気管の圧力脈動に
よる検出誤差を解消する手段として、第1図の第1の実
施例ではオリフィスプレート14はアルミナの焼結により
多孔質により構成され、その径がピンホール径より一桁
ないし二桁小さい、たとえば1000Åの細孔が多数形成さ
れる。個々の孔径はごく小さいが、総和ではピンホール
の孔径の、例えば、10-2%となっており、この小孔はピ
ンホール型拡散原理には全然影響を及ぼすことなく吸気
管の圧力脈動があるとこれを即座に拡散空間16に伝達す
ることができる。このような孔径を設定することにより
圧力伝達に関しては0.1−0.2秒から10−30m秒に改善す
ることができ、そのため、吸気管圧力の脈動があっても
拡散空間の酸素濃度を吸気管の酸素濃度に即座に追従さ
せることができ、脈動の影響を遮断することができる。
第4図の実際はこの発明における吸気管圧力脈動ΔPの
電流に対する関係を模式的に示すものであり、脈動の影
響を受けないことが分かる。また、第5図はERG率と電
流との関係であり、ERG率を正確に検出することができ
る。
第1図において、センサセル18からの起電力及びポン
プセル20を流れるポンプ電流を制御するための制御回路
が設けられる。この制御回路そのものは公知のものと同
様であり、オペアンプ26,27,30及びトランジスタ32を具
備する。第1のオペアンプ26とセンサセル18からの起電
力の増幅用であり、その比反転入力はセンサセル18の電
極18aに結線され、電極18bは接地される。第1のオペア
ンプ26の出力は第2のオペアンプ28の反転入力に接続さ
れ、その非反転入力に電圧設定器34が接続される。電圧
設定器34によって第2図におけるVEに相当する電圧VE′
が設定される。第3のオペアンプ30の出力は電圧増幅用
であり、その出力はトランジスタ32のベースに接続され
る。トランジスタ32のエミッタはポンプセル20の電極20
aに接続され、電極20bは接地される。
プセル20を流れるポンプ電流を制御するための制御回路
が設けられる。この制御回路そのものは公知のものと同
様であり、オペアンプ26,27,30及びトランジスタ32を具
備する。第1のオペアンプ26とセンサセル18からの起電
力の増幅用であり、その比反転入力はセンサセル18の電
極18aに結線され、電極18bは接地される。第1のオペア
ンプ26の出力は第2のオペアンプ28の反転入力に接続さ
れ、その非反転入力に電圧設定器34が接続される。電圧
設定器34によって第2図におけるVEに相当する電圧VE′
が設定される。第3のオペアンプ30の出力は電圧増幅用
であり、その出力はトランジスタ32のベースに接続され
る。トランジスタ32のエミッタはポンプセル20の電極20
aに接続され、電極20bは接地される。
比較器としての第2のオペアンプ28はセンサセル18の
出力電圧を基準電圧VE′と比較し、第3のオペアンプ30
はその大小に応じてトランジスタ32をON,OFFしポンプセ
ル20に流れる電流(ポンプ電流IP)を制御する。即ち、
センサセル18の起電力が一定値VE′となるようにポンプ
セル20を流れる電流より酸素濃度を計測することができ
る。
出力電圧を基準電圧VE′と比較し、第3のオペアンプ30
はその大小に応じてトランジスタ32をON,OFFしポンプセ
ル20に流れる電流(ポンプ電流IP)を制御する。即ち、
センサセル18の起電力が一定値VE′となるようにポンプ
セル20を流れる電流より酸素濃度を計測することができ
る。
第6図は変形実施例における酸素センサの構成を示す
もので、この場合オリフィス122を形成したプレート114
は通常の中実のアルミナで形成され、本体110は圧力均
衡用に細孔130が複数設置される。この細孔の径、数は
ピンホールによる拡散原理による酸素濃度計測性能を損
なうことなく、圧力均衡は迅速に行い得るよう適宜のト
ータル面積が得られるように設定されることは第1実施
例と同様である。センサセル118、ポンプセル120は夫々
電極118a,118b:120a,120bによって構成される。
もので、この場合オリフィス122を形成したプレート114
は通常の中実のアルミナで形成され、本体110は圧力均
衡用に細孔130が複数設置される。この細孔の径、数は
ピンホールによる拡散原理による酸素濃度計測性能を損
なうことなく、圧力均衡は迅速に行い得るよう適宜のト
ータル面積が得られるように設定されることは第1実施
例と同様である。センサセル118、ポンプセル120は夫々
電極118a,118b:120a,120bによって構成される。
第7図は別の実施例で、この場合第4図と同様細孔23
0は本体210に形成される。そして、センサセル218を構
成する電極218a,218bは本体210上に配置され、ポンプセ
ル220を構成する電極220a,220bはオリフィスプレート21
4上に設置され、ポンプセル220は2組設けられる。
0は本体210に形成される。そして、センサセル218を構
成する電極218a,218bは本体210上に配置され、ポンプセ
ル220を構成する電極220a,220bはオリフィスプレート21
4上に設置され、ポンプセル220は2組設けられる。
第8図の実施例は第1図の実施例と、第6図又は第7
図の実施例の組合せであり、圧力均衡のために多孔板31
4と細孔330とを併用したものである。また、この実施例
は電極手段として1組の電極340a,340bだけを具備し、
この一組の電極によりセンサセルとポンプセルとの機能
を兼用させたものへこの発明を応用したものである。一
組の電極にセンサセルとポンプセルとの双方の機能を兼
用させたもの自体は公知であり、かつ公知の制御回路に
接続される。この制御回路はオペアンプ350を具備して
おり、その非反転入力は電極340aに接続され、反転入力
は直列接続された抵抗r及び電源VEを介して電極340bに
接続される。オペアンプ350の出力は帰還抵抗R1,R2によ
ってオペアンプ350の非反転入力、反転入力に接続され
る。オペアンプ350はセンサに加わる電圧をVEとなるよ
うに制御し、帰還抵抗R1はポンプ電流に応じた電流を取
出し、一方帰還抵抗R2はポンプ電流に応じた電流を抵抗
rに印加し、これにより電源VEにより設定される電圧を
r×電流だけ増加し、センサ電流の変化に係わらず限界
