JP2787303B2 - 位置合わせ装置、露光装置及び露光方法 - Google Patents
位置合わせ装置、露光装置及び露光方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子等の製
造に使用される投影露光装置の位置合わせ装置に関する
ものであり、特に原画パターンを有するマスクと、この
原画パターンが転写される半導体ウェハ等の基板とを相
対的に位置合わせする装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、半導体素子等の微細パターンを高
分解能で半導体ウェハ上に転写する装置として、投影型
露光装置(ステッバー)が多用されるようになった。従
来よりこの種のステッバーにおいては、レチクル(マス
クと同義)とウェハ上の1つのシヨット領域との位置合
わせ、所謂アライメント方式として、レチクルの回路パ
ターン周辺に形成されたアライメントマークと、ウェハ
上のショット領域周辺に形成されたアライメントマーク
とを同時検出するものが知られている。 【0003】このアライメント方式ではしチクル上のマ
ークとウェハ上のマークとをともに高精度に検出し、そ
の相対位置ずれ量を求め、このずれ量が補正されるよう
にレチクル、又はウェハを微動させている。一般に投影
型露光装置では、レチクルのパターンをウェハ上に高解
像力で結像するために、投影光学系は露光用の照明光
(例えば波長436nmのg線あるいは波長365nmのi
線)のみに対して良好に色収差補正されているのが現状
である。このことは投影光学系を介してレチクルのマー
クとウェハのマークとを検出するアライメント光学系に
おいて、マーク照明用の光が露光光の波長と同一、もし
くは極めてそれに近い波長に制限されることを意味す
る。 【0004】露光工程のウェハには表面にレジスト層が
形成されており、アライメント時にはしジスト層を介し
てウェハ上のマークを検出する。このレジスト層は、よ
り高解像のパターン形成を可能とするために、露光光に
対する吸収率が高く、透過率が低くなるような多層レジ
スト構造等を採用することが考えられてきた。この場
合、アライメント用の照明光がウェハ上のマークに達す
るまでに減衰を受けることと、マークからの反射光(正
反射光、散乱光、回折光等)も減衰を受けることによっ
て、ウェハ上のマークがアライメント光学系によって十
分な光量で認識されないといった問題が生じる。 【0005】そこで、このようなしジストに対して透過
率の高い波長城の光をアライメント用照明光とすること
が考えられる。そのー例として、特開昭56−1102
34号公報に開示されているように、レチクルと投影光
学系との間のアライメント光路中に色収差補正用の小レ
ンズ等を設け、露光光とは異なる波長の光のもとでも、
レチクル上のマークとウェハ上のマークとを互いに共役
にする技術が知られている。この方式では、投影光学系
に対して補正用光学系を可動にしておくと、補正用光学
系の設定時の不安定要因からアライメント精度が極端に
低下してしまうため、専ら固定の位置関係に定められて
いる。このため露光時に補正光学系が回路パターンの結
像光束のー部を遮断しないように、レチクル上のマーク
は回路パターン領域から十分に離れた位置に設けられ
る。一方、投影型露光装置の中でも、ステップアンドリ
ピート方式により、ウェハ上の複数のショット領域の各
々に対して順次レチクルのパターン像を重ね合わせて露
光するステッパーでは、ウェハ上のショット領域毎にア
ライメントできることが望ましい。 【0006】ところでアライメント精度は、マーク位置
の検出分解能を高めれば、それにみあって向上するもの
であるが、現在、最も高精度な検出が可能なマークとし
て回折格子を用いることが注目されている。これはしチ
クル上にマークとして形成された格子と、ウェハ上にマ
ークとして形成された格子との各々から発生する回折光
同志を相対的に格子の配列方向に移動させることによっ
て得られる光電信号の位相差から、レチクルとウェハの
位置ずれを検出するものである。そのー例として特公昭
61−9733号公報に開示されたものが知られてい
る。その他に、プロキシミティ方式ではマスクの格子か
ら発生する回折光と、ウェハの格子から発生する回折光
とを干渉させて得られる光情報(正弦波状の強度変化)
に基づいてマスクとウェハの位置ずれを、回折格子のピ
ッチの数分の1〜数十分の1以下の分解能で検出する方
式もある。 【0007】この場合、実験上では、回折格子を用いた
アライメントで数nm程度の検出分解能を得られるとの
報告もなされている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】さて、従来のように補
正光学系を有する投影露光方式の場合、以下のような問
題が生じる。ウェハ上の各ショット領域の間は、通常5
0〜100μm幅程度のスクライブ線で区画されてい
る。仮りに、あるショット領域に付随したマークをスク
ラィブ線上の回路パターン領域から100μmだけ離れ
た位置に設けるとした場合、投影光学系の縮小率を1/
10にしたとしてもレチクル上のマークはレチクル上の
回路パターン領域からわずか1000μm(1mm)しか
離れず、補正光学系を小レンズで構成したとすると、回
路パターンの結像光路を遮断しないためには、鏡筒も含
めて直径、わずか2mm程度のレンズ系を用意しなければ
ならないことになる。このことは極めて非現実的であ
る。そこでこの問題点を解決して、レチクル上のマーク
を回路パターン領域から大きく離しても、ウェハ上のシ
ョット領域に付随したマークとの共役状態が保たれるよ
うに工夫された補正光学系の構成が特公昭58−307
36号公報に開示されている。 【0009】しかしながら、先の特開昭56−1102
34号公報にしても、この特公昭58−30736号公
報にしても、ウェハ上のショット領域の大きさ(すなわ
ちレチクル上の回路パターンの大きさ)が変化すること
には対応できず、結局、補正光学系(もしくはそのー
部)を動かす構成を採用するか、又はアライメント時と
露光時とでレチクルとウェハの相対位置が予め決った量
だけオフセットしたサイトアライメント方式を採用する
かのいずれかを選択せざるを得なかった。 【0010】一方、回折格子を用いたアライメント方式
では高分解能なマーク位置検出が可能ではあるが、先の
特公昭61−9733号公報に開示された技術において
も、レチクルと投影光学系との間のアライメント光路中
に光学的変調器等を設けることから、補正光学系を設け
た場合とまったく同じ問題が生じてしまう。このよう
に、回折格子の周期構造によって一義的に決まる周期的
な光情報を直接利用するアライメント方式は高精度にな
ることが知られてはいるものの、投影型露光装置、特に
ステッパーに適用するための実用的な構造については、
いまだに考えられていなかった。 【0011】上記課題を解決するために、本発明におい
ては、移動可能なステージ上に保持された基板上のマー
クを照明し、該マークから発生する回折光を受光して得
られる光電信号に基づいて、ステージの移動を制御する
ことによって基板を位置合わせする装置において、基板
のマークを照明するための照明光を放射する光源と;照
明光を入射して所定の周波数差を有する一対の照明光を
生成する周波数変調器と;1対の照明光をマークに所定
の交差角度で照射するために、周波数変調器と基板とを
相互に共役関係にする第1の照射光学系と;該第1の照
射光学系の光路内に配置されて1対の照明光を分割する
ビームスプリッタと;該分割された1対の照明光を参照
マークに所定の交差角度で照射するために、周波数変調
器と参照マークを相互に共役関係にする第2の照射光学
系と;マークから発生する2つの回折光の干渉光を受光
して所定の周波数差に応じた周期で強度変化する第1交
流信号を出力するとともに、参照マークから発生する2
つの回折光の干渉光を受光して所定の周波数差に応じた
周波数差に応じた周期で強度変化する第2交流信号とを
出力する光電検出手段と;第1交流信号と第2交流信号
との間の位相差を計測することによって、参照マークに
対する前記マークの位置ずれ量を計測する計測手段と;
該計測された位置ずれ量に基づいて、ステージの移動を
制御する制御系とを備えることとした。また本発明にお
いては、移動可能なステージ上に保持された基板上のマ
ークを照明し、該マークから発生する回折光を受光して
得られる光電信号に基づいて、ステージの移動を制御す
ることによって基板を位置合わせする装置において、マ
ークを照明するための照明光を放射する光源と;照明光
を入射して1対の照明光を生成する2光束発生手段と;
1対の照明光に所定の周波数差を与える周波数変調器
と;1対の照明光の各々を入射し、該各々の照明光をマ
ークに照射する照射対物光学系と;マークから発生する
2つの回折光の干渉光を受光して光電信号を出力する光
電検出手段と;光電信号に基づいて、マークの位置を計
測する計測手段と;該計測されたマークの位置に基づい
て、ステージの移動を制御する制御系とを備えることと
した。また本発明においては、移動可能なステージ上に
保持された基板上にマスクのパターンを転写する露光装
置において、基板に形成された回折マークを照明するた
めの照明光を放射する光源と;照明光を入射して1対の
照明光を生成する2光束発生手段と;1対の照明光に所
定の周波数差を与える周波数変調器と;1対の照明光の
各々を入射し、該各々の照明光を回折マークに照射する
第1照射対物光学系と;1対の照明光を分割するビーム
スプリッタと;分割された1対の照明光を参照マークに
照射する第2照射対物光学系と;回折マークから発生す
る2つの回折光の干渉光を受光して第1光電信号を出力
する第1光電検出手段と;参照マークから発生する2つ
の回折光の干渉光を受光して第2光電信号を出力する第
2光電検出手段と;第1光電信号と第2光電信号に基づ
いて、参照マークに対する回折マークの位置ずれ量を計
測する計測手段と;該計測された位置ずれ量に基づい
て、ステージの移動を制御する制御系とを備えることと
した。また本発明においては、移動可能なステージ上に
保持された基板上にマスクのパターンを転写する露光方
法において、光源からの照明光を1対の照明光に分割す
るとともに、該光源とは別設された周波数変調器によっ
て、該1対の照明光に所定の周波数差を与える第1工程
と;1対の照明光の各々を入射する対物光学系を介し
て、基板上に形成されたマークに1対の照明光を照射す
る第2工程と;マークから発生する2つの回折光の干渉
光に基づいて、マークの位置情報を計測する第3工程
と;計測結果に基づいて、ステージの移動を制御する第
4工程とを備えることとした。 【0012】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施例による位置合
わせ装置の構成を第1図に参照して説明する。所定の回
路パターンとアライメント用の回折格子マークとを有す
るレチクル1は2次元移動可能なレチクルスブージ2に
保持される。レチクル1上の各パターンは両側テレセン
トリックな投影レンズ3によって露光光のもとでウェハ
4上に結像される。ただしこの投影レンズ3は露光用の
照明光波長(g線、i線等)に関して良好に色収差補正
されており、その露光用の波長に関してレチクル1とウ
ェハ4とが互いに共役になるように配置される。またウ
ェハ4上にもしチクル1に形成された格子マークと同様
の回折格子マークが形成されている。さて、ウェハ4は
ステップアンドリピート方式で2次元移動するステージ
5上に吸着され、ウェハ4上の1つのショット領域に対
するレチクル1の転写露光が終了すると、次のショット
位置までステッピングされる。レチクルステージ2の一
部には、レチクル1の水平面内でのx方向、y方向及び
回転(θ)方向の位置を検出するためのレーザ光波干渉
式側長器(以下、干渉計とする)43からのレーザビー
ムを反射する移動鏡6が固定されている。この干渉計4
3はx方向、y方向、θ方向の位置を独立に検出するた
めに3本の側長用レーザビームを有するが、ここでは説
明を簡単にするため図示をー部省略してある。レチクル
ステージ2の移動ストロークは数ミリメートル以下であ
り、干渉計43の検出分解能は、例えば0.01μm程
度に定められている。一方、ウェハステージ5のー部に
は、ウェハ4の水平面内でのx方向、y方向の位置を検
出するための干渉計45からのレーザビームを反射する
移動鏡7が固定されている。この干渉計45もx方向、
y方向の位置を独立に検出するために2本の棚長用レー
ザビームを有するが、ここでは説明を簡単にするため図
示をー部省略してある。レチクルステージ2のx方向、
y方向、6方向の駆動は駆動モータ42で行なわれ、ウ
ェハステージ5の2次元移動は駆動モータ46で行なわ
れる。 【0013】ところで露光用の照明系は、水銀ランプ3
0、楕円鏡31、集光レンズや干渉フィルター等を含む
入力レンズ群32、オブチカルインテグレータ(フライ
アイレンズ)33、ミラー34、メインコンデンサーレ
ンズ35及びダイクロイックミラー22等によって構成
される。ダイクロイックミラー22はレチクル1の上方
に45。で斜設され、コンデンサーレンズ35からの露
光光を垂直に下方に反射させ、レチクル1を均一に照射
する。このダィクロイックミラー22は露光光の波長に
対しては90%以上の反射率を有し、アライメント用の
照明光の波長(露光光よりも長波長)に対しては50%
以上の透過率を有する。 【0014】次に本実施例のアライメント系について説
明する。アライメント用の照明光はレーザ光源10から
射出され、透過型の基準回折格子を放射状に形成したラ
ジアル・グレイティング11を通り、フーリエ変換レン
ズ13とビームスプリッタ14を介してフーリエ面(ア
ライメント光学系の瞳面)に配置された空間フィルター
15に達する。ラジアル・グレイティング11はモータ
12によってほぼー定の速度で回転可能に構成される。
このラジアル・グレイティング11に入射したレーザ光
は0次光、±1次光、±2次光……のように、回折し、
それぞれ異なった回折角で広がっていく。第1図では0
次光LBo、+1次光+LB1 及び−1次光−LB1 の
みを示す。これら0次光、±1次光は空間フィルター1
5上で明確に分離して分布し、0次光LBoのみが遮断
され、±1次光は透過する。空間フィルター15を通っ
た±1次光はビームスブリッター20を透過して2焦点
光学系21に入射する。2焦点光学系21は第1図では
簡単に示してあるが、実際には複屈折物質(水晶、方解
石等)と顕微鏡用等のテレセントリックな対物レンズと
を組み合わせたもので構成され、レーザ光の±1次光の
偏光成分(P偏光とS偏光)に応じて異なるパワーを与
えるものである。このため2焦点光学系21を射出した
一方の偏光(例えばP偏光)はレチクル1の上方空間の
焦点26aに結像し、他方の偏光(例えばS偏光)はレ
チクル1の下面のパターン面と一致した焦点27aに結
像する。また2焦点光学系21の他方の焦点、すなわち
レーザ光源10側で焦点26a、27aの夫々と共役な
面は、ラジアル・グレィティング11とー致している。
ここで2焦点光学系21の2つの焦点26a、27bの
光軸方向の間隔はアライメント用のレーザ光の波長にお
ける投影レンズ3のレチクル1側での色収差量に対応し
ている。この焦点面26aは投影レンズ3によってウェ
ハ4の表面とー致した結後面26bと共役になり、焦点
面27a(レチクルパターン面)は投影レンズ3によっ
てウェハ4の表面から空間的に下方に離れた結後面27
bと共役になる。結後面26bと27bの間隔は投影レ
ンズ3のウェハ4側での色収差量に対応している。ここ
で結後面26bと27bの間隔距離をDw、焦点面26
aと27aの間隔距離をDr、そして投影レンズ3の投
影倍率を1/M(通常Mは1、25、5、10)とする
と、一般的にDr=M2.Dwの関係がある。アライメ
ント用のレーザ光の波長が露光光の波長から離れれば離
れる程、投影レンズ3の収差特性に応じてDw、Drは
大きくなる。この種の投影レンズの焦点深度は極めて浅
く、±1μm程度であり、アライメント用照明光の波長
にもよるが間隔Dwは数10μm程度に達することもあ
る。尚、アライメント用照明光(レーザ光)はウェハ4
に塗布されたレジストに対してほとんど感度を持たない
波長にすることが望しいが、本発明においては必ずしも
満たされるべき条件ではない。それは投影レンズによっ
て露光光の波長とアライメント用照明光の波長とで極端
に大きな収差が生じ、特にウェハ4上の回折格子マーク
からの光情報自体に大きな歪みが加えられてしまうから
である。このためその収差との兼ね合いで最適なアライ
メント用照明光を定めることを優先することの方が重要
である。従ってアライメント用照明光が長時間(例えば
1分以上)レジストを照射すると、感光させてしまう
(現像後に薄減りが生じる)ような弱い感度の波長にな
る場合もある。 【0015】さて、アライメント用のレーザ光の±1次
光LB・(S偏光)は焦点面27aでレチクル1の回折
格子マーク部分に、+1次光+LB1 と−1次光−LB
1 との成す角度で2方向から入射し結像する。またレチ
クル1の透明部を透過した焦点面26aからの±1次光
LB・(P偏光)は、投影レンズ3を介して焦点面26
bでウェハ4の回折格子マーク部分に、+1次光と−1
次光との成す角度で2方向から入射し結像する。そして
レチクル1の回折格子マークからの反射回折光はダイク
ロイックミラー22、2焦点光学系21を介してビーム
スプリッタ20で反射され、空間フィルター23でフィ
ルタリングされた後、集光レンズ24によって光電検出
器25に達する。またウェハ4の回折格子マークからの
反射回折光は投影レンズ3を介して元の光路を戻り、レ
チクル1の透明部を透過してダイクロイックミラー2
2、2焦点光学系21、ビームスプリッタ20、空間フ
ィルター23、及び集光レンズ24を通って光電検出器
25に達する。空間フィルター23はアライメント光学
系の瞳面と共役な位置、すなわち投影レンズ3の瞳(射
出瞳)と実質共役な位置に配置され、レチクル1、又は
ウェハ4からの正反射光を遮断し、レチクル1又はウェ
ハ4の回折格子に垂直(面の法線方向)に回折される光
のみを通すように定められている。そして光電検出器2
5は2焦点光学系21、レンズ24を介してレチクル
1、ウェハ4の夫々と共役に配置されている。 【0016】さて光電検出器25から得られる光電信号
は2つの回折格子マークの各々からの回折光同志が干渉
したものとなり、ラジアル・グレイティング11の回転
速度に応じた正弦波状の交流信号となる。ところでラジ
アル・グレイティング11からの±1次光、0次光は、
ビームスプリッタ14を透過し、瞳(フーリエ面)に配
置された空間フィルター16で0次光のみが遮断され、
レンズ系(逆フーリエ変換レンズ)17によって参照用
回折格子18上に結像する。この参照用回折格子18は
装置上で固定されているものである。この回折格子18
にも+1次光+LB1 と−1次光−LB1 とが所定の角
度で2方向から入射する。光電検出器19は参照用回折
格子18を透過した回折光(又は干渉光)を受光して、
正弦波状の光電信号を出力する。位相検出系40は、光
電検出器26からの光電信号と光電検出器19からの光
電信号とを入力し、両信号の波形上の位相差を検出す
る。検出された位相差(±180。)はレチクル1、ウ
ェハ4の夫々に形成された回折格子マークの格子ピッチ
の1/2内の相対位置ずれ量に一義的に対応している。
制御系41は検出された位相差(位置ずれ量)の情報、
サーボシステム44を介して得られる干渉計43、45
の各々からの位置情報等に基づいて駆動モータ42、4
6を制御し、レチクル1とウェハ4の相対位置合わせ
(アライメント)を行なう。 【0017】以上、本実施例の全体構成において、アラ
イメント光学系のー部、特に2焦点光学系21はレチク
ル1上のアライメントマークの配置に応じて任意の位置
に可動とされ、どのようなマーク配置であってもマーク
検出が可能となっている。さらにレチクル1の上方に斜
設したダイクロックミラー22によって露光光とアライ
メント用照明光とを分離するため、露光動作中であって
もマーク検出が可能となる。これは露光中において何ら
かの外乱でレチクル1とウェハ4とのアライメント状態
が狂った場合も、その時点でただちに検出できることを
意味する。さらに位相検出系40からの位相差情報に基
づいて露光動作中であってもレチクルステージ2とウェ
ハステージ5との位置決めサーボをクローズド・ループ
で実行できることをも意味する。尚、露光光の光源は水
銀ランプ以外のエキシマレーザ光源等に置きかえてもよ
い。 【0018】次に第2図を用いてアライメント系のみの
詳細な構成、及びアライメントの原理を説明する。第2
図において、第1図中のものと同一の部材には同じ符号
をつけてある。ラジアル・グレイティング(基準回折格
子)11にはレーザ光源10から成形されたレーザ光束
(ほぼ平行光束)LBが入射する。このレーザ光束LB
の偏光方向は、2焦点光学系21によってP偏光とS偏
光に分離されて焦点26a、27aに集光するとき、P
偏光とS偏光とでその光強度(光量)が所定の比になる
ように調整されている。通常、ウェハ4に達する光の方
が損失が多いので、ウェハ4への光量を増やすようにす
る。そのためには、2重焦点素子を光軸の回りに回転さ
せたり、レーザ光源とラジアル・グレィティング11の
間にλ/2板を挿入し、それを光軸の回りに回転させた
りする構造を採用すればよい。すなわち、それによって
レチクル1に達する偏光とウェハ4へ達する偏光との光
量比を最適なものに調整できる。さて、ラジアル・グレ
ィティング11からの±1次光LBIは、テレセントリ
ックな2焦点光学系21に入射し、+1次光+LB 1 は
偏光成分によってP偏光の+LB1PとS偏光の+LB1S
とに分離れ、2焦点光学系21の光軸に対して回折角で
決まる角度だけ傾いてレチクル1に達する。同様に−1
次光−LB1 もP偏光の−LB1PとS偏光の−LB1Sと
に分離され、光軸をはさんで+1次光(+LB1P、+L
B1S)と対称的な角度でレチクル1に達する。P偏光に
関しては焦点27a、すなわちレチクル1の回折格子マ
ークRMの位置に結像するため、P偏光の1次光+LB
1P、−LB1Pは回折格子マークRMのところで交差(結
像)する。第2図においてマークRMの格子配列方向は
紙面内の左右方向であり、1次光+LB1P、−LB1Pの
各々の光軸からの傾き方向も第2図の紙面内に定められ
る。レチクル1には第3図(a)に示すように回折格子
マークRMと透明な窓部Poとが形成されており、1次
光+LB1P、−LB1PはともにマークRMと窓部Poと
をカバーする大きさでレチクル1を照射する。第3図
(a)に示したマークRMはx方向(格子配列方向)の
位置検出に使われるものであり、ウェハ4上の回折格子
マークWMも第3図(b)に示すように、これと対応し
ている。マークWMはアライメント時(又は露光時)に
レチクル1の窓部Poの位置に整列するように定められ
ている。さて2焦点光学系21を射出したS偏光の1次
光+LB1S、−LB1Sは空間上の焦点26aで一度結像
した後、レチクル1の窓部Poを透過し、投影レンズ3
を介してウェハ4の回折格子マークWMに互いに異なる
2方向から入射するように結像される。投影レンズ3か
ら射出したS偏光の1次光+LB1S、−LB1Sの各々
は、回折格子マークWMの格子配列方向に関して対称的
に傾いて入射する。ウェハ4に達したS偏光の1次光+
LB1S、−LB 1Sの成す角度は大きくても投影レンズ3
の射出(ウェハ)側の閉口数を越えることはない。尚、
ラジアル・グレイティング11に対してレチクル1とウ
ェハ4とはそれぞれ共役に配置されるため、レーザ光束
LBが平行光束であるとすると、各回折光束+LB1P、
−LB1P、+LB1S、−LB1Sも平行光束となる。 【0019】ここでP偏光の1次光+LB1P、−LB1P
のレチクル1のマークRMに対するふるまいを第5図を
用いて詳述する。第5図はレチクル1のマークRMを模
式的に表わしたもので、P偏光の1次光+LB1Pが角度
6でマークRMに入射しているものとする。このとき1
次光+LB1Pのレチクル1での正反射光D1Pも角度6で
反射することになる。光束+LB1Pが角度6で入射する
ことは、光束一LB1Pについても角度6で、正反射光D
1Pと逆向きにレチクル1に入射することを意味する。そ
こで回折格子マークRMの格子ピッチをP、レーザ光束
LBの波長を久、そしてnを整数として、以下の(1)
式を満たすようにピッチPと角度8とを定める。 sinθ=(λ/P)×n ……(1) この(1)式を満足すると、1次光+LB1P、−LB1P
の照射によりマークRMから発生する特定次数の回折光
104は、レチクル1と垂直な方向、すなわち2焦点光
学系21の光軸に沿った方向に進む。もちろんその他の
回折光103も発生するが、これは回折光104とは異
なる方向に進む。 【0020】ところでレチクル1のマークRMには2方
向から光束+LB1P、−LB1Pが交差するように照射さ
れ、その両光束が同一のレーザ光源10から射出された
ものであることから、マークRM上には2つの光束+L
B1Pと−LB1Pとの干渉により、明暗の綿、所謂干渉縞
が生じる。仮りにラジアル・グレイティング11が停止
しているものとすると、この干渉縞はマークRMの格子
配列方向に所定のピッチで配列する。干渉縞のピッチと
マークRMの格子ピッチとは必要とされる検出分解能に
応じて適宜決定される。従って、マークRMからの回折
光104は、この干渉縞がマークRMを照射したことに
よって生じたものである。あるいは、一方の光束+LB
1Pの照射によってマークRMから生じた回折光と、他方
の光束−LB1Pの照射によってマークRMから生じた回
折光とが同一光路(2焦点光学系21の軸上)を戻るこ
とから相互に干渉したものとも考えられる。このように
マークRM上に異なる2方向から光束十LB1P、−LB
1Pが照射されると、マークRMには干渉縞が生じるが、
ラジアル・グレイティング11が回転している場合は、
その干渉縞がマークRMの格子配列方向に移動する(流
れる)ことになる。これはラジアル・グレイティング1
1の1次光+LB1 、−LB1 による昭視野像がレチク
ル1のマークRM上に結像していることによる。このた
め、マークRM上を干渉縞(ラジアル・グレイティング
11の2焦点光学系21等によって投影された回折像)
が走査することによって、回折光104は明暗の変化を
周期的に繰り返すことになる。よって光電検出器25か
らの信号は、その明暗変化の周期に応じた正弦波状の交
流信号となる。 【0021】以上のことは、ウェハ4上の回折格子マー
クWMとS偏光の光束+LB1S、−LB1Sとの関係にお
いても全く同様であり、マークWMからは回折光105
が発生し、これは投影レンズ3の主光線に沿って進み、
レチクル1の窓部Poを介して光電検出器25に達す
る。2焦点光学系21を射出したS偏光の光束+L
B1S、−LB1Sは焦点26aでは交差するように結像す
るが、レチクル1のマークRM、窓部Poにおいては大
きくデフォーカスしてしまう。 【0022】さて、光電検出器25は2焦点光学系21
を介してマークRMとマークWMの夫々と共役に配置さ
れるとしたが、実際には第2図に示すように、マークR
M、WMの夫々と共役な位置に、第3図(C)に示すよ
うなマスク部材25’を設け、このマスク部材25’の
アパーチャAP 、AS を透過した回折光104、105
を光電検出するように構成される。ここでアパーチャA
P は、例えばレチクル1のマークRMからの回折光10
4による回折像を取り出すものであり、アパーチャAS
はウェハ1のマークWMからの回折光105による回折
像を取り出すものである。従って光電検出器25を各ア
パーチャAP 、AS の後に別個に設けることによって、
マークRMによるレチクル1の位置検出とマークWMに
よるウェハ1の位置検出とが独立に可能となる。満、ア
パーチャAP にはP偏光の光束+LB1P、−LB1Pによ
って照射されたレチクル1のマークRMの像ができる
が、同時にS偏光の光束+LB1S、−LB1Sの反射回折
光もバックグラウンドノイズとして入ってくる。このた
めアバーチャAPにはP偏光を通す偏光板を設け、アパ
ーチャAS にはS偏光を通す偏光板を設けるとよい。こ
うすると、2つの光電検出器25の夫々で、ウェハから
の光とレチクルからの光とが混在してしまうクロストー
クは十分に低減される。 【0023】ここでラジアル・グレィティング11が停
止している場合に、アパーチャAPを介してえられる回
折光104の光電信号について解析してみる。先の
(1)式でn=±1にすると、格子ピッチPはラジアル
・グレイティング11の基準格子のピッチと、レンズ1
3、2焦点光学系21を通した結後倍率の関係にある。
(同様にしてウェハ4上のマークWMの格子ピッチも、
マークRMの格子ピッチPと投影レンズ3の結像倍率に
関連している。)さて、マークRMに入射する光束+L
B1Pによって生じる回折光の振幅VR+ は(2)式で与
えられ、光束−LB1Pによって生じる回折光の振幅VR
- は(3)式で与えられる。 VR+ =a・sin〔φ+2π(x/P)〕 ……(2) VR- =a’・sin〔φ−2π(x/P)〕 ……(3) ここでPはマークRMの格子ピッチであり、xはマーク
RMの格子配列方向の変位量である。これら2つの回折
光VR+ 、VR- が互いに干渉したものが光電検出され
るから、光電信号の変化(回折光104の振幅)は
(4)式のように表わされる。 │VR+ +VR- │2 = a2 +a’2 +2・a・a’・cos〔4π(x/P)〕 ……(4) ここでa2 +a’2 は信号のバイアス(直流成分)であ
り、2a・a’が信号変化の振幅成分である。この
(4)式から明らかなように、光電信号はラジアル・グ
レイティング11とマークRMとが格子配列方向に相対
的に変位すると正弦波状に変化する。その相対変位量x
が、x=P/2(格子ピッチの半分)になるたびに、信
号幅幅は1周期だけ変化する。一方、ウェハ4のマーク
WMからの回折光105についても全く同様で、(4)
式のように表わされる。そこでこの2つの光電信号の位
相関係を合致させるように、レチクル1又はウェハ4を
移動させることによってアライメントが完了する。ただ
し(4)式からもわかるように各信号は正弦波状であ
り、検出できる位相差も±180°の範囲内であるた
め、レチクル1とウェハ4とは予めマークRM、WMの
格子ピッチPの1/2以下の精度でプリアライメントさ
れている必要がある。このようにラジアル・グレイティ
ング11が停止している場合は、得られる光電信号の振
幅レベルはしチクル1又はウェハ4を移動させることに
よってはじめて正弦波状に変化する。 【0024】ところでラジアル・グレイティング11が
回転していると、回折光104、105は周期的(正弦
波状)な明暗情報となり、得られる光電信号は、レチク
ル1又はウェハ4が静止していたとしても、正弦波状の
交流信号となる。従ってこの場合は、第1図中に示した
光電検出器19からの光電信号(正弦波交流信号)を基
本信号として、マークRMからの回折光104の光電信
号(正弦波交流信号)との位相差φr を位相検出系で検
出する。同様にして、マークWMからの回折光105の
光電信号と基本信号との位相差φW を検出する。そし
て、位相差φr とφW の差を求めれば、レチクル1とウ
ェハWのx方向のずれ量がわかる。この検出方式は所謂
光へテロダイン方式と呼ばれ、レチクル1とウェハ4が
格子ピッチPの1/2の位置誤差範囲内であれば、静止
状態であっても検出高分解能で位置ずれ検出できるた
め、レチクル1のパターンをウェハ4のレジストへ露光
している間に微小な位置ずれが生じないようにクローズ
ド・ループの位置サーボをかけるのに好都合である。こ
の検出方式では、φr −φW が零(又は所定値)になる
ようにレチクル1又はウェハ4を移動させてアライメン
トを完了させた後、引き続きそのアライメント位置でレ
チクル1とウェハ4とが相対移動しないようにサーボ・
ロックをかけることができる。 【0025】以上本実施例では、アライメント光学系を
x方向の位置ずれ検出用に1組だけ設けて説明したが、
実際には2組、又は3組が必要であり、x方向、y方向
のアライメント、あるいはx方向、y方向、θ方向のア
ライメントが行なわれる。3組のアライメント光学系を
配置する場合、ウェハ上のマーク配置は1例として第4
図に示すものが考えられる。第4図はウェハ上の1つの
ショット領域SAに付随した3ケ所の回折格子状マーク
WMx、WMy、WMθを表わし、マークWM白、WM
yはショット領域の両端に設けられ、ともにy方向のず
れ検出に使われる。マークWMy、WMθのずれ量の差
からショット毎にレチクル1との相対回転誤差が求めら
れる。尚、第4図においてマークWMx、WMy、WM
θはショット領域内に設けたが、スクライブライン(ス
トリートライン)SL上に設けるようにしてもよい。 【0026】以上、本実施例においては、ダイクロイッ
クミラー22で露光光とアライメント用照明光とを分離
し、アライメント光学系は露光中においてもレジストを
感光させにくい照明光によってレチクルとウェハとを同
時観察できるようにしてある。しかも2焦点光学系を用
いて投影レンズの色収差量に対応するようにアライメン
ト用照明光を2焦点化するため、レチクルとウェハとの
間のアライメント光路中には、従来のように補正光学系
を設ける必要かなく、レチクル上のマークとウェハ上の
マークとを直接検出して高精度なアライメントが可能と
なる。さらにアライメント用のマークは高分解能で位置
ずれ検出のできる回折格子とし、この回折格子の周期構
造に応じて発生する回折光の正弦波状のレベル変化をと
らえるようにしたため、レジストに対して透明な波長の
照明光(非感光光)を用いることと相まって、極めて安
定で高精度の位置ずれ検出が可能となる。また本実施例
では、ラジアル・グレイティングを回転させて、回折格
子マークを2方向から照明する2つの光束+LB1P、−
LB1P(又は+LB1S、−LB1S)に位相差を与えるこ
とによって、光へテロダイン方式の位置ずれ検出を行な
うようにしたが、レーザ光束LBをゼーマンレーザにし
て固定の基準回折格子に入射させて2つの光束を得た
り、又は超音波光変銅器(AOM)等を用いて互いに周
波数がわずかに異なる2つのしーザ光束を得たりするこ
とによっても、同様に光へテロダイン方式の計測がてき
る。特に超音波光変調器等を用いると、ラジアル・グレ
イティングのような機械的可動部がいらないこと、変調
による周波数差がラジアル・グレイティングの場合より
も数段大きくとれることから、位相差検出の分解能が上
げられることなどの利点がある。 【0027】また本実施例では、露光光とアライメント
光とで波長が異なり、その色収差量が大きいために2焦
点素子を用いた検出光学系を用いた。しかし投影レンズ
自体が上記2つの波長に対して収差補正されている場合
は、2焦点素子は必要なく、2つの波長で色消しされた
テレセントリックな対物レンズがあればよい。この場合
でも、検出系の受光面ではウェハからの信号とレチクル
からの信号とを分離して受光することができる。これは
ウェハ、レチクル、受光面の夫々がアライメント光の波
長のもとでも共役になるからである。 【0028】さらに露光光とアライメント光との波長を
近似させてもよい。この場合は投影レンズによって大き
な色収差量は発生しないものの、実質的に光源が異なる
ことからアライメント精度に影響を与える程度の収差が
残存することもあり、検出光学系として色消しされたテ
レセントリックな対物レンズを用いる。このようなとき
に、露光光の波長に近いアライメント光を発生する光源
が存在しない場合は、非線形結晶にレーザ光を入射さ
せ、この結晶から高調波を発生させ、それを利用するこ
ともできる。特にエキシマレーザを用いた露光装置の場
合、露光波長に近い波長で連続発振するレーザが存在し
ないことがあり、このようなときに非線形結晶を用いて
所望のアライメント光を取り出すようにするとよい。 【0029】以上本実施例においては、アライメント光
学系の照明光迭光路中に2焦点光学系等の検出光学系を
設け、照明光自体を色収差量に対応して2重焦点化(色
消し)することによって、マスク(レチクル)と投影光
学系との間に補正光学系を設けることを不要とした。従
って露光光とは異なる波長の光でマーク(回折格子)を
検出するにもかかわらず、従来のような補正光学系に起
因する各種問題が一掃され、極めて安定した位置合わせ
が可能となる。さらにマスク上の格子と基板上の格子と
の相対的な位置ずれを検出するために、各格子の配列方
向に関して異なった2方向からアライメント用照明光が
照射されるように、2焦点光学系(検出光学系)に入射
するアライメント用照明光の配向特性を制御するように
した。このため各格子から発生する正反射光と回折光
(±1次光、±2次光等)とが明瞭に分離されることに
なり、回折光を用いた格子間の位置ずれが高精度に求め
られる。また、回折格子に2方向から照明光を入射する
ことによって、一方の方向からの照射により発生する回
折光と、他方の方向からの照射により発生する回折光と
を同一の光路にして干渉させることができるため、所謂
光へテロダイン法を容易に採用することができ、位置ず
れ計測の分解能は十分に高精度になり、計測再現生、安
定性とも十分に向上する。 【0030】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、光源とは
別設された周波数変調器からの1対の照明光を対物光学
系を介して位置合わせ対象物(基板、マスク)に照明す
るようにしたので、所望の条件で照明光を位置合わせ対
象物に照射することができる。また、周波数変調器とマ
ークとを共役関係としたので、回折マークを用いた位置
合わせ方式において、周波数変調器が位置ずれしたり、
周波数変調器とマークとの間の光路中で空気ゆらぎが生
じたりしてもアライメント誤差が生じない。従って、装
置としての安定性とアライメント精度とを同時に満足す
ることが可能となる。
造に使用される投影露光装置の位置合わせ装置に関する
ものであり、特に原画パターンを有するマスクと、この
原画パターンが転写される半導体ウェハ等の基板とを相
対的に位置合わせする装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、半導体素子等の微細パターンを高
分解能で半導体ウェハ上に転写する装置として、投影型
露光装置(ステッバー)が多用されるようになった。従
来よりこの種のステッバーにおいては、レチクル(マス
クと同義)とウェハ上の1つのシヨット領域との位置合
わせ、所謂アライメント方式として、レチクルの回路パ
ターン周辺に形成されたアライメントマークと、ウェハ
上のショット領域周辺に形成されたアライメントマーク
とを同時検出するものが知られている。 【0003】このアライメント方式ではしチクル上のマ
ークとウェハ上のマークとをともに高精度に検出し、そ
の相対位置ずれ量を求め、このずれ量が補正されるよう
にレチクル、又はウェハを微動させている。一般に投影
型露光装置では、レチクルのパターンをウェハ上に高解
像力で結像するために、投影光学系は露光用の照明光
(例えば波長436nmのg線あるいは波長365nmのi
線)のみに対して良好に色収差補正されているのが現状
である。このことは投影光学系を介してレチクルのマー
クとウェハのマークとを検出するアライメント光学系に
おいて、マーク照明用の光が露光光の波長と同一、もし
くは極めてそれに近い波長に制限されることを意味す
る。 【0004】露光工程のウェハには表面にレジスト層が
形成されており、アライメント時にはしジスト層を介し
てウェハ上のマークを検出する。このレジスト層は、よ
り高解像のパターン形成を可能とするために、露光光に
対する吸収率が高く、透過率が低くなるような多層レジ
スト構造等を採用することが考えられてきた。この場
合、アライメント用の照明光がウェハ上のマークに達す
るまでに減衰を受けることと、マークからの反射光(正
反射光、散乱光、回折光等)も減衰を受けることによっ
て、ウェハ上のマークがアライメント光学系によって十
分な光量で認識されないといった問題が生じる。 【0005】そこで、このようなしジストに対して透過
率の高い波長城の光をアライメント用照明光とすること
が考えられる。そのー例として、特開昭56−1102
34号公報に開示されているように、レチクルと投影光
学系との間のアライメント光路中に色収差補正用の小レ
ンズ等を設け、露光光とは異なる波長の光のもとでも、
レチクル上のマークとウェハ上のマークとを互いに共役
にする技術が知られている。この方式では、投影光学系
に対して補正用光学系を可動にしておくと、補正用光学
系の設定時の不安定要因からアライメント精度が極端に
低下してしまうため、専ら固定の位置関係に定められて
いる。このため露光時に補正光学系が回路パターンの結
像光束のー部を遮断しないように、レチクル上のマーク
は回路パターン領域から十分に離れた位置に設けられ
る。一方、投影型露光装置の中でも、ステップアンドリ
ピート方式により、ウェハ上の複数のショット領域の各
々に対して順次レチクルのパターン像を重ね合わせて露
光するステッパーでは、ウェハ上のショット領域毎にア
ライメントできることが望ましい。 【0006】ところでアライメント精度は、マーク位置
の検出分解能を高めれば、それにみあって向上するもの
であるが、現在、最も高精度な検出が可能なマークとし
て回折格子を用いることが注目されている。これはしチ
クル上にマークとして形成された格子と、ウェハ上にマ
ークとして形成された格子との各々から発生する回折光
同志を相対的に格子の配列方向に移動させることによっ
て得られる光電信号の位相差から、レチクルとウェハの
位置ずれを検出するものである。そのー例として特公昭
61−9733号公報に開示されたものが知られてい
る。その他に、プロキシミティ方式ではマスクの格子か
ら発生する回折光と、ウェハの格子から発生する回折光
とを干渉させて得られる光情報(正弦波状の強度変化)
に基づいてマスクとウェハの位置ずれを、回折格子のピ
ッチの数分の1〜数十分の1以下の分解能で検出する方
式もある。 【0007】この場合、実験上では、回折格子を用いた
アライメントで数nm程度の検出分解能を得られるとの
報告もなされている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】さて、従来のように補
正光学系を有する投影露光方式の場合、以下のような問
題が生じる。ウェハ上の各ショット領域の間は、通常5
0〜100μm幅程度のスクライブ線で区画されてい
る。仮りに、あるショット領域に付随したマークをスク
ラィブ線上の回路パターン領域から100μmだけ離れ
た位置に設けるとした場合、投影光学系の縮小率を1/
10にしたとしてもレチクル上のマークはレチクル上の
回路パターン領域からわずか1000μm(1mm)しか
離れず、補正光学系を小レンズで構成したとすると、回
路パターンの結像光路を遮断しないためには、鏡筒も含
めて直径、わずか2mm程度のレンズ系を用意しなければ
ならないことになる。このことは極めて非現実的であ
る。そこでこの問題点を解決して、レチクル上のマーク
を回路パターン領域から大きく離しても、ウェハ上のシ
ョット領域に付随したマークとの共役状態が保たれるよ
うに工夫された補正光学系の構成が特公昭58−307
36号公報に開示されている。 【0009】しかしながら、先の特開昭56−1102
34号公報にしても、この特公昭58−30736号公
報にしても、ウェハ上のショット領域の大きさ(すなわ
ちレチクル上の回路パターンの大きさ)が変化すること
には対応できず、結局、補正光学系(もしくはそのー
部)を動かす構成を採用するか、又はアライメント時と
露光時とでレチクルとウェハの相対位置が予め決った量
だけオフセットしたサイトアライメント方式を採用する
かのいずれかを選択せざるを得なかった。 【0010】一方、回折格子を用いたアライメント方式
では高分解能なマーク位置検出が可能ではあるが、先の
特公昭61−9733号公報に開示された技術において
も、レチクルと投影光学系との間のアライメント光路中
に光学的変調器等を設けることから、補正光学系を設け
た場合とまったく同じ問題が生じてしまう。このよう
に、回折格子の周期構造によって一義的に決まる周期的
な光情報を直接利用するアライメント方式は高精度にな
ることが知られてはいるものの、投影型露光装置、特に
ステッパーに適用するための実用的な構造については、
いまだに考えられていなかった。 【0011】上記課題を解決するために、本発明におい
ては、移動可能なステージ上に保持された基板上のマー
クを照明し、該マークから発生する回折光を受光して得
られる光電信号に基づいて、ステージの移動を制御する
ことによって基板を位置合わせする装置において、基板
のマークを照明するための照明光を放射する光源と;照
明光を入射して所定の周波数差を有する一対の照明光を
生成する周波数変調器と;1対の照明光をマークに所定
の交差角度で照射するために、周波数変調器と基板とを
相互に共役関係にする第1の照射光学系と;該第1の照
射光学系の光路内に配置されて1対の照明光を分割する
ビームスプリッタと;該分割された1対の照明光を参照
マークに所定の交差角度で照射するために、周波数変調
器と参照マークを相互に共役関係にする第2の照射光学
系と;マークから発生する2つの回折光の干渉光を受光
して所定の周波数差に応じた周期で強度変化する第1交
流信号を出力するとともに、参照マークから発生する2
つの回折光の干渉光を受光して所定の周波数差に応じた
周波数差に応じた周期で強度変化する第2交流信号とを
出力する光電検出手段と;第1交流信号と第2交流信号
との間の位相差を計測することによって、参照マークに
対する前記マークの位置ずれ量を計測する計測手段と;
該計測された位置ずれ量に基づいて、ステージの移動を
制御する制御系とを備えることとした。また本発明にお
いては、移動可能なステージ上に保持された基板上のマ
ークを照明し、該マークから発生する回折光を受光して
得られる光電信号に基づいて、ステージの移動を制御す
ることによって基板を位置合わせする装置において、マ
ークを照明するための照明光を放射する光源と;照明光
を入射して1対の照明光を生成する2光束発生手段と;
1対の照明光に所定の周波数差を与える周波数変調器
と;1対の照明光の各々を入射し、該各々の照明光をマ
ークに照射する照射対物光学系と;マークから発生する
2つの回折光の干渉光を受光して光電信号を出力する光
電検出手段と;光電信号に基づいて、マークの位置を計
測する計測手段と;該計測されたマークの位置に基づい
て、ステージの移動を制御する制御系とを備えることと
した。また本発明においては、移動可能なステージ上に
保持された基板上にマスクのパターンを転写する露光装
置において、基板に形成された回折マークを照明するた
めの照明光を放射する光源と;照明光を入射して1対の
照明光を生成する2光束発生手段と;1対の照明光に所
定の周波数差を与える周波数変調器と;1対の照明光の
各々を入射し、該各々の照明光を回折マークに照射する
第1照射対物光学系と;1対の照明光を分割するビーム
スプリッタと;分割された1対の照明光を参照マークに
照射する第2照射対物光学系と;回折マークから発生す
る2つの回折光の干渉光を受光して第1光電信号を出力
する第1光電検出手段と;参照マークから発生する2つ
の回折光の干渉光を受光して第2光電信号を出力する第
2光電検出手段と;第1光電信号と第2光電信号に基づ
いて、参照マークに対する回折マークの位置ずれ量を計
測する計測手段と;該計測された位置ずれ量に基づい
て、ステージの移動を制御する制御系とを備えることと
した。また本発明においては、移動可能なステージ上に
保持された基板上にマスクのパターンを転写する露光方
法において、光源からの照明光を1対の照明光に分割す
るとともに、該光源とは別設された周波数変調器によっ
て、該1対の照明光に所定の周波数差を与える第1工程
と;1対の照明光の各々を入射する対物光学系を介し
て、基板上に形成されたマークに1対の照明光を照射す
る第2工程と;マークから発生する2つの回折光の干渉
光に基づいて、マークの位置情報を計測する第3工程
と;計測結果に基づいて、ステージの移動を制御する第
4工程とを備えることとした。 【0012】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施例による位置合
わせ装置の構成を第1図に参照して説明する。所定の回
路パターンとアライメント用の回折格子マークとを有す
るレチクル1は2次元移動可能なレチクルスブージ2に
保持される。レチクル1上の各パターンは両側テレセン
トリックな投影レンズ3によって露光光のもとでウェハ
4上に結像される。ただしこの投影レンズ3は露光用の
照明光波長(g線、i線等)に関して良好に色収差補正
されており、その露光用の波長に関してレチクル1とウ
ェハ4とが互いに共役になるように配置される。またウ
ェハ4上にもしチクル1に形成された格子マークと同様
の回折格子マークが形成されている。さて、ウェハ4は
ステップアンドリピート方式で2次元移動するステージ
5上に吸着され、ウェハ4上の1つのショット領域に対
するレチクル1の転写露光が終了すると、次のショット
位置までステッピングされる。レチクルステージ2の一
部には、レチクル1の水平面内でのx方向、y方向及び
回転(θ)方向の位置を検出するためのレーザ光波干渉
式側長器(以下、干渉計とする)43からのレーザビー
ムを反射する移動鏡6が固定されている。この干渉計4
3はx方向、y方向、θ方向の位置を独立に検出するた
めに3本の側長用レーザビームを有するが、ここでは説
明を簡単にするため図示をー部省略してある。レチクル
ステージ2の移動ストロークは数ミリメートル以下であ
り、干渉計43の検出分解能は、例えば0.01μm程
度に定められている。一方、ウェハステージ5のー部に
は、ウェハ4の水平面内でのx方向、y方向の位置を検
出するための干渉計45からのレーザビームを反射する
移動鏡7が固定されている。この干渉計45もx方向、
y方向の位置を独立に検出するために2本の棚長用レー
ザビームを有するが、ここでは説明を簡単にするため図
示をー部省略してある。レチクルステージ2のx方向、
y方向、6方向の駆動は駆動モータ42で行なわれ、ウ
ェハステージ5の2次元移動は駆動モータ46で行なわ
れる。 【0013】ところで露光用の照明系は、水銀ランプ3
0、楕円鏡31、集光レンズや干渉フィルター等を含む
入力レンズ群32、オブチカルインテグレータ(フライ
アイレンズ)33、ミラー34、メインコンデンサーレ
ンズ35及びダイクロイックミラー22等によって構成
される。ダイクロイックミラー22はレチクル1の上方
に45。で斜設され、コンデンサーレンズ35からの露
光光を垂直に下方に反射させ、レチクル1を均一に照射
する。このダィクロイックミラー22は露光光の波長に
対しては90%以上の反射率を有し、アライメント用の
照明光の波長(露光光よりも長波長)に対しては50%
以上の透過率を有する。 【0014】次に本実施例のアライメント系について説
明する。アライメント用の照明光はレーザ光源10から
射出され、透過型の基準回折格子を放射状に形成したラ
ジアル・グレイティング11を通り、フーリエ変換レン
ズ13とビームスプリッタ14を介してフーリエ面(ア
ライメント光学系の瞳面)に配置された空間フィルター
15に達する。ラジアル・グレイティング11はモータ
12によってほぼー定の速度で回転可能に構成される。
このラジアル・グレイティング11に入射したレーザ光
は0次光、±1次光、±2次光……のように、回折し、
それぞれ異なった回折角で広がっていく。第1図では0
次光LBo、+1次光+LB1 及び−1次光−LB1 の
みを示す。これら0次光、±1次光は空間フィルター1
5上で明確に分離して分布し、0次光LBoのみが遮断
され、±1次光は透過する。空間フィルター15を通っ
た±1次光はビームスブリッター20を透過して2焦点
光学系21に入射する。2焦点光学系21は第1図では
簡単に示してあるが、実際には複屈折物質(水晶、方解
石等)と顕微鏡用等のテレセントリックな対物レンズと
を組み合わせたもので構成され、レーザ光の±1次光の
偏光成分(P偏光とS偏光)に応じて異なるパワーを与
えるものである。このため2焦点光学系21を射出した
一方の偏光(例えばP偏光)はレチクル1の上方空間の
焦点26aに結像し、他方の偏光(例えばS偏光)はレ
チクル1の下面のパターン面と一致した焦点27aに結
像する。また2焦点光学系21の他方の焦点、すなわち
レーザ光源10側で焦点26a、27aの夫々と共役な
面は、ラジアル・グレィティング11とー致している。
ここで2焦点光学系21の2つの焦点26a、27bの
光軸方向の間隔はアライメント用のレーザ光の波長にお
ける投影レンズ3のレチクル1側での色収差量に対応し
ている。この焦点面26aは投影レンズ3によってウェ
ハ4の表面とー致した結後面26bと共役になり、焦点
面27a(レチクルパターン面)は投影レンズ3によっ
てウェハ4の表面から空間的に下方に離れた結後面27
bと共役になる。結後面26bと27bの間隔は投影レ
ンズ3のウェハ4側での色収差量に対応している。ここ
で結後面26bと27bの間隔距離をDw、焦点面26
aと27aの間隔距離をDr、そして投影レンズ3の投
影倍率を1/M(通常Mは1、25、5、10)とする
と、一般的にDr=M2.Dwの関係がある。アライメ
ント用のレーザ光の波長が露光光の波長から離れれば離
れる程、投影レンズ3の収差特性に応じてDw、Drは
大きくなる。この種の投影レンズの焦点深度は極めて浅
く、±1μm程度であり、アライメント用照明光の波長
にもよるが間隔Dwは数10μm程度に達することもあ
る。尚、アライメント用照明光(レーザ光)はウェハ4
に塗布されたレジストに対してほとんど感度を持たない
波長にすることが望しいが、本発明においては必ずしも
満たされるべき条件ではない。それは投影レンズによっ
て露光光の波長とアライメント用照明光の波長とで極端
に大きな収差が生じ、特にウェハ4上の回折格子マーク
からの光情報自体に大きな歪みが加えられてしまうから
である。このためその収差との兼ね合いで最適なアライ
メント用照明光を定めることを優先することの方が重要
である。従ってアライメント用照明光が長時間(例えば
1分以上)レジストを照射すると、感光させてしまう
(現像後に薄減りが生じる)ような弱い感度の波長にな
る場合もある。 【0015】さて、アライメント用のレーザ光の±1次
光LB・(S偏光)は焦点面27aでレチクル1の回折
格子マーク部分に、+1次光+LB1 と−1次光−LB
1 との成す角度で2方向から入射し結像する。またレチ
クル1の透明部を透過した焦点面26aからの±1次光
LB・(P偏光)は、投影レンズ3を介して焦点面26
bでウェハ4の回折格子マーク部分に、+1次光と−1
次光との成す角度で2方向から入射し結像する。そして
レチクル1の回折格子マークからの反射回折光はダイク
ロイックミラー22、2焦点光学系21を介してビーム
スプリッタ20で反射され、空間フィルター23でフィ
ルタリングされた後、集光レンズ24によって光電検出
器25に達する。またウェハ4の回折格子マークからの
反射回折光は投影レンズ3を介して元の光路を戻り、レ
チクル1の透明部を透過してダイクロイックミラー2
2、2焦点光学系21、ビームスプリッタ20、空間フ
ィルター23、及び集光レンズ24を通って光電検出器
25に達する。空間フィルター23はアライメント光学
系の瞳面と共役な位置、すなわち投影レンズ3の瞳(射
出瞳)と実質共役な位置に配置され、レチクル1、又は
ウェハ4からの正反射光を遮断し、レチクル1又はウェ
ハ4の回折格子に垂直(面の法線方向)に回折される光
のみを通すように定められている。そして光電検出器2
5は2焦点光学系21、レンズ24を介してレチクル
1、ウェハ4の夫々と共役に配置されている。 【0016】さて光電検出器25から得られる光電信号
は2つの回折格子マークの各々からの回折光同志が干渉
したものとなり、ラジアル・グレイティング11の回転
速度に応じた正弦波状の交流信号となる。ところでラジ
アル・グレイティング11からの±1次光、0次光は、
ビームスプリッタ14を透過し、瞳(フーリエ面)に配
置された空間フィルター16で0次光のみが遮断され、
レンズ系(逆フーリエ変換レンズ)17によって参照用
回折格子18上に結像する。この参照用回折格子18は
装置上で固定されているものである。この回折格子18
にも+1次光+LB1 と−1次光−LB1 とが所定の角
度で2方向から入射する。光電検出器19は参照用回折
格子18を透過した回折光(又は干渉光)を受光して、
正弦波状の光電信号を出力する。位相検出系40は、光
電検出器26からの光電信号と光電検出器19からの光
電信号とを入力し、両信号の波形上の位相差を検出す
る。検出された位相差(±180。)はレチクル1、ウ
ェハ4の夫々に形成された回折格子マークの格子ピッチ
の1/2内の相対位置ずれ量に一義的に対応している。
制御系41は検出された位相差(位置ずれ量)の情報、
サーボシステム44を介して得られる干渉計43、45
の各々からの位置情報等に基づいて駆動モータ42、4
6を制御し、レチクル1とウェハ4の相対位置合わせ
(アライメント)を行なう。 【0017】以上、本実施例の全体構成において、アラ
イメント光学系のー部、特に2焦点光学系21はレチク
ル1上のアライメントマークの配置に応じて任意の位置
に可動とされ、どのようなマーク配置であってもマーク
検出が可能となっている。さらにレチクル1の上方に斜
設したダイクロックミラー22によって露光光とアライ
メント用照明光とを分離するため、露光動作中であって
もマーク検出が可能となる。これは露光中において何ら
かの外乱でレチクル1とウェハ4とのアライメント状態
が狂った場合も、その時点でただちに検出できることを
意味する。さらに位相検出系40からの位相差情報に基
づいて露光動作中であってもレチクルステージ2とウェ
ハステージ5との位置決めサーボをクローズド・ループ
で実行できることをも意味する。尚、露光光の光源は水
銀ランプ以外のエキシマレーザ光源等に置きかえてもよ
い。 【0018】次に第2図を用いてアライメント系のみの
詳細な構成、及びアライメントの原理を説明する。第2
図において、第1図中のものと同一の部材には同じ符号
をつけてある。ラジアル・グレイティング(基準回折格
子)11にはレーザ光源10から成形されたレーザ光束
(ほぼ平行光束)LBが入射する。このレーザ光束LB
の偏光方向は、2焦点光学系21によってP偏光とS偏
光に分離されて焦点26a、27aに集光するとき、P
偏光とS偏光とでその光強度(光量)が所定の比になる
ように調整されている。通常、ウェハ4に達する光の方
が損失が多いので、ウェハ4への光量を増やすようにす
る。そのためには、2重焦点素子を光軸の回りに回転さ
せたり、レーザ光源とラジアル・グレィティング11の
間にλ/2板を挿入し、それを光軸の回りに回転させた
りする構造を採用すればよい。すなわち、それによって
レチクル1に達する偏光とウェハ4へ達する偏光との光
量比を最適なものに調整できる。さて、ラジアル・グレ
ィティング11からの±1次光LBIは、テレセントリ
ックな2焦点光学系21に入射し、+1次光+LB 1 は
偏光成分によってP偏光の+LB1PとS偏光の+LB1S
とに分離れ、2焦点光学系21の光軸に対して回折角で
決まる角度だけ傾いてレチクル1に達する。同様に−1
次光−LB1 もP偏光の−LB1PとS偏光の−LB1Sと
に分離され、光軸をはさんで+1次光(+LB1P、+L
B1S)と対称的な角度でレチクル1に達する。P偏光に
関しては焦点27a、すなわちレチクル1の回折格子マ
ークRMの位置に結像するため、P偏光の1次光+LB
1P、−LB1Pは回折格子マークRMのところで交差(結
像)する。第2図においてマークRMの格子配列方向は
紙面内の左右方向であり、1次光+LB1P、−LB1Pの
各々の光軸からの傾き方向も第2図の紙面内に定められ
る。レチクル1には第3図(a)に示すように回折格子
マークRMと透明な窓部Poとが形成されており、1次
光+LB1P、−LB1PはともにマークRMと窓部Poと
をカバーする大きさでレチクル1を照射する。第3図
(a)に示したマークRMはx方向(格子配列方向)の
位置検出に使われるものであり、ウェハ4上の回折格子
マークWMも第3図(b)に示すように、これと対応し
ている。マークWMはアライメント時(又は露光時)に
レチクル1の窓部Poの位置に整列するように定められ
ている。さて2焦点光学系21を射出したS偏光の1次
光+LB1S、−LB1Sは空間上の焦点26aで一度結像
した後、レチクル1の窓部Poを透過し、投影レンズ3
を介してウェハ4の回折格子マークWMに互いに異なる
2方向から入射するように結像される。投影レンズ3か
ら射出したS偏光の1次光+LB1S、−LB1Sの各々
は、回折格子マークWMの格子配列方向に関して対称的
に傾いて入射する。ウェハ4に達したS偏光の1次光+
LB1S、−LB 1Sの成す角度は大きくても投影レンズ3
の射出(ウェハ)側の閉口数を越えることはない。尚、
ラジアル・グレイティング11に対してレチクル1とウ
ェハ4とはそれぞれ共役に配置されるため、レーザ光束
LBが平行光束であるとすると、各回折光束+LB1P、
−LB1P、+LB1S、−LB1Sも平行光束となる。 【0019】ここでP偏光の1次光+LB1P、−LB1P
のレチクル1のマークRMに対するふるまいを第5図を
用いて詳述する。第5図はレチクル1のマークRMを模
式的に表わしたもので、P偏光の1次光+LB1Pが角度
6でマークRMに入射しているものとする。このとき1
次光+LB1Pのレチクル1での正反射光D1Pも角度6で
反射することになる。光束+LB1Pが角度6で入射する
ことは、光束一LB1Pについても角度6で、正反射光D
1Pと逆向きにレチクル1に入射することを意味する。そ
こで回折格子マークRMの格子ピッチをP、レーザ光束
LBの波長を久、そしてnを整数として、以下の(1)
式を満たすようにピッチPと角度8とを定める。 sinθ=(λ/P)×n ……(1) この(1)式を満足すると、1次光+LB1P、−LB1P
の照射によりマークRMから発生する特定次数の回折光
104は、レチクル1と垂直な方向、すなわち2焦点光
学系21の光軸に沿った方向に進む。もちろんその他の
回折光103も発生するが、これは回折光104とは異
なる方向に進む。 【0020】ところでレチクル1のマークRMには2方
向から光束+LB1P、−LB1Pが交差するように照射さ
れ、その両光束が同一のレーザ光源10から射出された
ものであることから、マークRM上には2つの光束+L
B1Pと−LB1Pとの干渉により、明暗の綿、所謂干渉縞
が生じる。仮りにラジアル・グレイティング11が停止
しているものとすると、この干渉縞はマークRMの格子
配列方向に所定のピッチで配列する。干渉縞のピッチと
マークRMの格子ピッチとは必要とされる検出分解能に
応じて適宜決定される。従って、マークRMからの回折
光104は、この干渉縞がマークRMを照射したことに
よって生じたものである。あるいは、一方の光束+LB
1Pの照射によってマークRMから生じた回折光と、他方
の光束−LB1Pの照射によってマークRMから生じた回
折光とが同一光路(2焦点光学系21の軸上)を戻るこ
とから相互に干渉したものとも考えられる。このように
マークRM上に異なる2方向から光束十LB1P、−LB
1Pが照射されると、マークRMには干渉縞が生じるが、
ラジアル・グレイティング11が回転している場合は、
その干渉縞がマークRMの格子配列方向に移動する(流
れる)ことになる。これはラジアル・グレイティング1
1の1次光+LB1 、−LB1 による昭視野像がレチク
ル1のマークRM上に結像していることによる。このた
め、マークRM上を干渉縞(ラジアル・グレイティング
11の2焦点光学系21等によって投影された回折像)
が走査することによって、回折光104は明暗の変化を
周期的に繰り返すことになる。よって光電検出器25か
らの信号は、その明暗変化の周期に応じた正弦波状の交
流信号となる。 【0021】以上のことは、ウェハ4上の回折格子マー
クWMとS偏光の光束+LB1S、−LB1Sとの関係にお
いても全く同様であり、マークWMからは回折光105
が発生し、これは投影レンズ3の主光線に沿って進み、
レチクル1の窓部Poを介して光電検出器25に達す
る。2焦点光学系21を射出したS偏光の光束+L
B1S、−LB1Sは焦点26aでは交差するように結像す
るが、レチクル1のマークRM、窓部Poにおいては大
きくデフォーカスしてしまう。 【0022】さて、光電検出器25は2焦点光学系21
を介してマークRMとマークWMの夫々と共役に配置さ
れるとしたが、実際には第2図に示すように、マークR
M、WMの夫々と共役な位置に、第3図(C)に示すよ
うなマスク部材25’を設け、このマスク部材25’の
アパーチャAP 、AS を透過した回折光104、105
を光電検出するように構成される。ここでアパーチャA
P は、例えばレチクル1のマークRMからの回折光10
4による回折像を取り出すものであり、アパーチャAS
はウェハ1のマークWMからの回折光105による回折
像を取り出すものである。従って光電検出器25を各ア
パーチャAP 、AS の後に別個に設けることによって、
マークRMによるレチクル1の位置検出とマークWMに
よるウェハ1の位置検出とが独立に可能となる。満、ア
パーチャAP にはP偏光の光束+LB1P、−LB1Pによ
って照射されたレチクル1のマークRMの像ができる
が、同時にS偏光の光束+LB1S、−LB1Sの反射回折
光もバックグラウンドノイズとして入ってくる。このた
めアバーチャAPにはP偏光を通す偏光板を設け、アパ
ーチャAS にはS偏光を通す偏光板を設けるとよい。こ
うすると、2つの光電検出器25の夫々で、ウェハから
の光とレチクルからの光とが混在してしまうクロストー
クは十分に低減される。 【0023】ここでラジアル・グレィティング11が停
止している場合に、アパーチャAPを介してえられる回
折光104の光電信号について解析してみる。先の
(1)式でn=±1にすると、格子ピッチPはラジアル
・グレイティング11の基準格子のピッチと、レンズ1
3、2焦点光学系21を通した結後倍率の関係にある。
(同様にしてウェハ4上のマークWMの格子ピッチも、
マークRMの格子ピッチPと投影レンズ3の結像倍率に
関連している。)さて、マークRMに入射する光束+L
B1Pによって生じる回折光の振幅VR+ は(2)式で与
えられ、光束−LB1Pによって生じる回折光の振幅VR
- は(3)式で与えられる。 VR+ =a・sin〔φ+2π(x/P)〕 ……(2) VR- =a’・sin〔φ−2π(x/P)〕 ……(3) ここでPはマークRMの格子ピッチであり、xはマーク
RMの格子配列方向の変位量である。これら2つの回折
光VR+ 、VR- が互いに干渉したものが光電検出され
るから、光電信号の変化(回折光104の振幅)は
(4)式のように表わされる。 │VR+ +VR- │2 = a2 +a’2 +2・a・a’・cos〔4π(x/P)〕 ……(4) ここでa2 +a’2 は信号のバイアス(直流成分)であ
り、2a・a’が信号変化の振幅成分である。この
(4)式から明らかなように、光電信号はラジアル・グ
レイティング11とマークRMとが格子配列方向に相対
的に変位すると正弦波状に変化する。その相対変位量x
が、x=P/2(格子ピッチの半分)になるたびに、信
号幅幅は1周期だけ変化する。一方、ウェハ4のマーク
WMからの回折光105についても全く同様で、(4)
式のように表わされる。そこでこの2つの光電信号の位
相関係を合致させるように、レチクル1又はウェハ4を
移動させることによってアライメントが完了する。ただ
し(4)式からもわかるように各信号は正弦波状であ
り、検出できる位相差も±180°の範囲内であるた
め、レチクル1とウェハ4とは予めマークRM、WMの
格子ピッチPの1/2以下の精度でプリアライメントさ
れている必要がある。このようにラジアル・グレイティ
ング11が停止している場合は、得られる光電信号の振
幅レベルはしチクル1又はウェハ4を移動させることに
よってはじめて正弦波状に変化する。 【0024】ところでラジアル・グレイティング11が
回転していると、回折光104、105は周期的(正弦
波状)な明暗情報となり、得られる光電信号は、レチク
ル1又はウェハ4が静止していたとしても、正弦波状の
交流信号となる。従ってこの場合は、第1図中に示した
光電検出器19からの光電信号(正弦波交流信号)を基
本信号として、マークRMからの回折光104の光電信
号(正弦波交流信号)との位相差φr を位相検出系で検
出する。同様にして、マークWMからの回折光105の
光電信号と基本信号との位相差φW を検出する。そし
て、位相差φr とφW の差を求めれば、レチクル1とウ
ェハWのx方向のずれ量がわかる。この検出方式は所謂
光へテロダイン方式と呼ばれ、レチクル1とウェハ4が
格子ピッチPの1/2の位置誤差範囲内であれば、静止
状態であっても検出高分解能で位置ずれ検出できるた
め、レチクル1のパターンをウェハ4のレジストへ露光
している間に微小な位置ずれが生じないようにクローズ
ド・ループの位置サーボをかけるのに好都合である。こ
の検出方式では、φr −φW が零(又は所定値)になる
ようにレチクル1又はウェハ4を移動させてアライメン
トを完了させた後、引き続きそのアライメント位置でレ
チクル1とウェハ4とが相対移動しないようにサーボ・
ロックをかけることができる。 【0025】以上本実施例では、アライメント光学系を
x方向の位置ずれ検出用に1組だけ設けて説明したが、
実際には2組、又は3組が必要であり、x方向、y方向
のアライメント、あるいはx方向、y方向、θ方向のア
ライメントが行なわれる。3組のアライメント光学系を
配置する場合、ウェハ上のマーク配置は1例として第4
図に示すものが考えられる。第4図はウェハ上の1つの
ショット領域SAに付随した3ケ所の回折格子状マーク
WMx、WMy、WMθを表わし、マークWM白、WM
yはショット領域の両端に設けられ、ともにy方向のず
れ検出に使われる。マークWMy、WMθのずれ量の差
からショット毎にレチクル1との相対回転誤差が求めら
れる。尚、第4図においてマークWMx、WMy、WM
θはショット領域内に設けたが、スクライブライン(ス
トリートライン)SL上に設けるようにしてもよい。 【0026】以上、本実施例においては、ダイクロイッ
クミラー22で露光光とアライメント用照明光とを分離
し、アライメント光学系は露光中においてもレジストを
感光させにくい照明光によってレチクルとウェハとを同
時観察できるようにしてある。しかも2焦点光学系を用
いて投影レンズの色収差量に対応するようにアライメン
ト用照明光を2焦点化するため、レチクルとウェハとの
間のアライメント光路中には、従来のように補正光学系
を設ける必要かなく、レチクル上のマークとウェハ上の
マークとを直接検出して高精度なアライメントが可能と
なる。さらにアライメント用のマークは高分解能で位置
ずれ検出のできる回折格子とし、この回折格子の周期構
造に応じて発生する回折光の正弦波状のレベル変化をと
らえるようにしたため、レジストに対して透明な波長の
照明光(非感光光)を用いることと相まって、極めて安
定で高精度の位置ずれ検出が可能となる。また本実施例
では、ラジアル・グレイティングを回転させて、回折格
子マークを2方向から照明する2つの光束+LB1P、−
LB1P(又は+LB1S、−LB1S)に位相差を与えるこ
とによって、光へテロダイン方式の位置ずれ検出を行な
うようにしたが、レーザ光束LBをゼーマンレーザにし
て固定の基準回折格子に入射させて2つの光束を得た
り、又は超音波光変銅器(AOM)等を用いて互いに周
波数がわずかに異なる2つのしーザ光束を得たりするこ
とによっても、同様に光へテロダイン方式の計測がてき
る。特に超音波光変調器等を用いると、ラジアル・グレ
イティングのような機械的可動部がいらないこと、変調
による周波数差がラジアル・グレイティングの場合より
も数段大きくとれることから、位相差検出の分解能が上
げられることなどの利点がある。 【0027】また本実施例では、露光光とアライメント
光とで波長が異なり、その色収差量が大きいために2焦
点素子を用いた検出光学系を用いた。しかし投影レンズ
自体が上記2つの波長に対して収差補正されている場合
は、2焦点素子は必要なく、2つの波長で色消しされた
テレセントリックな対物レンズがあればよい。この場合
でも、検出系の受光面ではウェハからの信号とレチクル
からの信号とを分離して受光することができる。これは
ウェハ、レチクル、受光面の夫々がアライメント光の波
長のもとでも共役になるからである。 【0028】さらに露光光とアライメント光との波長を
近似させてもよい。この場合は投影レンズによって大き
な色収差量は発生しないものの、実質的に光源が異なる
ことからアライメント精度に影響を与える程度の収差が
残存することもあり、検出光学系として色消しされたテ
レセントリックな対物レンズを用いる。このようなとき
に、露光光の波長に近いアライメント光を発生する光源
が存在しない場合は、非線形結晶にレーザ光を入射さ
せ、この結晶から高調波を発生させ、それを利用するこ
ともできる。特にエキシマレーザを用いた露光装置の場
合、露光波長に近い波長で連続発振するレーザが存在し
ないことがあり、このようなときに非線形結晶を用いて
所望のアライメント光を取り出すようにするとよい。 【0029】以上本実施例においては、アライメント光
学系の照明光迭光路中に2焦点光学系等の検出光学系を
設け、照明光自体を色収差量に対応して2重焦点化(色
消し)することによって、マスク(レチクル)と投影光
学系との間に補正光学系を設けることを不要とした。従
って露光光とは異なる波長の光でマーク(回折格子)を
検出するにもかかわらず、従来のような補正光学系に起
因する各種問題が一掃され、極めて安定した位置合わせ
が可能となる。さらにマスク上の格子と基板上の格子と
の相対的な位置ずれを検出するために、各格子の配列方
向に関して異なった2方向からアライメント用照明光が
照射されるように、2焦点光学系(検出光学系)に入射
するアライメント用照明光の配向特性を制御するように
した。このため各格子から発生する正反射光と回折光
(±1次光、±2次光等)とが明瞭に分離されることに
なり、回折光を用いた格子間の位置ずれが高精度に求め
られる。また、回折格子に2方向から照明光を入射する
ことによって、一方の方向からの照射により発生する回
折光と、他方の方向からの照射により発生する回折光と
を同一の光路にして干渉させることができるため、所謂
光へテロダイン法を容易に採用することができ、位置ず
れ計測の分解能は十分に高精度になり、計測再現生、安
定性とも十分に向上する。 【0030】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、光源とは
別設された周波数変調器からの1対の照明光を対物光学
系を介して位置合わせ対象物(基板、マスク)に照明す
るようにしたので、所望の条件で照明光を位置合わせ対
象物に照射することができる。また、周波数変調器とマ
ークとを共役関係としたので、回折マークを用いた位置
合わせ方式において、周波数変調器が位置ずれしたり、
周波数変調器とマークとの間の光路中で空気ゆらぎが生
じたりしてもアライメント誤差が生じない。従って、装
置としての安定性とアライメント精度とを同時に満足す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による投影露光装置の全体的な
構成を示す図である。 【図2】アライメント系のみの構成を示す図である。 【図3】(a)はレチクル上の回折格子マークの形状を
示す平面図であり、(b)はウェハ上の回折格子マーク
の形状を示す平面図であり、(c)は光電検出系に設け
られたマスク部材の形状を示す平面図である。 【図4】ウェハ上のマーク配置を示す平面図である。 【図5】レーザ光束の入射の様子を示す図である。 【主要部分の符号の説明】 1…レチクル 3…投影レンズ 4…ウェハ 10…レーザ光源 11…ラジアル・グレイティング 21…2焦点光学系 25…光電検出器 25’…マスク部材 30…水銀ランプ
構成を示す図である。 【図2】アライメント系のみの構成を示す図である。 【図3】(a)はレチクル上の回折格子マークの形状を
示す平面図であり、(b)はウェハ上の回折格子マーク
の形状を示す平面図であり、(c)は光電検出系に設け
られたマスク部材の形状を示す平面図である。 【図4】ウェハ上のマーク配置を示す平面図である。 【図5】レーザ光束の入射の様子を示す図である。 【主要部分の符号の説明】 1…レチクル 3…投影レンズ 4…ウェハ 10…レーザ光源 11…ラジアル・グレイティング 21…2焦点光学系 25…光電検出器 25’…マスク部材 30…水銀ランプ
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
H01L 21/30 525R
525K
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.移動可能なステージ上に保持された基板上のマーク
を照明し、該マークから発生する回折光を受光して得ら
れる光電信号に基づいて、前記ステージの移動を制御す
ることによって前記基板を位置合わせする装置におい
て、 前記基板のマークを照明するための照明光を放射する光
源と; 前記照明光を入射して所定の周波数差を有する一対の照
明光を生成する周波数変調器と; 前記1対の照明光を前記マークに所定の交差角度で照射
するために、前記周波数変調器と前記基板とを相互に共
役関係にする第1の照射光学系と; 該第1の照射光学系の光路内に配置されて前記1対の照
明光を分割するビームスプリッタと; 該分割された1対の照明光を参照マークに所定の交差角
度で照射するために、前記周波数変調器と前記参照マー
クを相互に共役関係にする第2の照射光学系と; 前記マークから発生する2つの回折光の干渉光を受光し
て前記所定の周波数差に応じた周期で強度変化する第1
交流信号を出力するとともに、前記参照マークから発生
する2つの回折光の干渉光を受光して前記所定の周波数
差に応じた周波数差に応じた周期で強度変化する第2交
流信号とを出力する光電検出手段と; 前記第1交流信号と第2交流信号との間の位相差を計測
することによって、前記参照マークに対する前記マーク
の位置ずれ量を計測する計測手段と; 該計測された位置ずれ量に基づいて、前記ステージの移
動を制御する制御系とを備えたことを特徴とする位置合
わせ装置。 2.移動可能なステージ上に保持された基板上のマーク
を照明し、該マークから発生する回折光を受光して得ら
れる光電信号に基づいて、前記ステージの移動を制御す
ることによって前記基板を位置合わせする装置におい
て、 前記マークを照明するための照明光を放射する光源と; 前記照明光を入射して1対の照明光を生成する2光束発
生手段と; 前記1対の照明光に所定の周波数差を与える周波数変調
器と; 前記1対の照明光の各々を入射し、該各々の照明光を前
記マークに照射する照射対物光学系と; 前記マークから発生する2つの回折光の干渉光を受光し
て光電信号を出力する光電検出手段と; 前記光電信号に基づいて、前記マークの位置を計測する
計測手段と; 該計測された前記マークの位置に基づいて、前記ステー
ジの移動を制御する制御系とを備えたことを特徴とする
位置合わせ装置。 3.照射対物光学系は、前記1対の照明光を前記マーク
に異なる交差角度で照射することを特徴とする請求項2
に記載に位置合わせ装置。 4.移動可能なステージ上に保持された基板上にマスク
のパターンを転写する露光装置において、 前記基板に形成された回折マークを照明するための照明
光を放射する光源と; 前記照明光を入射して1対の照明光を生成する2光束発
生手段と; 前記1対の照明光に所定の周波数差を与える周波数変調
器と; 前記1対の照明光の各々を入射し、該各々の照明光を前
記回折マークに照射する第1照射対物光学系と; 前記1対の照明光を分割するビームスプリッタと; 前記分割された1対の照明光を参照マークに照射する第
2照射対物光学系と; 前記回折マークから発生する2つの回折光の干渉光を受
光して第1光電信号を出力する第1光電検出手段と; 前記参照マークから発生する2つの回折光の干渉光を受
光して第2光電信号を出力する第2光電検出手段と; 前記第1光電信号と前記第2光電信号に基づいて、前記
参照マークに対する前記回折マークの位置ずれ量を計測
する計測手段と; 該計測された位置ずれ量に基づいて、前記ステージの移
動を制御する制御系とを備えたことを特徴とする露光装
置。 5.前記第1照射対物光学系は、前記周波数変調器と前
記基板とを相互に共役関係にするとともに、前記第2照
射対物光学系は、前記周波数変調器と前記参照マークと
を相互に共役関係にすることを特徴とする請求項4に記
載の露光装置。 6.前記第1光電検出手段は、前記回折マークから発生
する2つの回折光の干渉光を受光して前記所定の周波数
差に応じた周期で強度変化する第1交流信号を出力する
とともに、前記第2光電検出手段は、前記参照マークか
ら発生する2つの回折光の干渉光を受光して前記所定の
周波数差に応じた周期で強度変化する第2交流信号を出
力し、前記計測手段は、前記第1交流信号と前記第2交
流信号とに基づいて、前記位置ずれ量を計測することを
特徴とする請求項4または5に記載の露光装置。 7.移動可能なステージ上に保持された基板上にマスク
のパターンを転写する露光方法において、 光源からの照明光を1対の照明光に分割するとともに、
該光源とは別設された周波数変調器によって、該1対の
照明光に所定の周波数差を与える第1工程と; 前記1対の照明光の各々を入射する対物光学系を介し
て、前記基板上に形成されたマークに前記1対の照明光
を照射する第2工程と; 前記マークから発生する2つの回折光の干渉光に基づい
て、前記マークの位置情報を計測する第3工程と; 前記計測結果に基づいて、前記ステージの移動を制御す
る第4工程とを備えたことを特徴とする露光方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29303596A JP2787303B2 (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 位置合わせ装置、露光装置及び露光方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29303596A JP2787303B2 (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 位置合わせ装置、露光装置及び露光方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62118500A Division JP2658051B2 (ja) | 1987-05-15 | 1987-05-15 | 位置合わせ装置,該装置を用いた投影露光装置及び投影露光方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09119811A JPH09119811A (ja) | 1997-05-06 |
JP2787303B2 true JP2787303B2 (ja) | 1998-08-13 |
Family
ID=17789657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29303596A Expired - Lifetime JP2787303B2 (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 位置合わせ装置、露光装置及び露光方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2787303B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG152898A1 (en) * | 2002-09-20 | 2009-06-29 | Asml Netherlands Bv | Alignment systems and methods for lithographic systems |
DE102008004762A1 (de) * | 2008-01-16 | 2009-07-30 | Carl Zeiss Smt Ag | Projektionsbelichtungsanlage für die Mikrolithographie mit einer Messeinrichtung |
JP5909210B2 (ja) | 2013-07-11 | 2016-04-26 | キヤノン株式会社 | インプリント装置及び物品の製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0749926B2 (ja) * | 1986-05-07 | 1995-05-31 | 日本電信電話株式会社 | 位置合わせ方法および位置合わせ装置 |
-
1996
- 1996-11-05 JP JP29303596A patent/JP2787303B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09119811A (ja) | 1997-05-06 |
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---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |