JP2789328B2 - デルヒニウムの暖地平坦地への秋植え用クローン苗の育苗方法 - Google Patents

デルヒニウムの暖地平坦地への秋植え用クローン苗の育苗方法

Info

Publication number
JP2789328B2
JP2789328B2 JP8151467A JP15146796A JP2789328B2 JP 2789328 B2 JP2789328 B2 JP 2789328B2 JP 8151467 A JP8151467 A JP 8151467A JP 15146796 A JP15146796 A JP 15146796A JP 2789328 B2 JP2789328 B2 JP 2789328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seedlings
raising
seedling
warm
flatland
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8151467A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09294496A (ja
Inventor
一芳 伊藤
衛 兵頭
悦史 桐木
常盤 古用
玄 諏訪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EHIMEKEN KEIZAI NOGYO KYODOKUMIAI RENGOKAI
Original Assignee
EHIMEKEN KEIZAI NOGYO KYODOKUMIAI RENGOKAI
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EHIMEKEN KEIZAI NOGYO KYODOKUMIAI RENGOKAI filed Critical EHIMEKEN KEIZAI NOGYO KYODOKUMIAI RENGOKAI
Priority to JP8151467A priority Critical patent/JP2789328B2/ja
Publication of JPH09294496A publication Critical patent/JPH09294496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2789328B2 publication Critical patent/JP2789328B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デルヒニウムの暖
地平坦地における秋植えクローン苗の育苗方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】キンポウゲ科に属するデルヒニウムは、
大きな花穂と鮮やかな色彩で人気のある花であるが、種
子からの栽培では株毎に花穂長、着花密度、花色及び開
花の早晩性等のばらつきが多く、遺伝的に均一化された
品質がない。又、デルヒニウムは日本国内においては、
北海道や東北の寒冷地や高冷地を除いて夏越しが困難で
あり、園芸作物として、通常暖地では秋植えの一年草と
して扱われている。
【0003】そのため、均一な品質の切り花を生産する
には、同一遺伝子を有し、栽培管理上有利なクローン苗
に人気が高いのが現状である。株分けによるクローン苗
は、開花品質の優れた個体を選抜し、塊根部を分離して
親株より切り離された夫々の小株を圃場定植して行なう
ものである。
【0004】又、暖地平坦地では、9〜10月定植用の
秋植え用苗の猛暑時期における育苗には、夜冷庫による
育苗や、高冷地育苗、クーラー育苗が行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術で述べ
たもののうち、株分けによる増殖法は長期に亘たる連続
した株分けの繰り返しによりウイルス等が侵入しやす
く、病害発生率が高くなると共に、苗数の増殖率が低く
生産性の向上図ることができないという問題点があっ
た。
【0006】又、秋植え用苗の育苗に夜冷庫やクーラー
を用いる方法であると、夏の高温期には日本の暖地平坦
地は外気が20℃以上にも昇温するため、温度管理等の
育苗管理が困難であり、枯死等のロスがでる。それに加
えて電気代等がかかり、育苗コストが高コスト化すると
いう問題点があった。
【0007】そこで、本発明は、前記従来例の有する問
題点を除去するために、生長点の組織培養と挿し芽によ
る培養とから得た発根苗を芽と基部だけにし、一定条件
下で苗を冷蔵貯蔵することにより、随時所望の秋植え定
植時期に一定の優良な遺伝子を有する苗を大量に供給し
得るデルヒニウムの暖地平坦地への秋植え用クローン苗
の育苗方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1記載の発明は、親株の腋芽よ
り摘出した生長点を組織培養する第1次増殖により発根
苗を得、この第1次増殖により得られた発根苗から葉身
等を除去して根と基部のみにし、この根と基部のみによ
り構成される苗を所望期間2〜3゜Cの温度環境下で冷
蔵貯蔵後、所望時期に少なくとも15゜C以下の夜温環
境下で適温育苗し、所望時期に圃場定植し得るようにし
たことを特徴とし、本発明のうち請求項2記載の発明
は、親株の腋芽より摘出した生長点を組織培養する第1
次増殖により発根苗を得、この得られた発根苗を圃場定
植し生育後、さらにこの生育株から得られた腋芽を挿し
芽とする第2次増殖により発根苗を得、この第2次増殖
により得た発根苗から葉身等を除去して根と基部のみに
し、この根と基部のみにより構成される苗を所望期間2
〜3゜Cの温度環境下で冷蔵貯蔵後、所望時期に少なく
とも15゜C以下の夜温環境下で適温育苗し、所望時期
に圃場定植し得るようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を第1
次増殖、第2次増殖、苗冷蔵貯蔵、適温育苗の4つの各
過程毎に分けて、本発明を詳細に説明する。
【0010】先ず、生長点培養を活用した第1次増殖に
ついて説明する。開花品質の優れた個体を選抜し、これ
を大量増殖の親株とする。開花を終えた親株の塊根部を
水洗し、腋芽をナイフ等で切り離す。腋芽の葉身及び黒
い鞘葉を除去し、70%エタノールで10秒間表面殺菌
をし、さらに有効塩素0.5%の次亜塩素酸ナトリウム
溶液中に攪拌しながら20分間殺菌消毒を行なう。実体
顕微鏡下で無菌的に生長点を摘出し、植物ホルモン、シ
ョ糖等の糖分、ビタミン、有機物質等を含有する寒天状
の殺菌培地に置床し、約20〜25℃の恒温環境下で3
0〜40日間初代培養を行なう。培養開始から30日経
過すると、発芽し、葉も伸長して苗条が再生される。生
長点より伸長している葉身を除去し、増殖している生長
点塊を縦方向に切断して分割する。切断された複数個の
生長点塊は、別の無菌培地に無菌的に置床し、継代増殖
する。この増殖培養の温度は20℃が最も良好な結果を
得ることができる。約25日サイクルで、伸長した葉身
のすべてを生長点から除去し、増殖し、再分化した生長
点を切り分けて分割し、無菌培地に置床する作業を反覆
して行ない、増殖する。このように生長点より発芽し伸
長した葉身を除去し、生長点を切り分けて分割し、分割
された生長点を培地に置床する作業を約20〜25日サ
イクルで繰り返すことにより増殖する一方、発芽したも
のを発根させるために移植する。移植は、例えば透明部
材よりなる容器内にバーミキュライト等の小粒の用土を
敷設し、これに発芽し根のない芽を置床することにより
行なう。容器の上方開口部には被蓋し、この蓋には空気
孔を経時的に拡大し、増量して馴化発根せしめ、最終的
には開蓋する。この馴化発根により圃場定植可能な苗を
得る。
【0011】次に、挿し芽による第2次増殖について説
明する。第1次増殖により得た発根した苗を容器より取
り出して圃場定植し、成育させる。親株と同一遺伝子を
有する子株の塊根部から腋芽を採取する。採取する際
に、芽の基部を付けた状態で採穂する。小粒の用土、例
えばバーミキュライト等により成る土壌に挿し芽をす
る。挿し芽の時期は、夜温が25℃未満であることを条
件とする。日本国内の暖地平坦地では、8月を除く、9
〜7月であれば何時でも挿し芽できる。但し、高冷地で
夜間最高気温が25℃未満である地域においては、例外
的に挿し芽できる。挿し芽後、約20日程度経過後、発
根し苗を得る。
【0012】次に、苗の冷蔵貯蔵について説明する。前
記生長点培養による第1次増殖と、挿し芽による第2次
増殖の双方により得られた葉と根の双方を有する苗を、
貯蔵前にすべて葉身を除去して、根と基部のみにする。
この根を有する基部は、根の部分が常時湿潤状態となっ
ているように冷蔵貯蔵する。貯蔵温度は、マイナス5℃
〜プラス10℃であればよいが、特に2〜3℃であるこ
とが最適である。貯蔵形態は、プラグ苗であると、ポッ
ト苗であることは問わない。又、用土の有無も問わな
い、根が常に湿潤状態にあれば足りる。冷蔵貯蔵には、
冷蔵庫を使用するとよい。苗を冷蔵庫内を2〜3℃の恒
温状態に保持し、苗を庫内に貯蔵しておくとよい。冷蔵
貯蔵する理由は、特に7月、8月の猛暑時期に低温環境
下で苗を仮眠させておくためである。この冷蔵貯蔵は、
3ヵ月以上の期間行なうことができ、9、10月の圃場
定植に最も好適な時期まで仮眠させておくことが可能で
ある。これにより、9、10月の秋植え苗を大量に生産
することができる。
【0013】最後に適温育苗について説明する。苗を冷
蔵庫から出庫後、適温育苗を行なう。この適温育苗には
2通りの方法がある。まず第1の方法として日中は遮光
環境下で、夜は夜冷庫にて育苗する方法がある。詳しく
は、冷蔵庫から出庫した苗を、園芸用の用土に移植し、
日中は戸外に於て日光照射量50%遮光した環境下に放
置し、夜間は温度13〜15℃に保持された夜冷庫内に
放置して育苗する。第2の方法として高冷地育苗若しく
はクーラー育苗による方法がある。詳しくは、冷蔵庫か
ら出庫した苗を、園芸用用土に移植し、気温を日中は3
0℃以下に、夜間は15℃以下になるように温度管理を
行なって育苗する。第1の方法も第2の方法も、夜温を
15℃以下にすることを条件としているのは、植物には
夜温が影響を与え、日中の気温は影響がないという理由
によるものである。
【0014】前記適温育苗により得た発根苗は9月〜1
0月の適当な時期に圃場定植し、生育させる。生育した
株は、親株と遺伝的に同一の優良株であり、開花品質等
が均一化したものである。この生育した株は、挿し芽に
よる増殖に利用することができる。即ち、前記挿し芽に
よる第2次増殖と同様に、塊根部から生えている小さな
腋芽を切り離して採取し、バーミキュライト等の用土に
挿し芽して発根苗を生産する。得られた発根苗は、葉身
の全部を除去して根と基部のみを苗冷蔵する。
【0015】
【発明の効果】本発明は発根苗を得、得られた発根苗を
さらに増殖用に活用するので、優良な遺伝子を有する一
の親株から極めて大量の親株と遺伝的に同一な苗を生産
でき、結果的に均一な高品質の切り花を生産し得るとい
う効果がある。
【0016】又、大量の苗を冷蔵貯蔵により仮眠させて
おくので、均質な苗を随時大量に供給し得ることがで
き、生産性が向上するという効果がある。
【0017】更に親株から増殖により得られた子孫株の
腋芽を利用して、親株と遺伝的に同一の苗を永久的に生
産し得るという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桐木 悦史 愛媛県伊予郡松前町徳丸字五屋敷771− 18 愛媛県経済農業協同組合連合会花卉 課内 (72)発明者 古用 常盤 愛媛県伊予郡松前町徳丸字五屋敷771− 18 愛媛県経済農業協同組合連合会花卉 課内 (72)発明者 諏訪 玄 愛媛県伊予郡松前町徳丸字五屋敷771− 18 愛媛県経済農業協同組合連合会花卉 課内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01H 4/00 A01G 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親株の腋芽より摘出した生長点を組織培
    養する第1次増殖により発根苗を得、この第1次増殖に
    より得られた発根苗から葉身等を除去して根と基部のみ
    にし、この根と基部のみにより構成される苗を所望期間
    2〜3゜Cの温度環境下で冷蔵貯蔵後、所望時期に少な
    くとも15゜C以下の夜温環境下で適温育苗し、所望時
    期に圃場定植し得るようにしたことを特徴とするデルヒ
    ニウムの暖地平坦地への秋植えクローン苗の育苗方法。
  2. 【請求項2】 親株の腋芽より摘出した生長点を組織培
    養する第1次増殖により発根苗を得、この得られた発根
    苗を圃場定植し生育後、さらにこの生育株から得られた
    腋芽を挿し芽とする第2次増殖により発根苗を得、この
    第2次増殖により得た発根苗から葉身等を除去して根と
    基部のみにし、この根と基部のみにより構成される苗を
    所望期間2〜3゜Cの温度環境下で冷蔵貯蔵後、所望時
    期に少なくとも15゜C以下の夜温環境下で適温育苗
    し、所望時期に圃場定植し得るようにしたことを特徴と
    するデルヒニウムの暖地平坦地への秋植えクローン苗の
    育苗方法。
JP8151467A 1996-05-08 1996-05-08 デルヒニウムの暖地平坦地への秋植え用クローン苗の育苗方法 Expired - Lifetime JP2789328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8151467A JP2789328B2 (ja) 1996-05-08 1996-05-08 デルヒニウムの暖地平坦地への秋植え用クローン苗の育苗方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8151467A JP2789328B2 (ja) 1996-05-08 1996-05-08 デルヒニウムの暖地平坦地への秋植え用クローン苗の育苗方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09294496A JPH09294496A (ja) 1997-11-18
JP2789328B2 true JP2789328B2 (ja) 1998-08-20

Family

ID=15519172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8151467A Expired - Lifetime JP2789328B2 (ja) 1996-05-08 1996-05-08 デルヒニウムの暖地平坦地への秋植え用クローン苗の育苗方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2789328B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103210768A (zh) * 2013-04-26 2013-07-24 陕西理工学院 一种盾叶薯蓣扦插育苗方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010097001A (ko) * 2000-04-19 2001-11-08 이종재 화훼류의 화아분화된 삽수를 군삽하여 소형 분화를생산하는 방법
JP3648630B2 (ja) * 2001-03-06 2005-05-18 株式会社クレマコーポレーション クリスマスローズの適時開花調節方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103210768A (zh) * 2013-04-26 2013-07-24 陕西理工学院 一种盾叶薯蓣扦插育苗方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09294496A (ja) 1997-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103891503A (zh) 一种北方棚室叶用型甘薯栽培方法
CN105594431A (zh) 一种旱原冬小麦自然加代繁育方法
CN103704100A (zh) 芦笋根株快速培养与嫩茎促发栽培方法
CN111248040B (zh) 再生稻的品种选育方法及其栽培方法
CN103210848A (zh) 青花菜侧枝培育植株以及杂交制种方法
CN105532242A (zh) 一种促进凤丹种苗生长提早出圃的培育方法
CN104982237A (zh) 一种促进盆栽牡丹早开花的栽培方法
CN102696407B (zh) 一种非组培核桃微枝嫁接育苗方法
CN110235709A (zh) 一种提早苦瓜生育期的栽培方法
CN109429853A (zh) 一种软枣猕猴桃绿枝扦插育苗方法
CN112470730A (zh) 软枣猕猴桃无性扦插繁殖方法
CN104472178A (zh) 一种红薯高产的方法及育苗的苗床
CN103548692A (zh) 一种波叶鸟巢蕨种苗的组培快繁方法
CN100356839C (zh) 膏桐人工矮化产栽培方法
CN106417009A (zh) 一种无花果组培快繁技术及其方法
CN107318470A (zh) 一种培育薄壳山核桃速生良种砧木的方法
JP2789328B2 (ja) デルヒニウムの暖地平坦地への秋植え用クローン苗の育苗方法
CN103069980B (zh) 白花除虫菊的栽培方法
CN106888879A (zh) 一种芒果栽培方法
CN107950220A (zh) 一种红锥嫁接方法
CN109197314B (zh) 一种交趾黄檀采穗圃的营建与保幼方法
CN106888741A (zh) 一种小型冬瓜早熟栽培方法
CN106888726A (zh) 一种小型南瓜早熟栽培方法
CN106888730A (zh) 一种小型黄瓜栽培方法
CN106888886A (zh) 一种柚子早熟栽培方法