電流の計測を可能としたものである。尚、抵抗r+電源
VEはセンサの等価回路とみることもできる。
図の実施例の組合せであり、圧力均衡のために多孔板31
4と細孔330とを併用したものである。また、この実施例
は電極手段として1組の電極340a,340bだけを具備し、
この一組の電極によりセンサセルとポンプセルとの機能
を兼用させたものへこの発明を応用したものである。一
組の電極にセンサセルとポンプセルとの双方の機能を兼
用させたもの自体は公知であり、かつ公知の制御回路に
接続される。この制御回路はオペアンプ350を具備して
おり、その非反転入力は電極340aに接続され、反転入力
は直列接続された抵抗r及び電源VEを介して電極340bに
接続される。オペアンプ350の出力は帰還抵抗R1,R2によ
ってオペアンプ350の非反転入力、反転入力に接続され
る。オペアンプ350はセンサに加わる電圧をVEとなるよ
うに制御し、帰還抵抗R1はポンプ電流に応じた電流を取
出し、一方帰還抵抗R2はポンプ電流に応じた電流を抵抗
rに印加し、これにより電源VEにより設定される電圧を
r×電流だけ増加し、センサ電流の変化に係わらず限界
電流の計測を可能としたものである。尚、抵抗r+電源
VEはセンサの等価回路とみることもできる。
〔発明の効果〕 この発明によれば、ピンホール型の酸素センサにおい
て圧力均衡用の孔手段を設け、この孔径をピンホール型
の拡散原理を損なうことがない範囲で大きな寸法に選定
することにより非検出ガスの圧力脈動があってもこれを
即座に拡散空間に伝達することができ、圧力脈動の影響
を遮断した精度の高い計測を実現することができる。
て圧力均衡用の孔手段を設け、この孔径をピンホール型
の拡散原理を損なうことがない範囲で大きな寸法に選定
することにより非検出ガスの圧力脈動があってもこれを
即座に拡散空間に伝達することができ、圧力脈動の影響
を遮断した精度の高い計測を実現することができる。
第1図はこの発明の第1実施例の酸素センサ及び制御回
路を示す図。 第2図は各酸素濃度における電圧と電流との間の特性
図。 第3図は酸素濃度と電流との関係を説明するグラフ。 第4図は圧力変動に対する電流の特性を説明するグラ
フ。 第5図はEGR率と電流との関係を説明するグラフ。 第6図、第7図は、夫々第2及び第3の実施例のセンサ
を示す図。 第8図はセンサセルとポンプセルとを一組の電極で共用
させた場合のこの発明のセンサ及び制御回路を示す図。 10……固体電解質本体、14……プレート 16……拡散空間、18……センサ電極 20……ポンプ電極、22……オリフィス 26,28,20……オペアンプ、
路を示す図。 第2図は各酸素濃度における電圧と電流との間の特性
図。 第3図は酸素濃度と電流との関係を説明するグラフ。 第4図は圧力変動に対する電流の特性を説明するグラ
フ。 第5図はEGR率と電流との関係を説明するグラフ。 第6図、第7図は、夫々第2及び第3の実施例のセンサ
を示す図。 第8図はセンサセルとポンプセルとを一組の電極で共用
させた場合のこの発明のセンサ及び制御回路を示す図。 10……固体電解質本体、14……プレート 16……拡散空間、18……センサ電極 20……ポンプ電極、22……オリフィス 26,28,20……オペアンプ、
Claims (1)
- 【請求項1】固体電解質本体、該固体電解質の片面に設
けられた拡散空間、該拡散空間に面するように前記固体
電解質本体に設けられるセンサセル及びポンプセルを有
した電極手段、拡散空間を形成する壁面に形成される、
拡散律速手段としてのピンホールを具備した酸素センサ
において、被検出ガス側と前記空間との間の圧力均衡用
のオリフィス手段を有したことを特徴とする酸素セン
サ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1043167A JP2792080B2 (ja) | 1989-02-27 | 1989-02-27 | 酸素センサ |
US07/477,734 US4990235A (en) | 1989-02-23 | 1990-02-09 | Oxygen sensor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1043167A JP2792080B2 (ja) | 1989-02-27 | 1989-02-27 | 酸素センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02223856A JPH02223856A (ja) | 1990-09-06 |
JP2792080B2 true JP2792080B2 (ja) | 1998-08-27 |
Family
ID=12656323
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1043167A Expired - Fee Related JP2792080B2 (ja) | 1989-02-23 | 1989-02-27 | 酸素センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2792080B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2880273B2 (ja) * | 1990-08-20 | 1999-04-05 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 酸素濃度検出装置 |
DE102009050224B4 (de) * | 2009-10-22 | 2016-03-31 | Continental Automotive Gmbh | Vorrichtung und Verfahren zur Ansteuerung eines Abgassensors |
-
1989
- 1989-02-27 JP JP1043167A patent/JP2792080B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02223856A (ja) | 1990-09-06 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |